【実施例】
【0057】
以下に参考合成例、合成例、試験例、製剤例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中、「NMR」は核磁気共鳴を、「LC/MS」は高速液体クロマトグラフィー/質量分析を、「(v/v)」は(体積/体積)を、「(v/v/v)」は(体積/体積/体積)を、「M」はmol/Lを、表中の「Rf」との記載は、参考合成例を、「Ex」との記載は合成例を、「Data」は物理的データを、「Yield」は合成した化合物の収率を、「quant」は定量的を、「min」は分を意味する。
【0058】
1H-NMRデータが記載してある場合には、300MHz(JNM−ECP300;日本電子(JEOL)社製、又はJNM−ECX300;日本電子(JEOL)社製)で測定し、テトラメチルシランを内部標準としたシグナルの化学シフトδ(単位:ppm)(分裂パターン、積分値)を表す。「s」はシングレット、「d」はダブレット、「t」はトリプレット、「q」はカルテット、「quint」はクインテット、「sextet」はセクステット、「septet」はセプテット、「dd」はダブレット オブ ダブレット、「dt」はダブレット オブ トリプレット、「td」はトリプレット オブ ダブレット、「dq」はダブレット オブ カルテット、「qd」はカルテット オブ ダブレット、「tt」はトリプレット オブ トリプレット、「ddd」はダブレット オブ ダブレット オブ ダブレット、「m」はマルチプレット、「br」はブロード、「J」はカップリング定数、「CDCl
3」は重クロロホルム、「CD
3OD」は重メタノール、「DMSO-d
6」は重ジメチルスルホキシドを意味する。
【0059】
シリカゲルカラムクロマトグラフィーでの精製は、特に記述がない場合は、山善社製のHi−Flash(登録商標)カラム、メルク社製のシリカゲル60又は富士シリシア化学社製のPSQ60Bの何れかを用いた。
シリカゲル薄層クロマトグラフィーでの精製は、特に記述がない場合は、メルク社製のPLCプレートを用いた。
マイクロウェーブ反応装置は、バイオタージ社製のInitiator sixtyを用いた。
絶対配置が記載してある場合、その絶対配置は、既知化合物若しくは既知化合物から誘導されるもの、又は単結晶X線結晶構造解析(装置:SMART APEX II ULTRA(ブルカーエイエックスエス社製)、X線:CuKα (50 kV, 24 mA)、測定温度:-50 ℃)により決定した。
【0060】
LC/MSは、以下の条件で、ESI(エレクトロスプレーイオン化)法を用いて測定した。「ESI
+」はESI正イオンモード、「ESI
-」はESI負イオンモードを意味する。
LC/MS 測定条件1:
使用した装置:Waters Alliance
Waters ZQ
使用したカラム:Waters SunFire C18(3.5μm、2.1×20mm)
カラム温度:40℃
使用した溶媒:
A液:0.1重量%ギ酸水溶液
B液:0.1重量%ギ酸−アセトニトリル溶液
使用した溶離条件:
流速0.4 mL/min、A液とB液の混合比を90/10(v/v)で測定開始後、3分間で15/85(v/v)に直線的に変えた。その後、2分間A液とB液の混合比を15/85(v/v)に固定し、流速を0.5 mL/minに直線的に変えた。その後、0.5分間でA液とB液の混合比を90/10(v/v)に直線的に変えた。その後、2.5分間A液とB液の混合比を90/10(v/v)に固定した。
【0061】
LC/MS 測定条件2:
使用した装置:Waters AQUITY UPLC−PDA/CAD
Thermo LTQ XL
使用したカラム:Waters AQUITY UPLC BEH C18(1.7μm、2.1×50mm)
カラム温度:40℃
使用した溶媒:
A液:0.1重量%ギ酸水溶液
B液:0.1重量%ギ酸−アセトニトリル溶液
使用した溶離条件:
流速0.6 mL/min、A液とB液の混合比を90/10(v/v)に固定して測定開始し、0.5分後に2.5分間でA液とB液の混合比を10/90(v/v)に直線的に変えた。その後、0.7分間A液とB液の混合比を10/90(v/v)に固定し、その後、0.1分間でA液とB液の混合比を90/10(v/v)、流速0.8 mL/minに直線的に変え、その後、1分間固定した。
【0062】
LC/MS 測定条件3:
使用した装置:Waters AQUITY UPLC−PDA/CAD
Thermo LTQ XL
使用したカラム:Waters AQUITY UPLC BEH C18(1.7μm、2.1×50mm)
カラム温度:40℃
使用した溶媒:
A液:0.1重量%ギ酸水溶液
B液:0.1重量%ギ酸−アセトニトリル溶液
使用した溶離条件:
流速0.6 mL/min、A液とB液の混合比を80/20(v/v)に固定して測定開始し、2.5分間でA液とB液の混合比を0/100(v/v)に直線的に変えた。その後、1.2分間A液とB液の混合比を0/100(v/v)に固定し、その後、0.1分間でA液とB液の混合比を80/20(v/v)、流速0.8 mL/minに直線的に変え、その後、1.0分間固定した。
【0063】
LC/MS 測定条件4:
使用した装置:Waters AQUITY H−Class/PDA
Waters SQ Detector 2
使用したカラム:Waters AQUITY UPLC BEH C18(1.7μm、2.1×50mm)
カラム温度:40℃
使用した溶媒:
A液:0.1重量%ギ酸水溶液
B液:0.1重量%ギ酸−アセトニトリル溶液
使用した溶離条件:
流速0.6 mL/min、A液とB液の混合比を90/10(v/v)で測定開始後、3分間で10/90(v/v)に直線的に変えた。その後、0.7分間A液とB液の混合比を10/90(v/v)に固定し、その後、0.1分間でA液とB液の混合比を90/10(v/v)、流速0.8 mL/minに直線的に変え、その後、1.0分間固定した。
【0064】
参考合成例1
trans−4−{[(ベンジロキシ)カルボニル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸メチル
市販のtrans−4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸(15.7 g, 84.3 mmol)のトルエン(160 mL)溶液に、110℃でトリエチルアミン(35.0 mL, 253.0 mmol)を加え、撹拌した後、ジフェニルリン酸アジド(20.0 mL, 92.7 mmol)を30分間で滴下した。反応液を110℃で3時間撹拌した後、ベンジルアルコール(11.3 ml, 109.6 mmol)を10分間で滴下し、さらに、1時間30分撹拌した。室温まで放冷後、反応混合物に10重量%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチル(=9/1(v/v))の混合溶媒で洗浄し、表題化合物を含む混合物を白色固体として得た(18.0 g)。
【0065】
参考合成例2
trans−4−{[(ベンジロキシ)カルボニル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸
参考合成例1で得られたtrans−4−{[(ベンジロキシ)カルボニル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸メチルを含む混合物(18.0 g)のメタノール(180 mL)溶液に、1M水酸化ナトリウム水溶液(100 ml)を加え、1日間撹拌した。反応混合物に濃塩酸を酸性になるまで加え、析出した固体を酢酸エチルと水で洗浄して、表題化合物を含む混合物を白色固体として得た(13.0 g)。さらに、ろ液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、減圧下で濃縮し、表題化合物を含む混合物を白色固体として得た(6.7 g)。得られた白色固体は、さらなる精製を行わずに、あわせて次の工程に用いた。
【0066】
参考合成例3
[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]カルバミン酸ベンジル
参考合成例2で得られたtrans−4−{[(ベンジロキシ)カルボニル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸(6.0 g)のテトラヒドロフラン(30 ml)溶液に、氷冷下、ボラン−テトラヒドロフランコンプレックス(8.5重量%テトラヒドロフラン溶液, 30 mL)を滴下し、室温で1日間撹拌した。その後、反応混合物に酢酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた固体を、ヘキサン/酢酸エチル(=10/1(v/v))の混合溶媒で洗浄し、表題化合物を含む混合物を白色固体として得た(6.0 g)。
【0067】
参考合成例4
{trans−4−[(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)メチル]シクロヘキシル}カルバミン酸ベンジル
参考合成例3で得られた[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]カルバミン酸ベンジル(630 mg, 2.39 mmol)のジクロロメタン(5 mL)溶液に、1,1,1−トリフルオロ−3−ヨードプロパン(250 μL, 2.20 mmol)、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン(500 μL, 2.27 mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸銀(500 mg, 1.99 mmol)を加え、5時間撹拌した。さらに、1,1,1−トリフルオロ−3−ヨードプロパン(100 μL, 0.880 mmol)、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン(200μL, 0.909 mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸銀(200 mg, 0.797 mmol)を加え、1日間撹拌した。その後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1→3/1(v/v))で精製し、表題化合物を含む混合物を白色無定形物として得た(478 mg)。
【0068】
参考合成例5
trans−4−[(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)メチル]シクロヘキサンアミン
参考合成例4で得られた{trans−4−[(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)メチル]シクロヘキシル}カルバミン酸ベンジルを含む混合物(478 mg)のメタノール(5 mL)溶液に、10重量%パラジウム−炭素(50重量%含水品, 200 mg)を加え、水素雰囲気下で2時間撹拌した。その後、反応混合物をろ過し、残渣を酢酸エチルで洗浄した。得られたろ液を減圧下で濃縮し、表題化合物を含む混合物を灰色無定形物として得た(308 mg)。
【0069】
参考合成例6
1−{trans−4−[(ベンジルアミノ)メチル]シクロヘキシル}−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(3H,7H)−ジオン
国際公開第2013/024895号に記載の参考合成例
b168の方法で得られたtrans−4−(2,4−ジオキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキサンカルバルデヒド(300 mg, 0.678 mmol)、メタノール(10 mL)及び酢酸(1 mL)の混合物に、ベンジルアミン(141 μL, 2.03 mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、2−ピコリンボラン(109 mg, 1.02 mmol)を加え、室温で1日間撹拌した。その後、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層は飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/1(v/v))で精製し、表題化合物を白色固体として得た(274 mg, 収率 76%)。
【0070】
参考合成例7
1−[trans−4−(アミノメチル)シクロヘキシル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(3H,7H)−ジオン 酢酸塩
参考合成例6で得られた1−{trans−4−[(ベンジルアミノ)メチル]シクロヘキシル}−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(3H,7H)−ジオン(270 mg, 0.506 mmol)と、5重量%パラジウム−炭素(50重量%含水品, 27 mg)のメタノール(3 mL)、テトラヒドロフラン(3 mL)及び酢酸(0.1 mL)の混合物を、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。その後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルとヘキサンで洗浄し、表題化合物を白色固体として得た(232 mg, 収率 90%)。
【0071】
参考合成例8
3−({[trans−4−(2,4−ジオキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタンニトリル
参考合成例7で得られた1−[trans−4−(アミノメチル)シクロヘキシル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(3H,7H)−ジオン 酢酸塩(52.5 mg, 0.1 mmol)のアセトニトリル(1.2 mL)溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(15.6 μL, 1.0 mmol)と4,4,4−トリフルオロクロトノニトリル(50.0 mg, 0.5 mmol)を加え、室温で3日間撹拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善社製のHiFlash(登録商標)カラムアミノタイプ:ヘキサン/酢酸エチル=2/1(v/v)→酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール=10/1(v/v))で精製し、表題化合物を淡褐色固体として得た(25.2 mg, 収率 43%)。
【0072】
参考合成例9
(R)−3−({[trans−4−(2,4−ジオキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタンニトリル
参考合成例8で得られた3−({[trans−4−(2,4−ジオキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタンニトリル(126.8 mg, 0.2 mmol)を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(中圧用キラルカラム;CHIRALFLASH(登録商標)IA:ヘキサン/エタノール=9/1→7/3(v/v))で精製し、保持時間49−58分で溶出した画分を濃縮することにより、表題化合物を淡褐色固体として得た(35.4 mg, 収率 28%)。
【0073】
参考合成例10
[trans−4−(2,4−ジオキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル 1H−イミダゾール−1−カルボキシラート
国際公開第2013/024895号に記載の参考合成例
b166の方法で得られた4−{[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]アミノ}−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(6.03 g, 14.4 mmol)と、1,1’−カルボニルジイミダゾール(11.7 g, 72.0 mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(30 mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(30 mL)を加え、120℃で2時間20分撹拌した。室温まで放冷した後、酢酸エチル(150 mL)、飽和塩化アンモニウム水溶液(30 mL)及び水を加えて抽出した。次いで、水層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層をあわせて、飽和塩化アンモニウム水溶液で3回洗浄し、さらに飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をろ過し、得られた固体をヘキサンで洗浄した後、減圧下で乾燥させて、表題化合物を淡黄色固体として得た(7.56 g, 収率 97%)。
【0074】
参考合成例11
1−[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−3,7−ビス{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(3H,7H)−ジオン
参考合成例10で得られた[trans−4−(2,4−ジオキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル 1H−イミダゾール−1−カルボキシラート(7.56 g, 14.0 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(140 mL)溶液を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(鉱油中55重量%分散物, 760 mg, 18.2 mmol)と[2−(クロロメトキシ)エチル]トリメチルシラン(3.50 mL, 19.6 mmol)を加え、2時間撹拌した。その後、反応混合物に水と飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。次いで、残渣に1,4−ジオキサン(100 mL)と1M水酸化ナトリウム水溶液(30 mL)を加えて、室温で2時間撹拌した。その後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=70/30→47/53(v/v))で精製し、表題化合物を黄色無定形物として得た(5.87 g, 収率 73%)。
【0075】
参考合成例12
1−{trans−4−[(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)メチル]シクロヘキシル}−3,7−ビス{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(3H,7H)−ジオン
参考合成例11で得られた1−[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−3,7−ビス{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(3H,7H)−ジオン(1.35 g, 2.35 mmol)のジクロロメタン(14 mL)溶液に、1,1,1−トリフルオロ−3−ヨードプロパン(1.34 mL, 11.8 mmol)、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン(2.38 mL, 10.8 mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸銀(2.60 g, 10.1 mmol)を加え、113時間撹拌した。その後、反応混合物をろ過し、得られたろ液にクロロホルムと水を加えて抽出した。得られた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1回目:ヘキサン/酢酸エチル=1/0→78/22(v/v)、2回目:ヘキサン/酢酸エチル=1/0→4/1(v/v)、3回目:ヘキサン/酢酸エチル=1/0→4/1(v/v))で3回精製し、表題化合物を無色無定形物として得た(1.34 g, 収率 85%)。
【0076】
参考合成例13
4−クロロ−N−メトキシ−N−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド
国際公開第2013/024895号に記載の参考合成例
b87の方法で得られた4−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(27.7 g, 84.8 mmol)のジクロロメタン(280 mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(43.2 mL, 254 mmol)とN−ヒドロキシベンズトリアゾール(4.58 g, 33.9 mmol)を加え、15分間撹拌した。続いて、N,О−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(24.8 g, 254 mmol)と1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(48.7 g, 254 mmol)を加え、室温にて18時間撹拌した。その後、反応混合物に水を加え、クロロホルムで2回抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で、順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1→3/1(v/v))で精製し、表題化合物を黄色油状物として得た(30.5 g, 収率 97%)。
【0077】
参考合成例14
1−(4−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)プロプ−2−イン−1−オン
参考合成例13で得られた4−クロロ−N−メトキシ−N−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(47.4 g, 128 mmol)のテトラヒドロフラン(150 mL)溶液を、50−53℃で撹拌し、エチニルマグネシウムブロミド(0.5Mテトラヒドロフラン溶液, 310 mL, 153 mmol)を46℃以上を維持しながら加え、3時間撹拌した。次いで、30℃まで空冷した後、反応混合物を氷−1M塩酸(300 g−300 mL)へ注ぎ、15分間撹拌した。その後、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をろ過し、得られた固体をヘキサンで洗浄後、減圧下で乾燥し、表題化合物を淡褐色固体として得た(35.4 g, 収率 83%)。
【0078】
参考合成例15
1−[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン
参考合成例14で得られた1−(4−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)プロプ−2−イン−1−オン(35.3 g, 105 mmol)に、国際公開第2013/024895号に記載の参考合成例
b122の方法で得られた(trans−4−アミノシクロヘキシル)メタノール(16.4 g, 126 mmol)、リン酸三カリウム (44.7 g, 210 mmol)及びジメチルスルホキシド(175 mL)を加え、100−110℃で2時間30分撹拌した。その後、50℃まで放冷した後、反応混合物に水を加えた。得られた固体をろ過し、酢酸エチルで洗浄した後、減圧下で乾燥し、表題化合物を淡黄色固体として得た(32.1 g, 収率 71%)。
【0079】
参考合成例16
1−(4−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)プロプ−2−イン−1−オンと1−(4−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−3−[メトキシ(メチル)アミノ]プロプ−2−エン−1−オンの混合物
エチニルマグネシウムブロミド(0.5Mテトラヒドロフラン溶液, 180 mL, 90.1 mmol)に、参考合成例13で得られた4−クロロ−N−メトキシ−N−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(27.8 g, 75.1 mmol)のテトラヒドロフラン(84.0 mL)溶液を加え、室温にて30分間撹拌した後、50℃に昇温し、さらに1時間撹拌した。その後、氷冷した反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。その後、残渣を50℃で1時間減圧下で乾燥し、表題化合物を含む褐色油状物を得た(29.7 g)。得られた褐色油状物は、さらなる精製を行わずに次の工程に用いた。
【0080】
参考合成例17
1−[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン
参考合成例16で得られた1−(4−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)プロプ−2−イン−1−オンと1−(4−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−3−[メトキシ(メチル)アミノ]プロプ−2−エン−1−オンの混合物(29.7 g)のジメチルスルホキシド(300 mL)溶液に、リン酸三カリウム(31.9 g, 150 mmol)と国際公開第2013/024895号に記載の参考合成例
b122の方法で得られた(trans−4−アミノシクロヘキシル)メタノール(11.6 g, 90.1 mmol)を加え、90℃で3時間撹拌した。その後、110℃に昇温し、さらに4時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温まで放冷した後、水とヘキサンを加え、析出した固体をろ別した。得られた固体を、水、ヘキサン/酢酸エチル(=1/1(v/v))の混合溶媒及び酢酸エチルで順次洗浄した。その後、50℃にて5時間減圧下で乾燥し、表題化合物を淡褐色固体として得た(24.1 g, 収率 75%)。 (参考合成例15の別合成法)
【0081】
参考合成例18
trans−4−(4−オキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキサンカルバルデヒド
参考合成例15で得られた1−[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン(1.07 g, 2.49 mmol)、ジメチルスルホキシド(21 mL)及びジクロロメタン(21 mL)の混合物に、2−ヨードキシ安息香酸(1.05 g, 3.74 mmol)を加え、40℃で1時間30分撹拌した。その後、反応混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール=10/1(v/v))で精製し、表題化合物を灰色固体として得た(827 mg, 収率 78%)。
【0082】
参考合成例19
1−{trans−4−[(ベンジルアミノ)メチル]シクロヘキシル}−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン
参考合成例18で得られたtrans−4−(4−オキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキサンカルバルデヒド(500 mg, 1.17 mmol)、メタノール(10 mL)及び酢酸(1.0 mL)の混合物に、ベンジルアミン(384 μL, 3.52 mmol)と2−ピコリンボラン(188 mg, 1.78 mmol)を加えた後、室温で1日間撹拌した。次いで、反応混合物に1M塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した後、水層に1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルム/2−プロパノール(=1/1(v/v))混合溶媒で抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善社製HiFlash(登録商標)カラムアミノタイプ:ヘキサン/酢酸エチル=1/1(v/v)→酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール=10/1(v/v))で精製し、表題化合物を淡黄色油状物として得た(390 mg、収率65%)。
【0083】
参考合成例20
1−[trans−4−(アミノメチル)シクロヘキシル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン
参考合成例19で得られた1−{trans−4−[(ベンジルアミノ)メチル]シクロヘキシル}−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン(390 mg, 0.755 mmol)、メタノール(5 mL)、テトラヒドロフラン(5 mL)及び酢酸(1 mL)の混合物に、10重量%パラジウム−炭素(50重量%含水品, 59.0 mg)を加え、水素雰囲気下室温で、1日間撹拌した。その後、反応混合物をろ過し、残渣を酢酸エチルで洗浄した。得られたろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善社製のHiFlash(登録商標)カラムアミノタイプ:酢酸エチル/メタノール=10/1→クロロホルム/メタノール=10/1(v/v))で精製し、表題化合物を白色固体として得た(271 mg、収率84%)。
【0084】
参考合成例21
4,4,4−トリフルオロ−3−({[trans−4−(4−オキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)ブタンニトリル
参考合成例7で得られた1−[trans−4−(アミノメチル)シクロヘキシル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(3H,7H)−ジオン 酢酸塩の代わりに、参考合成例20で得られた1−[trans−4−(アミノメチル)シクロヘキシル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン(50.0 mg, 0.117 mmol)を用いる以外は、参考合成例8と実質的に同様の反応を実施して、表題化合物を褐色油状物として得た(54.5 mg, 収率 85%)。
【0085】
参考合成例22
(R)−4,4,4−トリフルオロ−3−({[trans−4−(4−オキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)ブタンニトリル
参考合成例21で得られた4,4,4−トリフルオロ−3−({[trans−4−(4−オキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)ブタンニトリル(129 mg, 0.236 mmol)を分取高速液体クロマトグラフィー(CHIRALPAK(登録商標)IE 5 μm Φ20×250 mm:ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン=70/30/0.1(v/v/v):流速8mL/min)にて精製し、保持時間74.64分で溶出した単一光学活性体を含む画分を濃縮することにより、表題化合物を淡褐色油状物として得た(53.9 mg, 収率 42%)。
【0086】
参考合成例23
[trans−4−(4−オキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル メタンスルホナート
参考合成例15で得られた1−[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン(1.50 g, 3.51 mmol)のジクロロメタン(35 mL)溶液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(1.47 mL, 10.5 mmol)を加え、メタンスルホン酸クロリド(326 μL, 4.21 mmol)をゆっくり滴下した後、室温に昇温して1時間撹拌した。その後、氷冷した反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール=10/1(v/v))で精製し、表題化合物を黄色無定形物として得た(1.53 g, 収率 86%)。
【0087】
参考合成例24
1−{trans−4−[(4−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)メチル]シクロヘキシル}−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン
参考合成例23で得られた[trans−4−(4−オキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル メタンスルホナート(1.53 g, 3.03 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(30 mL)溶液を、0℃に冷却し、4−メチル−1H−ピラゾール(500 μL, 6.06 mmol)を加え、続いて、水素化ナトリウム(鉱油中55重量%分散物, 264 mg, 6.06 mmol)をゆっくり加えた。その後、室温に昇温して12時間撹拌した。次いで、氷冷した反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール=10/1(v/v))で精製し、表題化合物を無色無定形物として得た(1.33 g, 収率 89%)。
【0088】
参考合成例25
1−{trans−4−[(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メチル]シクロヘキシル}−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン
参考合成例15で得られた1−[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン(20 mg, 0.047 mmol)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶液に、2,2,2−トリフルオロエチル トリフルオロメタンスルホネート(50 μL, 0.35 mmol)及び水素化ナトリウム(鉱油中55重量%分散物、10 mg, 0.23 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。さらに、反応混合物に2,2,2−トリフルオロエチル トリフルオロメタンスルホネート(50 μL, 0.35 mmol)及び水素化ナトリウム(鉱油中55重量%分散物、10 mg, 0.23 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。その後、反応混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。その後、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1→0/1→酢酸エチル/メタノール=5/1(v/v))で精製し、表題化合物を含む混合物を無色油状物として得た(9.2 mg)。得られた表題化合物を含む混合物は、さらなる精製を行わずに次の工程に用いた。
【0089】
参考合成例26
1−{trans−4−[(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)メチル]シクロヘキシル}−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン
参考合成例14で得られた1−(4−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)プロプ−2−イン−1−オン(279 mg, 0.83 mmol)のジメチルスルホキシド(175 mL)溶液に、参考合成例5で得られたtrans−4−[(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)メチル]シクロヘキサンアミン(255 mg, 1.00 mmol)とリン酸三カリウム(528 mg, 2.49 mmol)を加え、100℃で1時間撹拌した。その後、trans−4−[(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)メチル]シクロヘキサンアミン(51 mg, 0.2 mmol)を追加し、100℃で2時間撹拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。その後、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた表題化合物を含む赤褐色油状物(550 mg)のメタノール(5.5 mL)溶液に、5重量%パラジウム−炭素(50重量%含水品, 100 mg)を加え、水素雰囲気下、室温で22時間撹拌した。その後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1→1/1→0/1(v/v))で精製し、表題化合物を淡黄色固体として得た(323 mg, 収率 74%)。
【0090】
参考合成例27
4,4,4−トリフルオロ−3−{[trans−4−(4−オキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキシル]メトキシ}ブタンニトリル
参考合成例15で得られた1−[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン(14.5 g, 33.9 mmol)のジクロロメタン(290 mL)溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(20.3 mL, 135 mmol)を加え、40℃で1時間撹拌した。その後、反応混合物を室温に冷却し、4,4,4−トリフルオロクロトノニトリル(7.13 mL, 67.7 mmol)を加え、さらに、30℃で5時間撹拌した。その後、反応混合物に酢酸エチルを加えて減圧下で濃縮し、さらに、10重量%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を、飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善社製Hi−Flash(登録商標)カラム:酢酸エチル/ヘキサン=1/1→2/1→1/0(v/v)、次いで、酢酸エチル/メタノール=35/1(v/v))で2回精製した。さらに、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学製PSQ60B:酢酸エチル/ヘキサン=1/1→2/1→1/0(v/v))で精製して、表題化合物を黄色固体として得た(15.7 g, 収率 85%)。
【0091】
参考合成例28
1−(4−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−3−(トリメチルシリル)プロプ−2−イン−1−オンと1−(4−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)プロプ−2−イン−1−オンの混合物
トリメチルシリルアセチレン(0.26 mL, 1.83 mmol)のテトラヒドロフラン(2.8 mL)溶液に、n−ブチルリチウム(1.5Mノルマルヘキサン溶液, 1.1 mL, 1.67 mmol)を氷点下15℃で滴下し、15分間撹拌した。次いで、反応溶液に参考合成例13で得られた4−クロロ−N−メトキシ−N−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド(564 mg, 1.52 mmol)のテトラヒドロフラン(2.8 mL)溶液を氷点下15℃で滴下した後、0℃にて30分間撹拌した。その後、反応混合物を氷−1M塩酸(10 g−10 mL)混合物へ注ぎ、15分間撹拌した。その後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮し、表題化合物を含む混合物を黄色油状物として得た(572 mg)。得られた表題化合物を含む混合物は、さらなる精製を行わずに次の工程に用いた。
【0092】
参考合成例29
1−[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン
参考合成例28で得られた1−(4−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−3−(トリメチルシリル)プロプ−2−イン−1−オンと1−(4−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)プロプ−2−イン−1−オンの混合物(572 mg)のジメチルスルホキシド(5 mL)溶液に、リン酸三カリウム(645 mg, 3.04 mmol)と国際公開第2013/024895号に記載の参考合成例
b122の方法で得られた(trans−4−アミノシクロヘキシル)メタノール(237 mg, 1.82 mmol)を加え、110℃で3時間撹拌した。その後、反応混合物に水を加え、50℃で2時間撹拌した後、析出した固体をろ別した。得られた固体を、水、及び酢酸エチルで順次洗浄した後、50℃にて5時間減圧下で乾燥し、表題化合物を淡黄色固体として得た(340 mg, 収率 52%)。また、洗浄したろ液を、減圧下で濃縮して得られた褐色固体を酢酸エチルで洗浄した。その後、50℃にて3時間減圧下で乾燥し、表題化合物を淡黄色固体として得た(68 mg, 収率 10%)。 (参考合成例15の別合成法)
【0093】
合成例1
(R)−3−({[trans−4−(2,4−ジオキソ−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタンニトリル
参考合成例9で得られた(R)−3−({[trans−4−(2,4−ジオキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタンニトリル(662 mg, 1.2 mmol)のジクロロメタン(13 mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1.3 mL)を加え、室温で1日間撹拌し、さらに、トリフルオロ酢酸(0.7 mL)を加え、室温で3時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮し、(R)−4,4,4−トリフルオロ−3−[({trans−4−[7−(ヒドロキシメチル)−2,4−ジオキソ−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]シクロヘキシル}メチル)アミノ]ブタンニトリルを含む淡黄色油状物を反応中間体として得た(LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 1.88 min, LC/MS(ESI
+) m/z; 465 [M+H]
+)。得られた反応中間体に、メタノール(13 mL)とエチレンジアミン(1.3 mL)を加え、室温で1日間撹拌した。その後、反応混合物に水とメタノールを加え、ろ過した。得られた固体をメタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥し、表題化合物を無色固体として得た(405 mg, 収率 80%)。
【0094】
合成例2
1−{trans−4−[(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)メチル]シクロヘキシル}−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(3H,7H)−ジオン
参考合成例9で得られた(R)−3−({[trans−4−(2,4−ジオキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタンニトリルの代わりに、参考合成例12で得られた1−{trans−4−[(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)メチル]シクロヘキシル}−3,7−ビス{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(3H,7H)−ジオン(790 mg, 1.18 mmol)を用い、反応中間体として3,7−ビス(ヒドロキシメチル)−1−{trans−4−[(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)メチル]シクロヘキシル}−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(3H,7H)−ジオン(LC/MS: 測定条件3, 保持時間 = 1.31 min, LC/MS(ESI
+) m/z; 471 [M+H]
+)を経由する以外は、合成例1と実質的に同様の反応を実施した後、反応混合物をろ過した。得られた固体を、酢酸エチルで洗浄し、表題化合物を白色固体として得た(416 mg, 収率 86%)。
【0095】
合成例3
(R)−4,4,4−トリフルオロ−3−({[trans−4−(4−オキソ−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)ブタンニトリル
参考合成例9で得られた(R)−3−({[trans−4−(2,4−ジオキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタンニトリルの代わりに、参考合成例22で得られた(R)−4,4,4−トリフルオロ−3−({[trans−4−(4−オキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)ブタンニトリル(1.11 g, 1.85 mmol)を用い、反応中間体として(R)−4,4,4−トリフルオロ−3−[({trans−4−[7−(ヒドロキシメチル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル]シクロヘキシル}メチル)アミノ]ブタンニトリル(LC/MS: 測定条件4, 保持時間 = 1.76 min, LC/MS(ESI
+) m/z; 448 [M+H]
+)を経由する以外は、合成例1と実質的に同様の反応を実施した。その後、反応混合物にクロロホルム/イソプロパノール(=1/1(v/v))混合溶媒と水を加えて抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=1/0→1/1(v/v)、次いで山善社製のHi−Flash(登録商標)カラムアミノタイプ:酢酸エチル/メタノール=1/0→10/1(v/v))で精製することで、表題化合物を白色固体として得た(634 mg, 収率 82%)。
【0096】
合成例4
1−{trans−4−[(4−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)メチル]シクロヘキシル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン
参考合成例9で得られた(R)−3−({[trans−4−(2,4−ジオキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタンニトリルの代わりに、参考合成例24で得られた1−{trans−4−[(4−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)メチル]シクロヘキシル}−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン(1.33 g, 2.70 mmol)を用い、反応中間体として7−(ヒドロキシメチル)−1−{trans−4−[(4−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)メチル]シクロヘキシル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン(LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 1.64 min, LC/MS(ESI
+) m/z; 392 [M+H]
+)を経由する以外は、合成例1と実質的に同様の反応を実施した。その後、反応混合物に酢酸エチルと水を加えて抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善社製のHi−Flash(登録商標)カラムアミノタイプ:酢酸エチル)で2回精製した。得られた固体を酢酸エチルで洗浄し、表題化合物を白色固体として得た(521 mg, 収率 53%)。
【0097】
合成例5
1−{trans−4−[(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メチル]シクロヘキシル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン
参考合成例9で得られた(R)−3−({[trans−4−(2,4−ジオキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタンニトリルの代わりに、参考合成例25で得られた1−{trans−4−[(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メチル]シクロヘキシル}−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン(138 mg, 0.271 mmol)を含む混合物(9.2 mg)を用い、反応中間体として7−(ヒドロキシメチル)−1−{trans−4−[(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メチル]シクロヘキシル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン(LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 1.95 min, LC/MS(ESI
+) m/z; 410 [M+H]
+)を経由する以外は、合成例1と実質的に同様の反応を実施した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮した。次いで、残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=5/1(v/v))で精製して、表題化合物を白色固体として得た(3.8 mg, 収率 21% (2段階))。
【0098】
合成例6
1−{trans−4−[(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)メチル]シクロヘキシル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン
参考合成例9で得られた(R)−3−({[trans−4−(2,4−ジオキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタンニトリルの代わりに、参考合成例26で得られた1−{trans−4−[(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)メチル]シクロヘキシル}−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン(1.47 g, 2.80 mmol)を用い、反応中間体として7−(ヒドロキシメチル)−1−{trans−4−[(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)メチル]シクロヘキシル}−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−4(7H)−オン(LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 1.94 min, LC/MS(ESI
+) m/z; 424 [M+H]
+)を経由する以外は、合成例1と実質的に同様の反応を実施した。その後、反応混合物にクロロホルムと水を加えて抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=1/0→95/5(v/v)、ついでクロロホルム/メタノール=95/5→20/80(v/v))で精製して、表題化合物を白色固体として得た(1.09 g, 収率 98%)。
【0099】
合成例7
(R)−4,4,4−トリフルオロ−3−{[trans−4−(4−オキソ−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキシル]メトキシ}ブタンニトリル
参考合成例27で得られた4,4,4−トリフルオロ−3−{[trans−4−(4−オキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキシル]メトキシ}ブタンニトリル(1.29 g, 2.35 mmol)を、分取高速液体クロマトグラフィー(CHIRALPAK(登録商標)IB 5 μm Φ20×250 mm:ヘキサン/エタノール=80/20→50/50(v/v):流速12 mL/min)にて精製し、保持時間27.49分で溶出した単一光学活性体を含む画分を濃縮することにより、(R)−4,4,4−トリフルオロ−3−{[trans−4−(4−オキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキシル]メトキシ}ブタンニトリル(490 mg)を得た。続いて、参考合成例9で得られた(R)−3−({[trans−4−(2,4−ジオキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3’,2’:5,6]ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル)シクロヘキシル]メチル}アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタンニトリルの代わりに、上記で得られた(R)−4,4,4−トリフルオロ−3−{[trans−4−(4−オキソ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル)シクロヘキシル]メトキシ}ブタンニトリル(490 mg, 0.893 mmol)を用い、反応中間体として(R)−4,4,4−トリフルオロ−3−({trans−4−[7−(ヒドロキシメチル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン−1−イル]シクロヘキシル}メトキシ)ブタンニトリル(LC/MS: 測定条件4, 保持時間 = 1.92 min, LC/MS(ESI
+) m/z; 449 [M+H]
+)を経由する以外は、合成例1と実質的に同様の反応を実施した。その後、反応混合物に酢酸エチルと水を加えて抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善社製のHi−Flash(登録商標)カラムアミノタイプ:酢酸エチル/メタノール=1/0→92/8(v/v))で精製することで、表題化合物を白色固体として得た(299 mg, 収率 30%(2段階))。
【0100】
以下に、参考合成例の各化合物の構造を示す。
【化5】
【0101】
以下に、合成例の各化合物の構造を示す。
【化6】
【0102】
以下に、参考合成例及び合成例の各化合物の物理的データを示す。
Rf1
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 2.25 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 292 [M+H]
+【0103】
Rf2
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 1.92 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 278 [M+H]
+【0104】
Rf3
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 1.93 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 264 [M+H]
+【0105】
Rf4
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 2.66 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 360 [M+H]
+【0106】
Rf5
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 1.29 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 226 [M+H]
+【0107】
Rf6
1H-NMR (CDCl
3) δ: 0.00 (s, 9H), 0.98 (t, J = 8.2 Hz, 2H), 1.09-1.29 (m, 2H), 1.36-1.87 (m, 2H), 1.94-2.19 (m, 4H), 2.61 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 2.68-2.88 (m, 2H), 3.60 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 3.86 (s, 2H), 4.66-4.81 (m, 1H),5.78 (s, 2H), 6.73 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.36-7.41 (m, 5H), 7.46 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 9.09 (s, 1H).
【0108】
Rf7
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: -0.07 (s, 9H), 0.84 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 1.05-1.21 (m, 2H), 1.27-1.45 (m, 1H), 1.88-1.97 (m, 4H), 2.35-2.69 (m, 4H), 3.54 (t, J = 8.2 Hz, 2H), 4.51-4.68 (m, 1H), 5.69 (s, 2H), 6.69 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 8.79 (s, 1H).
【0109】
Rf8
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: -0.07 (s, 9H), 0.84 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 1.05-1.21 (m, 2H), 1.37-1.52 (m, 1H), 1.86-2.03 (m, 4H), 2.51-2.65 (m, 2H), 2.82 (dd, J = 16.8, 8.2 Hz, 2H), 2.92 (dd, J = 16.8, 5.3 Hz, 2H), 3.54 (t, J = 8.2 Hz, 2H), 3.67-3.80 (m, 1H), 4.54-4.67 (m, 1H), 5.69 (s, 2H), 6.69 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 8.79 (s, 1H), 11.53 (br s, 1H).
LC/MS: 測定条件1, 保持時間 = 4.59 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 565 [M+H]
+
LC/MS(ESI
-) m/z; 563 [M-H]
-【0110】
Rf9
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.05 (s, 9H), 0.87-0.98 (m, 2H), 1.10-1.28 (m, 3H), 1.96-2.06 (m, 2H), 2.07-2.20 (m, 2H), 2.56-2.89 (m, 6H), 3.39-3.48 (m, 1H), 3.52-3.59 (m, 2H), 4.64-4.76 (m, 1H), 5.73 (s, 2H), 6.69 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 8.06 (br s, 1H), 9.04 (s, 1H).
【0111】
Rf10
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.04 (s, 9H), 0.94 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 1.20-1.41 (m, 2H) , 1.60-1.72 (m, 1H), 1.98-2.19 (m, 4H), 2.81 (q, J = 11.9 Hz, 2H), 3.56 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 4.34 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 4.67-4.82 (m, 1H), 5.74 (s, 2H), 6.66 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 7.09-7.10 (m, 1H), 7.44-7.45 (m, 2H), 8.13 (br s, 1H), 8.16 (s, 1H), 9.05 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 2.47 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 539 [M+H]
+【0112】
Rf11
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.05 (s, 9H), 0.00 (s, 9H), 0.88-1.07 (m, 4H), 1.14-1.40 (m, 2H), 1.64-1.79 (br m, 1H), 1.94-2.15 (m, 4H), 2.70-2.89 (m, 2H), 3.51-3.65 (m, 4H), 3.73 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 4.62-4.77 (br m, 1H), 5.52 (s, 2H), 5.73 (s, 2H), 6.68 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 9.08 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件3, 保持時間 = 2.41 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 575 [M+H]
+【0113】
Rf12
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.05 (s, 9H), -0.01 (s, 9H), 0.87-1.03 (m, 2H), 1.16-1.30 (m, 4H), 1.71-1.84 (br m, 1H), 1.93-2.06 (m, 4H), 2.33-2.50 (m, 2H), 2.68-2.84 (m, 2H), 3.34 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.51-3.60 (m, 2H), 3.62-3.76 (m, 4H), 4.60-4.74 (br m, 1H), 5.51 (s, 2H), 5.72 (s, 2H), 6.67 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 9.07 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件3, 保持時間 = 2.85 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 671 [M+H]
+【0114】
Rf13
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.06 (s, 9H), 0.89-0.94 (m, 2H), 3.40-3.56 (m, 8H), 5.68 (s, 2H), 6.68 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 8.29 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 2.62 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 370 [M+H]
+【0115】
Rf14
1H-NMR (CD
3OD) δ: -0.05 (s, 9H), 0.91 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 3.51 (s, 1H), 3.54 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 5.69 (s, 2H), 6.78 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 9.14 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 2.93 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 335 [M+H]
+【0116】
Rf15
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 2.14 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 428 [M+H]
+【0117】
Rf16
Rf16−1
LC/MS: 測定条件4, 保持時間 = 2.75 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 335 [M+H]
+
Rf16−2
LC/MS: 測定条件4, 保持時間 = 3.12 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 396 [M+H]
+【0118】
Rf17
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.06 (s, 9H), 0.90-0.96 (m, 2H), 1.41 (qd, J = 12.3, 3.3 Hz, 2H), 1.66-1.71 (m,1H), 1.86 (qd, J = 12.3, 3.3 Hz, 2H), 2.12-2.17 (m, 2H), 2.30-2.33 (m, 2H), 3.53-3.59 (m, 2H), 3.63 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.93 (tt, J = 12.3, 3.3 Hz, 1H), 5.80 (s, 2H), 6.43 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 9.40 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 2.16 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 428 [M+H]
+【0119】
Rf18
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.06 (s, 9H), 0.90-0.96 (m, 2H), 1.67 (qd, J = 12.9, 3.3 Hz, 2H), 1.91 (qd, J = 12.9, 3.3 Hz, 2H), 2.34-2.52 (m, 5H), 3.53-3.60 (m, 2H), 4.94 (tt, J = 11.8, 2.9 Hz, 1H), 5.80 (s, 2H), 6.44 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 9.40 (s, 1H), 9.78 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 2.30 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 426 [M+H]
+【0120】
Rf19
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.06 (s, 9H), 0.88-0.96 (m, 2H), 1.33 (qd, J = 12.6, 3.3 Hz, 2H), 1.57-1.71 (m, 1H), 1.84 (qd, J = 12.6, 3.3 Hz, 2H), 2.11-2.21 (m, 2H), 2.23-2.33 (m, 2H), 2.62 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 3.52-3.59 (m, 2H), 3.83 (s, 2H), 4.91 (tt, J = 11.9, 3.3 Hz, 1H), 5.80 (s, 2H), 6.43 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.32-7.37 (m, 5H), 7.42 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 9.40 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件1, 保持時間 = 3.19 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 517 [M+H]
+【0121】
Rf20
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.06 (s, 9H), 0.89-0.96 (m, 2H), 1.29-1.56 (m, 3H), 1.85 (qd, J = 12.3, 2.9 Hz, 2H), 2.10-2.19 (m, 2H), 2.26-2.35 (m, 2H), 2.71 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 3.53-3.59 (m, 2H), 4.92 (tt, J = 11.9, 3.3 Hz, 1H), 5.79 (s, 2H), 6.42 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 9.40 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件1, 保持時間 = 2.89 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 427 [M+H]
+【0122】
Rf21
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.06 (s, 9H), 0.90-0.96 (m, 2H), 1.33-1.46 (m, 3H), 1.53-1.63 (m, 1H), 1.78-1.93 (m, 2H), 2.14-2.23 (m, 2H), 2.27-2.36 (m, 2H), 2.58-2.96 (m, 4H), 3.40-3.51 (m, 1H), 3.53-3.60 (m, 2H), 4.88-4.99 (m, 1H), 5.80 (s, 2H), 6.44 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 9.41 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件1, 保持時間 = 4.40 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 548 [M+H]
+【0123】
Rf22
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.06 (s, 9H), 0.89-0.97 (m, 2H), 1.30-1.48 (m, 3H), 1.54-1.67 (m, 1H), 1.77-1.94 (m, 2H), 2.14-2.23 (m, 2H), 2.26-2.36 (m, 2H), 2.58-2.96 (m, 4H), 3.40-3.51 (m, 1H), 3.52-3.61 (m, 2H), 4.93 (tt, J = 11.8, 2.9 Hz, 1H), 5.80 (s, 2H), 6.43 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 9.40 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 2.68 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 548 [M+H]
+【0124】
Rf23
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.06 (s, 9H), 0.93 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 1.41-1.56 (m, 2H), 1.82-1.97 (m, 3H), 2.15-2.20 (m, 2H), 2.32-2.36 (m, 2H), 3.07 (s, 3H), 3.56 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 4.18 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.94 (tt, J = 12.0, 3.3 Hz 1H), 5.80 (s, 2H), 6.43 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 9.39 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件4, 保持時間 = 2.42 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 506 [M+H]
+【0125】
Rf24
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.06 (s, 9H), 0.90-0.95 (m, 2H), 1.39 (qd, J = 12.3, 2.4 Hz, 2H), 1.83 (qd, J = 12.3, 3.0 Hz, 2H), 1.95-2.07 (m, 3H), 2.09 (s, 3H), 2.26-2.30 (m, 2H), 3.53-3.59 (m, 2H), 4.02 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 4.91 (tt, J = 12.0, 3.0 Hz, 1H), 5.80 (s, 2H), 6.42 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.43 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 9.39 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件4, 保持時間 = 2.62 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 492 [M+H]
+【0126】
Rf25
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 2.80 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 510 [M+H]
+【0127】
Rf26
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.05 (s, 9H), 0.93 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 1.33-1.45 (m, 2H), 1.76-1.91 (m, 3H), 2.11-2.15 (m, 2H), 2.27-2.31 (m, 2H), 2.43 (qt, J = 10.5, 6.0 Hz, 2H), 3.39 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.56 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 3.68 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 4.88-4.96 (m, 1H), 5.81 (s, 2H), 6.43 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 9.41 (s, 1H).
【0128】
Rf27
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.06 (s, 9H), 0.93 (t, J = 8.2 Hz, 2H), 1.37-1.57 (m, 2H), 1.78-1.95 (m, 3H), 2.12-2.23 (m, 2H), 2.26-2.37 (m, 2H), 2.77 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 3.56 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 3.65-3.76 (m, 1H), 3.77-3.87 (m, 1H), 4.01 (dt, J = 6.0, 12.1 Hz, 1H), 4.85-4.99 (m, 1H), 5.80 (s, 2H), 6.43 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 9.40 (s, 1H).
【0129】
Rf28
Rf28−1
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 2.93 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 335 [M+H]
+
Rf28−2
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 3.45 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 406 [M+H]
+【0130】
Rf29
1H-NMR (CDCl
3) δ: -0.06 (s, 9H), 0.90-0.96 (m, 2H), 1.41 (qd, J = 12.6, 3.3 Hz, 2H), 1.66-1.71 (m,1H), 1.86 (qd, J = 12.3, 3.3 Hz, 2H), 2.12-2.17 (m, 2H), 2.30-2.33 (m, 2H), 3.53-3.59 (m, 2H), 3.64 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.93 (tt, J = 12.3, 3.3 Hz, 1H), 5.80 (s, 2H), 6.44 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 9.40 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 2.15 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 428 [M+H]
+【0131】
Ex1
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 1.00-1.21 (m, 2H), 1.34-1.52 (m, 1H), 1.80-2.07 (m, 4H), 2.48-2.69 (m, 4H), 2.72-2.98 (m, 2H), 3.63-3.81 (m, 1H), 4.55-4.72 (m, 1H), 6.62 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 8.73 (s, 1H), 10.80 (br s, 1H).
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 1.91 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 435 [M+H]
+
LC/MS(ESI
-) m/z; 433 [M-H]
-【0132】
Ex2
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 1.16 (q, J = 11.8 Hz, 2H), 1.52-1.68 (br m, 1H), 1.89 (d, J = 10.2 Hz, 4H), 2.49-2.63 (m, 4H), 3.22-3.43 (m, 2H), 3.60 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 4.55-4.69 (t, J = 12.0 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 8.72 (s, 1H), 12.35 (br s, 1H).
LC/MS: 測定条件3, 保持時間 = 1.30 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 411 [M+H]
+
LC/MS(ESI
-) m/z; 409 [M-H]
-【0133】
Ex3
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 1.23-1.39 (m, 2H), 1.45-1.59 (m, 1H), 1.84-1.99 (m, 2H), 2.00-2.14 (m, 4H), 2.56-2.69 (m, 2H), 2.79-2.98 (m, 2H), 3.66-3.79 (m, 1H), 4.83-4.95 (m, 1H), 6.20 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.80 (dd, J = 3.3, 1.8 Hz, 1H), 7.58 (t, J = 3.3 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 9.02 (s, 1H), 12.32 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 1.83 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 418 [M+H]
+
LC/MS(ESI
-) m/z; 416 [M-H]
-【0134】
Ex4
1H-NMR (CD
3OD) δ: 1.41-1.55 (m, 2H), 1.86-2.05 (m, 5H), 2.10 (s, 3H), 2.23-2.28 (m, 2H), 4.06 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 5.05-5.15 (m, 1H), 6.45 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.44(s, 1H), 7.56 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 8.1 Hz, 1H) 9.20 (s, 1H).
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 1.72 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 362 [M+H]
+【0135】
Ex5
1H-NMR (CDCl
3) δ: 1.35-1.47 (m, 2H), 1.75-1.91 (m, 3H), 2.10-2.22 (m, 2H), 2.30-2.40 (m, 2H), 3.58 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 3.87 (q, J = 8.6 Hz, 2H) 4.92-5.06 (m, 1H), 6.47 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.77-6.82 (m, 1H), 7.47-7.50 (m, 1H), 7.79 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 9.44 (s, 1H), 11.90 (bs, 1H).
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 1.97 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 380 [M+H]
+【0136】
Ex6
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 1.99 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 394 [M+H]
+【0137】
Ex7
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 1.29-1.49 (m, 2H), 1.67-2.16 (m, 7H), 2.95-3.24 (m, 2H), 3.64 (dd, J = 6.5, 2.3 Hz, 2H), 4.47-4.61 (m, 1H), 4.82-4.97 (m, 1H), 6.21 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 9.01 (s, 1H), 12.31 (br s, 1H).
LC/MS: 測定条件2, 保持時間 = 1.88 min
LC/MS(ESI
+) m/z; 419 [M+H]
+
LC/MS(ESI
-) m/z; 417 [M-H]
-【0138】
薬理学的評価
本発明化合物の薬理学的評価を以下に示す。
1.酵素アッセイ
本発明化合物の、JAKに対する阻害活性を測定した。
各酵素(JAK1、JAK2、JAK3、及びTyk2)は、カルナバイオサイエンス社から購入したものを使用した。
酵素の基質(以下、基質という)は、LANCE Ultra ULight―JAK―1(Tyr1023) Peptide(パーキンエルマー社製)を使用した。
基質のリン酸化の検出抗体は、LANCE Ultra Europium−anti−phospho tyrosine antibody (PT66) (パーキンエルマー社製)を使用した。
その他の試薬はそれぞれ以下の各社から購入したものを使用した。
アデノシン三リン酸(ATP):シグマ社製
4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES): ドウジンドウ社製
グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA):ドウジンドウ社製
塩化マグネシウム(MgCl
2):和光純薬社製
ジチオトレイトール(DTT):和光純薬社製
Tween20:シグマ社製
エチレンジアミン四酢酸(EDTA):ドウジンドウ社製
【0139】
本発明化合物、各酵素(JAK1、JAK2、JAK3、及びTyk2)、基質、及びATPは、それぞれアッセイバッファーで希釈してアッセイに用いた。
アッセイバッファーとしては、以下の組成のものを用いた。
HEPES(pH7.5):50mM
EGTA:1mM
MgCl
2:10mM
DTT:2mM
Tween20 :0.01%(重量/重量)
【0140】
希釈の濃度、及び後述するウェルプレート上への添加量は、ウェルプレート上で、それぞれ以下の終濃度になるように調製した。
化合物の濃度は、1μM、0.3μM、0.1μM、0.03μM、0.01μM、0.003μM、0.001μM、0.0003μM、0.0001μM、0.00003μM、及び0.00001μMの11濃度のうち、連続した6濃度を使用した。
酵素濃度及びATP濃度は、各酵素(JAK1、JAK2、JAK3、及びTyk2)試験において、以下の通りである。
JAK1酵素試験;酵素濃度は0.5μg/mL、ATP濃度は70μM。
JAK2酵素試験;酵素濃度は0.013μg/mL、ATP濃度は10μM。
JAK3酵素試験;酵素濃度は0.020μg/mL、ATP濃度は3μM。
Tyk2酵素試験;酵素濃度は0.25μg/mL、ATP濃度は20μM。
酵素の基質の濃度は、25nMとした。
EDTAの濃度は、15mMとした。
PT66の濃度は、2nMとした。
【0141】
黒色384ウェルプレート(グライナー社製)に、化合物希釈液と酵素希釈液を添加し、室温で5分間プレインキュベーションした。
その後、基質希釈液、次いでATPを添加し、室温で30分インキュベーションした。
その後、EDTA希釈液、次いでPT66希釈液を添加し、室温で1時間インキュベーションした。
その後、ARVO―HTSにより蛍光を測定し、化合物濃度の対数値と阻害活性をプロットすることでIC
50値を得た。
表1に、合成例1乃至7の化合物の、JAK1、JAK2、JAK3及びTyk2酵素アッセイの結果を示す。
下記表1に示すように、本発明化合物は、JAKに対して良好な酵素阻害作用を示した。
【0142】
【表1】
【0143】
2.ラット全血シグナルアッセイ
本発明化合物である合成例1及び2の、JAKを経由するサイトカインシグナルに対する阻害活性を、ラット全血を用いたSTATリン酸化アッセイにて測定した。
Lewisラット雌は、日本チャールス・リバー社より購入して使用した。
ラットIL−6は、ペプロテック社より購入したものを使用した。
FITC(fluorescein isothiocyanate)蛍光標識された抗CD3抗体(以下、FITC−CD3という)は、イ−バイオサイエンス社より購入したものを使用した。
BD Phosflow Lyse/Fix Buffer、
BD Phosflow Perm Buffer III、
BD Pharmingen Stain Buffer、
及びBD Phosflow STAT−1(pY701)PE(R−Phycoerythrin)蛍光標識(以下、BD Phosflow STAT−1という)は、BD(ベクトンディキンソン)社より購入したものを使用した。
【0144】
希釈の濃度、及び後述するチューブ中への添加量は、チューブ中で、それぞれ以下の終濃度になるように調製した。
化合物の濃度は、1 μM、0.1 μM、0.01 μMの3濃度、又は10 μM、1 μM、0.1 μMの3濃度とした。
ラットIL−6の濃度は、100ng/mLとした。
FITC−CD3の濃度は、1μg/mLとした。
【0145】
Lewisラット雌の腹大静脈より血液を採取した。コースター社製アッセイブロックチューブに血液と化合物を添加し、37℃で15分間インキュベーションした。次いで、FITC−CD3を添加し、37℃で15分間インキュベーションした。その後、ラットIL−6を添加し、37℃で15分間インキュベーションした。次に、BD Phosflow Lyse/Fix Bufferを血液の10倍量添加し、37℃で12分間インキュベーションした。その後、遠心分離機にて5884m/s
2で6分間の遠心分離を行い、細胞を沈降させ、上清を除去した。
細胞沈査を1mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した後に、細胞沈査にBD Phosflow Perm Buffer IIIを0.6mL添加し、氷上で30分間インキュベーションした。その後、遠心分離機にて5884m/s
2で6分間の遠心分離を行い、細胞を沈降させ、上清を除去した。
【0146】
細胞沈査を0.3mLのBD Pharmingen Stain Bufferで洗浄した後に、細胞沈査にBD Pharmingen Stain Bufferを0.1mL添加し、次いで、BD Phosflow STAT−1を10μL添加し、室温で30分間インキュベーションした。その後、BD Pharmingen Stain Bufferを0.1mL添加し、遠心分離機にて5884m/s
2で6分間の遠心分離を行い、細胞を沈降させ、上清を除去した。
細胞沈査を0.3mLのBD Pharmingen Stain Bufferで洗浄した後に、細胞沈査にBD Pharmingen Stain Bufferを0.12mL添加した。その後、FACS CantoII(BD社製)を用いて、FITC蛍光標識されたCD3陽性T細胞を認識し、該細胞におけるリン酸化されたSTAT―1蛋白質の量を、PE蛍光値として検出することで、サイトカインシグナル阻害を測定した。化合物濃度の対数値と阻害活性をプロットすることで、IC
50値を得た。
表2に、合成例1及び2の化合物のラット全血シグナルアッセイの結果を示す。
【0147】
【表2】
【0148】
JAK阻害作用が有効である疾患のうち、特に関節リウマチで高い有効性を示すためには、ラット全血シグナルアッセイで良好な阻害作用を示すことがより好ましい。
本発明化合物は、JAK阻害活性を介してラット全血におけるサイトカイン刺激時のJAK経由シグナルに対して優れた阻害活性を示した。
また、国際公開第2013/024895号に記載のCompound A(実施例
b102)、Compound B(実施例
b116)、Compound C(実施例
b122)及びCompound D(実施例
b127)の、ラット全血シグナルアッセイの結果を表3に示す。
【化7】
【0149】
【表3】
【0150】
3.ヒト全血シグナルアッセイ
本発明化合物である合成例3乃至7の、JAKを経由するサイトカインシグナルに対する阻害活性を、ヒト全血を用いたSTATリン酸化アッセイにて測定した。
ヒト全血は健常人より採血したものを使用した。
ヒトIL−6は、R&D systems社より購入したものを使用した。
FITC(fluorescein isothiocyanate)蛍光標識された抗ヒトCD3抗体(以下、FITC−hCD3)は、BD(ベクトンディキンソン)社より購入したものを使用した。
BD Phosflow Lyse/Fix Buffer、
BD Phosflow Perm Buffer III、
BD Pharmingen Stain Buffer、
及びBD Phosflow STAT−1(pY701)PE(R−Phycoerythrin)蛍光標識(以下、BD Phosflow STAT−1)
は、BD社より購入したものを使用した。
【0151】
希釈の濃度、及び後述するチューブ中への添加量は、チューブ中で、それぞれ以下の終濃度になるように調製した。
化合物の濃度は、3μM、1.5μM、0.75μM、0.38μM、0.19 μM、及び0.093μMの6濃度、2μM、1μM、0.5μM、0.25μM、0.13μM、及び0.063μMの6濃度、又は10μM、5μM、2.5μM、1.25μM、0.63μM、及び0.31μMの6濃度とした。
ヒトIL−6の濃度は、100ng/mLとした。
【0152】
コースター社製アッセイブロックチューブにヒト血液と化合物を添加し、37℃で30分間インキュベーションした。次いで、ヒトIL−6を添加し、37℃で15分間インキュベーションした。次に、BD Phosflow Lyse/Fix Bufferを血液の10倍量添加し、37℃で12分間インキュベーションした。その後、遠心分離機にて5884m/s
2で6分間の遠心分離を行い、細胞を沈降させ、上清を除去した。
細胞沈査を1mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した後に、細胞沈査にBD Phosflow Perm Buffer IIIを0.6mL添加し、氷上で30分間インキュベーションした。その後、遠心分離機にて5884m/s
2で6分間の遠心分離を行い、細胞を沈降させ、上清を除去した。
【0153】
細胞沈査を0.3mLのBD Pharmingen Stain Bufferで洗浄した後に、細胞沈査にBD Pharmingen Stain Bufferを0.1mL添加し、次いで、BD Phosflow STAT−1を10μL、及びFITC−hCD3を5μL添加し、室温で30分間インキュベーションした。その後、BD Pharmingen Stain Bufferを0.1mL添加し、遠心分離機にて5884m/s
2で6分間の遠心分離を行い、細胞を沈降させ、上清を除去した。
細胞沈査を0.3mLのBD Pharmingen Stain Bufferで洗浄した後に、細胞沈査にBD Pharmingen Stain Bufferを0.12mL添加した。その後、FACS CantoII(BD社製)を用いて、FITC蛍光標識されたCD3陽性T細胞を認識し、該細胞におけるリン酸化されたSTAT―1蛋白質の量を、PE蛍光値として検出することで、サイトカインシグナル阻害を測定した。化合物濃度の対数値と阻害活性をプロットすることでIC
50値を得た。
表4に、合成例3乃至7の化合物のヒト全血シグナルアッセイの結果を示す。
【0154】
【表4】
【0155】
JAK阻害作用が有効である疾患のうち、特に関節リウマチで高い有効性を示すためには、ヒト全血シグナルアッセイで良好な阻害作用を示すことがより好ましい。
本発明化合物は、JAK阻害活性を介してヒト全血におけるサイトカイン刺激時のJAK経由シグナルに対して優れた阻害活性を示した。
また、国際公開第2013/024895号に記載のCompound E(実施例
b20)、Compound F(実施例
b69)、Compound G(実施例
b70))、Compound H(実施例
b106))、Compound I(実施例
b107)及びCompound J(実施例
b86)の、ヒト全血シグナルアッセイの結果を表5に示す。
【0156】
【化8】
【0157】
【表5】
【0158】
4.赤白血病細胞株増殖阻害作用
JAKシグナルを経由する細胞増殖に対する、本発明化合物の阻害活性は、ヒト赤白血病細胞株TF−1を用いて測定可能である。
TF−1細胞(ATCC(American Type Culture Collection))は、5重量%ウシ胎仔血清(以下、FBS:Fetal Bovine Serumという)、及び1ng/mLのGM―CSF(Granulocyte Macrophage Colony―Stimulating Factor)を添加したRPMI1640培地でCO
2インキュベータ(5体積%CO
2、37℃)にて増殖維持する。試験時に、PBSで洗浄したTF−1細胞を、5重量%FBSを添加したRPMI1640培地に懸濁後、96ウェル培養プレートに、1ウェルあたり1×10
4個を播種する。その培養プレートの各ウェルに化合物を添加し、37℃にて30分間インキュベーションする。その後、IL−4又はIL−6などのサイトカインを、それぞれ添加する。その後、培養プレートは、CO
2インキュベータ(5体積%CO
2、37℃)で3日間インキュベーションする。
【0159】
細胞増殖度はWST−8試薬(キシダ化学社製)を用い、取扱説明書に従いアッセイ可能である。WST−8試薬を培養プレートの各ウェルに添加後、CO
2インキュベータ(5体積%CO2、37℃)で4時間インキュベーションする。発色したホルマザン色素は、マイクロプレートリーダーを用いて、450nmの吸光度を測定することで検出可能である。化合物濃度の対数値と抑制活性をプロットすることで、IC
50値を算出することができる。
【0160】
5.経口吸収性
JAK阻害作用が有効である疾患の薬物治療では、薬物化合物が経口吸収性を有することが好ましい。本発明化合物の経口吸収性は、例えば、ラットを用いた下記の方法により測定可能である。
化合物を0.6mg/mLの濃度になるよう、0.5重量%メチルセルロース液に懸濁する。その懸濁液を3mg/kg/5mLの用量で、Lewisラット雌(日本チャールス・リバー社)に、ゾンデを用いて強制経口投与する。その後、ヘパリンを抗凝血薬として用い、化合物投与後(0.5〜8時間後)、経時的にラット頚静脈より採血する。得られた血液を遠心分離機により17652m/s
2で10分間遠心分離し、血漿を得る。得られた血漿を、液体クロマトグラフィータンデム質量分析装置(LC/MS/MS:ウォーターズ社製)を用いて分析することで、経口投与後(0.5〜8時間後)における、化合物の血漿中濃度推移を算出することができる。
【0161】
6.コラーゲン誘発ラット関節炎モデルでの作用
JAK阻害作用が有効である疾患のうち、特に、関節リウマチでの治療効果を実験動物モデルで確認するには、ラットを用いたコラーゲン誘発関節炎モデル(プロスタグランジン アンド アザー リピッド メディエータース、第66巻、317−327ページ、2001年(Prostaglandin & other Lipid Mediators,2001,66,pp.317−327))を用いた、以下の測定方法を用いることができる。
ウシII型コラーゲン溶液(コンドレックス社製)と不完全フロイントアジュバント(ディフコ社製)を等量混合し、エマルジョン化して免疫溶液を作製する。次に、Lewisラット雌(日本チャールス・リバー社製)の背部4箇所及び尾の付け根部1箇所へ、ハミルトンシリンジを用いて、免疫溶液を100μL/箇所で皮内投与する。免疫溶液投与7日後に、再度、免疫溶液を同様に皮内投与する。
投与する化合物は、上記2.の全血シグナルアッセイで得られたサイトカインシグナル阻害のIC50値と、上記5.の経口吸収性で得られた化合物の血漿中濃度より、適宜決めた濃度になるよう、0.5重量%メチルセルロース液に懸濁する。この化合物懸濁液を、2回目の免疫後から連日経口投与する。
2回目の免疫後、2〜3週間で腫れた後肢甲部の厚さをノギスにて測定することで、化合物による関節炎抑制度合いを算出することができる。
【0162】
以下に、本発明化合物を用いた製剤例を示す。なお、以下の製剤例1乃至5において、化合物(A)とは、式(I)、(II)又は(III)で表される化合物を意味する。
製剤例1
以下の成分を含有する顆粒剤を製造する。
成分 化合物(A) 10mg
乳糖 700mg
コーンスターチ 274mg
HPC−L 16mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計 1000mg
化合物(A)と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらをV型混合機にて混合する。混合末に低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)水溶液を添加し、練合し、造粒(押し出し造粒 孔径0.5〜1mm)した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を、振動ふるい(12/60メッシュ)で篩過し顆粒剤を得る。
【0163】
製剤例2
以下の成分を含有するカプセル充填用散剤を製造する。
成分 化合物(A) 10mg
乳糖 79mg
コーンスターチ 10mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計 100mg
化合物(A)と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらとステアリン酸マグネシウムをV型混合機にて混合する。10倍散100mgを5号硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0164】
製剤例3
以下の成分を含有するカプセル充填用顆粒剤を製造する。
成分 化合物(A) 15mg
乳糖 90mg
コーンスターチ 42mg
HPC−L 3mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計 150mg
化合物(A)と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらをV型混合機にて混合する。混合末に低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)水溶液を添加し、練合して、造粒した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を、振動ふるい(12/60メッシュ)で篩過し整粒し、その150mgを4号硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0165】
製剤例4
以下の成分を含有する錠剤を製造する。
成分 化合物(A) 10mg
乳糖 90mg
微結晶セルロース 30mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
CMC−Na 15mg
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計 150mg
化合物(A)と乳糖と微結晶セルロース、CMC−Na(カルボキシメチルセルロース ナトリウム塩)を60メッシュのふるいに通し、混合する。混合末にステアリン酸マグネシウムを添加し、製剤用混合末を得る。本混合末を直打して、150mgの錠剤を得る。
【0166】
製剤例5
静脈用製剤は次のように製造する。
化合物(A) 100mg
飽和脂肪酸グリセリド 1000mL
上記成分を含む溶液は、通常、1分間に1mLの速度で患者に静脈内投与される。