(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0014】
図1は、一実施形態に係るシリコン酸化膜を除去する方法を示す流れ図である。
図2の(a)は、
図1に示す方法が適用される前の一例の被加工物の一部拡大断面図であり、
図2の(b)、
図2の(c)、
図2の(d)、
図2の(e)、及び、
図2の(f)は、
図1に示す方法の実行中又は実行後の被加工物の一部拡大断面図である。以下、
図2の(a)に示す被加工物Wに適用される場合を例にとって、
図1に示す方法MTを説明する。なお、方法MTは、シリコン酸化膜と絶縁膜を有し、絶縁膜に形成された開口の底部においてシリコン酸化膜が露出している構造を有する任意の被加工物に適用され得る。
【0015】
図1に示す方法MTは、工程ST1〜工程ST3を含んでいる。方法MTは、工程ST4を更に含んでいてもよい。方法MTの工程ST1では、被加工物の表面上に保護膜が形成される。
図2の(a)に示すように、方法MTの適用前に、被加工物Wは、シリコン領域SR及び絶縁膜IFを有している。シリコン領域SRは、シリコンから形成されている。シリコン領域SRは、例えば、トランジスタのソース及びドレインを提供する領域であり得る。絶縁膜IFは、シリコン領域SR上に設けられている。絶縁膜IFは、酸化シリコンといった絶縁材料から形成されている。絶縁膜IFには開口OPが形成されている。開口OPは、例えばマスクのパターンをプラズマエッチングによって絶縁膜IFに転写することにより形成される。開口OPの底部には、シリコン酸化膜OXが露出している。シリコン酸化膜OXは、例えば、シリコン領域SRの一部の酸化(例えば自然酸化)により形成される。
【0016】
工程ST1は、チャンバに被加工物Wが配置された状態で実行される。このチャンバを提供するプロセスモジュールは、プラズマ処理装置である。
図1に示すように、方法MTの工程ST1では、複数回のサイクルCYが実行される。即ち、工程ST1では、サイクルCYが複数回実行される。各サイクルCYは、工程ST11〜工程ST14を含んでいる。
【0017】
工程ST11では、被加工物Wの表面上に炭素含有の前駆体層が形成される。前駆体層を形成するために、工程ST11では、被加工物Wが収容されたチャンバに炭素含有ガスが供給される。この炭素含有ガスに含まれる前駆体が、被加工物Wの表面又は既に形成されている保護膜上に付着することにより、前駆体層が形成される。
【0018】
工程ST11で用いられる炭素含有ガスは、ハイドロフルオロカーボンガス、炭化水素ガス、フルオロカーボンガス等のように、炭素を含有する任意のガスであり得る。工程ST11で用いられる炭素含有ガスは、例えば、CH
3Fガス、又は、C
3H
6ガスであり得る。工程ST11では、炭素含有ガスと共に、チャンバにキャリアガスが更に供給されてもよい。キャリアガスは、不活性ガスであり、例えば希ガスであり得る。工程ST11では、炭素含有ガスと共に、塩素ガス(Cl
2ガス)及び水素ガス(H
2ガス)のうち少なくとも一方がチャンバに更に供給されてもよい。
【0019】
続く工程ST12では、チャンバのパージが実行される。工程ST12のパージでは、チャンバの排気が実行され得る。工程ST12のパージでは、チャンバに不活性ガスが供給されてもよい。工程ST12で用いられる不活性ガスは、例えば希ガスである。工程ST12で用いられる不活性ガスは、工程ST11で用いられるキャリアガスと同一のガスであってもよい。工程ST12では、余分な前駆体、即ち、被加工物W又は既に形成されている保護膜上に過剰に付着している前駆体が除去される。
【0020】
続く工程ST13では、チャンバ内において不活性ガスのプラズマが生成される。工程ST13で用いられる不活性ガスは、例えば希ガスである。工程ST13で使用される不活性ガスは、工程ST11で用いられるキャリアガス、及び、工程ST12で用いられる不活性ガスと同一のガスであってもよい。工程ST13では、不活性ガスのプラズマからのイオン及び/又はラジカルが前駆体層に照射される。これにより、前駆体層内の炭素と不純物(例えば、水素及び/又はフッ素)との間の結合が切断され、炭素から分離された不純物が除去される。その結果、前駆体層内の不純物の量が低減される。
【0021】
続く工程ST14では、チャンバのパージが実行される。工程ST14のパージでは、チャンバの排気が実行され得る。工程ST14のパージでは、チャンバに不活性ガスが供給されてもよい。工程ST14で用いられる不活性ガスは、例えば希ガスである。工程ST14で用いられる不活性ガスは、工程ST11で用いられるキャリアガス、工程ST12で用いられる不活性ガス、工程ST13で用いられる不活性ガスと同一のガスであってもよい。即ち、工程ST11〜工程ST14の実行中、同一の不活性ガスが連続的にチャンバに供給されてもよい。
【0022】
工程ST14の実行後には、工程STJにおいて停止条件を満たすか否かが判定される。停止条件は、工程ST1〜工程ST4を含むサイクルCYの実行回数が所定回数に達しているときに満たされるものと判定される。工程STJにおいて停止条件が満たされないと判定されると、再び工程ST11が実行される。方法MTでは、工程ST11〜工程ST14を各々が含む複数回のサイクルCYが実行される。複数回のサイクルCYが実行されると、
図2の(b)に示すように、被加工物Wの表面、即ち、シリコン酸化膜OXの表面上及び絶縁膜IFの表面上には、保護膜PFがコンフォーマルに形成される。保護膜PFは、第1領域R1、第2領域R2、及び、第3領域R3を含む。第1領域R1は、開口OPを画成する絶縁膜IFの側壁面に沿って延在している。第2領域R2は、シリコン酸化膜OX上で延在している。第3領域R3は、絶縁膜IFの上面の上で延在している。
【0023】
図1に戻り、工程STJにおいて停止条件が満たされると判定されると、処理は工程ST2に進む。工程ST2では、不活性ガスのプラズマからのイオンによるスパッタエッチングにより第2領域R2及びシリコン酸化膜OXが除去される。工程ST2では、スパッタエッチング、即ち異方性エッチングにより、第2領域R2が第1領域R1に対して選択的にエッチングされる。工程ST2では、プラズマ処理装置が用いられる。このプラズマ処理装置は、工程ST1の実行に用いられるプロセスモジュール(即ち、プラズマ処理装置)と同一のプロセスモジュールであってもよく、異なるプロセスモジュールであってもよい。
図2の(c)に示すように、工程ST2のスパッタエッチングにより、第2領域R2及びシリコン酸化膜OXと共に第3領域R3も除去される。なお、工程ST2では、シリコン酸化膜OXは完全には除去されず、シリコン酸化膜の残渣OXRが残される。
【0024】
図1に示すように、方法MTでは、次いで、工程ST3が実行される。工程ST3では、化学的エッチングによりシリコン酸化膜の残渣OXRが除去される。工程ST3にて実行されるエッチングは等方性エッチングである。工程ST3のエッチングには、シリコン酸化膜の残渣OXRを除去し得る任意の化学的エッチングを用いることができる。
【0025】
一実施形態において、工程ST3は、工程ST31及び工程ST32を含む。工程ST31では、シリコン酸化膜の残渣OXRに対して処理ガスが供給される。この処理ガスがシリコン酸化膜の残渣OXRと反応することにより、
図2の(d)に示すように、変質領域TRが形成される。変質領域TRは、ケイフッ化アンモニウムを含む。このような変質領域TRの形成に用いられる処理ガスは、例えば、HFガス及びNH
3ガスを含む。
【0026】
続く工程ST32では、
図2の(e)に示すように、変質領域TRが除去される。具体的に、工程ST32では、変質領域TRを有する被加工物Wが加熱される。これにより、変質領域TRが昇華して排気される。その結果、シリコン酸化膜の残渣OXRが除去される。
【0027】
一実施形態の工程ST3では、工程ST31及び工程ST32の各々を含むサイクルが一回以上実行され得る。工程ST31と工程ST32は互いに異なるプロセスモジュールを用いて実行されてもよく、単一のプロセスモジュールを用いて実行されてもよい。即ち、工程ST31と工程ST32は互いに異なるチャンバ内で実行されてもよく、或いは、単一のチャンバ内で実行されてもよい。一実施形態では、工程ST1〜工程ST3は、単一のプロセスモジュールを用いて実行されてもよい。即ち、工程ST1〜工程ST3は、単一のチャンバに被加工物Wが配置された状態で実行されてもよい。
【0028】
続く工程ST4では、
図2の(f)に示すように、保護膜PFが除去される。保護膜PFは、例えば水素ガス及び窒素ガスを含む処理ガスのプラズマからの活性種を保護膜PFに照射することにより、除去される。工程ST4は、工程ST1〜工程ST3の実行に用いられる一以上のプロセスモジュールとは異なるプロセスモジュールを用いて実行されてもよい。なお、工程ST1〜工程ST4が、二以上のプロセスモジュールを用いて実行される場合には、当該二以上のプロセスモジュール間での被加工物Wの搬送は、減圧された環境(例えば、後述する搬送モジュールTMのチャンバTC)のみを介して行われる。或いは、工程ST1〜工程ST4は、単一のプロセスモジュールを用いて実行されてもよい。即ち、工程ST1〜工程ST4は、単一のチャンバ内に被加工物Wが配置された状態で実行されてもよい。
【0029】
以上説明した方法MTでは、工程ST1において被加工物Wの表面上にコンフォーマルに保護膜PFが形成される。したがって、工程ST2のスパッタエッチングによって、保護膜PFの全領域のうち第1領域R1を残して、第2領域R2及びシリコン酸化膜OXを除去することができる。しかる後に、残されたシリコン酸化膜の残渣OXRの除去のために、工程ST3において、化学的エッチングが実行される。工程ST3の化学的エッチングの実行中には、工程ST2の実行後に残された保護膜PFの第1領域R1によって絶縁膜IFが保護される。したがって、絶縁膜IFのエッチングを抑制しつつ、シリコン酸化膜の残渣OXRをエッチングすることが可能となる。
【0030】
一実施形態では、上述したように、工程ST11において、炭素含有ガスと共に、水素ガス(H
2ガス)及び塩素ガス(Cl
2ガス)のうち少なくとも一方がチャンバに更に供給される。この実施形態によれば、水素ガス(H
2ガス)を供給することで、よりコンフォーマルな保護膜PFを形成することが可能となる。また、塩素ガス(Cl
2ガス)を供給することで、選択的に保護膜を形成することが可能となる。
【0031】
以下、方法MTの実行に用いることが可能な処理システムについて説明する。
図3は、
図1に示す方法の実行に用いることが可能な処理システムの一例を示す図である。
図3に示す処理システム1は、台2a、2b,2c,2d、容器4a,4b,4c,4d、ローダーモジュールLM、アライナAN、ロードロックモジュールLL1,LL2、搬送モジュールTM、プロセスモジュールPM1,PM2,PM3,PM4を備えている。なお、処理システム1の台の個数、容器の個数、ロードロックモジュールの個数は、1個以上の任意の個数であり得る。
【0032】
台2a、2b,2c,2dは、ローダーモジュールLMの一縁に沿って配列されている。容器4a,4b,4c,4dはそれぞれ、台2a、2b,2c,2d上に配置されている。容器4a,4b,4c,4dは、その内部に被加工物Wを収容するように構成されている。容器4a,4b,4c,4dの各々は、FOUP(Front−Opening Unified Pod)と称される容器であり得る。
【0033】
ローダーモジュールLMは、その内部にチャンバLCを提供している。チャンバLCの圧力は、大気圧に設定される。ローダーモジュールLMは、搬送装置TU1を備えている。搬送装置TU1は、例えば多関節ロボットである。搬送装置TU1は、容器4a,4b,4c,4dの各々とアライナANとの間、アライナANとロードロックモジュールLL1,LL2の各々との間、容器4a,4b,4c,4dの各々とロードロックモジュールLL1,LL2の各々との間で、チャンバLCを介して、被加工物Wを搬送するように構成されている。アライナANは、ローダーモジュールLMに接続されている。アライナANは、その内部において被加工物Wの位置を較正する。
【0034】
ロードロックモジュールLL1,LL2は、ローダーモジュールLMと搬送モジュールTMの間に設けられている。ロードロックモジュールLL1,LL2の各々は、予備減圧室を提供している。ロードロックモジュールLL1,LL2の各々の予備減圧室とチャンバLCとの間にはゲートバルブが設けられている。
【0035】
搬送モジュールTMは、その内部にチャンバTCを提供している。チャンバTCは、減圧可能に構成されている。チャンバTCとロードロックモジュールLL1,LL2の各々の間にはゲートバルブが設けられている。搬送モジュールTMは、搬送装置TU2を有している。搬送装置TU2は、例えば多関節ロボットである。搬送装置TU2は、ロードロックモジュールLL1,LL2の各々とプロセスモジュールPM1,PM2,PM3,PM4の各々の間、プロセスモジュールPM1,PM2,PM3,PM4のうち任意の二つのプロセスモジュールの間で、チャンバTCを介して、被加工物Wを搬送するように構成されている。
【0036】
プロセスモジュールPM1,PM2,PM3,PM4の各々は、専用の基板処理を実行する装置である。プロセスモジュールPM1,PM2,PM3,PM4の各々のチャンバは、ゲートバルブを介してチャンバTCに接続されている。なお、処理システム1におけるプロセスモジュールの個数は、一以上の任意の個数であり得る。一例において、処理システム1の一つのプロセスモジュールは、後述するプラズマ処理装置であり、当該プラズマ処理装置を用いて工程ST1〜工程ST4が実行され得る。別の一例においては、処理システム1の一つのプロセスモジュールである後述のプラズマ処理装置を用いて、工程ST1、工程ST2、工程ST3の工程ST31、及び、工程ST4が実行され、工程ST3の工程ST32は当該一つのプロセスモジュール又は異なるプロセスモジュールを用いて実行される。別の一例においては、処理システム1の一つのプロセスモジュールである後述のプラズマ処理装置を用いて、工程ST1、工程ST2、及び、工程ST4が実行され、工程ST3の工程ST31及び工程ST32は単一のプロセスモジュール又は異なるプロセスモジュールを用いて実行される。工程ST1、工程ST2、及び、工程ST4は、異なるプラズマ処理装置を用いて実行されてもよく、或いは、工程ST1、工程ST2、及び、工程ST4のうち二つの工程が同一のプラズマ処理装置を用いて実行されてもよい。また、プロセスモジュールPM1,PM2,PM3,PM4のうち一つのプロセスモジュールは、工程ST4の実行後に開口OP内にコンタクトを形成するための成膜装置であってもよい。
【0037】
処理システム1は、制御部MCを更に備え得る。制御部MCは、方法MTの実行において、処理システム1の各部を制御するように構成されている。制御部MCは、プロセッサ(例えばCPU)、及び、メモリといった記憶装置、制御信号の入出力インタフェイスを備えたコンピュータ装置であり得る。記憶装置には、制御プログラム及びレシピデータが記憶されている。プロセッサが制御プログラム及びレシピデータに従って動作することにより、処理システム1の各部に制御信号が送出される。このような制御部MCの動作により、方法MTが実行され得る。
【0038】
以下、処理システム1の一以上のプロセスモジュールとして採用され得るプラズマ処理装置について説明する。
図4は、
図3に示す処理システムのプロセスモジュールとして採用可能なプラズマ処理装置を概略的に示す図である。
図4に示すプラズマ処理装置10は、工程ST1〜工程ST4のうち、少なくとも一つの工程で用いることができる。
【0039】
プラズマ処理装置10は、略円筒状のチャンバ本体11を有している。チャンバ本体11は、例えばアルミニウムから形成されている。チャンバ本体11には表面処理が施されていなくてもよい。或いは、チャンバ本体11の内壁面には、OGF(Out Gas Free)陽極酸化処理が施されていてもよい。チャンバ本体11は、その内部空間をチャンバ11cとして提供している。なお、チャンバ11cは、チャンバ本体11の内部空間のうち後述するシャワープレート16の下方の空間である。
【0040】
チャンバ11c内には、サセプタ12が設けられている。サセプタ12は、その中央の下方に設けられた円筒状の支持部材13によって支持されている。チャンバ本体11の底部の中央には、開口が形成されている。チャンバ本体11の底部には、当該開口を閉じるように円筒状の突出部11bが接続されている。支持部材13は、突出部11bの底部に支持されている。
【0041】
サセプタ12上には、静電チャック31が設けられている。被加工物Wは、静電チャック31の上面の上に載置される。プラズマ処理装置10は、例えば三本のリフトピンを備える。リフトピンは、静電チャック31上に被加工物Wを配置するために、また、被加工物Wを静電チャック31から上方に移動させるために用いられる機構である。リフトピンは、それらの先端が静電チャック31の上面の上に突出する位置と、それらの先端が静電チャック31の上面から下方に退避する位置との間で移動可能になっている。
【0042】
静電チャック31は、酸化アルミニウムといった誘電体から形成された本体の内部に、電極31aを有している。電極31aに直流電源34から電圧が印加されると、静電チャック31と被加工物Wとの間で静電引力が発生する。発生した静電引力により、被加工物Wは静電チャック31に引き付けられる。その結果、被加工物Wは静電チャック31によって保持される。
【0043】
サセプタ12は、本体部を有している。サセプタ12の本体部は、例えばアルミニウムから形成されており、その外周には絶縁リングが形成されている。サセプタ12の内部には、静電チャック31を介して、被加工物Wの温度を調整するための温調機構14が設けられている。温調機構14は、サセプタ12の内部に形成された流路を含んでいる。この流路には、その温度が制御された熱交換媒体が供給される。この温調機構14は、被加工物Wの温度を、処理に適した温度、例えば10℃〜150℃の範囲内の温度に調整するようになっている。なお、温調機構14は、サセプタ12内に設けられた一以上のヒータを含んでいてもよい。一以上のヒータは、静電チャック31内に設けられていてもよい。
【0044】
チャンバ本体11の上部にはシャワーヘッド15が設けられている。シャワーヘッド15は、シャワープレート16を含んでいる。シャワープレート16は、チャンバ本体11の天壁11aの下方、且つ、静電チャック31の上方に設けられている。シャワープレート16は、略円盤形状を有している。シャワープレート16には、多数のガス吐出孔17が形成されている。シャワープレート16は、例えば、アルミニウム製の本体の表面に酸化イットリウムからなる溶射皮膜を設けた構造を有し得る。シャワープレート16とチャンバ本体11とはリング状の絶縁部材16aにより絶縁されている。
【0045】
チャンバ本体11の天壁11aの中央には、ガス導入口18が設けられている。天壁11aとシャワープレート16との間はガス拡散空間19が設けられている。
【0046】
ガス導入口18には、ガス供給機構30のガス配管30aが接続されている。ガス供給機構30からのガスは、ガス導入口18からガス拡散空間19に導入され、ガス拡散空間19内で拡散され、シャワープレート16のガス吐出孔17からチャンバ11cに吐出される。
【0047】
ガス供給機構30は、複数のガス供給源を有する。複数のガス供給源は、HFガス、NH
3ガス、C
xH
yF
zガス、Arガス、N
2ガス、H
2ガス、Cl
2ガスのそれぞれの供給源を含む。なお、C
xH
yF
zガスは炭素含有ガスであり、例えばCH
3Fガスである。また、ガス供給機構30は、これら複数のガス供給源からそれぞれのガスを供給するための複数のガス供給配管を有している。複数のガス供給配管の各々には、開閉バルブ及び流量制御器(例えばマスフローコントローラ)が設けられている。したがって、複数のガス供給源の各々からのガスの供給又は供給停止、及び、複数のガス供給源の各々からのガスの流量を調整することが可能である。これら複数のガス供給配管からのガスは、上述のガス配管30aを介してシャワーヘッド15に供給される。
【0048】
サセプタ12には、整合器36を介して高周波電源35が接続されている。高周波電源35からの高周波電力は、サセプタ12に供給される。サセプタ12は下部電極として機能し、シャワープレート16は上部電極として機能する。即ち、サセプタ12とシャワープレート16は、一対の平行平板電極を構成する。サセプタ12に高周波電力が供給されることにより、チャンバ11c内で容量結合プラズマが生成される。また、高周波電源35からサセプタ12に高周波電力が供給されることにより、プラズマ中のイオンが被加工物Wに引き込まれる。高周波電源35から出力される高周波電力の周波数は、例えば0.1〜500MHzの範囲内の周波数に設定される。高周波電源35から出力される高周波電力の周波数は、例えば13.56MHzである。
【0049】
チャンバ本体11の底部には、排気機構20が接続されている。排気機構20は、第1排気配管23、第2排気配管24、第1圧力制御バルブ25、ドライポンプ26、第2圧力制御バルブ27、及び、ターボ分子ポンプ28を有している。第1排気配管23は、チャンバ本体11の底部に形成された排気口21に接続されている。第1圧力制御バルブ25及びドライポンプ26は、第1排気配管23上に設けられている。第2排気配管24は、チャンバ本体11の底部に形成された排気口22に接続されている。第2圧力制御バルブ27及びターボ分子ポンプ28は、第2排気配管24上に設けられている。チャンバ11cの圧力が高圧に設定される成膜処理の際にはドライポンプ26のみでチャンバ11cの排気が行われる。チャンバ11cの圧力が低圧に設定されるプラズマ処理の際にはドライポンプ26とターボ分子ポンプ28の双方が利用される。チャンバ11cの圧力は、当該チャンバ11cの圧力を測定する圧力センサの検出値に基づいて、第1圧力制御バルブ25及び第2圧力制御バルブ27の各々の開度を制御することにより調整される。
【0050】
チャンバ本体11の側壁には、開口32が形成されている。被加工物Wは、チャンバ11cに搬入されるとき、また、チャンバ11cから搬出されるときに、開口32を通過する。プラズマ処理装置10では、開口32を開閉するためのゲートバルブGがチャンバ本体11の側壁に沿って設けられている。なお、被加工物Wの搬送は、上述の搬送装置TU2によって行われる。
【0051】
プラズマ処理装置10が工程ST1の実行のために用いられる場合には、工程ST11においてチャンバ11cに前駆体ガスが供給され、工程ST12においてチャンバ11cに不活性ガスが供給され、工程ST13においてチャンバ11c内で不活性ガスのプラズマが生成され、工程ST14において、チャンバ11cに不活性ガスが供給される。工程ST11〜工程ST14の実行中には、排気機構20によってチャンバ11cが減圧される。
【0052】
プラズマ処理装置10が工程ST2の実行のために用いられる場合には、チャンバ11cにおいて不活性ガスのプラズマが生成される。工程ST2の実行中には、排気機構20によってチャンバ11cが減圧される。プラズマからのイオンは、自己バイアス電位又は高周波電源35からのバイアス電力によって、被加工物Wに引き込まれる。これにより、工程ST2のスパッタエッチングが実現される。
【0053】
プラズマ処理装置10が工程ST3の実行のために用いられる場合には、工程ST31において上述した処理ガスがチャンバ11cに供給され、工程ST32においてサセプタ12の一以上のヒータによって被加工物Wが加熱される。工程ST3の実行中には、排気機構20によってチャンバ11cが減圧される。
【0054】
プラズマ処理装置10が工程ST4の実行のために用いられる場合には、チャンバ11c内で水素ガス及び窒素ガスを含む処理ガスのプラズマが生成される。工程ST4の実行中には、排気機構20によってチャンバ11cが減圧される。
【0055】
以下、工程ST31の実行において用いることが可能な処理装置について説明する。
図5は、
図3に示す処理システムのプロセスモジュールとして採用可能な処理装置の一例を示す図である。
図5に示す処理装置100は、処理システム1の一つのプロセスモジュールとして採用可能な処理装置であり、工程ST31の実行において用いられ得る。
【0056】
処理装置100は、チャンバ本体112を備えている。チャンバ本体112は、その内部空間をチャンバ112cとして提供している。チャンバ112c内には、ステージ114が設けられている。ステージ114上には、被加工物Wが略水平な状態で載置される。ステージ114は、その上に載置された被加工物Wを支持するよう構成されている。ステージ114は、平面視において略円形をなしている。ステージ114は、チャンバ本体112の底部に固定されている。ステージ114は、温度調整機構114aを有する。温度調整機構114aは、一例では、ステージ114の内部に形成された流路を含む。チャンバ本体112の外部には、熱交換媒体の供給器が設けられている。ステージ114の内部の流路には、当該供給器から熱交換媒体(例えば、冷媒)が供給される。ステージ114の内部の流路に供給された熱交換媒体は、供給器に戻される。即ち、供給器とステージ114の内部の流路との間では熱交換媒体が循環される。熱交換媒体がステージ114の内部の流路に供給されることにより、ステージ114の温度が調整される。
【0057】
処理装置100は、圧力センサ119を更に備えている。圧力センサ119は、例えばキャパシタンスマノメータである。圧力センサ119は、チャンバ112cの圧力を測定するように構成されている。
【0058】
チャンバ本体112は、一例において、第1部材116及び第2部材118を含んでいる。第1部材116は、チャンバ112cの側方及び下方において延在している。第1部材116は、側壁部116a及び底部116bを含んでいる。側壁部116aは、略円筒形状を有している。底部116bは、側壁部116aの下端に連続している。側壁部116aには、通路112pが形成されている。被加工物Wは、チャンバ本体112の外部からチャンバ112cに搬入されるとき、及び、チャンバ112cからチャンバ本体112の外部に搬出されるときに、通路112pを通過する。この通路112pの開放及び閉鎖のために、ゲートバルブ120が側壁部116aに沿って設けられている。ゲートバルブ120が通路112pを開放すると、チャンバ112cと搬送モジュールTMのチャンバTCが互いに連通する。一方、ゲートバルブ120が通路112pを閉鎖すると、チャンバ112cが搬送モジュールTMのチャンバTCから隔離される。
【0059】
第1部材116は、その上端に開口を提供している。第2部材118は、第1部材116の上端の開口を閉じるように、第1部材116上に設けられている。チャンバ本体112の壁部内には、ヒータ112hが設けられている。ヒータ112hは、例えば抵抗加熱ヒータである。ヒータ112hは、チャンバ本体112を加熱する。
【0060】
第2部材118は、蓋部122及びシャワーヘッド124を含んでいる。蓋部122は、第2部材118の外側部分を構成している。シャワーヘッド124は、蓋部122の内側に設けられている。シャワーヘッド124は、ステージ114の上方に設けられている。シャワーヘッド124は、本体126及びシャワープレート128を含んでいる。本体126は、側壁126a及び上壁126bを含んでいる。側壁126aは略筒状をなしており、上壁126bは側壁126aの上端に連続しており、側壁126aの上端を閉じている。
【0061】
シャワープレート128は、本体126の下端側、且つ、本体126の内側に設けられている。本体126の上壁126bとシャワープレート128の間には、シャワープレート128と平行にプレート130が設けられている。本体126とシャワープレート128の間の空間は、第1の空間124a及び第2の空間124bを含む。第1の空間124aは、本体126の上壁126bとプレート130との間の空間である。第2の空間124bは、プレート130とシャワープレート128との間の空間である。
【0062】
処理装置100は、ガス供給部140を更に備えている。シャワーヘッド124の第1の空間24aには、ガス供給部140の第1のガス供給配管141が接続されている。第1の空間124aには、複数のガス通路132が接続している。複数のガス通路132は、プレート130からシャワープレート128まで延在している。複数のガス通路132は、シャワープレート128に形成された複数の第1のガス吐出孔128aにそれぞれ繋がっている。第1のガス供給配管141から第1の空間124aに供給されたガスは、複数のガス通路132及び複数の第1のガス吐出孔128aを介してチャンバ112cへ吐出される。
【0063】
シャワーヘッド124の第2の空間124bには、ガス供給部140の第2のガス供給配管142が接続されている。第2の空間124bには、シャワープレート128に形成された複数の第2のガス吐出孔128bが繋がっている。第2のガス供給配管142から第2の空間124bに供給されたガスは、複数の第2のガス吐出孔128bからチャンバ112cに吐出される。
【0064】
ガス供給部140は、第1のガス供給配管141及び第2のガス供給配管142に加えて、複数の流量制御器144a〜144dを含んでいる。複数の流量制御器144a〜144dの各々は、マスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器である。流量制御器144a〜144dの各々は、その入力に供給されたガスの流量を調整して、流量が調整されたガスをその出力から出力する。
【0065】
流量制御器144aの入力は、ガスソース146aに接続されている。ガスソース146aは、HF(フッ化水素)ガスのソースである。流量制御器144aの出力は、第1のガス供給配管141に接続されている。流量制御器144bの入力は、ガスソース146bに接続されている。ガスソース146bは、NH
3(アンモニア)ガスのソースである。流量制御器144bの出力は、第2のガス供給配管142に接続されている。流量制御器144cの入力は、ガスソース146cに接続されている。流量制御器144cの出力は、第1のガス供給配管141に接続されている。流量制御器144dの入力は、ガスソース146dに接続されている。流量制御器144dの出力は、第2のガス供給配管142に接続されている。ガスソース146c及びガスソース146dの各々は不活性ガスのソースである。例えば、ガスソース146cはArガスといった希ガスのソースであり、ガスソース146dはN
2(窒素)ガスのソースである。
【0066】
処理装置100は、バルブ136及び排気装置138を更に備えている。チャンバ本体112の底部には、排気口112eが設けられている。排気口112eは、チャンバ112cに連通している。排気装置138は、バルブ136を介して、排気口112eに接続されている。バルブ136は、例えば自動圧力制御弁である。排気装置138は、ドライポンプ、ターボ分子ポンプといった真空ポンプを含んでいる。
【0067】
チャンバ112cに被加工物Wが収容されている状態で、HFガス及びNH
3ガスを含む処理ガスがチャンバ112cに供給されると、当該処理ガスがシリコン酸化膜の残渣OXRと反応して、シリコン酸化膜の残渣OXRから変質領域TRが形成される。
【0068】
以下、工程ST32の実行において用いることが可能な処理装置について説明する。
図6は、
図3に示す処理システムのプロセスモジュールとしで採用可能な処理装置の一例を示す図である。
図6に示す処理装置160は、処理システム1の一つのプロセスモジュールとして採用可能な処理装置であり、工程ST32の実行において用いられ得る。
【0069】
処理装置160は、チャンバ本体162を備えている。チャンバ本体162は、その内部空間をチャンバ162cとして提供している。チャンバ162c内には、ステージ164が設けられている。ステージ164は、その上に載置される被加工物Wを支持するように構成されている。ステージ164内にはヒータ166が設けられている。ヒータ166は、例えば抵抗発熱ヒータである。
【0070】
チャンバ本体162の側壁には、通路162pが形成されている。被加工物Wは、チャンバ本体162の外部からチャンバ162cに搬入されるとき、及び、チャンバ162cからチャンバ本体162の外部に搬出されるときに、通路162pを通過する。この通路162pの開放及び閉鎖のために、ゲートバルブ168がチャンバ本体162の側壁に沿って設けられている。ゲートバルブ168が通路162pを開放すると、チャンバ162cと搬送モジュールTMのチャンバTCが互いに連通する。一方、ゲートバルブ168が通路162pを閉鎖すると、チャンバ162cが搬送モジュールTMのチャンバTCから隔離される。
【0071】
処理装置160は、ガス供給部170を更に備えている。ガス供給部170は、流量制御器172を備えている。流量制御器172は、マスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器である。流量制御器172は、その入力に供給されたガスの流量を調整して、流量が調整されたガスをその出力から出力する。流量制御器172の入力には、ガスソース174が接続されている。ガスソース174は、不活性ガスのソース、例えばN
2(窒素)ガスのソースである。流量制御器172の出力は、配管176を介して、チャンバ162cに接続されている。処理装置160は、開閉弁180及び排気装置182を更に備えている。排気装置182は、ドライポンプ又はターボ分子ポンプといった真空ポンプを含んでおり、開閉弁180を介してチャンバ162cに接続されている。
【0072】
上述した変質領域TRを有する被加工物Wは、チャンバ112cからチャンバTCを介してチャンバ162cに搬送される。チャンバ162c内において、被加工物Wはステージ164上に載置される。そして、ヒータ166によってステージ164が加熱され、被加工物Wが加熱される。被加工物Wが加熱されると、変質領域TRのケイフッ化アンモニウムが昇華して、排気される。これにより、シリコン酸化膜の残渣OXRがエッチングされる。
【0073】
以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。例えば、方法MTにおいて用いられるプラズマ処理装置は、誘導結合型のプラズマ処理装置、又は、プラズマの生成のためにマイクロ波といった表面波を用いるプラズマ処理装置といった任意のタイプのプラズマ処理装置であってもよい。
【0074】
以下、方法MTの評価のために行った評価実験について説明する。
【0076】
第1の評価実験では、プラズマ処理装置10を用いて工程ST1を実行して、サンプル上に保護膜PFAを形成した。
図7に示すように、サンプルは、酸化シリコンから形成された絶縁膜IFAを有しており、当該絶縁膜IFAには開口が形成されていた。開口の幅は8nmであり、開口の深さは150nmであった。以下、第1の評価実験における工程ST1の条件を示す。
【0077】
<第1の評価実験における工程ST1の条件>
・サイクルCYの実行回数:50回
・工程ST11:
CH3Fガスの流量:40sccm
Arガスの流量:300sccm
静電チャック31の温度:60℃
チャンバの圧力:80mTorr(10.67Pa)
処理時間:5秒
・工程ST12:
Arガスの流量:300sccm
静電チャック31の温度:60℃
チャンバの圧力:80mTorr(10.67Pa)
処理時間:2秒
・工程ST13:
Arガスの流量:300sccm
静電チャック31の温度:60℃
チャンバの圧力:80mTorr(10.67Pa)
高周波電源61の高周波:40MHz、150W
処理時間:5秒
・工程ST12:
Arガスの流量:300sccm
静電チャック31の温度:60℃
チャンバの圧力:80mTorr(10.67Pa)
処理時間:2秒
【0078】
第1の評価実験では、形成された保護膜PFAの5箇所における膜厚T1〜T4(
図7参照)を測定した。その結果、膜厚T1、T2、T3、T4はそれぞれ、3.0nm、3.1nm、3.1nm、2.5nmであった。したがって、工程ST1の実行により、炭素を含有する保護膜をコンフォーマルに形成することが可能であることが確認された。
【0080】
第2の評価実験では、サンプルに対して工程ST1及び工程ST3を順に実行した。
図8の(a)に示すように、サンプルは、酸化シリコンから形成された絶縁膜IFBを有しており、当該絶縁膜IFBには開口が形成されていた。開口の幅は9.4nmであり、開口の深さは192nmであった。工程ST1では、プラズマ処理装置10を用いた。工程ST31では処理装置100を用い、工程ST32では処理装置160を用いた。以下、第2の評価実験における条件を示す。
【0081】
<第2の評価実験における工程ST1の条件>
・サイクルCYの実行回数:10回
・工程ST11:
C
3H
6ガスの流量:40sccm
Arガスの流量:300sccm
静電チャック31の温度:60℃
チャンバの圧力:80mTorr(10.67Pa)
処理時間:5秒
・工程ST12:
Arガスの流量:300sccm
静電チャック31の温度:60℃
チャンバの圧力:80mTorr(10.67Pa)
処理時間:2秒
・工程ST13:
Arガスの流量:300sccm
静電チャック31の温度:60℃
チャンバの圧力:80mTorr(10.67Pa)
高周波電源61の高周波:40MHz、150W
処理時間:5秒
・工程ST12:
Arガスの流量:300sccm
静電チャック31の温度:60℃
チャンバの圧力:80mTorr(10.67Pa)
処理時間:2秒
<第2の評価実験における工程ST3の条件>
・工程ST31及び工程ST32を含むサイクルの実行回数:3回
・各サイクルにおける工程ST31の条件
HFガスの流量:150sccm
NH
3ガスの流量:90sccm
Arガスの流量:225sccm
N
2ガスの流量:225sccm
チャンバの圧力:450mTorr(60Pa)
ステージ164の温度:85℃
処理時間:6秒
・各サイクルにおける工程ST32の条件
工程ST32A:パージ工程
NH
3ガスの流量:90sccm
Arガスの流量:225sccm
N
2ガスの流量: 225sccm
ステージ164の温度:85℃
処理時間:5秒
工程ST32B:パージ工程
チャンバ:真空引き
ガスの通流: 無し
処理時間:30秒
【0082】
また、比較のために、比較実験を行った。比較実験では、第2の評価実験に用いたサンプルと同様のサンプルを用いた。比較実験では、当該サンプルに対して、工程ST1を実行せずに工程ST3を実行した。比較実験における工程ST3の条件は、第2の評価実験における工程ST3の条件と同一であった。
【0083】
第2の評価実験では、工程ST1及び工程ST3の実行前後における開口の幅CD1、CD2、及び、CD3(
図8の(a)を参照)の変化量を求めた。また、比較実験では、工程ST3の実行前後における開口の幅CD4、CD5、及び、CD6(
図8の(b)を参照)の変化量を求めた。その結果、CD1の変化量、CD2の変化量、CD3の変化量はそれぞれ、1nm、0.2nm、1.3nmであった。一方、CD4の変化量、CD5の変化量、CD6の変化量はそれぞれ21.9nm、22.8nm、18.6nmであった。したがって、保護膜を形成せずに工程ST3を実行すると、絶縁膜IFBが開口に対して横方向にエッチングされるが、保護膜PFBが絶縁膜IFB上に形成されると、絶縁膜IFBは工程ST3のエッチングから保護されることが確認された。