(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る仕切弁の実施形態を、図面に基づいて説明する。
また、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法及び比率が実際のものとは適宜に異ならせてある。
本発明の技術範囲は、以下に述べる実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本実施形態において、可動弁部Aは本発明の第1可動弁部に対応し、可動弁部Bは本発明の第2可動弁部に対応している。また、付勢部Aは本発明の第1付勢部に対応し、付勢部Bは本発明の第2付勢部に対応し、付勢部Cは本発明の第3付勢部に対応している。
【0032】
<実施形態>
図1は、本実施形態における仕切弁の構成を示す平面図である。
図2は、本実施形態における仕切弁の構成を示す縦断面図で、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合を示す図である。
図2は、
図1における線分B−O−Cに相当する。
図3〜
図6は、
図2と同様に、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合を示す図である。
図3は、
図1における線分A−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁箱に内蔵された付勢部Aの付近に位置する部材の構造を示す図である。
図4は、
図1における線分B−Oに沿う要部を示す拡大図であり、可動弁部Aと可動弁部Bとの間に配された付勢部Bの付近に位置する部材の構造を示す図である。
図5は、
図1における線分C−Oに沿う要部を示す拡大図であり、付勢部Aと付勢部Bが存在しない位置における可動弁部Aと可動弁部Bを示す図である。
図6は、
図1における付勢部Cの要部を示す拡大図であり、
図2において付勢部Cを紙面奥行き方向に見た図である。
【0033】
図7は、本実施形態における仕切弁の構成を示す縦断面図で、弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)に配置されている場合を示す図である。
図7は、
図1における線分B−O−Cに相当する。
図8〜
図11は、
図7と同様に、弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)に配置されている場合を示す図である。
図8は、
図1における線分A−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁箱に内蔵された付勢部Aの付近に位置する部材の構造を示す図である。
図9は、
図1における線分B−Oに沿う要部を示す拡大図であり、可動弁部Aと可動弁部Bとの間に配された付勢部Bの付近に位置する部材の構造を示す図である。
図10は、
図1における線分C−Oに沿う要部を示す拡大図であり、付勢部Aと付勢部Bが存在しない位置における可動弁部Aと可動弁部Bを示す図である。
図11は、
図1における付勢部Cの要部を示す拡大図であり、
図7において付勢部Cを紙面奥行き方向に見た図である。
【0034】
図12は、本実施形態における仕切弁の構成を示す縦断面図で、弁体が逆圧位置に配置されている場合を示す図である。
図12は、
図1における線分B−O−Cに相当する。
図13〜
図15は、
図12と同様に、弁体が逆圧位置に配置されている場合を示す図である。
図13は、
図1における線分A−Oに沿う要部を示す拡大図であり、弁箱に内蔵された付勢部Aの付近に位置する部材の構造を示す図である。
図14は、
図1における線分B−Oに沿う要部を示す拡大図であり、可動弁部Aと可動弁部Bとの間に配された付勢部Bの付近に位置する部材の構造を示す図である。
図15は、
図1における線分C−Oに沿う要部を示す拡大図であり、付勢部Aと付勢部Bが存在しない位置における可動弁部Aと可動弁部Bを示す図である。
【0035】
図23は、
図2における油圧駆動装置および付勢部Aを説明する概略構成図である。
図24は、
図2における付勢部Aの配置を説明するための斜視図である。
図25は、
図2における付勢部Aの配置を説明するための斜視図である。
図26〜
図28は、
図2における油圧駆動装置を示す断面図である。
【0036】
[振り子型仕切弁]
本発明の実施形態に係る仕切弁100は、
図1〜
図15に示すように、振り子型スライド弁である。
仕切弁100は、中空部11と、中空部11を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部12a及び第2開口部12bとを有する弁箱10と、弁箱10の中空部11内に配置され第1開口部12aを閉塞可能な中立弁体5を備える。
第1開口部12aから第2開口部12bに向かって流路Hが設定されている。なお、以下の説明において、この流路Hに沿った方向を流路方向Hと称することがある。
【0037】
仕切弁100は、中立弁体5を第1開口部12aに対して閉塞状態(
図7)にする弁閉塞位置と、中立弁体5を第1開口部12aから退避した開放状態(
図2)にする弁開放位置との間で動作する、位置切り替え部として機能する。また、仕切弁100は、流路方向Hに延在する軸線を有する回転軸20を有する。
【0038】
中立弁体5は、前記位置切り替え部(中立弁体5)に接続される中立弁部30、及び、中立弁部30に対して流路方向Hの位置が変更可能に接続される可動弁部40、から構成されている。
【0039】
可動弁部40は、可動弁部A60(可動弁枠部)と可動弁部B50(可動弁板部)を備える。可動弁部A60(可動弁枠部)は、可動弁部Aに周設され第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面に密着される第1シール部61が設けられる。可動弁部B50(可動弁板部)は、可動弁部A60(可動弁枠部)に対して流路方向Hに摺動可能とされる。
【0040】
弁箱10には、複数の付勢部A70(ピストン:旧メインバネに相当)が内蔵されている。弁箱10の内部に配置された付勢部A70は、可動弁部A60をシール面に向く方向に押圧する、伸縮が可能な昇降機構を構成している。付勢部A70は、油圧駆動装置(非圧縮性流体駆動装置)700に接続されており油圧によって駆動される。
【0041】
これにより、付勢部A70は、可動弁部A60を流路方向Hにおける第1開口部12aに向けて付勢して第1シール部61を第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面に密着可能とする機能を有する。
【0042】
また、本発明の実施形態に係る仕切弁は、可動弁部Aを中立弁部に対して流路方向における位置が変更可能に接続するとともに、可動弁部Aを前記流路方向における中央位置に向けて付勢する付勢部Cを備える。
さらに、本発明の実施形態に係る仕切弁は、弁箱の内部に、可動弁部Aを弁箱内面10Aのシール面に向く方向に押圧する、伸縮が可能な昇降機構を構成する付勢部Aを有する。
【0043】
この構成によれば、2つの可動弁部A、Bと1つの付勢部Bとによって弁体を構成し、もう1つの付勢部Aは弁箱に内蔵した構成が得られるので、付勢部Aの重量分だけ弁体構造の軽量化が図れる。本発明の実施形態に係る仕切弁においては、開弁状態(
図2)から閉弁状態(
図7)とする場合には付勢部Aが機能し、逆に閉弁状態(
図7)から開弁状態(
図2)とする場合には付勢部Cが機能する。
【0044】
可動弁部A60(可動弁枠部)と可動弁部B50(可動弁板部)との間には、付勢部B(バネ:旧エアシリンダに相当)が配されている(可動弁部に内蔵されている)。付勢部Bは、可動弁部A60(可動弁枠部)と可動弁部B(可動弁板部)との流路方向Hにおける厚み寸法を、調整が可能なように駆動する。
【0045】
回転軸20が符号R1で示された方向(流路Hの方向に交差する方向)に回転すると、この回転に従って、接続部材(不図示)を介して回転軸20に固定されている中立弁部30も方向R1に沿って回動する。また、可動弁部40は中立弁部30に厚さ方向のみ摺動可能として接続されているため、可動弁部40は、中立弁部30と一体に回転する。
【0046】
このように中立弁部30を回転することにより、流路Hが設けられていない中空部11とされる退避位置から第1開口部12aに対応する位置とされる流路Hの弁閉位置に可動弁部40が振り子運動で移動する。
【0047】
そして、弁箱10に内蔵された付勢部A70は、弁箱10の内部に配置され油圧駆動装置700から供給された油圧(加圧非圧縮性流体)によって駆動可能な油圧駆動部(固定部)71と、この油圧駆動部(固定部)71によって、固定部71から可動弁部A60に向く方向へ伸縮が可能な可動部72とから構成されている。
【0048】
また、可動部72の周囲には、可動部72の先端側位置にリング状のシール部材(Oリング)75が設けられている。シール部材75によって油圧駆動部(固定部)71から可動弁部A60が配置されている真空側(真空空間)を隔離するように、可動部72がシールされた状態で、可動部72が伸縮自在とされている。
【0049】
これにより、付勢部A70は、油圧によって付勢部A70の先端部を可動弁部A60に当接させて、可動弁部A60を第1開口部12aに向けて移動させる機能を備えている。
【0050】
付勢部A70は、可動弁部A60を第1開口部12aに向けて移動させる機能により、可動弁部A60を弁箱10の内面に接しさせ、可動弁部A60を前記弁箱10の内面に押圧し、流路Hを閉鎖する(閉弁動作)。
【0051】
逆に、付勢部C90は、可動弁部A60を第1開口部12aから離間可能とする機能により、可動弁部A60を弁箱10の内面から引き離した後、可動弁部A60を退避させることにより、前記流路Hを開放する(解除動作)。
弁箱10の内面に対して可動弁部A60を当接させる付勢部A70による機械的な当接動作と、弁箱10の内面から可動弁部A60を引き離す付勢部C90による機械的な分離動作によって、閉弁動作と解除動作が可能となる。
【0052】
この解除動作の後に、回転軸20が符号R2で示された向きに回転する(退避動作)と、この回転に従って中立弁部30および可動弁部40(すなわち、可動弁部A60と可動弁部B50)も向きR2に回動する。
【0053】
さらに、可動弁部A60と可動弁部B50との流路方向Hにおける厚み寸法を、調整可能なように駆動する付勢部Bは、前記可動弁部Aと前記可動弁部Bとの間に配されている。すなわち付勢部Bは、可動弁部に内蔵されている。この付勢部Bの存在により、可動弁部Aと前記可動弁部Bは、一連の動作(閉弁動作、解除動作、退避動作)において連動する。
この解除動作と退避動作とにより、可動弁部40は上記弁開閉位置から上記退避位置に退避して弁開状態とする弁開動作が行われる。
【0054】
このように、本発明の実施形態に係る仕切弁においては、2つの可動弁部A60及び可動弁部B50と2つの付勢部B80及び付勢部C90とによって弁体を構成し、もう1つの付勢部Aは弁箱に内蔵した構成が得られる。すなわち、本発明の実施形態では、もう1つの付勢部Aが弁箱に内蔵された分だけ、弁体の軽量化が可能となる。
したがって、本発明の実施形態によれば、高い信頼性の仕切り動作が可能であり、可動弁部の軽量化が図れるとともに、100%の逆圧キャンセル率が実現できる、仕切弁を提供することができる。
【0055】
[弁箱10]
弁箱10は、中空部11を有するフレームによって構成されている。フレームの図示上面には第1開口部12aが設けられており、フレームの図示下面には第2開口部12bが設けられている。
仕切弁100は、第1開口部12aが露出されている空間(第1空間)と第2開口部12bが露出されている空間(第2空間)の間に挿入される。仕切弁100は、第1開口部12aと第2開口部12bとをつなげている流路H、即ち、第1空間と第2空間とをつなげている流路Hを仕切り(閉鎖し)、この仕切り状態を開放する(第1空間と第2空間をつなぐ)。
弁箱10の中空部11には、回転軸20、中立弁部30、可動弁部40を構成する2つの可動弁部A60(スライド弁板)と可動弁部B50(カウンター板)、及び、2つの付勢部B80(保持バネ)と付勢部C90(補助バネ)が設けられている。弁箱10を構成するフレームの内部には、付勢部A(昇降機構)が設けられている。
【0056】
[回転軸20]
回転軸20は、流路Hとほぼ平行状態に延在して弁箱10を貫通するとともに回転可能に設けられている。回転軸20は、不図示の駆動装置により回転可能である。
回転軸20には、接続部材(不図示)が固着されている。この接続部材は、例えば、略平板状の部材であり、回転軸20の一端に対してネジ等によって固着される。
【0057】
[中立弁部30]
中立弁部30は、回転軸20の軸線に対して直交する方向に延在し、この方向に平行な面に含まれるように配置される。中立弁部30は、接続部材(不図示)を介して、あるいは接続部材(不図示)を介さずに直接、回転軸20に固定される。
【0058】
図1に示すように、中立弁部30は、可動弁部40に重なる円形部30aと、回転軸20の回転に伴って円形部30aを回転させる回転部30bとを有する。回転部30bは、回転軸20と円形部30aとの間に位置しており、回転軸20から円形部30aに向けて、2本の腕が延びたアーム形状で形成されている。これにより、円形部30aは、アーム部と呼称される場合もある。
これら回転軸20、中立弁部30は、弁箱10に対して回動はするが、流路H方向には位置変動しないように設けられている。
【0059】
回転軸20は、中立弁部30に対して流路方向Hに沿った上側と下側のいずれにも選択的に接続することができる。あるいは、回転軸20に対して、中立弁体5の全体、即ち、中立弁体5の両面に取り付けることができる。
本実施形態においては、仕切弁の閉弁時において、可動弁部40が第1開口部12aを塞ぐように中立弁体5が移動する仕切弁の配置に基づき、仕切弁の開閉動作が行われる場合について説明する。
【0060】
[可動弁部40、可動弁部B50(可動弁板部:カウンター板)、可動弁部A60(可動弁枠部:スライド弁板)]
可動弁部40は略円板状とされ、円形部30aと略同心円状に形成された可動弁部B50と、この可動弁部B50の周囲を囲むように配置された略円環状の可動弁部A60とを有する。可動弁部A60は、中立弁部30に流路H方向に摺動可能として接続されている。また、可動弁部B50は、可動弁部A60に摺動可能として嵌合されている。
【0061】
可動弁部B50と可動弁部A60とは、付勢部B80(保持バネ)によって符号B1,B2(
図2)で示された方向(往復方向)に摺動しながら移動可能である。ここで、符号B1,B2で示された方向とは、可動弁部B50および可動弁部A60の面に垂直な方向であり、回転軸20の軸方向に平行な流路H方向である。
【0062】
また、可動弁部B50の外周付近における全領域には、内周クランク部50cが形成されている。また、可動弁部A60の内周付近における全領域には、外周クランク部60cが形成されている。
【0063】
本実施形態においては、外周クランク部60cは、流路H方向と平行な摺動面60bを有する。内周クランク部50cは、流路H方向と平行な摺動面50bを有する。外周クランク部60c及び内周クランク部50cは、摺動面50b、60bどうしが摺動可能となるように嵌合している。この摺動を可能にするため、Oリング等からなる第3シール部52(摺動シールパッキン)が外周クランク部60cと内周クランク部50cとの間に配されている。
【0064】
弁箱10の内面に対向(当接)する可動弁部A60の表面には、第1開口部12aの形状に対応して円環状に形成された、例えば、Oリング等からなる第1シール部61(弁板シールパッキン)が設けられている。
【0065】
この第1シール部61は、閉弁時に可動弁部40が第1開口部12aを覆っている状態で、第1開口部12aの周縁となる弁箱10の弁箱内面10Aに接触し、可動弁部A60及び弁箱10の弁箱内面10Aによって押圧される。これによって、第1空間は第2空間から確実に隔離される(仕切り状態が確保される)。
弁箱10の弁箱内面10Aに対向(当接)する可動弁部B50の表面には、第2開口部12bの形状に対応して円環状に形成された、例えば、Oリング等からなる第2シール部51(カウンタークッション)が設けられている。
【0066】
[付勢部B80(保持バネ)]
付勢部B80(保持バネ)は、可動弁部Aと可動弁部Bとの間に位置しており、可動弁部A60と可動弁部B50とが重なる領域に、局所的に配置される。すなわち、付勢部B80は、可動弁部40(可動弁部A60と可動弁部B50との間)に内蔵されている。付勢部B80を設ける箇所は、3箇所以上が好ましく、互いに離間して設けられる。互いに離間する付勢部B80の配置としては、等間隔の配置に限定されず、複数の付勢部B80が非等間隔で配置されている構造が採用されても構わない。
図1は、弁体の中心Oから見て、3個の付勢部B80が同じ角度位置(120度)に配された構成例を示している。
【0067】
付勢部B80は、可動弁部A60(可動弁枠部:スライド弁板)に固定されたボルト状のガイドピン81の長軸部によって、可動弁部Bの動きを誘導(規制)するように構成されている。付勢部B80を構成する保持バネは、弾性部材(例えば、スプリング、ゴム等)で形成されている。
【0068】
付勢部B80(保持バネ)は、可動弁部A60と可動弁部B50との流路方向Hにおける厚み寸法を、調整が可能なように駆動する。これにより、可動弁部B50は、可動弁部A60の動く方向(符号B1の方向,あるいは符号B2の方向)へ連動する。その際、可動弁部B50は、流路方向Hにおける厚み寸法を調整が可能なように駆動するので、上述した閉弁時には、可動弁部A60の第1シール部61が弁箱10の弁箱内面10Aに接触する際の衝撃を緩和する。
【0069】
また、開弁時や逆圧時には、可動弁部B50の第2シール部51が弁箱10の弁箱内面10Bに接触する際の衝撃を緩和する。この衝撃を受けた際に、可動弁部B50と弁箱内面10Bと第2シール部51によって密閉空間が形成される。この密閉空間に圧力を与えている気体を除去するために、可動弁部B50には気抜き穴53が設けられる。
【0070】
[ガイドピン81]
ガイドピン81は、可動弁部A60に固設されて流路方向Hに立設されており、太さ寸法が均一の棒状体で構成されている。ガイドピン81は、付勢部B80内を貫通し、可動弁部B50に形成された孔部50hに嵌合している。
【0071】
このガイドピン81は、可動弁部B50と可動弁部A60とが摺動する方向(符号Qで示す軸)が符号B1,B2に示された方向からずれないように、かつ、可動弁部B50と可動弁部A60とが摺動した際にも、可動弁部B50及び可動弁部A60の姿勢が変化せずに平行移動を行うように、可動弁部B50と可動弁部A60の位置規制を確実に誘導する。
【0072】
[付勢部C90(補助バネ)]
付勢部C90(補助バネ)は、中立弁部30と可動弁部A60との間に設けられ、弁箱10の流路方向Hにおいて、可動弁部A60を中立弁部30に対して流路方向における位置が変更可能に接続するとともに、可動弁部Aを前記流路方向における中央位置に向けて付勢する。これにより、本発明の実施形態において、仕切弁が閉弁状態(
図7)から開弁状態(
図2)に変わる場合に、付勢部C90が機能する。すなわち、付勢部C90は、閉弁状態(
図7)から、弁箱10の内面から可動弁部A60を引き離す機械的な分離動作を促す構造を有する。
【0073】
付勢部C90は、中立弁部30の外周位置に位置する円形部30aを有し、可動弁部A60の外周位置に位置し、円形部30aと重なる部位(位置規制部65)に設けられている。
付勢部C90は、弁体の中心Oから見て、付勢部B80と同じ角度位置に配されている。
図1は、3個の付勢部C90が配置された構成例を示している。
付勢部C90も付勢部B80と同様に弾性部材(例えば、スプリング、ゴム、板バネ等)である。
【0074】
中でも、付勢部C90として板バネ(
図6、
図11)を用いた場合は、可動弁部A60を中立弁部30(アーム)に向けて引き込み保持する機能α[閉弁状態(
図7)から機械的な分離動作を促す機能]に加えて、中立弁部30(アーム)に対する可動弁部A60の半径方向の位置を保持する機能βも備えることができるので、より好ましい。
【0075】
図6は、仕切弁が開弁状態(
図2)にある場合の付勢部C90を示す模式的な断面図である。
図11は、仕切弁が閉弁状態(
図7)にある場合の付勢部C90を示す模式的な断面図である。
図6や
図11に示すように、板バネ(付勢部C90)の両端部に近い部分が、固定ピン92,93によってリング状部材92a、92bを挟んで、中立弁部30の円形部30aの周方向に沿って係止されている。また、板バネの中央部に近い部分が、印圧ピン91によって可動弁部A60の位置規制部65に係止されている。
【0076】
仕切弁が開弁状態(
図2)にある板バネは、曲部90Aを有することにより、高さ方向の距離が縮まった状態、すなわち、中立弁部30(アーム)に対する可動弁部A60の離間距離が狭くなった状態にある(
図6)。
【0077】
これに対して、仕切弁が閉弁状態(
図7)にある場合の板バネは、
図6に示す曲部90Aを解消することにより、高さ方向の距離が伸びた状態、すなわち、中立弁部30(アーム)に対する可動弁部A60の離間距離が広がった状態にある(
図11)。
このように、付勢部C90として、極めて簡素な構造からなる板バネを採用することで、本発明の実施形態に係る仕切弁における付勢部C90は、上述した2つの機能(機能αと機能β)が安定して得られる。
【0078】
[付勢部A70(昇降機構)]
付勢部A70(昇降機構)は、弁箱に内蔵されており、上述した2つの可動弁部A、可動弁部B及び2つの付勢部B、付勢部Cを含む弁体、とは別体をなしている。
付勢部A70は、油圧駆動装置700から油(作動流体、加圧非圧縮性流体)が供給されることで油圧駆動部(固定部)71に作用した油圧により、可動部72の先端部を可動弁部A60に向けて伸長する。この動作によって、付勢部A70は、可動弁部A60を流路方向Hに沿って第1開口部12aに向けて付勢する。付勢部A70は、この可動部72の伸長動作により、第1シール部61を第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aに密着可能とする機能を有している。
【0079】
この可動部72の伸長動作は、弁箱10に内蔵された複数の付勢部A70においていずれもほぼ同時に動作可能とされている。
付勢部A70は、逆に第1シール部61を第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aから離間可能とする機能は有していないが、自ら(後述する可動部72)が初動する位置(後述する固定部71内の位置)に戻る機能は備えている。ゆえに、付勢部A70は、付勢部A70から可動弁部A60へ向かう方向へ伸縮可能な昇降機構である。
【0080】
このような構成を有する複数の付勢部A70は各々、弁箱10において、可動弁部A60に対して作用する位置に配され、かつ、可動弁部A60に沿って設けられる。
図1に示す構成例においては、付勢部A70を設ける箇所は、3箇所以上が好ましく、互いに離間して設けられる。
【0081】
互いに離間する付勢部A70の配置としては、等間隔の配置に限定されず、複数の付勢部A70が非等間隔で配置されている構造が採用されても構わない。
図1および
図23,
図24は、弁体の中心Oから見て、4個の付勢部A70が同じ角度位置(90度)に配された構成例を示している。
図1に示す構成例における付勢部A70は、付勢部A70の角度位置が前述した付勢部B80と付勢部Cが配置された角度位置と重ならないように構成されている。
【0082】
本実施形態における付勢部A70は、弁箱10の内部に設けられた油圧駆動部(固定部)71と、油圧駆動部(固定部)71から可動弁部A60に向く方向へ伸縮可能な可動部72とから構成されている。
【0083】
油圧駆動部(固定部)71は、油圧駆動装置700に接続されており、この油圧駆動装置700から供給された油圧によって可動部72を上記方向に伸縮可能な構成とされている。
【0084】
油圧駆動装置700は、
図23に示すように、油圧駆動部(固定部)71に油圧を供給する油圧を発生させる油圧発生部701と、油圧発生部701から油圧駆動部(固定部)71に接続される油圧管702と、油圧管702に設けられて可動弁部A60の開動作終了時に油圧供給を切断するように作動可能なソレノイドバルブ703と、油圧管702に設けられて回転軸20の回転が閉位置となっていることを検出して油圧供給を切り替え可能な切替弁704と、油圧発生部701を駆動するモータ等の駆動部705と、駆動部705を制御する制御部(コントローラ)706と、駆動部705を駆動するための電力を供給する電源707と、を有する。
【0085】
また、油圧発生部701は、
図26〜
図28に示すように、ノーマルクローズが可能な構成とされている。
付勢部A70は、油圧駆動時に、作動流体である油が、可動弁部A60が配置されている真空側に漏れることを防止する多段のシール構造が設けられている。
油圧発生部701は、可動部72を伸縮動作する際に、正圧または負圧となる油圧を油圧駆動部(固定部)71に供給するとともに、動作終了時に、油圧駆動部71に対する油圧供給を切断可能とされている。また、油圧発生部701は、可動弁部A60への可動部72の当接状態を適切に制御可能となっている。
【0086】
図26〜
図28は、油圧駆動装置700における油圧発生部701を示す断面図である。
図26は、油圧駆動装置700における油圧発生部701の閉弁状態を示す。
図27は、油圧駆動装置700における油圧発生部701の閉開状態を示す。
図28は、油圧駆動装置700における油圧発生部701の過圧状態を示す。
【0087】
油圧発生部701は、
図26に示すように、油圧駆動部(固定部)71に非圧縮性流体である圧油を加圧して供給する油圧シリンダ710と、油圧シリンダ710を付勢する付勢部材720と、付勢部材720に抗して油圧シリンダ710を駆動可能なシリンダ駆動部730と、これらの部材を収納するケーシング750と、を備えている。
【0088】
油圧シリンダ710は、有底筒状のシリンダ本体711と、シリンダ本体711の内部で軸線方向に相対的に移動可能なピストン712とを有する。
ピストン712は、ピストン712の軸線に沿って内部を貫通する油圧流路713を有し、油圧流路713が油圧管702に接続されている。油圧流路713は、非圧縮性流体である圧油(駆動流体)を油圧管702に対して流入可能または流出可能である。
【0089】
油圧管702に接続されるピストン712の油圧流路713は、ケーシング750を貫通する。ピストン712の端部712aは、Oリングおよびシール材によってシールされてケーシング750に取り付け固定される。
ピストン712の端部712aと反対側となる端部712bは、シリンダ本体711の内部に位置する。ピストン712は、シリンダ本体711に同軸上に位置する。
【0090】
シリンダ本体711の端部711a(第1端)は開口されている。シリンダ本体711の端部711aを通じて、シリンダ本体711の内部にピストン712の端部712bが挿入される。
シリンダ本体711は、ピストン712に対して軸線方向に相対的に移動可能である。シリンダ本体711は、ケーシング750に対して軸線方向に相対的に移動可能である。
【0091】
シリンダ本体711の端部711b(第2端)は、シリンダ本体711の内部空間を閉塞している。シリンダ本体711の底面(端部711bとは反対の面)と、ピストン712の端部712bの端面との間で油圧空間714が形成される。油圧空間714には、非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が充填される。
【0092】
油圧空間714の容積は、シリンダ本体711がピストン712に対して軸線方向に相対的に移動した場合に増減する。この油圧空間714の容積の増減にともない、油圧空間714に充填された圧油が、油圧流路713を介して油圧管702に流入または流出する。
【0093】
シリンダ本体711の端部711aには、フランジ部711cが外周位置に設けられる。フランジ部711cは、端部711aにおいて、シリンダ本体711の径方向外側に張り出して周設される。
【0094】
ケーシング750の内部において、シリンダ本体711の端部711bに向かう面には、付勢部材720となる内バネ721の端部721bおよび外バネ722の端部722bが当接している。
フランジ部711cにおいて、端部711aとは反対側の面には、シリンダ本体711の外周面に近接して周溝711dが周設される。周溝711dには、付勢部材720となる内バネ721の端部721aが当接している。フランジ部711cにおいて、周溝711dの外周位置には、外バネ722の端部722aが当接している。
【0095】
付勢部材720は、内バネ721および外バネ722を有する。内バネ721および外バネ722は、コイルバネとされる。内バネ721および外バネ722は、シリンダ本体711およびピストン712と同軸状に配置される。内バネ721は、シリンダ本体711の外周面の径寸法よりもやや大きい内径寸法を有する。外バネ722は、内バネ721の外径寸法よりもやや大きい内径寸法を有する。外バネ722は、内バネ721よりも大きな線径とされる。外バネ722は、内バネ721よりも大きな付勢力を有する。
【0096】
内バネ721および外バネ722は、伸縮方向への付勢力をシリンダ本体711に伝達可能とされている。内バネ721および外バネ722は、いずれもシリンダ本体711のフランジ部711cを、ピストン712の端部712aに向けて押圧するように付勢する。
内バネ721の端部721bおよび外バネ722の端部722bは、ケーシング750に当接している。これにより、付勢部材720は、シリンダ本体711をケーシング750に対して付勢する。
【0097】
なお、付勢部材720は、シリンダ本体711を付勢することが可能であれば、この構成に限られない。
【0098】
シリンダ本体711の内周面には、端部711aに近接する位置に、ブシュ711e、Y形パッキン711f,711gが設けられる。シリンダ本体711の内周面とピストン712の外周面とは摺動可能に密閉される。
シリンダ本体711の端部711bには、外側位置にシリンダ駆動部730の駆動軸731の端部731aが同軸状として接続される。
【0099】
シリンダ駆動部730は、シリンダ本体711をピストン712に対して軸線方向に相対的に移動させる駆動軸731と、モータ等の駆動部705によって駆動軸731を駆動する駆動伝達部と、を有する。
【0100】
駆動軸731は、シリンダ本体711およびピストン712と同軸状態としてケーシング750内に配置される。駆動軸731は、軸方向に移動可能とされる。駆動軸731は、ピストン712およびケーシング750に対して軸線方向に相対的に移動可能である。
駆動軸731の外周面には、端部731aに近接する位置に、ボールネジ731cが形成される。
駆動軸731の軸方向におけるボールネジ731cの長さは、シリンダ本体711が軸方向に移動する際、ボールネジ731cの全ての範囲(周領域、ネジ形成面)に対して、後述する内側螺面732cが螺合状態を維持可能なように設定される。
【0101】
駆動軸731の径方向外側には、ボールネジ731cの外周位置に、ネジ駆動ギア732が同軸状に配置される。駆動軸731は、ネジ駆動ギア732によってケーシング750に対して支持される。
【0102】
駆動軸731の端部731aと反対側となる端部731bには、後述する回り止め731hが径方向に突出して設けられる。回り止め731hは、ケーシング750に設けられたすべり溝757の内部に位置して、駆動軸731が回転しないで軸方向に移動可能なように駆動軸731の移動方向を規制している。
【0103】
ネジ駆動ギア732は筒状とされる。ネジ駆動ギア732は、ケーシング750に対して回転可能に支持される。
ネジ駆動ギア732の外周にはボールベアリング732f,732gが設けられる。ボールベアリング732f,732gは、ケーシング750に対して駆動軸731と同軸に回転可能としてネジ駆動ギア732を支持する。
【0104】
なお、ネジ駆動ギア732は、ケーシング750に対して軸方向には移動しない。
ネジ駆動ギア732の内周には内側螺面732cが形成される。内側螺面732cは、駆動軸731のボールネジ731cと螺合する。
【0105】
ネジ駆動ギア732が回転した場合、内側螺面732cと螺合しているボールネジ731cにより、駆動軸731に回転力が作用する。駆動軸731は、回り止め731hおよびすべり溝757によって回転が規制されている。したがって、駆動軸731は、すべり溝757に規制された方向、すなわち、駆動軸731の軸方向に移動する。
【0106】
ネジ駆動ギア732の外周には外側ギア732dが形成される。外側ギア732dは、ネジ駆動ギア732の軸方向において、ボールベアリング732fおよびボールベアリング732gの間に挟まれた位置に形成される。ネジ駆動ギア732において、外側ギア732dは、径方向の最外側に位置する。
【0107】
なお、ネジ駆動ギア732は、内側螺面732cの形成された内ネジ駆動ギア732aと、外側ギア732dの形成された外ネジ駆動ギア732bと、が一体として接続されていることができる。
【0108】
外側ギア732dは、駆動ギア733dと噛合する。駆動ギア733dは、駆動軸731の軸線と平行な回転軸線を有する。駆動ギア733dは、駆動軸731の軸線と平行な回転軸734に回転自在に支持される。回転軸734は、駆動軸731の径方向における外側に離間した位置にてケーシング750に支持される。
駆動ギア733dは、駆動ギア733dと同軸上にある駆動ギア733eと一体に形成される。駆動ギア733eは、駆動ギア733dよりも大きな径寸法を有する。駆動ギア733eは、駆動ギア733dと一体に回転する。
【0109】
駆動ギア733eは、駆動ギア735と噛合する。駆動ギア735は、駆動軸731の軸線と平行な回転軸線を有する。駆動ギア735は、駆動軸731の軸線と平行な回転軸736に回転自在に支持される。回転軸736は、駆動軸731の径方向における外側位置で、回転軸734よりもさらに離間した位置にてケーシング750に支持される。
【0110】
駆動ギア735は、駆動ギア737と噛合する。駆動ギア737は、駆動軸731の軸線と平行な回転軸線を有する。駆動ギア737は、駆動軸731の軸線と平行なモータ等の駆動部705の回転駆動軸705aに固定される。回転駆動軸705aは、駆動軸731の径方向における外側位置で、回転軸736よりもさらに離間した位置に配置されている。回転駆動軸705aは、ケーシング750に貫通状態として回転可能に取り付けられる。
【0111】
ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f,732g、内側螺面732c、外側ギア732d、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737は、駆動伝達部を構成する。
【0112】
ケーシング750は、筒状のケーシング筒751と、ケーシング筒751の一端を閉塞するケーシング蓋752と、ケーシング筒751の他端を閉塞する後ケーシング753と、ケーシング筒751の内部(収納空間755)においてケーシング蓋752と後ケーシング753との間に設けられるリング754と、後ケーシング753の他端を閉塞する蓋部758と、からなる。
【0113】
ケーシング筒751は、シリンダ本体711、ピストン712、駆動軸731と同軸状に延在する内部形状を有する。ケーシング筒751の内部は、収納空間755を形成している。
【0114】
収納空間755は、シリンダ本体711と、ピストン712と、付勢部材720となる内バネ721および外バネ722と、駆動軸731の端部731aと、を内部に収納する。
収納空間755は、2つの開口を有する。2つの開口のうち一方には、ピストン712が位置しており、この開口はケーシング蓋752によって閉塞されている。
【0115】
ケーシング蓋752にはピストン712が接続固定されている。ケーシング蓋752にはピストン712の端部712aが貫通している。
収納空間755の2つの開口のうち他方には、駆動軸731の位置しており、この開口は後ケーシング753によって閉塞されている。後ケーシング753には、駆動軸731が貫通している。
収納空間755には、後ケーシング753に近接する位置に、リング754が設けられる。
【0116】
リング754は、駆動軸731と同軸として駆動軸731の周囲に配置される。リング754の内周と駆動軸731の外周とは離間している。
リング754は、フランジ部711cの内周、すなわち、シリンダ本体711の外周面の径寸法と等しい内径を有する。また、リング754は、フランジ部711cの外径寸法と等しい外径を有する。
【0117】
リング754のケーシング蓋752に対向する面には、付勢部材720となる内バネ721の端部721bおよび外バネ722の端部722bが当接している。
リング754のケーシング蓋752に対向する面には、周溝711dに対応するように周溝754dが周設される。周溝754dには、付勢部材720となる内バネ721の端部721bが当接している。周溝754dの外周に位置し、かつ、リング754のケーシング蓋752に向かう面には、外バネ722の端部722bが当接している。
【0118】
ケーシング筒751と後ケーシング753とは、収納空間755よりも駆動軸731の径方向外側に向けて延在する駆動系支持部751k,753kが設けられる。駆動系支持部751k,753kは、ケーシング筒751および後ケーシング753に対して周方向の一部分をなすフランジ状に形成される。
【0119】
駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとは、互いに接触している。駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとの間には、ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f,732g、内側螺面732c、外側ギア732d、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737が挟持される。
【0120】
駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとの対向する面には、ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f,732g、内側螺面732c、外側ギア732d、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737に対応する凹凸部が形成されている。凹凸部は、これらの部材を支持している。
また、駆動系支持部751kには、回転駆動軸705aが貫通している。駆動系支持部751kには、モータ等の駆動部705が取り付けられている。
【0121】
ケーシング筒751と外ネジ駆動ギア732b(ネジ駆動ギア732)との間にはボールベアリング732fが設けられる。ボールベアリング732fは、ケーシング筒751に対してネジ駆動ギア732を回転可能に支持する。
後ケーシング753と外ネジ駆動ギア732b(ネジ駆動ギア732)との間にはボールベアリング732gが設けられる。ボールベアリング732gは、後ケーシング753に対してネジ駆動ギア732を回転可能に支持する。
【0122】
後ケーシング753には、駆動軸731が軸方向に移動した際に、駆動軸731の端部731bの逃げとなる後空間756が形成される。
後空間756と収納空間755との境界となる位置には、ネジ駆動ギア732が配置される。つまり、後空間756と収納空間755との境界となる位置には、駆動軸731が軸方向に移動可能として配置されている。
【0123】
後空間756には、拡径するようにすべり溝757が形成される。すべり溝757は、駆動軸731の径方向外側に位置する。回り止め731hがすべり溝757の内部を摺動することで、駆動軸731の回転を規制するとともに、駆動軸731の軸方向の移動を可能とする。
後空間756の端部は、蓋部758によって閉塞されている。
【0124】
後空間756において蓋部758に近い位置には、駆動軸731の端部731bが当接可能なリミッタスイッチ760が設けられる。リミッタスイッチ760は、制御部706に接続される。
【0125】
リミッタスイッチ760は、駆動軸731が収納空間755から後空間756に向けて移動した場合に、駆動軸731の端部731bがリミッタスイッチ760に当接したことを検知する。このとき、リミッタスイッチ760は、駆動軸731の端部731bが所定の位置に到達したことを制御部706に出力する。この信号を受け取った制御部706は、モータ等の駆動部705の駆動を停止する信号を出力する。これにより、モータ等の駆動部705は駆動を停止する。したがって、リミッタスイッチ760の設置された位置によって、駆動軸731の移動位置が規制される。
【0126】
油圧発生部701は、制御部706の出力信号によって、モータ等の駆動部705を駆動可能とされる。
【0127】
制御部706が駆動信号を出力すると、モータ等の駆動部705が駆動して、回転駆動軸705aが回転する。回転駆動軸705aの回転により、回転駆動軸705aに取り付けられた駆動ギア737が回転する。駆動ギア737の回転は、駆動ギア737に噛合する駆動ギア735に伝達される。駆動ギア735の回転は、駆動ギア735に噛合する駆動ギア733eに伝達される。駆動ギア733eの回転は、駆動ギア733eに一体として形成された駆動ギア733dに伝達される。駆動ギア733dの回転は、駆動ギア733dに噛合する外側ギア732dに伝達されて、ネジ駆動ギア732が回転する。外側ギア732dの回転は、外側ギア732dに一体として形成されたネジ駆動ギア732の内側螺面732cに伝達される。
【0128】
ネジ駆動ギア732の内側螺面732cの回転は、ネジ駆動ギア732に噛合する駆動軸731のボールネジ731cに伝達されて、駆動軸731が回転する。ネジ駆動ギア732は、ボールベアリング732f,732gによって支持されている。このため、ネジ駆動ギア732が回転しても、ネジ駆動ギア732は軸方向に移動しない。駆動軸731は、内側螺面732cによって支持されるとともに、回り止め731hがすべり溝757の内部に位置して、駆動軸731の移動方向が規制されている。このため、駆動軸731は、ネジ駆動ギア732が回転した場合に軸方向に移動する。
このように、駆動伝達部によって、モータ等の駆動部705の回転駆動力が駆動軸731に伝達され、駆動軸731が軸方向に移動する。
【0129】
駆動軸731が軸方向に移動すると、駆動軸731に一体として接続されたシリンダ本体711も、同様にして軸方向に移動する。このとき、ピストン712は、ケーシング蓋752に固定されているので移動しない。これにより、シリンダ本体711とピストン712とが軸線方向に相対的に移動する。
【0130】
ここで、シリンダ本体711とピストン712とが相対的に移動することで、シリンダ本体711の内部の油圧空間714の容積が変化する。油圧空間714の容積変化に応じて、油圧空間714に充填された非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が油圧流路713に流入または流出する。
【0131】
シリンダ本体711には、フランジ部711cに当接する付勢部材720となる内バネ721および外バネ722が付勢力を付与している。
【0132】
本実施形態に係る仕切弁においては、ノーマルクローズを可能とするため、付勢部材720からの付勢力は、内バネ721および外バネ722が伸長する方向に発生する。つまり、付勢部材720からシリンダ本体711へ付与された付勢力が発生する方向は、シリンダ本体711がネジ駆動ギア732から離間する方向に一致する。したがって、付勢部材720の付勢力は、油圧空間714の容積が減少するようにシリンダ本体711に付与されている。
【0133】
また、本実施形態に係る仕切弁においては、ノーマルクローズ、つまり、モータ等の駆動部705が駆動された際に、オープン可能とする。このため、モータ等の駆動部705の駆動により駆動軸731が移動する方向は、付勢部材720の付勢力の方向とは反対となる。つまり、モータ等の駆動部705の駆動により、駆動軸731はピストン712から離間する方向に移動する。したがって、モータ等の駆動部705の駆動により、シリンダ本体711における油圧空間714の容積は増大するように駆動軸731が移動する。
【0134】
油圧発生部701においては、モータ等の駆動部705を駆動しない場合、
図26に示すように、付勢部材720の付勢力によって油圧空間714の容積が減少する。これにより、非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が、油圧空間714から油圧流路713を介して油圧管702に対して流入する。このとき、付勢部A70では油圧が作用して、可動部72の先端部72aが伸長する。
【0135】
また、油圧発生部701は、モータ等の駆動部705を駆動した場合、
図27に示すように、モータ等の駆動部705の駆動力によって油圧空間714の容積が増大する。これにより、非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が油圧流路713を介して油圧管702から油圧空間714に対して流入する。このとき、付勢部A70では油圧が作用して、可動部72の先端部72aが縮退する。
【0136】
また、油圧発生部701では、何らかの原因により、シリンダ本体711がケーシング蓋752に向けてオーバーランした場合でも、
図28に示すように、フランジ部711cがケーシング蓋752に当接して、シリンダ本体711の移動を停止する。これにより、油圧空間714の減少を所定範囲に制限する。したがって、油圧発生部701は、過剰な圧油(駆動流体)を付勢部A70へ流入させないことができる。
【0137】
この構成により、付勢部A70は、可動部72の先端部72aを可動弁部A60の下面60sbに当接させて、可動弁部A60を第1開口部12aに向けて移動させる機能と、自ら(可動部72)が初動する位置(固定部71内の位置)に戻る機能の2つの機能を有しており、弁体の昇降機構の役割を担う。
【0138】
図2〜
図5は、可動弁部40(可動弁部A60、可動弁部B50)が、弁箱10の何れの弁箱内面10A、10Bとも接していない状態を表わしている。この状態を、弁体がFREEな状態と呼称する。
図6は、FREEな状態(
図2)における付勢部Cの要部を示す拡大図であり、
図2において付勢部Cを紙面奥行き方向に見た図である。
【0139】
この弁体がFREEな状態において、上述した付勢部A70の機能、すなわち、可動弁部A60を第1開口部12aに向けて移動させる機能により、可動弁部A60を弁箱10の弁箱内面10Aに接するまで移動させ、可動弁部A60を前記弁箱内面10Aに押圧することによって、流路Hを閉鎖する(閉弁動作)。
【0140】
図7〜
図10は、上記の閉弁動作により流路Hが閉鎖された状態を表している。この状態を、正圧/差圧無の状態と呼称する。
図11は、正圧/差圧無の状態(
図7)における付勢部Cの要部を示す拡大図であり、
図7において付勢部Cを紙面奥行き方向に見た図である。
この弁体が正圧/差圧無の状態において、上述した付勢部C90の機能、すなわち、可動弁部A60を中立弁部30に対して流路方向における位置が変更可能に接続するとともに、可動弁部Aを前記流路方向における中央位置に向けて付勢する機能により、可動弁部A60を弁箱10の内面から引き離し、可動弁部A60を退避させることによって、前記流路Hを開放する(解除動作)。
【0141】
このように、本実施形態の仕切弁においては、Oリング等からなる第1シール部61(弁板シールパッキン)とOリング等からなる第3シール部52(摺動シールパッキン)とが、ほぼ同一円筒面上に配置される(例えば、
図3〜
図5に示すラインRに重なるように配置される)ため、約100%の逆圧キャンセル率が得られる。
【0142】
また、本実施形態の仕切弁における付勢部A70は、弁箱10に内蔵されており、2つの可動弁部A60、可動弁部B50と2つの付勢部B80、付勢部C90とを含む中立弁体5とは別体をなしている。これにより、本実施形態の仕切弁100は、付勢部A70の重量分だけ弁体構造の軽量化が図れる。
【0143】
また、付勢部A70が油圧駆動装置700によって作動流体が非圧縮性の油圧により動作する構成とされたため、作動流体が圧空(圧縮空気)等の圧縮性流体を用いる場合に比べて、省スペース化を図るとともに、同時に、確実な閉弁動作をおこなうことが可能となる。さらに、圧空駆動に比べて、動作上の安全性を向上することもできる。
【0144】
ゆえに、本実施形態の仕切弁によれば、高い信頼性の仕切り動作が可能であると共に、弁体の重量が軽減されるので、弁体の上下移動や弁体を旋回移動する際に要する駆動力を抑制できるため、弁体の構成の簡素化および軽量化が実現する。
【0145】
図20〜
図22は従来の仕切弁501を示す図であり、
図20は横断面図を示しており、
図21及び
図22は縦断面図を示している。
図21は、弁体が退避動作可能位置に配置されている場合を示しており、
図22は、弁体が弁閉位置に配置されている場合を示している(特許文献4)。
【0146】
図20〜
図22に示すように、従来の仕切弁501では、本実施形態の仕切弁100における付勢部A70に相当するリング状のエアシリンダ580が弁体構造に含まれており、エアシリンダ580に対して圧空を導入する供給路541も必要であり、弁体構造が極めて複雑になっていた。また、
図20〜
図22に示す従来例の仕切弁の構成において、大きな面積を有する弁体の閉塞動作をおこなうことが考えられる。この場合には、エアシリンダ580をリング状に形成する際に、要求される高動作正確性・高密閉性を満たすためには必要な加工精度が極めて高い。このため、そのような従来の仕切弁の製造時における高コスト化が懸念される。
【0147】
これに対して、本発明の実施形態に係る付勢部A70は、弁箱10の内部に配置され、弁体構造に含まれないので、弁体構造の簡素化も図れる。従来の仕切弁501が必須とした供給路541は、本実施形態の仕切弁100においては不要である。また、付勢部A70として、複数の通常形態の円柱・円筒状のピストン・シリンダを用いることが可能であるため、要求される高動作正確性・高密閉性を満たす仕切弁を低コストで製造することができる。
【0148】
ゆえに、本発明の実施形態に係る仕切弁は、弁箱の内部に配置され、弁体構造に含まれない付勢部A70を採用したことにより、回転軸20を回転可能とする駆動装置として、従来よりも低パワーで駆動する部材や装置を低コストに選択することも可能となるので、本発明は省エネルギー型の仕切弁の実現に寄与する。
【0149】
したがって、本発明は、高い信頼性の仕切り動作が可能であり、可動弁部の軽量化が図れるとともに、100%の逆圧キャンセル率が実現でき、ノーマルクローズ構造を有する仕切弁の提供に貢献する。
【0150】
なお、
図2は、付勢部A70が、第2開口部12bに近い位置において、弁箱10(10b)に内蔵されている構成を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、第2開口部12bに近い位置に代えて、第1開口部12aに近い位置に付勢部A70を設けても構わない。付勢部A70が可動弁部A60に対して作用できるならば、付勢部A70を設ける位置は自由に設定することが可能である。
【0151】
上述した実施形態においては、
図2に示した付勢部A70は、前記可動弁部A60に対して圧縮力を作用する構成例を示しており、機械的な当接動作によって、閉弁動作を行っているが、本発明はこの構成に限定されない。
【0152】
圧縮力を作用する機能を備えた付勢部A70としては、油圧以外にも、例えば、上述したシリンダ機構の他に、圧空機構、電磁機構、等が挙げられる。なお、圧空機構等は、仕切弁100が大面積でない場合など、付勢部A70として特に有効である。これは、仕切弁100の設置姿勢によることがなく、開閉動作を安全におこなうことができるためである。
【0153】
なお、付勢部A70が前記可動弁部A60に対して圧縮力を作用する機能と、可動弁部A60に対して引張力を作用する機能とを兼ね備えた構成例については、後述する
図17〜
図19に基づき、変形例として説明する。
【0154】
図2に示した付勢部A70は、
図1における線分A−Oに沿う断面図である
図3から明らかなように、
図1において可動弁部A60の下方(紙面奥側)に配されている。すなわち、本実施態様は、
図23,
図24に示すように、付勢部A70が90度ピッチで4箇所に配された構成例を示している。この構成例は、4個の付勢部A70が等間隔で配置された場合を示しているが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、付勢部A70の個数は、3個以上の複数であればよく、付勢部A70の間隔は非等間隔であっても構わない。
【0155】
また、本実施態様は、弁箱10の内部に局所的に配されて付勢部A70として機能する部材としてピン状のシリンダを開示しているが、本発明はこの部材に限定されるものではない。例えば、ピン状のシリンダに代えて、リング状のシリンダを、付勢部A70として用いてもよい。
【0156】
[弁体が退避動作可能位置(FREE)の状態]
以下では、
図1〜
図6に基づき、弁体がFREEの状態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る仕切弁の構成を示す横断面図であり、
図2は縦断面図である。
図3は
図1における線分A−Oに沿う要部を示す拡大図、
図4は
図1における線分B−Oに沿う要部に示す拡大図、
図5は
図1における線分C−Oに沿う要部を示す拡大図である。また、
図6は
図2における付勢部Cの要部を示す拡大図である。
【0157】
中立弁体5がFREEの状態とは、中立弁体5が弁箱10の内面(第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面、第2開口部12bの周囲に位置する弁箱10の内面)と接していない状態である。
【0158】
付勢部A70(昇降機構)は、弁箱10の内部に配置された固定部71と、固定部71から可動弁部A60に向く方向へ油圧により伸縮可能な可動部72とから構成されており、固定部71とともに可動部72も弁箱10の内部に配置された状態にある。つまり、中立弁体5とは別体をなす付勢部A70(昇降機構)は、中立弁体5と接していない状態である。
【0159】
換言すると、付勢部A70(昇降機構)は、弁箱10に内蔵されており、2つの可動弁部A60、可動弁部B50、及び付勢部B80を含む中立弁体5とは別体をなしている。
この付勢部A70は、油圧駆動装置700に接続されるとともに弁箱10の内部に配置された固定部71と、固定部71から可動弁部A60に向く方向へ伸縮可能な可動部72とから構成されている。
【0160】
この構成により、付勢部A70は、可動部72の先端部72aを可動弁部A60の下面60sbに当接させて、可動弁部A60を第1開口部12aに向けて移動させる機能と、可動弁部A60を逆に第1開口部12aから離間可能とする機能の2つの機能を有しており、弁体の昇降機構の役割を担う。
【0161】
図3に示すように、付勢部A70を構成する可動部72の先端部72aが、可動弁部A60の下面60sbに当接する(矢印F1)ことにより、中立弁体5を構成する可動弁部A60は、弁箱10の内面(第1開口部12aの周囲の弁箱10の弁箱内面10A)に向けて移動する(矢印F2)。この移動により、第1シール部61(弁板シールパッキン)が弁箱10の弁箱内面10Aに接した状態が、閉弁位置の状態(閉弁状態)である。
【0162】
可動弁部B50と可動弁部A60とは、保持バネ(付勢部B80)によって符号B1,B2(
図2)で示された方向(往復方向)に第3シール部52を介して摺動しながら移動可能とされているので、この移動時には、可動弁部B50も可動弁部A60と同じ方向へ移動する。
【0163】
[弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)の状態]
以下では、
図7〜
図10に基づき、弁体が弁閉位置の状態について説明する。
図7は本発明の実施形態に係る仕切弁の構成を示す縦断面図である。
図8は
図1における線分A−Oに沿う要部を示す拡大図、
図9は
図1における線分B−Oに沿う要部を示す拡大図、
図10は
図1における線分C−Oに沿う要部を示す拡大図である。
【0164】
中立弁体5が弁閉位置の状態とは、中立弁体5が弁箱10の一方の内面(第1開口部12aの周囲の弁箱内面10A)と接した状態であり、他方の内面(第2開口部12bの周囲に位置する弁箱10の内面)とは接していない状態である。
付勢部A70(昇降機構)は、弁箱10の内部に配置された固定部71から可動部72を油圧により可動弁部A60に向く方向へ伸延させて、可動部72の先端部72aを可動弁部A60の下面60sbに当接させる。これにより、可動弁部A60を第1開口部12aに向けて移動させることにより、可動弁部A60の上面60saに設けた第1シール部61を、弁箱10の第1開口部12aの周囲の弁箱内面10A)と接した状態とする。
【0165】
[弁体が逆圧位置の状態]
以下では、
図12〜
図15に基づき、弁体が逆圧位置の状態について説明する。
図12は本発明の実施形態に係る仕切弁の構成を示す縦断面図である。
図13は
図1における線分A−Oに沿う要部を示す拡大図、
図14は
図1における線分B−Oに沿う要部を示す拡大図、
図15は
図1における線分C−Oに沿う要部を示す拡大図である。
【0166】
中立弁体5が逆圧位置の状態とは、中立弁体5が弁箱10の一方の内面(第1開口部12aの周囲の弁箱内面10A)と接した状態を保ちながら、他方の内面(第2開口部12bの周囲に位置する弁箱10の内面)にも接した状態である。逆圧とは、閉弁状態から開弁状態の方向へ弁体に対して圧力が加わることである。
【0167】
中立弁体5が逆圧を受けた場合、弁体を構成する可動弁部A60と可動弁部B50の間に位置する付勢部B80が機能する。すなわち、可動弁部B50と可動弁部A60とは、付勢部B80によって符号B1,B2(
図12)で示された方向(往復方向)に第3シール部52を介して摺動しながら移動可能とされているので、中立弁体5が逆圧を受けた場合、可動弁部B50は可動弁部A60に対して符号B2の方向へ移動する。
【0168】
これにより、可動弁部B50は、弁箱10の他方の内面(第2開口部12bの周囲の弁箱内面10B)に衝突することになる。この衝突による衝撃を緩和するため、可動弁部B50は、第2シール部51を、第2開口部12bの周囲の弁箱内面10Bに対向する箇所に備えている。このように、中立弁体5が受けた力(符号B2の方向に受けた力)を、弁箱10の弁箱内面10B(裏側のボディ)で受けてもらう機構が、逆圧キャンセル機構である。
【0169】
第2シール部51としては、弾性体が好適に用いられる。可動弁部B50が弁箱10の弁箱内面10Bに衝突した場合、衝突した瞬間に発生するゴミや、弁箱10の弁箱内面10B(裏側のボディ)がミリ単位で変形して微小摺動が起こり発生するゴミを防止する対応策が必要となる。第2シール部51が弾性体であれば、衝突時に弾性体が変形することにより、何れのゴミであっても発生を防ぐことが可能となる。
【0170】
<実施形態の変形例>
図17〜
図19は、本発明の実施形態の変形例における仕切弁の構成を示す縦断面図である。
図17は、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合において、
図3に相当する線分A−Oに沿う要部を示す拡大図である。
図18は、弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)に配置されている場合において、
図8に相当する線分A−Oに沿う要部を示す拡大図である。
図19は、弁体が逆圧位置に配置されている場合において、
図13に相当する線分A−Oに沿う要部を示す拡大図である。
【0171】
図17〜
図19における付勢部A70は、前記可動弁部A60に対して圧縮力を作用する機能と、可動弁部A60に対して引張力を作用する機能とを兼ね備えた構成例を示している。
【0172】
この2つの機能を兼ね備えるために、変形例の付勢部A70は、弁箱10の内部に配置された固定部71と、固定部71から可動弁部A60に向く方向へ伸縮が可能な可動部72とから構成されており、さらに可動部72の側面には、
図16に示すようなボールプランジャが埋設されている。このボールプランジャは、可動部72が油圧駆動部(固定部)71に近い位置に配置するように縮退した状態となった場合において、リング状のシール部材(Oリング)75よりも先端側の近く位置している。
なお、油圧によって可動部72が直線的に移動する部分であってかつシール部材75が形成される部分は、2重シールを設けるなど油漏れ対策の緩衝空間を設けることが望ましい。特に、可動部72が直接真空空間に面する構成の場合には、真空槽内を油汚染する確率を下げることができるため、特に推奨される。また、真空・大気環境ともに周囲を油汚染する可能性を下げる目的で、作動油は蒸気圧の低い油を用いることが望ましい。作動油の蒸気圧は、要求される真空度等により決定されるが、一般には10
−3Pa程度以下として選択される。
【0173】
ここで、「プランジャ」とは、ワークを位置決め・固定するための機械要素部品であり、プランジャは、プランジャ本体と、プランジャ本体に内蔵されたスプリングと、スプリングの先端に位置する先端部材(ボールまたはピン)を備えている。プランジャは、先端部材に荷重が加わると、先端部材はプランジャ本体の内部に沈み込み、荷重が解けるとスプリングの力で先端部材が元の位置に戻る機構を有する。
【0174】
特に、ボールプランジャは、スプリングの先端に位置するボールが動作するプランジャであり、上下方向だけでなく横方向から加わる荷重によってボールを沈み込ませることができるため、スライドする機構の位置決めに適している。
【0175】
ボールプランジャ72Bを可動部72の側面に設けると共に、可動弁部A60において可動部72の先端部が当接する部位65Aに、可動部72の先端部とボールプランジャ72Bの受け手となる凹部65eを配置する。この構成によれば、変形例の付勢部A70は、前記可動弁部A60に対して油圧による圧縮力を作用する機能と、可動弁部A60に対して引張力を作用する機能とを兼ね備えることが可能となる。
ところで付勢部A70に内蔵された圧縮コイルばねが圧縮された状態で停止している場合、そのばねの変位量に応じた反発力はシリンダのピストン面における油圧による力と同等となっている。つまり、バネの反発力は、油圧に変換されているため、その反発力は、油圧発生部701を介して駆動部705に伝達される。つまり、駆動部705は、反発力と同等の力を発揮させなければ平衡状態、つまり、停止状態を保つことができない。しかし、本実施形態の構成ではソレノイドバルブ703により油圧回路を遮断することが可能である。つまり、駆動部705が反発力を受ける状況であってもソレノイドバルブ703を遮断すれば停止状態を保ちかつ駆動部705は力を発生させる必要がないため、その結果、駆動部705の温度上昇を防ぐことが可能となる。
【0176】
また、この変形例における仕切弁では、可動弁部A60と付勢部A70の一部である可動部72との間にボールプランジャ72Bを設けた構成と同じように、中立弁部30と可動弁部A60の一部である位置規制部65との間にもボールプランジャ65Bを設けた構成を採用する。これにより、上述した実施形態における付勢部C90が不要となる。
【0177】
ゆえに、変形例の仕切弁は、上述した実施形態に係る仕切弁に比較して、高い信頼性の仕切り動作が可能であると共に、弁体の重量がさらに軽減されるので、弁体の上下移動や弁体を旋回移動する際に要する駆動力を一段と抑制できる。このため、ノーマルクローズ構造を実現し、弁体の構成の簡素化および軽量化が容易に実現する。
【0178】
この変形例における仕切弁では、可動弁部B50と可動弁部A60の一部であり可動弁部B50に重なる位置にある部位67との間には、上述した実施形態と同じ構成からなる付勢部B80が配置されている。ゆえに、この変形例における仕切弁においても、付勢部B80によって、弁体の上下移動や弁体を旋回移動する際に要する駆動力が得られる。
【0179】
つまり、変形例における仕切弁においては、ボールプランジャを設けた構成を採用することにより、上述した実施形態の仕切弁において必須であった、付勢部C90が弁体構造から排除することが可能となる。したがって、変形例によれば、弁体の上下移動や弁体を旋回移動する際に要する駆動力を一段と抑制でき、弁体の構成の簡素化および軽量化が図れる仕切弁をもたらす。
なお、この変形例では、2つのボールプランジャ72B、65Bを設けた構成を開示したが、必ずしも2つのボールプランジャを一緒に組込む必要はない。すなわち、上述した実施形態の仕切弁において、2つのボールプランジャ72B、65Bを設けた構成のうち、何れか1つを採用しても構わない。
【0180】
また、複数個の付勢部A70が弁箱10の内部に配置される場合、付勢部A70として、例えば、上述した実施形態に示した「可動弁部Aに対して圧縮力を作用する構造(第1構造)」と、上述した変形例に示した「可動弁部Aに対して圧縮力を作用する機能と、可動弁部A60に対して引張力を作用する機能とを兼ね備えた構造(第2構造)」とを、交互に配置する構成が採用されてもよい。あるいは、2つの第1構造の間に複数の第2構造が配置された構造や、2つの第2構造の間に複数の第1構造が配置された構造が採用されてもよい。
本発明の仕切弁は、中空部と、前記中空部を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部及び第2開口部とを有する弁箱と、前記弁箱の前記中空部内に配置され前記第1開口部を閉塞可能な中立弁体と、前記中立弁体を前記第1開口部に対して閉塞状態にする弁閉塞位置と、前記中立弁体を前記第1開口部から退避した開放状態にする弁開放位置との間で、前記中立弁体を動作する位置切り替え部として機能し、流路方向に延在する軸線を有する回転軸と、を具備する。前記中立弁体は、前記位置切り替え部に接続される中立弁部と、前記中立弁部に対して前記流路方向における位置が変更可能に接続される可動弁部と、を有する。