特許第6559698号(P6559698)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559698
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】多孔性材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/00 20060101AFI20190805BHJP
   C08G 18/28 20060101ALI20190805BHJP
   C08G 18/09 20060101ALI20190805BHJP
   F16L 59/065 20060101ALI20190805BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20190805BHJP
【FI】
   C08G18/00 F
   C08G18/28 015
   C08G18/09 020
   F16L59/065
   C08G101:00
【請求項の数】16
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-559263(P2016-559263)
(86)(22)【出願日】2015年3月24日
(65)【公表番号】特表2017-512865(P2017-512865A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】EP2015056247
(87)【国際公開番号】WO2015144698
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2018年3月23日
(31)【優先権主張番号】14161246.5
(32)【優先日】2014年3月24日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】レルスベルク,ヴィブケ
(72)【発明者】
【氏名】フリッケ,マルク
(72)【発明者】
【氏名】ヴァインリッヒ,ディルク
【審査官】 今井 督
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−265479(JP,A)
【文献】 特表平09−501455(JP,A)
【文献】 特表2001−516393(JP,A)
【文献】 特表2013−531110(JP,A)
【文献】 特開平07−018045(JP,A)
【文献】 特開平06−270163(JP,A)
【文献】 特開2000−109536(JP,A)
【文献】 特表2017−512864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00− 18/87
C08G 101/00
F16L 59/00− 59/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
なくとも、下記工程、
a)(i)有機ゲルの形成に適した成分を含む組成物(A)、及び、
(ii)溶媒(B)、
を含む混合物(I)を提供する工程と、
b)組成物(A)中の成分を反応させ、有機ゲルを得る工程と、
c)工程b)で得られたゲルを乾燥する工程と
を含み、
組成物(A)が少なくとも1種のモノオール(am)を含み、
前記モノオール(am)が、前記組成物(A)に基づいて1質量%〜22質量%の量で、前記組成物(A)に存在している多孔性材料の製造方法であって、
前記組成物(A)が、成分(ai)としての少なくとも1種の多官能性イソシアネート、及び成分(ac)としての少なくとも1種の触媒を含むことを特徴とする多孔性材料の製造方法。
【請求項2】
前記モノオール(am)が、1個〜20個の炭素原子を有する脂肪族モノオール、及び個〜20個の炭素原子を有する芳香族モノオールからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物(A)が1質量%未満の水を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物(A)が実質的に芳香族アミンを含まない、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
組成物(A)が、いずれの場合にも該組成物(A)の総質量に基づいて、
− 65質量%〜9.9質量%の成分(ai)としての少なくとも1種の多官能性イソシアネート、及び、
− 0.1質量%〜20質量%の成分(ac)としての少なくとも1種の触媒、
を含み、前記組成物(A)の前記成分の質量%の合計が100質量%である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
イソシアネート混合物が成分(ai)として使用される、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒が、第1級、第2級及び第3級アミン、トリアジン誘導体、有機金属化合物、金属キレート、ホスホレンの酸化物、第4級アンモニウム塩、水酸化アンモニウム、及びアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド及びカルボキシレートからなる群から選択される、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記触媒が三量化に触媒作用を及ぼし、イソシアヌレート基を形成する、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
成分(ac)が、イソシアヌレート基を形成するための三量化に触媒作用を及ぼす触媒、及びアミン触媒を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
成分(ac)が少なくとも1種のカルボン酸を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
工程c)における前記乾燥工程を、ゲルに含まれる液体の臨界温度及び臨界圧力より低い温度及び圧力で、ゲルに含まれる液体をガス状態に変換することにより行う、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法により得られる又は得られうる多孔性材料。
【請求項13】
工程c)における前記乾燥工程が超臨界条件で行われる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法により得られる又は得られうる請求項12に記載の多孔性材料。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の多孔性材料又は請求項1から11のいずれか一項に記載の方法により得られる又は得られうる多孔性材料を、断熱材料として、又は真空断熱パネルに使用する方法。
【請求項15】
前記多孔性材料を断熱系の内部又は外部に使用する、請求項14に記載の使用方法。
【請求項16】
前記多孔性材料を貯水槽又は製氷機断熱システムに使用する、請求項14に記載の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ゲルの形成に適した成分を含む組成物(A)及び溶媒(B)を含む混合物を提供する工程と、前記溶媒(B)の存在下で組成物(A)中の成分を反応させ、ゲルを形成させる工程と、工程b)で得られたゲルを乾燥する工程とを少なくとも含む多孔性材料の製造方法に関し、ここでは、前記組成物(A)が少なくとも1種のモノオール(am)を含む。さらに、本発明は、この方法で得られる多孔性材料、並びに、この多孔性材料を、断熱材料として、及び真空断熱パネルに使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
数ミクロン或いはそれより顕著に小さい寸法範囲の細孔を有し、且つ少なくとも70%の高い多孔率を有する多孔性材料(例えばポリマーフォーム)は、理論的には特に良好な断熱剤である。
【0003】
小さい平均孔径を有するこのような多孔性材料は、例えば、ゾル−ゲル法及び続く乾燥により製造される有機エアロゲル又はキセロゲルの形態のものであり得る。ゾル−ゲル法では、反応性有機ゲル前駆体に基づくゾルをまず製造し、その後そのゾルを架橋反応によりゲル化してゲルを得る。多孔性材料(例えばエアロゲル)を得るため、ゲルから液体を除去しなければならない。この工程を、今後、簡単にするため乾燥と呼ぶ。
【0004】
WO95/02009には、真空断熱の分野の用途に特に好適であるイソシアネートに基づくキセロゲルが開示されている。この公報には、キセロゲルを製造するためのゾル−ゲル法が開示されており、この方法では、公知のポリイソシアネート、特に芳香族ポリイソシアネート及び非反応性溶が使用される。活性水素原子を有するさらなる化合物として、脂肪族又は芳香族ポリアミン又はポリオールが使用される。この公報に開示された例には、ポリイソシアネートをジアミノジエチルトルエンと反応させたものが含まれる。開示されたキセロゲルは、一般に50μm付近の平均孔径を有する。一例では、10μmの平均孔径が述べられている。
【0005】
WO2008/138978には、30〜90質量%の少なくとも1種の多官能性イソシアネート及び10〜70質量%の少なくとも1種の多官能性芳香族アミンを含み、5μm以下の体積平均孔径を有するキセロゲルが開示されている。
【0006】
WO 96/37539 A1には、有機ポリイソシアネート及びイソシアネート三量化触媒に基づくエアロゲルが開示されている。安定なエアロゲルを得るために充填剤を使用する。
【0007】
WO2011/069959、WO2012/000917及びWO2012/059388には、多官能性イソシアネート及び多官能性芳香族アミンに基づく多孔性材料が開示されており、ここではアミン成分に多官能性置換芳香族アミンが含まれている。開示されている多孔性材料は、イソシアネートを、所望量のアミンと、イソシアネートに対して不活性な溶中で反応させることにより製造される。触媒の使用は、WO2012/000917及びWO2012/059388において知られている。
【0008】
しかしながら、ポリ尿素に基づく公知の多孔性材料の材料の性質、特に、機械的安定性及び/又は圧縮強度及びさらに熱伝導性は、全ての用途において満足するものではない。特に、通風状態(ventilated state)での熱伝導率が十分に低くない。連続気泡材料の場合、通風状態は、空気の大気圧下の状態であり、一方、部分又は完全独立気泡材料(例、硬質ポリウレタンフォーム)の場合、この状態は、気泡ガスが徐々に完全に置換された後、エイジング後においてのみ達成される。
【0009】
イソシアネートとアミンに基づく、従来技術において公知の処方に関連する特定の問題は、混合欠陥である。混合欠陥は、イソシアネートとアミノ基との間の高い反応速度の結果として起こるが、これはゲル化反応が完全混合の前にすでにかなり進んでいるためである。混合欠陥は、不均一で不満足な材料の性質を有する多孔性材料をもたらす。
【0010】
公知の多孔性材料のもう1つの欠陥は、しばしば、増大した熱伝導性をもたらす、即ち、材料の断熱特性を低下させる高い吸水率(water uptake)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO95/02009
【特許文献2】WO2008/138978
【特許文献3】WO 96/37539 A1
【特許文献4】WO2011/069959
【特許文献5】WO2012/000917
【特許文献6】WO2012/059388
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、前述の不利を回避することである。特に、前述の不利の無い、或いはその不利の程度の小さい多孔性材料を提供しなければならない。この多孔性材料は、通風状態で、即ち大気圧で、低い熱伝導率を有するはずである。さらに、この多孔性材料は、同時に、高い多孔率、低い密度及び十分に高い機械的安定性を持つはずである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、この目的は、
少なくとも、下記工程、
a)(i)有機ゲルの形成に適した成分を含む組成物(A)、及び、
(ii)溶媒(B)
を含む混合物(I)を提供する工程と、
b)組成物(A)中の成分を反応させ、ゲルを生成させる工程と、
c)工程b)で得られたゲルを乾燥する工程と
を含み、組成物(A)が少なくとも1種のモノオール(am)を含む、多孔性材料を製造する方法によって解決される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の多孔性材料はエアロゲル又はキセロゲルであることが好ましい。
【0015】
好ましい実施態様は、本特許請求の範囲及び本明細書に見ることができる。好ましい態様の組み合わせは、本発明の範囲外とはならない。使用される成分の好ましい実施態様を以下に記載する。
【0016】
本発明によれば、多孔性材料の製造方法において、工程a)で、有機ゲルの形成に適した成分を含む組成物(A)及び溶媒(B)を含む混合物(I)を提供する。組成物(A)は少なくとも1種のモノオール(am)を含む。工程b)では、溶媒(B)の存在下で組成物(A)中の成分を反応させ、ゲルを生成させる。このゲルはその後本発明の方法の工程c)に従い乾燥される。
【0017】
上述の方法により、改良された性質、特に改良された熱伝導性を有する多孔性材料が得られる。
【0018】
組成物(A)は、少なくとも1種のモノオール(am)を含み、有機ゲルを形成するのに適した成分を含む任意の組成物であってもよい。好ましくは、組成物(A)は、成分(ai)として少なくとも1種の多官能性イソシアネート、及び場合によりさらなる成分を含む。
【0019】
したがって、さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法に関し、前記組成物(A)が成分(ai)としての少なくとも1種の多官能性イソシアネートを含む。
【0020】
また、組成物(A)は、さらなる成分、例えば多官能性イソシアネートと反応する成分、特に1種以上の触媒を含むことができる。組成物(A)は、成分(ai)としての少なくとも1種の多官能性イソシアネートを含み、及び成分(ac)としての少なくとも1種の触媒を含むことが好ましい。
【0021】
したがって、さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法に関し、組成物(A)が、成分(ai)としての少なくとも1種の多官能性イソシアネート、及び成分(ac)としての少なくとも1種の触媒を含む。
【0022】
驚いたことには、例えば芳香族アミンなどのさらなる成分を使用しないで、少なくとも1種の多官能性イソシアネート及び構成要素としてのモノオールを含むゲル組成物を使用して、安定なエアロゲル及びキセロゲルを得ることができることが見出された。好ましくは、組成物(A)は、実質的には芳香族アミンを含まない。
【0023】
この明細書において、実質的には芳香族アミンを含まないことは、組成物(A)が、1質量%未満の芳香族アミン、好ましくは0.5質量%未満の芳香族アミンを含むことである。
【0024】
したがって、さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法に関し、組成物(A)が実質的には芳香族アミンを含まない。
【0025】
以下、多官能性イソシアネート成分(ai)は成分(ai)と総称する。上述のモノマー成分は多孔性材料中に反応した形態で存在することは当業者に明らかであろう。
【0026】
本発明のため、化合物の官能価は、1分子当たりの反応基の数である。モノマー成分(ai)の場合には、官能価は1分子当たりのイソシアネート基の数である。多官能性化合物は少なくとも2の官能価を有する。
【0027】
異なる官能価を有する化合物の混合物を成分(ai)として用いた場合、成分の官能価は、それぞれ、個々の化合物の官能価の数平均によって与えられる。多官能性化合物は1分子当たり上述の官能基を少なくとも2個含んでいる。
【0028】
本発明のため、キセロゲルは、液相の臨界温度未満及び液相の臨界圧力未満(“臨界未満条件”)で乾燥することにより液相をゲルから除去する、ゾル−ゲル法により製造された多孔性材料である。エアロゲルは、超臨界条件下で液相をゲルから除去するゾル−ゲル法により製造された多孔性材料である。
【0029】
組成物(A)は少なくとも1種のモノオール(am)を含む。一般に、この明細書において、任意のモノオールを使用し得る。また、本発明によれば、組成物(A)が2種以上のモノオールを含むことが可能である。モノオールは分岐状又は直鎖状であり得る。本発明によれば、第1級、第2級又は第3級アルコールが好適である。好ましくは、モノオール(am)は直鎖アルコールであり、より好ましくは直鎖の第1級アルコールである。この明細書において、モノオールは脂肪族モノオール又は芳香族モノオールであり得る。さらに、モノオールは、本発明の方法の条件下で他の成分と反応しない限りでさらなる官能基も含み得る。モノオールは、例えば、C−C−二重結合又はC−C三重結合を含んでもよい。モノオールは、例えば、ハロゲン化モノオール、特にフッ素化モノオール、例えばポリフッ素化モノオール又は過フッ素化モノオールであり得る。
【0030】
この明細書において、モノオールが、アリルアルコール、アルキルフェノール又はプロパルギルアルコールから選択されてもよい。さらに、この明細書において、例えば、脂肪アルコールアルコキシレート、オキソアルコールアルコキシレート又はアルキルフェノールアルコキシレートなどのアルコキシレートを使用し得る。
【0031】
さらなる好ましい実施態様によれば、モノオールは、1個〜20個の炭素原子を有する脂肪族又は芳香族モノオールから選択される。したがって、さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法に関し、前記モノオール(am)が、1個〜20個の炭素原子を有する脂肪族モノオール及び1個〜20個の炭素原子を有する芳香族モノオールからなる群から選択される。
【0032】
好適な第1級アルコールは、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール及びn−エイコサノールなどの直鎖アルコールである。好適な分岐状第1級アルコールは、例えば、イソブタノール、イソペンタノール、イソヘキサノール、イソオクタノール、イソステアリルアルコール、イソパルミチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、3−n−プロピルヘプチルアルコール、2−n−プロピルヘプチルアルコール及び3−イソプロピルヘプチルアルコールである。
【0033】
好適な第2級アルコールは、例えば、イソプロパノール、sec−ブタノール、sec−ペンタノール(ペンタン−2−オル)、ペンタン−3−オル、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、sec−ヘキサノール(ヘキサン−2−オル)、ヘキサン−3−オル、sec−ヘプタノール(ヘプタン−2−オル)、ヘプタン−3−オル、sec−デカノール及びデカン−3−オルである。
【0034】
好適な第3級アルコールの例としては、tert−ブタノール及びtert−アミルアルコールが挙げられる。
【0035】
一般的には、組成物(A)に存在するモノオールの量は広い範囲で変化し得る。好ましくは、モノオールは、組成物(A)に基づいて1.0〜22質量%の量で、より好ましくは組成物(A)に基づいて1.5〜20質量%の量で、特に組成物(A)に基づいて2.0〜18質量%の量で、例えば組成物(A)に基づいて3.0〜17質量%の量で組成物(A)中に存在する。
【0036】
したがって、さらなる実施態様によれば、本発明は上述した多孔性材料の製造方法に関し、前記モノオール(am)が、前記組成物(A)に基づいて1.0〜22質量%の量で前記組成物(A)中に存在する。
【0037】
組成物(A)は少量の水をさらに含むことができる。特に好ましい実施態様において、水を使用しない。組成物(A)中に水を存在する場合、好ましい水の量は、1質量%以下、特に0.9質量%以下、特に好ましくは0.8質量%以下、特に0.75質量%以下、さらに特に好ましくは0.5質量%以下、特に0.25質量%以下であり、上記各質量は組成物(A)の総質量に基づくものであり、各成分の質量%の合計は100質量%である。
【0038】
さらなる実施態様によれば、本発明は上述した多孔性材料の製造方法に関し、水を使用しない。
【0039】
別のさらなる実施態様によれば、本発明は上述した多孔性材料の製造方法に関し、前記組成物(A)が1質量%未満の水を含む。
【0040】
組成物(A)は、有機ゲルを形成するのに適した化合物を適当量で含んでいる。反応は、例えば、65〜99.9質量%の成分(ai)としての少なくとも1種の多官能性イソシアネート、及び0.1〜20質量%の成分(ac)としての少なくとも1種の触媒を用いて行われ、上記各質量は組成物(A)の総質量に基づくものであり、各成分の質量%の合計は100質量%である。
【0041】
反応は、好ましくは68〜99.8質量%、より好ましくは71〜99.7質量%、特に80〜90質量%の成分(ai)、及び好ましくは0.2〜18質量%の成分(ac)、より好ましくは0.3〜16質量%、特に好ましくは0.5〜14質量%の成分(ac)を用いて行われ、上記各質量は組成物(A)の総質量に基づくものであり、各成分の質量%の合計は100質量%である。
【0042】
上述の好ましい範囲内において、得られるゲルは特に安定であり、続く乾燥工程において収縮しない、或いはほんの少し収縮するのみである。
【0043】
成分(ai)
本発明の方法において、少なくとも1種の多官能性イソシアネートを成分(ai)として反応させることが好ましい。
【0044】
好ましくは、使用される成分(ai)の量は、少なくとも65質量%、特に少なくとも68質量%、より好ましくは少なくとも71質量%、とりわけ少なくとも80質量%である。好ましくは、使用される成分(ai)の量は、99.9質量%以下、特に99.8質量%以下、特に好ましくは99.7質量%以下、とりわけ90質量%以下である。各質量%は、組成物(A)の総質量に基づくものである。
【0045】
使用可能な多官能性イソシアネートは、芳香族、脂肪族脂環式及び/又は芳香脂肪族イソシアネートである。このような多官能性イソシアネートは、それ自体公知であるか、或いはそれ自体公知の方法により製造し得る。また、多官能性イソシアネートは、特に混合物として使用することができ、このため、この場合の成分(ai)は種々の多官能性イソシアネートを含んでいる。モノマー構成要素(ai)として使用可能な多官能性イソシアネートは、モノマー成分の1分子当たり、2個(以下、ジイソシアネートと称する)又は2個を超えるイソシアネート基を有する。
【0046】
特に好適な多官能性イソシアネートは、ジフェニルメタン2,2’−、2,4’−及び/又は4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ナフタレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、トリレン2,4−及び/又は2,6−ジイソシアネート(TDI)、3,3’−ジメチルビフェニルジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート及び/又はp−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン及び/又はオクタメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、2−エチルブチレン1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、ブチレン1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1,4−及び/又は1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキサン2,4−及び/又は2,6−ジイソシアネート、及びジシクロヘキシルメタン4,4’−、2,4’−及び/又は2,2’−ジイソシアネートである。
【0047】
多官能性イソシアネート(ai)として、芳香族イソシアネートが好ましい。成分(ai)の特に好ましい多官能性イソシアネートは下記の実施態様である:
i)トリレンジイソシアネート(TDI)、特に2,4−TDI又は2,6−TDI、又は2,4−及び2,6−TDIの混合物、に基づく多官能性イソシアネート;
ii)ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、特に2,2’−MDI又は2,4’−MDI又は4,4’−MDI、又はオリゴマーMDI(ポリフェニルポリメチレンイソシアネートとも称される)、又は上述のジフェニルメタンジイソシアネートの2種又は3種の混合物、或いはMDIの製造で得られる粗MDI、或いは少なくとも1種のMDIのオリゴマーと少なくとも1種の上述の低分子量MDI誘導体との混合物、に基づく多官能性イソシアネート;
iii)実施態様i)の少なくとも1種の芳香族イソシアネートと実施態様ii)の少なくとも1種の芳香族イソシアネートとの混合物。
【0048】
さらなる実施態様によれば、本発明は上述した多孔性材料の製造方法に関し、イソシアネート混合物が成分(ai)として使用される。
【0049】
オリゴマージフェニルメタンジイソシアネートは多官能性イソシアネートとして特に好ましい。オリゴマージフェニルメタンジイソシアネート(以下、オリゴマーMDIと称する)はオリゴマー縮合生成物、又は複数のオリゴマー縮合生成物の混合物であり、従ってジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の誘導体/複数の誘導体である。多官能性イソシアネートは、モノマー芳香族ジイソシアネートとオリゴマーMDIとの混合物からなることも好ましい。
【0050】
さらなる実施態様によれば、本発明は上述した多孔性材料の製造方法に関し、前記多官能性イソシアネートがモノマー芳香族ジイソシアネートとオリゴマーMDIとの混合物である。
【0051】
ポリマーMDIとモノマーMDIとの混合物を使用する場合、該混合物中のポリマーMDIの量は、例えば、100%〜30%の範囲、好ましくは95%〜40%の範囲、より好ましくは90%〜45%の範囲である。モノマーMDIの量は、例えば、60%〜0%の範囲、好ましくは55%〜10%の範囲、より好ましくは50%〜15%の範囲である。上記の%はポリマーMDIとモノマーMDIとの合計に基づくものである。
【0052】
MDI異性体の好適な混合物は、例えば2,4−MDI及び4,4’−MDIを含む。2,4−MDI及び4,4’−MDIを含む混合物の総質量(100質量%である)に基づいて、2,4−MDIの総質量割合は、好ましくは0〜56質量%、特に04〜54質量%、より好ましくは08〜52質量%、特に好ましくは12〜50質量%である。出発物質中の異性体の量を上記の範囲で順守することにより、特に有利な細孔構造、低い熱伝導率及び乾燥時の低い収縮を有する多孔性材料が得られる。
【0053】
オリゴマーMDIは、複数の環、及び2を超える、特に3又は4又は5官能価を有するMDIの縮合生成物を1種以上含んでいる。オリゴマーMDIは公知であり、しばしばポリフェニルポリメチレンイソシアネート又はポリマーMDIと呼ばれる。オリゴマーMDIは、通常、種々の官能価を有するMDIに基づくイソシアネートの混合物からなる。オリゴマーMDIは、通常、モノマーMDIと混合して使用される。
【0054】
オリゴマーMDIを含むイソシアネートの(平均)官能価は、約2.2〜約5、特に2.3〜3.5、特に2.4〜3の範囲で変化し得る。このような、種々の官能価を有する、MDIに基づく多官能性イソシアネートの混合物は、特に、MDIの製造で得られる粗MDIである。
【0055】
多官能性イソシアネート又はMDIに基づく複数の多官能性イソシアネートの混合物は、公知であり、例えばBASF Polyurethanes GmbH製の商品名Lupranat(登録商標)で市販されている。
【0056】
成分(ai)の官能価は、好ましくは少なくとも2、特には少なくとも2.2、特に好ましくは少なくとも2.4である。成分(ai)の官能価は、好ましくは2.2〜4、特に好ましくは2.4〜3である。
【0057】
成分(ai)のイソシアネート基の含有量は、好ましくは5〜10mmol/g、特に6〜9mmol/g、特に好ましくは7〜8.5mmol/gである。当業者は、mmol/gのイソシアネート基の含有量とg/当量の当量質量とは逆数の関係を有することを承知している。mmol/gのイソシアネート基の含有量は、ASTM D−5155−96 Aに従って得られる質量%の含有量に由来し得る。
【0058】
好ましい実施態様において、成分(ai)は、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’−ジイソシアネート、及びオリゴマージフェニルメタンジイソシアネートから選択される少なくとも1種の多官能性イソシアネートを含む。この好ましい実施態様では、成分(ai)は、オリゴマージフェニルメタンジイソシアネートを含み、少なくとも2.4の官能価を有することが特に好ましい。
【0059】
使用される成分(ai)の粘度は、広い範囲で変化し得る。成分(ai)は、好ましくは100〜3000mPa.s、特に好ましくは200〜2500mPa.sの粘度を有する。
【0060】
成分(ai)、(ac)及び(am)は、以下、有機ゲル前駆体(A’)と総称される。成分(ai)、(ac)及び(am)の部分的反応が、次いでゲルに変換される現実のゲル前駆体(A’)をもたらすことは、当業者には明白なことである。
【0061】
成分(ac)
組成物(A)は、さらに、成分(ac)としての少なくとも1種の触媒を含んでいる。使用される成分(ac)の量は、好ましくは少なくとも0.1質量%、特に少なくとも0.2質量%、特に好ましくは少なくとも0.3質量%、とりわけ少なくとも0.5質量%である。使用される成分(ac)の量は、好ましくは20質量%以下、特に18質量%以下、特に好ましくは16質量%以下、とりわけ14質量%以下である。上記各質量%は組成物(A)の総量に対するものである。
【0062】
使用可能な触媒は、一般に当業者に公知の全ての触媒であり、イソシアネートの三量化(三量化触媒として知られる)及び/又はイソシアネートとアミノ基との反応(ゲル化触媒として知られる)及び/又はイソシアネートと水との反応(発泡触媒として知られる)を促進する触媒である。
【0063】
対応する触媒はそれ自体公知であり、上述の3つの反応において異なる反応活性を有する。したがって、相対活量により、触媒は、上述のタイプの1種以上に割り当てられる。さらに、上述の反応以外の反応も起こり得ることは当業者に知られている。
【0064】
対応する触媒は、例えば、ポリウレタン,第3版,G.Oertel,HanserVerlag,Munich,1993年に公知であるように、特に、そのゲル化/発泡化の比に従い特徴づけられ得る。
【0065】
さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法に関し、前記触媒が、イソシアヌレート基の形成のための三量化に触媒作用を及ぼす。
【0066】
別の実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法に関し、成分(ac)が少なくとも1つの第3級アミノ基を含む。
【0067】
同時に、好ましい触媒は三量化に顕著な活性を有する。好ましくは、これは、網状構造の均一性に有利な影響を与え、特に有利な機械的性質をもたらす。
【0068】
触媒は、モノマー構成要素として組み込むことができる(組み込み可能触媒)かもしれないが、或いは組み込むことができない。
【0069】
成分(ac)として好ましい触媒は、第1級、第2級及び第3級アミン、トリアジン誘導体、有機金属化合物、金属キレート、有機リン化合物、特にホスホレンの酸化物、第4級アンモニウム塩、水酸化アンモニウム、及びまたアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド及びカルボキシレートからなる群から選択される。
【0070】
したがって、さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法に関し、成分(ac)が、第1級、第2級及び第3級アミン、トリアジン誘導体、有機金属化合物、金属キレート、ホスホレンの酸化物、第4級アンモニウム塩、水酸化アンモニウム、及びアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド及びカルボキシレートからなる群から選択される。
【0071】
好適な有機リン化合物、特にホスホレンの酸化物は、例えば、1−メチルホスホレンオキシド、3−メチル−1−フェニルホスホレンオキシド、1−フェニルホスホレンオキシド、3−メチル−1−ベンジルホスホレンオキシドが挙げられる。
【0072】
好ましくは、好適な触媒は三量化触媒である。好適な三量化触媒としては、特に強塩基、例えば、水酸化第4級アンモニウム、例えばアルキル基に1〜4個の炭素原子を有する水酸化テトラアルキルアンモニウム及び水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム、並びに、アルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド及びナトリウムエトキシド、及びカリウムイソプロポキシドが挙げられる。
【0073】
さらに好適な三量化触媒としては、特に、カルボン酸のアルカリ金属塩、例えばギ酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸アンモニウム、プロピオン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、オクタン酸カリウム、トリフルオロ酢酸カリウム、トリクロロ酢酸カリウム、クロロ酢酸ナトリウム、ジクロロ酢酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム、アジピン酸カリウム、安息香酸カリウム及び安息香酸ナトリウム、10〜20個の炭素原子、及び任意に側OH基を有しても良い飽和又は不飽和長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0074】
さらに好適な三量化触媒としては、特に、N−ヒドロキシアルキル第4級アンモニウムカルボキシレート、例えばトリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムホーメートが挙げられる。
【0075】
さらに好適な三量化触媒としては、特に、酢酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(酢酸EMIM)、酢酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(酢酸BMIM)、オクタン酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(オクタン酸EMIM)、及びオクタン酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(オクタン酸BMIM)が挙げられる。
【0076】
第3級アミンも三量化触媒として当業者にそれ自体公知である。第3級アミン、即ち少なくとも1個の第3級アミノ基を有する化合物は、触媒(ac)として特に好ましい。三量化触媒として特徴的性質を有する好適な第3級アミンとしては、特にN,N’,N’’−トリス(ジアルキルアミノアルキル)−s−ヘキサヒドロトリアジン、例えばN,N’,N’’−トリス(ジメチルアミノプロピル)−s−ヘキサヒドロトリアジン、トリス(ジアメチルアミノメチル)フェノールが挙げられる。
【0077】
金属−有機化合物は、ゲル触媒として当業者にそれ自体公知である。スズ−有機化合物、例えばスズ2−エチルヘキサノエート及びジブチルスズジラウレートが、特に好ましい。
【0078】
また、第3級アミンは、ゲル触媒として当業者にそれ自体公知である。前述のように、第3級アミンは触媒(ac)として特に好ましい。ゲル触媒として良好な性質を有する好適な第3級アミンとしては、特に、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N’−ジメチルピペラジン及びN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N,N,N−ペンタメチルジエチレントリアミン、メチルイミダゾール、ジメチルイミダゾール、アミノプロピルイミダゾール、ジメチルベンジルアミン、1,6−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)、ジメチルアミノエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、及びブチルジエタノールアミンが挙げられる。
【0079】
成分(ac)として特に好ましい触媒は、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルピペラジン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N,N,N−ペンタメチルジエチレントリアミン、メチルイミダゾール、ジメチルイミダゾール、アミノプロピルイミダゾール、ジメチルベンジルアミン、1,6−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリスジメチルアミノプロピルヘキサヒドロトリアジン、トリエチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン(ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)、ジメチルアミノエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミンからなる群から選択される。
【0080】
特に好ましくは、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルピペラジン、メチルイミダゾール、ジメチルイミダゾール、ジメチルベンジルアミン、1,6−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリスジメチルアミノプロピルヘキサヒドロトリアジン、トリエチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン(ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)、ジメチルアミノエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N,N,N−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、金属アセチルアセトネート、アンモニウムエチルヘキサノエート、並びに、金属の酢酸塩、プロピオン酸塩、ソルビン酸塩、エチルヘキサン酸塩、オクタン酸塩及び安息香酸塩である。
【0081】
したがって、さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法に関し、触媒(ac)が、ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N,N,N−ペンタメチルジエチレントリアミン、メチルイミダゾール、ジメチルイミダゾール、アミノプロピルイミダゾール、ジメチルベンジルアミン、1,6−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリスジメチルアミノプロピルヘキサヒドロトリアジン、トリエチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン(ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)、ジメチルアミノエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、金属アセチルアセトネート、アンモニウムエチルヘキサノエート、並びに、金属の酢酸塩、プロピオン酸塩、ソルビン酸塩、エチルヘキサン酸塩、オクタン酸塩及び安息香酸塩からなる群から選択される。
【0082】
本発明により、成分(ac)は1種以上の触媒を含むことができる。例えば、この明細書において、三量化触媒もアミンも含む混合物を使用することができる。したがって、さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法に関し、成分(ac)がイソシアヌレート基を生成するための三量化に触媒作用を及ぼす触媒、及びアミン触媒を含む。
【0083】
この明細書において、イソシアヌレート基を形成するための三量化に触媒作用を及ぼす触媒と、アミン触媒との比は広範囲で変化してもよい。好ましくは、イソシアヌレート基を形成するための三量化に触媒作用を及ぼす触媒は、イソシアヌレート基を形成するための三量化に触媒作用を及ぼす触媒とアミン触媒との合計の、100%〜30%、特に好ましくは100%〜40%、より好ましくは100%〜45%の量で使用される。
【0084】
成分(ac)は、さらに1種以上の酸を含むことができる。したがって、さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法に関し、成分(ac)がすくなくとも1種のカルボン酸を含む。
【0085】
一般的には、この明細書において、任意のカルボン酸を使用することができる。また、本発明により、2種以上のカルボン酸を使用することも可能である。好ましくは、2個〜12個の炭素原子を有する飽和又は不飽和モノカルボン酸、例えば、2個〜8個の炭素原子を有する飽和又は不飽和モノカルボン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ソルビン酸、安息香酸、エチルヘキサン酸、オクタン酸を使用する。
【0086】
したがって、さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法に関し、前記カルボン酸が2個〜12個の炭素原子を有する飽和又は不飽和モノカルボン酸からなる群から選択される。
【0087】
さらに、成分(ac)は1種以上の酸と組み合わせる塩を含むことができる。塩は、飽和又は不飽和モノカルボン酸の、アルカリ金属及びアルカリ土類金属、アンモニウム、イオン液体塩からなる群から選択される。一般的には、この明細書において、任意の、飽和若しくは不飽和モノカルボン酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、又はアンモニウム若しくはイオン液体塩を使用することができる。また、この明細書において、飽和又は不飽和モノカルボン酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩の2種以上の混合物を使用することも可能である。
【0088】
好ましくは、塩は2個〜8個の炭素原子を有する飽和又は不飽和モノカルボン酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩からなる群から選択され、より好ましくは、塩は2個〜8個の炭素原子を有する直鎖の飽和又は不飽和モノカルボン酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩からなる群から選択される。2個〜8個の炭素原子を有する飽和又は不飽和モノカルボン酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩を触媒として使用することは向上された圧縮強度を有する多孔性材料をもたらすことが見出された。この明細書において、好ましくは、2個〜6個の炭素原子を有する飽和又は不飽和モノカルボン酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、特に2個〜6個の炭素原子を有する直鎖の飽和又は不飽和モノカルボン酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩を使用する。好適な塩は、例えば、各モノカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩又はカルシウム塩である。
【0089】
好ましくは、2個〜8個の炭素原子を有する飽和又は不飽和モノカルボン酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩からなる群から選択される塩は、2個〜12個の炭素原子を有する飽和又は不飽和モノカルボン酸からなる群から選択される酸との組み合わせで使用される。
【0090】
より好ましくは、塩は2個〜8個の炭素原子を有する飽和又は不飽和モノカルボン酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩からなる群から選択され、同時に、酸は酢酸及びプロピオン酸からなる群から選択される。
【0091】
塩及び酸は、例えば、1:10〜14:1の範囲、好ましくは1:5〜12:1の範囲、より好ましくは1:1〜10:1の範囲の比で使用されてもよい。
【0092】
溶媒(B)
本発明では、反応は溶媒(B)の存在下で行われる。
【0093】
本発明において、用語の溶媒(B)は、液体希釈剤、即ち狭義の溶媒と分散媒体との両方を含む。混合物は、特に真溶液、コロイド溶液又は分散液(例えば、エマルジョン又は懸濁液)であり得る。好ましくは、混合物は真溶液である。溶媒(B)は、工程(a)の条件で液体である化合物、好ましくは有機溶媒である化合物である。
【0094】
溶媒(B)は、一般に、任意の好適な化合物又は複数の化合物の混合物であることができ、溶媒(B)は混合物が工程(a)で提供される温度及び圧力条件(短時間での溶解条件)下で液体である。溶媒(B)の組成物は、この組成物が有機ゲル前駆体を溶解又は分散、好ましくは溶解することができるように選択される。好ましい溶媒(B)は、有機ゲル前駆体(A’)用の溶媒であるもの、即ち反応条件下で完全に有機ゲル前駆体(A’)を溶解するものである。
【0095】
溶媒(B)の存在下での反応の反応生成物は、初期ではゲルであり、即ち溶媒(B)で膨潤される粘弾性化学的網状体である。工程(b)で形成される網状体用の良好な膨潤剤である溶媒(B)は、微細孔及び小さい平均孔径を有する網状体をもたらし、一方、工程(b)で得られるゲル用の劣った膨潤剤である溶媒(B)は、一般に、大きな平均孔径を有する粗細孔の網状体をもたらす。
【0096】
したがって、溶媒(B)の選択は、所望の孔径分布及び所望の多孔率に影響を及ぼす。また、溶媒(B)の選択は、一般的に、析出された反応生成物の生成による析出又は凝集が、本発明の方法の工程(b)の間又は後に相当程度に起こることがないような方法で、なされる。
【0097】
好適な溶媒(B)を選択した場合、析出された反応生成物の割合は、通常、混合物の総量に対して1質量%未満である。特定の溶媒(B)で形成された析出生成物の量は、ゲル化点の前に好適なフィルタにより反応混合物をろ過することにより重量測定法で測定することができる。
【0098】
使用可能な溶媒(B)は、イソシアネートに基づくポリマー用の、従来技術で知られている溶媒である。好ましい溶媒は、成分(ai)及び(ac)用の溶媒、即ち反応条件下で成分(ai)及び(ac)の構成成分を実質的に完全に溶解する溶媒である。好ましくは、溶媒(B)は、不活性であり、即ち成分(ai)に対して非反応性である。さらに、好ましくは、溶媒(B)はモノオールと混和可能である。
【0099】
使用可能な溶媒(B)としては、例えば、ケトン、アルデヒド、アルキルアルカノエート、アミド、例えばホルムアミド及びN−メチルピロリドン、スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド、脂肪族及び脂環式ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化芳香族化合物、並びに、フッ素含有のエーテルが挙げられる。上述の化合物の2種以上の混合物が同様に使用可能である。
【0100】
溶媒(B)としてさらに使用可能なものは、アセタール、特にジエトキシメタン、ジメトキシメタン及び1,3−ジオキソランである。
【0101】
ジアルキルエーテル及び環状エーテルも、溶媒(B)として同様に好適である。好ましいジアルキルエーテルとしては、特に、2〜6個の炭素原子を有するもの、特にメチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、プロピルエチルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、プロピルイソプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、エチルn−ブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、及びエチルt−ブチルエーテルが挙げられる。好ましい環状エーテルとしては、特に、テトラヒドロフラン、ジオキサン及びテトラヒドロピランが挙げられる。
【0102】
アルデヒド及び/又はケトンは、溶媒(B)として特に好適である。溶媒(B)として好適なアルデヒド又はケトンは、特に、一般式R−(CO)−R(式中、R及びRは、それぞれ水素原子又は1、2、3、4、5、6又は7個の炭素原子を有するアルキル基である)に対応するものである。好適なアルデヒド又はケトンとしては、特に、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソペントアルデヒド、2−メチルペントアルデヒド、2−エチルヘキサアルデヒド、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド、フルフラール、アクロレインダイマー、メタアクロレインダイマー、1,2,3,6−テトラヒドロベンズアルデヒド、6−メチル−3−シクロヘキサンアルデヒド、シアノアセトアルデヒド、エチルグリオキシレート、ベンズアルデヒド、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルペンチルケトン、ジプロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、エチルブチルケトン、ジイソブチルケトン、5−メチル−2−アセチルフラン、2−アセチルフラン、2−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、5−メチルヘプタン−3−オン、オクタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、及びアセトフェノンが挙げられる。上述のアルデヒド及びケトンは混合物の形態で使用することもできる。1置換基当たり3個以下の炭素原子を有するアルキル基を持つケトン及びアルデヒドは溶媒(B)として好ましい。
【0103】
さらに好ましい溶媒は、アルキルアルカノエート、特にギ酸メチル、酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸エチル、グリセリントリアセテート、及びエチルアセトアセテートが挙げられる。好ましいハロゲン化溶媒はWO 00/24799の4頁12行〜5頁4行に記載されている。
【0104】
さらなる好適な溶媒(B)は、有機炭酸塩、例えば炭酸ジメチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン又は炭酸ブチレンが挙げられる。
【0105】
多くの場合、特に好適な溶媒(B)は、上述の溶媒から選択される2種以上の完全に混和する化合物を用いて得られる。
【0106】
工程(b)、工程(c)の乾燥の間に、あまり大きく収縮することのない十分に安定したゲルを得るために、組成物(A)及び溶媒(B)を含む混合物(I)の総質量(100質量%である)に対する組成物(A)の割合は、一般的に、1質量%以上である必要がある。組成物(A)及び溶媒(B)を含む混合物(I)の総質量(100質量%である)に対する組成物(A)の割合は、好ましくは少なくとも2質量%、特に好ましくは少なくとも3質量%、特に少なくとも3.5質量%である。
【0107】
一方、提供される混合物中の組成物(A)の濃度は、余り高すぎるのは良くない。そうでないと、好ましい性質を有する多孔性材料を得ることができない。一般的には、組成物(A)及び溶媒(B)を含む混合物(I)の総質量(100質量%である)に対する組成物(A)の割合は、50質量%以下である。組成物(A)及び溶媒(B)を含む混合物(I)の総質量(100質量%である)に対する組成物(A)の割合は、好ましくは45質量%以下、特に好ましくは42質量%以下、より好ましくは39質量%以下、特に36質量%以下である。
【0108】
組成物(A)及び溶媒(B)を含む混合物(I)の総質量(100質量%である)に対する組成物(A)の割合は、好ましくは1〜45質量%、特に2〜42質量%、より好ましくは3〜39質量%、特に好ましくは3.5〜36質量%である。上述の範囲の出発材料の量に順守することにより、特に有利な細孔構造、低い熱伝導率及び乾燥時の低い収縮を有する多孔性材料が得られる。
【0109】
反応の前に、使用される成分を混合すること、特にそれらを均一に混合することが必要である。混合の速度は、混合欠陥を避けるために、反応速度に比較して大きくするべきである。適当な混合速度は、当業者にとってそれ自体公知である。
【0110】
本発明では、溶媒(B)が使用される。溶媒(B)は、2種以上の溶媒、例えば3種又は4種の溶媒の混合物であり得る。好適な溶媒は、例えば、2種以上のケトンの混合物、例えばアセトンとジエチルケトンとの混合物、アセトンとメチルエチルケトンとの混合物、又はジエチルケトンとメチルエチルケトンとの混合物が挙げられる。
【0111】
さらに好ましい溶媒は、炭酸プロピレンと1種以上の溶媒との混合物、例えば、炭酸プロピレンとジエチルケトンとの混合物、或いは例えば、炭酸プロピレンと2種以上のケトンとの混合物、例えば炭酸プロピレンとアセトンとジエチルケトンとの混合物、炭酸プロピレンとアセトンとメチルエチルケトンとの混合物、又は炭酸プロピレンとジエチルケトとメチルエチルケトンとの混合物が挙げられる。
【0112】
多孔性材料の好ましい製造方法
本発明の製造方法は、下記工程、
(a)前述の組成物(A)及び溶媒(B)を含む混合物を提供する工程と、
(b)溶媒(B)の存在下で組成物(A)の成分を反応させ、ゲルを形成する工程と、
(c)工程(b)で得られたゲルを乾燥する工程と
を含む。
【0113】
工程(a)〜(c)の好ましい実施態様を以下に記載する。
【0114】
工程(a)
本発明では、工程(a)において、組成物(A)及び溶媒(B)を含む混合物を提供する。
【0115】
組成物(A)の成分、例えば成分(ai)及び(a)は、好ましくは相互に分離して提供され、その際、各成分は溶媒(B)の適当な部分量の中に入れて提供される。分離供給は、ゲル化反応を、最適に監視し、又は混合の前又は混合中に制御することを可能にする。
【0116】
特に好ましくは、成分(am)及び(ac)は、混合物として、即ち成分(ai)と分離して提供される。
【0117】
また、工程(a)で提供される単一又は複数の混合物は、さらなる成分として、当業者に公知の慣用の助剤も含むことができる。例えば、表面活性化物質、難燃剤、核形成剤、酸化安定剤、滑剤及び離型剤、染料及び顔料、安定剤(例、加水分解、光、熱又は退色に対する)、無機及び/又は有機充填剤、強化材料、及び殺生物剤が挙げられる。
【0118】
上述の助剤及び添加剤に関するさらなる情報は、専門文献、例えば、プラスチック添加剤ハンドブック、第5版、H.Zweifel編集、Hanser出版、Munich、2001年に見出される。
【0119】
工程(b)
本発明では、工程(b)において、組成物(A)の成分の反応が溶媒(B)の存在下で反応してゲルを形成する。反応を行うために、まず、工程(a)で提供される成分の均一な混合物を製造する必要がある。
【0120】
工程(a)において、成分の供給は、従来の方法で行うことができる。好ましくは、良好で、急速な混合を達成するために、ここで、撹拌機又は他の攪拌装置を使用する。均一な混合物を製造するのに必要な時間は、混合欠陥を回避するために、ゲル化反応が少なくとも部分的なゲル生成をもたらす時間を短縮すべきである。一般的には、他の混合条件は臨界的でない;例えば混合は、0〜100℃及び0.1〜10バール(絶対)で行うことができ、特に、例えば室温及び大気圧で行うことができる。均一混合物を製造した後、好ましくは、混合装置はスイッチオフされる。
【0121】
ゲル化反応は、重付加反応、特にイソシアネート基とアミノ基との重付加である。
【0122】
本発明において、ゲルは、液体(ソルボゲル(Solvogel)、リオゲル(Lyogel)として知られている、又は液体として水を有する:アクアゲル又はヒドロゲル)と接触して存在しているポリマーに基づく架橋系である。ここで、ポリマー相は、連続的三次元網状体を形成する。
【0123】
本発明の製造方法の工程(b)において、ゲルは、通常、そのままに置くことにより、例えば、単に、混合物が存在する容器、反応容器又は反応器(今後ゲル化装置と称する)を放置することにより、形成される。混合物は、ゲル化(ゲル生成)の間はもはや撹拌或いは混合することは好ましくない。なぜなら、撹拌等はゲルの生成を妨げるであろう。ゲル化の間に混合物を覆うこと、又はゲル化装置を密閉することは有利であることが見出されている。
【0124】
ゲル化は、当業者にはそれ自体公知であり、例えば、WO2009/027310の21頁19行〜23頁13行に記載されている。
【0125】
工程(c)
本発明では、工程(c)において前工程で得られたゲルを乾燥する。
【0126】
一般的には、超臨界的条件で乾燥することは、可能であり、好ましくは溶媒をCO又は超臨界的乾燥に好適な他の溶媒に置換した後に行う。このような乾燥は、当業者にそれ自体公知である。超臨界的条件は、CO又はゲル化溶媒の除去に使用される溶媒が超臨界状態で存在する温度及び圧力を特徴とする。このようにして、溶媒除去時のゲル体の収縮を低下させることができる。
【0127】
しかしながら、簡単な方法の条件から見て、ゲルに含まれる液体の臨界温度及び臨界圧力より低い温度及び圧力で、ゲルに含まれる液体をガス状態に変換することにより得られるゲルを、乾燥することが好ましい。
【0128】
好ましくは、得られたゲルの乾燥は、溶媒(B)の臨界温度及び臨界圧力より低い温度及び圧力で、溶媒(B)をガス状態に変換することにより行う。従って、好ましくは、乾燥は、さらなる溶媒と事前置換されること無く、反応に存在していた溶媒(B)を除去することにより行われる。
【0129】
このような方法は、当業者にはそれ自体公知であり、例えば、WO2009/027310の26頁22行〜28頁36行に記載されている。
【0130】
さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法に関し、工程c)における乾燥が、ゲルに含まれる液体の臨界温度及び臨界圧力より低い温度及び圧力で、ゲルに含まれる液体をガス状態に変換することにより行われる。
【0131】
さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法に関し、工程c)における乾燥が超臨界条件下で行われる。
【0132】
多孔性材料の特性及び用途
本発明は、さらに、本発明の製造方法により得ることができる多孔性材料も提供する。本発明においては、エアロゲルは、多孔性材料とすることが好ましい、即ち、本発明で得ることができる多孔性材料はエアロゲルであることが好ましい。
【0133】
さらに、したがって、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法により得られる又は得られうる多孔性材料に関する。特に、本発明は、上述した多孔性材料の製造方法により得られる又は得られうる多孔性材料に関し、工程c)における乾燥が超臨界条件で行われる。
【0134】
平均孔径は、走査型電子顕微鏡及びその後の細孔の統計的有効数を用いた画像分析により測定される。対応する方法は当業者に公知である。
【0135】
好ましくは、多孔性材料の体積平均孔径は4μm以下である。多孔性材料の体積平均孔径は、特に好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下、とりわけ1μm以下である。
【0136】
低熱伝導率の点から、製品の点から、そして十分に機械的に安定な多孔性材料を得るために、高い多孔率と組み合わせた極めて小さい孔径が望ましいけれども、体積平均孔径には実際上の下限値がある。一般的には、体積平均孔径は、少なくとも20nm、好ましくは少なくとも50nmである。
【0137】
本発明に従い得ることができる多孔性材料は、少なくとも70体積%、特に70〜99体積%、特に好ましくは少なくとも80体積%、さらに特に好ましくは少なくとも85体積%、とりわけ85〜95体積%の多孔率を有する。体積%の多孔率は、多孔性材料の合計体積の特定の割合で細孔を含んでいることを意味する。極めて高い多孔率は、通常、最小の熱伝導率の観点から望ましいが、最大値は、多孔性材料の機械的特性及び加工性によって、その多孔率に現れる。
【0138】
組成物(A)の成分、例えば組み込まれることができる成分(am)、(ai)、(ac)及び触媒は、本発明に従い得ることができる多孔性材料において反応(ポリマー)状態で存在する。本発明の組成物により、モノマー構成要素(Building Blocks)は、主に多孔性材料中のイソシアヌレート結合により結合されており、このイソシアヌレート基はモノマー構成要素(ai)のイソシアネート基の三量化により形成される。多孔性材料がさらなる成分を含む場合、さらなる可能な結合は、例えば、イソシアネート基とアルコール又はフェノールとの反応により形成されたウレタン基である。
【0139】
多孔性材料におけるモノマー構成要素の結合のモル%は、固体状態又は膨潤状態でNMR分光法(核磁気共鳴)を用いて測定される。この測定の好適な方法は当業者に公知である。
【0140】
本発明により得ることができる多孔性材料の密度は、通常、20〜600g/l、好ましくは50〜500g/l、特に好ましくは70〜200g/lである。
【0141】
本発明の方法により、ポリマー粉末又は粒子だけでなく、密着した多孔性材料が得られる。ここで、得られる多孔性材料の三次元形状は、次に、ゲル化装置の形状によって測定されるゲルの形状により測定される。従って、例えば、円筒形ゲル化容器により、通常、ほぼ円筒形ゲルが得られ、その後乾燥されて円筒形の多孔性材料が得られる。
【0142】
本発明により得ることができる多孔性材料は、高い機械的安定性を持ちながら、低い熱伝導率、高い多孔率及び低い密度を有する。さらに、多孔性材料は小さい平均孔径を有する。上述の特性の組み合わせにより、多孔性材料は、断熱分野における断熱材料として、特に建築材料として通風状態での用途のために、使用が可能である。
【0143】
本発明により得ることができる多孔性材料は、有利な熱的特性、そして、例えば容易な加工性及び高い機械的安定性(例えば、低い脆弱性)等の有利な材料特性を有する。
【0144】
公知の材料と比較して、本発明の多孔性材料は低下された吸水率を有する。この明細書において、吸水率は、試料を完全に水中で1時間浸した該試料中の含水量として定義される。例えば、従来の多孔性材料は数百パーセントの吸水率を有するが、本発明の多孔性材料はただ100%未満の低下された吸水率を有する。
【0145】
吸水率は、100%未満であってもよく、ゼロまで低く、即ち吸水性がなくでもよい。さらに、吸水した後、本発明の多孔性材料から水の放出は、本発明の多孔性材料の構造が実質的には損なわれていないままであるような方法で、調整することが可能である。
【0146】
好ましくは、本発明の多孔性材料は100%未満の吸水率を有し、その後、この水は、多孔性材料が実質的には損なわれていないまま、放出することができる。
【0147】
また、本発明は、上述した多孔性材料又は上述した方法によって得られる若しくは得られうる多孔性材料を、断熱材料として、又は真空断熱パネルに使用する方法に関する。断熱材料は、例えば、建物の内部又は外部断熱に使用される断熱材料である。本発明の多孔性材料は、有利に、例えば複合材料などの断熱システムに使用することができる。
【0148】
したがって、さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の使用方法に関し、前記多孔性材料が断熱の内部又は外部に使用される。また、さらなる実施態様によれば、本発明は、上述した多孔性材料の使用方法に関し、前記多孔性材料が貯水槽又は製氷機の断熱システムに使用される。
【0149】
本発明は、以下の実施態様を含んでおり、これらの実施態様は、ここで定義される各相互依存性により示される実施態様の特定の組み合わせも含むものである。
【0150】
1.多孔性材料の製造方法であっで、少なくとも、下記工程、
a)(i)有機ゲルの形成に適した成分を含む組成物(A)、及び、
(ii)溶媒(B)、
を含む混合物(I)を提供する工程と、
b)組成物(A)中の成分を反応させ、有機ゲルを得る工程と、
c)工程b)で得られたゲルを乾燥する工程と
を含み、
組成物(A)が少なくとも1種のモノオール(am)を含むことを特徴とする多孔性材料の製造方法。
【0151】
2.前記モノオール(am)が、前記組成物(A)に基づいて1質量%〜22質量%の量で、前記組成物(A)に存在している、実施態様1に記載の方法。
【0152】
3.前記モノオール(am)が、1個〜20個の炭素原子を有する脂肪族モノオール、及び1個〜20個の炭素原子を有する芳香族モノオールからなる群から選択される、実施態様1又は2に記載の方法。
【0153】
4.前記組成物(A)が、成分(ai)としての少なくとも1種の多官能性イソシアネート、及び成分(ac)としての少なくとも1種の触媒を含む、実施態様1から3のいずれか一態様に記載の方法。
【0154】
5.前記組成物(A)が1質量%未満の水を含む、実施態様1から4のいずれか一態様に記載の方法。
【0155】
6.前記組成物(A)が実質的に芳香族アミンを含まない、実施態様1から5のいずれか一態様に記載の方法。
【0156】
7.組成物(A)が、いずれの場合にも該組成物(A)の総質量に基づいて、
− 65質量%〜99.9質量%の成分(ai)としての少なくとも1種の多官能性イソシアネート、及び、
− 0.1質量%〜20質量%の成分(ac)としての少なくとも1種の触媒、
を含み、前記組成物(A)の前記成分の質量%の合計が100質量%である、実施態様1から6のいずれか一態様に記載の方法。
【0157】
8.イソシアネート混合物が成分(ai)として使用される、実施態様4から7のいずれか一態様に記載の方法。
【0158】
9.前記触媒が、第1級、第2級及び第3級アミン、トリアジン誘導体、有機金属化合物、金属キレート、ホスホレンの酸化物、第4級アンモニウム塩、水酸化アンモニウム、及びアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド及びカルボキシレートからなる群から選択される、実施態様4から8のいずれか一態様に記載の方法。
【0159】
10.前記触媒が三量化に触媒作用を及ぼし、イソシアヌレート基を形成する、実施態様4から9のいずれか一態様に記載の方法。
【0160】
11.成分(ac)が、イソシアヌレート基を形成するための三量化に触媒作用を及ぼす触媒、及びアミン触媒を含む、実施態様1から10のいずれか一態様に記載の方法。
【0161】
12.成分(ac)が少なくとも1種のカルボン酸を含む、実施態様1から11のいずれか一態様に記載の方法。
【0162】
13.工程c)における前記乾燥工程を、ゲルに含まれる液体の臨界温度及び臨界圧力より低い温度及び圧力で、ゲルに含まれる液体をガス状態に変換することにより行う、実施態様1から12のいずれか一態様に記載の方法。
【0163】
14.実施態様1から13のいずれか一態様に記載の方法により得られる又は得られうる多孔性材料。
【0164】
15.工程c)における前記乾燥工程が超臨界条件で行われる、実施態様1から13のいずれか一態様に記載の方法により得られる又は得られうる実施態様14に記載の多孔性材料。
【0165】
16.実施態様14又は15に記載の多孔性材料又は実施態様1から13のいずれか一態様に記載の方法により得られる又は得られうる多孔性材料を、断熱材料として、又は真空断熱パネルに使用する方法。
【0166】
17.前記多孔性材料を断熱系の内部又は外部に使用する、実施態様16に記載の使用方法。
【0167】
18.前記多孔性材料を貯水槽又は製氷機断熱システムに使用する、実施態様16に記載の使用方法。
【0168】
以下、実施例を参照して本発明を説明する。
【実施例】
【0169】
1.方法
1.1 熱伝導率の測定
Hesto社の熱流計(Lambda Control A50)を用いて、DIN EN 12667に従って、熱伝導率を測定した。
【0170】
1.2 超臨界二酸化炭素による溶媒抽出
1個又は数個のゲルモノリスを、25l容量のオートクレーブのサンプルトレイ上に置いた。次いで、超臨界二酸化炭素(scCO)で満たした後、scCOを24時間(20kg/h)オートクレーブに流すことによりゲル化溶剤を除去(乾燥)した。二酸化炭素を超臨界状態に維持するために、処理圧力を120と130バールとの間に、処理温度を45℃に保持した。処理の終了時、45℃の温度にシステムを維持しながら、制御されたやり方で圧力を標準大気圧まで下げた。オートクレーブを開け、得られた多孔性モノリスを取り出した。
【0171】
2.材料
M200:ASTM D−5155−96 Aに従って測定して100g当たり30.9gのNCO含有量、およそ3の官能価、及びDIN 53018に従って測定して25℃で2100mPa.sの粘度、を有するオリゴマーMDI(Lupranat M200)(以下「M200」と称する)
Lupranat MI:ASTM D−5155−96 Aに従って測定して100g当たり33.5gのNCO含有量、およそ2の官能価、及びDIN 53018に従って測定して25℃で12mPa.sの粘度、を有するモノマーMDI(Lupranat MI)(以下「MI」と称する)
触媒:Dabco K15(ジエチレングリコールに溶解したカリウムエチルヘキサノエート(85%))
Dabco TMR3(Air製品;42%のトリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムギ酸+40%のジプロピレングリコール+10%のギ酸)
Niax A1(Momentive)(Lupragen N206(BASF)としても購入され、ジプロピレングリコール中の70%のビス−(ジメチルアミノエチル)エーテル)
溶媒:メチルエチルケトン(MEK)
触媒:
【0172】
3.実施例
3.1 実施例1
ポリプロピレン容器において、20℃で、撹拌しながら、56gのM200を220gのMEK中に溶解し、透明溶液を得た。同様に、2gのDabco K15及び6gのブタノールを220gのMEK中に溶解し、第2の溶液を得た。これらの溶液を矩形の容器(20×20×5cm高さ)内で、その1つの溶液を別の溶液に注入することにより混合し、低粘度の透明な均一混合物を得た。容器に蓋をして閉じ、室温で混合物を24時間ゲル化した。得られたモノリシックゲルスラブを、25lオートクレーブ内で、scCOによる溶抽出を行うことにより乾燥し、多孔性材料を得た。
【0173】
3.2 実施例2
ポリプロピレン容器において、20℃で、撹拌しながら、28gのM200及び28gのMIを220gのMEK中に溶解し、透明溶液を得た。同様に、2gのDabco K15及び6gのブタノールを220gのMEK中に溶解し、第2の溶液を得た。これらの溶液を矩形の容器(20×20×5cm高さ)内で、その1つの溶液を別の溶液に注入することにより混合し、低粘度の透明な均一混合物を得た。容器に蓋をして閉じ、室温で混合物を24時間ゲル化した。得られたモノリシックゲルスラブを、25lオートクレーブ内で、scCOによる溶抽出を行うことにより乾燥し、多孔性材料を得た。
【0174】
3.3 実施例3
ポリプロピレン容器において、20℃で、撹拌しながら、28gのM200及び28gのMIを220gのMEK中に溶解し、透明溶液を得た。同様に、1gのDabco TMR3及び6gのブタノールを220gのMEK中に溶解し、第2の溶液を得た。これらの溶液を矩形の容器(20×20×5cm高さ)内で、その1つの溶液を別の溶液に注入することにより混合し、低粘度の透明な均一混合物を得た。容器に蓋をして閉じ、室温で混合物を24時間ゲル化した。得られたモノリシックゲルスラブを、25lオートクレーブ内で、scCOによる溶抽出を行うことにより乾燥し、多孔性材料を得た。
【0175】
3.4 実施例4
ポリプロピレン容器において、20℃で、撹拌しながら、39.2gのM200及び16.8gのMIを220gのMEK中で撹拌しなから溶解し、透明溶液を得た。同様に、2gのDabco K15及び6gのブタノールを220gのMEK中に溶解し、第2の溶液を得た。これらの溶液を矩形の容器(20×20×5cm高さ)内で、その1つの溶液を別の溶液に注入することにより混合し、低粘度の透明な均一混合物を得た。容器に蓋をして閉じ、室温で混合物を24時間ゲル化した。得られたモノリシックゲルスラブを、25lオートクレーブ内で、scCOによる溶抽出を行うことにより乾燥し、多孔性材料を得た。
【0176】
3.5 実施例5
ポリプロピレン容器において、20℃で、撹拌しながら、39.2gのM200及び16.8gのMIを220gのMEK中に溶解し、透明溶液を得た。同様に、2gのDabco K15及び6gのエタノールを220gのMEK中に溶解し、第2の溶液を得た。これらの溶液を矩形の容器(20×20×5cm高さ)内で、その1つの溶液を別の溶液に注入することにより混合し、低粘度の透明な均一混合物を得た。容器に蓋をして閉じ、室温で混合物を24時間ゲル化した。得られたモノリシックゲルスラブを、25lオートクレーブ内で、scCOによる溶抽出を行うことにより乾燥し、多孔性材料を得た。
【0177】
3.6 実施例6
ポリプロピレン容器において、20℃で、撹拌しながら、39.2gのM200及び16.8gのMIを220gのMEK中に溶解し、透明溶液を得た。同様に、2gのDabco K15及び6gのプロパノールを220gのMEK中に溶解し、第2の溶液を得た。これらの溶液を矩形の容器(20×20×5cm高さ)内で、その1つの溶液を別の溶液に注入することにより混合し、低粘度の透明な均一混合物を得た。容器に蓋をして閉じ、室温で混合物を24時間ゲル化した。得られたモノリシックゲルスラブを、25lオートクレーブ内で、scCOによる溶抽出を行うことにより乾燥し、多孔性材料を得た。
【0178】
3.7 実施例7
ポリプロピレン容器において、20℃で、撹拌しながら、39.2gのM200及び16.8gのMIを220gのMEK中に溶解し、透明溶液を得た。同様に、2gのDabco K15及び6gのノナノールを220gのMEK中に溶解し、第2の溶液を得た。これらの溶液を矩形の容器(20×20×5cm高さ)内で、その1つの溶液を別の溶液に注入することにより混合し、低粘度の透明な均一混合物を得た。容器に蓋をして閉じ、室温で混合物を24時間ゲル化した。得られたモノリシックゲルスラブを、25lオートクレーブ内で、scCOによる溶抽出を行うことにより乾燥し、多孔性材料を得た。
【0179】
3.8 実施例8
ポリプロピレン容器において、20℃で、撹拌しながら、39.2gのM200及び16.8gのMIを220gのMEK中に溶解し、透明溶液を得た。同様に、1gのDabco TMR3及び6gのブタノールを220gのMEK中に溶解し、第2の溶液を得た。これらの溶液を矩形の容器(20×20×5cm高さ)内で、その1つの溶液を別の溶液に注入することにより混合し、低粘度の透明な均一混合物を得た。容器に蓋をして閉じ、室温で混合物を24時間ゲル化した。得られたモノリシックゲルスラブを、25lオートクレーブ内で、scCOによる溶抽出を行うことにより乾燥し、多孔性材料を得た。
【0180】
3.9 実施例9
ポリプロピレン容器において、20℃で、撹拌しながら、39.2gのM200及び16.8gのMIを220gのMEK中に溶解し、透明溶液を得た。同様に、1gのDabco TMR3及び2gのブタノールを220gのMEK中に溶解し、第2の溶液を得た。これらの溶液を矩形の容器(20×20×5cm高さ)内で、その1つの溶液を別の溶液に注入することにより混合し、低粘度の透明な均一混合物を得た。容器に蓋をして閉じ、室温で混合物を24時間ゲル化した。得られたモノリシックゲルスラブを、25lオートクレーブ内で、scCOによる溶抽出を行うことにより乾燥し、多孔性材料を得た。
【0181】
3.10 実施例10
ポリプロピレン容器において、20℃で、撹拌しながら、39.2gのM200及び16.8gのMIを220gのMEK中に溶解し、透明溶液を得た。同様に、1gのDabco TMR3及び10gのブタノールを220gのMEK中に溶解し、第2の溶液を得た。これらの溶液を矩形の容器(20×20×5cm高さ)内で、その1つの溶液を別の溶液に注入することにより混合し、低粘度の透明な均一混合物を得た。容器に蓋をして閉じ、室温で混合物を24時間ゲル化した。得られたモノリシックゲルスラブを、25lオートクレーブ内で、scCOによる溶抽出を行うことにより乾燥し、多孔性材料を得た。
【0182】
3.11 実施例11
ポリプロピレン容器において、20℃で、撹拌しながら、39.2gのM200及び16.8gのMIを220gのMEK中に溶解し、透明溶液を得た。同様に、1gのDabco TMR3、1gのグラファイト及び6gのブタノールを220gのMEK中に溶解し、第2の溶液を得た。これらの溶液を矩形の容器(20×20×5cm高さ)内で、その1つの溶液を別の溶液に注入することにより混合し、低粘度の透明な均一混合物を得た。容器に蓋をして閉じ、室温で混合物を24時間ゲル化した。得られたモノリシックゲルスラブを、25lオートクレーブ内で、scCOによる溶抽出を行うことにより乾燥し、多孔性材料を得た。
【0183】
4.結果
【0184】
【表1】