特許第6564573号(P6564573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564573
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】熱吸収抑制のためのフォトマスク
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/54 20120101AFI20190808BHJP
   G03F 1/52 20120101ALI20190808BHJP
   G03F 1/50 20120101ALI20190808BHJP
【FI】
   G03F1/54
   G03F1/52
   G03F1/50
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-11764(P2015-11764)
(22)【出願日】2015年1月23日
(65)【公開番号】特開2015-152924(P2015-152924A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2017年11月22日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0014898
(32)【優先日】2014年2月10日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0073127
(32)【優先日】2014年6月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河泰中
【審査官】 右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−309952(JP,A)
【文献】 特開平07−043889(JP,A)
【文献】 特開2001−166453(JP,A)
【文献】 特開2011−018834(JP,A)
【文献】 特表2012−517620(JP,A)
【文献】 特開2013−214095(JP,A)
【文献】 特開2013−218339(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/026463(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0020534(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0128528(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0117479(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0078554(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/00− 1/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光基板と、
前記透光基板上で前記透光基板の光透過領域を露出させるように配置される高反射物質層パターンと、
前記高反射物質層パターン上に配置される光遮断層パターンと
前記光遮断層パターンおよび前記高反射物質層パターンの間に配置される位相反転層パターンとを含むことを特徴とする、フォトマスク。
【請求項2】
前記高反射物質層パターンは、シリコン(Si)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、スズ(Sn)のうちの少なくともいずれか1つを含む物質からなることを特徴とする、請求項1に記載のフォトマスク。
【請求項3】
前記高反射物質層パターンは、酸素(O)および窒素(N)のうちのいずれか1つの成分を追加的に含むことを特徴とする、請求項2に記載のフォトマスク。
【請求項4】
前記高反射物質層パターンは、多層構造からなることを特徴とする、請求項1に記載のフォトマスク。
【請求項5】
前記多層構造は、モリブデン(Mo)層パターンおよびシリコン(Si)層パターンが交互に配置される構造を含むことを特徴とする、請求項4に記載のフォトマスク。
【請求項6】
前記高反射物質層パターンは、照射される光量に対する20%〜90%の反射率を有することを特徴とする、請求項1に記載のフォトマスク。
【請求項7】
前記高反射物質層パターンは、前記光遮断層パターンの厚さより小さい厚さを有することを特徴とする、請求項1に記載のフォトマスク。
【請求項8】
前記光遮断層パターンは、クロム(Cr)層からなることを特徴とする、請求項1に記載のフォトマスク。
【請求項9】
前記高反射物質層パターンおよび前記位相反転層パターンは、50%以下の透過率と、150度〜250度の位相反転率を有することを特徴とする、請求項に記載のフォトマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、フォトマスクに関するものであって、特に、フォトリソグラフィ過程における熱吸収を抑制することができるフォトマスクブランクおよびフォトマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体素子は、半導体基板上にパターンが配置される構造からなる。半導体基板上で能動または受動素子を実現するために形成されるパターンは、フォトリソグラフィ(photolithography)工程およびエッチング工程により作られる。このうち、フォトリソグラフィ工程は、フォトレジスト層パターンを形成する工程であって、具体的には、パターンを作ろうとする対象膜上にフォトレジスト層を形成し、フォトマスクを用いた露光および現像液を用いた現像工程を行うことにより、フォトレジスト層パターンを形成する工程である。このフォトレジスト層パターンは、対象膜をパターニングするためのエッチングマスク層として使用できる。このようにフォトリソグラフィ工程に使用されるフォトマスクは、ウエハ上にパターンを転写させるための道具であって、通常、透光基板上に転写しようとする転写パターンが配置される構造からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第2010-0081831号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2011-0031558号公報
【特許文献3】韓国公開特許第2008-0077870号公報
【特許文献4】韓国公開特許第2008-0008877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願が解決しようとする課題は、フォトリソグラフィ過程で照射される光が透光基板上のパターンによって吸収されることにより発生する熱による温度上昇を抑制できるようにするフォトマスクブランクおよびフォトマスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一例によるフォトマスクブランクは、透光基板と、透光基板上に配置される高反射物質層と、高反射物質層上に配置される光遮断層とを含む。
【0006】
本開示の他の例によるフォトマスクブランクは、透光基板と、透光基板上に配置され、照射される光量の20%〜90%を反射させる材質からなる光遮断層とを含む。
【0007】
本開示の一例によるフォトマスクは、透光基板と、透光基板上で透光基板の光透過領域を露出させるように配置される高反射物質層パターンと、高反射物質層パターン上に配置される光遮断層パターンとを含む。
【0008】
本開示の他の例によるフォトマスクは、透光基板と、透光基板上に配置され、フォトリソグラフィ工程によってウエハに転写されるが、透光基板を通して照射される光量の20%〜90%を反射させる材質からなる光遮断層パターンとを含む。
【0009】
本開示のさらに他の例によるフォトマスクは、透光基板と、透光基板上に配置される、相対的に厚い第1光遮断層パターンおよび相対的に薄い第2光遮断層パターンからなる光遮断層パターンとを含み、第1光遮断層パターンおよび第2光遮断層パターンは、すべてフォトリソグラフィ工程によってウエハに転写される。
【0010】
本開示のさらに他の例によるフォトマスクは、透光基板と、透光基板上に配置され、内部で前記透光基板を露出させるトレンチセグメントを有する光遮断層パターンとを含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示の複数の例によるフォトマスクブランクおよびフォトマスクによれば、フォトリソグラフィ過程において、透光基板を透過して照射される光が透光基板上のパターンによって吸収されることにより発生するパターンおよび透光基板の温度上昇を抑制することができる利点が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の一例によるフォトマスクブランクを示す断面図である。
図2】本開示の他の例によるフォトマスクブランクを示す断面図である。
図3】本開示のさらに他の例によるフォトマスクブランクを示す断面図である。
図4】本開示のさらに他の例によるフォトマスクブランクを示す断面図である。
図5】本開示のさらに他の例によるフォトマスクブランクを示す断面図である。
図6】本開示の一例によるフォトマスクを示す断面図である。
図7】本開示の他の例によるフォトマスクを示す断面図である。
図8】本開示のさらに他の例によるフォトマスクを示す断面図である。
図9】本開示のさらに他の例によるフォトマスクを示す断面図である。
図10】本開示のさらに他の例によるフォトマスクを示す断面図である。
図11】本開示のさらに他の例によるフォトマスクを示す平面図である。
図12図11の線I−I’に沿った断面図である。
図13図11および図12のフォトマスクを用いて露光を行う場合の光吸収量を説明するために示す図である。
図14図11および図12のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程を行って形成されたフォトレジスト層パターンを示す平面図である。
図15図14の線II−II’に沿った断面図である。
図16】本開示のさらに他の例によるフォトマスクを示す平面図である。
図17図16の線III−III’に沿った断面図である。
図18図16および図17のフォトマスクを用いて露光を行う場合の光吸収量を説明するために示す図である。
図19】本開示のさらに他の例によるフォトマスクを示す平面図である。
図20図19の線IV−IV’に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
フォトリソグラフィ工程の過程において、特定波長の光がフォトマスクを通してウエハ上のフォトレジスト層に照射される。この時、フォトマスクの光遮断領域、すなわち、光遮断パターンが配置される領域では、ウエハ上への光の照射が実質的に遮断され、透光領域を透過する光のみが選択的にウエハ上に照射される。この過程で照射される光エネルギーの相当量が光遮断パターンによって吸収され、これは、光遮断パターン内に熱を発生させる原因として作用する。このような熱は透光基板に伝達され、その結果、透光基板が温度上昇によって膨脹される現象が発生することがある。このような透光基板の膨脹によってフォトマスクのパターンの位置精度誤差が発生し、これによってウエハとフォトマスクとの間のオーバーレイが正確に確保されないことがある。本出願の複数の例においては、フォトリソグラフィ工程の過程で照射される光が転写パターンに吸収される現象が抑制できるようにするフォトマスクブランクおよびフォトマスクを提供する。転写パターンでの光エネルギーの吸収が抑制されることにより、フォトリソグラフィ過程で光エネルギーの吸収による転写パターンおよび透光基板の温度上昇が抑制可能になる。
【0014】
本出願の例の記載において、「第1」および「第2」のような記載は部材を区分するためのものであり、部材そのものを限定したり特定の順序を意味するものとして使われたわけではない。また、ある部材の「上」に位置し、あるいは、「上部」、「下部」、または「側面」に位置するとの記載は、相対的な位置関係を意味するもので、その部材に直接接触したり、またはその間の界面に他の部材がさらに導入される特定の場合を限定するわけではない。また、ある1つの構成要素が他の構成要素に「連結されている」あるいは「接続されている」との記載は、他の構成要素に電気的または機械的に直接連結されていたり、または接続されていてよいし、あるいは、中間に他の別の構成要素が介在して連結関係または接続関係を構成することもできる。
【0015】
図1は、本開示の一例によるフォトマスクブランクを示す断面図である。図1を参照すれば、本例によるフォトマスクブランク110は、透光基板111上に、高反射物質層112、光遮断層113、およびフォトレジスト層114が積層される構造を有する。他の例において、フォトレジスト層114は省略されてもよい。透光基板111は、光を透過する材質、例えばクォーツ(quartz)からなってよい。高反射物質層112は、シリコン(Si)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、スズ(Sn)のうちの少なくともいずれか1つを含む物質からなってよい。また、高反射物質層112は、酸素(O)および窒素(N)のうちのいずれか1つの成分を追加的に含むこともできる。このような高反射物質層112は、光に対する20%〜90%の反射率を有する。高反射物質層112の反射率は、高反射物質層112を構成する物質の組成比を調整することにより適宜調整可能である。高反射物質層112は、光遮断層113の厚さより小さい厚さを有することができるが、場合によって、光遮断層113と等しいか、より大きい厚さを有することもできる。光遮断層113は、光遮断物質層、例えばクロム(Cr)層からなってよい。
【0016】
図2は、本開示の他の例によるフォトマスクブランクを示す断面図である。図2を参照すれば、本例によるフォトマスクブランク120は、透光基板121上に、高反射物質層122、光遮断層123、およびフォトレジスト層124が積層される構造を有する。他の例において、フォトレジスト層124は省略されてもよい。透光基板121は、光を透過する材質、例えばクォーツ(quartz)からなってよい。高反射物質層122は、多層構造からなってよい。本例において、高反射物質層122は、第1層122aおよび第2層122bが交互に配置される構造からなってよい。一例において、第1層122aおよび第2層122bは、それぞれモリブデン(Mo)層およびシリコン(Si)層であってよい。他の例において、第1層122aおよび第2層122bは、それぞれルテニウム(Ru)層およびシリコン(Si)層、モリブデン(Mo)層およびベリリウム(Be)層、またはシリコン(Si)層およびニオブ(Nb)層であってもよい。高反射物質層122は、光に対する20%〜90%の反射率を有する。高反射物質層122の反射率は、高反射物質層122を構成する第1層122aおよび第2層122bの厚さおよび積層回数を調整することにより適宜調整可能である。高反射物質層122は、光遮断層123の厚さより小さい厚さを有することができるが、場合によって、光遮断層123と等しいか、より大きい厚さを有することもできる。光遮断層123は、光遮断物質層、例えばクロム(Cr)層からなってよい。
【0017】
図3は、本開示のさらに他の例によるフォトマスクブランクを示す断面図である。図3を参照すれば、本例によるフォトマスクブランク130は、透光基板131上に、高反射物質層132、位相反転層133−1、光遮断層133−2、およびフォトレジスト層134が積層される構造を有する。他の例において、フォトレジスト層134は省略されてもよい。透光基板131は、光を透過する材質、例えばクォーツ(quartz)からなってよい。高反射物質層132は、シリコン(Si)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、スズ(Sn)のうちの少なくともいずれか1つを含む物質からなってよい。また、高反射物質層132は、酸素(O)および窒素(N)のうちの少なくともいずれか1つの成分を追加的に含むこともできる。このような高反射物質層132は、光に対する20%〜90%の反射率を有する。高反射物質層132の反射率は、高反射物質層132を構成する物質の組成比を調整することにより適宜調整可能である。高反射物質層132は、位相反転層133−1の厚さより小さい厚さを有することができるが、場合によって、位相反転層133−1と等しいか、より大きい厚さを有することもできる。一例において、位相反転層133−1は、モリブデンシリコン(MoSi)のような位相反転物質からなってよい。他の例において、位相反転層133−1は、モリブデンシリコンナイトライド(MoSiN)やシリコンオキサイド(SiO)からなってもよい。高反射物質層132および位相反転層133−1の積層構造は、50%以下の透過率、例えば約6%の透過率と、150度〜250度の位相反転率を有することができる。光遮断層133−2は、クロム(Cr)のような光遮断物質からなってよい。
【0018】
図4は、本開示のさらに他の例によるフォトマスクブランクを示す断面図である。図4を参照すれば、本例によるフォトマスクブランク140は、透光基板141上に、高反射物質層142、位相反転層143−1、光遮断層143−2、およびフォトレジスト層144が積層される構造を有する。他の例において、フォトレジスト層144は省略されてもよい。透光基板141は、光を透過する材質、例えばクォーツ(quartz)からなってよい。高反射物質層142は、多層構造からなってよい。本例において、高反射物質層142は、第1層142aおよび第2層142bが交互に配置される構造からなってよい。一例において、第1層142aおよび第2層142bは、それぞれモリブデン(Mo)層およびシリコン(Si)層であってよい。他の例において、第1層142aおよび第2層142bは、それぞれルテニウム(Ru)層およびシリコン(Si)層、モリブデン(Mo)層およびベリリウム(Be)層、またはシリコン(Si)層およびニオブ(Nb)層であってもよい。このような高反射物質層142は、光に対する20%〜90%の反射率を有する。高反射物質層142の反射率は、高反射物質層142を構成する第1層142aおよび第2層142bの厚さおよび積層回数を調整することにより適宜調整可能である。高反射物質層142は、位相反転層143−1の厚さより小さい厚さを有することができるが、場合によって、位相反転層143−1と等しいか、より大きい厚さを有することもできる。一例において、位相反転層143−1は、モリブデンシリコン(MoSi)のような位相反転物質からなってよい。他の例において、位相反転層143−1は、モリブデンシリコンナイトライド(MoSiN)、シリコンオキサイド(SiO)からなってもよい。高反射物質層142および位相反転層143−1の積層構造は、50%以下の透過率、例えば約6%の透過率と、150度〜250度の位相反転率を有することができる。光遮断層143−2は、クロム(Cr)のような光遮断物質からなってよい。
【0019】
図5は、本開示のさらに他の例によるフォトマスクブランクを示す断面図である。図5を参照すれば、本例によるフォトマスクブランク150は、透光基板151上に、光遮断層153、およびフォトレジスト層154が積層される構造を有する。他の例において、フォトレジスト層154は省略されてもよい。透光基板151は、光を透過する材質、例えばクォーツ(quartz)からなってよい。光遮断層153は、光を遮断しながら、光に対する20%〜90%の反射率を有する物質からなってよい。一例において、光遮断層153は、酸素(O)、窒素(N)のような反射率調整成分が追加された、クロム(Cr)層のような光遮断物質層であってよい。図に示さないが、光遮断層153と透光基板151との間に位相反転層がさらに配置されてもよい。この場合、位相反転層も、モリブデンシリコン(MoSi)のような位相反転物質に酸素(O)、窒素(N)のような反射率調整成分を適切に追加し、光に対する20%〜90%の反射率を有するようにすることができる。
【0020】
図6は、本開示の一例によるフォトマスクを示す断面図である。図6を参照すれば、本例によるフォトマスク210は、透光基板211上に配置される高反射物質層パターン212および光遮断層パターン213を含む。このようなフォトマスク210は、図1を参照して説明したフォトマスクブランク110を原材料として、適切なパターニング過程などにより形成することができる。フォトマスク210は、光透過領域215および光遮断領域216を有する。光透過領域215において、透光基板211の表面は露出し、光遮断領域216において、透光基板211上には高反射物質層パターン212および光遮断層パターン213が配置される。透光基板211は、光透過物質、例えばクォーツ(quartz)材質からなってよい。本例において、高反射物質層パターン212および光遮断層パターン213が配置される光遮断領域216は、ウエハへのパターン転写のためのメインパターンが配置される領域として例示しているが、他の領域、例えば、メインパターンが配置される領域を取り囲むフレーム領域やスクライブラインを含むことができる。
【0021】
高反射物質層パターン212は、シリコン(Si)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、スズ(Sn)のうちの少なくともいずれか1つを含む物質からなってよい。また、高反射物質層パターン212は、酸素(O)および窒素(N)のうちの少なくともいずれか1つの成分を追加的に含むこともできる。このような高反射物質層パターン212は、光に対する20%〜90%の反射率を有する。高反射物質層パターン212の反射率は、高反射物質層パターン212を構成する物質の組成比を調整することにより適宜調整可能である。高反射物質層パターン212は、光遮断層パターン213の厚さより小さい厚さを有することができるが、場合によって、光遮断層パターン213と等しいか、より大きい厚さを有することもできる。光遮断層パターン213は、光遮断物質、例えばクロム(Cr)層パターンからなってよい。
【0022】
本例によるフォトマスク210において、透光基板211を透過する入射光218のうち、20%〜90%の光が高反射物質層パターン212によって再び透光基板211に反射する。これによって、入射する光218の14%〜74%が光遮断層パターン213に吸収される。図に示すように、高反射物質層パターン212が50%の反射率を有し、光遮断層パターン213が6%の透過率を有する場合、光遮断層パターン213は44%の光のみが光遮断層パターン213に吸収され、したがって、少量反射する光量と透過される光量以外の残りの光量がすべて光遮断層パターン213に吸収される場合に比べて、フォトリソグラフィ過程における光遮断層パターン213の温度上昇を抑制することができる。他の例において、高反射物質層パターン212の材料として低い熱伝導率を有する物質を使用する場合、光遮断層パターン213の光量吸収によって発生する熱が透光基板211に伝達される程度を抑制させることもできる。
【0023】
図7は、本開示の他の例によるフォトマスクを示す断面図である。図7を参照すれば、本例によるフォトマスク220は、透光基板221上に配置される高反射物質層パターン222および光遮断層パターン223を含む。このようなフォトマスク220は、図2を参照して説明したフォトマスクブランク120を原材料として、適切なパターニング過程などにより形成することができる。フォトマスク220は、光透過領域225および光遮断領域226を有する。光透過領域225において、透光基板221の表面は露出し、光遮断領域226において、透光基板221上には高反射物質層パターン222および光遮断層パターン223が配置される。透光基板221は、光透過物質、例えばクォーツ(quartz)材質からなってよい。本例において、高反射物質層パターン222および光遮断層パターン223が配置される光遮断領域226は、ウエハへのパターン転写のためのメインパターンが配置される領域として例示しているが、他の領域、例えば、メインパターンが配置される領域を取り囲むフレーム領域やスクライブラインを含むことができる。
【0024】
高反射物質層パターン222は、第1層パターン222aおよび第2層パターン222bが交互に配置される多層構造からなってよい。一例において、第1層パターン222aおよび第2層パターン222bは、それぞれモリブデン(Mo)層パターンおよびシリコン(Si)層パターンであってよい。他の例において、第1層パターン222aおよび第2層パターン222bは、それぞれルテニウム(Ru)層パターンおよびシリコン(Si)層パターン、モリブデン(Mo)層パターンおよびベリリウム(Be)層パターン、またはシリコン(Si)層パターンおよびニオブ(Nb)層パターンであってもよい。高反射物質層パターン222は、光に対する20%〜90%の反射率を有する。高反射物質層パターン222の反射率は、高反射物質層パターン222を構成する第1層パターン222aおよび第2層パターン222bの厚さおよび積層回数を調整することにより適宜調整可能である。高反射物質層パターン222は、光遮断層パターン223の厚さより小さい厚さを有するが、場合によって、光遮断層パターン223と等しいか、より大きい厚さを有することもできる。光遮断層パターン223は、光遮断物質、例えばクロム(Cr)層パターンからなってよい。
【0025】
本例によるフォトマスク220において、透光基板221を透過する入射光228のうち、20%〜90%の光が高反射物質層パターン222によって再び透光基板221に反射する。これによって、入射する光228の14%〜74%が光遮断層パターン223に吸収される。図に示すように、高反射物質層パターン222が50%の反射率を有し、光遮断層パターン223が6%の透過率を有する場合、光遮断層パターン223は44%の光のみが光遮断層パターン223に吸収され、したがって、少量反射するか透過される光量以外の残りの光量がすべて光遮断層パターン223に吸収される場合に比べて、フォトリソグラフィ過程における光遮断層パターン223の温度上昇を抑制することができる。他の例において、高反射物質層パターン222の材料として低い熱伝導率を有する物質を使用する場合、光遮断層パターン223の光量吸収によって発生する熱が透光基板221に伝達される程度を抑制させることもできる。
【0026】
図8は、本開示のさらに他の例によるフォトマスクを示す断面図である。図8を参照すれば、本例によるフォトマスク230は、透光基板231上に配置される高反射物質層パターン232および位相反転層パターン233−1を含む。このようなフォトマスク230は、図3を参照して説明したフォトマスクブランク130を原材料として、適切なパターニング過程などにより形成することができる。フォトマスク230は、メインパターン領域230Mと、フレーム領域230Fとを有する。メインパターン領域230Mはフレーム領域230Fによって取り囲まれる。メインパターン領域230Mは、ウエハへのパターン転写のための位相反転層パターン233−1が配置される領域であり、フレーム領域230Fは、フォトリソグラフィ過程における重畳現象を抑制するために光が遮断される領域である。メインパターン領域230Mは、光透過領域235および位相反転領域236を有する。光透過領域235において、透光基板231の表面は露出し、位相反転領域236において、透光基板231上には高反射物質層パターン232および位相反転層パターン233−1が配置される。フレーム領域230Fにおいて、透光基板231上には高反射物質層パターン232、位相反転層パターン233−1、および光遮断層パターン233−2が配置される。透光基板231は、光透過物質、例えばクォーツ(quartz)材質からなってよい。図に示さないが、メインパターン領域230Mが複数個配置される場合、メインパターン領域230Mはスクライブラインによって区分されてよい。この場合、スクライブラインには、フレーム領域230Fのように、透光基板231上に、高反射物質層パターン232、位相反転層パターン233−1、および光遮断層パターン233−2が配置される。
【0027】
高反射物質層パターン232は、シリコン(Si)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、スズ(Sn)のうちの少なくともいずれか1つを含む物質からなってよい。また、高反射物質層パターン232は、酸素(O)および窒素(N)のうちの少なくともいずれか1つの成分を追加的に含むこともできる。このような高反射物質層パターン232は、光に対する20%〜90%の反射率を有する。高反射物質層パターン232の反射率は、高反射物質層パターン232を構成する物質の組成比を調整することにより適宜調整可能である。高反射物質層パターン232は、位相反転層パターン233−1の厚さより小さい厚さを有するが、場合によって、位相反転層パターン233−1と等しいか、より大きい厚さを有することもできる。一例において、位相反転層パターン233−1は、モリブデンシリコン(MoSi)のような位相反転物質からなる。他の例において、位相反転層パターン233−1は、モリブデンシリコンナイトライド(MoSiN)、シリコンオキサイド(SiO)からなってもよい。高反射物質層パターン232および位相反転層パターン233−1の積層構造は、50%以下の透過率、例えば約6%の透過率と、150度〜250度の位相反転率を有することができる。光遮断層パターン233−2は、クロム(Cr)のような光遮断物質からなってよい。
【0028】
本例によるフォトマスク230において、透光基板231を透過する入射光238のうち、20%〜90%の光が高反射物質層パターン232によって再び透光基板231に反射する。また、高反射物質層パターン232を透過する光の一部は位相反転層パターン233−1によって再び透光基板231に反射する。これによって、入射する光238の14%〜74%より少ない量の光が位相反転層パターン233−1に吸収される。図に示すように、高反射物質層パターン232が50%の反射率を有し、位相反転層パターン233−1が6%の透過率を有する場合、位相反転層パターン233−1の反射率を無視すれば、位相反転層パターン233−1は44%の光のみを吸収し、したがって、少量反射するか透過される光量以外の残りの光量がすべて位相反転層パターン233−1に吸収される場合に比べて、フォトリソグラフィ過程における位相反転層パターン233−1の温度上昇を抑制することができる。他の例において、高反射物質層パターン232の材料として低い熱伝導率を有する物質を使用する場合、位相反転層パターン233−1の光量吸収によって発生する熱が透光基板231に伝達される程度を抑制させることもできる。
【0029】
図9は、本開示のさらに他の例によるフォトマスクを示す断面図である。図9を参照すれば、本例によるフォトマスク240は、透光基板241上に配置される高反射物質層パターン242および位相反転層パターン243−1を含む。このようなフォトマスク240は、図4を参照して説明したフォトマスクブランク140を原材料として、適切なパターニング過程などにより形成することができる。フォトマスク240は、メインパターン領域240Mと、フレーム領域240Fとを有する。メインパターン領域240Mはフレーム領域240Fによって取り囲まれる。メインパターン領域240Mは、ウエハへのパターン転写のための位相反転層パターン243−1が配置される領域であり、フレーム領域240Fは、フォトリソグラフィ過程における重畳現象を抑制するために光が遮断される領域である。メインパターン領域240Mは、光透過領域245および位相反転領域246を有する。光透過領域245において、透光基板241の表面は露出し、位相反転領域246において、透光基板241上には高反射物質層パターン242および位相反転層パターン243−1が配置される。フレーム領域240Fにおいて、透光基板241上には高反射物質層パターン242、位相反転層パターン243−1、および光遮断層パターン243−2が配置される。透光基板241は、光透過物質、例えばクォーツ(quartz)材質からなってよい。図に示さないが、メインパターン領域240Mが複数個配置される場合、メインパターン領域240Mはスクライブラインによって区分されてよい。この場合、スクライブラインには、フレーム領域240Fのように、透光基板241上に、高反射物質層パターン242、位相反転層パターン243−1、および光遮断層パターン243−2が配置される。
【0030】
高反射物質層パターン242は、第1層パターン242aおよび第2層パターン242bが交互に配置される多層構造からなってよい。一例において、第1層パターン242aおよび第2層パターン242bは、それぞれモリブデン(Mo)層パターンおよびシリコン(Si)層パターンであってよい。他の例において、第1層パターン242aおよび第2層パターン242bは、それぞれルテニウム(Ru)層パターンおよびシリコン(Si)層パターン、モリブデン(Mo)層パターンおよびベリリウム(Be)層パターン、またはシリコン(Si)層パターンおよびニオブ(Nb)層パターンであってもよい。高反射物質層パターン242は、光に対する20%〜90%の反射率を有する。高反射物質層パターン242の反射率は、高反射物質層パターン242を構成する第1層パターン242aおよび第2層パターン242bの厚さおよび積層回数を調整することにより適宜調整可能である。高反射物質層パターン242は、位相反転層パターン243−1の厚さより小さい厚さを有するが、場合によって、位相反転層パターン243−1と等しいか、より大きい厚さを有することもできる。位相反転層パターン243−1は、モリブデンシリコン(MoSi)のような位相反転物質からなる。他の例において、位相反転層パターン243−1は、モリブデンシリコンナイトライド(MoSiN)、シリコンオキサイド(SiO)からなってもよい。高反射物質層パターン242および位相反転層パターン243−1の積層構造は、50%以下の透過率、例えば約6%の透過率と、150度〜250度の位相反転率を有することができる。光遮断層パターン243−2は、クロム(Cr)のような光遮断物質からなってよい。
【0031】
本例によるフォトマスク240において、透光基板241を透過する入射光248のうち、20%〜90%の光が高反射物質層パターン242によって再び透光基板241に反射する。また、高反射物質層パターン242を透過する光の一部、例えば6%の光は位相反転層パターン243−1を通過して透過される。これによって、入射する光248の4%〜74%の光が位相反転層パターン243−1に吸収される。図に示すように、高反射物質層パターン242が50%の反射率を有し、位相反転層パターン243−1が6%の透過率を有する場合、位相反転層パターン243−1の反射率を無視すれば、位相反転層パターン243−1は44%の光のみを吸収し、したがって、少量反射するか透過される光量以外の残りの光量がすべて位相反転層パターン243−1に吸収される場合に比べて、フォトリソグラフィ過程における位相反転層パターン243−1の温度上昇を抑制することができる。他の例において、高反射物質層パターン242の材料として低い熱伝導率を有する物質を使用する場合、位相反転層パターン243−1の光量吸収によって発生する熱が透光基板241に伝達される程度を抑制させることもできる。
【0032】
図10は、本開示のさらに他の例によるフォトマスクを示す断面図である。図10を参照すれば、本例によるフォトマスク250は、透光基板251上に配置される光遮断層パターン253を含む。透光基板251は、光透過領域255および光遮断領域256を有する。光透過領域255において、透光基板251の表面は露出し、光遮断領域256においては、透光基板251上に光遮断層パターン253が配置される。光遮断領域256は、転写パターンが配置されるメインパターン領域のほか、スクライブラインやフレーム領域を含むことができる。一例において、透光基板251は、クォーツ(quartz)材質からなってよい。一例において、光遮断層パターン253は、クロム(Cr)のような光遮断物質からなってよい。本例によるフォトマスク250において、光遮断層パターン253は、入射する光258の少なくとも20%〜90%、例えば50%を反射させ、10%以下、例えば6%は透過させることのできる材質からなる。このために、光遮断層パターン253を構成する物質、例えばクロム(Cr)に酸素(O)、窒素(N)のような反射率調整成分が追加可能である。図に示すように、光遮断層パターン253が50%の反射率と6%の透過率を有する場合、光遮断層パターン253に入射する光258のうち、44%の光量のみが光遮断層パターン253に吸収され、したがって、少量反射するか透過される光量以外の残りの光量がすべて光遮断層パターン253に吸収される場合に比べて、フォトリソグラフィ過程における光遮断層パターン253の温度上昇を抑制することができる。他の例において、光遮断層パターン253の材料として低い熱伝導率を有する物質を使用する場合、光遮断層パターン253の光量吸収によって発生する熱が透光基板251に伝達される程度を抑制させることもできる。たとえ、本例においてはバイナリ(binary)形態のフォトマスクを例に挙げたが、位相反転形態のフォトマスクの場合にも、光遮断層パターン253の代わりに、位相反転層パターンが使用される点を除いてはすべて同一である。
【0033】
図11は、本開示のさらに他の例によるフォトマスクを示す平面図である。そして、図12は、図11の線I−I’に沿った断面図である。図11および図12を参照すれば、本例によるフォトマスク260は、透光基板261上に配置される光遮断層パターン263を含む。一例において、透光基板261は、光透過物質、例えばクォーツ(quartz)材質からなってよい。透光基板261は、光透過領域265および光遮断領域266を有することができる。光透過領域265において、透光基板261の表面は露出することができる。光遮断領域266において、透光基板261上には光遮断層パターン263が配置されてよい。一例において、光遮断層パターン263は、光遮断物質、例えばクロム(Cr)材質からなってよい。光遮断層パターン263は、露光過程によりウエハに転写される転写パターンを含むだけでなく、スクライブラインやフレーム領域に配置される光遮断パターンも含まれてよい。本例において、光遮断層パターン263は四角形状であるが、これは単に一例であって、ウエハ上に最終形成しようとするパターンに応じて、円形のホール形状のように、四角形状以外の形状であってよいし、その大きさも多様に変形可能である。
【0034】
光遮断層パターン263は、内部の第2光遮断層パターン263bと、第2光遮断層パターン263bを取り囲む第1光遮断層パターン263aとを含んで構成できる。第1光遮断層パターン263aは、第1厚さt1を有する。第2光遮断層パターン263bは、第1光遮断層パターン263aの第1厚さt1より相対的に薄い第2厚さt2を有する。第1光遮断層パターン263aの第1厚さt1は、フォトマスクブランクで提供される光遮断層の厚さであってよい。第2光遮断層パターン263bの第2厚さt2は、フォトマスクブランクで提供される光遮断層の厚さから一定厚さだけ薄くなった厚さであってよい。一例において、第2光遮断層パターン263bの第2厚さt2は、第1光遮断層パターン263aの第1厚さt1の約50%〜90%であってよい。光遮断層パターン263を透過する光量は、光遮断層パターン263の厚さによって影響される。すなわち、光遮断層パターン263が十分な厚さを有する場合、光遮断層パターン263を透過する光量は少ないが、光遮断層パターン263の厚さが小くなるほど、光遮断層パターン263を透過する光量が増加することができる。したがって、第2光遮断層パターン263bの第2厚さt2が薄すぎる場合、例えば、第1光遮断層パターン263aの第1厚さt1の50%より小さい場合、第2光遮断層パターン263bを透過する光量が増加し、第2光遮断層パターン263bがウエハに転写されないことがある。一例において、第1光遮断層パターン263aの第1厚さt1は、第1光遮断層パターン263aを透過する光量が入射する光量の約4%〜40%となるようにする厚さであってよい。また、第2光遮断層パターン263bの第2厚さt2は、第2光遮断層パターン263bを透過する光量が入射する光量の約7%〜60%となるようにする厚さであってよい。
【0035】
図13は、図11および図12のフォトマスクを用いて露光を行う場合の光吸収量を説明するために示す図である。図13において、図11および図12と同一の参照符号は同一の要素を意味する。図13を参照すれば、第1光遮断層パターン263aおよび第2光遮断層パターン263bが同一の物質層からなることにより、透光基板261を透過して第1光遮断層パターン263aに照射される光268のうちの、第1光遮断層パターン263aから反射する光量と、第2光遮断層パターン263bに照射される光269のうちの、第2光遮断層パターン263bから反射する光量とは実質的に同一である。一例において、図に示すように、透光基板261を透過して第1光遮断層パターン263aに照射される光268のうちの、第1光遮断層パターン263aから反射する光量と、第2光遮断層パターン263bに照射される光269のうちの、第2光遮断層パターン263bから反射する光量とは約24%と実質的に同一であってよい。反面、第1光遮断層パターン263aおよび第2光遮断層パターン263bが異なる厚さを有することにより、第1光遮断層パターン263aおよび第2光遮断層パターン263bをそれぞれ透過する光量は互いに異なっていてよい。具体的には、透光基板261を透過して第1光遮断層パターン263aに照射される光268のうち、約6%の光量が第1光遮断層パターン263aを透過し、したがって、第1光遮断層パターン263a内に吸収される光量は、照射される光268の約70%となる。透光基板261を透過して第2光遮断層パターン263bに照射される光269のうち、約26%の光量が第2光遮断層パターン263bを透過し、したがって、第2光遮断層パターン263b内に吸収される光量は、照射される光269の約50%となる。このように相対的に薄い第2厚さt2を有する第2光遮断層パターン263bでの光吸収量が減少し、したがって、照射される光吸収によって、全体光遮断層パターン263で光吸収によって誘発される熱の量を減少させることができる。このような露光過程における光吸収量分布は、光遮断層パターン263の代わりに、位相反転層パターンが適用される位相反転マスクの場合にも同様に適用可能である。
【0036】
図14は、図11および図12のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程を行って形成されたフォトレジスト層パターンを示す平面図である。そして、図15は、図14の線II−II’に沿った断面図である。図14および図15図11および図12と共に参照すれば、図11および図12のフォトマスク260を用いて、基板381上のパターン対象層382上に形成されたフォトレジスト層に対するフォトリソグラフィ工程を行う。フォトレジスト層がポジティブ(positive)型の場合、光透過領域265を透過した光が照射される領域391において、フォトレジスト層は現像によって除去され、光遮断領域266の光遮断層パターン263に対応する領域392においては、現像によって除去されずに残ったフォトレジスト層パターン383が形成される。すなわち、フォトレジスト層パターン383は、第1光遮断層パターン263aおよび第2光遮断層パターン263bが転写されて形成されるパターンであって、光遮断層パターン263が互いに異なる厚さの第1光遮断層パターン263aおよび第2光遮断層パターン263bからなっても、基板381上に形成されるフォトレジスト層パターンに転写させる上で影響を与えない。本例に限らず、以下の他の例によるフォトマスクを用いる場合においても、図14および図15を参照して説明したように、光遮断層パターンが転写されたフォトレジスト層パターン383が形成される。
【0037】
図16は、本開示のさらに他の例によるフォトマスクを示す平面図である。そして、図17は、図16の線III−III’に沿った断面図である。図16および図17を参照すれば、本例によるフォトマスク270は、透光基板271上に配置される光遮断層パターン273を含む。一例において、透光基板271は、光透過物質、例えばクォーツ(quartz)材質からなってよい。フォトマスク270は、光透過領域275および光遮断領域276を有することができる。光透過領域275において、透光基板271の表面は露出することができる。光遮断領域276において、透光基板271上には光遮断層パターン273が配置されてよい。一例において、光遮断層パターン273は、光遮断物質、例えばクロム(Cr)材質からなってよい。他の例において、光遮断層パターン273の代わりに、位相反転層パターンが使用されてもよい。位相反転層パターンは、位相反転物質、例えば、モリブデンシリコン(MoSi)、モリブデンシリコンナイトライド(MoSiN)、またはシリコンオキサイド(SiO)材質からなってよい。この場合、光遮断領域276は位相反転領域となる。本例において、光遮断層パターン273は四角形状であるが、これは単に一例であって、ウエハ上に最終形成しようとするパターンに応じて、円形のホール形状のように、四角形状以外の形状であってよいし、その大きさも多様に変形可能である。
【0038】
光遮断層パターン273は、第1厚さt3を有する第1光遮断層パターン273aと、第1厚さt3より小さい第2厚さt4を有する第2光遮断層パターン273bとを含んで構成できる。第1光遮断層パターン273aおよび第2光遮断層パターン273bは、同一の物質層からなる。第2光遮断層パターン273bは、1つの光遮断領域276内で複数個配置されてよい。第2光遮断層パターン273bのそれぞれは、1つの光遮断領域276内で一方向、例えば、第1方向に長く延びるストライプ形態からなってよい。第2光遮断層パターン273bのそれぞれは、第1方向と実質的に垂直な第2方向に沿って一定間隔離隔するように配置されてよい。第1光遮断層パターン273aは、第2光遮断層パターン273bのそれぞれを取り囲むように配置される。これによって、第1方向に沿って第2光遮断層パターン273bの両端部には第1光遮断層パターン273aが配置される。第2方向に沿っては第1光遮断層パターン273aおよび第2光遮断層パターン273bが交互に配置されるが、両周縁には常に第1光遮断層パターン273aが配置される。このような光遮断層パターン273の配置構造によって、光透過領域275に接する光遮断層パターン273のすべての周縁には相対的に厚い第1厚さt3の第1光遮断層パターン273aが配置され、光透過領域275と光遮断領域276との境界付近で透過される光と遮断される光との差を十分に確保することができる。
【0039】
第1光遮断層パターン273aの第1厚さt3は、フォトマスクブランクで提供される光遮断層の厚さであってよい。第2光遮断層パターン273bの第2厚さt4は、フォトマスクブランクで提供される光遮断層の厚さから一定の厚さだけ小くなった厚さであってよい。一例において、第2光遮断層パターン273bの第2厚さt4は、第1光遮断層パターン273aの第1厚さt3の約50%〜90%であってよい。第2光遮断層パターン273bの第2厚さt4が薄すぎる場合、例えば、第2光遮断層パターン273bの第2厚さt4が第1光遮断層パターン273aの第1厚さt3の50%より小さい場合、第2光遮断層パターン273bを透過する光量が増加し、第2光遮断層パターン273bがウエハに転写されないことがある。一例において、第1光遮断層パターン273aの第1厚さt3は、第1光遮断層パターン273aを透過する光の透過率が入射光の約4%〜40%となるようにする厚さであってよい。また、第2光遮断層パターン273bの第2厚さt4は、第2光遮断層パターン273bを透過する光の透過率が入射光の約7%〜60%となるようにする厚さであってよい。
【0040】
図18は、図16および図17のフォトマスクを用いて露光を行う場合の光吸収量を説明するために示す図である。図18において、図16および図17と同一の参照符号は同一の要素を意味する。図18を参照すれば、第1光遮断層パターン273aおよび第2光遮断層パターン273bが同一の物質層からなることにより、透光基板271を透過して第1光遮断層パターン273aに照射される光278のうちの、第1光遮断層パターン273aから反射する光量と、第2光遮断層パターン273bに照射される光279のうちの、第2光遮断層パターン273bから反射する光量とは実質的に同一である。すなわち、透光基板271を透過して第1光遮断層パターン273aに照射される光278のうちの、第1光遮断層パターン273aから反射する光量と、第2光遮断層パターン273bに照射される光279のうちの、第2光遮断層パターン273bから反射する光量とはすべて約24%であってよい。反面、第1光遮断層パターン273aおよび第2光遮断層パターン273bが異なる厚さを有することにより、第1光遮断層パターン273aおよび第2光遮断層パターン273bをそれぞれ透過する光量は互いに異なっていてよい。具体的には、透光基板271を透過して第1光遮断層パターン273aに照射される光278のうち、約6%の光量が第1光遮断層パターン273aを透過し、したがって、第1光遮断層パターン273a内に吸収される光量は、照射される光278の約70%となる。反面、透光基板271を透過して第2光遮断層パターン273bに照射される光279のうち、約26%の光量が第2光遮断層パターン273bを透過し、したがって、第2光遮断層パターン273b内に吸収される光量は、照射される光279の約50%となる。このように相対的に薄い第2厚さt4を有する第2光遮断層パターン273bでの光吸収量が減少し、したがって、照射される光吸収によって光遮断層パターン273で発生する熱の全体量を減少させることができる。
【0041】
図19は、本開示のさらに他の例によるフォトマスクを示す平面図である。そして、図20は、図19の線IV−IV’に沿った断面図である。図19および図20を参照すれば、本例によるフォトマスク280は、透光基板281上に配置される光遮断層パターン283を含む。一例において、透光基板281は、光透過物質、例えばクォーツ(quartz)材質からなってよい。フォトマスク280は、光透過領域285および光遮断領域286を有することができる。光透過領域285において、透光基板281の表面は露出することができる。光遮断領域286において、透光基板281上には光遮断層パターン283が配置されてよい。一例において、光遮断層パターン283は、光遮断物質、例えばクロム(Cr)材質からなってよい。他の例において、光遮断層パターン283の代わりに、位相反転物質、例えば、モリブデンシリコン(MoSi)材質からなる位相反転層パターンが使用されてもよい。この場合、光遮断領域286は位相反転領域となる。本例において、光遮断層パターン283は四角形状であるが、これは単に一例であって、ウエハ上に最終形成しようとするパターンに応じて、円形のホール形状のように、四角形状以外の形状であってよいし、その大きさも多様に変形可能である。
【0042】
光遮断層パターン283は、内部で透光基板281を露出させる複数のトレンチセグメント(trench segment)283aを有することができる。トレンチセグメント283aのそれぞれは、光遮断層パターン283内で第1方向に長く延びるストライプ形態からなってよく、第1方向と実質的に垂直な第2方向に沿って一定間隔離隔するように配置されてよい。これによって、第2方向に沿って光遮断層パターン283およびトレンチセグメント283aが交互に配置される。
【0043】
トレンチセグメント283aの幅W1は、たとえトレンチセグメント283aによって透光基板281の表面が露出しても、フォトリソグラフィ工程の際、トレンチセグメント283a自体がウエハに転写されない程度の幅である。このような条件のトレンチセグメント283aの幅W1は、光遮断層パターン283の大きさおよび厚さ、使用される光の波長、フォトリソグラフィ装置で使用される照明系などに応じて多様に決定可能である。このように、フォトリソグラフィ工程の際、トレンチセグメント283a自体がウエハに転写されないことにより、ウエハにはトレンチセグメント283aを含む光遮断層パターン283の全体形状のパターンが転写可能である。
【0044】
本例によるフォトマスク280において、トレンチセグメント283aによって露出する光遮断層パターン283の側面を通して、光遮断層パターン283の吸収する光エネルギーによって発生する熱が発散可能であり、これによって、露光過程において光遮断層パターン283による光エネルギーの吸収による温度上昇を抑制することができる。さらに、光遮断層パターン283と透光基板281との間の接触面積がトレンチセグメント283aの面積だけ減少するため、光遮断層パターン283で発生する熱が透光基板281に伝達される現象が抑制可能になる。また、トレンチセグメント283aは、パターニングに影響を与えない範囲内でトレンチセグメント283aを透過する光の回折を誘発させ、隣接した光遮断層パターン283を透過する光を相殺させることもできる。
【0045】
以上、本出願の実施形態を図面を例示して説明したが、これは本出願で提示しようするものを説明するためのものであり、細かに提示された形状により本出願で提示しようとするものを限定したわけではない。本出願で提示した技術的思想が反映される限り、多様な他の変形例が可能である。
【符号の説明】
【0046】
110:フォトマスクブランク
111:透光基板
112:高反射物質層
113:光遮断層
114:フォトレジスト層
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