(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
<本発明について>
本発明は、例えば、サッカー等のスポーツ番組や歌番組、漫才等の観客が存在するテレビ番組等の撮影現場において、その観客から得られる音声(以下、必要に応じて「背景音」という)や観客を撮影した映像(以下、必要に応じて「背景映像」という)等に基づき、番組の盛り上がりを検出し、検出した結果を盛り上がり通知要求のあった視聴者に通知する。背景音には、アナウンサーや解説者の音声やコマーシャル(CM)等の音声が含まれず、撮影現場の音声等が入力される。また、背景映像には、アナウンサーや解説者の映像やコマーシャル(CM)等の映像が含まれず、撮影現場の映像等が入力される。
【0015】
例えば、撮影現場に、観客の盛り上がりを検出するためのマイク(音声入力手段)やカメラ(撮像手段)等を設置し、マイクから得られた背景音の音声レベルや抑揚等の特徴量や、カメラで撮影した背景映像の動きベクトルの大きさや被写体の変動値等の特徴量等を利用して、番組の盛り上がりを検出する。これにより、高精度に撮影現場(会場等)の盛り上がりを検出し、視聴者に通知することが可能となる。
【0016】
以下に、上述したような特徴を有する本発明における盛り上がり通知システムを好適に実施した形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
<盛り上がり通知システムの概略例>
図1は、盛り上がり通知システムの概略略例を示す図である。
図1に示す盛り上がり通知システム10は、1又は複数の現場情報取得装置11−1〜11−n(以下、必要に応じて「現場情報取得装置11」と総称する)と、通知サーバ12と、1又は複数のユーザ端末13−1〜13−n(以下、必要に応じて「ユーザ端末13」と総称する)とを有する。
【0018】
現場情報取得装置11と、通知サーバ12と、ユーザ端末13とは、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等に代表される通信ネットワーク14により、データの送受信が可能な状態で接続されている。
【0019】
現場情報取得装置11は、音声入力手段の一例であるマイク21と、撮像手段の一例であるカメラ22と、通信手段23とを有する。なお、現場情報取得装置11は、マイク21又はカメラ22の一方だけ有していてもよい。
【0020】
現場情報取得装置11は、それぞれの所定の番組の撮影現場に設置される。例えば、現場情報取得装置11は、ある番組でサッカーのライブ中継が行われている場合には、その中継先の競技場等に設置され、また、他の番組で野球中継が行われる場合には、その中継先の野球場等に設置される。
【0021】
マイク21は、例えば番組に対応したスポーツ(例えば、サッカー、バスケットボール、ラグビー、野球等)を観戦している観客の歓声等の背景音が取得しやすい位置や方向に配置されるののが好ましいが、これに限定されるものではない。マイク21は、異なる位置に複数設置されてもよい。
【0022】
カメラ22は、例えばスポーツを観戦している観客の顔や体の動きの変化を、撮影した映像(背景映像)から取得しやすい位置や方向に設置されるのが好ましいが、これに限定されるものではない。カメラ22は、異なる位置に複数設置されてもよい。
【0023】
通信手段23は、通信ネットワーク14を介して通知サーバ12やユーザ端末13との間でデータの送受信を行う。通信手段23は、マイク21からリアルタイムな背景音の音声信号を取得し、カメラ22からリアルタイムな背景映像の映像信号を取得する。通信手段23は、取得した音声信号及び映像信号の一方又は両方を、通信ネットワーク14を介して通知サーバ12に送信する。なお、送信時には、現場情報取得装置11の識別情報や、どの番組に対応する音声又は映像であるかを識別するための情報を付加して送信してもよいが、これに限定されるものではない。
【0024】
通知サーバ12は、各現場情報取得装置11−1〜11−nから得られる音声信号や映像信号に基づいて、その各信号に対応する番組が盛り上がっているか否かを判定する。
【0025】
また、通知サーバ12は、現場情報取得装置11から得られる情報に基づいて、盛り上がっていると判定した場合に、ユーザ端末13から予め設定された設定情報等に基づいて、その番組の盛り上がり時に通知を要求しているユーザ(ユーザ端末13)に対して通知を行う。
【0026】
通知サーバ12は、PC(Personal Computer)でもよく、少なくとも1つの情報処理装置を有するクラウドコンピューティングにより構成されるクラウドサーバであってもよい。
【0027】
ユーザ端末13は、通知サーバ12から、予め登録した番組に対して、盛り上がり時の通知を受け付ける。ユーザ端末13は、盛り上がりの通知を受けた場合には、通知内容を画面に表示してユーザ(視聴者)に知らせる。また、ユーザ端末13は、番組表示アプリケーション等のソフトウェアにより対応する番組を画面に表示させたり、盛り上がり時の前後の映像を含むスキップバック映像等を表示させる処理を行ってもよい。なお、スキップバック映像は、ユーザ端末13で生成されてもよく、また通知サーバ12側で生成し、必要に応じてユーザ端末13に送信してもよい。
【0028】
ユーザ端末13は、例えばスマートフォンやタブレット端末、携帯電話等でもよく、PCやテレビ受像機等でもよい。
【0029】
上述した盛り上がり通知システム10により、例えば、ユーザが現在視聴していない裏番組の盛り上がりを高精度に検知し、希望者に通知することで、番組の盛り上がったシーンを効率的に視聴することができる。
【0030】
<通知サーバ12の機能構成例>
次に、上述した通知サーバ12の機能構成例について、図を用いて説明する。
図2は、通知サーバの機能構成の一例を示す図である。
図2において、通知サーバ12は、入力手段31と、出力手段32と、記憶手段33と、設定手段34と、盛り上がり判定手段35と、通知手段36と、通信手段37と、制御手段38とを有する。
【0031】
入力手段31は、通知サーバ12のユーザ(例えば、管理者)等から各種指示の入力を受け付ける。入力手段31は、例えばキーボードや、マウス等のポインティングデバイス等からなる。
【0032】
出力手段32は、入力手段31により入力された内容や、入力内容に基づいて実行された内容等の表示や出力を行う。出力手段32は、ディスプレイやスピーカ等からなる。また、出力手段32は、番組を再生するチューナ等の機能を有していてもよく、出力手段32から1又は複数の番組を表示出力することができる。
【0033】
なお、入力手段31と出力手段32とは、例えばタッチパネル等のように一体型の入出力手段であってもよい。この場合には、ユーザの指やタッチペン等を用いて画面上の所定の位置をタッチして入力を行うことができる。
【0034】
記憶手段33は、本実施形態における盛り上がり判定や通知処理に必要な各種データを記憶する。例えば記憶手段33は、現場情報取得装置11から得られる音声(背景音)や映像(背景映像)、ユーザ端末13からの設定情報等を記憶する。
【0035】
また、記憶手段33は、盛り上がり判定結果や、各番組に対する所定時間分の映像(スキップバック映像)等を記憶する。例えば、盛り上がり毎に、その盛り上がりを検知した時刻から数分前、又は数秒前後の所定時間分の番組映像(音声を含んでもよい)をスキップバック映像として記憶する。
【0036】
なお、記憶手段33に記憶するデータ例は、これに限定されるものではない。また、記憶手段33は、必要に応じて記憶している各種データを読み出したり、各種データ書き込んだりすることができる。
【0037】
設定手段34は、現場情報取得装置11からの音声信号や映像信号等から盛り上がりを検出したときに、その旨の通知を行うか否かの設定の入力を受け付ける。設定手段34は、例えばウェブ画面等により提示された番組表に対して、ユーザ端末13を介してユーザが選択した番組情報を受け付ける。
【0038】
例えば、設定手段34は、番組表として時間帯毎に配列して表示された各チャンネルの番組情報(以下、必要に応じて「番組欄」という)のうち、盛り上がり通知可能な番組の番組欄に「盛り上がり通知」ボタン等を付加する。ユーザは、盛り上がり通知を受けたい番組に「盛り上がり通知」ボタンが付加されている場合、そのボタンを押下する。これにより、設定手段34は、「盛り上がり通知」ボタンが押された番組情報を、盛り上がり通知対象として受け付けることができる。また、設定手段34は、「盛り上がり通知」ボタンを押した場合に、盛り上がりレベルの設定画面等を表示し、ユーザからレベル等の詳細設定を受け付けてもよい。
【0039】
また、設定手段34は、例えば予め設定された番組表から選択されたある時間帯における各チャンネルの番組と、その番組毎に盛り上がり通知を行うか否かを選択させるための画面を表示し、表示画面からユーザが選択した情報を設定情報として受け付けてもよい。
【0040】
また、設定手段34は、選択した番組情報に対して盛り上がり通知をする場合の盛り上がりレベル等の設定を受け付けてもよい。例えば、設定手段34は、盛り上がりのレベルが多段階(例えば、5段階)に設定できる場合に、どのレベルまで盛り上がった状態で通知を受けるかを番組毎に設定することができる。
【0041】
また、設定手段34は、ユーザから嗜好情報(例えば、好きな番組のジャンル、スポーツ、食べ物等)や年齢、性別等の個人情報等の入力を受け付けてもよい。この場合、設定手段34は、例えば、受け付けた嗜好情報と、EPG(Electronic Program Guide)等から得られる番組のジャンルや要約とを比較し、その類似度等に応じて、自動で各番組を盛り上がり通知の対象とする設定や盛り上がり通知するレベルの設定を行ってもよい。これにより、ユーザの設定に対する負担を軽減することができる。設定手段34により受け付けた情報は、記憶手段33により記憶される。
【0042】
盛り上がり判定手段35は、現場情報取得装置11から得られる音声や映像を用いて、その番組(観客、会場)が盛り上がっているか否かを判断する。例えば、サッカー中継や野球中継を行うときや、漫才番組、歌番組の制作現場では、観客の近くで観客に向けてマイク21やカメラ22等が設置される。
【0043】
盛り上がり判定手段35は、マイク21から得られる背景音の音声レベルや抑揚等の特徴量から、例えばマイク21の入力音声レベルが一定以上になったり、一定期間のマイク21の入力音声レベルの積分値が一定以上になったときに、その背景音に対応する番組が盛り上がっていると判定する。
【0044】
また、盛り上がり判定手段35は、カメラ22で撮影した背景映像に対し、画像処理によりオプティカルフロー等の動きベクトルの特徴量が計算され、この特徴量から、例えば動きベクトルが一定以上の大きさになったり、一定期間の動きベクトルの積分値が一定以上になったときに、その背景映像に対応する番組が盛り上がっていると判定する。オプティカルフローとは、映像(時間的に連続する画像)の中で、物体の動きをベクトルで表したものである。
【0045】
また、例えば、漫才番組等の場合における盛り上がり判定としては、客の動きというよりも顔表情がどれだけ笑っているかが重要になる。そこで、盛り上がり判定手段35は、例えばカメラ22で撮影した背景映像から観客等の人物の顔画像を抽出し、その顔の表情を解析し、所定の表情(例えば、大きく口を開けて笑う、喜ぶ等)になった場合に、その背景映像に対応する番組が盛り上がっていると判定してもよい。
【0046】
顔画像の抽出については、例えば予め設定された顔の特徴情報(例えば、目、鼻、口等の各部の色情報や、各部の相対位置情報)等に基づいて抽出することができる。また、顔の表情の解析については、例えば抽出した顔画像から得られる顔の特徴情報と、予め設定された各表情の特徴情報とを比較し、その類似度等に基づいて、表情を特定することができる。なお、顔画像の抽出手法や表情の解析手法等については、上述の例に限定されるものではない。
【0047】
また、盛り上がり判定手段35は、マイク21とカメラ22とからそれぞれ得られる各特徴量から動きベクトルと入力音声レベルが一定以上の大きさ、或いは、これらの時系列数値が一定の条件を満たしたときに、その背景音、背景映像に対応する番組が盛り上がっていると判断する。また、盛り上がり判定手段35は、特徴量の大きさと閾値とに基づいて、盛り上がりのレベルを判定してもよい。
【0048】
また、盛り上がり判定手段35における判定手法は、これに限定されるものではなく、例えば撮影現場やテレビ放送を視聴しているサービス提供者が盛り上がりを判断してもよい。また、盛り上がり判定手段35は、例えば特許第3983532号公報等に記載されている場面抽出手法における音声信号の特徴量(音声信号のパワーレベル値の統計解析等により得られる特徴量)等を用いて盛り上がりを検出してもよい。
【0049】
盛り上がり判定手段35は、各現場情報取得装置11から得られるそれぞれの音声信号又は映像信号に対して盛り上がり判定を行ってもよく、同一の撮影現場に複数の現場情報取得装置11設置された場合には、それらの判定結果を統合して最終的な盛り上がり判定を行ってもよい。
【0050】
通知手段36は、盛り上がり判定手段35により盛り上がっていると判定された番組に対して、設定手段34により、その番組の盛り上がりに応じて通知する旨の設定をされているユーザ(ユーザ端末13)を選択し、選択されたユーザ端末13に対して通知を行う。
【0051】
また、通知手段36は、ユーザ端末13から現時点で盛り上がっている、又は最近盛り上がった番組があるか否かの問い合わせ要求に対して、対応する番組があれば、その内容を要求のあったユーザ端末13に通知してもよい。
【0052】
また、通知手段36は、設定手段34により通知対象の盛り上がりレベルが設定されている場合、特徴量から得られる盛り上がりレベルが、通知対象の盛り上がりレベルの条件を満たす場合に、ユーザに通知を行ってもよい。
【0053】
なお、通知手段36が通知する内容としては、盛り上がっている番組のチャンネルや盛り上がった時刻、盛り上がりレベル等であるが、これに限定されるものではない。
【0054】
通信手段37は、例えばインターネット等に代表される通信ネットワーク14を介して接続される通知サーバ12やユーザ端末13等の外部装置等とデータの送受信を行う。なお、通信手段37は、外部装置等から既に記憶されている映像や音声等や処理プログラム等を受信することができ、また通知サーバ12で解析された結果を、通信ネットワーク14を介して外部装置に送信することもできる。
【0055】
制御手段38は、通知サーバ12の各構成部全体の制御を行う。具体的には、制御手段38は、例えばユーザ等による入力手段31からの指示等に基づいて、設定手段34による各種設定や、盛り上がり判定手段35による盛り上がり判定、通知手段36による盛り上がり通知等の制御を行うが、制御内容はこれに限定されるものではない。
【0056】
<盛り上がり通知処理の第1実施例>
次に、本実施形態における盛り上がり通知処理の第1実施例について、図を用いて説明する。
図3は、盛り上がり通知処理の第1実施例を示すシーケンス図である。
図3に示す第1実施例では、便宜上、複数の取得装置(
図3の例では、現場情報取得装置11−1,11−2)と、通知サーバ12と、複数のユーザ端末(
図3の例では、ユーザ端末13−1,13−2)とを有するが、これに限定されるものではない。
【0057】
図3に示す第1実施例において、まずユーザ端末13−1,13−2は、通知サーバ12にアクセスし、盛り上がり通知を受ける対象番組の設定登録を行う(S01,S02)。通知サーバ12は、それぞれのユーザ端末13−1,13−2の設定内容を記憶する(S03)。次に、ユーザ端末13−1,13−2は、それぞれのユーザが番組を視聴する(S04,S05)。なお、視聴している番組は、設定した番組でもよく、設定していない番組でもよい。また、説明の便宜上、視聴している番組は、設定登録した番組の放送時間と同時刻に放送された番組とするが、これに限定されるものではない。また、ユーザ端末13は、番組を視聴していなくてもよい。
【0058】
次に、それぞれの撮影現場にある現場情報取得装置11−1,11−2は、リアルタイムに放送されている番組等に対応させて、その現場にいる観客等から得られる音声及び映像を取得し(S06〜S09)、取得した音声及び映像を通知サーバ12に送信する(S10,S11)。なお、第1実施例では、音声及び映像のうち、何れかの信号を取得して通知サーバ12に送信してもよい。
【0059】
通知サーバ12は、現場情報取得装置11−1,11−2から得られる音声及び映像に基づいて盛り上がり判定を行い(S12)、盛り上がっている番組に対してS01,S02における設定により、通知を希望しているユーザ端末13を選択する(S13)。
図3の第1実施例では、ユーザ端末13−1が通知を希望しているものとして説明する。
【0060】
通知サーバ12は、ユーザ端末13−1に登録した番組が現在盛り上がっている旨の通知を行う(S14)。ユーザ端末13−1は、通知された番組の内容を確認し、通知された番組に合わせた通知を行い(S16)、ユーザからの指示により対象の番組表示等を行う(S17)。
【0061】
例えば、S16処理では、通知を受けた番組が、例えばS04の処理で視聴中の番組と同一である場合には、すでにユーザ端末13−1のユーザは、リアルタイムに盛り上がりシーンを見ているため、その場合には、通知を行わないといった処理を行ってもよい。
【0062】
また、S17の処理では、対象の番組表示を行わなくてもよく、ユーザ端末13以外の装置(例えば、プロジェクタ、テレビ受像機等)を用いて番組表示してもよい。
【0063】
<盛り上がり判定から通知までの処理の具体例>
次に、上述したS12〜S14の処理における盛り上がり判定から通知までの処理の具体例について、図を用いて説明する。
図4は、盛り上がり判定から通知処理までの処理の一例を示すフローチャートである。
図4の例において、通知サーバ12は、現場情報取得装置11から音声信号を取得し(S21)、取得した音声の特徴量を解析する(S22)。また、通知サーバ12は、現場情報取得装置11から映像信号を取得し(S23)、取得した映像の特徴量を解析する(S24)。
【0064】
次に、通知サーバ12は、取得した音声や映像に対応する番組が盛り上がっているか否かを判断する(S25)。なお、S25の処理では、音声から得られる特徴量のみを用いて盛り上がり判定を行ってもよく、映像から得られる特徴量のみを用いて盛り上がり判定を行ってもよい。音声の特徴量のみから盛り上がり判定を行う場合には、S23、S24の処理は必要なく、映像の特徴量のみから盛り上がり判定を行う場合には、S21、S22の処理は必要ない。
【0065】
S25の処理において、盛り上がっていると判断した場合(S25において、YES)、予め設定された閾値と比較し、盛り上がりレベルを設定する(S26)。S26の処理では、音声レベルの大きさ又は映像の動きベクトルの大きさ等に基づいて盛り上がりレベルを設定することができる。例えば、音声入力レベルが100より大きい場合に盛り上がりレベルを5とし、音声入力レベルが80〜100の場合に盛り上がりレベルを4とし、音声入力レベルが60〜80の場合に盛り上がりレベルを3とし、音声入力レベルが40〜60の場合に盛り上がりレベルを2とし、音声入力レベルが40未満の場合に盛り上がりレベルを1とする等の設定を行うことができるが、これに限定されるものではない。
【0066】
また、S26の処理後、予めユーザ端末13毎に登録された設定情報に基づき、盛り上がり判定を行った音声や映像等に対応する対象の番組で、S26で設定された盛り上がりレベル以下の条件で通知要求を設定したユーザがいるか否かを判断し(S27)、ユーザがいる場合(S27において、YES)、そのユーザに盛り上がり情報を通知する(S28)。
【0067】
上述したS27の処理では、例えばS26の処理で設定された盛り上がりレベルが「4」である場合、同一の番組であって盛り上がりレベルを1〜4に設定しているユーザが通知対象のユーザとなるが、これに限定されるものではない。例えば、S26で設定された盛り上がりレベルが「4」である場合、同一の番組であって盛り上がりレベルが一致する(「4」である)ユーザのみを通知対象としてもよい。
【0068】
上述したS28の処理では、例えば、所定時間間隔毎に行ってもよく、例えば一度盛り上がり通知を送ったユーザに対しては、S26の処理で盛り上がりレベルの設定が変更された場合にのみ、再度の通知を送ってもよい。これにより、ユーザが同じ通知を何度も受け取ることを防止することができる。
【0069】
S28の処理後、S25の処理において、盛り上がっていると判定されなかった場合(S25において、NO)、又はS27の処理において、対象の番組で盛り上がりレベル以下に設定したユーザがいない場合(S27において、NO)、処理を終了するか否かを判断し(S29)、処理を終了しない場合(S29において、NO)、S21の処理に戻る。また、S29の処理において、処理を終了する場合(S29において、YES)、上述した処理を終了する。
【0070】
なお、上述した
図4に示す例では、S26の処理において、盛り上がりレベルを設定し、S27の処理において、設定した盛り上がりレベルと、ユーザが設定した盛り上がりレベルとを比較して通知対象のユーザを決定していたが、これに限定されるものではない。例えば、S26の処理を省略し、S27の処理において、対象の番組を盛り上がり通知設定したユーザがいるか否かを判断することで、通知対象のユーザを決定してもよい。
【0071】
<盛り上がり通知処理の第2実施例>
次に、本実施形態における盛り上がり通知処理の第2実施例について、図を用いて説明する。
図5は、盛り上がり通知処理の第2実施例を示すシーケンス図である。
図5に示す第2実施例では、便宜上、複数の取得装置(
図5の例では、現場情報取得装置11−1,11−2)と、通知サーバ12と、複数のユーザ端末(
図5の例では、ユーザ端末13−1,13−2)とを有するが、これに限定されるものではない。
【0072】
図5に示す第2実施例において、まずユーザ端末13−1は、自己の端末に盛り上がりの番組設定を行い、同一番組又は他の番組の番組表示を行う(S31,S32)。また、ユーザ端末13−2も同様に自己の端末に盛り上がりの番組設定を行い、同一番組又は他の番組表示を行う(S33,S34)。S32、S34の処理では、S31、S33で設定した盛り上がりを通知する番組と同時刻に放送される番組を表示している例を示している。
【0073】
次に、それぞれの撮影現場にある現場情報取得装置11−1,11−2は、リアルタイムに放送されている番組等に対応させて、その現場にいる観客等から得られる音声及び映像を取得し(S35〜S38)、取得した音声及び映像を通知サーバ12に送信する(S39,S40)。なお、第2実施例では、音声及び映像のうち、何れかの信号を取得して通知サーバ12に送信してもよい。
【0074】
通知サーバ12は、現場情報取得装置11−1,11−2から得られる音声及び映像に基づいて盛り上がり判定を行い(S41)、盛り上がっていると判定された番組情報を登録しておく(S42)。なお、盛り上がっていると判定された番組は、ユーザ端末13−1,13−2の問い合わせ間隔より長い所定時間登録を維持する。
【0075】
ユーザ端末13−1,13−2は、それぞれS32及びS34の処理で、ある番組を表示しながら、裏番組の盛り上がり状態を所定の時間間隔(例えば、数秒〜数十秒程度の間隔)で通知サーバ12に問い合わせを行う(S43,S44)。この場合、ユーザ端末13−1,13−2は、それぞれS31及びS33の処理により設定された盛り上がりを通知する対象番組の情報を通知サーバ12に通知する。
【0076】
通知サーバ12は、現時点で登録されている盛り上がり番組の情報の中で、各ユーザ端末13−1,13−2から取得した盛り上がりの通知対象の番組と一致する番組があった場合に、その盛り上がり番組の情報の結果を送信する(S45)。なお、一致する番組がなかった場合には、その旨を示す情報を送信する(S46)。
【0077】
ユーザ端末13−1は、通知サーバ12から得られた内容の通知を行い(S47)、第1実施例と同様に、ユーザ指示等に応じて番組を表示する(S48)。
【0078】
なお、S47の処理では、通知サーバ12から通知された番組が、S32の番組表示処理で、すでにユーザが視聴している場合には、通知を行わない。
【0079】
また、ユーザ端末13−2は、通知サーバ12から設定した番組に対する盛り上がりがなかった旨の通知であるため、その後の処理を行わない。
【0080】
上述したように、第2実施例では、第1実施例のように通知サーバに盛り上がり通知対象の番組を登録する必要がなく、各ユーザ端末13に設定しておき、通知サーバ12への問い合わせのときに、盛り上がり通知対象番組により得られる盛り上がり通知の内容と、各ユーザ端末13の設定情報とを比較して、条件に当てはまる場合に、ユーザに通知を行う。
【0081】
なお、本実施形態では、上述した第1実施例及び第2実施例の一部又は全部を組み合わせてもよい。
【0082】
更に、上述した第1実施例及び第2実施例では、通知サーバ12が、現場情報取得装置11−1,11−2からそれぞれ得られる音声及び映像に基づいて盛り上がり判定を行っているが、これに限定されるものではなく、例えば現場情報取得装置11−1,11−2のそれぞれに上述した盛り上がり判定手段35の機能を設けてもよい。
【0083】
その場合、現場情報取得装置11−1,11−2は、各装置内で得られた音声及び映像に基づいて盛り上がり判定を行い、例えばその番組が盛り上がっていると判定された場合、又はその番組が所定のレベルまで盛り上がっていると判定された場合に、現時点で盛り上がっている旨の通知を通知サーバ12に送信する。
【0084】
また、送信された通知サーバ12は、上述した盛り上がり判定手段35の機能を設けなくてもよく、現場情報取得装置11−1,11−2の少なくとも1つから盛り上がっている旨の通知を受けた場合に、その装置から得られる音声及び映像に対応する番組の盛り上がり通知を希望しているユーザ端末13に通知したり、盛り上がっている番組情報を登録する。
【0085】
また、他の例として、現場情報取得装置11−1,11−2は、各装置内で得られた音声及び映像に基づく盛り上がり判定で、その番組が盛り上がっていると判定された場合に、その音声及び映像を通知サーバ12に送信してもよい。この場合、通知サーバ12は、取得した音声及び映像を用いて、盛り上がっていると判定された番組情報に対して、ユーザ毎に設定された基準(レベル)に基づく盛り上がり判定を行い、所定のレベルまで盛り上がっていると判定された場合に、対象のユーザ端末13に通知したり、盛り上がっている番組情報を登録してもよい。
【0086】
上述したような実施形態にすることで、例えば通信ネットワーク14に余計な音声や映像を送信することがないため、通信量を少なくすることができる。また、通信エラーやデータ損失等による影響も少なくなるため、盛り上がり通知システム10全体の安定性を確保することができる。
【0087】
<設定情報>
次に、本実施形態におけるユーザ端末13の設定情報について、図を用いて説明する。
図6、
図7は、本実施形態における設定画面の一例を示す図(その1,その2)である。
【0088】
図6に示す設定画面40−1及び
図7に示す設定画面40−2は、例えばユーザ端末13が通知サーバ12にアクセスした際に、設定手段34等によりウェブ画面上に表示される画面(ブラウザ表示画面)であるが、これに限定されるものではなく、例えば専用のアプリケーション等を用いて通知設定を行う場合には、そのアプリケーションにより提示される画面であってもよい。
【0089】
図6に示す設定画面40−1には、例えばEPG(Electronic Program Guide)等の番組表が表示されている。
図6の例では、ある時刻(例えば、12月26日(金)の19:00〜)の各チャンネル(CH1〜)の番組情報が表示されている。
図6に示す番組表には、番組のタイトルや番組の開始時刻、番組要約等が表示され、更に出演者の名前、モノラル/ステレオ・二カ国語放送等の区別、字幕の有無等も表示することができる。なお、表示される内容については、これに限定されるものではない。
【0090】
また、
図6に示す設定画面40−1には、盛り上がり通知可能な番組欄に、盛り上がり通知を行うか否かをユーザに選択させる選択部の一例として、「盛り上がり通知」ボタン41が表示されている。ユーザは、盛り上がり通知を受けたい番組を選択し、その番組の「盛り上がり通知」ボタン41を押下することで、その番組情報を、盛り上がり通知対象として受け付けることができる。
【0091】
また、
図7に示す設定画面40−2には、例えばEPG等の番組表からユーザが選択した、ある時刻(例えば、2014年12月28日(日) 19:00〜)の各チャンネルの番組情報が表示されている。
図7の例に示す設定画面40−2は、各チャンネル(CH1〜)に対応する番組のタイトル、及びその番組に対してユーザが盛り上がりを通知するか否かを示す通知設定領域42を有する。また、設定画面40−2は、ユーザが、通知設定領域42において「盛り上がりを通知する」を設定した場合に、通知対象の盛り上がりレベルを設定するレベル設定領域43を有する。
図7の例では、5段階でレベルを設定することができるが、これに限定されるものではない。また、予めレベルの初期値を設定しておくことでユーザの設定負担を軽減することができる(
図7の例では、初期値レベル「3」)。なお、
図6に示す設定画面40−1についても、ユーザが「盛り上がり通知」ボタン41を押下した後に、上述したレベル設定領域43を表示して、ユーザにレベル設定をさせてもよい。
【0092】
このように、通知対象の盛り上がりレベルを番組毎に調整することで、盛り上がりを検出した場合でも、どの程度の盛り上がりに対して通知させるのかをユーザの好みに応じて設定することができる。したがって、興味のある番組は、盛り上がりレベルが低いものであっても通知対象とし、興味のない番組については、盛り上がりレベルが高い場合のみ通知対象とすることができる。
【0093】
例えば、
図7の例では、CH2のサッカー中継に対して盛り上がりを通知するよう設定している。通知サーバ12は、CH2のサッカー中継に対応する背景音又は背景映像から盛り上がりを検出し、盛り上がりレベルが3以上であった場合に、
図7の設定を行ったユーザ端末13に通知する。ユーザ端末13は、他のチャンネル(例えば、歌祭り)を見ている場合に、その画面に、ポップアップ画面や副画面等を用いてユーザに通知を行う。
【0094】
また、
図7の例では、例えばユーザ端末13が、所定の時間間隔で通知サーバ12にアクセスし、盛り上がりの状況を確認する。そして、例えばユーザが歌番組を視聴している時に、サッカーが盛り上がっていない状態から盛り上がった状感に変わるとポップアップ画面や副画面等を用いてユーザに通知を行ってもよい。
【0095】
ここで、
図8は、通知内容を説明するための図である。本実施形態では、通知を表示する際、例えば
図8(A)に示すように、視聴している番組画面50上に、ポップアップ画面51を表示して視聴者(ユーザ)に通知する。視聴者は、ポップアップ画面の「はい」ボタンを押すことで、チャンネルをサッカー番組に切り替えて表示することができる。
【0096】
また、盛り上がりを検出してから、チャンネルを切り替えるとサッカーのゴールシーンが終わっているということがある。そのため、ユーザ端末13は、盛り上がり通知を受けた番組に対して、盛り上がりのあった前後(例えば、5〜10秒程度)の番組映像(スキップバック映像)をハードディスク等の記憶手段等に記憶しておくことで、通知を受けてから少し遡った時点から再生(スキップバック再生)することができる。また、ユーザ端末13は、上記のスキップバック映像を通知サーバ12に要求し、通知サーバ12から通信ネットワーク14を経由して取得したスキップバック映像を再生してもよい。なお、盛り上がり通知を受けた番組に対してスキップバック再生を行うか、リアルタイム再生を行うかについては、予め番組毎に設定しておいてもよく、ユーザがその都度選択してもよい。
【0097】
なお、盛り上がりの通知手法としては、上述の例に限定されるものではなく、例えば音声で通知してもよく、
図8(B)に示すように盛り上がりが通知された番組を副画面52で表示して、ユーザに通知してもよい。
図8(B)の例では、
図8(A)に示すポップアップ画面や音声で知らせる方法と比較して、盛り上がっている状況を迅速にユーザが確認できるため、チャンネルを切り替えるかどうかを判断しやすくすることができる。
【0098】
また、通知手法としては、例えば
図8(C)に示すようにユーザ端末13と有線又は無線で接続されたプロジェクタを用いて、番組画面50を視聴している部屋(実空間)60の壁61や予め設置されたスクリーン等に、放送局等から得られるサッカーの放送映像62をプロジェクタから照射して、盛り上がりを通知してもよい。この場合、
図8(A)、(B)と比較して、番組画面50の視聴映像の邪魔をせずに、盛り上がりの雰囲気を一目で把握することができる。
【0099】
また、通知手法としては、例えば、ユーザ端末13が有するメール機能やLINE(登録商標)等のインスタントメッセンジャー機能を用いて通知を行ってもよい。また、上述したような通知手法は、番組毎に異なる通知を行ってもよい。その場合、どの番組にどのような通知を行うかを事前に設定しておくことが好ましい。
【0100】
また、本実施形態において、同時に複数の番組で盛り上がりを検出した場合には、それぞれについて通知してもよく、予め番組毎に優先度(例えば、スポーツ優先、CH1を優先等)を設定しておき、その優先度が一番高いもの、又は優先度順に通知を行ってもよい。
【0101】
上述した通知システムの内容は、PCで番組を視聴することを前提として説明したが、テレビに盛り上がり通知設定機能、通知サーバ12との通信機能、プロジェクタ等への出力機能を実装した装置を有していてもよい。また、通知を受けるときに番組を視聴していなくてもよい。また、本実施形態では、上述した盛り上がり判定を、現場情報取得装置11が行い、盛り上がっていると判定した場合に通知サーバ12に通知してもよい。
【0102】
また、本実施形態では、盛り上がりを通知するシステムを説明したが、盛り上がり以外の内容を通知してもよく、また盛り上がりシーンの前後一定時間の区間の映像、音声を繋げていき,ダイジェスト番組を生成してもよい。
【0103】
上述したように本発明によれば、番組の盛り上がりを高精度に検知し、番組の盛り上がったシーンを効率的に通知することができる。また、番組の盛り上がりを希望者に通知することで、番組の盛り上がったシーンを迅速にユーザに視聴させることが可能となる。
【0104】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。また、上述した各実施例の一部又は全部を組み合わせることも可能である。