(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
該仮置き手段に隣接してX軸方向に被加工物を収容したカセットが載置されるカセットテーブルが配設され、X軸方向に進退して該カセットテーブルに載置された該カセットに収容された切削加工前の被加工物を該仮置き手段に搬出するとともに該仮置き手段から洗浄済の被加工物を該カセットに搬入する搬出入手段が配設されている、請求項3又は4記載の切削装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記特許文献1に開示された切削装置においては、一方のチャックテーブルに保持された被加工物に対して2個の切削手段を用いて切削加工を実施すと、他のチャックテーブルに保持された被加工物に対する作業が中断されることになり、必ずしも生産効率が良好とはいえないという問題がある。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、生産効率が良好で装置の大型化を抑制することができる切削装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、被加工物に切削加工を施す切削装置であって、
被加工物を保持し加工送り方向(X軸方向)に移動可能に構成されX軸方向と直交する割り出し送り方向(Y軸方向)に互いに隣接して配設される第1のチャックテーブルおよび第2のチャックテーブルと、
該第1のチャックテーブルおよび該第2のチャックテーブルに保持された被加工物にそれぞれ切削加工を施す第1の切削機構および第2の切削機構と、
該第1の切削機構および該第2の切削機構によって切削された被加工物を洗浄する洗浄手段と、を具備し、
該第1のチャックテーブルは被加工物を搬出入する第1の搬出入領域と該第1の切削機構が配設された第1の切削領域に位置付けられるように構成され、該第2のチャックテーブルは該第1の搬出入領域とY軸方向の直線上に隣接し被加工物を搬出入する第2の搬出入領域と該第2の切削機構が配設された第2の切削領域に位置付けられるように構成されており、
該第1の切削機構はY軸方向の直線上に配設された2本の回転スピンドルと該2本の回転スピンドルの互いに対向する端部にそれぞれ装着された切削ブレードとを備えた第1の切削手段および第2の切削手段とを具備し、該第2の切削機構はY軸方向の直線上に配設された2本の回転スピンドルと該2本の回転スピンドルの互いに対向する端部にそれぞれ装着された切削ブレードとを備えた第1の切削手段および第2の切削手段とを具備し、
該第1の切削機構と該第2の切削機構は該第1の搬出入領域と該第2の搬出入領域との中間位置を軸として点対称の位置に配設されており、
該洗浄手段は、該第1の搬出入領域と該第2の搬出入領域とを結ぶY軸方向の直線上に配設される、
ことを特徴とする切削装置が提供される。
【0009】
上記第1の搬出入領域と第2の搬出入領域と洗浄手段とに被加工物を搬送する搬送手段を備えている。
また、上記洗浄手段の上方に被加工物を仮置きする2本のガイドレールが間隔調整可能に構成された仮置き手段が配設され、上記搬送手段は、仮置き手段に仮置きされた切削加工前の被加工物を第1の搬出入領域に位置付けられた第1のチャックテーブルおよび第2の搬出入領域に位置付けられた第2のチャックテーブルに搬送するとともに、洗浄手段から洗浄済の被加工物を仮置き手段に搬送し、また、第1の搬出入領域に位置付けられた第1のチャックテーブルおよび該第2の搬出入領域に位置付けられた第2のチャックテーブルから切削加工済の被加工物を洗浄手段に搬送する。
上記搬送手段は、第1の搬送手段と第2の搬送手段を具備し、該第1の搬送手段は、仮置き手段に仮置きされた切削加工前の被加工物を第1の搬出入領域に位置付けられた第1のチャックテーブルおよび第2の搬出入領域に位置付けられた第2のチャックテーブルに搬送するとともに、洗浄手段から洗浄済の被加工物を仮置き手段に搬送し、第2の搬送手段、第1の搬出入領域に位置付けられた第1のチャックテーブルおよび第2の搬出入領域に位置付けられた第2のチャックテーブルから切削加工済の被加工物を洗浄手段に搬送する。
また、上記仮置き手段に隣接してX軸方向に被加工物を収容したカセットが載置されるカセットテーブルが配設され、X軸方向に進退してカセットテーブルに載置されたカセットに収容された切削加工前の被加工物を仮置き手段に搬出するとともに仮置き手段から洗浄済の被加工物をカセットに搬入する搬出入手段が配設されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明による切削装置は、被加工物を保持し加工送り方向(X軸方向)に移動可能に構成されX軸方向と直交する割り出し送り方向(Y軸方向)に互いに隣接して配設される第1のチャックテーブルおよび第2のチャックテーブルと、
第1のチャックテーブルおよび第2のチャックテーブルに保持された被加工物にそれぞれ切削加工を施す第1の切削機構および第2の切削機構と、
第1の切削機構および第2の切削機構によって切削された被加工物を洗浄する洗浄手段と、を具備し、
第1のチャックテーブルは被加工物を搬出入する第1の搬出入領域と第1の切削機構が配設された第1の切削領域に位置付けられるように構成され、第2のチャックテーブルは第1の搬出入領域とY軸方向の直線上に隣接し被加工物を搬出入する第2の搬出入領域と第2の切削機構が配設された第2の切削領域に位置付けられるように構成されており、
第1の切削機構はY軸方向の直線上に配設された2本の回転スピンドルと2本の回転スピンドルの互いに対向する端部にそれぞれ装着された切削ブレードとを備えた第1の切削手段および第2の切削手段とを具備し、第2の切削機構はY軸方向の直線上に配設された2本の回転スピンドルと2本の回転スピンドルの互いに対向する端部にそれぞれ装着された切削ブレードとを備えた第1の切削手段および第2の切削手段とを具備し、
第1の切削機構と第2の切削機構は第1の搬出入領域と第2の搬出入領域との中間位置を軸として点対称の位置に配設されており、
洗浄手段は、第1の搬出入領域と第2の搬出入領域とを結ぶY軸方向の直線上に配設されるので、第1のチャックテーブルおよび第2のチャックテーブルと第1の切削機構および第2の切削機構と洗浄手段の配置に無駄な空間がなく切削装置を小型に構成することができるとともに、作業者が切削ブレードの交換等をする際にアクセスが良好で作業性が向上する。
また、本発明による切削装置においては、第1の切削領域に位置付けられた第1のチャックテーブルに保持された被加工物に対して第1の切削機構を構成する第1の切削手段と第2の切削手段の2個の切削ブレードを作用させて切削加工を施すとともに、第2の切削領域に位置付けられた第2のチャックテーブルに保持された被加工物に対して第2の切削機構を構成する第1の切削手段と第2の切削手段の2個の切削ブレードを作用させて同時に所定の切削加工を施すことが可能となり、生産性をより向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に従って構成された切削装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1には本発明に従って構成された切削装置の一実施形態の斜視図が示されており、
図2には
図1に示す切削装置を構成する一部の構成要素を分解して示す斜視図が示されており、
図3には
図1に示す切削装置を構成する他の一部の構成要素を分解して示す斜視図が示されている。
図示の実施形態における切削装置は、静止基台2と、該静止基台2上に配設され被加工物を保持する第1のチャックテーブル機構3および第2のチャックテーブル機構4と、第1のチャックテーブル機構3に保持された被加工物および第2のチャックテーブル機構4に保持された被加工物にそれぞれ切削加工を施す第1の切削機構5および第2の切削機構6とを具備している。
【0014】
第1のチャックテーブル機構3は、
図1および
図2に示すように静止基台2上に加工送り方向(X軸方向)に沿って配設された一対のX軸案内レール31、31と、該一対のX軸案内レール31、31上に摺動可能に配設された移動基台32と、該移動基台32上に配設された円筒状の支持部材33に回転可能に支持された被加工物を保持する第1のチャックテーブル34と、該第1のチャックテーブル34が配設された移動基台32を一対のX軸案内レール31、31に沿って加工送り方向(X軸方向)に移動させるための第1の加工送り手段35とを具備している。主に
図2を参照して説明を続けると、第1のチャックテーブル34は、円筒状の支持部材33に回転可能に支持されたテーブル本体341と、該テーブル本体341の上面に配設された吸着チャック342と、後述する被加工物であるウエーハをダイシングテープを介して支持する環状のフレームを固定するためのクランプ343を具備している。テーブル本体341は、外径が後述する被加工物としてのウエーハの外径より大きくウエーハをダイシングテープを介して支持する環状のフレームの内径より小さく形成されている。吸着チャック342は、ポーラスセラミックスによって形成され図示しない吸引手段に接続されており、適宜負圧が作用せしめられるようになっている。従って、吸着チャック342上に載置された被加工物は、図示しない吸引手段を作動することにより吸着チャック342上に吸引保持される。また、第1のチャックテーブル34は、円筒状の支持部材33内に配設された図示しないパルスモータによって回動せしめられるようになっている。
【0015】
上記第1の加工送り手段35は、一対のX軸案内レール31、31の間に平行に配設された雄ネジロッド351と、雄ネジロッド351の一端部を回転可能に支持する軸受352と、雄ネジロッド351の他端に連結され該雄ネジロッド351を正転または逆転駆動するパルスモータ353とによって構成されている。このように構成された第1の切削送り手段35は、それぞれ雄ネジロッド351が上記移動基台32に形成された図示しない雌ネジに螺合される。従って、第1の切削送り手段35は、それぞれパルスモータ353を駆動して雄ネジロッド351を正転または逆転駆動することにより、上記移動基台32に配設された第1のチャックテーブル34を一対のX軸案内レール31、31に沿って
図1および
図2において矢印Xで示す加工送り方向(X軸方向)に移動することができる。このように構成された第1の加工送り手段35は、第1のチャックテーブル34を被加工物を搬出入する
図1および
図2に示す第1の搬出入領域A1と
図1において第1の切削機構5が配設された第1の切削領域B1に位置付けるようになっている。
【0016】
第2のチャックテーブル機構4は、上記第1のチャックテーブル機構3とY軸方向に隣接して配設されており、上記第1のチャックテーブル機構3と同様に構成されている。即ち、第2のチャックテーブル機構4は、
図1および
図2に示すように静止基台2上に加工送り方向(X軸方向)に沿って上記第1のチャックテーブル機構3を構成する一対のX軸案内レール31、31と平行に配設された一対のX軸案内レール41、41と、該一対のX軸案内レール41、41上に摺動可能に配設された移動基台42と、該移動基台42上に配設された円筒状の支持部材43に回転可能に支持された被加工物を保持する第2のチャックテーブル44と、該第2のチャックテーブル44が配設された移動基台42を一対のX軸案内レール41、41に沿って加工送り方向(X軸方向)に移動させるための第2の加工送り手段45とを具備している。第2のチャックテーブル44は、円筒状の支持部材43に回転可能に支持されたテーブル本体441と、該テーブル本体441の上面に配設された吸着チャック442と、後述する被加工物であるウエーハをダイシングテープを介して支持する環状のフレームを固定するためのクランプ443を具備している。テーブル本体441は、外径が後述する被加工物としてのウエーハの外径より大きくウエーハをダイシングテープを介して支持する環状のフレームの内径より小さく形成されている。吸着チャック442は、ポーラスセラミックスによって形成され図示しない吸引手段に接続されており、適宜負圧が作用せしめられるようになっている。従って、吸着チャック442上に載置された被加工物は、図示しない吸引手段を作動することにより吸着チャック442上に吸引保持される。また、第2のチャックテーブル44は、円筒状の支持部材43内に配設された図示しないパルスモータによって回動せしめられるようになっている。
【0017】
上記第2の加工送り手段45は、
図1および
図2に示すように一対のX軸案内レール41、41の間に平行に配設された雄ネジロッド451と、雄ネジロッド451の一端部を回転可能に支持する軸受452と、雄ネジロッド451の他端に連結され該雄ネジロッド451を正転または逆転駆動するパルスモータ453とによって構成されている。このように構成された第2の切削送り手段45は、それぞれ雄ネジロッド451が上記移動基台42に形成された図示しない雌ネジに螺合される。従って、第2の切削送り手段45は、それぞれパルスモータ453を駆動して雄ネジロッド451を正転または逆転駆動することにより、上記移動基台42に配設された第2のチャックテーブル44を一対のX軸案内レール41、41に沿って
図1および
図2において矢印Xで示す加工送り方向に移動することができる。このように構成された第2の加工送り手段45は、第2のチャックテーブル44を上記第1の搬出入領域A1とY軸方向の直線上に隣接し被加工物を搬出入する第2の搬出入領域A2と
図1において第2の切削機構6が配設された第2の切削領域B2に位置付けるようになっている。
【0018】
上述した第1のチャックテーブル機構3と第2のチャックテーブル機構4は、第1の搬出入領域A1と第2の搬出入領域A2との中間位置を軸として点対称の位置に配設されている。
なお、図示の実施形態においては第1のチャックテーブル機構3の第1の加工送り手段35を構成するパルスモータ353と第2のチャックテーブル機構4の第2の加工送り手段45を構成するパルスモータ453をそれぞれ第1の切削機構5と第2の切削機構6が配設される側と反対側(X軸方向における内側)に配設した例を示したが、パルスモータ353とパルスモータ453を第1の切削機構5と第2の切削機構6が配設される側(X軸方向における外側)にそれぞれ配設することによりメンテナンスが良好となる。
【0019】
次に、第1の切削機構5および第2の切削機構6について説明する。
第1の切削機構5は、
図1に示すように上記静止基台2上において第1の切削領域B1に配設された門型の支持フレーム51を具備している。この門型の支持フレーム51は、Y軸方向に間隔を置いて配設された第1の柱部511および第2の柱部512と、該第1の柱部511と第2の柱部512の上端を連結し矢印Xで示す加工送り方向と直交する割り出し送り方向(Y軸方向)に沿って配設された支持部513とからなっており、上記第1のチャックテーブル機構3を跨ぐように配設されている。
【0020】
上記門型の支持フレーム51を構成する支持部513の外側の側面513aには、第1の切削手段5aと第2の切削手段5bが配設されている。
図2を参照して説明を続けると、第1の切削手段5aおよび第2の切削手段5bは、それぞれ割り出し移動基台52と切り込み移動基台53およびスピンドルユニット54を具備している。なお、第1の切削手段5aと第2の切削手段5bは、実質的に同一の構成であるため、第1の切削手段5aに付けた符号を参照して説明する。第1の切削手段5aの割り出し移動基台52および第2の切削手段5bの割り出し移動基台52は、それぞれ上記支持部513の外側の側面513aに設けられた一対のY軸案内レール510、510と嵌合する一対の被案内溝520、520が設けられており、この一対の被案内溝520、520を一対のY軸案内レール510、510に嵌合することにより、割り出し移動基台52は一対のY軸案内レール510、510に沿って移動可能に構成される。なお、第1の切削手段5aの割り出し移動基台52および第2の切削手段5bの割り出し移動基台52における支持部513の外側の側面513aと対向する一方の面には、それぞれ後述する割り出し送り手段との干渉を防ぐための逃げ溝521が形成されている。また、第1の切削手段5aの割り出し移動基台52および第2の切削手段5bの割り出し移動基台52の他方の面には、それぞれ矢印Zで示す切り込み送り方向に沿って一対のZ軸案内レール522、522が設けられている。
【0021】
上記第1の切削手段5aの切り込み移動基台53および第2の切削手段5bの切り込み移動基台53は、それぞれ割り出し移動基台52に設けられた一対のZ軸案内レール522、522と嵌合する図示しない被案内溝が設けられており、この被案内溝を一対のZ軸案内レール522、522に嵌合することにより、切り込み移動基台53は一対のZ軸案内レール522、522に沿って矢印Zで示す切り込み送り方向(Z軸方向)に移動可能に構成される。
【0022】
図2を参照して説明を続けると、上記スピンドルユニット54は、第1の切削手段5aと第2の切削手段5bの切り込み移動基台53の下面にそれぞれ装着されている。この第1の切削手段5aのスピンドルユニット54および第2の切削手段5bのスピンドルユニット54は、それぞれスピンドルハウジング541と、該スピンドルハウジング541に回転可能に支持された回転スピンドル542と、該回転スピンドル542の一端に装着された切削ブレード543と、切削水を供給する切削水供給管544および回転スピンドル542を回転駆動する図示しないサーボモータを具備しており、回転スピンドル542の軸線方向が矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)の直線上に位置付けられるように配設されている。そして、第1の切削手段5aのスピンドルユニット54を構成する切削ブレード543と第2の切削手段5bのスピンドルユニット54を構成する切削ブレード(図示せず)は、互いに対向して配設されている。なお、第1の切削手段5aのスピンドルユニット54および第2の切削手段5bのスピンドルユニット54を構成するスピンドルハウジング541には、それぞれ上記第1のチャックテーブル34に保持された被加工物の加工領域を撮像するための撮像手段540が配設されている。
【0023】
図示の実施形態における第1の切削手段5aと第2の切削手段5bは、上記割り出し移動基台52を一対のY軸案内レール510、510に沿って割り出し送り方向(Y軸方向)に移動するための割り出し送り手段55を具備している。割り出し送り手段55は、それぞれ一対のY軸案内レール510、510の間に平行に配設された雄ネジロッド551と、該雄ネジロッド551の一端部を回転可能に支持する軸受552と、雄ネジロッド551の他端に連結され該雄ネジロッド551を正転または逆転駆動するパルスモータ553とによって構成されている。なお、雄ネジロッド551は、上記割り出し移動基台52に設けられた逃げ溝521とそれぞれ対応する高さ位置に配設されている。このように構成された割り出し送り手段55は、それぞれ雄ネジロッド551が上記割り出し移動基台52に形成された雌ネジ523に螺合される。従って、割り出し送り手段55は、それぞれパルスモータ553を駆動して雄ネジロッド551を正転または逆転駆動することにより、割り出し移動基台52を一対のY軸案内レール510、510に沿って割り出し送り方向(Y軸方向)に移動することができる。この割り出し移動基台52が移動する際に軸受552および雄ネジロッド551が、割り出し移動基台52に設けられた逃げ溝521を挿通することにより、割り出し移動基台52はその移動が許容される。
【0024】
また、図示の実施形態における第1の切削手段5aと第2の切削手段5bは、上記切り込み移動基台53を割り出し移動基台52に設けられた一対のZ軸案内レール522、522に沿って切り込み送り方向(Z軸方向)に移動するための切り込み送り手段56を具備している。切り込み送り手段56は、それぞれ一対のZ軸案内レール522、522と平行に配設された雄ネジロッド561と、該雄ネジロッド561の一端部を回転可能に支持する図示しない軸受と、雄ネジロッド561の他端に連結され該雄ネジロッド561を正転または逆転駆動するパルスモータ562とによって構成されている。このように構成された切り込み送り手段56は、それぞれ雄ネジロッド561が上記切り込み移動基台53に形成された雌ネジ(図示せず)に螺合される。従って、切り込み送り手段56は、それぞれパルスモータ562を駆動して雄ネジロッド561を正転または逆転駆動することにより、切り込み移動基台53を一対のZ軸案内レール522、522に沿って切り込み送り方向(Z軸方向)に移動することができる。
【0025】
次に、第2の切削機構6について説明する。
第2の切削機構6は、上記第1の搬出入領域A1と第2の搬出入領域A2との中間位置を軸として上記第1の切削機構5と点対称の位置に配設されている。このように配設された第2の切削機構6は、上記第2のチャックテーブル機構4を跨ぐように配設された門型の支持フレーム61と、該門型の支持フレーム61を構成する支持部613の外側の側面613aに配設された第1の切削手段6aと第2の切削手段6bとを具備している。なお、門型の支持フレーム61は上記第1の切削機構5の門型の支持フレーム51と実質的に同様の構成であり、第1の切削手段6aと第2の切削手段6bは上記第1の切削機構5の第1の切削手段5aと第2の切削手段5bと実質的に同様の構成であるため説明を省略する。
以上のように、上記第1の切削機構5と第2の切削機構6は、上記第1の搬出入領域A1と第2の搬出入領域A2との中間位置を軸として点対称の位置に配設されているので、無駄な空間がなく切削装置を小型に構成することができるとともに、作業者が切削ブレードの交換等をする際にアクセスが良好で作業性が向上する。
【0026】
図示の実施形態における切削装置は、
図1および
図2に示すように第1のチャックテーブル34が位置する第1の搬出入領域A1と第2のチャックテーブル44が位置する第2の搬出入領域A2とを結ぶY軸方向の直線上に配設された洗浄手段7を具備している。この洗浄手段7は、第1のチャックテーブル34上において上記第1の切削機構5によって切削加工された被加工物、および第2のチャックテーブル44上において上記第2の切削機構6によって切削加工された被加工物をスピンナーテーブル71上に保持して洗浄する周知のスピンナー洗浄機構によって構成されている。
【0027】
図1を参照して説明を続けると、図示の実施形態における切削装置は、上記洗浄手段7の上方に配設され切削加工前の被加工物を仮置きする仮置き手段8を具備している。この仮置き手段8は、
図3に示すように断面がL字状に形成された2本の支持レール81、81と、該2本の支持レール81、81の基端部を支持するとともに2本の支持レール81、81を互いに接近する方向および互いに離反する方向に作動せしめる支持レール移動手段82とからなっている。2本の支持レール81、81は、それぞれ水平部81aと垂直部81bとからなっており、水平部81aに後述する被加工物である半導体ウエーハを支持する環状のフレームが支持されるようになっている。このように構成された仮置き手段8は、支持レール移動手段82を作動することによって2本の支持レール81、81における垂直部81bの内側間隔が後述する環状のフレームの外径幅に対応する寸法と、2本の支持レール81、81における水平部81aの内側間隔が後述する環状のフレームの外径幅より広くなるような寸法に調整することができる。
【0028】
図1および
図3を参照して説明を続けると、上記仮置き手段8のX軸方向に隣接して後述する被加工物である半導体ウエーハを収容するカセット10(
図1参照)を載置するカセットテーブル91を備えたカセット載置手段9が配設されている。カセット載置手段9のカセットテーブル91は、図示しない昇降手段によって昇降せしめられるようになっている。カセットテーブル91に載置されるカセット10は、
図1に示すように環状のフレームFに装着されたダイシングテープTの表面に貼着された切削加工前の被加工物である半導体ウエーハWを載置するための複数の載置棚を備えている。このように構成され切削加工前の半導体ウエーハWを収容したカセット10は、カセット載置手段9のカセットテーブル91上に載置される。
【0029】
図1および
図3を参照して説明を続けると、図示に実施形態における切削装置は、上記カセットテーブル91上に載置されたカセット10に収容されている環状のフレームFに装着されたダイシングテープTの表面に貼着された切削加工前の半導体ウエーハW(以下単に半導体ウエーハWという)を仮置き手段8に搬出するとともに、仮置き手段8から後述するように洗浄済の被加工物である半導体ウエーハWをカセット10に搬入する搬出入手段11を備えている。この搬出入手段11は、搬送アーム111と、該搬送アーム111の先端部にカセット載置手段9側に向けて配設された把持部材112と、搬送アーム111をX軸方向に沿って移動可能に支持する搬送アーム移動手段113を具備している。把持部材112は、図示しないエアシリンダから供給されるエアの圧力によって駆動され上記環状のフレームFを把持するように構成されている。なお、搬送アーム移動手段113は、例えばパルスモータによって駆動される駆動プーリと、該駆動プーリと所定の間隔を置いて配設された従動プーリと、駆動プーリと従動プーリに圏回された作動ワイヤとによって構成される周知の作動機構を用いることができる。
【0030】
また、図示の実施形態における切削装置は、仮置き手段8に仮置きされた切削加工前の被加工物を第1の搬出入領域A1に位置付けられた第1のチャックテーブル34および第2の搬出入領域A2に位置付けられた第2のチャックテーブル44に搬送するとともに、洗浄手段7から洗浄済の被加工物を仮置き手段8に搬送し、また、第1の搬出入領域A1に位置付けられた第1のチャックテーブル34および第2の搬出入領域A2に位置付けられた第2のチャックテーブル44から切削加工済の被加工物を洗浄手段7に搬送する搬送手段12を備えている。搬送手段12は、図示の実施形態においては第1の搬送手段13と第2の搬送手段14とからなっている。第1の搬送手段13は、先端部が下方に向けて突出した形成された搬送アーム131と、該搬送アーム131の先端部に上下方向に移動可能に配設された支持ロッド132と、該支持ロッド132の下端に装着され上記環状のフレームFを吸引保持する4個の吸引パッド133と、搬送アーム131をY軸方向に沿って移動可能に支持する搬送アーム移動手段134を具備している。上記支持ロッド132は、搬送アーム131の先端部に配設された図示しないエアシリンダ等の昇降手段によって上下方向に移動せしめられる。また、第2の搬送手段14は、上記第1の搬送手段13と同様の構成をしており図示の実施形態においては第1の搬送手段13の下側に配設される。第2の搬送手段14は、上記第1の搬送手段13と同様に先端部が下方に向けて突出した形成された搬送アーム141と、該搬送アーム141の先端部に上下方向に移動可能に配設された支持ロッド142と、該支持ロッド142の下端に装着され上記環状のフレームFを吸引保持する4個の吸引パッド143と、搬送アーム141をY軸方向に沿って移動可能に支持する搬送アーム移動手段144を具備している。上記支持ロッド142は、搬送アーム141の先端部に配設された図示しないエアシリンダ等の昇降手段によって上下方向に移動せしめられる。
【0031】
このように構成された第1の搬送手段13と第2の搬送手段14は、
図1に示すように上下に配設され4個の吸引パッド133および143が上記第1の搬出入領域A1および第2の搬出入領域A2と洗浄手段7をY軸方向に結ぶ直線上を移動するように構成されている。そして、図示の実施形態においては、第1の搬送手段13は、仮置き手段8に仮置きされた切削加工前の被加工物を第1の搬出入領域A1に位置付けられた第1のチャックテーブル34および第2の搬出入領域A2に位置付けられた第2のチャックテーブル44に搬送するとともに、洗浄手段7から洗浄済の被加工物を仮置き手段8に搬送する。一方、第2の搬送手段14は、第1の搬出入領域A1に位置付けられた第1のチャックテーブル34および第2の搬出入領域A2に位置付けられた第2のチャックテーブル44から切削加工済の被加工物を洗浄手段7に搬送する。即ち、第2の搬送手段14は、切削加工によって生成される切削屑や切削水によって汚染された被加工物を洗浄手段7に搬送する役割を果たす。
【0032】
以上のように構成された第1の搬送手段13および第2の搬送手段14は、静止基台2上に適宜の支持手段によって支持されている。そして、第1の搬送手段13および第2の搬送手段14の搬送アーム131および141は、搬送作業を実施しないときには
図3において2点鎖線で示す待機位置に位置付けられている。
なお、第1の搬送手段13および第2の搬送手段14の搬送アーム移動手段134および144は、上記搬出入手段11の搬送アーム移動手段113と同様に、パルスモータによって駆動される駆動プーリと、該駆動プーリと所定の間隔を置いて配設された従動プーリと、駆動プーリと従動プーリに圏回された作動ワイヤとによって構成される周知の作動機構を用いることができる。
【0033】
図示の実施形態における切削装置は以上のように構成されており、以下その作用について主に
図1を参照して説明する。
上述した切削装置を用いて被加工物である半導体ウエーハに切削加工を施すには、環状のフレームFに装着されたダイシングテープTの表面に貼着された切削加工前の半導体ウエーハWを収容したカセット10をカセット載置手段9のカセットテーブル91上に載置する。次に、搬出入手段11の搬送アーム移動手段113を作動して搬送アーム111をカセットテーブル91上に載置されたカセット10に向けて前進移動し、搬送アーム111に配設された把持部材112を作動してカセット10の所定位置に収容された半導体ウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFを把持する。把持部材112によって環状のフレームFを把持したならば、搬送アーム移動手段113を作動して搬送アーム111をカセット10と反対側に向けて後退移動し、環状のフレームFを仮置き手段8を構成する2本の支持レール81、81における水平部81a上に搬出し、把持部材112による把持状態を解除して、環状のフレームFを2本の支持レール81,81における水平部81a上に仮置きする。そして、仮置き手段8の支持レール移動手段82を作動して2本の支持レール81、81を互いに接近する方向に移動し、垂直部81bによって環状のフレームFを一時的に挟持することにより位置合わせを行う。
【0034】
このようにして半導体ウエーハWの位置合わせを実施したならば、搬出入手段11の搬送アーム移動手段113を作動して搬送アーム111をカセット10と反対側に向けて更に後退移動し、仮置き手段8の領域から離隔する。次に、第1の搬送手段13の搬送アーム移動手段134を作動して搬送アーム131に配設された支持ロッド132に装着された吸引パッド133を仮置き手段8に仮置きされた半導体ウエーハWの上方に位置付ける。そして、支持ロッド132を下方に移動して吸引パッド133を半導体ウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFの上面に接触せしめ、図示しない吸引手段を作動することにより吸引パッド133によって環状のフレームFを吸引保持する。このようにして吸引パッド133によって環状のフレームFを吸引保持したならば、支持ロッド132を上方に移動するとともに、搬送アーム移動手段134を作動して吸引パッド133によって保持された環状のフレームFを第1の搬出入領域A1に位置付けられた第1のチャックテーブル34の上方に搬送する。次に、支持ロッド132を下方に移動して吸引パッド133に吸引保持された環状のフレームFにダイシングテープTを介して支持された半導体ウエーハWを第1のチャックテーブル34上に載置するとともに、吸引パッド133による環状のフレームFの吸引保持を解除する。このようにして第1のチャックテーブル34に載置された環状のフレームFにダイシングテープTを介して支持された半導体ウエーハWは、図示しない吸引手段を作動することにより第1のチャックテーブル34上に吸引保持される。そして、環状のフレームFがクランプ343によって固定される。
【0035】
このようにして仮置き手段8に仮置きされ位置合わせされた半導体ウエーハWを第1のチャックテーブル34に搬送する間に、上記搬出入手段11を作動してカセット10に収容されている次に切削加工すべき半導体ウエーハW(環状のフレームFにダイシングテープTを介して支持された状態)を仮置き手段8に搬出するとともに位置合わせが実施されている。従って、第1の搬送手段13は、上述したように仮置き手段8に仮置きされ位置合わせされた半導体ウエーハWを第1のチャックテーブル34に搬送したならば、次に仮置き手段8に搬出され位置合わせされた半導体ウエーハWを第2のチャックテーブル44に搬送する。このようにして第2のチャックテーブル44に載置された環状のフレームFにダイシングテープTを介して支持された半導体ウエーハWは、図示しない吸引手段を作動することにより第2のチャックテーブル44上に吸引保持される。そして、環状のフレームFがクランプ443によって固定される。
【0036】
以上のようにして第1のチャックテーブル34および第2のチャックテーブル44に半導体ウエーハWを吸引保持したならば、第1の加工送り手段35を作動して第1のチャックテーブル34を第1の切削機構5が配設された第1の切削領域B1に移動するとともに、第2の加工送り手段45を作動して第2のチャックテーブル44を第2の切削機構6が配設された第2の切削領域B2に移動する。そして、第1の切削領域B1に位置付けられた第1のチャックテーブル34に保持された半導体ウエーハWに対しては、第1の切削機構5を構成する第1の切削手段5aおよび第2の切削手段5bにそれぞれ設けられた撮像手段540によって加工領域を検出するアライメント作業が実施される。次に、第1の切削機構5を構成する第1の切削手段5aおよび第2の切削手段5bの切削ブレード543を作動して第1の切削領域B1に位置付けられた第1のチャックテーブル34に保持されている半導体ウエーハWに対して所定の切削加工を施す。また、第2の切削領域B2に位置付けられた第2のチャックテーブル44に保持されている半導体ウエーハWに対しては、第2の切削機構6を構成する第1の切削手段6aと第2の切削手段6bによって上記アライメント作業を実施するとともに所定の切削加工を実施する。
【0037】
以上のように、図示の実施形態における切削装置においては、第1の切削領域B1に位置付けられた第1のチャックテーブル34に保持された半導体ウエーハWに対して第1の切削機構5を構成する第1の切削手段5aと第2の切削手段5bの2個の切削ブレード543を作用させて切削加工を施すとともに、第2の切削領域B2に位置付けられた第2のチャックテーブル44に保持された半導体ウエーハWに対して第2の切削機構6を構成する第1の切削手段6aと第2の切削手段6bの2個の切削ブレードを作用させて同時に所定の切削加工を施すことが可能となり、生産性をより向上させることができる。
【0038】
上述したように第1のチャックテーブル34に保持された半導体ウエーハWおよび第2のチャックテーブル44に保持された半導体ウエーハWにそれぞれ所定の切削加工を施したならば、第1の加工送り手段35を作動して第1のチャックテーブル34を第1の搬出入領域A1に戻すとともに、第2の加工送り手段45を作動して第2のチャックテーブル44を第2の搬出入領域A2に戻す。次に、第2の搬送手段14の搬送アーム移動手段144を作動して搬送アーム141に配設された支持ロッド142に装着された吸引パッド143を第1のチャックテーブル34に載置された半導体ウエーハWの上方に位置付ける。そして、支持ロッド142を下方に移動して吸引パッド143を半導体ウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFの上面に接触せしめ、該吸引パッド143によって環状のフレームFを吸引保持する。このようにして吸引パッド143によって環状のフレームFを吸引保持したならば、支持ロッド142を上方に移動するとともに、搬送アーム移動手段144を作動して吸引パッド143によって保持された環状のフレームFを洗浄手段7の上方に搬送する。次に、支持ロッド142を下方に移動して吸引パッド143に吸引保持された環状のフレームFにダイシングテープTを介して支持された半導体ウエーハWを洗浄手段7のスピンナーテーブル71上に載置するとともに、吸引パッド143による環状のフレームFの吸引保持を解除する。このとき、仮置き手段8を構成する2本の支持レール81、81における水平部81aの内側間隔は、環状のフレームFの外径幅より広くなるような寸法に広げられている。このようにして、洗浄手段7のスピンナーテーブル71に搬送された切削加工が施された半導体ウエーハWは、スピンナー洗浄される。
なお、上述したように切削加工された半導体ウエーハWを洗浄手段7のスピンナーテーブル71に搬送した第2の搬送手段14は、搬送アーム131を
図3において2点鎖線で示す待機位置に位置付ける。
【0039】
上記のようにして切削加工された半導体ウエーハWが洗浄手段7において洗浄されたならば、第1の搬送手段13の搬送アーム移動手段134を作動して搬送アーム131に配設された支持ロッド132に装着された吸引パッド133を洗浄手段7において洗浄された半導体ウエーハWの上方に位置付ける。そして、支持ロッド132を下方に移動して吸引パッド133を半導体ウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFの上面に接触せしめ、図示しない吸引手段を作動することにより吸引パッド133によって環状のフレームFを吸引保持する。そして、支持ロッド132を上方に移動して吸引パッド133に吸引保持された環状のフレームFを仮置き手段8の2本の支持レール81、81より上方に位置付ける。次に、仮置き手段8の2本の支持レール81、81における垂直部81bの内側間隔を環状のフレームFの外径幅より僅かに広い寸法に調整した後、第1の搬送手段13の支持ロッド132を下方に移動して吸引パッド133に吸引保持されている環状のフレームFを2本の支持レール81、81における水平部81a上に載置するとともに吸引パッド133による吸引保持を解除する。このようにして半導体ウエーハWをダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFを仮置き手段8の2本の支持レール81、81における水平部81a上に載置したならば、第1の搬送手段13の吸引パッド133を仮置き手段8から離隔するとともに、搬出入手段11を作動して洗浄済の半導体ウエーハWをカセット10の所定位置に搬入して収納する。
【0040】
このようにして、第1の搬出入領域A1に戻された第1のチャックテーブル34に保持され切削加工が施された半導体ウエーハWを洗浄手段7に搬送して洗浄し、洗浄済の半導体ウエーハWをカセット10の所定位置に搬入して収納したならば、第2の搬送手段14を作動して第2の搬出入領域A2に戻された第2のチャックテーブル44に保持され切削加工が施された半導体ウエーハWを洗浄手段7に搬送する。そして、洗浄手段7に搬送された切削加工された半導体ウエーハWを洗浄手段7において洗浄した後、第1の搬送手段13を作動して洗浄済みの半導体ウエーハWを仮置き手段8に搬送し、搬出入手段11を作動して仮置き手段8に搬送された洗浄済みの半導体ウエーハWをカセット10の所定位置に搬入して収納する。
【0041】
以上のように、図示の実施形態においては、第1の搬出入領域A1に位置付けられた第1のチャックテーブル34および第2の搬出入領域A2に位置付けられた第2のチャックテーブル44から切削加工によって生成される切削屑や切削水によって汚染された被加工物を洗浄手段7に搬送する際には第2の搬送手段14を使用し、その他の搬送即ち仮置き手段8に仮置きされた切削加工前の被加工物を第1の搬出入領域A1に位置付けられた第1のチャックテーブル34および第2の搬出入領域A2に位置付けられた第2のチャックテーブル44に搬送するとともに、洗浄手段7から洗浄済の被加工物を仮置き手段8に搬送する際には第1の搬送手段13を使用するので、被加工物をダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFが汚染されることがない。
なお、第1のチャックテーブル43に保持され切削加工された半導体ウエーハWを洗浄手段7において洗浄している最中に、搬出入手段11を作動してカセット10に収容されている半導体ウエーハWを仮置き手段8に搬出し、第1の搬送手段13を作動して仮置き手段8に搬出された半導体ウエーハWを第1のチャックテーブル34に搬送することが時間ロスをなくすために好ましい。
また、第2のチャックテーブル44に保持され切削加工された半導体ウエーハWを洗浄手段7において洗浄している最中に、搬出入手段11を作動してカセット10に収容されている半導体ウエーハWを仮置き手段8に搬出し、第1の搬送手段13を作動して仮置き手段8に搬出された半導体ウエーハWを第2のチャックテーブル44に搬送することが時間ロスをなくすために好ましい。
【0042】
以上、本発明を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で種々の変形は可能である。例えば、上述した実施形態においては、切削装置を単体で実施する例を示したが、例えば特開2015−8195号公報に開示されているように搬送ラインに沿って複数の装置を設置してオートメーションシステムを構築する場合に適用しても、第1の切削機構5と第2の切削機構6が第1の搬出入領域A1と第2の搬出入領域A2との中間位置を軸として点対称の位置に配設されているので、作業者が切削ブレードの交換等をする際にアクセスが良好でメンテナンスを迅速に行うことができる。