(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板上に、陽極、有機層及び陰極が積層されてなる有機電界発光素子において、該有機層の少なくとも1層が請求項1に記載の有機電界発光素子用材料を含む有機層であることを特徴とする有機電界発光素子。
発光層がホスト材料と発光ドーパントとして燐光発光ドーパントを含み、前記有機電界発光素子用材料がホスト材料であることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
発光層がホスト材料と発光ドーパントとして蛍光発光ドーパントを含み、前記有機電界発光素子用材料がホスト材料であることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
発光層がホスト材料と発光ドーパントとして遅延蛍光発光ドーパントを含み、前記有機電界発光素子用材料がホスト材料であることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
発光層がホスト材料と発光ドーパントとして遅延蛍光発光ドーパントを含み、前記有機電界発光素子用材料が遅延蛍光発光ドーパントであることを特徴とする請求項5記載の有機電界発光素子。
発光層がホスト材料と発光ドーパントとして蛍光発光ドーパントを含み、前記有機電界発光素子用材料が蛍光発光ドーパントであることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
発光層が2種類以上のホスト材料と1種類以上の発光ドーパントを含み、少なくとも1種のホスト材料が前記有機電界発光素子用材料であることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
発光層が2種類以上のホスト材料と1種類以上の発光ドーパントを含み、少なくとも1種の発光ドーパントが前記有機電界発光素子用材料であることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の有機電界発光素子用材料は、前記一般式(1)で表される複素環化合物である。
【0022】
一般式(1)において、R
1は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、置換若しくは未置換の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3〜22の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環(前記置換若しくは未置換の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3〜22の芳香族複素環基の芳香族環をいう。)が2〜6連結してなる置換若しくは未置換の連結芳香族基を表す。好ましくは、置換若しくは未置換の炭素数6〜22の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が2〜6連結してなる置換若しくは未置換の連結芳香族基である。R
2〜R
5は各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、置換若しくは未置換の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、ヘテロ原子として酸素又は硫黄のみを含む置換若しくは未置換の炭素数3〜22の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が2〜6連結してなる置換若しくは未置換の連結芳香族基を表す。好ましくは、炭素数6〜22の芳香族炭化水素基、ヘテロ原子として酸素または硫黄のみを含む置換若しくは未置換の炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が2〜6連結してなる置換若しくは未置換の連結芳香族基である。a、b、c、及びdは各々独立に0〜2の整数を表す。
【0023】
R
1〜R
5の説明において、未置換の芳香族炭化水素基の具体例としては、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、テトラフェニレン、フルオランテン、ピレン、クリセン等の芳香族炭化水素化合物から水素を除いて生じる基が挙げられ、好ましくはベンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、又はトリフェニレンから水素を除いて生じる基である。
【0024】
未置換の芳香族複素環基の具体例としては、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、ナフチリジン、カルバゾール、アクリジン、アゼピン、トリベンゾアゼピン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾホスホール、ジベンゾボロール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾジオキシン、チアントレン等の芳香族複素環化合物から水素を除いて生じる基が挙げられ、好ましくはピリジン、ピリミジン、トリアジン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェンから水素を除いて生じる基である。但し、R
2〜R
5の場合は、前記芳香族複素環化合物の中で、ヘテロ原子として酸素又は硫黄のみを含む芳香族複素環化合物から水素を除いて生じる基であり、複素環を構成するヘテロ原子として酸素又は硫黄以外の原子を含む芳香族複素環化合物から生じる基は除かれる。
【0025】
未置換の連結芳香族基は、上記未置換の芳香族炭化水素基及び未置換の芳香族複素環基で説明した芳香族炭化水素化合物又は芳香族複素環化合物の芳香族環が単結合で複数連結した芳香族化合物から水素を除いて生じる連結芳香族基である。連結芳香族基は、芳香族環が2〜6つ連結されて構成される基であり、連結される芳香族環は同一でも異なっていてもよく、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基の両者が含まれてもよい。連結される芳香族環の数は2〜4が好ましく、より好ましくは2又は3である。
【0026】
ここで、連結芳香族基は、例えば、下記式で表わされる。
【化4】
(Ar
1〜Ar
5は、置換又は無置換の芳香環を示す)
【0027】
連結芳香族基の具体例としては、ビフェニル、ターフェニル、フェニルナフタレン、ジフェニルナフタレン、フェニルアントラセン、ジフェニルアントラセン、ジフェニルフルオレン、ビピリジン、ビピリミジン、ビトリアジン、ビスカルバゾール、フェニルピリジン、フェニルピリミジン、フェニルトリアジン、フェニルカルバゾール、ジフェニルピリジン、ジフェニルトリアジン、ビスカルバゾリルベンゼン、フェニルジベンゾフラン、フェニルジベンゾチオフェン等から水素を除いて生じる基が挙げられる。
【0028】
上記芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又は連結芳香族基は、置換基を有してもよく、置換基を有する場合、好ましい置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又は炭素数2〜13のアシル基である。より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜2のアルコキシ基、又はアセチル基である。
【0029】
一般式(1)においてa、b、c、dは0〜2の整数を表す。好ましくは、(a+b+c+d)は0〜4の整数であり、より好ましくは、0〜2である。
【0030】
一般式(1)で表される複素環化合物は、例えば、下記反応式に示すような方法で、合成することができる。
【化5】
【0031】
すなわち、無置換又は置換基を有するジベンゾチオフェンをアルデヒド化した化合物と、Wittig塩を作用させることで、ジベンゾチオフェンにシクロヘキサノンが縮合した化合物を合成し、更に、無置換又は置換のフェニルヒドラジン塩酸塩と反応させ、その後、脱水素化反応することにより、一般式(1)で表される芳香族複素環化合物を合成することができる。
【0032】
一般式(1)で表される複素環化合物の具体例を、以下に示すが、本発明の有機電界発光素子用材料はこれらに限定されない。
【0034】
本発明の有機電界発光素子用材料は、一般式(1)で表される複素環化合物からなる。基板上に、陽極、複数の有機層及び陰極が積層されてなる有機EL素子の少なくとも1つの有機層に、本発明の有機電界発光素子用材料を含有させることにより、優れた有機電界発光素子を与える。含有させる有機層としては、発光層、電子輸送層又は正孔阻止層が適する。ここで、発光層に使用する場合は、蛍光発光、遅延蛍光発光又は燐光発光のドーパントを含有する発光層のホスト材料として使用することができるほか、本発明の有機電界発光素子用材料を蛍光及び遅延蛍光を放射する有機発光材料として使用することができる。蛍光及び遅延蛍光を放射する有機発光材料として使用する場合、励起一重項エネルギー、励起三重項エネルギーの少なくとも何れか一方が本発明の有機電界発光素子用材料よりも高い値を有する他の有機化合物をホスト材料として使用することが好ましい。本発明の有機電界発光素子用材料は、燐光発光ドーパントを含有する発光層のホスト材料として含有させることが特に好ましい。
【0035】
次に、本発明の有機電界発光素子用材料を用いた有機EL素子について説明する。
【0036】
本発明の有機EL素子は、基板上に積層された陽極と陰極の間に、少なくとも一つの発光層を有する有機層を有し、且つ少なくとも一つの有機層は、本発明の有機電界発光素子用材料を含む。有利には、燐光発光ドーパントと共に本発明の有機電界発光素子用材料を発光層中に含む。
【0037】
次に、本発明の有機EL素子の構造について、図面を参照しながら説明するが、本発明の有機EL素子の構造は何ら図示のものに限定されるものではない。
【0038】
図1は本発明に用いられる一般的な有機EL素子の構造例を示す断面図であり、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は電子輸送層、7は陰極を各々表わす。本発明の有機EL素子では発光層と隣接して励起子阻止層を有してもよく、また、発光層と正孔注入層との間に電子阻止層を有してもよい。励起子阻止層は発光層の陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。本発明の有機EL素子では、基板、陽極、発光層及び陰極を必須の層として有するが、必須の層以外の層に、正孔注入輸送層、電子注入輸送層を有することがよく、更に発光層と電子注入輸送層の間に正孔阻止層を有することがよい。なお、正孔注入輸送層は、正孔注入層と正孔輸送層のいずれか又は両者を意味し、電子注入輸送層は、電子注入層と電子輸送層のいずれか又は両者を意味する。
【0039】
なお、
図1とは逆の構造、すなわち、基板1上に陰極7、電子輸送層6、発光層5、正孔輸送層4、陽極2の順に積層することも可能であり、この場合も、必要により層を追加したり、省略したりすることが可能である。
【0040】
−基板−
本発明の有機EL素子は、基板に支持されていることが好ましい。この基板については、特に制限はなく、従来から有機EL素子に慣用されているものであればよく、例えば、ガラス、透明プラスチック、石英などからなるものを用いることができる。
【0041】
−陽極−
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO
2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In
2O
3−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
【0042】
−陰極−
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al
2O
3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al
2O
3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が、透明又は半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
【0043】
また、陰極に上記金属を所定膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明又は半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
【0044】
−発光層−
発光層は、陽極及び陰極のそれぞれから注入された正孔及び電子が再結合することにより励起子が生成した後、発光する層であり、発光層には有機発光材料とホスト材料を含むことがよい。有機発光材料(発光ドーパント)としては、蛍光発光材料(蛍光発光ドーパント)、燐光発光材料(燐光発光ドーパント)及び遅延蛍光発光材料(遅延蛍光発光ドーパント)が挙げられる。
【0045】
発光層が蛍光発光層である場合、蛍光発光材料は少なくとも1種の蛍光発光材料を単独で使用してもよいが、蛍光発光材料を蛍光発光ドーパントとして使用し、ホスト材料を含むことが好ましい。
【0046】
蛍光発光材料としては、本発明の有機EL素子用材料(本発明の複素環化合物ともいう。)を用いることができるが、多数の特許文献等により知られているので、それらから選択することもできる。例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリジン化合物、8-キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体、希土類錯体、遷移金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体等が挙げられる。好ましくは縮合芳香族化合物、スチリル化合物、ジケトピロロピロール化合物、オキサジン化合物、ピロメテン金属錯体、遷移金属錯体、ランタノイド錯体が挙げられ、より好ましくはナフタセン、ピレン、クリセン、トリフェニレン、ベンゾ[c]フェナントレン、ベンゾ[a]アントラセン、ペンタセン、ペリレン、フルオランテン、アセナフソフルオランテン、ジベンゾ[a,j]アントラセン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、ベンゾ[a]ナフタセン、ヘキサセン、アンタントレン、ナフト[2,1-f]イソキノリン、α-ナフタフェナントリジン、フェナントロオキサゾール、キノリノ[6,5-f]キノリン、ベンゾチオファントレン等が挙げられる。これらは置換基としてアルキル基、アリール基、芳香族複素環基、ジアリールアミノ基を有していてもよい。
【0047】
蛍光ホスト材料としては、本発明の複素環化合物を用いることができるが、多数の特許文献等により知られているので、それらから選択することもできる。例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、トリフェニレン、ペリレン、フルオランテン、フルオレン、インデンなどの縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどの芳香族アミン誘導体、トリス(8−キノリナート)アルミニウム(III)をはじめとする金属キレート化オキシノイド化合物、ジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、インデン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ピロロピロール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、カルバゾール誘導体、ジカルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、トリアジン誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体等が使用できるが、特に限定されるものではない。
【0048】
前記蛍光発光材料を蛍光発光ドーパントとして使用し、ホスト材料を含む場合、蛍光発光ドーパントが発光層中に含有される量は、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲にあることがよい。
【0049】
通常、有機EL素子は、陽極、陰極の両電極より発光物質に電荷を注入し、励起状態の発光物質を生成し、発光させる。電荷注入型の有機EL素子の場合、生成した励起子のうち、一重項励起状態に励起されるのは25%であり、残り75%は三重項励起状態に励起されると言われている。Advanced Materials 2009, 21, 4802-4806.に示されているように、特定の蛍光発光物質は、項間交差等により三重項励起状態へとエネルギーが遷移した後、三重項−三重項消滅あるいは熱エネルギーの吸収により、一重項励起状態に逆項間交差され蛍光を放射し、熱活性化遅延蛍光を発現することが知られている。本発明の有機EL素子でも遅延蛍光を発現することができる。この場合、蛍光発光及び遅延蛍光発光の両方を含むこともできる。但し、発光の一部或いは部分的にホスト材料からの発光があってもよい。
【0050】
発光層が遅延蛍光発光層である場合、遅延発光材料は少なくとも1種の遅延発光材料を単独で使用してもよいが、遅延蛍光材料を遅延蛍光発光ドーパントとして使用し、ホスト材料を含むことが好ましい。
【0051】
遅延蛍光発光材料としては、本発明の複素環化合物を用いることができるが、公知の遅延蛍光発光材料から選択することもできる。例えば、スズ錯体、インドロカルバゾール誘導体、銅錯体、カルバゾール誘導体等が挙げられる。具体的には、以下の非特許文献、特許文献に記載されている化合物が挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。
【0052】
1)Adv. Mater. 2009, 21, 4802-4806、2)Appl. Phys. Lett. 98, 083302 (2011)、3)特開2011-213643号公報、4)J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 14706-14709。
【0053】
遅延発光材料の具体的な例を示すが、下記の化合物に限定されるものではない。
【0055】
前記遅延蛍光発光材料を遅延蛍光発光ドーパントとして使用し、ホスト材料を含む場合、遅延蛍光発光ドーパントが発光層中に含有される量は、0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.01〜10重量%の範囲にあることがよい。
【0056】
遅延蛍光ホスト材料としては、本発明の複素環化合物を用いることができるが、それ以外の化合物から選択することもできる。例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、トリフェニレン、ペリレン、フルオランテン、フルオレン、インデンなどの縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどの芳香族アミン誘導体、トリス(8−キノリナート)アルミニウム(III)をはじめとする金属キレート化オキシノイド化合物、ジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、インデン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ピロロピロール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、カルバゾール誘導体、ジカルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、トリアジン誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体、アリールシラン誘導体等が使用できるが、特に限定されるものではない。
【0057】
発光層が燐光発光層である場合、発光層は燐光発光ドーパントとホスト材料を含む。燐光発光ドーパント材料としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金から選ばれる少なくとも一つの金属を含む有機金属錯体を含有するものがよい。
【0058】
好ましい燐光発光ドーパントとしては、Ir等の貴金属元素を中心金属として有するIr(ppy)
3等の錯体類、Ir(bt)
2・acac
3等の錯体類、PtOEt
3等の錯体類が挙げられる。これらの錯体類の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されない。
【0060】
前記燐光発光ドーパントが発光層中に含有される量は、2〜40重量%、好ましくは3〜20重量%の範囲にあることがよい。
【0061】
発光層が燐光発光層である場合、この発光層におけるホスト材料としては、本発明の複素環化合物を用いることが好ましい。しかし、この複素環化合物を発光層以外の他の何れかの有機層に使用する場合は、発光層に使用する材料は他のホスト材料であってもよい。また、本発明の複素環化合物と他のホスト材料を併用してもよい。更に、公知のホスト材料を複数種類併用して用いてもよい。
【0062】
使用できる公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有し、かつ発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高いガラス転移温度を有する化合物であることが好ましい。
【0063】
このような他のホスト材料は、多数の特許文献等により知られているので、それらから選択することができる。ホスト材料の具体例としては、特に限定されるものではないが、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、ジカルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体やナフタレンペリレン等の芳香族化合物、フタロシアニン誘導体、8―キノリノール誘導体、メタルフタロシアニン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体やベンゾチアゾール誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体、ポリシラン系化合物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。
【0064】
発光層は蛍光発光層、遅延蛍光発光層あるいは燐光発光層のいずれでもよいが、燐光発光層であることが好ましい。
【0065】
−注入層−
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、正孔注入層と電子注入層があり、陽極と発光層又は正孔輸送層の間、及び陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させてもよい。注入層は必要に応じて設けることができる。
【0066】
−正孔阻止層−
正孔阻止層とは、広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
【0067】
正孔阻止層には、本発明の複素環化合物を用いることがよいが、この複素環化合物を他の何れかの有機層に使用する場合は、公知の正孔阻止層材料を用いてもよい。また、正孔阻止層材料としては、後述する電子輸送層の材料を必要に応じて用いることができる。
【0068】
−電子阻止層−
電子阻止層とは、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料から成り、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔が再結合する確率を向上させることができる。
【0069】
電子阻止層の材料としては、後述する正孔輸送層の材料を必要に応じて用いることができる。電子阻止層の膜厚は好ましくは3〜100nmであり、より好ましくは5〜30nmである。
【0070】
−励起子阻止層−
励起子阻止層とは、発光層内で正孔と電子が再結合することにより生じた励起子が電荷輸送層に拡散することを阻止するための層であり、励起子阻止層の挿入により励起子を効率的に発光層内に閉じ込めることが可能となり、素子の発光効率を向上させることができる。励起子阻止層は発光層に隣接して陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。
【0071】
励起子阻止層の材料としては、本発明の複素環化合物を用いることができるが、他の材料として、例えば、1,3−ジカルバゾリルベンゼン(mCP)や、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラトアルミニウム(III)(BAlq)が挙げられる。
【0072】
−正孔輸送層−
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
【0073】
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。使用できる公知の正孔輸送材料としては、本発明の有機電界発光素子用材料を用いることが好ましいが、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。使用できる公知の正孔輸送材料としては、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、チオフェンオリゴマー、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物、カルバゾール誘導体やスチリルアミン化合物などが使用できるが、特に限定されるものではない。
【0074】
−電子輸送層−
電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり、電子輸送層は単層又は複数層設けることができる。
【0075】
電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる場合もある)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよい。電子輸送層には、本発明の複素環化合物を用いることが好ましいが、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
【実施例】
【0076】
以下、本発明を実施例によって更に詳しく説明するが、本発明は勿論、これらの実施例に限定されるものではなく、その要旨を越えない限りにおいて、種々の形態で実施することが可能である。なお、化合物番号は、上記化学式に付した番号に対応する。
【0077】
実施例1
【化11】
【0078】
窒素ガス気流下、1000mL の反応器に、ジベンチオフェン(1−A)(109 mmol,20.0 g)と脱水THF(100 mL)を加え、0℃にて30 分間撹拌した。これに、2N BuLi−ヘキサン溶液(60mL, 156 mmol)を滴下した。滴下終了後、混合物を6時間加熱還流した。室温まで冷却後、脱水DMF(20mL、160mmol)を滴下した後、一晩室温で撹拌した。反応混合物を6N塩酸(500mL)に注ぎ、酢酸で抽出し、有機層を水で洗浄して乾燥した。カラムクロマトグラフィーにて化合物(1−B)8.0gを得た。
【0079】
窒素ガス気流下、500mL の反応器に、3−ブロモプロピオン酸(1−C)(169 mmol, 25 g)とトリフェニルホスフィン(196 mmol, 51.42 g)、脱水アセトニトリル(70mL)を加えた。添加終了後、加熱還流下にて5 時間撹拌した。室温まで放冷後、反応液を濃縮した。姿勢した固体を酢酸エチルで洗浄し、wittig−salt(1−D) を65.2 g得た。
【0080】
窒素ガス気流下、500mL の反応器に、化合物(1−B)(37.7 mmol, 8.0 g)とwittig−salt(1−D)(3377 mmol, 1402 g)、脱水THF(75mL)、脱水DMSO(75mL)を加え、27℃(水バス)にて30 分間撹拌した。これに、60%水素化ナトリウム(112.1 mmol, 3.5 g)を少量ずつ注加し、6時間撹拌した。反応混合物を2N水酸化ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで洗浄し、更に酢酸エチル層を2N水酸化ナトリウム水溶液で抽出した。水層を合わせ、6N塩酸を加えてpH1に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、溶媒を留去することによって、化合物(1−E)を9.6g得た。
【0081】
【化12】
【0082】
窒素ガス気流下、300mL の反応器に、化合物(1−E)(35 mmol, 9.4 g)と脱水エタノール(50 mL)、脱水酢酸エチル(50 mL)、10%Pd/C(0.5 g)を加え、10分間窒素を行った。水素バブリング装置を用いて、溶媒に水素ガスを室温で10時間吹き込んだ。更に10%Pd/C(0.5 g)を加え、9時間水素を吹き込んだ。反応終了後、触媒を濾別した後、溶媒を留去することによって、化合物(1−F)を8.8g得た。
【0083】
窒素ガス気流下、200mL の反応器に、化合物(1−F)(32.6 mmol, 8.8 g)と2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(65.1 mmol, 12.0 g)、脱水ジクロロメタン(50 mL)を加え、室温にて5 分間撹拌した。その後、脱水ピリジン(97.7 mmol, 7.7g)を、室温にてゆっくりと注加し、8時間撹拌した。引き続き、塩化アルミニウム(65.1 mmol, 8.7 g)を室温にてゆっくりと加え、4 時間撹拌した。反応終了後、1NHClに注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄、乾燥し、溶媒を留去した後に、カラムクロマトグラフィーにて化合物(1−G)3.3gを得た。
【0084】
窒素ガス気流下、50mL の反応器に、化合物(1−G)(6.0 mmol, 2.5 g)とフェニルヒドラジン塩酸塩(12 mmol, 1.7 g)の脱水エタノール溶液(5 mL)を加え、室温にて5 分間撹拌した。その後、氷酢酸(4.8 mmol, 0.3 g)を注加し、90℃にて4.5 時間撹拌した。反応終了後、生成した沈殿を濾取し、エタノール、水で洗浄後、更にジクロロメタンで洗浄することにより、化合物(1−H)2.7gを得た。
【0085】
窒素ガス雰囲気下、300mLのナスフラスコに、化合物(1−H)(10.3 mmol, 3.4 g)とクロラニル(14.4 mmol, 3.5グラム)、キシレン(150 mL)を加え、6時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却し、析出した固体を濾別した。濾取した固体をトルエン、ジクロロメタンで洗浄することで、化合物(A101)を3.0g得た。
【0086】
【化13】
【0087】
窒素ガス気流下、60.8 %水素化ナトリウム0.33 g(0.0083 mol)、脱水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)4 gを加え、撹拌した。上記で得た(A101) 2.0g(0.0063 mol)をDMF 4 gに溶解させた溶液を5分かけ滴下した後、1時間撹拌を行った。その後、2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン 1.69 g(0.0063 mol)をDMF 4 gに溶解させた溶液を5分かけ滴下した後、7時間撹拌を行った。その後、蒸留水2.0 gを加え、メタノール30.0 gを加えた。析出した結晶を濾別し、これを減圧乾燥した後、カラムクロマトグラフィーで精製して白色粉末の化合物(3) 2.61 g(0.0047 mol、収率75.0 %)を得た。 APCI-TOFMS, m/z 555 [M+H]
+【0088】
上記合成例及び明細書中に記載の合成方法に準じて、化合物(4)、(5)、(10)、(13)及び(18)を合成した。
【0089】
また、化合物(3)、(4)、(5)、(10)、(13)、(18)、又はCBP、前記複素環化合物(H-1)、(H-2)を使用して、有機EL素子を作製した。
【0090】
実施例2
膜厚 150nm の 酸化インジウムスズ(ITO)からなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度2.0×10
-5 Pa で積層させた。まず、ITO 上に正孔注入層として、銅フタロシアニン(CuPC)を 20 nm の厚さに形成した。次に、正孔輸送層としてα-NPDを 40 nm の厚さに形成した。次に、正孔輸送層上に、発光層のホスト材料としての化合物(3)とドーパントとしてのIr(ppy)
3とを異なる蒸着源から共蒸着し、35 nm の厚さに発光層を形成した。Ir(ppy)
3の濃度は 7.0 %であった。次に、電子輸送層としてAlq
3を40 nmの厚さに形成した。更に、電子輸送層上に、電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)を0.5 nmの厚さに形成した。最後に、電子注入層上に、電極としてアルミニウム(Al)を170 nmの厚さに形成し、有機EL素子を作製した。
【0091】
得られた有機EL素子に外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、表1に示すような発光特性を有することが確認された。表1において、輝度、電圧及び発光効率は、10 mA/cm
2での駆動時の値(初期特性)を示す。素子発光スペクトルの極大波長は520 nmであり、Ir(ppy)
3からの発光が得られていることがわかった。
【0092】
実施例3〜7
実施例2における発光層のホスト材料として、化合物(3)に代えて、化合物(4)、(5)、(10)、(13)又は(18)を用いた以外は実施例2と同様にして有機EL素子を作成した。
【0093】
実施例8
実施例2における発光層のホスト材料として、化合物(3)に代えて、化合物(3)とCBPを30対70の比率(重量比)で共蒸着した以外は実施例2と同様にして有機EL素子を作成した。
【0094】
実施例9
実施例2における発光層のホスト材料として、化合物(3)に代えて、化合物(3)とCBPを40対60の比率で共蒸着した以外は実施例2と同様にして有機EL素子を作成した。
【0095】
実施例10
実施例2における発光層のホスト材料として、化合物(3)に代えて、化合物(18)と化合物(5)を40対60の比率で共蒸着した以外は実施例2と同様にして有機EL素子を作成した。
【0096】
実施例11
実施例2における発光層のホスト材料として、化合物(3)に代えて、化合物(18)と化合物(5)を50対50の比率で共蒸着した以外は実施例2と同様にして有機EL素子を作成した。
【0097】
比較例1
実施例2における発光層のホスト材料として化合物(3)に代えて、CBPを用いた以外は実施例2と同様にして有機EL素子を作成した。
【0098】
比較例2
実施例2における発光層のホスト材料として化合物(3)に代えて、複素環化合物(H−1)を用いた以外は実施例2と同様にして有機EL素子を作成した。
【0099】
比較例3
実施例2における発光層のホスト材料として化合物(3)に代えて、複素環化合物(H−2)を用いた以外は実施例2と同様にして有機EL素子を作成した。
【0100】
実施例3〜11及び比較例1〜3で得られた有機EL素子について、実施例2と同様にして評価したところ、表1に示すような発光特性を有することが確認された。なお、実施例3〜11及び比較例1〜3で得られた有機EL素子の発光スペクトルの極大波長は530 nmであり、Ir(ppy)
3からの発光が得られていると同定された。
【0101】
【表1】