(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6560052
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】密着度合検出方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20190805BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20190805BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20190805BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
H01L21/304 622J
B24B49/12
H01L21/68 N
H01L21/78 N
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-153425(P2015-153425)
(22)【出願日】2015年8月3日
(65)【公開番号】特開2017-34123(P2017-34123A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202496
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿角 剛二
(72)【発明者】
【氏名】中村 勝
【審査官】
石丸 昌平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−199623(JP,A)
【文献】
特開平11−002510(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/078231(WO,A1)
【文献】
特開2006−032399(JP,A)
【文献】
特開2012−038827(JP,A)
【文献】
特開2014−192464(JP,A)
【文献】
特開2010−125521(JP,A)
【文献】
特開2009−290148(JP,A)
【文献】
特開2007−017522(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/175069(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/68
H01L 21/683
H01L 21/301
B24B 49/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に複数の分割予定ラインが形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハの表面に、粘着層を備えた保護テープを貼着する際のウエーハに対する保護テープの密着度合を検出する密着度合検出方法であって、
ウエーハの表面に粘着層を対面させて保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、
ウエーハの表面に貼着された保護テープを剥離する保護テープ剥離工程と、
ウエーハの表面の任意の特定領域を撮像し、表面の凹凸の第1の高低差を検出する第1の高低差検出工程と、
ウエーハの表面から剥離された保護テープにおける該特定領域に対応する粘着層の領域を撮像し、粘着層に転写された凹凸の第2の高低差を検出する第2の高低差検出工程と、
該第1の高低差と該第2の高低差とを比較して該第2の高低差が該第1の高低差に対して許容範囲内であれば密着度合は合格と判定し、許容範囲外であれば密着度合は不合格と判定する判定工程と、を含み、
保護テープの粘着層は紫外線を照射することによって硬化する粘着剤からなっており、該保護テープ剥離工程を実施する前に、ウエーハの表面に貼着された保護テープの粘着層に紫外線を照射して粘着層を硬化せしめる粘着層硬化工程を実施する、密着度合検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエーハ等のウエーハの表面に貼着された保護テープの密着度合を検出する密着度合検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に形成された分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。このように形成された半導体ウエーハは、裏面が研削されて所定の厚みに形成された後、分割予定ラインに沿って切断することにより、デバイスが形成された領域を分割して個々のデバイスを製造している。
【0003】
上述した半導体ウエーハの裏面を研削して所定の厚みに形成する裏面研削工程は、半導体ウエーハの表面を保護するために半導体ウエーハの表面に保護テープを貼着し、この保護テープ側を研削装置のチャックテーブル上に保持して、研削砥石によって半導体ウエーハの裏面を研削する。
【0004】
また、半導体ウエーハ等のウエーハを分割する方法として、ウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線の集光点をウエーハの裏面側からウエーハの内部に位置付けて分割予定ラインに沿って照射することにより、ウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を連続的に形成し、その後ウエーハの裏面を研削してウエーハを所定の厚みに形成するとともに、ウエーハを改質層が形成され強度が低下せしめられた分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割する方法が提案されている。このウエーハ分割方法においても、ウエーハの表面を保護するためにウエーハの表面に保護テープが貼着される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−290148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、半導体ウエーハ等のウエーハの表面は微細な凹凸となっており、保護テープがウエーハの表面に密着して貼着されていない場合がある。保護テープがウエーハの表面に密着して貼着されていないと、ウエーハの裏面を研削する際にウエーハが割れたり、分割されたデバイス同士が接触してデバイスが損傷するという問題がある。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、半導体ウエーハ等のウエーハの表面に貼着された保護テープの密着度合を検出する密着度合検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、表面に複数の分割予定ラインが形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハの表面に、粘着層を備えた保護テープを貼着する際のウエーハに対する保護テープの密着度合を検出する密着度合検出方法であって、
ウエーハの表面に粘着層を対面させて保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、
ウエーハの表面に貼着された保護テープを剥離する保護テープ剥離工程と、
ウエーハの表面の任意の特定領域を撮像し、表面の凹凸の第1の高低差を検出する第1の高低差検出工程と、
ウエーハの表面から剥離された保護テープにおける該特定領域に対応する粘着層
の領域を撮像し、粘着層に転写された凹凸の第2の高低差を検出する第2の高低差検出工程と、
該第1の高低差と該第2の高低差とを比較して該第2の高低差が該第1の高低差に対して許容範囲内であれば密着度合は合格と判定し、許容範囲外であれば密着度合は不合格と判定する判定工程と、を含
み、
保護テープの粘着層は紫外線を照射することによって硬化する粘着剤からなっており、該保護テープ剥離工程を実施する前に、ウエーハの表面に貼着された保護テープの粘着層に紫外線を照射して粘着層を硬化せしめる粘着層硬化工程を実施する、密着度合検出方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明における密着度合検出方法は、ウエーハの表面に粘着層を対面させて保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、ウエーハの表面に貼着された保護テープを剥離する保護テープ剥離工程と、ウエーハの表面の任意の特定領域を撮像し、表面の凹凸の第1の高低差を検出する第1の高低差検出工程と、ウエーハの表面から剥離された保護テープにおける該特定領域に対応する粘着層
の領域を撮像し、粘着層に転写された凹凸の第2の高低差を検出する第2の高低差検出工程と、該第1の高低差と該第2の高低差とを比較して該第2の高低差が該第1の高低差に対して許容範囲内であれば密着度合は合格と判定し、許容範囲外であれば密着度合は不合格と判定する判定工程と、を含
み、保護テープの粘着層は紫外線を照射することによって硬化する粘着剤からなっており、該保護テープ剥離工程を実施する前に、ウエーハの表面に貼着された保護テープの粘着層に紫外線を照射して粘着層を硬化せしめる粘着層硬化工程を実施するので、ウエーハの表面に貼着された保護テープのウエーハに対する密着度合を容易に且つ確実に検出することができる。そして、判定工程において密着度合が不合格と判定された場合には、ウエーハの表面に保護テープを密着して貼着する方法または装置の開発、研究する際の資料とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明による密着度合検出方法に用いるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図および要部を拡大して示す断面図。
【
図2】本発明による密着度合検出方法における保護テープ貼着工程を示す説明図。
【
図3】本発明による密着度合検出方法における粘着層硬化工程の説明図。
【
図4】本発明による密着度合検出方法における保護テープ剥離工程の説明図。
【
図5】本発明による密着度合検出方法における第1の高低差検出工程の説明図。
【
図6】本発明による密着度合検出方法における第2の高低差検出工程の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明による密着度合検出方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1の(a)および(b)には、本発明による密着度合検出方法に用いるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図および要部を拡大して示す断面図が示されている。
図1の(a)および(b)に示す半導体ウエーハ2は、厚みが例えば500μmのシリコンウエーハからなっており、表面2aに複数の分割予定ライン21が格子状に形成されているとともに、該複数の分割予定ライン21によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイス22が形成されている。なお、デバイス22は、
図1の(b)に示す実施形態においてはベース部221と中央部222とからなっており、ベース部221の表面から中央部222の表面までは高さ(h0)が例えば15μmに設定されている。
以下、上述した半導体ウエーハ2を用いて実施する本発明による密着度合検出方法について説明する。
【0014】
図示の実施形態においては、先ず半導体ウエーハ2の表面2aに粘着層を備えた保護テープの粘着層を対面させて保護テープを貼着する保護テープ貼着工程を実施する。即ち、
図2の(a)および(b)に示すように半導体ウエーハ2の表面2aに保護テープ3を構成するシート状基材31の一方の面に塗布された粘着層32を対面させ、
図2の(c)に示すように保護テープ3上にローラ4を転動させることにより、半導体ウエーハ2の表面2aに保護テープ3を貼着する。なお、保護テープ3を構成するシート状基板31は図示の実施形態においては厚さが例えば100μmのポリ塩化ビニル(PVC)からなるシート状基材によって形成され、粘着層32は図示の実施形態においては紫外線を照射することにより硬化する粘着剤からなり例えば40μmの厚みで塗布されている。このようにして半導体ウエーハ2の表面2aに貼着された保護テープ3は、ローラ4の弾力性やローラ4に作用せしめる押圧力等によって保護テープ3と半導体ウエーハ2の表面2aとの密着度合が変化する。従って、最適なローラ4の弾力性やローラ4に作用せしめる最適な押圧力等を求めるため、および半導体ウエーハ2の表面に保護テープ3を密着して貼着する方法または装置の開発、研究する際の資料に供するため、半導体ウエーハ2の表面2aに貼着された保護テープ3の密着度合を検出してデータを蓄積することが重要である。
【0015】
半導体ウエーハ2の表面2aに貼着された保護テープ3の密着度合を検出するために、図示の実施形態においては半導体ウエーハ2の表面2aに貼着された保護テープ3の粘着層32に紫外線を照射して粘着層32を硬化せしめる粘着層硬化工程を実施する。即ち、
図3に示すように半導体ウエーハ2の表面2aに貼着された保護テープ3のシート状基材31側から紫外線照射器5によって紫外線を照射する。図示の実施形態においては保護テープ3を構成するシート状基材31は紫外線が透過するポリ塩化ビニル(PVC)からなるシート状基材によって形成されているので、該シート状基材31を通して粘着層32に紫外線が照射され、粘着層32が硬化せしめられる。このように、粘着層32が硬化せしめられることにより、保護テープ3の粘着層32に転写された半導体ウエーハ2の表面2aの凹凸に対応する凹凸が確実に維持されるとともに、粘着層32の粘着力が低下せしめられる。
【0016】
上述した粘着層硬化工程を実施したならば、
図4に示すように半導体ウエーハ2の表面2aに貼着された保護テープ3を剥離する(保護テープ剥離工程)。この剥離工程を実施する際には、保護テープ3の粘着層32が上記粘着層硬化工程を実施することにより硬化されて粘着力が低下せしめられているので、保護テープ3を半導体ウエーハ2の表面2aから容易に剥離することができる。
【0017】
次に、半導体ウエーハ2の表面2aの任意の特定領域を撮像し、表面の凹凸の第1の高低差を検出する第1の高低差検出工程を実施する。この第1の高低差検出工程は、図示の実施形態においては
図5の(a)に示す高低差検出装置6を用いて実施する。
図5の(a)に示す高低差検出装置6は、オートフォーカス機能を備えた撮像手段61と、該撮像手段61によって撮像された撮像信号を入力して画像処理を実行する制御手段62と、該制御手段62によって画像処理された画像を表示する表示手段63を具備している。この高低差検出装置6を用いて第1の高低差検出工程を実施するには、
図5の(a)に示すように撮像手段61の直下に半導体ウエーハ2の表面2aの任意の特定領域Aを位置付ける。この任意の特定領域Aは、図示の実施形態においては半導体ウエーハ2の中心位置にあるデバイス22を含む領域に設定されている。
【0018】
図5の(a)に示すように半導体ウエーハ2の表面2aの任意の特定領域Aを撮像手段61の直下に位置付けたならば、撮像手段61は特定領域Aを撮像して画像信号を制御手段62に送る。このとき、撮像手段61はオートフォーカス機能によって特定領域Aのデバイス22を構成する中央部222の表面に焦点を位置付け、その焦点距離(f1)を制御手段62に送る。このようにして撮像手段61から送られた画像信号および焦点距離(f1)を入力した制御手段62は、この画像信号および焦点距離(f1)を内蔵するメモリに一時格納するとともに、画像信号に基づいた画像を
図5の(b)に示すように表示手段63に表示する。
【0019】
次に、半導体ウエーハ2の任意の特定領域Aのデバイス22を構成するベース部221を撮像手段61の直下に位置付けるとともに、撮像手段61を作動する。そして撮像手段61は、オートフォーカス機能によってベース部221の表面までの焦点距離(f2)を検出し、検出信号を制御手段62に送る。このようにして撮像手段61から送られた焦点距離(f2)を入力した制御手段62は、この焦点距離(f2)を内蔵するメモリに一時格納する。
【0020】
以上のようにして、デバイス22を構成する中央部222の表面までの焦点距離(f1)とデバイス22を構成するベース部221の表面までの焦点距離(f2)を入力した制御手段62は、ベース部221の表面から突出した中央部222の高さ(h1)を求める(h1=f2−f1)。このようにしてベース部221の表面から突出した中央部222の高さ(h1)を求めたならば、制御手段62はデバイス22を構成する中央部222の高さ(h1)を表示する画像を
図5の(c)に示すように表示手段63に表示する。
なお、上述した第1の高低差検出工程は、上記保護テープ貼着工程を実施する前に実施してもよい。
【0021】
次に、半導体ウエーハ2の表面2aから剥離された保護テープ3における上記特定領域Aに対応する粘着層32の対称領域を撮像し、粘着層32に転写された凹凸の第2の高低差を検出する第2の高低差検出工程を実施する。この第2の高低差検出工程は、図示の実施形態においては上記
図6の(a)に示す高低差検出装置6を用いて実施する。即ち、
図6の(a)に示すように撮像手段61の直下に半導体ウエーハ2の表面2aから剥離された保護テープ3における上記特定領域Aに対応する粘着層32の対称領域Bを位置付ける。
【0022】
図6の(a)に示すように半導体ウエーハ2の表面2aから剥離された保護テープ3における上記特定領域Aに対応する粘着層32の対称領域Bを撮像手段61の直下に位置付けたならば、撮像手段61は対称領域Bを撮像して画像信号を制御手段62に送る。このとき、撮像手段61はオートフォーカス機能によって対称領域Bにおけるデバイス22を構成する中央部222に対応する第1の凹部322の底面に焦点を位置付け、その焦点距離(f3)を制御手段62に送る。このようにして撮像手段61から送られた画像信号および焦点距離(f3)を入力した制御手段62は、この画像信号および焦点距離(f3)を内蔵するメモリに一時格納するとともに、画像信号に基づいた画像を
図6の(b)に示すように表示手段63に表示する。なお、
図6の(b)に示す画像には、上記デバイス22を構成する中央部222に対応する第1の凹部322と、デバイス22を構成するベース部221に対応する第2の凹部321が示されている。
【0023】
次に、半導体ウエーハ2の表面2aから剥離された保護テープ3におけるデバイス22を構成するベース部221に対応する第2の凹部321を撮像手段61の直下に位置付けるとともに、撮像手段61を作動する。そして撮像手段61は、オートフォーカス機能によって第2の凹部321の底面までの焦点距離(f4)を検出し、検出信号を制御手段62に送る。このようにして撮像手段61から送られた焦点距離(f4)を入力した制御手段62は、この焦点距離(f4)を内蔵するメモリに一時格納する。
【0024】
以上のようにして、半導体ウエーハ2の表面2aから剥離された保護テープ3における第1の凹部322の底面までの焦点距離(f3)と第2の凹部321の底面までの焦点距離(f4)を入力した制御手段62は、第2の凹部321の底面から第1の凹部322の底面までの深さ(d1)を求める(d1=f3−f4)。このようにして第2の凹部321の底面から第1の凹部322の底面までの深さ(d1)を求めたならば、制御手段62は半導体ウエーハ2の表面2aから剥離された保護テープ3に形成された第1の凹部322の深さ(d1)を表示する画像を
図6の(c)に示すように表示手段63に表示する。
【0025】
上述したように第2の高低差検出工程を実施したならば、第1の高低差と第2の高低差とを比較して第2の高低差が第1の高低差に対して許容範囲内であれば密着度合は合格と判定し、許容範囲外であれば密着度合は不合格と判定する判定工程を実施する。図示の実施形態においては、第1の高低差検出工程で検出されたデバイス22を構成するベース部221の表面から突出した中央部222の高さ(h1)(第1の高低差)と第2の高低差検出工程で検出された半導体ウエーハ2の表面2aから剥離された保護テープ3における第1の凹部322の深さ(d1)(第2の高低差)とを比較し、半導体ウエーハ2の表面2aから剥離された保護テープ3における第1の凹部322の深さ(d1)がデバイス22を構成するベース部221の表面から突出した中央部222の高さ(h1)に対して許容範囲(例えばh1−2μm≦d1≦h1)内であるか否かを判定する。例えば、デバイス22を構成するベース部221の表面から突出した中央部222の高さ(h1)が15μmの場合、保護テープ3における第1の凹部322の深さ(d1)が14μmのときには許容範囲(15−2≦14≦15)内であるので、密着度合は合格と判定する。一方、保護テープ3における第1の凹部322の深さ(d1)が12μmのときには、この深さ(d1:12μm)が許容範囲(h1:15−2μm)より小さく許容範囲外であるので、密着度合は不合格と判定する。この判定工程は、図示の実施形態においては上記制御手段62によって演算し、判定結果を表示手段63に表示する。
【0026】
上述した判定工程において密着度合が合格と判定された場合には、上記保護テープ貼着工程に用いるローラ4の弾力性やローラ4に作用せしめる押圧力等は適正であり継続して実施することができる。一方、上述した判定工程において密着度合が不合格と判定された場合には、ローラ4の弾力性やローラ4に作用せしめる押圧力を更に実験して最適な値を求めるためのデータとしたり、ウエーハの表面に保護テープを密着して貼着する方法または装置の開発、研究する際の資料とする。
【符号の説明】
【0027】
2:半導体ウエーハ
21:分割予定ライン
22:デバイス
3:粘着テープ
4:ローラ
5:紫外線照射器
6:高低差検出装置
61:撮像手段
62:制御手段
63:表示手段