(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6565329
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】シール部材付き透明板
(51)【国際特許分類】
B60J 10/70 20160101AFI20190819BHJP
B60J 10/22 20160101ALI20190819BHJP
B60J 1/02 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
B60J10/70
B60J10/22
B60J1/02 M
B60J1/02 111N
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-106393(P2015-106393)
(22)【出願日】2015年5月26日
(65)【公開番号】特開2016-215977(P2016-215977A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2018年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐瀬 正行
(72)【発明者】
【氏名】中野 篤史
【審査官】
田々井 正吾
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−331134(JP,A)
【文献】
特開2011−207645(JP,A)
【文献】
特開平08−164738(JP,A)
【文献】
特開2007−223883(JP,A)
【文献】
特開2000−249966(JP,A)
【文献】
特開平05−177690(JP,A)
【文献】
米国特許第04757660(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/70
B60J 1/02
B60J 10/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の窓枠に取付けられる透明板と、前記透明板の側縁部と前記窓枠との間をシールするシール部材とを有する、シール部材付き透明板であって、
前記透明板は、合わせガラスで構成されているフロントウィンドガラスであり、
前記透明板の厚さは、前記透明板の前記側縁部に沿って変化し、
前記シール部材は、前記透明板の車内側の面を支持する内側面支持部と、前記透明板の端面を支持する端面支持部とを有し、
前記透明板の下縁部と前記窓枠との間は、前記シール部材とは別のシール部材によってシールされ、
前記透明板の厚さが大きくなるに従って、前記端面支持部の厚さが大きくなる、シール部材付き透明板。
【請求項2】
前記透明板の前記側縁部に沿って、前記端面支持部の厚さが大きくなる一方で、前記内側面支持部の厚さが一定とされる、請求項1に記載のシール部材付き透明板。
【請求項3】
前記透明板の前記側縁部に沿って、前記端面支持部の厚さが大きくなるに従って、前記内側面支持部の厚さが小さくなる、請求項1に記載のシール部材付き透明板。
【請求項4】
前記シール部材は、前記透明板の車外側の面を支持する外側面支持部をさらに有し、
前記透明板の前記側縁部に沿って、前記端面支持部の厚さが大きくなる一方で、前記外側面支持部の厚さが一定とされる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシール部材付き透明板。
【請求項5】
前記シール部材は、前記透明板の車外側の面を支持する外側面支持部をさらに有し、
前記透明板の前記側縁部に沿って、前記端面支持部の厚さが大きくなるに従って、前記外側面支持部の厚さが小さくなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシール部材付き透明板。
【請求項6】
前記窓枠は前記透明板の前記車内側の面と対向する底面と、前記底面を基準として車外側に配設される露出面とをさらに有し、
縦断面において、前記透明板の前記車内側の面と、前記窓枠の前記底面とが平行である、請求項2に記載のシール部材付き透明板。
【請求項7】
前記窓枠は前記透明板の前記車内側の面と対向する底面と、前記底面を基準として車外側に配設される露出面とをさらに有し、
縦断面において、前記透明板の車外側の面と、前記窓枠の前記底面とが平行である、請求項3に記載のシール部材付き透明板。
【請求項8】
前記シール部材は内部にインサート材を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシール部材付き透明板。
【請求項9】
前記インサート材は弾性変形可能な金属片である、請求項8に記載のシール部材付き透明板。
【請求項10】
前記シール部材は、前記透明板の左右両側縁部の少なくとも一方と前記窓枠との間をシールする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のシール部材付き透明板。
【請求項11】
前記シール部材は、前記透明板の前記左右両側縁部と前記窓枠との間をシールする、請求項10に記載のシール部材付き透明板。
【請求項12】
前記透明板の上縁部と前記窓枠との間は、前記シール部材とは別のシール部材によってシールされる、請求項11に記載のシール部材付き透明板。
【請求項13】
前記シール部材は、前記透明板の上縁部から前記左右両側縁部にわたって、前記透明板の上縁部および前記左右両側縁部と、前記透明板との間をシールする、請求項11項に記載のシール部材付き透明板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール部材付き透明
板に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用の窓ガラスとして、くさび状の断面形状を有するものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。この窓ガラスによれば、窓ガラスに対し車内側から画像を投影したときに、窓ガラスの車内側の面で反射された反射像と、窓ガラスの車外側の面で反射された反射像とが運転者などの搭乗者に重なって見え、2つの反射像のずれが抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3568412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
窓ガラスの側縁部には、窓ガラスの側縁部と窓枠との間をシールするシール部材が設けられる。
【0005】
窓ガラスがくさび状の断面形状を有する場合、窓ガラスの側縁部に沿って窓ガラスの厚さが変化する。
【0006】
そのため、従来、シール部材は窓ガラスの車内側の面のみを支持しており、窓ガラスの安定性が低かった。
【0007】
ところで、このような課題は、窓ガラスの場合のみならず、くさび状の断面形状を有する車両用の透明板においても同様に生じる。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、透明板の安定性を向上した、シール部材付き透明板の提供を主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、
車両の窓枠に取付けられる透明板と、前記透明板の側縁部と前記窓枠との間をシールするシール部材とを有する、シール部材付き透明板であって、
前記透明板は、合わせガラスで構成されているフロントウィンドガラスであり、
前記透明板の厚さは、前記透明板の前記側縁部に沿って変化し、
前記シール部材は、前記透明板の車内側の面を支持する内側面支持部と、前記透明板の端面を支持する端面支持部とを有し、
前記透明板の下縁部と前記窓枠との間は、前記シール部材とは別のシール部材によってシールされ、
前記透明板の厚さが大きくなるに従って、前記端面支持部の厚さが大きくなる、シール部材付き透明板が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、透明板の安定性を向上した、シール部材付き透明板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態によるシール部材付き窓ガラスの正面図である。
【
図2】一実施形態によるシール部材付き窓ガラスの横断面図である。
【
図3】一実施形態によるシール部材付き窓ガラスを車両の窓枠に取付けた状態を示す横断面図である。
【
図4】一実施形態によるシール部材付き窓ガラスを車両の窓枠に取付けた状態を示す縦断面図である。
【
図5】第1変形例によるシール部材付き窓ガラスを車両の窓枠に取付けた状態を示す縦断面図である。
【
図6】第2変形例によるシール部材付き窓ガラスを車両の窓枠に取付けた状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成には、同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0013】
尚、以下の実施形態において、透明板の一例として窓ガラスの場合について述べる。
【0014】
図1は、一実施形態によるシール部材付き窓ガラスの正面図である。
図2は、一実施形態によるシール部材付き窓ガラスの横断面図であって、
図1のII-II線に沿った断面図である。
図3は、一実施形態によるシール部材付き窓ガラスを車両の窓枠に取付けた状態を示す横断面図である。
図4は、一実施形態によるシール部材付き窓ガラスを車両の窓枠に取付けた状態を示す縦断面図であって、
図3のIV-IV線に沿った断面図である。
【0015】
シール部材付き窓ガラスは、窓ガラス10と、シール部材20とを有する。
【0016】
窓ガラス10は、車両の窓枠30に取付けられる。窓枠30は、
図3に示すようにZ字状の横断面形状を有し、窓ガラス10の車内側の面11と対向する底面31と、底面31を基準として車外側に配設される露出面32と、窓ガラス10の端面13と対向する側面33とを有する。窓枠30の底面31と、窓ガラス10の車内側の面11とは、接着材35によって接着されてよい。接着材35としては、例えばウレタンなどの樹脂が用いられる。
【0017】
窓ガラス10は、
図4に示すようにくさび状の断面形状を有する。これにより、窓ガラス10に対し車内側から画像を投影したときに、窓ガラス10の車内側の面11で反射された反射像と、窓ガラス10の車外側の面12で反射された反射像とが運転者などの搭乗者に重なって見え、2つの反射像のずれが抑制できる。
【0018】
窓ガラス10は、車両のフロントウィンドガラスであってよく、合わせガラスで構成されてよい。合わせガラスは、複数のガラス板と、複数のガラス板を接合する中間膜とを有する。合わせガラスは、車両のボディに沿って湾曲している。
【0019】
複数のガラス板は、それぞれ、例えばフロート法などにより板状に成形された後、重力成形またはプレス成形などにより高温で曲げ成形される。複数のガラス板は、それぞれ、未強化ガラス、強化ガラスのいずれでもよい。強化ガラスは、熱強化ガラス、化学強化ガラスのいずれでもよい。
【0020】
中間膜は、複数のガラス板を接合する。中間膜は、一般的な樹脂、例えばポリビニルブチラール樹脂(PVB)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)などにより形成される。中間膜は、単層構造、複数層構造のいずれでもよい。中間膜は、くさび状の断面形状を有してよい。これにより、合わせガラスがくさび状の断面形状を有することになる。
【0021】
尚、本実施形態では、中間膜がくさび状の断面形状を有することで合わせガラスがくさび状の断面形状を有するが、ガラス板がくさび状の断面形状を有することで合わせガラスがくさび状の断面形状を有してもよい。中間膜とガラス板の両方がくさび状の断面形状を有してもよい。
【0022】
尚、合わせガラスを構成するガラス板の枚数は、2枚に限定されず、3枚以上でもよい。中間膜は、3枚以上のガラス板を接合するため、2枚以上用いられてもよい。
【0023】
尚、本実施形態の窓ガラス10は、ガラス板同士を中間膜で接合してなる合わせガラスであるが、1枚のガラス板でもよい。また、ガラス板の代わりに、樹脂板が用いられてもよい。樹脂板とガラス板とを中間膜で接合してなるものが用いられてもよい。
【0024】
シール部材20は、
図3に示すように窓ガラス10の縁部と窓枠30との間をシールし、この間を介した車外側から車内側への水や埃の侵入を防止する。シール部材20は
、窓ガラス10とは別に形成された後で窓ガラス10の縁部に取付けられてもよい。
【0025】
シール部材20は、樹脂で形成されてよい。シール部材20の樹脂としては、例えばオレフィン系エラストマー(例えばポリ塩化ビニルなど)やスチレン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などが用いられる。
【0026】
シール部材20は、不図示のインサート材を内部に有してもよい。インサート材は、弾性変形可能な金属片などであってよい。シール部材20は、弾性変形した状態で窓枠30に当接し、弾性復元力によって窓枠30に密着する。
【0027】
シール部材20は、例えば
図1に示すように、窓ガラス10の上縁部および左右両側縁部と窓枠30との間をシールする。この場合、窓ガラス10の下縁部と窓枠30との間は、シール部材20とは別のシール部材によってシールされる。
【0028】
尚、シール部材20は、窓ガラス10の左右両側縁部の少なくとも一方と窓枠30との間をシールしていればよい。シール部材20は、窓ガラス10の上縁部と窓枠30との間をシールしてもシールしなくてもよい。同様に、シール部材20は、窓ガラス10の下縁部と窓枠30との間をシールしてもシールしなくてもよい。窓ガラス10の縁部のうちシール部材20が設けられない縁部と、窓枠30との間は、シール部材20とは別のシール部材によってシールされる。
【0029】
シール部材20は、
図2に示すように、内側面支持部21と、外側面支持部22と、端面支持部23とを有する。内側面支持部21は、窓ガラス10の車内側の面11を支持する。外側面支持部22は、窓ガラス10の車外側の面12を支持する。端面支持部23は、窓ガラス10の端面13を支持する。内側面支持部21と、外側面支持部22と、端面支持部23とで溝部24が形成される。この溝部24に、窓ガラス10の縁部が取付けられる。シール部材20は、窓ガラス10の3つの面11、12、13を支持するので、窓ガラス10の1つの面11のみを支持する場合に比べ、窓ガラス10の安定性を向上できる。
【0030】
シール部材20は、リップ部25を有する。リップ部25は、
図3に示すように弾性変形した状態で窓枠30の側面33に当接しており、弾性復元力によって窓枠30の側面33に密着している。
【0031】
ところで、
図4に示すように、窓ガラス10はくさび状の断面形状を有し、窓ガラス10の厚さは、窓ガラス10の側縁部に沿って変化する。窓ガラス10の車内側の面11が下向きとされる場合、窓ガラス10の側縁部に沿って、下端から上端に向かうほど、窓ガラス10の厚さが大きくなる。
【0032】
尚、窓ガラス10は、下端から上端の全体にわたって、くさび状の断面形状を有することに限定されない。例えば、下端から上端にかけて、一部の領域のみ、くさび状の断面形状を有していてよい。すなわち、「窓ガラス10の厚さは、窓ガラス10の側縁部に沿って変化する。」とは、上述のような一部の領域のみ厚さが変化する形態も含むものとする。
【0033】
そこで、窓ガラス10の側縁部に沿って、窓ガラス10の厚さが大きくなるに従って、端面支持部23の厚さT3が大きくなる。端面支持部23の厚さT3と、溝部24の溝幅Wとは一致する。端面支持部23の厚さT3が大きくなることで、溝部24の溝幅Wが大きくなる。これにより、窓ガラス10の側縁部と、シール部材20との間に遊びが形成されないため、窓ガラス10の安定性が向上できる。
【0034】
また、窓ガラス10の側縁部に沿って、端面支持部23の厚さT3が大きくなる一方で、内側面支持部21の厚さT1は一定であってよい。窓ガラス10の側縁部の任意の点で、窓ガラス10の車内側の面11と窓枠30の底面31との距離が一定になり、接着材35の厚さが一定になる。よって、接着材35を均一に塗布すればよく、接着材35の塗布が容易である。
【0035】
また、窓ガラス10の側縁部に沿って、端面支持部23の厚さT3が大きくなる一方で、外側面支持部22の厚さT2は一定であってよい。窓ガラス10の側縁部の任意の点で、シール部材20の車外側の面と窓ガラス10の車外側の面12との段差が一定になり、車外側からの見栄えが良い。
【0036】
尚、本実施形態では、窓ガラス10の側縁部に沿って下端から上端に向かうほど窓ガラス10の厚さが大きくなるが、小さくなってもよい。後者の場合、窓ガラス10の車内側の面11が上向きとされる。
【0037】
以上、シール部材付き窓ガラスの実施形態などについて説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【0038】
図5は、第1変形例によるシール部材付き窓ガラスを車両の窓枠に取付けた状態を示す縦断面図である。
図5に示すように、シール部材20Aは、内側面支持部21Aと、外側面支持部22と、端面支持部23とを有する。窓ガラス10の側縁部に沿って、端面支持部23の厚さT3が大きくなるに従って、内側面支持部21Aの厚さTA1が小さくなる。窓ガラス10の側縁部の任意の点で、窓ガラス10の車外側の面12と窓枠30の露出面32との段差が一定になり、車外側からの見栄えがよい。
【0039】
ところで、近年の自動車の設計においては、窓枠30の設計はそのままに、窓枠30に取付ける窓ガラスを、一般的な仕様である車内側の面11と車外側の面12が平行な窓ガラス(以下、平行ガラスともいう)から、くさび状の断面形状を有する窓ガラス(以下、くさびガラスともいう)に変更することがある。
【0040】
図5に示す第1変形例によれば、窓ガラス10の側縁部に沿って、端面支持部23の厚さT3が大きくなるに従って、内側面支持部21Aの厚さTA1が小さくなる。そのため、窓ガラス10の車外側の面12と、窓枠30の底面31とを平行に維持することができる。よって、平行ガラスと、くさびガラスとで、窓ガラス10の車外側の面12を同じ姿勢に保つことができる。その結果、窓ガラス10の車外側の面12に取付けられる部品(例えばワイパー)の姿勢や設計などの変更が不要になる。
【0041】
図6は、第2変形例によるシール部材付き窓ガラスを車両の窓枠に取付けた状態を示す縦断面図である。
図6に示すように、シール部材20Bは、内側面支持部21と、外側面支持部22Bと、端面支持部23とを有する。窓ガラス10の側縁部に沿って、端面支持部23の厚さT3が大きくなるに従って、外側面支持部22Bの厚さTB2が小さくなる。窓ガラス10の側縁部の任意の点で、窓ガラス10の車外側の面12と窓枠30の露出面32との段差が一定になり、車外側からの見栄えがよい。
【0042】
また、第2変形例によれば、内側面支持部21の厚さT1は一定なため、窓ガラス10の側縁部の任意の点で、窓ガラス10の車内側の面11と窓枠30の底面31との距離が一定になり、接着材35の厚さが一定になる。よって、接着材35を均一に塗布すればよく、接着材35の塗布が容易である。
【0043】
さらにまた、第2変形例によれば、内側面支持部21の厚さT1が一定であるため、窓ガラス10の車内側の面11と、窓枠30の底面31とを平行に維持することができる。よって、平行ガラスと、くさびガラスとで、窓ガラス10の車内側の面11を同じ姿勢に保つことができる。その結果、窓ガラス10の車内側の面11に取付けられる部品(例えば衝突防止用のカメラ)の姿勢や設計などの変更が不要になる。
図4に示す実施形態において、同様である。
【0044】
図4に示すシール部材20、
図5に示すシール部材20A、および
図6に示すシール部材20Bは、窓ガラス10の3つの面11、12、13を支持するが、窓ガラス10の2つの面11、13を支持してもよく、外側面支持部を有しなくてもよい。この場合も、窓ガラス10の側縁部に沿って、窓ガラス10の厚さが大きくなるに従って、端面支持部23の厚さT3が大きくなればよい。これにより、窓ガラス10の車内側の面11だけでなく、端面13も支持されるため、窓ガラスの安定性および支持強度が向上できる。
【0045】
また、
図5および
図6で示した変形例では、内側面支持部21の厚さT1または外側面支持部22の厚さT2のいずれか一方が一定である例を示したが、内側面支持部21の厚さT1および外側面支持部22の厚さT2の両者が、窓ガラス10の側縁部に沿って、端面支持部23の厚さT3が大きくなるに従って、小さくなってもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 窓ガラス
11 窓ガラスの車内側の面
12 窓ガラスの車外側の面
13 窓ガラスの端面
20 シール部材
21 内側面支持部
22 外側面支持部
23 端面支持部
24 溝部
25 リップ部
30 窓枠
31 底面
32 露出面
33 側面