【文献】
Maciej Turowski et al.,Deuterium Isotope Effects on Hydrophobic Interactions: The Importance of Dispersion Interactions in the Hydrophobic Phase,Journal of the American Chemical Society,2003年10月17日,Vol.125,p.13836-13849
【文献】
Nolan Tillman et al.,Oxidation of a Sulfide Group in a Self-Assembled Monolayer,Langmuir,1989年 7月,Vol.5,p.1020-1026
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の式(1)で示される加水分解性シランと請求項3に記載の式(3)で示される加水分解性シランの組み合わせからなる加水分解性シランの加水分解縮合物を下層膜形成ポリマーとして含むレジスト下層膜形成組成物。
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布し、焼成しレジスト下層膜を形成する工程、前記下層膜の上にレジスト組成物を塗布しレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、露光後にレジストを現像しレジストパターンを得る工程、前記レジストパターンによりレジスト下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を
含む半導体装置の製造方法。
半導体基板上に有機下層膜を形成する工程、その上に請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を塗布し焼成しレジスト下層膜を形成する工程、前記レジスト下層膜の上にレジスト組成物を塗布しレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、露光後にレジストを現像しレジストパターンを得る工程、前記レジストパターンによりレジスト下層膜をエッチングする工程、パターン化されたレジスト下層膜により有機下層膜をエッチングする工程、及びパターン化された有機下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明はシランとして加水分解性シラン、その加水分解物、又はその加水分解縮合物を含み、該加水分解性シランが式(1)で示される加水分解性シランを含み、該シラン全体中でシリコン原子に対するイオウ原子の割合が7モル%以上であるリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物である。
式(1)中、R
1は式(2)で示される有機基を示し且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものである。また、R
2はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基を示し且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものである。また、R
3はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示す。aは1の整数を示し、bは0乃至2の整数を示し、a+bは1乃至3の整数を示す。
式(2)中、X及びYはそれぞれ酸素原子、又はイオウ原子を示す。但し、XとYは同時に同一原子ではない。即ち、本発明ではXが酸素原子でありYがイオウ原子である場合や、Xがイオウ原子でありYが酸素原子である場合を示す。イオウ原子を用いることでスルフィド結合を形成することができる。酸素原子を用いることでエーテル結合を形成することができる。
R
6は置換されていても良い炭素原子数1乃至10のアルキル基を示し、R
4は置換されていても良い炭素原子数1乃至10のアルキレン基を示し、R
5は置換されていても良い炭素原子数1乃至10のアルキル基を示す。nは0乃至4の整数を示す。R
4の部分がSi原子に結合している。
全シラン中で式(1)で示されるシランは、50モル%以下、又は5乃至50モル%、7乃至50モル%、又は7乃至40モル%、又は7乃至35モル%、又は7乃至30モル%、又は7乃至20モル%、又は10乃至50モル%、又は10乃至45モル%、又は10乃至40モル%、又は10乃至35モル%、又は10乃至30モル%、又は7乃至20モル%の範囲で用いることができる。
【0010】
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、式(1)で示される加水分解性シラン、又は式(1)で示される加水分解性シランとその他の加水分解性シラン(例えば式(3)で示される加水分解性シラン)、その加水分解物、又はその加水分解縮合物と、溶剤とを含む。そして任意成分として酸、水、アルコール、硬化触媒、酸発生剤、他の有機ポリマー、吸光性化合物、及び界面活性剤等を含むことができる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物における固形分は、例えば0.1乃至50質量%、又は0.1乃至30質量%、0.1乃至25質量%である。ここで固形分とはレジスト下層膜形成組成物の全成分から溶剤成分を除いたものである。
固形分中に占める加水分解性シラン、その加水分解物、及びその加水分解縮合物の割合は、20質量%以上であり、例えば50乃至100質量%、60乃至99質量%、70乃至99質量%である。
【0011】
上記アルキル基としては直鎖又は分枝を有する炭素原子数1乃至10のアルキル基であってよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、1,2−ジメチル−n−プロピル基、2,2−ジメチル−n−プロピル基、1−エチル−n−プロピル基、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル基、2−メチル−n−ペンチル基、3−メチル−n−ペンチル基、4−メチル−n−ペンチル基、1,1−ジメチル−n−ブチル基、1,2−ジメチル−n−ブチル基、1,3−ジメチル−n−ブチル基、2,2−ジメチル−n−ブチル基、2,3−ジメチル−n−ブチル基、3,3−ジメチル−n−ブチル基、1−エチル−n−ブチル基、2−エチル−n−ブチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、1,2,2−トリメチル−n−プロピル基、1−エチル−1−メチル−n−プロピル基及び1−エチル−2−メチル−n−プロピル基等が挙げられる。
【0012】
また環状アルキル基を用いることもでき、例えば炭素原子数1乃至10の環状アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、1−メチル−シクロプロピル基、2−メチル−シクロプロピル基、シクロペンチル基、1−メチル−シクロブチル基、2−メチル−シクロブチル基、3−メチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロプロピル基、2,3−ジメチル−シクロプロピル基、1−エチル−シクロプロピル基、2−エチル−シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1−メチル−シクロペンチル基、2−メチル−シクロペンチル基、3−メチル−シクロペンチル基、1−エチル−シクロブチル基、2−エチル−シクロブチル基、3−エチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロブチル基、1,3−ジメチル−シクロブチル基、2,2−ジメチル−シクロブチル基、2,3−ジメチル−シクロブチル基、2,4−ジメチル−シクロブチル基、3,3−ジメチル−シクロブチル基、1−n−プロピル−シクロプロピル基、2−n−プロピル−シクロプロピル基、1−i−プロピル−シクロプロピル基、2−i−プロピル−シクロプロピル基、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル基、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル基及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピル基等が挙げられる。これらの例は上記ハロゲン化アルキル基のアルキル基部分にも適用される。
【0013】
上記アルキレン基としては上記アルキル基に由来するアルキレン基を挙げることができる。例えばメチル基であればメチレン基、エチル基であればエチレン基、プロピル基であればプロピレン基が挙げられる。
【0014】
上記アルケニル基としては炭素原子数2乃至10のアルケニル基が挙げられ、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−エテニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルエテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−n−プロピルエテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、2−エチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、1−i−プロピルエテニル基、1,2−ジメチル−1−プロペニル基、1,2−ジメチル−2−プロペニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−メチル−1−ペンテニル基、1−メチル−2−ペンテニル基、1−メチル−3−ペンテニル基、1−メチル−4−ペンテニル基、1−n−ブチルエテニル基、2−メチル−1−ペンテニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、2−メチル−3−ペンテニル基、2−メチル−4−ペンテニル基、2−n−プロピル−2−プロペニル基、3−メチル−1−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、3−メチル−3−ペンテニル基、3−メチル−4−ペンテニル基、3−エチル−3−ブテニル基、4−メチル−1−ペンテニル基、4−メチル−2−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、4−メチル−4−ペンテニル基、1,1−ジメチル−2−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1,2−ジメチル−1−ブテニル基、1,2−ジメチル−2−ブテニル基、1,2−ジメチル−3−ブテニル基、1−メチル−2−エチル−2−プロペニル基、1−s−ブチルエテニル基、1,3−ジメチル−1−ブテニル基、1,3−ジメチル−2−ブテニル基、1,3−ジメチル−3−ブテニル基、1−i−ブチルエテニル基、2,2−ジメチル−3−ブテニル基、2,3−ジメチル−1−ブテニル基、2,3−ジメチル−2−ブテニル基、2,3−ジメチル−3−ブテニル基、2−i−プロピル−2−プロペニル基、3,3−ジメチル−1−ブテニル基、1−エチル−1−ブテニル基、1−エチル−2−ブテニル基、1−エチル−3−ブテニル基、1−n−プロピル−1−プロペニル基、1−n−プロピル−2−プロペニル基、2−エチル−1−ブテニル基、2−エチル−2−ブテニル基、2−エチル−3−ブテニル基、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル基、1−t−ブチルエテニル基、1−メチル−1−エチル−2−プロペニル基、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル基、1−エチル−2−メチル−2−プロペニル基、1−i−プロピル−1−プロペニル基、1−i−プロピル−2−プロペニル基、1−メチル−2−シクロペンテニル基、1−メチル−3−シクロペンテニル基、2−メチル−1−シクロペンテニル基、2−メチル−2−シクロペンテニル基、2−メチル−3−シクロペンテニル基、2−メチル−4−シクロペンテニル基、2−メチル−5−シクロペンテニル基、2−メチレン−シクロペンチル基、3−メチル−1−シクロペンテニル基、3−メチル−2−シクロペンテニル基、3−メチル−3−シクロペンテニル基、3−メチル−4−シクロペンテニル基、3−メチル−5−シクロペンテニル基、3−メチレン−シクロペンチル基、1−シクロヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基及び3−シクロヘキセニル基等が挙げられる。
【0015】
上記アリール基としては炭素原子数6乃至20のアリール基が挙げられ、例えばフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロルフェニル基、m−クロルフェニル基、p−クロルフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−メルカプトフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−アミノフェニル基、p−シアノフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基及び9−フェナントリル基が挙げられる。これらの例は上記ハロゲン化アリール基及びアルコキシアリール基のアリール基部分にも適用される。
また、上記アリーレン基としては上記例示のアリール基から誘導される二価の有機基を挙げることができる。
【0016】
上記エポキシ基を有する有機基としては、グリシドキシメチル、グリシドキシエチル、グリシドキシプロピル、グリシドキシブチル、エポキシシクロヘキシル等が挙げられる。
【0017】
上記アクリロイル基を有する有機基としては、アクリロイルメチル、アクリロイルエチル、アクリロイルプロピル等が挙げられる。
メタクリロイル基を有する有機基としては、メタクリロイルメチル、メタクリロイルエチル、メタクリロイルプロピル等が挙げられる。
【0018】
上記メルカプト基を有する有機基としては、エチルメルカプト、ブチルメルカプト、ヘキシルメルカプト、オクチルメルカプト等が挙げられる。
上記アミノ基を有する有機基としては、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル等が挙げられる。
上記シアノ基を有する有機基としては、シアノエチル、シアノプロピル等が挙げられる。
【0019】
上記アルコキシ基としては、炭素原子数1乃至20の直鎖、分岐、環状のアルキル部分を有するアルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチロキシ基、1−メチル−n−ブトキシ基、2−メチル−n−ブトキシ基、3−メチル−n−ブトキシ基、1,1−ジメチル−n−プロポキシ基、1,2−ジメチル−n−プロポキシ基、2,2−ジメチル−n−プロポキシ基、1−エチル−n−プロポキシ基、n−ヘキシロキシ基、1−メチル−n−ペンチロキシ基、2−メチル−n−ペンチロキシ基、3−メチル−n−ペンチロキシ基、4−メチル−n−ペンチロキシ基、1,1−ジメチル−n−ブトキシ基、1,2−ジメチル−n−ブトキシ基、1,3−ジメチル−n−ブトキシ基、2,2−ジメチル−n−ブトキシ基、2,3−ジメチル−n−ブトキシ基、3,3−ジメチル−n−ブトキシ基、1−エチル−n−ブトキシ基、2−エチル−n−ブトキシ基、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ基、1,2,2−トリメチル−n−プロポキシ基、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ基及び1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ基等が、また環状のアルコキシ基としてはシクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、1−メチル−シクロプロポキシ基、2−メチル−シクロプロポキシ基、シクロペンチロキシ基、1−メチル−シクロブトキシ基、2−メチル−シクロブトキシ基、3−メチル−シクロブトキシ基、1,2−ジメチル−シクロプロポキシ基、2,3−ジメチル−シクロプロポキシ基、1−エチル−シクロプロポキシ基、2−エチル−シクロプロポキシ基、シクロヘキシロキシ基、1−メチル−シクロペンチロキシ基、2−メチル−シクロペンチロキシ基、3−メチル−シクロペンチロキシ基、1−エチル−シクロブトキシ基、2−エチル−シクロブトキシ基、3−エチル−シクロブトキシ基、1,2−ジメチル−シクロブトキシ基、1,3−ジメチル−シクロブトキシ基、2,2−ジメチル−シクロブトキシ基、2,3−ジメチル−シクロブトキシ基、2,4−ジメチル−シクロブトキシ基、3,3−ジメチル−シクロブトキシ基、1−n−プロピル−シクロプロポキシ基、2−n−プロピル−シクロプロポキシ基、1−i−プロピル−シクロプロポキシ基、2−i−プロピル−シクロプロポキシ基、1,2,2−トリメチル−シクロプロポキシ基、1,2,3−トリメチル−シクロプロポキシ基、2,2,3−トリメチル−シクロプロポキシ基、1−エチル−2−メチル−シクロプロポキシ基、2−エチル−1−メチル−シクロプロポキシ基、2−エチル−2−メチル−シクロプロポキシ基及び2−エチル−3−メチル−シクロプロポキシ基等が挙げられる。これらの例は上記アルコキシアリール基のアルコキシ基部分にも適用される。
【0020】
上記アシルオキシ基としては、炭素原子数2乃至20のアシルオキシ基が挙げられ、例えばメチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、i−プロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、i−ブチルカルボニルオキシ基、s−ブチルカルボニルオキシ基、t−ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、1−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、2−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、3−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1,1−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、2,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1−エチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、n−ヘキシルカルボニルオキシ基、1−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ基、2−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ基、3−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ基、4−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ基、1,1−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、2,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、2,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、3,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、2−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1,1,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1,2,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1−エチル−1−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1−エチル−2−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基、及びトシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0021】
上記ハロゲン基としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。これらの例は上記ハロゲン化アルキル基及びハロゲン化アリール基のハロゲン基部分にも適用される。
式(1)で示される加水分解性シランは以下に例示することができる。
【化7】
【0024】
本発明では該加水分解性シランが、式(1)で示される加水分解性シランとその他の加水分解性シランとの組み合わせであり、その他の加水分解性シランが下記式(3)及び式(4)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランを用いることができる。
【化10】
式(3)中、R
7はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基を示し且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R
8はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、cは0乃至3の整数を示す。
【化11】
式(4)中、R
9はアルキル基を示し且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R
10はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Y
Rはアルキレン基又はアリーレン基を示し、dは0又は1の整数を示し、eは0又は1の整数を示す。
上記式(3)及び式(4)中で定義するアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン基、アルキレン基、アリーレン基としては、上述の例を用いることができる。
【0025】
式(3)で示されるケイ素含有化合物は例えば、テトラメトキシシラン、テトラクロルシラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メトキシフェニルトリメトキシシラン、メトキシフェニルトリエトキシシラン、メトキシフェニルトリアセトキシシラン、メトキシフェニルトリクロロシラン、メトキシベンジルトリメトキシシラン、メトキシベンジルトリエトキシシラン、メトキシベンジルトリアセトキシシラン、メトキシベンジルトリクロロシラン、メトキシフェネチルトリメトキシシラン、メトキシフェネチルトリエトキシシラン、メトキシフェネチルトリアセトキシシラン、メトキシフェネチルトリクロロシラン、エトキシフェニルトリメトキシシラン、エトキシフェニルトリエトキシシラン、エトキシフェニルトリアセトキシシラン、エトキシフェニルトリクロロシラン、エトキシベンジルトリメトキシシラン、エトキシベンジルトリエトキシシラン、エトキシベンジルトリアセトキシシラン、エトキシベンジルトリクロロシラン、イソプロポキシフェニルトリメトキシシラン、イソプロポキシフェニルトリエトキシシラン、イソプロポキシフェニルトリアセトキシシラン、イソプロポキシフェニルトリクロロシラン、イソプロポキシベンジルトリメトキシシラン、イソプロポキシベンジルトリエトキシシラン、イソプロポキシベンジルトリアセトキシシラン、イソプロポキシベンジルトリクロロシラン、t−ブトキシフェニルトリメトキシシラン、t−ブトキシフェニルトリエトキシシラン、t−ブトキシフェニルトリアセトキシシラン、t−ブトキシフェニルトリクロロシラン、t−ブトキシベンジルトリメトキシシラン、t−ブトキシベンジルトリエトキシシラン、t−ブトキシベンジルトリアセトキシシラン、t−ブトキシシベンジルトリクロロシラン、メトキシナフチルトリメトキシシラン、メトキシナフチルトリエトキシシラン、メトキシナフチルトリアセトキシシラン、メトキシナフチルトリクロロシラン、エトキシナフチルトリメトキシシラン、エトキシナフチルトリエトキシシラン、エトキシナフチルトリアセトキシシラン、エトキシナフチルトリクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0026】
また、以下の加水分解性シランも用いることができる。
【化12】
【0029】
式(4)で示されるケイ素含有化合物は例えば、メチレンビストリメトキシシラン、メチレンビストリクロロシラン、メチレンビストリアセトキシシラン、エチレンビストリエトキシシラン、エチレンビストリクロロシラン、エチレンビストリアセトキシシラン、プロピレンビストリエトキシシラン、ブチレンビストリメトキシシラン、フェニレンビストリメトキシシラン、フェニレンビストリエトキシシラン、フェニレンビスメチルジエトキシシラン、フェニレンビスメチルジメトキシシラン、ナフチレンビストリメトキシシラン、ビストリメトキシジシラン、ビストリエトキシジシラン、ビスエチルジエトキシジシラン、ビスメチルジメトキシジシラン等が挙げられる。
【0030】
本発明では更に加水分解性シランとして、スルホン基を有するシランや、スルホンアミド基を有するシランを用いることができ、それらは例えば以下に例示することができる。
【化15】
【0033】
本発明に用いられる加水分解縮合物(ポリシロキサン)の具体例としては以下に例示される。
【化18】
【0035】
上記の加水分解性シランの加水分解縮合物(ポリオルガノシロキサン)は、重量平均分子量1000乃至1000000、又は1000乃至100000の縮合物を得ることができる。これらの分子量はGPC分析によるポリスチレン換算で得られる分子量である。
GPCの測定条件は、例えばGPC装置(商品名HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)、GPCカラム(商品名ShodexKF803L、KF802、KF801、昭和電工製)、カラム温度は40℃、溶離液(溶出溶媒)はテトラヒドロフラン、流量(流速)は1.0ml/min、標準試料はポリスチレン(昭和電工株式会社製)を用いて行うことができる。
【0036】
アルコキシシリル基、アシロキシシリル基、又はハロゲン化シリル基の加水分解には、加水分解性基の1モル当たり、0.5乃至100モル、好ましくは1乃至10モルの水を用いる。
また、加水分解性基の1モル当たり0.001乃至10モル、好ましくは0.001乃至1モルの加水分解触媒を用いることができる。
【0037】
加水分解と縮合を行う際の反応温度は、通常20乃至80℃である。
【0038】
加水分解は完全に加水分解を行うことも、部分加水分解することでも良い。即ち、加水分解縮合物中に加水分解物やモノマーが残存していても良い。
加水分解し縮合させる際に触媒を用いることができる。
加水分解触媒としては、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。
【0039】
加水分解触媒としての金属キレート化合物は、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン、等のチタンキレート化合物;トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、等のジルコニウムキレート化合物;トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができる。
【0040】
加水分解触媒としての有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
加水分解触媒としての無機酸は、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
【0041】
加水分解触媒としての有機塩基は、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等を挙げることができる。無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。これら触媒の内、金属キレート化合物、有機酸、無機酸が好ましく、これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0042】
加水分解に用いられる有機溶媒としては、例えばn−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶媒;エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン(NMP)等の含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の含硫黄系溶媒等を挙げることができる。これらの溶剤は1種又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0043】
特に、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶媒が溶液の保存安定性の点で好ましい。
【0044】
また、添加剤としてビスフェノールS、又はビスフェノールS誘導体を添加することができる。ビスフェノールS、又はビスフェノールS誘導体はポリオルガノシロキサン100質量部に対して、0.01乃至20質量部、または0.01乃至10質量部、または0.01乃至5質量部である。
【0045】
好ましいビスフェノールS、又はビスフェノールS誘導体は以下に例示される。
【化20】
【0046】
本発明のレジスト下層膜形成組成物は硬化触媒を含有することができる。硬化触媒は、加水分解縮合物からなるポリオルガノシロキサンを含有する塗布膜を加熱し硬化させる時に硬化触媒の働きをする。
硬化触媒としては、アンモニウム塩、ホスフィン類、ホスホニウム塩、スルホニウム塩を用いることができる。
【0047】
アンモニウム塩としては、式(D−1):
【化21】
(但し、mは2乃至11、n
1は2乃至3の整数を、R
21 はアルキル基又はアリール基を、Y
A−は陰イオンを示す。)で示される構造を有する第4級アンモニウム塩、式(D−2):
【化22】
(但し、R
22、R
23、R
24及びR
25はアルキル基又はアリール基を、Nは窒素原子を、Y
A−は陰イオンを示し、且つR
22、R
23、R
24、及びR
25はそれぞれC−N結合により窒素原子と結合されているものである)で示される構造を有する第4級アンモニウム塩、
式(D−3):
【化23】
(但し、R
26及びR
27はアルキル基又はアリール基を、Y
A−は陰イオンを示す)で示される構造を有する第4級アンモニウム塩、
式(D−4):
【化24】
(但し、R
28はアルキル基又はアリール基を、Y
A−は陰イオンを示す)で示される構造を有する第4級アンモニウム塩、
式(D−5):
【化25】
(但し、R
29及びR
30はアルキル基又はアリール基を、Y
A−は陰イオンを示す)で示される構造を有する第4級アンモニウム塩、
式(D−6):
【化26】
(但し、mは2乃至11、n
1は2乃至3の整数を、Hは水素原子を、Y
A−は陰イオンを示す)で示される構造を有する第3級アンモニウム塩が挙げられる。
【0048】
また、ホスホニウム塩としては、式(D−7):
【化27】
(但し、R
31、R
32、R
33、及びR
34はアルキル基又はアリール基を、Pはリン原子を、Y
A−は陰イオンを示し、且つR
31、R
32、R
33、及びR
34はそれぞれC−P結合によりリン原子と結合されているものである)で示される第4級ホスホニウム塩が挙げられる。
【0049】
また、スルホニウム塩としては、式(D−8):
【化28】
(但し、R
35、R
36、及びR
37はアルキル基又はアリール基を、Sは硫黄原子を、Y
A−は陰イオンを示し、且つR
35、R
36、及びR
37はそれぞれC−S結合により硫黄原子と結合されているものである)で示される第3級スルホニウム塩が挙げられる。
【0050】
上記の式(D−1)で示される化合物は、アミンから誘導される第4級アンモニウム塩であり、mは2乃至11、n
1は2乃至3の整数を示す。この第4級アンモニウム塩のR
21は炭素原子数1乃至18、好ましくは2乃至10のアルキル基、又はアリール基を示し、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基等の直鎖アルキル基や、ベンジル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ジシクロペンタジエニル基等が挙げられる。また陰イオン(Y
A−)は、塩素イオン(Cl
−)、臭素イオン(Br
−)、ヨウ素イオン(I
−)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO
−)、スルホナト(−SO
3−)、アルコラート(−O
−)等の酸基を挙げることが出来る。
【0051】
上記の式(D−2)で示される化合物は、R
22R
23R
24R
25N
+Y
A−で示される第4級アンモニウム塩である。この第4級アンモニウム塩のR
22、R
23、R
24及びR
25は炭素原子数1乃至18のアルキル基又はアリール基、またはSi−C結合によりケイ素原子と結合しているシラン化合物である。陰イオン(Y
A−)は、塩素イオン(Cl
−)、臭素イオン(Br
−)、ヨウ素イオン(I
−)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO
−)、スルホナト(−SO
3−)、アルコラート(−O
−)等の酸基を挙げることが出来る。この第4級アンモニウム塩は、市販品で入手する事が可能であり、例えばテトラメチルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムアセテート、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、臭化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム等が例示される。
【0052】
上記の式(D−3)で示される化合物は、1−置換イミダゾールから誘導される第4級アンモニウム塩であり、R
26及びR
27は炭素原子数1乃至18のアルキル基、又はアリール基であり、R
26及びR
27の炭素原子数の総和が7以上で有ることが好ましい。例えばR
26はメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ベンジル基を、R
27はベンジル基、オクチル基、オクタデシル基を例示する事が出来る。陰イオン(Y
A−)は、塩素イオン(Cl
−)、臭素イオン(Br
−)、ヨウ素イオン(I
−)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO
−)、スルホナト(−SO
3−)、アルコラート(−O
−)等の酸基を挙げることが出来る。この化合物は、市販品で入手する事も出来るが、例えば1−メチルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール等のイミダゾール系化合物と、臭化ベンジル、臭化メチル等のハロゲン化アルキルやハロゲン化アリールを反応させて製造する事ができる。
【0053】
上記の式(D−4)で示される化合物は、ピリジンから誘導される第4級アンモニウム塩であり、R
28は炭素原子数1乃至18、好ましくは炭素原子数4乃至18のアルキル基、又はアリール基であり、例えばブチル基、オクチル基、ベンジル基、ラウリル基を例示する事が出来る。陰イオン(Y
A−)は、塩素イオン(Cl
−)、臭素イオン(Br
−)、ヨウ素イオン(I
−)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO
−)、スルホナト(−SO
3−)、アルコラート(−O
−)等の酸基を挙げることが出来る。この化合物は、市販品として入手する事も出来るが、例えばピリジンと、塩化ラウリル、塩化ベンジル、臭化ベンジル、臭化メチル、臭化オクチル等のハロゲン化アルキル、又はハロゲン化アリールを反応させて製造する事が出来る。この化合物は例えば、塩化N−ラウリルピリジニウム、臭化N−ベンジルピリジニウム等を例示する事が出来る。
【0054】
上記の式(D−5)で示される化合物は、ピコリン等に代表される置換ピリジンから誘導される第4級アンモニウム塩であり、R
29は炭素原子数1乃至18、好ましくは4乃至18のアルキル基、又はアリール基であり、例えばメチル基、オクチル基、ラウリル基、ベンジル基等を例示する事が出来る。R
30は炭素原子数1乃至18のアルキル基、又はアリール基であり、例えばピコリンから誘導される第4級アンモニウムである場合はR
30はメチル基である。陰イオン(Y
A−)は、塩素イオン(Cl
−)、臭素イオン(Br
−)、ヨウ素イオン(I
−)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO
−)、スルホナト(−SO
3−)、アルコラート(−O
−)等の酸基を挙げることが出来る。この化合物は市販品として入手する事も出来るが、例えばピコリン等の置換ピリジンと、臭化メチル、臭化オクチル、塩化ラウリル、塩化ベンジル、臭化ベンジル等のハロゲン化アルキル、又はハロゲン化アリールを反応させて製造する事が出来る。この化合物は例えば、N−ベンジルピコリニウムクロライド、N−ベンジルピコリニウムブロマイド、N−ラウリルピコリニウムクロライド等を例示することが出来る。
【0055】
上記の式(D−6)で示される化合物は、アミンから誘導される第3級アンモニウム塩であり、mは2乃至11、n
1は2乃至3の整数を示す。また陰イオン(Y
A−)は、塩素イオン(Cl
−)、臭素イオン(Br
−)、ヨウ素イオン(I
−)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO
−)、スルホナト(−SO
3−)、アルコラート(−O
−)等の酸基を挙げることが出来る。アミンとカルボン酸やフェノール等の弱酸との反応によって製造する事が出来る。カルボン酸としてはギ酸や酢酸が挙げられ、ギ酸を使用した場合は、陰イオン(Y
A−)は(HCOO
−)であり、酢酸を使用した場合は、陰イオン(Y
A−)は(CH
3COO
−)である。またフェノールを使用した場合は、陰イオン(Y
A−)は(C
6H
5O
−)である。
【0056】
上記の式(D−7)で示される化合物は、R
31R
32R
33R
34P
+Y
A−の構造を有する第4級ホスホニウム塩である。R
31、R
32、R
33、及びR
34は炭素原子数1乃至18のアルキル基、又はアリール基、またはSi−C結合によりケイ素原子と結合しているシラン化合物であるが、好ましくはR
31乃至R
34の4つの置換基の内で3つがフェニル基又は置換されたフェニル基であり、例えばフェニル基やトリル基を例示する事が出来、また残りの1つは炭素原子数1乃至18のアルキル基、アリール基、又はSi−C結合によりケイ素原子と結合しているシラン化合物である。また陰イオン(Y
A−)は、塩素イオン(Cl
−)、臭素イオン(Br
−)、ヨウ素イオン(I
−)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO
−)、スルホナト(−SO
3−)、アルコラート(−O
−)等の酸基を挙げることが出来る。この化合物は市販品として入手する事が可能であり、例えばハロゲン化テトラn−ブチルホスホニウム、ハロゲン化テトラn−プロピルホスホニウム等のハロゲン化テトラアルキルホスホニウム、ハロゲン化トリエチルベンジルホスホニウム等のハロゲン化トリアルキルベンジルホスホニウム、ハロゲン化トリフェニルメチルホスホニウム、ハロゲン化トリフェニルエチルホスホニウム等のハロゲン化トリフェニルモノアルキルホスホニウム、ハロゲン化トリフェニルベンジルホスホニウム、ハロゲン化テトラフェニルホスホニウム、ハロゲン化トリトリルモノアリールホスホニウム、或いはハロゲン化トリトリルモノアルキルホスホニウム(ハロゲン原子は塩素原子又は臭素原子)が挙げられる。特に、ハロゲン化トリフェニルメチルホスホニウム、ハロゲン化トリフェニルエチルホスホニウム等のハロゲン化トリフェニルモノアルキルホスホニウム、ハロゲン化トリフェニルベンジルホスホニウム等のハロゲン化トリフェニルモノアリールホスホニウム、ハロゲン化トリトリルモノフェニルホスホニウム等のハロゲン化トリトリルモノアリールホスホニウムや、ハロゲン化トリトリルモノメチルホスホニウム等のハロゲン化トリトリルモノアルキルホスホニウム(ハロゲン原子は塩素原子又は臭素原子)が好ましい。
【0057】
また、ホスフィン類としては、メチルホスフィン、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、イソプロピルホスフィン、イソブチルホスフィン、フェニルホスフィン等の第一ホスフィン、ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジイソプロピルホスフィン、ジイソアミルホスフィン、ジフェニルホスフィン等の第二ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン等の第三ホスフィンが挙げられる。
【0058】
上記の式(D−8)で示される化合物は、R
35R
36R
37S
+Y
A−の構造を有する第3級スルホニウム塩である。R
35、R
36、及びR
37は炭素原子数1乃至18のアルキル基、又はアリール基、またはSi−C結合によりケイ素原子と結合しているシラン化合物であるが、好ましくはR
35乃至R
37の4つの置換基の内で3つがフェニル基又は置換されたフェニル基であり、例えばフェニル基やトリル基を例示する事が出来、また残りの1つは炭素原子数1乃至18のアルキル基、又はアリール基である。また陰イオン(Y
A−)は、塩素イオン(Cl
−)、臭素イオン(Br
−)、ヨウ素イオン(I
−)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO
−)、スルホナト(−SO
3−)、アルコラート(−O
−)、マレイン酸アニオン、硝酸アニオン等の酸基を挙げることが出来る。
この化合物は市販品として入手する事が可能であり、例えばハロゲン化トリn−ブチルスルホニウム、ハロゲン化トリn−プロピルスルホニウム等のハロゲン化テトラアルキルスルホニウム、ハロゲン化ジエチルベンジルスルホニウム等のハロゲン化トリアルキルベンジルスルホニウム、ハロゲン化ジフェニルメチルスルホニウム、ハロゲン化ジフェニルエチルスルホニウム等のハロゲン化ジフェニルモノアルキルスルホニウム、ハロゲン化トリフェニルスルホニウム(ハロゲン原子は塩素原子又は臭素原子)、トリn−ブチルスルホニウムカルボキシラート、トリn−プロピルスルホニウムカルボキシラート等のテトラアルキルホスフォニウムカルボキシラート、ジエチルベンジルスルホニウムカルボキシラート等のトリアルキルベンジルスルホニウムカルボキシラート、ジフェニルメチルスルホニウムカルボキシラート、ジフェニルエチルスルホニウムカルボキシラート等のジフェニルモノアルキルスルホニウムカルボキシラート、トリフェニルスルホニウムカルボキシラート。また、ハロゲン化トリフェニルスルホニウム、トリフェニルスルホニウムカルボキシラートが好ましく用いることができる。
【0059】
また、本発明では硬化触媒として窒素含有シラン化合物を添加することができる。窒素含有シラン化合物としてはN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール等のイミダゾール環含有シラン化合物が挙げられる。
硬化触媒はポリオルガノシロキサン100質量部に対して、0.01乃至10質量部、または0.01乃至5質量部、または0.01乃至3質量部である。
【0060】
加水分解性シランを溶剤中で触媒を用いて加水分解し縮合し、得られた加水分解縮合物(ポリマー)は減圧蒸留等により副生成物のアルコールや用いた加水分解触媒や水を同時に除去することができる。また、加水分解に用いた酸や塩基触媒を中和やイオン交換により取り除くことができる。そして本発明のリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物では、その加水分解縮合物を含むレジスト下層膜形成組成物は安定化のために有機酸、水、アルコール、又はそれらの組み合わせを添加することができる。
【0061】
上記有機酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、フタル酸、クエン酸、グルタル酸、クエン酸、乳酸、サリチル酸等が挙げられる。中でも、シュウ酸、マレイン酸等が好ましい。加える有機酸は縮合物(ポリオルガノシロキサン)100質量部に対して0.1乃至5.0質量部である。また加える水は純水、超純水、イオン交換水等を用いることができ、その添加量はレジスト下層膜形成組成物100質量部に対して1乃至20質量部とすることができる。
【0062】
また加えるアルコールとしては塗布後の加熱により飛散しやすいものが好ましく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。加えるアルコールはレジスト下層膜形成組成物100質量部に対して1乃至20質量部とすることができる。
【0063】
本発明のリソグラフィー用下層膜形成組成物は、上記の成分の他、必要に応じて有機ポリマー化合物、光酸発生剤及び界面活性剤等を含むことができる。
【0064】
有機ポリマー化合物を使用することにより、本発明のリソグラフィー用下層膜形成組成物から形成されるレジスト下層膜のドライエッチング速度(単位時間当たりの膜厚の減少量)、減衰係数及び屈折率等を調整することができる。
【0065】
有機ポリマー化合物としては特に制限はなく、種々の有機ポリマーを使用することができる。縮重合ポリマー及び付加重合ポリマー等を使用することができる。ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ポリビニルエーテル、フェノールノボラック、ナフトールノボラック、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート等の付加重合ポリマー及び縮重合ポリマーを使用することができる。吸光部位として機能するベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、トリアジン環、キノリン環、及びキノキサリン環等の芳香環構造を有する有機ポリマーが好ましく使用される。
そのような有機ポリマー化合物としては、例えば、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、ナフチルアクリレート、アントリルメタクリレート、アントリルメチルメタクリレート、スチレン、ヒドロキシスチレン、ベンジルビニルエーテル及びN−フェニルマレイミド等の付加重合性モノマーをその構造単位として含む付加重合ポリマーや、フェノールノボラック及びナフトールノボラック等の縮重合ポリマーが挙げられる。
【0066】
有機ポリマー化合物として付加重合ポリマーが使用される場合、そのポリマー化合物は単独重合体でもよく共重合体であってもよい。付加重合ポリマーの製造には付加重合性モノマーが使用される。そのような付加重合性モノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、アクリルアミド化合物、メタクリルアミド化合物、ビニル化合物、スチレン化合物、マレイミド化合物、マレイン酸無水物、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0067】
アクリル酸エステル化合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ノルマルヘキシルアクリレート、イソプロピルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、アントリルメチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2−トリクロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、5−アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン及びグリシジルアクリレート等が挙げられる。
【0068】
メタクリル酸エステル化合物としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ノルマルヘキシルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、アントリルメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,2−トリクロロエチルメタクリレート、2−ブロモエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、グリシジルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、ヒドロキシフェニルメタクリレート及びブロモフェニルメタクリレート等が挙げられる。
【0069】
アクリルアミド化合物としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド及びN−アントリルアクリルアミド等が挙げられる。
メタクリルアミド化合物としては、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド及びN−アントリルアクリルアミド等が挙げられる。
【0070】
ビニル化合物としては、ビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ビニル酢酸、ビニルトリメトキシシラン、2−クロロエチルビニルエーテル、2−メトキシエチルビニルエーテル、ビニルナフタレン及びビニルアントラセン等が挙げられる。
【0071】
スチレン化合物としては、スチレン、ヒドロキシスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、メトキシスチレン、シアノスチレン及びアセチルスチレン等が挙げられる。
【0072】
マレイミド化合物としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド及びN−ヒドロキシエチルマレイミド等が挙げられる。
【0073】
ポリマーとして縮重合ポリマーが使用される場合、そのようなポリマーとしては、例えば、グリコール化合物とジカルボン酸化合物との縮重合ポリマーが挙げられる。グリコール化合物としてはジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ブチレングリコール等が挙げられる。ジカルボン酸化合物としては、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、無水マレイン酸等が挙げられる。また、例えば、ポリピロメリットイミド、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミドが挙げられる。
【0074】
有機ポリマー化合物にヒドロキシル基が含有されている場合は、このヒドロキシル基はポリオルガノシロキサンと架橋反応を形成することができる。
有機ポリマー化合物としては、重量平均分子量が、例えば1000乃至1000000であり、または3000乃至300000であり、または5000乃至200000であり、または10000乃至100000であるポリマー化合物を使用することができる。
有機ポリマー化合物は一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
有機ポリマー化合物が使用される場合、その割合としては、縮合物(ポリオルガノシロキサン)100質量部に対して、1乃至200質量部、または5乃至100質量部、または10乃至50質量部、または20乃至30質量部である。
【0075】
本発明のレジスト下層膜形成組成物では酸発生剤を含有することができる。
酸発生剤としては、熱酸発生剤や光酸発生剤が挙げられる。
光酸発生剤は、レジストの露光時に酸を生ずる。そのため、下層膜の酸性度の調整ができる。これは、下層膜の酸性度を上層のレジストとの酸性度に合わせるための一方法である。また、下層膜の酸性度の調整によって、上層に形成されるレジストのパターン形状の調整ができる。
【0076】
本発明のレジスト下層膜形成組成物に含まれる光酸発生剤としては、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、及びジスルホニルジアゾメタン化合物等が挙げられる。
【0077】
オニウム塩化合物としてはジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフエート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロノルマルオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート及びビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩化合物、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のスルホニウム塩化合物等が挙げられる。
【0078】
スルホンイミド化合物としては、例えばN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロノルマルブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド及びN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。
【0079】
ジスルホニルジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、及びメチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン等が挙げられる。
【0080】
光酸発生剤は一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
光酸発生剤が使用される場合、その割合としては、縮合物(ポリオルガノシロキサン)100質量部に対して、0.01乃至5質量部、または0.1乃至3質量部、または0.5乃至1質量部である。
【0081】
界面活性剤は、本発明のリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物を基板に塗布した際に、ピンホール及びストレーション等の発生を抑制するのに有効である。
本発明のレジスト下層膜形成組成物に含まれる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30、R−30N、R−40LM(DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また二種以上の組み合わせで使用することもできる。界面活性剤が使用される場合、その割合としては、縮合物(ポリオルガノシロキサン)100質量部に対して0.0001乃至5質量部、または0.001乃至1質量部、または0.01乃至1質量部である。
【0082】
また、本発明のレジスト下層膜形成組成物には、レオロジー調整剤及び接着補助剤等を添加することができる。レオロジー調整剤は、下層膜形成組成物の流動性を向上させるのに有効である。接着補助剤は、半導体基板またはレジストと下層膜の密着性を向上させるのに有効である。
【0083】
本発明のレジスト下層膜形成組成物に使用される溶剤としては、前記の固形分を溶解できる溶剤であれば、特に制限なく使用することができる。そのような溶剤としては、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルイソブチルカルビノール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエテルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸アミル、ギ酸イソアミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、4−メチル−2−ペンタノール、及びγ−ブチロラクトン等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で、または二種以上の組み合わせで使用することができる。
【0084】
以下、本発明のレジスト下層膜形成組成物の使用について説明する。
本発明のレジスト下層膜形成組成物を用いて、基板上にレジスト下層膜を塗布法により形成するか、又は基板上の有機下層膜を介してその上にレジスト下層膜を塗布法により形成し、そのレジスト下層膜上にレジスト膜(例えば、フォトレジスト、電子線レジスト)を形成する。そして、露光と現像によりレジストパターンを形成し、そのレジストパターンを用いてレジスト下層膜をドライエッチングしてパターンの転写を行い、そのパターンにより基板を加工するか、又は有機下層膜をエッチングによりパターン転写しその有機下層膜により基板の加工を行う。
【0085】
微細なパターンを形成する上で、パターン倒れを防ぐためにレジスト膜厚が薄くなる傾向がある。レジストの薄膜化によりその下層に存在する膜にパターンを転写するためのドライエッチングは、上層の膜よりもエッチング速度が高くなければパターン転写ができない。本発明では基板上に有機下層膜を介するか、又は有機下層膜を介さず、その上に本発明のレジスト下層膜(無機系シリコン系化合物含有)を被覆し、その上にレジスト膜(有機レジスト膜)の順で被覆される。有機系成分の膜と無機系成分の膜はエッチングガスの選択によりドライエッチング速度が大きく異なり、有機系成分の膜は酸素系ガスでドライエッチング速度が高くなり、無機系成分の膜はハロゲン含有ガスでドライエッチング速度が高くなる。
例えばレジストパターンが形成され、その下層に存在している本発明のレジスト下層膜をハロゲン含有ガスでドライエッチングしてレジスト下層膜にパターンを転写し、そのレジスト下層膜に転写されたパターンでハロゲン含有ガスを用いて基板加工を行う。あるいは、パターン転写されたレジスト下層膜を用いて、その下層の有機下層膜を酸素系ガスでドライエッチングして有機下層膜にパターン転写を行って、そのパターン転写された有機下層膜で、ハロゲン含有ガスを用いて基板加工を行う。
【0086】
ここで半導体装置の製造に使用される基板(例えば、シリコンウエハー基板、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、ガラス基板、ITO基板、ポリイミド基板、及び低誘電率材料(low−k材料)被覆基板等)の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明のレジスト下層膜形成組成物が塗布され、その後、焼成することによりレジスト下層膜が形成される。焼成する条件としては、焼成温度80℃乃至250℃、焼成時間0.3乃至60分間の中から適宜、選択される。好ましくは、焼成温度150℃乃至250℃、焼成時間0.5乃至2分間である。ここで、形成される下層膜の膜厚としては、例えば、10乃至1000nmであり、または20乃至500nmであり、または50乃至300nmであり、または100乃至200nmである。
【0087】
次いでそのレジスト下層膜の上に、例えばフォトレジストの層が形成される。フォトレジストの層の形成は、周知の方法、すなわち、フォトレジスト組成物溶液の下層膜上への塗布及び焼成によって行なうことができる。フォトレジストの膜厚としては例えば50乃至10000nmであり、または100乃至2000nmであり、または200乃至1000nmである。
【0088】
本発明では基板上に有機下層膜を成膜した後、この上に本発明のレジスト下層膜を成膜し、更にその上にフォトレジストを被覆することができる。これによりフォトレジストのパターン幅が狭くなり、パターン倒れを防ぐ為にフォトレジストを薄く被覆した場合でも、適切なエッチングガスを選択することにより基板の加工が可能になる。例えば、フォトレジストに対して十分に早いエッチング速度となるフッ素系ガスをエッチングガスとして本発明のレジスト下層膜に加工が可能であり、また本発明のレジスト下層膜に対して十分に早いエッチング速度となる酸素系ガスをエッチングガスとして有機下層膜の加工が可能であり、更に有機下層膜に対して十分に早いエッチング速度となるフッ素系ガスをエッチングガスとして基板の加工を行うことができる。
【0089】
本発明のレジスト下層膜の上に形成されるフォトレジストとしては露光に使用される光に感光するものであれば特に限定はない。ネガ型フォトレジスト及びポジ型フォトレジストのいずれも使用できる。ノボラック樹脂と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、及び酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジストなどがある。例えば、シプレー社製商品名APEX−E、住友化学工業(株)製商品名PAR710、及び信越化学工業(株)製商品名SEPR430等が挙げられる。また、例えば、Proc.SPIE,Vol.3999,330−334(2000)、Proc.SPIE,Vol.3999,357−364(2000)、やProc.SPIE,Vol.3999,365−374(2000)に記載されているような、含フッ素原子ポリマー系フォトレジストを挙げることができる。
【0090】
次に、所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)及びF2エキシマレーザー(波長157nm)等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(postexposurebake)を行なうこともできる。露光後加熱は、加熱温度70℃乃至150℃、加熱時間0.3乃至10分間から適宜、選択された条件で行われる。
【0091】
また、本発明ではレジストとしてフォトレジストに変えて電子線リソグラフィー用レジスト、又はEUVリソグラフィー用レジストを用いることができる。電子線レジストとしてはネガ型、ポジ型いずれも使用できる。酸発生剤と酸により分解してアルカリ溶解速度を変化させる基を有するバインダーからなる化学増幅型レジスト、アルカリ可溶性バインダーと酸発生剤と酸により分解してレジストのアルカリ溶解速度を変化させる低分子化合物からなる化学増幅型レジスト、酸発生剤と酸により分解してアルカリ溶解速度を変化させる基を有するバインダーと酸により分解してレジストのアルカリ溶解速度を変化させる低分子化合物からなる化学増幅型レジスト、電子線によって分解してアルカリ溶解速度を変化させる基を有するバインダーからなる非化学増幅型レジスト、電子線によって切断されアルカリ溶解速度を変化させる部位を有するバインダーからなる非化学増幅型レジストなどがある。これらの電子線レジストを用いた場合も照射源を電子線としてフォトレジストを用いた場合と同様にレジストパターンを形成することができる。
また、EUVレジストとしてはメタクリレート樹脂系レジストを用いることができる。
【0092】
次いで、現像液(例えばアルカリ現像液)によって現像が行なわれる。これにより、例えばポジ型フォトレジストが使用された場合は、露光された部分のフォトレジストが除去され、フォトレジストのパターンが形成される。
現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5乃至50℃、時間10乃至600秒から適宜選択される。
【0093】
また、本発明では現像液として有機溶剤を用いることができる。露光後に現像液(溶剤)によって現像が行なわれる。これにより、例えばポジ型フォトレジストが使用された場合は、露光されない部分のフォトレジストが除去され、フォトレジストのパターンが形成される。
【0094】
現像液としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート等を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5乃至50℃、時間10乃至600秒から適宜選択される。
【0095】
そして、このようにして形成されたフォトレジスト(上層)のパターンを保護膜として本発明のレジスト下層膜(中間層)の除去が行われ、次いでパターン化されたフォトレジスト及び本発明のレジスト下層膜(中間層)からなる膜を保護膜として、有機下層膜(下層)の除去が行われる。最後に、パターン化された本発明のレジスト下層膜(中間層)及び有機下層膜(下層)を保護膜として、半導体基板の加工が行なわれる。
【0096】
まず、フォトレジストが除去された部分の本発明のレジスト下層膜(中間層)をドライエッチングによって取り除き、半導体基板を露出させる。本発明のレジスト下層膜のドライエッチングにはテトラフルオロメタン(CF
4)、パーフルオロシクロブタン(C
4F
8)、パーフルオロプロパン(C
3F
8)、トリフルオロメタン、一酸化炭素、アルゴン、酸素、窒素、六フッ化硫黄、ジフルオロメタン、三フッ化窒素及び三フッ化塩素、塩素、トリクロロボラン及びジクロロボラン等のガスを使用することができる。レジスト下層膜のドライエッチングにはハロゲン系ガスを使用することが好ましい。ハロゲン系ガスによるドライエッチングでは、基本的に有機物質からなるフォトレジストは除去されにくい。それに対し、シリコン原子を多く含む本発明のレジスト下層膜はハロゲン系ガスによって速やかに除去される。そのため、レジスト下層膜のドライエッチングに伴うフォトレジストの膜厚の減少を抑えることができる。そして、その結果、フォトレジストを薄膜で使用することが可能となる。レジスト下層膜のドライエッチングはフッ素系ガスによることが好ましく、フッ素系ガスとしては、例えば、テトラフルオロメタン(CF
4)、パーフルオロシクロブタン(C
4F
8)、パーフルオロプロパン(C
3F
8)、トリフルオロメタン、及びジフルオロメタン(CH
2F
2)等が挙げられる。
【0097】
その後、パターン化されたフォトレジスト及び本発明のレジスト下層膜からなる膜を保護膜として有機下層膜の除去が行われる。有機下層膜(下層)は酸素系ガスによるドライエッチングによって行なわれることが好ましい。シリコン原子を多く含む本発明のレジスト下層膜は、酸素系ガスによるドライエッチングでは除去されにくいからである。
最後に、半導体基板の加工が行なわれる。半導体基板の加工はフッ素系ガスによるドライエッチングによって行なわれることが好ましい。
【0098】
フッ素系ガスとしては、例えば、テトラフルオロメタン(CF
4)、パーフルオロシクロブタン(C
4F
8)、パーフルオロプロパン(C
3F
8)、トリフルオロメタン、及びジフルオロメタン(CH
2F
2)等が挙げられる。
【0099】
また、本発明のレジスト下層膜の上層には、フォトレジストの形成前に有機系の反射防止膜を形成することができる。そこで使用される反射防止膜組成物としては特に制限はなく、これまでリソグラフィープロセスにおいて慣用されているものの中から任意に選択して使用することができ、また、慣用されている方法、例えば、スピナー、コーターによる塗布及び焼成によって反射防止膜の形成を行なうことができる。
【0100】
また、本発明のレジスト下層膜形成組成物が塗布される基板は、その表面にCVD法などで形成された有機系または無機系の反射防止膜を有するものであってもよく、その上に本発明のレジスト下層膜形成組成物から下層膜を形成することもできる。
【0101】
本発明のレジスト下層膜形成組成物から形成されるレジスト下層膜は、また、リソグラフィープロセスにおいて使用される光の波長によっては、その光に対する吸収を有することがある。そして、そのような場合には、基板からの反射光を防止する効果を有する反射防止膜として機能することができる。さらに、本発明のレジスト下層膜形成組成物から形成されるレジスト下層膜は、基板とフォトレジストとの相互作用の防止するための層、フォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の基板への悪作用を防ぐ機能とを有する層、加熱焼成時に基板から生成する物質の上層フォトレジストへの拡散を防ぐ機能を有する層、及び半導体基板誘電体層によるフォトレジスト層のポイズニング効果を減少させるためのバリア層等として使用することも可能である。
【0102】
レジスト下層膜形成組成物から形成される当該レジスト下層膜がハードマスクとして機能する場合、KrF(248nm)の露光波長を用いるリソグラフィーではKrFの吸収に適したクロモファーが選択される。このKrF光のクロモファーとしてはアントラセンやフェナントレンなどの縮環構造やナフタルイミド構造が知られているが、これら従来のクロモファーは分子量が大きくなることから蒸留精製が困難であり、半導体製造における不純物となる金属管理を行うことが困難であった。
本発明の組成物はクロモファーとしてベンゼン環にO(酸素原子)、S(硫黄原子)が配置された構造を有する加水分解性シランを用いており、このシランはKrF光にも吸収を持ち、しかも分子量が低いため容易に蒸留精製が可能である。従って、これらのクロモファーを用いることで不純物金属の含有量が低い加水分解性シランの加水分解縮合物を上記レジスト下層膜形成組成物に用いることが可能であり、それによって不純物の少ない半導体製品の製造が可能である。
【0103】
また、本発明のレジスト下層膜形成組成物から形成されるレジスト下層膜は、デュアルダマシンプロセスで用いられるビアホールが形成された基板に適用され、ホールを隙間なく充填することができる埋め込み材として使用できる。また、凹凸のある半導体基板の表面を平坦化するための平坦化材として使用することもできる。
また、EUVレジストの下層膜としてはハードマスクとしての機能以外に以下の目的にも使用できる。すなわちEUVレジストとインターミキシングすることなく、EUV露光(波長13.5nm)に際して好ましくない露光光、例えば上述のUVやDUV(ArF光、KrF光)の基板又は界面からの反射を防止することができるEUVレジストの下層反射防止膜として、上記レジスト下層膜形成組成物を用いることができる。EUVレジストの下層で効率的に反射を防止することができる。EUVレジスト下層膜として用いた場合は、プロセスはフォトレジスト用下層膜と同様に行うことができる。
【0104】
また、本発明は式(1’)で示されるシランにも関する。
【化29】
式(1’)中、R
1は式(2’):
【化30】
で示される有機基を示し且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものである。R
2はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基を示し且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものである。R
3はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示す。aは1の整数を示し、bは0乃至2の整数を示し、a+bは1乃至3の整数を示す。
式(2’)中、X及びYはそれぞれ酸素原子、又はイオウ原子を示す。但し、XとYは同時に同一原子ではない。即ち、本発明ではXが酸素原子でありYがイオウ原子である場合や、Xがイオウ原子でありYが酸素原子である場合を示す。
R
6は置換されていても良い炭素原子数1乃至10のアルキル基を示し、R
4は置換されていても良い炭素原子数1乃至10のアルキレン基を示し、R
5は置換されていても良い炭素原子数1乃至10のアルキル基を示す。nは0乃至4の整数を示す。
上記式(1’)及び式(2’)中の基の定義におけるアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン基の例としては、上述の例示を挙げることができる。
【実施例】
【0105】
(化合物1の合成)
マグネチックスターラーを備えた300mlの三口フラスコに4−(メチルチオ)フェノール25.0g、水酸化ナトリウム7.13g、トルエン50g、N−メチルピロリドン(以下NMPともいう。)50gを加え、オイルバス中130℃にて水、トルエンを除去しながら、4時間反応させた。そこにクロロメチルトリエトキシシラン37.94gを滴下し、130℃にて4時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温に戻し、分液ロートに移しかえてトルエン120g、水90gを加えて有機層を洗浄した。洗浄は3回繰り返し行った後、有機層に硫酸マグネシウムを加え乾燥させた後、ろ過し、溶媒をエバポレーションにて除去して粗物を得た。その後、減圧蒸留にて精製し目的物である化合物1を30g得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d
6):1.19ppm(t、9H)、2.42ppm(s、3H)、3.68ppm(s、2H)、3.86ppm(q、6H)、6.95(d、2H)、7.24ppm(d、2H)
【化31】
【0106】
(化合物2の合成)
マグネチックスターラーを備えた300mlの三口フラスコに4−(トリフルオロメチルチオ)フェノール25.0g、水酸化ナトリウム5.15g、トルエン50g、NMP50gを加え、オイルバス中130℃にて水、トルエンを除去しながら、4時間反応させた。そこにクロロメチルトリエトキシシラン27.39gを滴下し、130℃にて4時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温に戻し、分液ロートに移しかえてトルエン120g、水90gを加えて有機層を洗浄した。洗浄は3回繰り返し行った後、有機層に硫酸マグネシウムを加え乾燥させた後、ろ過し、溶媒をエバポレーションにて除去して粗物を得た。その後、減圧蒸留にて精製し目的物である化合物2を25g得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d
6):1.19ppm(t、9H)、3.78ppm(s、2H)、3.87ppm(q、6H)、7.13(d、2H)、7.60ppm(d、2H)
【化32】
【0107】
(化合物3の合成)
マグネチックスターラーを備えた300mlの三口フラスコに3−メチル−4−(メチルチオ)フェノール25.0g、水酸化ナトリウム6.48g、トルエン50g、NMP50gを加え、オイルバス中130℃にて水、トルエンを除去しながら、4時間反応させた。そこにクロロメチルトリエトキシシラン34.49gを滴下し、130℃にて4時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温に戻し、分液ロートに移しかえてトルエン120g、水90gを加えて有機層を洗浄した。洗浄は3回繰り返し行った後、有機層に硫酸マグネシウムを加え乾燥させた後、ろ過し、溶媒をエバポレーションにて除去して粗物を得た。その後、減圧蒸留にて精製し目的物である化合物3を35g得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d
6):1.20ppm(t、9H)、2.29ppm(s、3H)、2.37ppm(s、3H)、3.67ppm(s、2H)、3.86ppm(q、6H)、6.84(d、1H)、6.89(d、1H)、7.18ppm(d、1H)
【化33】
【0108】
(化合物4の合成)
マグネチックスターラーを備えた300mlの三口フラスコに3−メトキシベンゼンチオール25.0g、水酸化ナトリウム7.13g、トルエン50g、NMP50gを加え、オイルバス中130℃にて水、トルエンを除去しながら、4時間反応させた。そこにクロロメチルトリエトキシシラン37.94gを滴下し、130℃にて4時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温に戻し、分液ロートに移しかえてトルエン120g、水90gを加えて有機層を洗浄した。洗浄は3回繰り返し行った後、有機層に硫酸マグネシウムを加え乾燥させた後、ろ過し、溶媒をエバポレーションにて除去して粗物を得た。その後、減圧蒸留にて精製し目的物である化合物4を16g得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d
6):1.19ppm(t、9H)、2.33ppm(s、2H)、3.75ppm(s、3H)、3.83ppm(q、6H)、6.70(d、1H)、6.86(d、2H)、7.20ppm(t、1H)
【化34】
【0109】
(化合物5の合成)
マグネチックスターラーを備えた300mlの三口フラスコに4−メトキシベンゼンチオール25.0g、水酸化ナトリウム7.13g、トルエン50g、NMP50gを加え、オイルバス中130℃にて水、トルエンを除去しながら、4時間反応させた。そこにクロロメチルトリエトキシシラン37.94gを滴下し、130℃にて4時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温に戻し、分液ロートに移しかえてトルエン120g、水90gを加えて有機層を洗浄した。洗浄は3回繰り返し行った後、有機層に硫酸マグネシウムを加え乾燥させた後、ろ過し、溶媒をエバポレーションにて除去して粗物を得た。その後、減圧蒸留にて精製し目的物である化合物5を20g得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d
6):1.18ppm(t、9H)、2.29ppm(s、2H)、3.73ppm(s、3H)、3.82ppm(q、6H)、6.90(d、2H)、7.28ppm(d、2H)
【化35】
【0110】
(化合物6の合成)
マグネチックスターラーを備えた300mlの三口フラスコに2−(メチルチオ)フェノール25.0g、水酸化ナトリウム7.13g、トルエン50g、NMP50gを加え、オイルバス中130℃にて水、トルエンを除去しながら、4時間反応させた。そこにクロロメチルトリエトキシシラン37.94gを滴下し、130℃にて4時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温に戻し、分液ロートに移しかえてトルエン120g、水90gを加えて有機層を洗浄した。洗浄は3回繰り返し行った後、有機層に硫酸マグネシウムを加え乾燥させた後、ろ過し、溶媒をエバポレーションにて除去して粗物を得た。その後、減圧蒸留にて精製し目的物である化合物6を20g得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d
6):1.18ppm(t、9H)、2.37ppm(s、3H)、3.73ppm(s、2H)、3.88ppm(q、6H)、6.95(t、1H)、7.02−7.18ppm(m、3H)
【化36】
【0111】
(比較化合物1の合成)
マグネチックスターラーを備えた300mlの三口フラスコに4−メトキシフェノール25.0g、水酸化ナトリウム8.05g、トルエン50g、NMP50gを加え、オイルバス中130℃にて水、トルエンを除去しながら、4時間反応させた。そこにクロロメチルトリエトキシシラン42.84gを滴下し、130℃にて4時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温に戻し、分液ロートに移しかえてトルエン120g、水90gを加えて有機層を洗浄した。洗浄は3回繰り返し行った後、有機層に硫酸マグネシウムを加え乾燥させた後、ろ過し、溶媒をエバポレーションにて除去して粗物を得た。その後、減圧蒸留にて精製し目的物である比較化合物1を25g得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d
6):1.19ppm(t、9H)、3.63ppm(s、2H)、3.70ppm(s、3H)、3.86ppm(q、6H)、6.85(d、2H)、6.91ppm(d、2H)
【化37】
【0112】
(合成例1)
化合物1を5.24g(シラン全体の10mol%)、テトラエトキシシラン25.86g(シラン全体の75mol%)、メチルトリエトキシシラン4.43g(シラン全体の15mol%)、アセトン53.29gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸11.19gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72.00gを加え、反応副生物であるエタノール、水、塩酸、アセトンを減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。140℃における固形残物換算で30重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(3−1)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1500であった。このポリマーをP1とする。
【0113】
合成例2乃至10及び比較合成例1乃至2は、合成例1と同様の操作で行った。各成分とその仕込み量を表1に示した。
【0114】
合成例2で得られたポリマーは式(3−2)に相当し重量平均分子量が1800であった。このポリマーをP2とする。
合成例3で得られたポリマーは式(3−3)に相当し重量平均分子量が1800であった。このポリマーをP3とする。
合成例4で得られたポリマーは式(3−4)に相当し重量平均分子量が1600であった。このポリマーをP4とする。
合成例5で得られたポリマーは式(3−5)に相当し重量平均分子量が1700であった。このポリマーをP5とする。
合成例6で得られたポリマーは式(3−6)に相当し重量平均分子量が1700であった。このポリマーをP6とする。
合成例7で得られたポリマーは式(3−7)に相当し重量平均分子量が1700であった。このポリマーをP7とする。
合成例8で得られたポリマーは式(3−8)に相当し重量平均分子量が1700であった。このポリマーをP8とする。
合成例9で得られたポリマーは式(3−9)に相当し重量平均分子量が2000であった。このポリマーをP9とする。
合成例10で得られたポリマーは式(3−9)に相当し重量平均分子量が1600であった。このポリマーをP10とする。
【0115】
比較合成例1で得られたポリマーは式(4−1)に相当し重量平均分子量が1700であった。このポリマーをRP1とする。
【化38】
【0116】
比較合成例2で得られたポリマーは式(3−6)に相当し重量平均分子量が1600であった。このポリマーをRP2とする。
【0117】
表1中、TEOSはテトラエトキシシランを示し、MTEOSはメチルトリエトキシシランを示し、MeOPSPは3−(4−メトキシフェニルスルホニル)プロピルトリエトキシシランを示し、MeOBSAは4−メトキシ−N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ベンゼンスルホンアミドを示す。酸は0.01M濃度のHCl水溶液を示す。
【表1】
【0118】
(レジスト下層膜形成組成物の調製)
上記合成例1乃至10及び比較合成例1乃至2で得られたケイ素含有ポリマー、酸、硬化触媒、添加剤、溶媒、水を表2に示す割合になるように混合し、0.02μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって、レジスト下層膜形成組成物の溶液をそれぞれ調製した。表2中のポリマーの割合はポリマー溶液の質量ではなく、ポリマー自体の質量を示した。
表2中でマレイン酸はMA、硬化触媒C1としてN−(3−トリエトキシシリプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール(略称はIMIDTEOS)、硬化触媒C2としてベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(略称はBTEAC)、硬化触媒C3としてマレイン酸トリフェニルスルフォニウム(略称はTPSMA)、硬化触媒C4としてトリフェニルスルホニウム硝酸塩(略称はTPSNO3)、添加剤A1としてトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート(略称はTPS105)、添加剤A2としてR−40LM(DIC(株)製、成分はフッ素系界面活性剤)、溶剤S1としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(略称はPGME)、溶剤S2としてプロピレングリコールモノエチルエーテル(略称はPGEE)、溶剤S3としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(略称はPGMEA)とした。水は超純水を用いた。各添加量は質量部で示した。
【表2】
【0119】
(有機下層膜(A層)形成組成物の調製)
窒素下、100mlの四口フラスコにカルバゾール(6.69g、0.040mol、東京化成工業(株)製)、9−フルオレノン(7.28g、0.040mol、東京化成工業(株)製)、パラトルエンスルホン酸一水和物(0.76g、0.0040mol、東京化成工業(株)製)を加え、1,4−ジオキサン(6.69g、関東化学(株)製)を仕込み撹拌し、100℃まで昇温し溶解させ重合を開始した。24時間後60℃まで放冷後、クロロホルム(34g、関東化学(株)製)を加え希釈し、メタノール(168g、関東化学(株)製)へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で80℃、24時間乾燥し、目的とするポリマー(式(E−1)、以下PCzFLと略す)9.37gを得た。
【化39】
PCzFLの
1H−NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ7.03−7.55(br、12H)、δ7.61−8.10(br、4H)、δ11.18(br、1H)。
PCzFLのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2800、多分散度Mw/Mnは1.77であった。
【0120】
得られた樹脂20gに、架橋剤としてテトラメトキシメチルグリコールウリル(三井サイテック(株)製、商品名パウダーリンク1174)3.0g、触媒としてピリジニウムパラトルエンスルホネート0.30g、界面活性剤としてメガファックR−40LM(DIC(株)製、商品名)0.06gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート88gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、多層膜によるリソグラフィープロセスに用いる有機下層膜(A層)形成組成物の溶液を調製した。
【0121】
(光学定数測定)
実施例1乃至14、比較例1乃至2で調製したSi含有レジスト下層膜形成組成物をスピナーを用い、シリコンウェハー上にそれぞれ塗布した。ホットプレート上で215℃1分間加熱し、Si含有レジスト下層膜(膜厚0.05μm)を形成した。そして、これらのレジスト下層膜について分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製、VUV−VASEVU−302)を用い、波長193および248nmでの屈折率(n値)及び光学吸光係数(k値、減衰係数とも呼ぶ)を測定した。結果を表3に示す。
【表3】
【0122】
(ドライエッチング速度の測定)
ドライエッチング速度の測定に用いたエッチャー及びエッチングガスは以下のものを用いた。
ES401(日本サイエンティフィック製):CF
4
RIE−10NR(サムコ製):O
2
実施例1乃至14、比較例1乃至2で調製したSi含有レジスト下層膜形成組成物の溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で215℃1分間加熱し、Si含有レジスト下層膜(B層)を形成した。また、同様に有機下層膜(A層)形成組成物についてもスピナーを用い、シリコンウェハー上に有機下層膜(A層)を形成(膜厚0.20μm)した。エッチングガスとしてO
2ガスを使用してドライエッチング速度を測定し、有機下層膜(A層)のドライエッチング速度と、実施例1乃至14、比較例1乃至2のSi含有レジスト下層膜のドライエッチング速度との比較を行った。酸素系ガス(O
2ガス)耐性は、〔Si含有レジスト下層膜(B層)〕/〔有機下層膜(A層)〕のエッチレート比で示した(表4)。
【0123】
また、実施例1乃至14、比較例1乃至2で調製したSi含有レジスト下層膜形成組成物の溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で215℃1分間加熱し、Si含有レジスト下層膜(B層)を形成した。また、同様に有機下層膜(A層)形成組成物についてもスピナーを用い、シリコンウェハー上に有機下層膜(A層)を形成(膜厚0.20μm)した。そして、フッ素系ガス(CF
4ガス)を使用してエッチレート(エッチング速度:nm/分)を測定した。上記と同様にフッ素系ガス(CF
4ガス)耐性は、〔Si含有レジスト下層膜(B層)〕/〔有機下層膜(A層)〕のエッチレート比で示した(表4)。
【0124】
〔パターン形状の評価〕
有機下層膜(A層)形成組成物をシリコンウエハー上に塗布し、ホットプレート上で240℃で60秒間ベークし、膜厚200nmの有機下層膜(A層)を得た。その上に、実施例1乃至14、並びに比較例1乃至2で調製されたSi含有レジスト下層膜形成組成物をスピナーにより、塗布した。その後、215℃のホットプレート上で1分間ベークし、レジスト下層膜(膜厚0.06μm)を形成した。このレジスト下層膜の上に、市販のフォトレジスト溶液(東京応化工業(株)製、商品名:TDUR−P3435LP)をスピナーにより塗布し、90℃のホットプレート上で1分間加熱してフォトレジスト膜(膜厚0.25μm)を形成した。次いで、(株)ニコン製NSR−S205Cレンズスキャニング方式ステッパー(波長248nm、NA:0.75、σ:0.85(CONVENTIONAL))を用い、現像後にフォトレジストパターンのライン幅及びそのライン間の幅が0.16μmになるよう設定されたマスクを通して、露光を行った。その後、110℃のホットプレート上で1分間“露光後加熱”を行なった。冷却後、現像液として2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像した。現像後のレジスト形状を評価した(表4)。
【表4】