(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0037】
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、基板Pに照射される露光光ELの光路ATLが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。液浸空間LSとは、液体で満たされた部分(空間、領域)をいう。基板Pは、液浸空間LSの液体LQを介して露光光ELで露光される。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
【0038】
本実施形態の露光装置EXは、例えば米国特許第6897963号、及び欧州特許出願公開第1713113号等に開示されているような、基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置である。
【0039】
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測部材(計測器)Cを搭載して移動可能な計測ステージ3と、基板ステージ2及び計測ステージ3の位置を計測する計測システム4と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、液体LQの液浸空間LSを形成する液浸部材5と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置6と、制御装置6に接続され、露光に関する各種の情報を記憶する記憶装置7とを備えている。
【0040】
また、露光装置EXは、投影光学系PL、及び計測システム4を含む各種の計測システムを支持する基準フレーム8Aと、基準フレーム8Aを支持する装置フレーム8Bと、基準フレーム8Aと装置フレーム8Bとの間に配置され、装置フレーム8Bから基準フレーム8Aへの振動の伝達を抑制する防振装置10とを備えている。防振装置10は、ばね装置などを含む。本実施形態において、防振装置10は、気体ばね(例えばエアマウント)を含む。なお、基板Pのアライメントマークを検出する検出システム及び基板Pなどの物体の表面の位置を検出する検出システムの一方又は両方が基準フレーム8Aに支持されてもよい。
【0041】
また、露光装置EXは、露光光ELが進行する空間CSの環境(温度、湿度、圧力、及びクリーン度の少なくとも一つ)を調整するチャンバ装置9を備えている。空間CSには、少なくとも投影光学系PL、液浸部材5、基板ステージ2、及び計測ステージ3が配置される。本実施形態においては、マスクステージ1、及び照明系ILの少なくとも一部も空間CSに配置される。
【0042】
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
【0043】
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜に加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
【0044】
照明系ILは、照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF
2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
【0045】
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で移動可能である。マスクステージ1は、例えば米国特許第6452292号に開示されているような平面モータを含む駆動システム11の作動により移動する。本実施形態において、マスクステージ1は、駆動システム11の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。なお、駆動システム11は、平面モータを含まなくてもよい。駆動システム11は、リニアモータを含んでもよい。
【0046】
投影光学系PLは、投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態において、投影光学系PLは、縮小系である。投影光学系PLの投影倍率は、1/4である。なお、投影光学系PLの投影倍率は、1/5、又は1/8等でもよい。なお、投影光学系PLは、等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態において、投影光学系PLの光軸は、Z軸と平行である。投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれでもよい。投影光学系PLは、倒立像及び正立像のいずれを形成してもよい。
【0047】
投影光学系PLは、露光光ELが射出される射出面12を有する終端光学素子13を含む。射出面12は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する。終端光学素子13は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い光学素子である。投影領域PRは、射出面12から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面12は、−Z軸方向を向いている。射出面12から射出される露光光ELは、−Z軸方向に進行する。射出面12は、XY平面と平行である。
なお、−Z軸方向を向いている射出面12は、凸面でもよいし、凹面でもよい。なお、射出面12は、XY平面に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。本実施形態において、終端光学素子13の光軸AXは、Z軸と平行である。
【0048】
終端光学素子13の光軸AXと平行な方向に関して、射出面12側が−Z側であり、入射面側が+Z側である。投影光学系PLの光軸と平行な方向に関して、投影光学系PLの像面側が−Z側であり、投影光学系PLの物体面側が+Z側である。
【0049】
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、射出面12からの露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)を含むXY平面内を移動可能である。計測ステージ3は、計測部材(計測器)Cを搭載した状態で、射出面12からの露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)を含むXY平面内を移動可能である。基板ステージ2及び計測ステージ3のそれぞれは、ベース部材14のガイド面14G上を移動可能である。ガイド面14GとXY平面とは実質的に平行である。
【0050】
基板ステージ2は、例えば米国特許出願公開第2007/0177125号、米国特許出願公開第2008/0049209号等に開示されているような、基板Pをリリース可能に保持する第1保持部と、第1保持部の周囲に配置され、カバー部材Tをリリース可能に保持する第2保持部とを有する。第1保持部は、基板Pの表面(上面)とXY平面とが実質的に平行となるように、基板Pを保持する。第1保持部に保持された基板Pの上面と、第2保持部に保持されたカバー部材Tの上面とは、実質的に同一平面内に配置される。
Z軸方向に関して、射出面12と第1保持部に保持された基板Pの上面との距離は、射出面12と第2保持部に保持されたカバー部材Tの上面との距離と実質的に等しい。
【0051】
なお、Z軸方向に関して、射出面12と基板Pの上面との距離が射出面12とカバー部材Tの上面との距離と実質的に等しいとは、射出面12と基板Pの上面との距離と射出面12とカバー部材Tの上面との距離との差が、基板Pの露光時における射出面12と基板Pの上面との距離(所謂、ワーキングディスタンス)の例えば10%以内であることを含む。
【0052】
なお、第1保持部に保持された基板Pの上面と、第2保持部に保持されたカバー部材Tの上面とは、同一平面内に配置されなくてもよい。例えば、Z軸方向に関して、基板Pの上面との位置とカバー部材Tの上面の位置とが異なってもよい。例えば、基板Pの上面とカバー部材Tの上面との間に段差があってよい。
【0053】
なお、基板Pの上面に対してカバー部材Tの上面が傾斜してもよい。カバー部材Tの上面が曲面を含んでもよい。
【0054】
基板ステージ2及び計測ステージ3は、例えば米国特許第6452292号に開示されているような平面モータを含む駆動システム15の作動により移動する。駆動システム15は、基板ステージ2に配置された可動子2Cと、計測ステージ3に配置された可動子3Cと、ベース部材14に配置された固定子14Mとを有する。基板ステージ2及び計測ステージ3のそれぞれは、駆動システム15の作動により、ガイド面14G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ軸方向の6つの方向に移動可能である。なお、駆動システム15は、平面モータを含まなくてもよい。駆動システム15は、リニアモータを含んでもよい。
【0055】
計測システム4は、干渉計システムを含む。干渉計システムは、基板ステージ2の計測ミラー及び計測ステージ3の計測ミラーに計測光を照射して、その基板ステージ2及び計測ステージ3の位置を計測するユニットを含む。
【0056】
なお、計測システムが、例えば米国特許出願公開第2007/0288121号に開示されているようなエンコーダシステムを含んでもよい。なお、計測システム4が、干渉計システム及びエンコーダシステムのいずれか一方のみを含んでもよい。
【0057】
基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置6は、計測システム4の計測結果に基づいて、基板ステージ2(基板P)、及び計測ステージ3(計測部材C)の位置制御を実行する。
【0058】
次に、本実施形態に係る液浸部材5について説明する。なお、液浸部材を、ノズル部材、と称してもよい。
図2は、XZ平面と平行な終端光学素子13及び液浸部材5の断面図である。
図3は、
図2の一部を拡大した図である。
図4は、液浸部材5を下側(−Z側)から見た図である。
【0059】
終端光学素子13は、−Z軸方向を向く射出面12と、射出面12の周囲に配置される外面131とを有する。露光光ELは、射出面12から射出される。露光光ELは、外面131から射出されない。露光光ELは、射出面12を通過し、外面131を通過しない。外面131は、露光光ELを射出しない非射出面である。本実施形態において、外面131は、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。
【0060】
液浸部材5は、終端光学素子13の下方で移動可能な物体上に液体LQの液浸空間LSを形成する。
【0061】
終端光学素子13の下方で移動可能な物体は、射出面12と対向する位置を含むXY平面内を移動可能である。その物体は、射出面12と対向可能であり、投影領域PRに配置可能である。その物体は、液浸部材5の下方で移動可能であり、液浸部材5と対向可能である。
【0062】
本実施形態において、その物体は、基板ステージ2の少なくとも一部(例えば基板ステージ2のカバー部材T)、基板ステージ2(第1保持部)に保持された基板P、及び計測ステージ3の少なくとも一つを含む。
【0063】
基板Pの露光において、終端光学素子13の射出面12と基板Pとの間の露光光ELの光路ATLが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。基板Pに露光光ELが照射されているとき、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域だけが液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。
【0064】
以下の説明においては、物体が基板Pであることとする。なお、上述のように、物体は、基板ステージ2及び計測ステージ3の少なくとも一方でもよいし、基板P、基板ステージ2、及び計測ステージ3とは別の物体でもよい。
【0065】
なお、液浸空間LSは、2つの物体を跨ぐように形成される場合がある。例えば、液浸空間LSは、基板ステージ2のカバー部材Tと基板Pとを跨ぐように形成される場合がある。液浸空間LSは、基板ステージ2と計測ステージ3とを跨ぐように形成される場合がある。
【0066】
液浸空間LSは、終端光学素子13の射出面12から射出される露光光ELの光路ATLが液体LQで満たされるように形成される。液浸空間LSの少なくとも一部は、終端光学素子13と基板P(物体)との間の空間に形成される。液浸空間LSの少なくとも一部は、液浸部材5と基板P(物体)との間の空間に形成される。
【0067】
液浸部材5は、露光光ELの光路ATの周囲の少なくとも一部に配置される第1部材21と、露光光ELの光路ATの周囲の少なくとも一部に配置される第2部材22とを備えている。第2部材22は、移動可能な移動部材である。
【0068】
露光光ELの光路ATは、終端光学素子13における露光光ELの光路ATO(終端光学素子13を進行する露光光ELの光路ATO)を含む。また、露光光ELの光路ATは、射出面12から射出される露光光ELの光路ATLを含む。すなわち、本実施形態において、露光光ELの光路ATは、終端光学素子13における露光光ELの光路ATOを含む概念でもよい。露光光ELの光路ATは、射出面12と基板P(物体)との間の露光光ELの光路ATLを含む概念でもよい。
【0069】
第1部材21の一部は、終端光学素子13(光路ATO)の周囲の少なくとも一部に配置される。第1部材21の一部は、光路ATLの周囲の少なくとも一部に配置される。
【0070】
第2部材22の一部は、終端光学素子13(光路ATO)及び第1部材21の周囲の少なくとも一部に配置される。第2部材22の一部は、光路ATLの周囲に配置される。
【0071】
第1部材21の少なくとも一部は、終端光学素子13の下方に配置される。終端光学素子13の少なくとも一部は、第1部材21の上方に配置される。
【0072】
第2部材22の少なくとも一部は、第1部材21の下方に配置される。第1部材21の少なくとも一部は、第2部材22の上方に配置される。第2部材22の少なくとも一部は、第1部材21の下方において移動可能である。第2部材22の少なくとも一部は、終端光学素子13及び第1部材21の下方において移動可能である。第2部材22の少なくとも一部は、第1部材21と基板P(物体)との間において移動可能である。
【0073】
第2部材22は、露光光ELの光路ATの外側において移動可能である。第2部材22の少なくとも一部は、第1部材21の下方において、露光光ELの光路ATの外側で移動可能である。
【0074】
本実施形態において、終端光学素子13は、実質的に移動しない。第1部材21も、実質的に移動しない。第1部材21は、終端光学素子13に対して実質的に移動しない。
【0075】
第2部材22は、終端光学素子13に対して移動可能である。第2部材22は、第1部材21に対して移動可能である。終端光学素子13と第2部材22との相対位置は、変化する。第1部材21と第2部材22との相対位置は、変化する。
【0076】
第1部材21は、終端光学素子13と接触しないように配置される。終端光学素子13と第1部材21との間に間隙が形成される。第2部材22は、終端光学素子13及び第1部材21と接触しないように配置される。第1部材21と第2部材22との間に間隙が形成される。第2部材22は、終端光学素子13及び第1部材21と接触しないように移動する。
【0077】
基板P(物体)は、間隙を介して終端光学素子13の少なくとも一部と対向可能である。基板P(物体)は、間隙を介して第1部材21の少なくとも一部と対向可能である。基板P(物体)は、間隙を介して第2部材22の少なくとも一部と対向可能である。基板P(物体)は、終端光学素子13、第1部材21、及び第2部材22の下方で移動可能である。
【0078】
第1部材21の少なくとも一部は、間隙を介して終端光学素子13と対向する。本実施形態において、第1部材21の一部は、射出面12と対向する。第1部材21の一部は、間隙を介して射出面12の下方に配置される。第1部材21の一部は、外面131と対向する。第1部材21の一部は、間隙を介して外面131の周囲の少なくとも一部に配置される。
【0079】
第2部材22の少なくとも一部は、間隙を介して第1部材21と対向する。本実施形態において、第2部材22は、終端光学素子13と対向しない。第2部材22と終端光学素子13との間に第1部材21が配置される。第1部材21は、終端光学素子13と第2部材22とが対向しないように配置される。
【0080】
第1部材21は、光路ATLの周囲の少なくとも一部に配置される部分211と、終端光学素子13(光路ATO)の周囲の少なくとも一部に配置される部分212とを含む。
部分212は、部分211の上方に配置される。本実施形態において、第1部材21は、環状の部材である。部分211は、光路ATLの周囲に配置される。部分212は、終端光学素子13(光路ATO)の周囲に配置される。
【0081】
第1部材21の部分211の少なくとも一部は、終端光学素子13の下方に配置される。終端光学素子13の少なくとも一部は、第1部材21の部分211の上方に配置される。終端光学素子13は、第1部材21の部分211よりも基板P(物体)から離れた位置に配置される。第1部材21の部分211少なくとも一部は、終端光学素子13と基板P(物体)との間に配置される。
【0082】
本実施形態において、第1部材21の部分211の少なくとも一部は、射出面12と対向可能である。すなわち、第1部材21の部分211の少なくとも一部は、射出面12と基板P(物体)の上面との間に配置される。
【0083】
第1部材21は、射出面12から射出される露光光ELが通過可能な第1開口部23と、上面24と、少なくとも一部が第2部材22と対向する下面25と、少なくとも一部が終端光学素子13の外面131と対向する内面26と、光軸AX(光路AT)に対する放射方向に関して外側を向く外面27と、を有する。上面24の少なくとも一部は、+Z軸方向を向く。下面25の少なくとも一部は、−Z軸方向を向く。
【0084】
第1開口部23は、上面24と下面25とを結ぶように形成される。上面24は、第1開口部23の上端の周囲に配置される。下面25は、第1開口部23の下端の周囲に配置される。
【0085】
上面24は、射出面12の少なくとも一部と対向可能である。上面24は、間隙を介して、射出面12の少なくとも一部と対向する。部分211は、上面24を含む。
【0086】
基板P(物体)の表面(上面)は、射出面12及び下面25の少なくとも一部と対向可能である。基板P(物体)の表面(上面)は、間隙を介して、射出面12及び下面25の少なくとも一部と対向可能である。下面25の少なくとも一部は、第2部材22と対向可能である。下面25は、間隙を介して、第2部材22と対向する。部分211は、下面25を含む。
【0087】
内面26の少なくとも一部は、外面131と対向する。内面26は、間隙を介して、外面131と対向する。内面26の一部(下部)は、光路ATLの周囲に配置される。内面26の一部(上部)は、終端光学素子13(光路ATO)の周囲に配置される。内面26の下端は、上面24の外縁と結ばれる。部分211は、内面26の一部(下部)を含む。
部分212は、内面26の一部(上部)を含む。
【0088】
外面27の少なくとも一部は、間隙を介して第2部材22と対向する。外面27の下端は、下面25の外縁と結ばれる。部分211は、外面27の一部(下部)を含む。部分212は、外面27の一部(上部)を含む。
【0089】
第2部材22は、少なくとも一部が第1部材21の下方に配置される部分221と、少なくとも一部が光路ATに対して第1部材21の外側に配置される部分222とを含む。部分222は、光路ATに対して部分221の外側に配置される。本実施形態において、第2部材22は、環状の部材である。部分221は、第1部材21の下方において、光路ATLの周囲に配置される。部分222は、終端光学素子13(光路ATO)及び第1部材21の周囲に配置される。
【0090】
第1部材21は、第2部材22の部分221よりも基板P(物体)から離れた位置に配置される。第2部材22の部分221は、第1部材21と基板P(物体)との間に配置される。第2部材22は、基板P(物体)が対向可能なように配置される。
【0091】
第2部材22は、射出面12から射出される露光光ELが通過可能な第2開口部28と、少なくとも一部が第1部材21と対向する上面29と、基板P(物体)が対向可能な下面30と、少なくとも一部が第1部材21の外面27と対向する内面31と、を有する。上面29の少なくとも一部は、+Z軸方向を向く。下面30の少なくとも一部は、−Z軸方向を向く。
【0092】
第2開口部28は、上面29と下面30とを結ぶように形成される。上面29は、第2開口部28の上端の周囲に配置される。下面30は、第2開口部28の下端の周囲に配置される。
【0093】
上面29は、下面25の少なくとも一部と対向可能である。上面29は、間隙を介して、下面25の少なくとも一部と対向する。部分221は、上面29を含む。
【0094】
基板P(物体)の表面(上面)は、下面30と対向可能である。基板P(物体)の表面(上面)は、間隙を介して、下面30と対向可能である。部分221は、下面30を含む。
【0095】
内面31の少なくとも一部は、外面27と対向する。内面31は、間隙を介して、外面27と対向する。内面31の一部(下部)は、光路ATLの周囲に配置される。内面31の一部(上部)は、第1部材21の周囲に配置される。内面31の下端は、上面29の外縁と結ばれる。部分222は、内面31を含む。
【0096】
図5は、第1開口部23の近傍を示す第1部材21(部分211)の断面図である。
【0097】
図3及び
図5に示すように、上面24は、領域241と、光路ATに対して領域241の外側に配置される領域242とを含む。上面24の少なくとも一部は、射出面12と対向可能である。
【0098】
領域242は、領域241よりも上方に配置される。
【0099】
終端光学素子13の光軸AXと領域241とがなす角度と、光軸AXと領域242とがなす角度とは、異なる。
【0100】
領域241は、光軸AXに対して傾斜する。領域241は、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。
【0101】
領域242は、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域242は、XY平面と実質的に平行である。
【0102】
領域241と領域242との間に角部Kaが形成される。
【0103】
光軸AXに対する放射方向に関して、領域242の寸法は、領域241の寸法よりも大きい。
【0104】
図3及び
図5に示すように、下面25は、領域251と、光路ATに対して領域251の外側に配置される領域252と、光路ATに対して領域252の外側に配置される領域253と、光路ATに対して領域253の外側に配置される領域254と、光路ATに対して領域254の外側に配置される領域255とを含む。下面25の少なくとも一部は、第2部材22の上面29と対向可能である。
【0105】
領域252、領域253、領域254、及び領域255は、領域251よりも上方に配置される。領域253、領域254、及び領域255は、領域252よりも上方に配置される。Z軸方向に関する領域253の位置(高さ)と、領域254の位置(高さ)と、領域255の位置(高さ)とは、実質的に等しい。
【0106】
光軸AXと領域251とがなす角度と、光軸AXと領域252とがなす角度とは、異なる。光軸AXと領域252とがなす角度と、光軸AXと領域253とがなす角度とは、異なる。光軸AXと領域253とがなす角度と、光軸AXと領域254とがなす角度とは、実質的に等しい。光軸AXと領域254とがなす角度と、光軸AXと領域255とがなす角度とは、実質的に等しい。
【0107】
領域252は、光軸AXに対して傾斜する。領域252は、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。
【0108】
本実施形態において、領域251は、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域251は、XY平面と実質的に平行である。領域253は、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域253は、XY平面と実質的に平行である。領域252は、領域251と領域253とを結ぶ傾斜領域である。領域251と領域253との間に段差が形成される。
【0109】
領域251と領域252との間に角部Kbが形成される。領域252と領域253との間に角部Kcが形成される。
【0110】
以下の説明において、第1部材21の下面25において、光路AT(光軸AX)に対して領域251の外側の部分を適宜、凹部16、と称する。領域252の少なくとも一部及び領域253の少なくとも一部は、凹部16の内側に配置される。第2部材22は、凹部16と対向可能である。
【0111】
領域254及び領域255のそれぞれは、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域254及び領域255のそれぞれは、XY平面と実質的に平行である。
【0112】
光軸AXに対する放射方向に関して、領域253の寸法は、領域251の寸法よりも大きい。光軸AXに対する放射方向に関して、領域253の寸法は、領域252の寸法よりも大きい。
【0113】
領域241と領域251との間に角部Ksが形成される。角部Ksは、領域251の内縁部分を含む。
【0114】
本実施形態において、領域251は、第1部材21の最下部である。領域251は、第1部材21のうち、基板P(物体)の表面(上面)に最も近い部位である。
【0115】
また、領域251は、第1部材21のうち、光路AT(ATL)に最も近い部位を含む。本実施形態においては、領域251の内縁部分が、第1部材21のうち、光路ATに最も近い部位である。
【0116】
領域251の内縁部分は、第1開口部23を規定する。領域251の内縁部分は、第1開口部23の周囲に配置される。領域251の内縁部分は、第1開口部23の周囲の部位の少なくとも一部を規定する。
【0117】
図6は、第2開口部28の近傍を示す第2部材22(部分221)の断面図である。
【0118】
図3及び
図6に示すように、上面29は、領域291と、光路ATに対して領域291の外側に配置される領域292とを含む。上面29は、下面25の少なくとも一部と対向可能である。
【0119】
領域292は、領域291よりも上方に配置される。
【0120】
終端光学素子13の光軸AXと領域291とがなす角度と、光軸AXと領域292とがなす角度とは、異なる。
【0121】
領域291は、光軸AXに対して傾斜する。領域291は、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。
【0122】
領域292は、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域292は、XY平面と実質的に平行である。
【0123】
領域291と領域292との間に角部Kdが形成される。
【0124】
光軸AXに対する放射方向に関して、領域292の寸法は、領域291の寸法よりも大きい。
【0125】
領域291は、光路AT(ATL)に面する。領域291を、光路ATに面する第2部材22の端面、と称してもよい。
【0126】
図3及び
図6に示すように、下面30は、領域301と、光路ATに対して領域301の外側に配置される領域302と、光路ATに対して領域302の外側に配置される領域303とを含む。下面30は、基板P(物体)の表面(上面)が対向可能である。
【0127】
領域302、及び領域303は、領域301よりも上方に配置される。さらに、領域303は、領域302よりも上方に配置される。
【0128】
光軸AXと領域301とがなす角度と、光軸AXと領域302とがなす角度とは、実質的に等しい。光軸AXと領域302とがなす角度と、光軸AXと領域303とがなす角度とは、実質的に等しい。
【0129】
領域301、領域302、及び領域303のそれぞれは、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域301、領域302、及び領域303のそれぞれは、XY平面と実質的に平行である。
【0130】
領域291と領域301との間に角部Ktが形成される。角部Ktは、領域301の内縁部分を含む。
【0131】
本実施形態において、領域301は、第2部材22の最下部である。領域301は、第2部材22のうち、基板P(物体)の表面(上面)に最も近い部位である。
【0132】
また、領域301は、第2部材22のうち、光路AT(ATL)に最も近い部位を含む。本実施形態においては、領域301の内縁部分が、第2部材22のうち、光路ATに最も近い部位である。
【0133】
領域301の内縁部分は、第2開口部28を規定する。領域301の内縁部分は、第2開口部28の周囲に配置される。領域301の内縁部分は、第2開口部28の周囲の部位の少なくとも一部を規定する。
【0134】
図3に示すように、内面26は、上面24よりも上方に配置される。内面26の少なくとも一部は、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。本実施形態において、内面26は、光路ATに対して上面24の外側に配置される領域261と、光路ATに対して領域261の外側に配置される領域262と、光路ATに対して領域262の外側に配置される領域263とを含む。内面26の少なくとも一部は、終端光学素子13の外面131と対向可能である。内面26と外面131との間に形成される間隙の寸法はD3である。
【0135】
領域261は、上面24の外縁と結ばれる。領域261は、上面24よりも上方に配置される。領域262は、領域261よりも上方に配置される。領域263は、領域262よりも上方に配置される。
【0136】
光軸AXと領域261とがなす角度と、光軸AXと領域262とがなす角度とは、異なる。光軸AXと領域262とがなす角度と、光軸AXと領域263とがなす角度とは、異なる。光軸AXと領域261とがなす角度と、光軸AXと領域263とがなす角度とは、実質的に等しい。
【0137】
領域261は、光軸AXに対して傾斜する。領域261は、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域263は、光軸AXに対して傾斜する。領域263は、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。
【0138】
本実施形態において、領域262は、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域262は、XY平面と実質的に平行である。領域261と領域262との間に角部が形成される。領域262と領域263との間に角部が形成される。領域261と外面131との間に形成される間隙の寸法はD3である。本実施形態において、領域263と外面131との間に形成される間隙の寸法は、寸法D3よりも大きいが、同じであってもよい。この場合、領域262を設けなくてもよい。
【0139】
図3に示すように、外面27及び内面31は、光軸AXと実質的に平行である。なお、外面27の少なくとも一部が、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜してもよい。内面31の少なくとも一部が、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜してもよい。
【0140】
領域241及び領域242を含む上面24は、液体LQを回収不可能な非回収領域である。上面24の少なくとも一部は、終端光学素子13との間において液体LQを保持可能である。
【0141】
下面25の領域251、領域252、領域253、及び領域255は、液体LQを回収不可能な非回収領域である。下面25の領域254は、液体LQを回収可能な回収領域である。下面25の少なくとも一部は、基板P(物体)及び第2部材22との間において液体LQを保持可能である。
【0142】
領域261、領域262、及び領域263を含む内面26は、液体LQを回収不可能な非回収領域である。内面26の少なくとも一部は、終端光学素子13との間において液体LQを保持可能である。
【0143】
領域291及び領域292を含む上面29は、液体LQを回収不可能な非回収領域である。上面29の少なくとも一部は、第1部材21との間において液体LQを保持可能である。
【0144】
下面30の領域301及び領域303は、液体LQを回収不可能な非回収領域である。下面30の領域302は、液体LQを回収可能な回収領域である。下面30の少なくとも一部は、基板P(物体)との間において液体LQを保持可能である。
【0145】
図2及び
図4等に示すように、X軸方向に関して、第2開口部28の寸法は、第1開口部23の寸法よりも大きい。Y軸方向に関して、第2開口部28の寸法は、第1開口部23の寸法よりも大きい。XY平面内において、第2開口部28は、第1開口部23よりも大きい。XY平面内において、第2開口部28の内側に、光路AT(ATL)及び第1部材21の少なくとも一部が配置される。第1開口部23の内側に、光路AT(ATL)が配置される。
図4に示すように、XY平面内において、第1開口部23は、X軸方向に長い四角形(長方形)状である。第2開口部28も、X軸方向に長い四角形(長方形)状である。
【0146】
図2及び
図3等に示すように、本実施形態においては、終端光学素子13の光軸AXと第1開口部23の中心とが実質的に一致するように、第1部材21が配置される。終端光学素子13の光軸AXと第1開口部28の中心とが実質的に一致する原点に第2部材22が配置されているときに、第1開口部23の中心と第2開口部28の中心とが実質的に一致する。原点に第2部材22が配置されているときに、第2開口部28を規定する第2部材22の内縁(下面30の内縁、領域301の内縁)は、光路ATに対して、第1開口部23を規定する第1部材21の内縁(下面25の内縁、領域251の内縁)よりも外側に配置される。原点に第2部材22が配置されているときに、第2部材22の上面29は、第1部材21と対向し、終端光学素子13と対向しない。
【0147】
図7は、射出面12、上面24、下面25、上面29、及び下面30を示す図である。
【0148】
図3及び
図7に示すように、本実施形態において、上面24は、射出面12の下方に配置される。下面25は、射出面12及び上面24の下方に配置される。上面29は、射出面12、上面24、及び下面25の下方に配置される。下面30は、射出面12、上面24、下面25、及び上面29の下方に配置される。
【0149】
以下の説明において、射出面12と基板P(物体)との間の光路ATLを含む空間を適宜、光路空間SPK、と称する。光路空間SPKは、射出面12と基板P(物体)との間の空間、及び射出面12と上面24との間の空間を含む。
【0150】
また、下面25と上面29との間の空間を適宜、第1空間SP1、と称する。
【0151】
また、下面30と基板P(物体)の上面との間の空間を適宜、第2空間SP2、と称する。
【0152】
また、外面131と内面26との間の空間を適宜、第3空間SP3、と称する。
【0153】
Z軸方向に関して、光路空間SPKの寸法(射出面12と基板Pの上面との間隙の寸法)Dkは、第2空間SP2の寸法(下面30と基板Pの上面との間隙の寸法)D2よりも大きい。
【0154】
Z軸方向に関して、第1空間SP1の寸法(下面25と上面29との間隙の寸法)D1は、第2空間SP2の寸法D2よりも小さい。
【0155】
なお、Z軸方向に関して、第1空間SP1の寸法D1が、第2空間SP2の寸法D2と実質的に等しくてもよいし、第2空間SP2の寸法D2よりも大きくてもよい。
【0156】
領域251は、上面29よりも上方(+Z側)に配置される。領域252は、上面29および領域251よりも上方(+Z側)に配置される。終端光学素子13の光軸AXと平行なZ軸方向に関して、領域251と上面29との距離G1aは、領域252と上面29との距離G1bよりも小さい。
【0157】
本実施形態において、上面24側の空間(射出面12と上面24との間の空間)と、下面25側の空間(下面25と基板Pの上面との間の空間)とは、第1開口部23を介して結ばれる。液体LQは、第1開口部23を介して、上面24側の空間及び下面25側の空間の一方から他方へ流通可能である。
【0158】
光路空間SPKと第1空間SP1とは、下面25の内縁と上面29の内縁との間の開口32(第2開口部28)を介して結ばれる。液体LQは、開口32を介して、光路空間SPK及び第1空間SP1の一方から他方へ流通可能である。
【0159】
光路空間SPKと第2空間SP2とは、下面25の内縁と基板Pの上面との間の開口33を介して結ばれる。液体LQは、開口33を介して、光路空間SPK及び第2空間SP2の一方から他方へ流通可能である。
【0160】
光路空間SPKと第3空間SP3とは、外面131の下端と内面26の下端との間の開口34を介して結ばれる。液体LQは、開口34を介して、光路空間SPK及び第3空間SP3の一方から他方へ流通可能である。
【0161】
第1空間SP1と第2空間SP2とは、第2開口部28(開口32)を介して結ばれる。液体LQは、第2開口部28を介して、第1空間SP1及び第2空間SP2の一方から他方へ流通可能である。
【0162】
第1空間SP1の光路AT側の一端は、開口32を介して光路空間SPKと結ばれる。第1空間SP1の光路ATから離れた他端は、下面25の外縁と上面29との間の開口35、及び外面27と内面31との間隙を介して、液浸部材5の周囲の空間CSと結ばれる。第1空間SP1は、開口35、及び外面27と内面31との間隙を介して、液浸部材5の外部の空間(雰囲気)CSに開放されている。空間CSが大気圧である場合、第1空間SP1は、大気開放される。
【0163】
第2空間SP2の光路AT側の一端は、開口33を介して光路空間SPKと結ばれる。第2空間SP2の光路ATから離れた他端は、下面30の外縁と基板P(物体)の上面との間の開口36を介して、液浸部材5の周囲の空間CSと結ばれる。第2空間SP2は、開口36を介して、液浸部材5の外部の空間(雰囲気)CSに開放されている。空間CSが大気圧である場合、第2空間SP2は、大気開放される。
【0164】
第3空間SP3の光路AT側の一端(下端)は、開口34を介して光路空間SPKと結ばれる。第3空間SP3の光路ATから離れた他端(上端)は、外面131と内面26の上端との間の開口37を介して、液浸部材5の周囲の空間CSと結ばれる。第3空間SP3は、開口37を介して、液浸部材5の外部の空間(雰囲気)CSに開放されている。空間CSが大気圧である場合、第3空間SP3は、大気開放される。
【0165】
本実施形態においては、上面29側の第1空間SP1及び下面30側の第2空間SP2の一方から他方への第2開口部28を介さない液体LQの移動が抑制されている。第1空間SP1と第2空間SP2とは、第2部材22によって仕切られている。第1空間SP1の液体LQは、第2開口部28を介して第2空間SP2に移動できる。第1空間SP1の液体LQは、第2開口部28を介さずに第2空間SP2に移動できない。光路ATに対して第2開口部28よりも外側の第1空間SP1に存在する液体LQは、第2空間SP2に移動できない。第2空間SP2の液体LQは、第2開口部28を介して第1空間SP1に移動できる。第2空間SP2の液体LQは、第2開口部28を介さずに第1空間SP1に移動できない。光路ATに対して第2開口部28よりも外側の第2空間SP2に存在する液体LQは、第1空間SP1に移動できない。すなわち、本実施形態において、液浸部材5は、第2開口部28以外に、第1空間SP1と第2空間SP2とを流体的に接続する流路を有しない。
【0166】
本実施形態において、液浸空間LSの液体LQの界面LGの一部は、第2部材22と基板P(物体)との間に形成される。液浸空間LSの液体LQの界面LGの一部は、第1部材21と第2部材22との間に形成される。液浸空間LSの液体LQの界面LGの一部は、終端光学素子13と第1部材21との間に形成される。
【0167】
以下の説明において、第1部材21と第2部材22との間に形成される液体LQの界面LGを適宜、第1界面LG1、と称する。第2部材22と基板P(物体)との間に形成される界面LGを適宜、第2界面LG2、と称する。終端光学素子13と第1部材21との間に形成される界面LGを適宜、第3界面LG3、と称する。
【0168】
液浸部材5は、液浸空間LSを形成するための液体LQを供給可能な液体供給部41を備えている。
【0169】
液体供給部41は、第2部材22の部分221よりも上方に配置される。
【0170】
液体供給部41は、第1部材21に配置される。液体供給部41は、第3空間SP3に面する。液体供給部41は、第3空間SP3に面するように、第1部材21の内面26に配置される。
【0171】
液体供給部41は、第1部材21の内面26に配置される開口(液体供給口)を含む。液体供給部41は、外面131に対向するように配置される。液体供給部41は、外面131と内面26との間の第3空間SP3に液体LQを供給する。
【0172】
本実施形態において、液体供給部41は、光路AT(終端光学素子13)に対して+X側及び−X側のそれぞれに配置される。
【0173】
なお、液体供給部41は、光路AT(終端光学素子13)に対してY軸方向に配置されてもよいし、X軸方向及びY軸方向を含む光路AT(終端光学素子13)の周囲に複数配置されてもよい。液体供給部41は、一つでもよい。
【0174】
なお、液体供給部41は、光路空間SPKに面するように第1部材21に配置されてもよい。例えば、液体供給部41を、内面26の領域261の下端部に設けてもよい。
【0175】
液体供給部(液体供給口)41は、第1部材21の内部に形成された供給流路41Rを介して、液体供給装置41Sと接続される。液体供給装置41Sは、クリーンで温度調整された液体LQを液体供給部41に供給可能である。液体供給部41は、液浸空間LSを形成するために、液体供給装置41Sからの液体LQを供給する。
【0176】
液体供給部41から第3空間SP3に供給された液体LQの少なくとも一部は、開口34を介して、光路空間SPKに供給される。これにより、光路ATLが液体LQで満たされる。また、液体供給部41から光路空間SPKに供給された液体LQの少なくとも一部は、開口32を介して、第1空間SP1に供給される。また、液体供給部41から光路空間SPKに供給された液体LQの少なくとも一部は、開口33を介して、第2空間SP2に供給される。
【0177】
液浸部材5は、液体LQを回収可能な液体回収部42と、液体LQを回収可能な液体回収部43を備えている。なお、液体回収部43を流体回収部43と呼んでもよい。
【0178】
液体回収部42は、光軸AX(光路AT)に対する放射方向に関して液体供給部41の外側に配置される。
【0179】
液体回収部42は、第1部材21に配置される。液体回収部42は、第1空間SP1に面する。液体回収部42は、第1空間SP1に面するように、第1部材21の下面25に配置される。液体回収部42は、第2部材22が対向するように、第1部材21に配置される。
【0180】
液体回収部42は、第1部材21の下面25に配置される開口(液体回収口)を含む。液体回収部42は、第2部材22の上面29に対向するように第1部材21に配置される。液体回収部42は、下面25と上面29との間の第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部を回収する。
【0181】
液体回収部42は、下面25の領域(回収領域)254に配置される。液体回収部42は、露光光ELの光路ATの周囲に配置される。液体回収部42は、光路ATを囲むように配置される。
【0182】
なお、液体回収部42は、露光光ELの光路ATの周囲において複数配置されてもよい。液体回収部42は、光路ATの周囲において間隔をあけて複数配置されてもよい。
【0183】
本実施形態において、液体回収部42は、第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部を回収し、第2空間SP2の液体LQを回収しない。
【0184】
液体回収部42(液体回収口)は、第1部材21の内部に形成された回収流路(空間)42Rを介して、液体回収装置42Cと接続される。液体回収装置42Cは、液体回収部42と真空システム(不図示)とを接続可能である。液体回収部42は、第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部は、液体回収部42(液体回収口)を介して回収流路42Rに流入可能である。なお、第3空間SP3から、第1部材21の上面を経て、第1部材21の外面27と第2部材22の内面31との間の空間を介して、第2部材22の上面29上に流れた液体LQを、液体回収部42で回収してもよい。すなわち、液体回収部24を、開口23を介さずに空間SP3から第2部材22の上面25上に流れた液体LQを回収する回収部として使ってもよい。もちろん、空間SP3からの液体LQを回収する回収部を、第1部材21の上面に設けてもよいし、第2部材22の上面29と内面31の少なくとも一方に設けてもよい。
また、第1部材21の下面25(253など)と第2部材22の上面221との間の空間と、第3空間SP3とを接続する流路、および第1部材21の外面27と第2部材22の内面31との間の空間と、第3空間SP3とを接続する流路の少なくとも一方を、第1部材21に設け、第3空間SP3から、第1部材21と第2部材22との間の空間に液体LQを流すようにしてもよい。
【0185】
本実施形態において、液体回収部42は、多孔部材44を含む。液体回収口は、多孔部材44の孔を含む。本実施形態において、多孔部材44は、メッシュプレートを含む。多孔部材44は、上面29が対向可能な下面と、回収流路42Rに面する上面と、下面と上面とを結ぶ複数の孔とを有する。液体回収部42は、多孔部材44の孔を介して液体LQを回収する。本実施形態において、下面25の領域(回収領域)254は、多孔部材44の下面を含む。液体回収部42(多孔部材44の孔)から回収された第1空間SP1の液体LQは、回収流路42Rに流入し、その回収流路42Rを流れて、液体回収装置42Cに回収される。
【0186】
本実施形態においては、液体回収部42を介して実質的に液体LQのみが回収され、気体の回収が制限されている。制御装置6は、第1空間SP1の液体LQが多孔部材44の孔を通過して回収流路42Rに流入し、気体は通過しないように、多孔部材44の下面側の圧力(第1空間SP1の圧力)と上面側の圧力(回収流路42Rの圧力)との差を調整する。本実施形態においては、第1空間SP1は空間CSと結ばれている。制御装置6は、チャンバ装置9を制御して、第1空間SP1の圧力を調整可能である。制御装置6は、液体回収装置42Cを制御して、回収流路42Rの圧力を調整可能である。なお、多孔部材を介して液体のみを回収する技術の一例が、例えば米国特許第7292313号などに開示されている。
【0187】
なお、多孔部材44を介して液体LQ及び気体の両方が回収(吸引)されてもよい。すなわち、液体回収部42が、液体LQを気体とともに回収してもよい。また、液体回収部42の下に液体LQが存在しないときに、液体回収部42から気体だけを回収してもよい。なお、第1部材21に多孔部材44が設けられなくてもよい。すなわち、多孔部材を介さずに第1空間SP1の流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)が回収されてもよい。
【0188】
液体回収部43は、光軸AX(光路AT)に対する放射方向に関して液体供給部41の外側に配置される。
【0189】
液体回収部43は、第2部材22に配置される。液体回収部43は、第2空間SP2に面する。液体回収部43は、第2空間SP2に面するように、第2部材22の下面30に配置される。液体回収部43は、基板P(物体)が対向するように、第2部材22に配置される。
【0190】
液体回収部43は、第2部材22の下面30に配置される開口(液体回収口)を含む。液体回収部43は、基板P(物体)の上面に対向するように第2部材22に配置される。液体回収部43は、下面30と基板P(物体)の上面との間の第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部を回収する。
【0191】
液体回収部43は、下面30の領域(回収領域)302に配置される。液体回収部43は、露光光ELの光路ATの周囲に配置される。液体回収部43は、光路ATを囲むように配置される。
【0192】
なお、液体回収部43は、露光光ELの光路ATの周囲において複数配置されてもよい。液体回収部43は、光路ATの周囲において間隔をあけて複数配置されてもよい。
【0193】
本実施形態において、液体回収部43は、第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部を回収し、第1空間SP1の液体LQを回収しない。
【0194】
液体回収部43(液体回収口)は、第2部材22の内部に形成された回収流路(空間)43Rを介して、液体回収装置43Cと接続される。液体回収装置43Cは、液体回収部43と真空システム(不図示)とを接続可能である。液体回収部43は、第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部は、液体回収部43(液体回収口)を介して回収流路43Rに流入可能である。
【0195】
本実施形態において、液体回収部43は、多孔部材45を含む。液体回収口は、多孔部材45の孔を含む。本実施形態において、多孔部材45は、メッシュプレートを含む。多孔部材45は、基板P(物体)の上面が対向可能な下面と、回収流路43Rに面する上面と、下面と上面とを結ぶ複数の孔とを有する。液体回収部43は、多孔部材45の孔を介して液体LQを回収する。本実施形態において、下面30の領域(回収領域)302は、多孔部材45の下面を含む。液体回収部43(多孔部材45の孔)から回収された第2空間SP2の液体LQは、回収流路43Rに流入し、その回収流路43Rを流れて、液体回収装置43Cに回収される。
【0196】
本実施形態においては、液体回収部43を介して液体LQとともに気体が回収される。換言すれば、液体回収部43は、第2空間SP2に存在する流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)について、気液混合回収する。なお、多孔部材45を介して液体LQのみが回収され、気体の回収が制限されてもよい。なお、第2部材22に多孔部材45が設けられなくてもよい。すなわち、多孔部材を介さずに第2空間SP2の流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)が回収されてもよい。
【0197】
本実施形態において、流体回収部43の下面は、多孔部材45の下面を含む。流体回収部43の下面は、下面30の周囲に配置される。本実施形態において、流体回収部43の下面は、XY平面と実質的に平行である。本実施形態において、流体回収部43の下面は、下面30よりも+Z側に配置される。
【0198】
なお、流体回収部43の下面と下面30とが同一平面内に配置されてもよい(面一でもよい)。流体回収部43の下面が下面30よりも−Z側に配置されてもよい。なお、流体回収部43の下面が下面30に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。例えば、流体回収部43(多孔部材45)の下面が、光路AT(光軸AX)に対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜していてもよい。また、流体回収部43(多孔部材45)の下面が、第2開口部28の周囲の全周に渡って、高さ(Z軸方向の位置)が同じでなくてもよい。例えば、第2開口部28のY軸方向両側に位置する流体回収部43(多孔部材45)の下面の一部が、第2開口部28のX軸方向両側に位置する流体回収部43(多孔部材45)の下面の一部より低くてもよい。例えば、第2部材22の流体回収部43(多孔部材45)の下面が基板Pの表面と対向しているときに、露光光の光路Kに対してY軸方向の一側に形成される、流体回収部43(多孔部材45)の下面と基板Pの表面とのギャップの寸法(Z軸方向の距離)が、露光光の光路Kに対してX軸方向の一側に形成される、流体回収部43(多孔部材45)の下面と基板Pの表面とのギャップの寸法(Z軸方向の距離)より小さくなるように、流体回収部43(多孔部材45)の下面の形状を決めてもよい。
【0199】
本実施形態においては、回収流路43Rは、光路AT(光軸AX)に対して内面31の外側に配置される。回収流路43Rは、液体回収部43の上方に配置される。第2部材22が移動することにより、第2部材22の流体回収部43及び回収流路43Rが、第1部材21の外面27の外側で移動する。
【0200】
本実施形態においては、液体供給部41からの液体LQの供給動作と並行して、液体回収部43からの液体LQの回収動作が実行されることによって、一方側の終端光学素子13及び液浸部材5と、他方側の基板P(物体)との間に液体LQで液浸空間LSが形成される。
【0201】
また、本実施形態においては、液体供給部41からの液体LQの供給動作、及び液体回収部43からの液体LQの回収動作と並行して、液体回収部42からの液体LQの回収動作が実行される。
【0202】
本実施形態において、第1界面LG1は、液体回収部42と上面29との間に形成される。第2界面LG2は、液体回収部43と基板P(物体)の上面との間に形成される。
【0203】
本実施形態においては、第1界面LG1が液体回収部42と上面29との間に形成され、第1空間SP1の液体LQが液体回収部42の外側の空間(例えば外面27と内面31との間の空間)に移動することが抑制されている。外面27と内面31との間の空間には液体LQが存在しない。外面27と内面31との間の空間は気体空間である。そのため、第2部材22は円滑に移動可能である。
【0204】
また、本実施形態においては、光路ATに対して第1空間SP1の外側(外面27の外側)に液体LQが移動(流出)したとしても、内面31によって、その液体LQが基板P上(第2空間SP2)に移動(流出)することが抑制される。
【0205】
本実施形態において、第2部材22は、駆動装置46の作動により移動する。駆動装置46は、例えばモータを含む。駆動装置46は、ローレンツ力を用いて第2部材22を移動可能である。駆動装置46は、第2部材22を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能である。駆動装置46は、終端光学素子13及び第1部材21に対して第2部材22を移動可能である。駆動装置46は、制御装置6に制御される。
【0206】
第2部材22は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの少なくとも一つの方向に移動可能である。
【0207】
本実施形態において、第2部材22は、少なくとも、終端光学素子13の光軸AX(Z軸)と垂直なXY平面内において移動可能である。第2部材22は、XY平面と実質的に平行に移動可能である。
【0208】
本実施形態において、第2部材22は、少なくとも、終端光学素子13の光軸AXと実質的に垂直なX軸方向に移動可能である。以下の説明においては、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向のうち、専らX軸と平行な方向に第2部材22が移動することとする。
【0209】
本実施形態において、第1部材21は、終端光学素子13を保護するように配置される。第1部材21は、終端光学素子13を保護するように、光路ATの周囲に配置される。
第1部材21は、終端光学素子13を保護する保護部材として機能する。
【0210】
第1部材21の少なくとも一部は、終端光学素子13を保護する保護部として機能する。本実施形態において、第1部材21の部分211及び部分212のそれぞれは、終端光学素子13を保護する保護部として機能する。
【0211】
第1部材21の部分211は、終端光学素子13の射出面12を保護するように、光路ATLの周囲に配置される。部分211の少なくとも一部は、射出面12を保護するように、間隙を介して、射出面12の下方に配置される。
【0212】
第1部材21の部分212は、終端光学素子13の外面131を保護するように、光路ATO(終端光学素子13)の周囲に配置される。部分212の少なくとも一部は、外面131を保護するように、間隙を介して、外面131の周囲に配置される。
【0213】
以下の説明においては、第1部材21の部分211を適宜、保護部211、と称し、部分212を適宜、保護部212、と称する。
【0214】
保護部211及び保護部212のそれぞれは、光路ATの外側において、終端光学素子13と第2部材22との間に配置される。
【0215】
第1部材21は、第2部材22から終端光学素子13を保護する。第1部材21は、移動可能な第2部材22と終端光学素子13との接触(衝突)を防止する。
【0216】
第1部材21の少なくとも一部は、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を低減する。第1部材21の少なくとも一部は、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を抑制する。第1部材21の少なくとも一部は、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を無くすことができる。
【0217】
液浸空間LSが形成されている状態で第2部材22が移動することにより、終端光学素子13に作用する液体LQの圧力が変動する可能性がある。換言すれば、第2部材22の少なくとも一部が液浸空間LSの液体LQに浸かっている状態で第2部材22が移動することにより、終端光学素子13に作用する液体LQの圧力が変動する可能性がある。第1部材21の少なくとも一部は、第2部材22の移動により液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を低減する。
【0218】
本実施形態においては、第2部材22の部分221の少なくとも一部が、液浸空間LSの液体LQに浸かっている状態で移動する。終端光学素子13と第2部材22の部分221との間に配置される第1部材21の部分(保護部)211は、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を低減する。
【0219】
部分(保護部)211は、終端光学素子13と第2部材22(部分221)との間に配置される壁部50を形成する。壁部50は、終端光学素子13と第1部材21(部分211)との間の空間と、第1部材211(部分211)と第2部材22(部分221)との間の空間とを仕切る。
【0220】
図5に示すように、以下の説明においては、領域241、領域251、及び領域252を含む壁部50の一部を適宜、第1壁部51、と称する。領域242、及び領域253を含む領域を適宜、第2壁部52、と称する。第1壁部51は、角部Ka及び角部Kcよりも光路AT(ATL)に近い部分である。第1壁部51は、第2壁部52よりも光路AT(ATL)に近い部分である。第1壁部51は、第2壁部52よりも下方に配置される。
【0221】
また、以下の説明において、保護部211のうち、第1壁部51に相当する部分を適宜、第1保護部2111、と称し、第2壁部52に相当する部分を適宜、第2保護部2112、と称する。
【0222】
本実施形態において、保護部211(壁部50)は、露光光ELが通過可能な第1開口部23を有する。
【0223】
保護部211は、第1部材21のうち、光路AT(ATL)に最も近い部位47を含む。本実施形態においては、領域251の内縁部分(角部Ks)が、第1部材21のうち、光路ATに最も近い部位47である。
【0224】
本実施形態において、部位47は、保護部211の最下部である。部位47は、保護部211のうち、基板P(物体)の表面(上面)に最も近い部位である。
【0225】
部位47は、間隙を介して、射出面12の下方に配置される。部位47は、射出面12と基板P(物体)との間に配置される。
【0226】
部位47は、第1開口部23を規定する。部位47は、第1開口部23の周囲に配置される。部位47は、第1開口部23の周囲の部位の少なくとも一部を規定する。
【0227】
図6に示すように、部分221は、露光光ELが通過可能な第2開口部28を有する。
【0228】
部分221は、第2部材22のうち、光路AT(ATL)に最も近い部位48を含む。本実施形態において、領域301の内縁部分(角部Kt)が、第2部材22のうち、光路ATに最も近い部位48である。
【0229】
本実施形態において、部位48は、部分221の最下部である。部位48は、部分221のうち、基板P(物体)の表面(上面)に最も近い部位である。
【0230】
部位48は、間隙を介して、下面25の下方に配置される。部位48は、下面25と基板P(物体)との間に配置される。
【0231】
部位48は、第2開口部28を規定する。部位48は、第2開口部28の周囲に配置される。部位48は、第2開口部28の周囲の部位の少なくとも一部を規定する。
【0232】
第2部材22の移動方向(X軸方向)に関して、第2開口部28の寸法は、第1開口部23の寸法よりも大きい。原点に第2部材22が配置されている状態において、第2部材22の部位48は、光路AT(ATL)に対して第1部材21の部位47の外側に配置される。
【0233】
図8は、第2部材22の動作の一例を示す図である。第2部材22は、XY平面内において定められた可動範囲(移動可能範囲)を移動可能である。本実施形態においては、第2部材22は、X軸方向に関して定められた可動範囲を移動する。
図8は、可動範囲において第2部材22が最も−X側に移動された状態を示す。
【0234】
第2部材22が移動することにより、第1部材21の外面27と第2部材22の内面31との間隙の寸法が変化する。換言すれば、第2部材22が移動することによって、外面27と内面31との間の空間の大きさが変化する。
【0235】
図8に示す例では、第2部材22が−X軸方向に移動することにより、終端光学素子13に対して+X側における外面27と内面31との間隙の寸法が小さくなる(外面27と内面31との間の空間が小さくなる)。第2部材22が−X軸方向に移動することにより、終端光学素子13に対して−X側における外面27と内面31との間隙の寸法が大きくなる(外面27と内面31との間の空間が大きくなる)。
【0236】
第2部材22が+X軸方向に移動することにより、終端光学素子13に対して+X側における外面27と内面31との間隙の寸法が大きくなる(外面27と内面31との間の空間が大きくなる)。第2部材22が+X軸方向に移動することにより、終端光学素子13に対して−X側における外面27と内面31との間隙の寸法が小さくなる(外面27と内面31との間の空間が小さくなる)。
【0237】
例えば、第1部材21(外側面29)と第2部材22(内側面30)とが接触しないように、第2部材22の可動範囲(移動可能範囲)が定められてもよい。
【0238】
本実施形態においては、第2部材22の部位48は、光路AT(ATL)に対して、第1部材21の部位47の外側に配置され続ける。
【0239】
本実施形態においては、第1部材21に対して第2部材22が移動しても、第2部材22の部位48は、光路AT(ATL)に対して、第1部材21の部位47の外側に配置され続ける。可動範囲を移動する第2部材22の移動期間において、第2部材22の部位48は、光路AT(ATL)に対して、第1部材21の部位47の外側に配置され続ける。
【0240】
例えば、第2部材22の部位48が光路AT(ATL)に対して第1部材21の部位47の外側に配置され続けるように、第2部材22の可動範囲が定められてもよい。
【0241】
第2部材22の部位48が光路AT(ATL)に対して第1部材21の部位47の外側に配置され続けるように、第1部材21と第2部材22とが接触しないように定められた第2部材22の可動範囲に基づいて、第2部材22の移動方向(X軸方向)に関する第1開口部23の寸法及び第2開口部28の寸法の一方又は両方が定められてもよい。
【0242】
第2部材22の部位48が光路AT(ATL)に対して第1部材21の部位47の外側に配置され続けるように、第2部材22の移動方向(X軸方向)に関する第1開口部23の寸法及び第2開口部28の寸法の一方又は両方に基づいて、第1部材21と第2部材22とが接触しないように第2部材22の可動範囲が定められてもよい。
【0243】
図8に示すように、可動範囲において第2部材22が最も−X側に移動された状態において、光路AT(光軸AX)に対して+X側における第1部材21の部位47の外側に、第2部材22の部位48が配置される。また、可動範囲において第2部材22が最も−X側に移動された状態において、光路AT(光軸AX)に対して−X側における第1部材21の部位47の外側に、第2部材22の部位48が配置される。
【0244】
また、可動範囲において第2部材22が最も+X側に移動された状態において、光路AT(光軸AX)に対して−X側における第1部材21の部位47の外側に、第2部材22の部位48が配置される。また、可動範囲において第2部材22が最も+X側に移動された状態において、光路AT(光軸AX)に対して+X側における第1部材21の部位47の外側に、第2部材22の部位48が配置される。
【0245】
保護部211(壁部50)は、可動範囲を移動する第2部材22の移動期間において、終端光学素子13と第2部材22(部分221)とが対向しないように、終端光学素子13と第2部材22との間に配置される。換言すれば、第2部材22が可動範囲を移動する移動期間において、終端光学素子13と第2部材22(部分221)との間には、常に保護部211が配置される。保護部211は、終端光学素子13と第2部材22(部分221)とが対向することを阻止する。
【0246】
本実施形態において、第2部材22(部分221)は、下面25の領域253の下方において移動する。すなわち、光軸AXに対する放射方向に関して、第2部材22の部位48が領域253の内縁(角部Kc)よりも内側に移動しないように、第2部材22の部位48が、下面25の下方において移動する。換言すれば、第2部材22(第2部材22の部位48)は、光路AT(ATL)に対して領域251及び領域252の外側において移動する。
【0247】
なお、第2部材22(部分221)は、下面25の領域252及び領域253の下方において移動してもよい。すなわち、光軸AXに対する放射方向に関して、第2部材22の部位48が領域252の内縁(角部Kb)よりも内側に移動しないように、第2部材22の部位48が、下面25の下方において移動してもよい。換言すれば、第2部材22(第2部材22の部位48)は、光路AT(ATL)に対して領域251の外側において移動してもよい。
【0248】
すなわち、第2部材22は、第1部材21の凹部16の下方において移動してもよい。
【0249】
図7及び
図8に示すように、保護部211(壁部50)の最下部の部位47は、第2部材22の上面29よりも上方に配置される。光路AT(ATL)に対して部位47の外側において、第1部材21と上面29との間に間隙が形成される。終端光学素子13の光軸AXと平行なZ軸方向に関して、部位47と上面29との間隙の寸法(距離)G1aは、第1部材21と上面29との間隙の寸法(距離)G1bよりも小さい。
【0250】
寸法G1aは、Z軸方向に関する部位47と領域292との距離である。寸法G1bは、Z軸方向に関する領域252又は領域253と領域292との距離である。
【0251】
寸法G1aは、Z軸方向に関する部位47と領域291との距離でもよい。寸法G1bは、Z軸方向に関する領域252又は領域253と領域291との距離でもよい。
【0252】
次に、第2部材22の動作の一例について説明する。
【0253】
第2部材22は、基板P(物体)の移動と協調して移動可能である。第2部材22は、基板P(物体)と独立して移動可能である。第2部材22は、基板P(物体)の移動の少なくとも一部と並行して移動可能である。
【0254】
第2部材22は、基板P(物体)が移動する期間の少なくとも一部と並行して移動可能である。第2部材22は、基板P(物体)の移動方向に移動可能である。例えば、基板Pが移動される期間の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向に移動可能である。例えば、基板PがXY平面内における一方向(例えば+X軸方向)に移動されるとき、第2部材22は、その基板Pの移動と同期して、XY平面内における一方向(+X軸方向)に移動可能である。
【0255】
第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態において移動可能である。第2部材22は、液浸空間LSの液体LQと接触した状態において移動可能である。第2部材22は、第1空間SP1及び第2空間SP2に液体LQが存在する状態において移動可能である。
【0256】
第2部材22は、液体供給部41からの液体LQの供給と並行して移動可能である。
【0257】
第2部材22は、液体回収部42からの液体LQの回収と並行して移動可能である。第2部材22は、液体回収部43からの液体LQの回収と並行して移動可能である。
【0258】
第2部材22は、液体供給部41からの液体LQの供給及び液体回収部42(液体回収部43)からの液体LQの回収と並行して移動可能である。
【0259】
第2部材22は、射出面12から露光光ELが射出される期間の少なくとも一部において移動可能である。
【0260】
第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、基板P(物体)が移動する期間の少なくとも一部と並行して移動可能である。
【0261】
第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、射出面12から露光光ELが射出される期間の少なくとも一部において移動可能である。
【0262】
第2部材22は、第2部材22と基板P(物体)とが対向しない状態において移動してもよい。例えば、第2部材22は、その第2部材22の下方に物体が存在しない状態において移動してもよい。
【0263】
第2部材22は、第2部材22と基板P(物体)との間の空間に液体LQが存在しない状態において移動してもよい。例えば、第2部材22は、液浸空間LSが形成されていない状態において移動してもよい。
【0264】
本実施形態において、第2部材22は、例えば基板P(物体)の移動条件に基づいて移動する。制御装置6は、例えば基板P(物体)の移動条件に基づいて、基板P(物体)の移動の少なくとも一部と並行して第2部材22を移動する。
【0265】
制御装置6は、液浸空間LSが形成され続けるように、液体供給部41からの液体LQの供給と液体回収部42からの液体LQの回収及び液体回収部43からの液体LQの回収とを行いながら、第2部材22を移動する。
【0266】
本実施形態において、第2部材22は、基板P(物体)との相対移動が小さくなるように移動可能である。また、第2部材22は、基板P(物体)との相対移動が、第1部材21と基板P(物体)との相対移動よりも小さくなるように移動可能である。相対移動は、相対速度、及び相対加速度の少なくとも一方を含む。
【0267】
例えば、第2部材22は、基板P(物体)と同期して移動してもよい。第2部材22は、基板P(物体)に追従するように移動してもよい。
【0268】
第2部材22は、基板P(物体)との相対速度が小さくなるように移動可能である。例えば、第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、すなわち、第2空間SP2に液体LQが存在している状態で、基板P(物体)との相対速度が小さくなるように移動してもよい。
【0269】
また、第2部材22は、基板P(物体)との相対加速度が小さくなるように移動可能である。例えば、第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、すなわち、第2空間SP2に液体LQが存在している状態で、基板P(物体)との相対加速度が小さくなるように移動してもよい。
【0270】
また、第2部材22は、基板P(物体)との相対速度が、第1部材21と基板P(物体)との相対速度よりも小さくなるように移動可能である。例えば、第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、すなわち、第2空間SP2に液体LQが存在している状態で、基板P(物体)との相対速度が、第1部材21と基板P(物体)との相対速度よりも小さくなるように移動してもよい。
【0271】
また、第2部材22は、基板P(物体)との相対加速度が、第1部材21と基板P(物体)との相対加速度よりも小さくなるように移動可能である。例えば、第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、すなわち、第2空間SP2に液体LQが存在している状態で、基板P(物体)との相対加速度が、第1部材21と基板P(物体)との相対加速度よりも小さくなるように移動してもよい。
【0272】
第2部材22は、例えば基板P(物体)の移動方向に移動可能である。例えば、基板P(物体)が+X軸方向移動するとき、第2部材22は+X軸方向に移動可能である。基板P(物体)が−X軸方向移動するとき、第2部材22は−X軸方向に移動可能である。また、基板P(物体)が+X軸方向に移動しつつ+Y軸方向(又は−Y軸方向)に移動するとき、第2部材22は+X軸方向に移動可能である。また、基板P(物体)が−X軸方向に移動しつつ+Y軸方向(又は−Y軸方向)に移動するとき、第2部材22は−X軸方向に移動可能である。
【0273】
すなわち、本実施形態においては、基板P(物体)がX軸方向の成分を含むある方向に移動する場合、第2部材22はX軸方向に移動する。例えば、X軸方向の成分を含むある方向への基板P(物体)の移動の少なくとも一部と並行して、第2部材22がX軸方向に移動してもよい。
【0274】
なお、第2部材22がY軸方向に移動可能でもよい。基板P(物体)がY軸方向の成分を含むある方向に移動する場合、第2部材22がY軸方向に移動してもよい。例えば、Y軸方向の成分を含むある方向への基板P(物体)の移動の少なくとも一部と並行して、基板P(物体)との相対速度差が小さくなるように、第2部材22がY軸方向に移動してもよい。
【0275】
次に、上述の露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
【0276】
以下の説明においては、液浸空間LSを形成するために、液体供給部41から液体LQが供給されるとともに、液体回収部42及び液体回収部43のそれぞれから液体LQが回収されることとする。
【0277】
なお、液浸空間LSを形成するために、例えば液体供給部41から液体LQを供給し、液体回収部43から液体LQを回収し、液体回収部42から液体LQを回収しなくてもよい。
【0278】
液浸部材5から離れた基板交換位置において、露光前の基板Pを基板ステージ2(第1保持部)に搬入(ロード)する処理が行われる。基板ステージ2が液浸部材5から離れている期間の少なくとも一部において、計測ステージ3が終端光学素子13及び液浸部材5と対向するように配置される。制御装置6は、液体供給部41からの液体LQの供給と、液体回収部42からの液体LQの回収及び液体回収部43からの液体LQの回収とを行って、計測ステージ3上に液浸空間LSを形成する。
【0279】
露光前の基板Pが基板ステージ2にロードされ、計測ステージ3を用いる計測処理が終了した後、制御装置6は、終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)とが対向するように、基板ステージ2を移動する。終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)とが対向する状態で、液体供給部41からの液体LQの供給と並行して液体回収部42からの液体LQの回収及び液体回収部43からの液体LQの回収が行われることによって、光路ATLが液体LQで満たされるように、終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)との間に液浸空間LSが形成される。
【0280】
制御装置6は、基板Pの露光処理を開始する。制御装置6は、基板P上に液浸空間LSが形成されている状態で、照明系ILから露光光ELを射出する。照明系ILはマスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PL及び射出面12と基板Pとの間の液浸空間LSの液体LQを介して基板Pに照射される。これにより、基板Pは、終端光学素子13の射出面12と基板Pとの間の液浸空間LSの液体LQを介して射出面12から射出された露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
【0281】
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置6は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。
【0282】
図9は、基板ステージ2に保持された基板Pの一例を示す図である。本実施形態においては、基板Pに露光対象領域であるショット領域Sがマトリクス状に複数配置される。制御装置6は、終端光学素子13の射出面12から射出される露光光ELに対して、第1保持部に保持されている基板PをY軸方向(走査方向)に移動しつつ、射出面12と基板Pとの間の液浸空間LSの液体LQを介して、射出面12から射出された露光光ELで、基板Pの複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光する。
【0283】
例えば基板Pの1つのショット領域Sを露光するために、制御装置6は、液浸空間LSが形成されている状態で、射出面12から射出される露光光EL(投影光学系PLの投影領域PR)に対して基板PをY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介してそのショット領域Sに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像がそのショット領域Sに投影され、そのショット領域Sが射出面12から射出された露光光ELで露光される。
【0284】
そのショット領域Sの露光が終了した後、制御装置6は、次のショット領域Sの露光を開始するために、液浸空間LSが形成されている状態で、基板PをXY平面内においてY軸と交差する方向(例えばX軸方向、あるいはXY平面内においてX軸及びY軸方向に対して傾斜する方向等)に移動し、次のショット領域Sを露光開始位置に移動する。その後、制御装置6は、そのショット領域Sの露光を開始する。
【0285】
制御装置6は、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、射出面12からの露光光ELが照射される位置(投影領域PR)に対してショット領域をY軸方向に移動しながらそのショット領域を露光する動作と、そのショット領域の露光後、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、次のショット領域が露光開始位置に配置されるように、XY平面内においてY軸方向と交差する方向(例えばX軸方向、あるいはXY平面内においてX軸及びY軸方向に対して傾斜する方向等)に基板Pを移動する動作とを繰り返しながら、基板Pの複数のショット領域のそれぞれを順次露光する。
【0286】
以下の説明において、ショット領域を露光するために、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、射出面12からの露光光ELが照射される位置(投影領域PR)に対して基板P(ショット領域)をY軸方向に移動する動作を適宜、スキャン移動動作、と称する。また、あるショット領域の露光終了後、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、次のショット領域の露光が開始されるまでの間に、XY平面内において基板Pを移動する動作を適宜、ステップ移動動作、と称する。
【0287】
本実施形態において、スキャン移動動作は、あるショット領域Sが露光開始位置に配置されている状態から露光終了位置に配置される状態になるまで基板PがY軸方向に移動する動作を含む。ステップ移動動作は、あるショット領域Sが露光終了位置に配置されている状態から次のショット領域Sが露光開始位置に配置される状態になるまで基板PがXY平面内においてY軸方向と交差する方向に移動する動作を含む。
【0288】
露光開始位置は、あるショット領域Sの露光のために、そのショット領域SのY軸方向に関する一端部が投影領域PRを通過する時点の基板Pの位置を含む。露光終了位置は、露光光ELが照射されたそのショット領域SのY軸方向に関する他端部が投影領域PRを通過する時点の基板Pの位置を含む。
【0289】
ショット領域Sの露光開始位置は、そのショット領域Sを露光するためのスキャン移動動作開始位置を含む。ショット領域Sの露光開始位置は、そのショット領域Sを露光開始位置に配置するためのステップ移動動作終了位置を含む。
【0290】
ショット領域Sの露光終了位置は、そのショット領域Sを露光するためのスキャン移動動作終了位置を含む。ショット領域Sの露光終了位置は、そのショット領域Sの露光終了後、次のショット領域Sを露光開始位置に配置するためのステップ移動動作開始位置を含む。
【0291】
以下の説明において、あるショット領域Sの露光のためにスキャン移動動作が行われる期間を適宜、スキャン移動期間、と称する。以下の説明において、あるショット領域Sの露光終了から次のショット領域Sの露光開始のためにステップ移動動作が行われる期間を適宜、ステップ移動期間、と称する。
【0292】
スキャン移動期間は、あるショット領域Sの露光開始から露光終了までの露光期間を含む。ステップ移動期間は、あるショット領域Sの露光終了から次のショット領域Sの露光開始までの基板Pの移動期間を含む。
【0293】
スキャン移動動作において、射出面12から露光光ELが射出される。スキャン移動動作において、基板P(物体)に露光光ELが照射される。ステップ移動動作において、射出面12から露光光ELが射出されない。ステップ移動動作において、基板P(物体)に露光光ELが照射されない。
【0294】
制御装置6は、スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返しながら、基板Pの複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光する。なお、スキャン移動動作は、主にY軸方向に関する等速移動である。ステップ移動動作は、加減速度移動を含む。例えば、あるショット領域Sの露光終了から次のショット領域Sの露光開始までの間のステップ移動動作は、Y軸方向に関する加減速移動及びX軸方向に関する加減速移動の一方又は両方を含む。
【0295】
なお、スキャン移動動作及びステップ移動動作の少なくとも一部において、液浸空間LSの少なくとも一部が、基板ステージ2(カバー部材T)上に形成される場合がある。スキャン移動動作及びステップ移動動作の少なくとも一部において、液浸空間LSが基板Pと基板ステージ2(カバー部材T)とを跨ぐように形成される場合がある。基板ステージ2と計測ステージ3とが接近又は接触した状態で基板Pの露光が行われる場合、スキャン移動動作及びステップ移動動作の少なくとも一部において、液浸空間LSが基板ステージ2(カバー部材T)と計測ステージ3とを跨ぐように形成される場合がある。
【0296】
制御装置6は、基板P上の複数のショット領域Sの露光条件に基づいて、駆動システム15を制御して、基板P(基板ステージ2)を移動する。複数のショット領域Sの露光条件は、例えば露光レシピと呼ばれる露光制御情報によって規定される。露光制御情報は、記憶装置7に記憶されている。
【0297】
露光条件(露光制御情報)は、複数のショット領域Sの配列情報(基板Pにおける複数のショット領域Sそれぞれの位置)を含む。また、露光条件(露光制御情報)は、複数のショット領域Sのそれぞれの寸法情報(Y軸方向に関する寸法情報)を含む。
【0298】
制御装置6は、記憶装置7に記憶されている露光条件(露光制御情報)に基づいて、所定の移動条件で基板Pを移動しながら、複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光する。基板P(物体)の移動条件は、移動速度、加速度、移動距離、移動方向、及びXY平面内における移動軌跡の少なくとも一つを含む。
【0299】
一例として、複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光するとき、制御装置6は、投影光学系PLの投影領域PRと基板Pとが、
図9中、矢印Srに示す移動軌跡に沿って相対的に移動するように基板ステージ2を移動しつつ投影領域PRに露光光ELを照射して、液体LQを介して複数のショット領域Sのそれぞれを露光光ELで順次露光する。制御装置6は、スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返しながら、複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光する。
【0300】
本実施形態において、第2部材22は、基板Pの露光処理の少なくとも一部において移動する。第2部材22は、例えば液浸空間LSが形成されている状態で基板P(基板ステージ2)のステップ移動動作の少なくとも一部と並行して移動する。第2部材22は、例えば液浸空間LSが形成されている状態で基板P(基板ステージ2)のスキャン移動動作の少なくとも一部と並行して移動する。第2部材22の移動と並行して、射出面12から露光光ELが射出される。
【0301】
第2部材22は、例えば基板P(基板ステージ2)がステップ移動動作を行うとき、基板P(基板ステージ2)との相対移動(相対速度、相対加速度)が、第1部材21と基板P(基板ステージ2)との相対移動(相対速度、相対加速度)よりも小さくなるように、移動してもよい。
【0302】
また、第2部材22は、基板P(基板ステージ2)がスキャン移動動作を行うとき、基板P(基板ステージ2)との相対移動(相対速度、相対加速度)が、第1部材21と基板P(基板ステージ2)との相対移動(相対速度、相対加速度)よりも小さくなるように、移動してもよい。
【0303】
なお、スキャン移動動作中に第2部材22が移動しなくてもよい。すなわち、射出面12からの露光光ELの射出と並行して第2部材22が移動しなくてもよい。
【0304】
図10は、第2部材22の動作の一例を示す模式図である。
図10は、第2部材22を上方から見た図である。
【0305】
本実施形態において、第2部材22はX軸方向に移動する。なお、上述のように、第2部材22は、Y軸方向に移動してもよいし、X軸方向(又はY軸方向)の成分を含むXY平面内における任意の方向に移動してもよい。
【0306】
第2部材22は、X軸方向に関して規定された可動範囲(移動可能範囲)を移動する。射出面12からの露光光ELが第1開口部23及び第2開口部28を通過するとともに、第2部材22が第1部材21に接触しないように、第2部材22の可動範囲が定められる。
【0307】
基板P(物体)が移動する期間の少なくとも一部において、第2部材22は、
図10(A)〜
図10(E)に示すように、X軸方向に移動する。
図10(A)は、移動可能範囲の最も+X側の端の位置Jrに第2部材22が配置されている状態を示す。
図10(C)は、移動可能範囲の中央の位置Jmに第2部材22が配置されている状態を示す。
図10(E)は、移動可能範囲の最も−X側の端の位置Jsに第2部材22が配置されている状態を示す。
【0308】
以下の説明において、
図10(A)に示す第2部材22の位置Jrを適宜、第1端部位置Jr、と称する。
図10(C)に示す第2部材22の位置Jmを適宜、中央位置Jm、と称する。
図10(E)に示す第2部材22の位置Jsを適宜、第2端部位置Js、と称する。
【0309】
また、
図10(B)は、第2部材22が第1端部位置Jrと中央位置Jmとの間の位置Jrmに配置されている状態を示す。
図10(D)は、第2部材22が第2端部位置Jsと中央位置Jmとの間の位置Jsmに配置されている状態を示す。
【0310】
なお、本実施形態において、第2部材22が中央位置Jmに配置される状態は、第2部材22の第2開口部28の中心と終端光学素子13の光軸AXとが実質的に一致している状態を含む。第2開口部28の中心が光軸AXに一致する第2部材22の位置を、原点、と称してもよい。
【0311】
第2部材22の移動可能範囲の寸法は、X軸方向に関する第1端部位置Jrと第2端部位置Jsとの距離を含む。
【0312】
制御装置6は、終端光学素子13(投影領域PR)に対する第2部材22の位置を異ならせることができる。制御装置6は、位置Jr、位置Jrm、位置Jm、位置Jsm、及び位置Jsのうち選択された2つの位置の間において第2部材22を移動可能である。制御装置6は、位置Jr、位置Jrm、位置Jm、位置Jsm、及び位置Jsの少なくとも一つにおいて第2部材22を停止可能である。制御装置6は、位置Jr、位置Jrm、位置Jm、位置Jsm、及び位置Jsに限らず、それ以外の任意の位置において、第2部材22を停止可能であってもよい。
【0313】
位置Jrと位置Jmとの間の第2部材22の移動距離は、位置Jrmと位置Jmとの間の第2部材22の移動距離よりも長い。位置Jsと位置Jmとの間の第2部材22の移動距離は、位置Jsmと位置Jmとの間の第2部材22の移動距離よりも長い。
【0314】
制御装置6は、定められた移動条件で第2部材22を移動可能である。第2部材22の移動条件は、移動方向、移動速度、加速度、及び移動距離の少なくとも一つを含む。制御装置6は、第2部材22の移動方向、移動速度、加速度、及び移動距離の少なくとも一つを制御可能である。
【0315】
本実施形態においては、第2部材22が第1端部位置Jrに配置されている状態において、第2部材22の部位48は、光路ATに対して第1部材21の部位47の外側に配置される。第2部材22が第2端部位置Jsに配置されている状態において、第2部材22の部位48は、光路ATに対して第1部材21の部位47の外側に配置される。
【0316】
本実施形態においては、第2部材22が位置Jr、位置Jrm、位置Jm、位置Jsm、及び位置Jsのいずれに配置されている状態においても、第2部材22の部位48は、光路ATに対して第1部材21の部位47の外側に配置され続ける。
【0317】
図11は、基板Pを+X軸方向の成分を含むステップ移動を行いながら、ショット領域Sa、ショット領域Sb、及びショット領域Scのそれぞれを順次露光するときの基板Pの移動軌跡の一例を模式的に示す図である。ショット領域Sa、Sb、Scは、X軸方向に配置される。
【0318】
図11に示すように、ショット領域Sa、Sb、Scが露光されるとき、終端光学素子13の下において、投影領域PRが基板Pの位置d1に配置される状態からその位置d1に対して+Y側に隣り合う位置d2に配置される状態までの経路Tp1、位置d2に配置される状態からその位置d2に対して+X側に隣り合う位置d3に配置される状態までの経路Tp2、位置d3に配置される状態からその位置d3に対して−Y側に隣り合う位置d4に配置される状態までの経路Tp3、位置d4に配置される状態からその位置d4に対して+X側に隣り合う位置d5に配置される状態までの経路Tp4、及び位置d5に配置される状態からその位置d5に対して+Y側に隣り合う位置d6に配置される状態までの経路Tp5を、基板Pは順次移動する。位置d1、d2、d3、d4、d5、d6は、XY平面内における位置である。
【0319】
経路Tp1の少なくとも一部は、Y軸と平行な直線である。経路Tp3の少なくとも一部は、Y軸と平行な直線である。経路Tp5の少なくとも一部は、Y軸と平行な直線を含む。経路Tp2は、位置d2.5を経由する曲線を含む。経路Tp4は、位置d4.5を経由する曲線を含む。位置d1は、経路Tp1の始点を含み、位置d2は、経路Tp1の終点を含む。位置d2は、経路Tp2の始点を含み、位置d3は、経路Tp2の終点を含む。位置d3は、経路Tp3の始点を含み、位置d4は、経路Tp3の終点を含む。位置d4は、経路Tp4の始点を含み、位置d5は、経路Tp4の終点を含む。位置d5は、経路Tp5の始点を含み、位置d6は、経路Tp5の終点を含む。経路Tp1は、基板Pが−Y軸方向に移動する経路である。経路Tp3は、基板Pが+Y軸方向に移動する経路である。経路Tp5は、基板Pが−Y軸方向に移動する経路である。経路Tp2及び経路Tp4は、基板Pが−X軸方向を主成分とする方向に移動する経路である。
【0320】
液浸空間LSが形成されている状態で基板Pが経路Tp1を移動するとき、液体LQを介してショット領域Saに露光光ELが照射される。液浸空間LSが形成されている状態で基板Pが経路Tp3を移動するとき、液体LQを介してショット領域Sbに露光光ELが照射される。液浸空間LSが形成されている状態で基板Pが経路Tp5を移動するとき、液体LQを介してショット領域Scに露光光ELが照射される。基板Pが経路Tp2及び経路Tp4を移動するとき、露光光ELは照射されない。
【0321】
基板Pが経路Tp1を移動する動作、経路Tp3を移動する動作、及び経路Tp5を移動する動作のそれぞれは、スキャン移動動作を含む。また、基板Pが経路Tp2を移動する動作、及び経路Tp4を移動する動作のそれぞれは、ステップ移動動作を含む。
【0322】
すなわち、基板Pが経路Tp1を移動する期間、経路Tp3を移動する期間、及び経路Tp5を移動する期間のそれぞれは、スキャン移動期間(露光期間)である。基板Pが経路Tp2を移動する期間、及び経路Tp4を移動する期間のそれぞれは、ステップ移動期間である。
【0323】
図12及び
図13は、ショット領域Sa、Sb、Scが露光されるときの第2部材22の動作の一例を示す模式図である。
図12及び
図13は、第2部材22を上方から見た図である。
【0324】
基板Pが位置d1にあるとき、
図12(A)に示すように、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路AT)に対して、位置Jsに配置される。
【0325】
基板Pが位置d2にあるとき、
図12(B)に示すように、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路AT)に対して、位置Jrに配置される。すなわち、基板Pの位置d1から位置d2へのスキャン移動動作中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(−X軸方向)とは逆の+X軸方向に移動する。基板Pの位置d1から位置d2へのスキャン移動動作中に、第2部材22は、位置Jsから位置Jsm、位置Jm、及び位置Jrmを経て、位置Jrまで移動する。換言すれば、基板Pが経路Tp1を移動するとき、第2部材22は、
図12(A)に示す状態から
図12(B)に示す状態に変化するように、+X軸方向に移動する。
【0326】
基板Pが位置d2.5にあるとき、
図12(C)に示すように、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路AT)に対して、位置Jmに配置される。
【0327】
基板Pが位置d3にあるとき、
図12(D)に示すように、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路AT)に対して、位置Jsに配置される。すなわち、基板Pの位置d2から位置d3へのステップ移動動作中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(−X軸方向)と同じ−X軸方向に移動する。基板Pの位置d2から位置d3へのステップ移動動作中に、第2部材22は、位置Jrから位置Jrm、位置Jm、及び位置Jsmを経て、位置Jmまで移動する。換言すれば、基板Pが経路Tp2を移動するとき、第2部材22は、
図12(B)に示す状態から
図12(C)に示す状態を経て
図12(D)に示す状態に変化するように、−X軸方向に移動する。
【0328】
基板Pが位置d4にあるとき、
図13(A)に示すように、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路AT)に対して、位置Jrに配置される。すなわち、基板Pの位置d3から位置d4へのスキャン移動動作中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(−X軸方向)とは逆の+X軸方向に移動する。基板Pの位置d3から位置d4へのスキャン移動動作中に、第2部材22は、位置Jsから位置Jsm、位置Jm、及び位置Jrmを経て、位置Jrまで移動する。換言すれば、基板Pが経路Tp3を移動するとき、第2部材22は、
図12(D)に示す状態から
図13(A)に示す状態に変化するように、+X軸方向に移動する。
【0329】
基板Pが位置d4.5にあるとき、
図13(B)に示すように、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路AT)に対して、位置Jmに配置される。
【0330】
基板Pが位置d5にあるとき、
図13(C)に示すように、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路AT)に対して、位置Jsに配置される。すなわち、基板Pの位置d4から位置d5へのステップ移動動作中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(−X軸方向)と同じ−X軸方向に移動する。基板Pの位置d4から位置d5へのステップ移動動作中に、第2部材22は、位置Jrから位置Jrm、位置Jm、及び位置Jsmを経て、位置Jmまで移動する。換言すれば、基板Pが経路Tp4を移動するとき、第2部材22は、
図13(A)に示す状態から
図13(B)に示す状態を経て
図13(C)に示す状態に変化するように、−X軸方向に移動する。
【0331】
基板Pが位置d6にあるとき、
図13(D)に示すように、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路AT)に対して、位置Jrに配置される。すなわち、基板Pの位置d5から位置d6へのスキャン動作移動中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(−X軸方向)とは逆の+X軸方向に移動する。基板Pの位置d5から位置d6へのスキャン移動動作中に、第2部材22は、位置Jsから位置Jsm、位置Jm、及び位置Jrmを経て、位置Jrまで移動する。換言すれば、基板Pが経路Tp5を移動するとき、第2部材22は、
図13(C)に示す状態から
図13(D)に示す状態に変化するように、+X軸方向に移動する。
【0332】
すなわち、本実施形態において、第2部材22は、基板Pが経路Tp2に沿って移動する期間の少なくとも一部において、基板Pとの相対移動が小さくなるように、−X軸方向に移動する。換言すれば、第2部材22は、基板Pが−X軸方向の成分を含むステップ移動動作する期間の少なくとも一部に、X軸方向に関する基板Pとの相対速度が小さくなるように、−X軸方向に移動する。同様に、第2部材22は、基板Pが経路Tp4に沿って移動する期間の少なくとも一部において、X軸方向に関する基板Pとの相対速度が小さくなるように、−X軸方向に移動する。
【0333】
また、本実施形態において、第2部材22は、基板Pが経路Tp3に沿って移動する期間の少なくとも一部において、+X軸方向に移動する。これにより、基板Pの経路Tp3の移動後、経路Tp4の移動において、第2部材22が−X軸方向に移動しても露光光ELが第1、第2開口部23、30を通過可能であり、第1部材21と第2部材22との接触が抑制される。基板Pが経路Tp1、Tp5を移動する場合も同様である。
【0334】
すなわち、基板Pがスキャン移動動作と−X軸方向の成分を含むステップ移動動作とを繰り返す場合、ステップ移動動作中に、基板Pとの相対速度が小さくなるように第2部材22が位置Jrから位置Jsへ−X軸方向に移動し、スキャン移動動作中に、次のステップ移動動作において第2部材22が再度−X軸方向に移動できるように、第2部材22が位置Jsから位置Jrへ戻る。すなわち、基板Pがスキャン移動動作する期間の少なくとも一部において、第2部材22が+X軸方向に移動するので、第2開口部28の寸法が必要最小限に抑えられ、第1部材21と第2部材22との接触が抑制される。
【0335】
また、本実施形態においては、第2部材22が第1端部位置Jr(第2端部位置Js)に配置されても、流体回収部43の少なくとも一部は、基板P(物体)と対向し続ける。
これにより、例えばステップ移動動作において、流体回収部43は、基板P(物体)上の液体LQを回収することができる。
【0336】
なお、
図12及び
図13を用いて説明した例においては、基板Pが位置d1、d3、d5にあるときに、第2部材22が第2端部位置Jsに配置されることとした。基板Pが位置d1、d3、d5にあるときに、第2部材22が、中央位置Jmに配置されてもよいし、中央位置Jmと第2端部位置Jsとの間の位置Jsmに配置されてもよい。
【0337】
なお、
図12及び
図13を用いて説明した例においては、基板Pが位置d2、d4、d6にあるときに、第2部材22が第1端部位置Jrに配置されることとした。基板Pが位置d2、d4、d6にあるときに、第2部材22が、中央位置Jmに配置されてもよいし、中央位置Jmと第1端部位置Jrとの間の位置Jrmに配置されてもよい。
【0338】
また、基板Pが位置d2.5、d4.5にあるときに、第2部材22が、中央位置Jmとは異なる位置に配置されてもよい。すなわち、基板Pが位置d2.5、d4.5にあるときに、第2部材22が、例えば中央位置Jmと第2端部位置Jsとの間の位置Jsmに配置されてもよいし、中央位置Jmと第1端部位置Jrとの間の位置Jrmに配置されてもよい。
【0339】
なお、基板Pのスキャン移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は、停止してもよいし、基板Pのステップ移動の方向(−X軸方向)と同じ−X軸方向に移動してもよい。
【0340】
なお、基板Pのステップ移動期間の少なくとも一部において、第2部材22は、停止してもよいし、基板Pのステップ移動の方向(−X軸方向)とは逆の+X軸方向に移動してもよい。
【0341】
すなわち、基板Pの移動期間(スキャン移動期間及びステップ移動期間)の一部において、第2部材22は、基板P(物体)との相対速度が、第1部材21と基板P(物体)との相対速度よりも小さくなるように移動し、基板Pの移動期間の一部において、停止したり、相対速度が大きくなるように移動したりしてもよい。
【0342】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1部材21に対して移動可能な第2部材22を設けたので、液浸空間LSが形成されている状態で基板P等の物体がXY平面内において移動しても、例えば液体LQが液浸部材5と物体との間の空間から流出したり、物体上に液体LQが残留したりすることが抑制される。
【0343】
すなわち、液浸空間LSが形成されている状態で基板P等の物体がXY平面内において高速で移動する場合、その物体と対向する部材(液浸部材など)が静止していると、液体LQが流出したり、基板P(物体)上に液体LQが残留したり、液体LQに気泡が発生したりする可能性がある。
【0344】
本実施形態においては、第2部材22は、例えば基板P等の物体との相対移動(相対速度、相対加速度)が小さくなるように移動可能である。そのため、液浸空間LSが形成されている状態で物体が高速度で移動しても、液体LQが流出したり、基板P(物体)上に液体LQが残留したり、液体LQに気泡が発生したりすることが抑制される。
【0345】
また、本実施形態において、液浸部材5は、終端光学素子13を保護する保護部211(壁部50)を有する。そのため、例えば第2部材22の移動に起因して、液浸空間LSの液体LQの圧力が変動したり、液浸空間LSにおいて液体LQが高速で流動したりしても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を低減することができる。
【0346】
また、基板P(物体)の移動に起因して、液浸空間LSの液体LQの圧力が変動したり、液浸空間LSにおいて液体LQが高速で流動したりする可能性もある。また、第2部材22の移動及び基板P(物体)の移動とは別の理由で、液浸空間LSの液体LQの圧力が変動したり、液浸空間LSにおいて液体LQが高速で流動したりする可能性もある。その場合においても、保護部211(壁部50)により、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を低減することができる。
【0347】
これにより、終端光学素子13が動いたり、終端光学素子13が変形したり、終端光学素子13の光学特性が変動したりすることが抑制される。したがって、露光不良の発生及び不良デバイスの発生が抑制される。
【0348】
また、本実施形態においては、保護部211は、光路ATの周囲の少なくとも一部に配置される。これにより、露光光ELの通路(光路)を確保しつつ、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を低減することができる。
【0349】
また、本実施形態においては、保護部211は、終端光学素子13と第2部材22との間に配置される。これにより、第2部材22の移動に起因する、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を低減することができる。
【0350】
また、本実施形態においては、保護部211(壁部50)は、第2部材22の移動期間において終端光学素子13と第2部材22とが対向しないように、終端光学素子13と第2部材22との間に配置される。これにより、第2部材22の移動に起因する、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を効果的に低減することができる。
【0351】
また、本実施形態においては、第2部材22の部位48は、光路ATに対して第1部材21の部位47の外側に配置され続ける。したがって、第2部材22が移動しても、第2開口部28の内側の液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を効果的に低減することができる。
【0352】
また、本実施形態において、光路AT(ATL)に面する第2部材22の領域291は、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。これにより、第2部材22の領域291(光路ATに面する第2部材22の端面)が液浸空間LSに配置されている状態で、第2部材22は円滑に移動可能である。また、第2部材22の領域291が液浸空間LSに配置されている状態で第2部材22が移動しても、液浸空間LSの液体LQの圧力の変動が抑制される。
【0353】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0354】
図14は、本実施形態に係る液浸部材5Bの一例を示す図である。液浸部材5Bは、保護部211を含む第1部材21Bと、少なくとも一部が保護部211Bと対向する部分221Bを含む第2部材22Bとを有する。保護部211Bは、終端光学素子13と第2部材22Bとの間に配置される壁部50Bを含む。保護部211Bは、第1部材21Bの下面25Bのうち、光路ATに最も近い領域251Bを含む。保護部211Bは、光路ATに最も近い部位47Bを有する。部位47Bは、保護部211Bの最下部である。部位(最下部)47Bは、第1部材21Bのうち、基板P(物体)の上面に最も近い部位である。
【0355】
第1部材21Bは、第2部材22Bが対向可能な凹部16Bを有する。第2部材22Bの少なくとも一部は、第1部材21Bの凹部16Bの下方において移動可能である。
【0356】
図14に示すように、第2部材22Bの少なくとも一部が、領域251Bの下方に移動してもよい。第2部材22Bの少なくとも一部が、第1部材21Bの部位47Bの下方に移動してもよい。光路ATに最も近い第2部材22Bの部位48Bが、第1部材21Bの部位47Bよりも光路AT側に配置されるように、第2部材22Bが移動してもよい。
【0357】
第2部材22Bの移動方向に関して第1開口部23Bの寸法よりも大きい寸法の第2開口部28Bを有する第2部材22Bの部位48Bが第1部材21Bの部位47Bよりも光路AT側に配置されるように、第2部材22Bが移動してもよい。
【0358】
第2部材22Bの部位48Bが第1部材21Bの部位47Bよりも光路AT側に配置されるように、第2部材22Bの移動方向に関して、第2開口部28Bの寸法が第1開口部23Bの寸法よりも小さくてもよい。
【0359】
部位48Bを含む第2部材22Bの少なくとも一部が、終端光学素子13の射出面12と基板P(物体)の上面との間に配置されてもよい。
【0360】
光路ATに対して第1部材21Bの部位(最下部)47Bの外側において、第1部材21Bと第2部材22Bの上面29Bとの間に間隙が形成される。終端光学素子13の光軸AXと平行なZ軸方向に関して、部位47Bと上面29Bとの距離G1aは、第1部材21Bと第2部材22Bの上面29Bとの間隙の寸法G1bよりも小さい。
【0361】
本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。
【0362】
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0363】
図15は、本実施形態に係る液浸部材5Cの一例を示す。液浸部材5Cは、保護部211C(壁部50C)を含む第1部材21Cと、少なくとも一部が保護部211Cと対向する部分221Cを含む第2部材22Cとを有する。保護部211Cは、第1部材21Cの下面25Cのうち、光路ATに最も近い領域251Cを含む。保護部211Cは、光路ATに最も近い部位47Cを有する。部位47Cは、保護部211Cの最下部である。部位(最下部)47Cは、第1部材21Cのうち、基板P(物体)の上面に最も近い部位である。
【0364】
本実施形態において、部位47Cは、光軸AXに対する放射方向に関して射出面12の外側に配置される。部位47Cは、射出面12と基板P(物体)の上面との間の空間の外側に配置される。部位47Cは、射出面12と基板P(物体)の上面との間に配置されない。
【0365】
Z軸方向に関して、部位47Cは、射出面12の下方に配置される。Z軸方向に関して、保護部211C(保護部211Cの上面24C)は、射出面12の下方に配置される。
【0366】
第2部材22C(部分221C)は、第1部材21C(保護部211C)の下方において、第1部材21C(保護部211C)と間隙を介して対向するように配置される。保護部211Cは、終端光学素子13と第2部材22C(部分221C)との間に配置される。
【0367】
第1部材21Cは、第2部材22Cが対向可能な凹部16Cを有する。第2部材22Cの少なくとも一部は、第1部材21Cの凹部16Cの下方において移動可能である。
【0368】
光路ATに最も近い第2部材22Cの部位48Cは、光路ATに対して第1部材21Cの部位47Cの外側に配置される。第2部材22Cの移動期間において、部位48Cは、光路ATに対して部位47Cの外側に配置され続ける。
【0369】
光路ATに対して第1部材21Cの部位(最下部)47Cの外側において、第1部材21Cと第2部材22Cの上面29Cとの間に間隙が形成される。終端光学素子13の光軸AXと平行なZ軸方向に関して、部位47Cと上面29Cとの距離G1aは、第1部材21Cと第2部材22Cの上面29Cとの間隙の寸法G1bよりも小さい。
【0370】
本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。
【0371】
なお、本実施形態において、第2部材22Cの少なくとも一部が、領域251Cの下方に移動してもよい。第2部材22Cの少なくとも一部が、第1部材21Cの部位47Cの下方に移動してもよい。光路ATに最も近い第2部材22Cの部位48Cが、第1部材21Cの部位47Cよりも光路AT側に配置されるように、第2部材22Cが移動してもよい。
【0372】
なお、本実施形態において、第2部材22Cの部位48Cが第1部材21Cの部位47Cよりも光路AT側に配置されるように、第2部材22Cの移動方向に関して、第2開口部28Cの寸法が第1開口部23Cの寸法よりも小さくてもよい。
【0373】
なお、本実施形態において、第1部材21C(保護部211C)が射出面12と基板P(物体)の上面との間に配置されず、部位48Cを含む第2部材22Cの少なくとも一部が、射出面12と基板P(物体)の上面との間に配置されてもよい。
【0374】
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0375】
図16は、本実施形態に係る液浸部材5Dの一例を示す。液浸部材5Dは、保護部211D(壁部50D)を含む第1部材21Dと、少なくとも一部が保護部211Dと対向する部分221Dを含む第2部材22Dとを有する。保護部211Dは、第1部材21Dの下面25Dのうち、光路ATに最も近い領域251Dを含む。保護部211Dは、光路ATに最も近い部位47Dを有する。部位47Dは、保護部211Dの最下部である。部位(最下部)47Dは、第1部材21Dのうち、基板P(物体)の上面に最も近い部位である。
【0376】
本実施形態において、部位47Dは、光軸AXに対する放射方向に関して射出面12の外側に配置される。Z軸方向に関して、部位47Dは、射出面12の上方に配置される。
部位47Dは、外面131の周囲に配置される。Z軸方向に関して、保護部211D(保護部211Dの上面24D)は、射出面12の上方に配置される。
【0377】
第2部材22D(部分221D)は、第1部材21D(保護部211D)の下方において、第1部材21D(保護部211D)と間隙を介して対向するように配置される。保護部211Dは、終端光学素子13と第2部材22D(部分221D)との間に配置される。
【0378】
第1部材21Dは、第2部材22Dが対向可能な凹部16Dを有する。第2部材22Dの少なくとも一部は、第1部材21Dの凹部16Dの下方において移動可能である。
【0379】
光路ATに最も近い第2部材22Dの部位48Dは、光路ATに対して第1部材21Dの部位47Dの外側に配置される。第2部材22Dの移動期間において、部位48Dは、光路ATに対して部位47Dの外側に配置され続ける。
【0380】
光路ATに対して第1部材21Dの部位(最下部)47Dの外側において、第1部材21Dと第2部材22Dの上面29Dとの間に間隙が形成される。終端光学素子13の光軸AXと平行なZ軸方向に関して、部位47Dと上面29Dとの距離G1aは、第1部材21Dと第2部材22Dの上面29Dとの間隙の寸法G1bよりも小さい。
【0381】
本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。
【0382】
なお、本実施形態において、第2部材22Dの少なくとも一部が、領域251Dの下方に移動してもよい。第2部材22Dの少なくとも一部が、第1部材21Dの部位47Dの下方に移動してもよい。光路ATに最も近い第2部材22Dの部位48Dが、第1部材21Dの部位47Dよりも光路AT側に配置されるように、第2部材22Dが移動してもよい。
【0383】
なお、本実施形態において、第2部材22Dの部位48Dが第1部材21Dの部位47Dよりも光路AT側に配置されるように、第2部材22Dの移動方向に関して、第2開口部28Dの寸法が第1開口部23Dの寸法よりも小さくてもよい。
【0384】
なお、本実施形態において、第1部材21D(保護部211D)が射出面12よりも上方に配置され、部位48Dを含む第2部材22Dの少なくとも一部が、射出面12と基板P(物体)の上面との間に配置されてもよい。
【0385】
<第5実施形態>
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0386】
図17は、本実施形態に係る液浸部材5Eの一例を示す。液浸部材5Eは、保護部211E(壁部50E)を含む第1部材21Eと、少なくとも一部が保護部211Eと対向する部分221Eを含む第2部材22Eとを有する。保護部211E(壁部50E)は、終端光学素子13と第2部材22Eとの間に配置される。
【0387】
保護部211Eは、第2部材22Eの少なくとも一部が対向可能な下面25Eを有する。下面25Eは、光路ATに最も近い領域251Eと、光路ATに対して領域251Eの外側に配置される領域252Eと、光路ATに対して領域252Eの外側に配置される領域253Eとを含む。
【0388】
領域251Eは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。領域252Eは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域253Eは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0389】
保護部211Eは、光路ATに最も近い部位47Eを有する。部位47Eは、保護部211Eの最下部である。部位(最下部)47Eは、第1部材21Eのうち、基板P(物体)の上面に最も近い部位である。
【0390】
第2部材22E(部分221E)は、第1部材21E(保護部211E)の下方において、第1部材21E(保護部211E)と間隙を介して対向するように配置される。第2部材22Eは、少なくとも一部が第1部材21Eと対向する上面29Eと、基板P(物体)の上面が対向可能な下面30Eとを有する。
【0391】
上面29Eは、光路ATに最も近い領域291Eと、光路ATに対して領域291Eの外側に配置される領域292Eとを含む。領域291Eは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域292Eは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0392】
下面30Eは、終端光学素子13の光軸AXと実質的に対して実質的に垂直である。
【0393】
本実施形態において、保護部211E(壁部50E)の部位(最下部)47Eは、第2部材22Eの上面29Eと実質的に同じ高さである。換言すれば、Z軸方向に関して、部位47Eの位置は、上面29Eの位置と実質的に等しい。
図17に示す例では、部位47Eは、上面29Eの領域292Eと実質的に同じ高さである。なお、部位47Eが、上面29Eの領域291Eと実質的に同じ高さでもよい。
【0394】
第1部材21Eは、第2部材22Eが対向可能な凹部16Eを有する。凹部16Eの内側に領域252E及び領域253Eが配置される。第2部材22E(部分221E)の少なくとも一部は、凹部16Eの下方において移動する。第2部材22E(部分221E)の少なくとも一部は、領域252E及び領域253Eの下方において移動する。
【0395】
光路ATに最も近い第2部材22Eの部位48Eは、光路ATに対して第1部材21Eの部位47Eの外側に配置される。第2部材22Eの移動期間において、部位48Eは、光路ATに対して部位47Eの外側に配置され続ける。
【0396】
本実施形態においては、第2部材22Eの移動期間において、部位48Eは、光路ATに対して領域251Eの外側に配置され続ける。なお、部位48Eが、領域251Eの下方に移動してもよい。
【0397】
本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。
【0398】
<第6実施形態>
第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0399】
図18は、本実施形態に係る液浸部材5Fの一例を示す。液浸部材5Fは、保護部211F(壁部50F)を含む第1部材21Fと、少なくとも一部が保護部211Fと対向する部分221Fを含む第2部材22Fとを有する。保護部211F(壁部50F)は、終端光学素子13と第2部材22Fとの間に配置される。
【0400】
保護部211Fは、第2部材22Fの少なくとも一部が対向可能な下面25Fを有する。下面25Fは、光路ATに最も近い領域251Fと、光路ATに対して領域251Fの外側に配置される領域252Fと、光路ATに対して領域252Fの外側に配置される領域253Fとを含む。
【0401】
領域251Fは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。領域252Fは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域253Fは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0402】
保護部211Fは、光路ATに最も近い部位47Fを有する。部位47Fは、保護部211Fの最下部である。部位(最下部)47Fは、第1部材21Fのうち、基板P(物体)の上面に最も近い部位である。
【0403】
第2部材22F(部分221F)は、第1部材21F(保護部211F)の下方において、第1部材21F(保護部211F)と間隙を介して対向するように配置される。第2部材22Fは、少なくとも一部が第1部材21Fと対向する上面29Fと、基板P(物体)の上面が対向可能な下面30Fとを有する。
【0404】
上面29Fは、光路ATに最も近い領域291Fと、光路ATに対して領域291Fの外側に配置される領域292Fとを含む。領域291Fは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域292Fは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0405】
下面30Fは、終端光学素子13の光軸AXと実質的に対して実質的に垂直である。
【0406】
本実施形態において、保護部211F(壁部50F)の部位(最下部)47Fは、第2部材22Fの上面29Fよりも下方に配置される。換言すれば、Z軸方向に関して、部位47Fの位置は、上面29Fの位置よりも−Z側(物体側)に配置される。すなわち、上面29Fは、部位47F及び領域251Fよりも上方に配置される。
【0407】
本実施形態において、保護部211F(壁部50F)の部位(最下部)47Fは、第2部材22Fの下面30Fよりも上方に配置される。換言すれば、Z軸方向に関して、部位47Fの位置は、下面30Fの位置よりも+Z側(基板P側)に配置される。すなわち、下面30Fは、部位47F及び領域251Fよりも下方に配置される。
【0408】
第1部材21Fは、第2部材22Fが対向可能な凹部16Fを有する。凹部16Fの内側に領域252F及び領域253Fが配置される。第2部材22F(部分221F)の少なくとも一部は、凹部16Fの下方において移動する。第2部材22F(部分221F)の少なくとも一部は、領域252F及び領域253Fの下方において移動する。
【0409】
本実施形態において、第2部材22F(部分221F)の少なくとも一部は、凹部16Fの内側において移動する。
【0410】
光路ATに最も近い第2部材22Fの部位48Fは、光路ATに対して第1部材21Fの部位47Fの外側に配置される。第2部材22Fの移動期間において、部位48Fは、光路ATに対して部位47Fの外側に配置され続ける。
【0411】
本実施形態においては、第2部材22Fの移動期間において、部位48Fは、光路ATに対して領域251Fの外側に配置され続ける。なお、部位48Fが、領域251Fの下方に移動してもよい。
【0412】
本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。
【0413】
<第7実施形態>
第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0414】
図19は、本実施形態に係る液浸部材5Gの一例を示す。液浸部材5Gは、保護部211G(壁部50G)を含む第1部材21Gと、少なくとも一部が保護部211Gと対向する部分221Gを含む第2部材22Gとを有する。保護部211G(壁部50G)は、終端光学素子13と第2部材22Gとの間に配置される。
【0415】
保護部211Gは、第2部材22Gの少なくとも一部が対向可能な下面25Gを有する。下面25Gは、光路ATに最も近い領域251Gと、光路ATに対して領域251Gの外側に配置される領域252Gと、光路ATに対して領域252Gの外側に配置される領域253Gとを含む。
【0416】
領域251Gは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。領域252Gは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域253Gは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0417】
保護部211Gは、光路ATに最も近い部位47Gを有する。部位47Gは、保護部211Gの最下部である。部位(最下部)47Gは、第1部材21Gのうち、基板P(物体)の上面に最も近い部位である。
【0418】
第2部材22G(部分221G)は、第1部材21G(保護部211G)の下方において、第1部材21G(保護部211G)と間隙を介して対向するように配置される。第2部材22Gは、少なくとも一部が第1部材21Gと対向する上面29Gと、基板P(物体)の上面が対向可能な下面30Gとを有する。
【0419】
上面29Gは、光路ATに最も近い領域291Gと、光路ATに対して領域291Gの外側に配置される領域292Gとを含む。領域291Gは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域292Gは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0420】
下面30Gは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0421】
本実施形態において、保護部211G(壁部50G)の部位(最下部)47Gは、第2部材22Gの下面30Gと実質的に同じ高さである。換言すれば、Z軸方向に関して、部位47Gの位置は、下面30Gの位置と実質的に等しい。
【0422】
第1部材21Gは、第2部材22Gが対向可能な凹部16Gを有する。凹部16Gの内側に領域252G及び領域253Gが配置される。第2部材22G(部分221G)の少なくとも一部は、凹部16Gの内側において移動する。第2部材22G(部分221G)の少なくとも一部は、領域252G及び領域253Gの下方において移動する。
【0423】
光路ATに最も近い第2部材22Gの部位48Gは、光路ATに対して第1部材21Gの部位47G(領域251G)の外側に配置される。第2部材22Gの移動期間において、部位48Gは、光路ATに対して部位47G(領域251G)の外側に配置され続ける。
【0424】
本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。
【0425】
<第8実施形態>
第8実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0426】
図20は、本実施形態に係る液浸部材5Hの一例を示す。液浸部材5Hは、保護部211H(壁部50H)を含む第1部材21Hと、少なくとも一部が保護部211Hと対向する部分221Hを含む第2部材22Hとを有する。保護部211H(壁部50H)は、終端光学素子13と第2部材22Hとの間に配置される。
【0427】
保護部211Hは、第2部材22Hの少なくとも一部が対向可能な下面25Hを有する。下面25Hは、光路ATに最も近い領域251Hと、光路ATに対して領域251Hの外側に配置される領域252Hと、光路ATに対して領域252Hの外側に配置される領域253Hとを含む。
【0428】
領域251Hは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。領域252Hは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域253Hは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0429】
保護部211Hは、光路ATに最も近い部位47Hを有する。部位47Hは、保護部211Hの最下部である。部位(最下部)47Hは、第1部材21Hのうち、基板P(物体)の上面に最も近い部位である。
【0430】
第2部材22H(部分221H)は、第1部材21H(保護部211H)の下方において、第1部材21H(保護部211H)と間隙を介して対向するように配置される。第2部材22Hは、少なくとも一部が第1部材21Hと対向する上面29Hと、基板P(物体)の上面が対向可能な下面30Hとを有する。
【0431】
上面29Hは、光路ATに最も近い領域291Hと、光路ATに対して領域291Hの外側に配置される領域292Hとを含む。領域291Hは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域292Hは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0432】
下面30Hは、終端光学素子13の光軸AXと実質的に対して実質的に垂直である。
【0433】
本実施形態において、保護部211H(壁部50H)の部位(最下部)47Hは、第2部材22Hの下面30Hよりも下方に配置される。換言すれば、Z軸方向に関して、部位47Hの位置は、下面30Hの位置よりも−Z側(基板P側)に配置される。すなわち、下面30Hは、部位47H及び領域251Hよりも上方に配置される。
【0434】
第1部材21Hは、第2部材22Hが対向可能な凹部16Hを有する。凹部16Hの内側に領域252H及び領域253Hが配置される。第2部材22H(部分221H)の少なくとも一部は、凹部16Hの内側において移動する。第2部材22H(部分221H)の少なくとも一部は、領域252H及び領域253Hの下方において移動する。
【0435】
光路ATに最も近い第2部材22Hの部位48Hは、光路ATに対して第1部材21Hの部位47H(領域251H)の外側に配置される。第2部材22Hの移動期間において、部位48Hは、光路ATに対して部位47H(領域251H)の外側に配置され続ける。
【0436】
本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。
【0437】
<第9実施形態>
第9実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0438】
図21は、本実施形態に係る保護部211I(壁部50I)の一例を示す図である。保護部211Iは、上面24Iと、少なくとも一部が第2部材(22など)と対向可能な下面25Iとを有する。
【0439】
上面24Iは、光路ATに最も近い領域241Iと、光路ATに対して領域241Iの外側に配置される領域242Iとを含む。
【0440】
領域241Iは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域242Iは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0441】
下面25Iは、光路ATに最も近い領域251Iと、光路ATに対して領域251Iの外側に配置される領域252Iと、光路ATに対して領域252Iの外側に配置される領域253Iとを含む。
【0442】
領域251Iは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。領域252Iは、終端光学素子13の光軸AXと実質的に平行である。領域253Iは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。領域253Iは、領域251Iよりも上方に配置される。下面25Iは、領域251Iと領域253Iとの間に段差を有する。
【0443】
保護部211I(壁部50I)は、第2部材(22など)が対向可能な凹部16Iを有する。凹部16Iの内側に領域252I及び領域253Iが配置される。
【0444】
本実施形態において、保護部211Iのうち、光路ATに最も近い部位47Iは、領域241Iと領域251Iとの間に形成される角部Ksiを含む。角部Ksiは、保護部211Iの最下部である。本実施形態において、保護部211Iの最下部は、角部Ksi及び領域251Iを含む。
【0445】
第2部材(22など)は、凹部16Iの下方で移動してもよいし、凹部16Iの内側で移動してもよい。
【0446】
本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。
【0447】
<第10実施形態>
第10実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0448】
図22は、本実施形態に係る保護部211J(壁部50J)の一例を示す図である。保護部211Jは、上面24Jと、少なくとも一部が第2部材(22など)と対向可能な下面25Jとを有する。
【0449】
上面24Jは、光路ATに最も近い領域241Jと、光路ATに対して領域241Jの外側に配置される領域242Jとを含む。
【0450】
領域241Jは、終端光学素子13の光軸AXと実質的に平行である。領域242Jは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0451】
下面25Jは、光路ATに最も近い領域251Jと、光路ATに対して領域251Jの外側に配置される領域252Jと、光路ATに対して領域252Jの外側に配置される領域253Jとを含む。
【0452】
領域251Jは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。領域252Jは、終端光学素子13の光軸AXと実質的に平行である。領域253Jは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。領域253Jは、領域251Jよりも上方に配置される。下面25Jは、領域251Jと領域253Jとの間に段差を有する。
【0453】
保護部211J(壁部50J)は、第2部材(22など)が対向可能な凹部16Jを有する。凹部16Jの内側に領域252J及び領域253Jが配置される。
【0454】
本実施形態において、保護部211Jのうち、光路ATに最も近い部位47Jは、領域241Jと領域251Jとの間に形成される角部Ksjを含む。また、保護部211Jのうち、光路ATに最も近い部位47Jは、領域241Jを含む。
【0455】
本実施形態において、保護部211Jの最下部は、角部Ksjを含む。また、保護部211Jの最下部は、領域251Jを含む。
【0456】
すなわち、本実施形態において、保護部211Jのうち、光路ATに最も近い最下部は、角部Ksjを含む。
【0457】
第2部材(22など)は、凹部16Jの下方で移動してもよいし、凹部16Jの内側で移動してもよい。
【0458】
本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。
【0459】
<第11実施形態>
第11実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0460】
図23は、本実施形態に係る保護部211K(壁部50K)の一例を示す図である。保護部211Kは、上面24Kと、少なくとも一部が第2部材(22など)と対向可能な下面25Kとを有する。
【0461】
上面24Kは、光路ATに最も近い領域241Kと、光路ATに対して領域241Kの外側に配置される領域242Kとを含む。
【0462】
領域241Kは、終端光学素子13の光軸AXと実質的に平行である。領域242Kは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0463】
下面25Kは、光路ATに最も近い領域251Kと、光路ATに対して領域251Kの外側に配置される領域252Kと、光路ATに対して領域252Kの外側に配置される領域253Kとを含む。
【0464】
領域251Kは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。領域252Kは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域253Kは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。領域253Kは、領域251Kよりも上方に配置される。下面25Kは、領域251Kと領域253Kとの間に段差を有する。
【0465】
保護部211K(壁部50K)は、第2部材(22など)が対向可能な凹部16Kを有する。凹部16Kの内側に領域252K及び領域253Kが配置される。
【0466】
本実施形態において、保護部211Kのうち、光路ATに最も近い部位47Kは、領域241Kと領域251Kとの間に形成される角部Kskを含む。また、保護部211Kのうち、光路ATに最も近い部位47Kは、領域241Kを含む。
【0467】
本実施形態において、保護部211Kの最下部は、角部Kskを含む。また、保護部211Kの最下部は、領域251Kを含む。
【0468】
すなわち、本実施形態において、保護部211Kのうち、光路ATに最も近い最下部は、角部Kskを含む。
【0469】
第2部材(22など)は、凹部16Kの下方で移動してもよいし、凹部16Kの内側で移動してもよい。
【0470】
本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。
【0471】
<第12実施形態>
第12実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0472】
図24は、本実施形態に係る保護部211L(壁部50L)の一例を示す図である。保護部211Lは、上面24Lと、少なくとも一部が第2部材(22など)と対向可能な下面25Lとを有する。
【0473】
上面24Lは、光路ATに最も近い領域241Lと、光路ATに対して領域241Lの外側に配置される領域242Lとを含む。
【0474】
領域241Lは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域242Lは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0475】
下面25Lは、光路ATに最も近い領域251Lと、光路ATに対して領域251Lの外側に配置される領域252Lとを含む。
【0476】
領域251Lは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域252Lは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。領域252Lは、領域251Lよりも上方に配置される。
【0477】
保護部211L(壁部50L)は、第2部材(22など)が対向可能な凹部16Lを有する。凹部16Lの内側に領域251L及び領域252Lが配置される。
【0478】
本実施形態において、保護部211Lのうち、光路ATに最も近い部位47Lは、領域241Lと領域251Lとの間に形成される角部Kslを含む。
【0479】
本実施形態において、保護部211Lの最下部は、角部Kslを含む。
【0480】
第2部材(22など)は、凹部16Lの下方で移動してもよいし、凹部16Lの内側で移動してもよい。
【0481】
本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。
【0482】
<第13実施形態>
第13実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0483】
図25は、本実施形態に係る第2部材22M(部分221M)の一例を示す図である。第2部材22Mは、上面29Mと、基板P(物体)の上面が対向可能な下面30Mと、光路ATに面する内面290Mとを有する。
【0484】
上面29Mは、領域291Mと、光路ATに対して領域291Mの外側に配置される領域292Mとを含む。領域292Mは、領域291Mよりも上方に配置される。
【0485】
領域291Mは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。領域292Mは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0486】
下面30Mは、領域301Mを含む。領域301Mは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0487】
内面290Mは、終端光学素子13の光軸AXと実質的に平行である。
【0488】
本実施形態において、領域291M及び内面290Mは、光路ATに面する第2部材22Mの端面である。以下の説明において、光路ATに面する第2部材22Mの領域291M及び内面290Mのうち、内面290Mを適宜、第1内面290M、と称し、領域291Mを適宜、第2内面291M、と称する。
【0489】
第2内面291Mは、第1内面290Mの上方に配置される。第2内面291Mの下端は、第1内面290Mと結ばれる。第2内面291Mの上端は、上面29Mの領域292Mと結ばれる。
【0490】
第1内面290Mと第2内面291Mとは、非平行である。終端光学素子13の光軸AXと平行なZ軸方向に関して、第2内面291Mの寸法は、第1内面290Mの寸法よりも大きい。
【0491】
本実施形態において、第1内面290Mは、終端光学素子13の光軸AXと実質的に平行である。第2内面291Mは、光路ATに対して外側に向かって上方に傾斜する。
【0492】
本実施形態においても、第2部材22Mの端面が液浸空間LSに配置されている状態で、第2部材22Mは円滑に移動可能である。また、第2部材22Mの端面が液浸空間LSに配置されている状態で第2部材22Mが移動しても、液浸空間LSの液体LQの圧力の変動が抑制される。
【0493】
<第14実施形態>
第14実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0494】
図26は、本実施形態に係る第2部材22N(部分221N)の一例を示す図である。第2部材22Nは、上面29Nと、基板P(物体)の上面が対向可能な下面30Nと、光路ATに面する内面290Nとを有する。
【0495】
上面29Nは、領域291Nを含む。領域291Nは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0496】
下面30Nは、領域301Nと、光路ATに対して領域301Nの外側に配置される領域302Nとを含む。領域302Nは、領域301Nよりも下方に配置される。
【0497】
領域301Nは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって下方に傾斜する。領域302Nは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0498】
本実施形態において、内面290N及び領域301Nは、光路ATに面する第2部材22Nの端面である。以下の説明において、光路ATに面する第2部材22Nの内面290N及び領域301Nのうち、内面290Nを適宜、第1内面290N、と称し、領域301Nを適宜、第2内面301N、と称する。
【0499】
第2内面301Nは、第1内面290Nの下方に配置される。第2内面301Nの上端は、第1内面290Nと結ばれる。第2内面301Nの下端は、下面30Nの領域302Nと結ばれる。
【0500】
第1内面290Nと第2内面301Nとは、非平行である。終端光学素子13の光軸AXと平行なZ軸方向に関して、第2内面301Nの寸法は、第1内面290Nの寸法よりも大きい。
【0501】
本実施形態において、第1内面290Nは、終端光学素子13の光軸AXと実質的に平行である。第2内面301Nは、光路ATに対して外側に向かって下方に傾斜する。
【0502】
本実施形態においても、第2部材22Nの端面が液浸空間LSに配置されている状態で、第2部材22Nは円滑に移動可能である。また、第2部材22Nの端面が液浸空間LSに配置されている状態で第2部材22Nが移動しても、液浸空間LSの液体LQの圧力の変動が抑制される。
【0503】
<第15実施形態>
第15実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0504】
図27は、本実施形態に係る第2部材22P(部分221P)の一例を示す図である。第2部材22Pは、上面29Pと、基板P(物体)の上面が対向可能な下面30Pとを有する。
【0505】
上面29Pは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直な領域291Pを有する。
【0506】
下面30Pは、領域301Pと、光路ATに対して領域301Pの外側に配置される領域302Pとを含む。領域301Pは、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって下方に傾斜する。領域302Pは、終端光学素子13の光軸AXに対して実質的に垂直である。
【0507】
光軸AXに対する放射方向に関して、領域302Pの寸法は、領域301Pの寸法よりも大きい。
【0508】
領域301Pは、光路ATに面する。領域301Pを、光路ATに面する第2部材22Pの端面、と称してもよい。
【0509】
領域291Pと領域301Pとの間に角部Ktpが形成される。第2部材22Pのうち、光路ATに最も近い部位は、角部Ktpを含む。
【0510】
本実施形態においても、第2部材22Pの端面が液浸空間LSに配置されている状態で、第2部材22Pは円滑に移動可能である。また、第2部材22Pの端面が液浸空間LSに配置されている状態で第2部材22Pが移動しても、液浸空間LSの液体LQの圧力の変動が抑制される。
【0511】
<第16実施形態>
第16実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0512】
図28は、本実施形態に係る液浸部材5Qの一例を示す図である。液浸部材5Qは、下面25Qを有する第1部材21Qと、上面29Q及び下面30Qを有する第2部材22Qとを備えている。
【0513】
第1部材21Qの下面25Qは、領域251Qと、光路ATに対して領域251Qの外側に配置される領域252Qと、光路ATに対して領域252Qの外側に配置される領域253Qと、光路ATに対して領域253Qの外側に配置される領域254Qと、光路ATに対して領域254Qの外側に配置される領域255Qと、光路ATに対して領域255Qの外側に配置される領域256Qと、光路ATに対して領域256Qの外側に配置される領域257Qとを含む。下面25Qの少なくとも一部は、第2部材22Qの上面29Qと対向可能である。
【0514】
第1部材21Qのうち、光路ATに最も近い部位47Qは、領域251Qの内縁部分に配置される。
【0515】
領域252Qは、終端光学素子13の光軸AXに対して傾斜する。領域252Qは、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。
【0516】
本実施形態において、領域251Qは、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域251Qは、XY平面と実質的に平行である。領域253Qは、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域253Qは、XY平面と実質的に平行である。領域252Qは、領域251Qと領域253Qとを結ぶ傾斜領域である。領域251Qと領域253Qとの間に段差が形成される。
【0517】
本実施形態において、領域254Qは、光軸AXと実質的に平行である。
【0518】
本実施形態において、領域255Qは、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域255Qは、XY平面と実質的に平行である。領域256Qは、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域256Qは、XY平面と実質的に平行である。領域257Qは、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域257Qは、XY平面と実質的に平行である。領域254Qは、領域253Qと領域255Qとを結ぶ領域である。領域253Qと領域255Qとの間に段差が形成される。
【0519】
Z軸方向に関して、領域255Qと領域256Qと領域257Qとは実質的に等しい位置(高さ)に配置される。域255Qと領域256Qと領域257Qとは、実質的に同一平面内に配置される。
【0520】
Z軸方向に関して、領域251Qの位置と、領域252Q、領域253Q、及び領域254Qの位置とは、異なる。Z軸方向に関して、領域252Q、領域253Q、及び領域254Qの位置と、領域255Q、領域256Q、及び領域257Qの位置とは、異なる。
【0521】
領域252Q、領域253Q、及び領域254Qは、領域251Qよりも上方(+Z側)に配置される。領域255Q、領域256Q、及び領域257Qは、領域252Q、領域253Q、及び領域254Qよりも下方(−Z側)に配置される。
【0522】
本実施形態において、領域251Qは、領域255Q、領域256Q、及び領域257Qよりも下方(−Z側)に配置される。なお、Z軸方向に関して、領域251Qの位置と、領域255Q、領域256Q、及び領域257Qの位置とが実質的に等しくてもよい。
【0523】
第1部材21Qは、第2部材22Qが対向可能な凹部16Qを有する。凹部16Qの内側に、領域252Q、領域253Q、及び領域254Qが配置される。
【0524】
領域251Q、領域252Q、領域253Q、領域254Q、領域255Q、及び領域257Qは、液体LQを回収不可能な非回収領域である。領域256Qは、液体LQを回収可能な回収領域である。領域256Qは、液体回収部42Qを含む。
【0525】
第2部材22Qの下面30Qは、領域301Qと、光路ATに対して領域301Qの外側に配置される領域302Qとを含む。下面30Qの少なくとも一部は、基板P(物体)が対向可能である。
【0526】
第2部材22Qのうち、光路ATに最も近い部位48Qは、領域301Qの内縁部分に配置される。
【0527】
本実施形態において、領域301Qは、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域301Qは、XY平面と実質的に平行である。領域302Qも、光軸AXに対して実質的に垂直である。すなわち、領域302Qも、XY平面と実質的に平行である。
【0528】
Z軸方向に関して、領域301Qと領域302Qとは実質的に等しい位置(高さ)に配置される。領域301Qと領域302Qとは、実質的に同一平面内に配置される。
【0529】
領域301Qは、液体LQを回収不可能な非回収領域である。領域302Qは、液体LQを回収可能な回収領域である。領域302Qは、液体回収部43Qを含む。
【0530】
第2部材22Qの少なくとも一部は、凹部16Qの下方において移動可能である。第2部材22Qの少なくとも一部は、領域252Q及び領域253Qの下方において移動可能である。
【0531】
図29に示すように、第2部材22Qは、部位48Qが、光路ATに対して部位47Qの外側に配置され続けるように移動可能である。
【0532】
本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。
【0533】
<第17実施形態>
第17実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0534】
図30は、本実施形態に係る液浸部材5Tの一例を示す図である。液浸部材5Tは、第1部材21Tと、移動可能な第2部材22Tとを有する。
【0535】
第1部材21Tは、液浸空間LSを形成するための液体LQを供給可能な液体供給部41Tと、液体LQを供給可能な液体供給部53Tと、液体LQを回収可能な液体回収部42Tとを備えている。また、第1部材21Tは、終端光学素子13と第2部材22Tとの間に配置される保護部211T(壁部50T)を有する。
【0536】
第2部材22Tは、液体LQを回収可能な液体回収部43Tを備えている。液体回収部43Tは、基板P(物体)が対向可能である。
【0537】
液体供給部41Tは、終端光学素子13の外面131と第1部材21Tとの間の第3空間SP3に面するように第1部材21Tに配置される。なお、液体供給部41Tは、射出面12から射出される露光光ELの光路ATLを含む光路空間SPKに面するように第1部材21Tに配置されてもよい。
【0538】
液体回収部42Tは、第1部材21Tの下面25Tの下方に形成される第1空間SP1に面するように配置される。
【0539】
液体供給部53Tは、第1部材21Tの下面25Tの下方に形成される第1空間SP1に面するように配置される。第1空間SP1は、第1部材21Tと第2部材22Tとの間の空間を含む。
【0540】
液体供給部53Tは、光路AT(終端光学素子13の光軸AX)に対して、第2部材22Tの移動方向に配置される。本実施形態において、液体供給部53Tは、光路AT(終端光学素子13の光軸AX)に対して+X側及び−X側のそれぞれに配置される。
【0541】
液体供給部53Tは、第1部材21Tの下面25Tに配置される。下面25Tは、露光光ELが通過可能な第1開口部23Tの下端の周囲に配置される。
【0542】
液体供給部53Tは、下面25Tに形成され、液体LQを供給可能な開口(液体供給口)を含む。本実施形態において、液体供給口は、終端光学素子13の光軸AXに対する放射方向に関して複数配置される。
図30に示す例では、光路ATに対して+X側の下面25Tに、2つの液体供給口が配置される。光路ATに対して−X側の下面25Tにも、複数(2つ)の液体供給口が配置される。
【0543】
図30は、原点(中央位置Jm)に第2部材22Tが配置されている状態を示す。
図31は、第1端部位置Jrに第2部材22Tが配置されている状態、及び第2端部位置Jsに第2部材22Tが配置されている状態を示す。
図31において、第1端部位置Jrに配置されている第2部材22Tを実線で示し、第2端部位置Jsに配置されている第2部材22Tを鎖線で示す。
【0544】
図30及び
図31に示すように、第2部材22Tが中央位置Jmに配置されている状態、あるいは第2部材22Tが第2端部位置Jsに配置されている状態においては、光路ATに対して+X側の下面25Tに配置されている液体供給部53Tは、第2部材22Tと対向する。
【0545】
図31に示すように、第2部材22Tが第1端部位置Jrに配置されている状態においては、光路ATに対して+X側の下面25Tに配置されている液体供給部53Tは、第2部材22Tと対向せず、基板P(物体)と対向する。
【0546】
すなわち、第2部材22Tは,液体供給部53Tと対向する状態及び対向しない状態の一方から他方へ変化するように移動可能である。X軸方向に関する第2部材22Tの移動において、第2部材22Tが液体供給部53Tと対向する状態及び対向しない状態の一方から他方へ変化する。
【0547】
なお、図示は省略するが、第2部材22Tが中央位置Jmに配置されている状態、あるいは第2部材22Tが第1端部位置Jrに配置されている状態においては、光路ATに対して−X側の下面25Tに配置されている液体供給部53Tは、第2部材22Tと対向する。
【0548】
また、第2部材22Tが第2端部位置Jsに配置されている状態においては、光路ATに対して−X側の下面25Tに配置されている液体供給部53Tは、第2部材22Tと対向せず、基板P(物体)と対向する。
【0549】
第2部材22が移動する期間の少なくとも一部において、液体供給部53Tから液体LQが供給される。
【0550】
本実施形態においては、
図30に示すように、第2部材22Tが液体供給部53Tと対向する状態において、液体供給部53Tから液体LQが供給される。液体供給部53Tは、第1部材21Tと第2部材22Tとの間の第1空間SP1に液体LQを供給する。
【0551】
また、本実施形態においては、
図31に示すように、第2部材22Tが液体供給部53Tと対向しない状態において、液体供給部53Tから液体LQが供給される。液体供給部53Tは、第1部材21Tと基板P(物体)との間の空間に液体LQを供給する。
【0552】
液浸空間LSが形成されている状態で第2部材22Tが移動する場合、露光光ELの光路ATLを含む光路空間SPKの液体LQ中に気泡が生成されたり、光路空間SPKの液体LQ中に気体部分が生成されたりするなど、光路空間SPKが液体LQで十分に満たされなくなる可能性がある。
【0553】
本実施形態においては、液体供給部53Tが設けられているため、光路空間SPKの液体LQ中に気泡(気体部分)が生成されてしまうことが抑制される。
【0554】
図32は、液体供給部53Tを有しない液浸部材の一例を示す。第2部材22Tは、露光光ELが通過可能な第2開口部28Tを有する。液浸空間LSが形成されている状態で第2部材22Tが移動することによって、第2部材22Tと基板P(物体)との間の液体LQの界面LG2が第2開口部28Tに近づくように移動する可能性がある。例えば、第2部材22TがX軸方向に移動しつつ、基板P(物体)がY軸方向に移動することによって、液体LQの界面LG2が第2開口部28Tに近づくように移動する可能性がある。液体LQの界面LG2が第2開口部28Tに近づくように移動し、その界面LG2の少なくとも一部が第2開口部28Tの下に移動すると、光路空間SPKの液体LQ中に気泡(気体部分)が生成される可能性がある。
【0555】
図33は、本実施形態に係る液浸部材5Tの一例を示す。本実施形態に係る液浸部材5Tには液体供給部53Tが設けられている。そのため、液浸空間LSが形成されている状態で第2部材22Tが移動しても、第2部材22Tと基板P(物体)との間の液体LQの界面LG2が第2開口部28Tに近づくように移動したり、界面LG2の少なくとも一部が第2開口部28Tの下に移動したりすることが抑制される。
【0556】
つまり、界面LG2が第2開口部28Tに近付こうとしても、
図33に示すように、液体供給部53Tから第1部材21Tと基板P(物体)との間の空間に液体LQが供給されることによって、その液体LQの少なくとも一部が、第2部材22Tと基板P(物体)との間の第2空間SP2に流入する。換言すれば、第2部材22Tと基板P(物体)との間の第2空間SP2に、液体供給部53Tから供給された液体LQが補われる。これにより、液体LQの界面LG2が第2開口部28Tに近付くことが抑制される。したがって、光路空間SPKの液体LQ中に気泡(気体部分)が生成されることが抑制される。
【0557】
以上説明したように、本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。また、本実施形態においては、液体供給部53Tを設けたので、液体LQ中に気泡(気体部分)が発生することが抑制される。したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生が抑制される。
【0558】
<第18実施形態>
第18実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0559】
図34は、本実施形態に係る液浸部材5Uの一例を示す図である。液浸部材5Uは、第1部材21Uと、移動可能な第2部材22Uとを有する。
【0560】
第1部材21Uは、液浸空間LSを形成するための液体LQを供給可能な液体供給部41Uと、液体LQを供給可能な液体供給部53Uと、液体LQを回収可能な液体回収部42Uとを備えている。また、第1部材21Uは、終端光学素子13と第2部材22Uとの間に配置される保護部211U(壁部50U)を有する。
【0561】
第2部材22Uは、液体LQを回収可能な液体回収部43Uを備えている。液体回収部43Uは、基板P(物体)が対向可能である。
【0562】
第1部材21Uは、第2部材22Uが対向可能な下面25Uを有する。第1部材21Uは、凹部16Uを有する。第2部材22Uは、凹部16Uと対向可能である。第2部材22Uは、凹部16Uの下方において移動可能である。
【0563】
本実施形態においては、凹部16Uの内側に液体供給部53Uが配置される。液体供給部53Uは、凹部16Uの内側に配置される下面25Uの領域253Uに配置される。
【0564】
図34は、原点(中央位置Jm)に第2部材22Uが配置されている状態を示す。
図35は、第1端部位置Jrに第2部材22Uが配置されている状態、及び第2端部位置Jsに第2部材22Uが配置されている状態を示す。
図35において、第1端部位置Jrに配置されている第2部材22Uを実線で示し、第2端部位置Jsに配置されている第2部材22Uを鎖線で示す。
【0565】
図34及び
図35に示すように、第2部材22Uが中央位置Jmに配置されている状態、あるいは第2部材22Uが第2端部位置Jsに配置されている状態においては、光路ATに対して+X側の下面25Uに配置されている液体供給部53Uは、第2部材22Uと対向する。
【0566】
図35に示すように、第2部材22Uが第1端部位置Jrに配置されている状態においては、光路ATに対して+X側の下面25Uに配置されている液体供給部53Uは、第2部材22Uと対向せず、基板P(物体)と対向する。
【0567】
すなわち、本実施形態においても、第2部材22Uは,液体供給部53Uと対向する状態及び対向しない状態の一方から他方へ変化するように移動可能である。
【0568】
なお、図示は省略するが、第2部材22Uが中央位置Jmに配置されている状態、あるいは第2部材22Uが第1端部位置Jrに配置されている状態においては、光路ATに対して−X側の下面25Uに配置されている液体供給部53Uは、第2部材22Uと対向する。
【0569】
また、第2部材22Uが第2端部位置Jsに配置されている状態においては、光路ATに対して−X側の下面25Uに配置されている液体供給部53Uは、第2部材22Uと対向せず、基板P(物体)と対向する。
【0570】
図35に示すように、本実施形態においても、第2部材22Uが液体供給部53Uと対向する状態において、液体供給部53Uから液体LQが供給される。液体供給部53Uは、第1部材21Uと第2部材22Uとの間の第1空間SP1に液体LQを供給する。
【0571】
また、
図35に示すように、第2部材22Uが液体供給部53Uと対向しない状態において、液体供給部53Uから液体LQが供給される。液体供給部53Uは、第1部材21Uと基板P(物体)との間の空間に液体LQを供給する。
【0572】
以上説明したように、本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。また、本実施形態においては、液体供給部53Uを設けたので、液体LQ中に気泡(気体部分)が発生することが抑制される。したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生が抑制される。
【0573】
なお、上述の第17、第18実施形態において、第2部材22T(22U)が液体供給部53T(53U)と対向する状態の少なくとも一部の期間において、液体供給部53T(53U)から液体LQを供給しなくてもよい。
【0574】
なお、上述の第17、第18実施形態において、第2部材22T(22U)が液体供給部53T(53U)と対向しない状態の少なくとも一部の期間において、液体供給部53T(53U)から液体LQを供給しなくてもよい。
【0575】
なお、上述の第17、第18実施形態において、液体供給部41T(41U)から供給される液体と、液体供給部53T(53U)から供給される液体とは、同じ種類の液体でもよいし、異なる種類の液体でもよい。
【0576】
なお、上述の第17、第18実施形態において、液体供給部41T(41U)から供給される液体と、液体供給部53T(53U)から供給される液体とは、同じクリーン度でもよいし、異なるクリーン度でもよい。
【0577】
なお、上述の第17、第18実施形態において、液体供給部41T(41U)から供給される液体と、液体供給部53T(53U)から供給される液体とは、同じ温度でもよいし、異なる温度でもよい。
【0578】
<第19実施形態>
第19実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0579】
図36は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。露光装置EXは、液浸空間LSを形成する液浸部材5Wを有する。液浸部材5Wは、終端光学素子13の周囲に配置される第1部材21Wと、少なくとも一部が第1部材21Wの下方に配置され、基板P(物体)が対向可能であり、露光光ELの光路ATの外側において移動可能な第2部材22Wと、を有する。
【0580】
露光装置EXは、終端光学素子13を保護する保護部材54を有する。保護部材54は、液浸部材5Wとは別の部材である。保護部材54は、終端光学素子13の周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、保護部材54の一部は、間隙を介して終端光学素子13の外面131と対向するように配置される。保護部材54の一部は、間隙を介して終端光学素子13の射出面12と対向するように配置される。
【0581】
保護部材54は、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を低減する。保護部材54の少なくとも一部は、光路ATの外側において、終端光学素子13と液浸部材5Wとの間に配置される。保護部材54の少なくとも一部は、光路ATの外側において、終端光学素子13と第2部材22Wとの間に配置される。
【0582】
保護部材54は、例えば投影光学系PLを支持する支持装置に支持されてもよい。保護部材54は、例えば基準フレーム8Aに支持されてもよい。保護部材54は、例えば装置フレーム8Bに支持されてもよい。
【0583】
以上説明したように、本実施形態においても、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減される。したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生が抑制される。
【0584】
なお、上述の第1〜第19実施形態において、第1空間SP1のZ軸方向の寸法(距離G1bなど)を、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減されるように決めてもよい。液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減されるように、第1空間SP1のZ軸方向の寸法(距離G1bなど)を調整(変更)できるようにしてもよい。
【0585】
なお、上述の第1〜第19実施形態において、第2部材(22など)に設けられる第2開口部(28など)が、
図37に示すように、六角形状でもよい。
【0586】
なお、上述の各実施形態において、第1部材(21など)は、環状でなくてもよい。第1部材(21など)が、光路AT(終端光学素子13)の周囲の一部に配置されてもよい。第1部材(21など)が、光路ATの周囲において複数配置されてもよい。
【0587】
なお、上述の各実施形態において、第2部材(22など)は、環状でなくてもよい。第2部材(22など)が、光路AT(終端光学素子13)の周囲の一部に配置されてもよい。第2部材(22など)が、光路ATの周囲において複数配置されてもよい。
【0588】
また、上述の各実施形態において、第1空間SP1から液体を回収する液体回収部(42、42Q、42Tなど)を設けなくてもよい。また、第1部材(21など)に設けた液体回収部(42など)のかわりに、あるいは第1部材(21など)に設けた液体回収部(42など)に加えて、第2部材(22など)に第1空間SP1から液体を回収する液体回収部を設けてもよい。
【0589】
また、上述の第1〜第19実施形態において、第2部材(22など)の第2開口部(28など)の周囲における第2部材の厚さは、均一でなくてもよい。例えば、
図40Aに示すように、第2部材の下面に凹部4000を形成し、X軸方向における第2開口部の両側の第2部材の厚さを、Y軸方向における第2開口部の両側の第2部材の厚さより小さくしてもよい。これにより、第2開口部の近傍において、X軸方向における第2開口部の両側の第2空間SP2のZ軸方向の大きさが、Y軸方向における第2開口部の両側の第2空間SP2のZ軸方向の大きさよりも大きくなる。したがって、X軸方向において、液体LQが第2空間SP2に流入しやすくなる。これにより、例えば、第2部材がX軸方向に移動しても、液浸空間LSの界面LG2が光路ATLに近づくことを抑制することできる。また、終端光学素子13下方の液浸空間LSの液体LQの圧力が高まるのを抑えることでき、終端光学素子13の変位を抑制する効果も期待できる。
なお、X軸方向における第2開口部の両側において第2空間SP2の一部のZ軸方向の大きさが、Y軸方向における第2開口部の両側の第2空間SP2のZ軸方向の大きさよりも大きくなるような第2部材の凹部4000の形状、位置、大きさは、
図40Aに限定されないことは言うまでもない。例えば、
図40B、
図40Cに示すように、第2開口部(28など)と液体回収部第(43など)との間において、第2開口部から離れた位置に凹部4000を形成してもよい。
また、
図40Dに示すように、X軸方向における第2開口部の両側において第2開口部(28など)から液体回収部(43など)まで、第2空間SP2のZ軸方向の大きさが、Y軸方向における第2開口部の両側の第2空間SP2のZ軸方向の大きさよりも大きくなるように、第2部材の下面に凹部4000を設けてもよい。
【0590】
また、上述の第1〜第19実施形態において、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を低減するために液体供給部41からの液体LQの供給量を変化させてもよい。例えば、第2部材(22など)が−X軸方向に移動する場合には、終端光学素子13の+X側に位置する液体供給部41からの液体供給量を、終端光学素子13の−X側に位置する液体供給部41からの液体供給量よりも少なくし、第2部材(22など)が+X軸方向に移動する場合には、終端光学素子13の−X側に位置する液体供給部41からの液体供給量を、終端光学素子13の+X側に位置する液体供給部41からの液体供給量よりも少なくしてもよい。
【0591】
また、上述の第1〜第19実施形態において、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を低減するために、液体供給部41とは別の液体供給部を設けてもよい。例えば、
図41(a)に示すように、第1部材21に液体供給部4141を設けてもよい。例えば、第2部材(22など)が−X軸方向に移動する場合には、終端光学素子13の+X側に位置する液体供給部4141からの液体供給量を、終端光学素子13の−X側に位置する液体供給部4141からの液体供給量よりも少なくし、第2部材(22など)が+X軸方向に移動する場合には、終端光学素子13の−X側に位置する液体供給部4141からの液体供給量を、終端光学素子13の+X側に位置する液体供給部4141からの液体供給量より少なくしてもよい。この場合、液体供給部41から液体LQの供給は、上述の第1〜第19実施形態と同様に行えばよい。
【0592】
また、上述の第1〜第19実施形態において、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を低減するための液体回収部を設けてもよい。例えば、
図41(b)に示すように、第1部材21に液体回収部4143を設けてもよい。例えば、第2部材(22など)が−X軸方向に移動する場合には、終端光学素子13の+X側に位置する液体回収部4143からの液体回収量を、終端光学素子13の−X側に位置する液体回収部4143からの液体回収量よりも多くし、第2部材(22など)が+X軸方向に移動する場合には、終端光学素子13の−X側に位置する液体回収部4143からの液体回収量を、終端光学素子13の+X側に位置する液体回収部4143からの液体回収量より多くしてもよい。
なお、上記のように、液体供給と液体回収の少なくとも一方によって、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動が低減できる場合には、第1部材21が終端光学素子13を保護する機能を有していなくてもよいし、
図36のように、保護部材54を設けなくてもよい。
【0593】
また、上述の第1〜第19実施形態、および上記変形例などにおいて、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力の変動を低減するために、第1部材21を動かしてもよい。この場合、第1部材21が終端光学素子13を保護する機能を有していなくてもよいし、
図36のように、保護部材54を設けなくてもよい。
【0594】
また、上述の第1〜第19実施形態、および上記変形例などにおいて、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力が変動しても終端光学素子13の位置が変化したり、終端光学素子13が傾斜したりしないように、終端光学素子13に力を加えるアクチュエータなどを備えるようにしてもよい。この場合、第1部材21が終端光学素子13を保護する機能を有していなくてもよいし、
図36のように、保護部材54を設けなくてもよい。
【0595】
また、上述の第1〜第19実施形態、および上記変形例などにおいて、液浸空間LSの液体LQから終端光学素子13が受ける圧力が変動しても、基板P上に投影される像の状態が劣化したり、基板P上の所望の位置とは異なる位置に像が投影されないように、投影光学系PLを調整したり、基板ステージ2の位置(移動)を制御するようにしてもよい。
この場合、第1部材21が終端光学素子13を保護する機能を有していなくてもよいし、
図36のように、保護部材54を設けなくてもよい。
【0596】
なお、上述の各実施形態において、制御装置6は、CPU等を含むコンピュータシステムを含む。また、制御装置6は、コンピュータシステムと外部装置との通信を実行可能なインターフェースを含む。記憶装置7は、例えばRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記録媒体を含む。記憶装置7には、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされ、露光装置EXを制御するためのプログラムが記憶されている。
【0597】
なお、制御装置6に、入力信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。入力装置は、キーボード、マウス等の入力機器、あるいは外部装置からのデータを入力可能な通信装置等を含む。また、液晶表示ディスプレイ等の表示装置が設けられていてもよい。
【0598】
記憶装置7に記録されているプログラムを含む各種情報は、制御装置(コンピュータシステム)6が読み取り可能である。記憶装置7には、制御装置6に、露光光が射出される光学部材の射出面と基板との間の露光光の光路に満たされた液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置の制御を実行させるプログラムが記録されている。
【0599】
記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、少なくとも一部が第1部材の下方に配置され、物体と対向可能であり、露光光の光路の外側において移動可能な第2部材と、光学部材を保護する保護部と、を備える液浸部材を用いて、光学部材の下方で移動可能な基板上に液体の液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、保護部で液浸空間の液体から光学部材が受ける圧力の変動を低減することと、を実行させてもよい。
【0600】
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、少なくとも一部が第1部材の下方に配置され、物体と対向可能であり、露光光の光路の外側において移動可能な第2部材と、を備え、第1部材は、光学部材と第2部材との間に配置される壁部を有し、第2部材は、第2上面と、物体の表面と対向可能な第2下面と、を有し、壁部の最下部は、第2上面と同じ高さ、又は第2上面よりも下方に配置される液浸部材を用いて、光学部材の下方で移動可能な基板上に液体の液浸空間を形成すること、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、を実行させてもよい。
【0601】
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、少なくとも一部が第1部材の下方に配置され、物体と対向可能であり、露光光の光路の外側において移動可能な第2部材と、を備え、第1部材は、光学部材と第2部材との間に配置される壁部を有し、第2部材は、第2上面と、物体の表面と対向可能な第2下面と、を有し、壁部の最下部は、第2下面と同じ高さ、又は第2下面よりも下方に配置される液浸部材を用いて、光学部材の下方で移動可能な基板上に液体の液浸空間を形成すること、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、を実行させてもよい。
【0602】
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、少なくとも一部が第1部材の下方に配置され、物体と対向可能であり、露光光の光路の外側において移動可能な第2部材と、を備え、第1部材は、光学部材と第2部材との間に配置される壁部を有し、第2部材は、第2上面と、物体の表面と対向可能な第2下面と、を有し、壁部の最下部は、第2部材の第2上面よりも上方に配置され、光路に対して最下部の外側において、第1部材と第2上面との間に間隙が形成され、光学部材の光軸と平行な方向に関して、最下部と第2上面との距離は、間隙の寸法よりも小さい液浸部材を用いて、光学部材の下方で移動可能な基板上に液体の液浸空間を形成すること、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、を実行させてもよい。
【0603】
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、少なくとも一部が第1部材の下方に配置され、物体と対向可能であり、光路の外側において移動可能な第2部材と、を備え、第1部材は、光学部材と第2部材との間に配置される壁部を有し、壁部は、光路に最も近い第1部位を有し、第2部材は、光路に最も近い第2部位を有し、第2部材の移動期間において、第2部位は、光路に対して第1部位の外側に配置され続ける液浸部材を用いて、光学部材の下方で移動可能な基板上に液体の液浸空間を形成すること、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、を実行させてもよい。
【0604】
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、少なくとも一部が第1部材の下方に配置され、物体と対向可能であり、射出面から射出される露光光の光路の外側において移動可能な第2部材と、を備え、第1部材は、少なくとも一部が第2部材と対向可能な第1下面を有し、第1下面は、第1領域と、光路に対して第1領域の外側に配置され、第1領域よりも上方に配置される第2領域と、を含む液浸部材を用いて、光学部材の下方で移動可能な基板上に液体の液浸空間を形成すること、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、を実行させてもよい。
【0605】
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、第1液体を供給する第1液体供給部と、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、少なくとも一部が第1部材の下方に配置され、物体と対向可能であり、露光光の光路の外側において移動可能な第2部材と、第2液体を供給する第2液体供給部と、を備え、第2部材は、第2液体供給部と対向する第1状態及び対向しない第2状態の一方から他方に変化するように移動される液浸部材を用いて、光学部材の下方で移動可能な基板上に液体の液浸空間を形成すること、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、を実行させてもよい。
【0606】
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材と、少なくとも一部が第1部材の下方に配置され、物体と対向可能であり、露光光の光路の外側において移動可能な第2部材と、を備える液浸部材を用いて、光学部材の下方で移動可能な基板上に液体の液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、保護部材で記液浸空間の液体から光学部材が受ける圧力の変動を低減することと、を実行させてもよい。
【0607】
記憶装置7に記憶されているプログラムが制御装置6に読み込まれることにより、基板ステージ2、計測ステージ3、及び液浸部材5等、露光装置EXの各種の装置が協働して、液浸空間LSが形成された状態で、基板Pの液浸露光等、各種の処理が実行される。
【0608】
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子13の射出面12側(像面側)の光路ATLが液体LQで満たされている。しかし、投影光学系PLが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているような、終端光学素子13の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系でもよい。
【0609】
なお、上述の各実施形態においては、液体LQが水であることとしたが、水以外の液体でもよい。液体LQは、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)等の膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQが、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等のフッ素系液体でもよい。また、液体LQが、種々の流体、例えば、超臨界流体でもよい。
【0610】
なお、上述の各実施形態においては、基板Pが、半導体デバイス製造用の半導体ウエハを含むこととした。しかし、基板Pは、例えばディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等を含んでもよい。
【0611】
なお、上述の各実施形態においては、露光装置EXが、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)であることとした。しかし、露光装置EXは、例えばマスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)でもよい。
【0612】
また、露光装置EXが、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光する露光装置(スティッチ方式の一括露光装置)でもよい。また、スティッチ方式の露光装置が、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置でもよい。
【0613】
また、露光装置EXが、例えば米国特許第6611316号に開示されているような、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置でもよい。また、露光装置EXが、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナー等でもよい。
【0614】
また、上述の各実施形態において、露光装置EXが、米国特許第6341007号、米国特許第6208407号、米国特許第6262796号等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置でもよい。例えば、
図38に示すように、露光装置EXが2つの基板ステージ2001、2002を備えている場合、射出面12と対向するように配置可能な物体は、一方の基板ステージ、その一方の基板ステージの第1保持部に保持された基板、他方の基板ステージ、及びその他方の基板ステージの第1保持部に保持された基板の少なくとも一つを含む。
【0615】
また、露光装置EXが、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置でもよい。
【0616】
露光装置EXが、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置でもよいし、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置でもよいし、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置でもよい。
【0617】
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いた。しかし、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号に開示されているような、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしてもよい。
【0618】
上述の各実施形態においては、露光装置EXが投影光学系PLを備えることとしたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に、上述の各実施形態で説明した構成要素を適用してもよい。例えば、レンズ等の光学部材と基板との間に液浸空間を形成し、その光学部材を介して、基板に露光光を照射する露光装置及び露光方法に、上述の各実施形態で説明した構成要素を適用してもよい。
【0619】
また、露光装置EXが、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているような、干渉縞を基板P上に形成することによって基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)でもよい。
【0620】
上述の実施形態の露光装置EXは、上述の各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了した後、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0621】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、
図39に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンからの露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0622】
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。