(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0011】
本発明の一実施形態に係るグレージングチャンネルが使用されたグレージングチャンネル付きガラスの構成例について説明する。本発明の一実施形態に係るグレージングチャンネルは、防火性能を有する窓ガラス、例えば網入りガラス、複層ガラスに好適に用いることができる。
【0012】
以下では、グレージングチャンネルを複層ガラスに適用した場合の構成例について、
図1から
図3を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るグレージングチャンネル付き複層ガラスの概略断面図である。
図2は、本発明の一実施形態に係るグレージングチャンネル付き複層ガラスを構成するガラス板を説明するための図である。
図3は、本発明の一実施形態に係るグレージングチャンネル付き複層ガラスの他の例を示す概略断面図である。
【0014】
本発明の一実施形態に係るグレージングチャンネル付き積層ガラスは、
図1に示すように、複層ガラス100と、複層ガラス100の外周を保護するように設けられたグレージングチャンネル110とを有する。そして、グレージングチャンネル付き積層ガラスは、例えば窓枠120に形成された溝部121にセッティングブロック130を介して取り付けられる。
【0015】
複層ガラス100は、
図1に示すように、第1のガラス板10と、第2のガラス板20と、スペーサ30と、1次シール40と、2次シール50と、中空層60とを含む。そして、複層ガラス100は、第1のガラス板10がスペーサ30を介して第2のガラス板20と対向して隔置され、1次シール40及び2次シール50により第1のガラス板10及び第2のガラス板20の外周が封着された構成となっている。
【0016】
第1のガラス板10は、風冷強化処理された強化ガラスである。第1のガラス板10の厚み(
図1中、「T1」で示す。)は、十分な耐火性能が得られるという観点から、2mm以上とすることができる。
【0017】
風冷強化処理としては、特に限定されないが、研磨工程後の第1のガラス板10を620℃以上660℃以下に加熱することが好ましい。急冷前の第1のガラス板10の温度を620℃以上とすることによって、冷却過程で一時的に発生する引っ張り応力による割れを防ぎ、かつ十分な残留歪、すなわち表面圧縮応力を発生させて遮炎性能を確保することができる。他方で急冷前の第1のガラス板10の温度を660℃以下にすることによって、熱処理の痕跡や反りを防いでクリアな視界を確保(視界の妨げを抑制)することができる。
【0018】
また、第1のガラス板10の主面に均一に表面圧縮応力を付与するために、第1のガラス板10の上下全面に対して5℃以上80℃以下の圧縮空気をノズルから噴出して急冷することが好ましい。なお、圧縮空気の温度は、空気が送風機によって圧縮されるため、送風機の回転エネルギーにより外気温よりも高くなり、場合によっては80℃近くまで上昇することがある。しかしながら、冷却風を冷却機によって冷やすことで5℃近くまで下げることができる。
【0019】
また、第1のガラス板10は、
図2に示すように、第1のガラス板10の主面10aと端面10bとの境界部分には、研磨により第1のガラス板10の主面10a及び端面10bに対し傾斜した傾斜面10cが形成されていことが好ましい。研磨方法としては、例えば砥粒径の異なる複数個の研磨用の砥石を用いる方法が挙げられる。
【0020】
第1のガラス板10の主面10aと傾斜面10cとのなす角度Aは、135度以上170度以下であることが好ましい。角度Aが135度よりも小さいと、傾斜面10cと第1のガラス板10の主面10aとで成す角部10dにカケが発生しやすく、物理強化処理前のエッジ強度が不足し、高温までの加熱や風圧の高い冷却処理が必要になる。このため、第1のガラス板10に歪や変形が生じ、クリアな視界が得られなくなる。また、角度Aが170度よりも大きいと、高い精度で研磨する必要があるため、設備コストが増大する。また、特にカケが発生しにくいという観点から、角度Aは151度以上170度以下であることが好ましく、154度以上170度以下であることがより好ましい。なお、角度Aは、これらの範囲に入っていれば上下の第1のガラス板10の主面10aに対して同一であってもよく、同一でなくてもよい。
【0021】
また、第1のガラス板10の端面10bは、研磨加工されていることが好ましい。これにより、切断品質によるエッジ強度のばらつきを安定化させることができる。また、研磨加工としては、特に平行研磨(ガラスの研磨のための送り方向と、ガラスと砥石の研磨面とが当たるところでの砥石の回転方向が同じになる研磨方法)であることが好ましい。
【0022】
また、第1のガラス板10の主面10aにおける表面圧縮応力は、70MPa以上155MPa以下であることが好ましい。表面圧縮応力を70MPa以上にすることにより、耐熱強化ガラスとして必要な遮炎性能を得ることができる。また、表面圧縮応力を155MPa以下にすることにより、第1のガラス板10の圧縮応力歪みによる視界の妨げを抑制することができる。
【0023】
なお、表面圧縮応力の測定方法としては、JIS R3222(2003年版)に記載の示差屈折計による方法を用いることができる。表面圧縮応力の分布としては、第1のガラス板10の面内において均一な視界が得られるという観点から、第1のガラス板10の面内でばらつきが小さいことが好ましい。
【0024】
第2のガラス板20は、第1のガラス板10と対向して配置されている。第2のガラス板20は、平面視において第1のガラス板10と同一又は略同一の大きさを有する。第2のガラス板20は、第1のガラス板10と同様に、風冷強化処理された強化ガラスである。第2のガラス板20の厚み(
図1中、「T2」で示す。)は、十分な耐火性能が得られるという観点から、2mm以上とすることができる。
【0025】
第2のガラス板20としては、風冷強化処理された強化ガラスであり、厚みが2mm以上であれば特に限定されないが、第1のガラス板10と同一の厚みであってもよく、第1のガラス板10と異なる厚みであってもよい。
【0026】
第2のガラス板20は、第1のガラス板10と同様に、所定寸法に切断されており、第2のガラス板20の主面と端面との境界部分には、研磨により第2のガラス板20の主面及び端面に対し傾斜した傾斜面が形成されていることが好ましい。第2のガラス板20の主面と傾斜面とのなす角度Aは、第1のガラス板10と同様に、135度以上170度以下であることが好ましい。
【0027】
また、第2のガラス板20の端面は、研磨加工されていることが好ましい。これにより、切断品質によるエッジ強度のばらつきを安定化させることができる。また、研磨加工としては、特に平行研磨であることが好ましい。
【0028】
また、第2のガラス板20の主面における表面圧縮応力は、第1のガラス板10と同様に、70MPa以上155MPa以下であることが好ましい。
【0029】
第1のガラス板10及び第2のガラス板20の少なくとも一方の中空層60側の面には、
図3に示すように、断熱性能及び遮熱性能を高めるという観点から、Low−E(Low Emissivity)膜70が形成されていることが好ましい。Low−E膜70は、放射伝熱を抑制することで、熱の通過を制限する薄膜である。Low−E膜70としては、特に限定されないが、例えば窒化チタン(TiN)から成る吸収層、窒化珪素(Si
3N
4)から成る透明誘電体膜、Ag主成分膜等、金属亜鉛から成る透明誘電体膜をこの順で積層した構成とすることができる。
【0030】
スペーサ30は、第1のガラス板10と第2のガラス板20との間に設けられ、第1のガラス板10と第2のガラス板20とを隔置させる部材である。スペーサ30は、枠状に形成され、中空層60を取り囲む。中空層60の内部には、第1のガラス板10と第2のガラス板20との間隔を保つピラーが設けられてもよい。また、スペーサ30は、その内部に空洞部31を有し、空洞部31には粒状ゼオライト等の乾燥材32が充填されている。スペーサ30には、空洞部31を中空層60に連通させる貫通孔33が開口されており、貫通孔33を介して中空層60の空気が乾燥される。スペーサ30の材料としては、特に限定されないが、例えばアルミニウム、ステンレス、硬質樹脂が挙げられる。
【0031】
1次シール40は、第1のガラス板10とスペーサ30との間に設けられ、第1のガラス板10とスペーサ30とを接着する。また、1次シール40は、スペーサ30と第2のガラス板20との間に設けられ、スペーサ30と第2のガラス板20とを接着する。1次シール40の材料としては、特に限定されないが、例えばブチル系シーリング材が挙げられる。なお、難燃性向上の観点から、難燃剤を配合してもよい。さらに、加工性、粘着性等の向上の観点から、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤等の架橋剤、加硫遅延剤、その他添加材(カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどの充填剤(フィラー)、ワックス、シランカップリング剤、活性剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、酸化防止剤、滑剤、顔料、紫外線吸収剤、分散剤、脱水剤、粘着付与剤、帯電防止剤、加工助剤)を配合してもよい。これらの配合成分は、ゴム組成物用の一般的なものを挙げることができる。それらの配合量も特に制限されず、任意に選択される。
【0032】
2次シール50は、1次シール40を取り囲み、1次シール40と共に中空層60を封止する。2次シール50の材料としては、特に限定されないが、ポリサルファイド、シリコーン、ウレタン等の硬化性エラストマーとし、1次シール40と同様に、ガラスとの接着性を発現するために適当な変性を加えられたもの等が好ましい。
【0033】
中空層60は、第1のガラス板10、第2のガラス板20、1次シール40及び2次シール50により密封され、大気と隔離される密封空間である。中空層60の厚み(
図1中、「T3」で示す。)は、断熱性能の観点から、3mm以上とすることができる。
【0034】
中空層60の厚みとしては、3mm以上であれば特に限定されないが、第1のガラス板10の厚み、第2のガラス板20の厚み、窓枠120の溝幅及びグレージングチャンネル110の取り付けに必要な厚みに応じて決定されることが好ましい。具体的には、第1のガラス板10の厚みが3mm、第2のガラス板20の厚みが3mm、窓枠120の溝幅が14mm、グレージングチャンネル110の取り付けに必要な厚みが4mmである場合には、中空層60の厚みは4mmとすることができる。
【0035】
中空層60には、例えば乾燥空気、不活性ガスが封入される。不活性ガスの種類としては、特に限定されるものではなく、例えばクリプトンガス、アルゴンガスが挙げられる。しかしながら、中空層60内での対流を抑制し、断熱性能を向上させるという観点から、クリプトンガスであることが好ましい。中空層60の気圧としては、大気圧と同じであってもよく、大気圧よりも小さくてもよい。また、中空層60は、真空とされてもよい。
【0036】
グレージングチャンネル110は、難燃性の材料で形成され、断面形状が略U字状である。グレージングチャンネル110は、複層ガラス100の外周に取り付けられ、窓枠120の内周面に形成された溝部121にはめ込まれる。
【0037】
グレージングチャンネル110は、複層ガラス100の端面を止着する底壁部111aと、底壁部111aから延在し複層ガラス100の主面に沿って設けられる側壁部111bと、を含む断面略U字状の本体部111を有する。本体部111の材料としては、難燃性の硬質樹脂が好ましく、例えば硬質PVC(ポリ塩化ビニル)を用いることができる。
【0038】
底壁部111aは、複層ガラス100の端面に沿って(
図1中、「Y方向」で示す。)設けられており、複層ガラス100の端面を保護すると共に、複層ガラス100の端面を止着する。
【0039】
側壁部111bは、底壁部111aから延在し、複層ガラス100の主面に沿って設けられている。側壁部111bの複層ガラス100が取り付けられる側の面には、難燃性の軟質樹脂を主材料とする舌片状部111cが設けられている。
【0040】
舌片状部111cは、グレージングチャンネル110に複層ガラス100の端面を止着させたときの嵌合性を向上させ、かつ、複層ガラス100と側壁部111bとの間における接触を緩和する。すなわち、複層ガラス100の端面にグレージングチャンネル110が取り付けられると、舌片状部111cの先端部分が複層ガラス100に沿うように弾性的に曲がり(
図1中、破線の位置から実線の位置に曲がり)、弾性復元力により、複層ガラス100を保持する。
【0041】
舌片状部111cは、側壁部111bに対して垂直よりも複層ガラス100の挿入方向(
図1中、「−Z方向」で示す。)を向くように形成されていることが好ましい。これにより、グレージングチャンネル110に複層ガラス100を止着させる際の作業性及びグレージングチャンネル110を複層ガラス100に止着させたときの嵌合性が向上する。
【0042】
なお、
図1では、舌片状部111cが左右の側壁部111bに各々2つずつ形成されているが、本発明はこの点において限定されるものではなく、舌片状部111cが左右の側壁部111bに各々1つずつ形成されていてもよく、3つ以上ずつ形成されていてもよい。
【0043】
また、グレージングチャンネル110は、側壁部111bの複層ガラス100がはめ込まれる側と反対側の面から窓枠120の内方(
図1中、「+Z方向」で示す。)に突出するように本体部111と一体に形成されるシール部112を有する。
【0044】
シール部112は、グレージングチャンネル110に複層ガラス100の端面を止着させたときの嵌合性を向上させる。すなわち、複層ガラス100の端面にグレージングチャンネル110が取り付けられると、シール部112の先端部分が複層ガラス100に沿うように弾性的に曲がり(
図1中、破線の位置から実線の位置に曲がり)、弾性復元力により、複層ガラス100を保持する。
【0045】
シール部112の材料としては、本体部111よりも軟質な難燃性の軟質樹脂が好ましく、例えば軟質PVCを用いることができる。
【0046】
グレージングチャンネル110における窓枠120の内周面からの突出長さ(
図1中、「L1」で示す。)は、グレージングチャンネル110における複層ガラス100の端面が止着される面(以下「止着面」という。)から窓枠120の内周面までの長さ(以下「呑み込み深さ」という。)(
図1中、「L2」で示す。)よりも長い長さとすることができる。これにより、従来のように、グレージングチャンネル110における窓枠120の内周面からの突出長さよりも呑み込み深さのほうが長い場合と比較して、火災等の高温環境下において、グレージングチャンネル110が第1のガラス板10及び第2のガラス板20に粘着し、第1のガラス板10及び第2のガラス板20を保持することができる。結果として、耐火性能を高めることができる。
【0047】
また、呑み込み深さは、十分な耐風圧性能が得られるという観点から、5mm以上であることが好ましい。また、呑み込み深さは、複層ガラス100における窓枠120に呑み込まれている部分と窓枠120に呑み込まれていない部分との間の温度差を小さくし、熱割れを抑制するという観点から、7mm以下であることが好ましい。
【0048】
また、グレージングチャンネル110における窓枠120の内周面からの突出長さは、第1のガラス板10及び第2のガラス板20を十分保持できるという観点から、8mm以上であることが好ましい。
【0049】
また、グレージングチャンネル110における窓枠120の内周面からの突出長さと呑み込み深さとの和(
図1中、「L1+L2」で示す。)は、止着面からスペーサ30の中空層60が形成された側の面までの長さ(
図1中、「L3」で示す。)よりも長いことが好ましい。これにより、複層ガラス100の主面に対して垂直な方向(
図1中、「X方向」で示す。)からグレージングチャンネル110が取り付けられた複層ガラス100を視たときに、スペーサ30がグレージングチャンネル110によって隠れる。このため、意匠性が向上する。
【0050】
グレージングチャンネル110の形成方法としては、特に限定されないが、例えば本体部111の材料とシール部112の材料とを用いて二色成形する方法が挙げられる。
【0051】
以上に説明したように、本発明の一実施形態に係るグレージングチャンネルによれば、グレージングチャンネルが難燃性の材料で形成されている。また、窓ガラスに直交する方向から見て、窓枠から露出するグレージングチャンネルの長さは、窓枠により隠れる長さよりも長い。このため、火災等の高温環境下において、グレージングチャンネルが窓ガラスを保持した状態で灰となるため、窓ガラスを保持した状態を維持することができる。このため、窓ガラスを保持する性能を向上させ、耐火性能を高めることができる。
【実施例】
【0052】
以下に本発明のさらに具体的な実施例について説明する。
【0053】
防火ガラスとして必要な性能は、例えば日本では建築基準法第2条第9号の2や、建築基準法第64条に規定されている遮炎性能を満足することである。これを評価する試験として、例えばISO834−1:1999の加熱温度曲線に基づく防火試験がある。これに合格するためには、防火試験中に火炎が通る亀裂などの損傷及び隙間を生じないことなどが求められる。
【0054】
今回防火試験に用いた複層ガラスは、第1のガラス板(厚み:2.8mm)と第2のガラス板(厚み:2.8mm)とスペーサ(材質:アルミニウム)と1次シール(材質:ブチル)と2次シール(材質:ポリサルファイド)と中空層(厚み:4.0mm)とを含む。そして、複層ガラスは、第1のガラス板がスペーサを介して第2のガラス板と対向して隔置され、1次シール及び2次シールにより第1のガラス板及び第2のガラス板の外周が封着された構成となっている。
【0055】
第1のガラス板及び第2のガラス板は、風冷強化処理された強化ガラスである。第1のガラス板及び第2のガラス板の主面と傾斜面とのなす角度は150度である。第1のガラス板及び第2のガラス板の表面圧縮応力は120MPaである。第2のガラス板の中空層側の面には、断熱性能及び遮熱性能を高めるという観点から、Low−E(Low Emissivity)膜が形成されている。
【0056】
スペーサは、枠状に形成され、中空層を取り囲む。またスペーサは、その内部に空洞部を有し、空洞部には粒状ゼオライトが充填されている。スペーサには、空洞部を中空層に連通させる貫通孔が開口されており、貫通孔を介して中空層の空気が乾燥される。
【0057】
1次シールは、第1のガラス板および第2のガラス板とスペーサとの間に設けられ、第1のガラス板及び第2のガラス板とスペーサとを接着する。2次シールは、1次シールを取り囲み、1次シールと共に中空層を封止する。
【0058】
中空層は、第1のガラス板、第2のガラス板、1次シール及び2次シールにより密封され、大気と隔離される密封空間である。
【0059】
グレージングチャンネルは、複層ガラスの端面を止着する底壁部と、底壁部から延在し複層ガラスの主面に沿って設けられる側壁部と、を含む断面略U字状の本体部を有する。本体部の材料としては、建築ガスケット工業会が指定する防火戸(防火設備)用PVCを用いる。底壁部は、複層ガラスの端面に沿って設けられており、複層ガラスの端面を保護すると共に、複層ガラスの端面を止着する。グレージングチャンネルは、側壁部の複層ガラスがはめ込まれる側と反対側の面から窓枠の内方に突出するように本体部と一体に形成されるシール部を有する。シール部の材料としては、本体部よりも軟質なPVCを用いる。グレージングチャンネルにおける窓枠の内周面からの突出長さは8mm、呑み込み深さは5mmである。止着面からスペーサの中空層が形成された側の面までの長さは11mmである。
【0060】
試験の結果、非加熱側への10秒を超えて継続する火炎噴出及び発炎は見られず、火炎が通る亀裂などの損傷及び隙間を生じなかった。また複層ガラスがグレージングチャンネルから脱落することはなかった。
【0061】
以上、グレージングチャンネル及びグレージングチャンネル付き複層ガラスを実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。