特許第6566424号(P6566424)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6566424非接触式ウェハチャッキングのためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6566424
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】非接触式ウェハチャッキングのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20190819BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20190819BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20190819BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
   H01L21/66 J
   G01B11/00 A
   G01N21/956 A
【請求項の数】41
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-542706(P2016-542706)
(86)(22)【出願日】2014年12月19日
(65)【公表番号】特表2017-504199(P2017-504199A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】US2014071478
(87)【国際公開番号】WO2015100162
(87)【国際公開日】20150702
【審査請求日】2017年11月22日
(31)【優先権主張番号】61/920,456
(32)【優先日】2013年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/571,000
(32)【優先日】2014年12月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フアン ルーピン
【審査官】 宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−258484(JP,A)
【文献】 特開2004−152941(JP,A)
【文献】 特開2002−319613(JP,A)
【文献】 特開2007−303853(JP,A)
【文献】 特開2011−211136(JP,A)
【文献】 特表2010−522431(JP,A)
【文献】 米国特許第06781684(US,B1)
【文献】 特開2013−137315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
G01B 11/00
G01N 21/956
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハの非接触式チャッキングのための装置であって、
ウェハチャックを備え、当該ウェハチャックが、前記ウェハを前記ウェハチャックの面より上に持ち上げるために1以上の加圧ガス領域を前記ウェハチャックの前記面にわたって生成するように構成された1以上の加圧ガス要素を含み、前記ウェハチャックが、さらに、1以上の減圧領域を前記ウェハチャックの前記面にわたって生成するように構成された1以上の真空要素を含み、前記減圧領域が、前記加圧ガス領域よりも低い圧力を有し、前記1以上の減圧領域が、前記ウェハを、前記ウェハチャックより上に、前記ウェハチャックに接触させずに保持するための領域であり、前記装置が、さらに、
前記ウェハチャックの一部に連結されたグリッパ組立体と、
前記ウェハチャックに機械的に連結された回転駆動ユニットとを備え、
前記回転駆動ユニットが、前記ウェハチャックを選択的に回転させるように構成されており、
前記グリッパ組立体が、前記ウェハの1以上のエッジ部に、前記ウェハを水平方向に保持するように、そしてそれにより、前記ウェハ及び前記グリッパ組立体が、前記回転駆動ユニットによる前記ウェハチャックの回転中に前記ウェハチャックと同期的に回転するように可逆的に連結可能であ
前記加圧ガス要素からのガスが前記減圧領域に流れ、前記真空要素から排出される、
装置。
【請求項2】
前記1以上の加圧ガス要素が、
ガスを前記ウェハチャックの前記面から上方に送って前記1以上の加圧領域を生成するように構成された1以上の加圧ガスチャネルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ウェハチャックの前記1以上の加圧要素が、前記ウェハをウェハチャックの前記面より上に持ち上げるための加圧エアポケットを形成している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記1以上の真空要素が、
ガスを前記ウェハチャックの前記面から排出させて前記1以上の減圧領域を生成するように構成された1以上の真空ノズルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記1以上の真空要素が、
ガスを前記ウェハチャックの前記面から排出させて前記1以上の減圧領域を生成するように構成された1以上の真空チャネルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記1以上の加圧ガス要素が、
複数の加圧ガス要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記1以上の真空要素が、
複数の真空要素を含む、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の真空要素の少なくとも幾つかが、前記複数の加圧ガス要素の少なくとも幾つかにより挟まれて配置されている、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記1以上の加圧ガス要素が、
複数の加圧ガス要素のセットを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記1以上の真空要素が、
複数の真空要素のセットを含む、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の真空要素のセットの少なくとも幾つかが、前記複数の加圧ガス要素のセットの少なくとも幾つかにより挟まれて配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記1以上の加圧領域が前記1以上の減圧領域の付近にある、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記1以上の加圧領域が前記1以上の減圧領域に隣接している、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記1以上の加圧領域が前記1以上の減圧領域と交互に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記グリッパ組立体が、
複数のグリッパ要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記複数のグリッパ要素が、
3つ以上のグリッパ要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記グリッパ要素の少なくとも幾つかが前記ウェハのエッジ部に連結可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記グリッパ組立体が、前記グリッパ組立体に連結されたカムユニットを含み、当該カムユニットが、前記グリッパ組立体の1以上のグリッパ要素の線形運動を駆動するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記グリッパ組立体が、前記ウェハの前記エッジ部に選択的に係合されるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記グリッパ組立体が、前記ウェハの前記エッジ部から選択的に係合解除されるように構成されている、請求項1に記載の遮蔽装置。
【請求項21】
前記グリッパ組立体が、前記ウェハを前記ウェハチャック上に水平方向に配置するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記回転駆動ユニットが、
スピンドルと、
モータとを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記ウェハが、
半導体ウェハを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
光学系であって、
ウェハチャッキングサブシステムを備え、当該サブシステムが、
ウェハチャックを含み、当該ウェハチャックが、ウェハを前記ウェハチャックの面より上に持ち上げるために1以上の加圧ガス領域を前記ウェハチャックの前記面にわたって生成するように構成された1以上の加圧ガス要素を含み、前記ウェハチャックが、さらに、1以上の減圧領域を前記ウェハチャックの前記面にわたって生成するように構成された1以上の真空要素を含み、前記減圧領域が前記加圧ガス領域よりも低い圧力を有し、前記1以上の減圧領域が、前記ウェハを、前記ウェハチャックより上に、前記ウェハチャックに接触させずに保持するための領域であり、前記サブシステムが、さらに、
前記ウェハチャックの一部に連結されたグリッパ組立体と、
前記ウェハチャックに機械的に連結された回転駆動ユニットとを含み、前記回転駆動ユニットが、前記ウェハチャックを選択的に回転させるように構成されており、前記グリッパ組立体が、前記ウェハの1以上のエッジ部に、前記ウェハを水平方向に保持するように、そしてそれにより、前記ウェハ及び前記グリッパ組立体が、前記回転駆動ユニットによる前記ウェハチャックの回転中に前記ウェハチャックと同期的に回転するように可逆的に連結可能であり、前記光学系が、さらに、
前記ウェハチャッキングサブシステムにより保持された前記ウェハの1以上の部分を照射するように構成された照射源と、
前記照射された前記ウェハの1以上の部分からの照射を収集するように構成された検出器とを含
前記加圧ガス要素からのガスが前記減圧領域に流れ、前記真空要素から排出される、
光学系。
【請求項25】
前記光学系が検査ツールとして構成されている、請求項2に記載の光学系。
【請求項26】
前記光学系がウェハエッジ検査ツールとして構成されている、請求項2に記載の光学系。
【請求項27】
前記光学系が、明視野検査ツール又は暗視野検査ツールの少なくとも一方として構成されている、請求項2に記載の光学系。
【請求項28】
前記光学系が計測ツールとして構成されている、請求項2に記載の光学系。
【請求項29】
前記1以上の加圧ガス要素が、
ガスを前記ウェハチャックの前記面から上方に送って前記1以上の加圧領域を生成するように構成された1以上の加圧ガスチャネルを含む、請求項2に記載の光学系。
【請求項30】
前記1以上の真空要素が、
ガスを前記ウェハチャックの前記面から排出させて前記1以上の減圧領域を生成するように構成された1以上の真空ノズルを含む、請求項2に記載の光学系。
【請求項31】
前記1以上の真空要素が、
ガスを前記ウェハチャックの前記面から排出させて前記1以上の減圧領域を生成するように構成された1以上の真空チャネルを含む、請求項2に記載の光学系。
【請求項32】
前記1以上の加圧ガス要素が、
複数の加圧ガス要素を含む、請求項2に記載の光学系。
【請求項33】
前記1以上の真空要素が、
複数の真空要素を含む、請求項2に記載の光学系。
【請求項34】
前記グリッパ組立体が、
複数のグリッパ要素を含む、請求項2に記載の光学系。
【請求項35】
前記複数のグリッパ要素が、
3つ以上のグリッパ要素を含む、請求項3に記載の光学系。
【請求項36】
前記グリッパ要素の少なくとも幾つかが前記ウェハのエッジ部に連結可能である、請求項3に記載の光学系。
【請求項37】
前記グリッパ組立体が、前記グリッパ組立体に連結されたカムユニットを含み、当該カムユニットが、前記グリッパ組立体の1以上のグリッパ要素の線形運動を駆動するように構成されている、請求項2に記載の光学系。
【請求項38】
前記グリッパ組立体が、前記ウェハの前記エッジ部に選択的に係合されるように構成されている、請求項2に記載の光学系。
【請求項39】
前記グリッパ組立体が、前記ウェハの前記エッジ部から選択的に係合解除されるように構成されている、請求項2に記載の光学系。
【請求項40】
前記グリッパ組立体が、前記ウェハを前記ウェハチャック上に水平方向に配置するように構成されている、請求項2に記載の光学系。
【請求項41】
ウェハの非接触式チャッキングのための方法であって、
前記ウェハをウェハチャックの面より上に持ち上げるために、1以上の加圧ガス領域を前記ウェハチャックの前記面にわたって生成するステップと、
前記ウェハを前記ウェハチャックより上に、前記ウェハチャックに接触させずに保持するために、1以上の減圧領域を前記ウェハチャックの前記面にわたって生成するステップと、
グリッパ組立体を前記ウェハのエッジ部に、前記ウェハを前記ウェハチャックに対して回転可能に保持するために可逆的に連結するステップと、
前記ウェハ、前記グリッパ組立体、及び、前記ウェハチャックを、選択された回転速度で同期的に回転させるステップとを含
ガスが前記加圧ガス領域から前記減圧領域に流れて排出される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年12月23日に出願された、発明者ルピン・ホワン(“Luping Huang”)による「裏面に接触しないウェハエッジグリップチャック機構」と題された、米国仮特許出願第61/920,456号の優先権を米国特許法第119条(e)の下で主張し、該出願の全てを参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、概して、ウェハ評価システムで用いるためのウェハチャックに関し、特に、非接触式ウェハチャックに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体装置の製造プロセスの公差が狭くなり続けているため、改良された半導体ウェハ検査ツールの需要が増え続けている。このような検査ツールの一例は、ウェハ検査ツール(例えば、ウェハエッジ検査ツール)を含む。このような光学系において、関連するウェハチャックが、エッジ検査中にウェハを回転させるために使用され得る。幾つかのウェハチャックは、ウェハをウェハチャック面より上に持ち上げるエアベアリングを提供し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0309874号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このようなシステムは、ウェハがその下のウェハチャックに対して回転されるときの、ウェハチャックに関する高さ変動の問題を有する。従って、先行技術にて認められる欠点を解決するシステム及び方法を提供することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な実施形態によるウェハの非接触式チャッキングのための装置を開示する。例示的な一実施形態において、前記装置はウェハチャックを含む。例示的な一実施形態において、前記ウェハチャックは、前記ウェハを前記ウェハチャックの面より上に持ち上げるのに適した1以上の加圧ガス領域を前記ウェハチャックの前記面にわたって生成するように構成された1以上の加圧ガス要素を含む。別の例示的な実施形態において、前記ウェハチャックは、さらに、1以上の減圧領域を前記ウェハチャックの前記面にわたって生成するように構成された1以上の真空要素を含む。例示的な一実施形態において、前記減圧領域は、前記加圧ガス領域よりも低い圧力を有する。別の例示的な実施形態において、前記1以上の減圧領域が、前記ウェハを、前記ウェハチャックより上に、前記ウェハチャックに接触させずに保持するのに適している。別の例示的な実施形態において、前記装置は、前記ウェハチャックの一部に連結されたグリッパ組立体を含む。別の例示的な実施形態において、前記装置は、前記ウェハチャックに機械的に連結された回転駆動ユニットを含む。別の例示的な実施形態において、前記回転駆動ユニットは、前記ウェハチャックを選択的に回転させるように構成されている。別の例示的な実施形態において、前記グリッパ組立体は、前記ウェハを水平方向に保持するように、そしてそれにより、前記ウェハ及び前記グリッパ組立体が、前記回転駆動ユニットによる前記ウェハチャックの回転中に前記ウェハチャックと同期的に回転するように、前記ウェハの1以上のエッジ部に可逆的に連結可能である。
【0007】
本発明の例示的な実施形態による光学系を開示する。例示的な一実施形態において、前記光学系はウェハチャッキングサブシステムを含む。別の例示的な実施形態において、前記光学系は、前記ウェハチャッキングサブシステムにより保持された前記ウェハの1以上の部分を照射するように構成された照射源を含む。別の例示的な実施形態において、前記光学系は、前記照射された前記ウェハの1以上の部分からの照射を収集するように構成された検出器を含む。例示的な一実施形態において、ウェハチャッキングサブシステムは、ウェハチャックを含む。例示的な一実施形態において、前記ウェハチャックは、前記ウェハを前記ウェハチャックの面より上に持ち上げるのに適した1以上の加圧ガス領域を前記ウェハチャックの前記面にわたって生成するように構成された1以上の加圧ガス要素を含む。別の例示的な実施形態において、前記ウェハチャックは、さらに、1以上の減圧領域を前記ウェハチャックの前記面にわたって生成するように構成された1以上の真空要素を含む。例示的な一実施形態において、前記減圧領域は前記加圧ガス領域よりも低い圧力を有する。別の例示的な実施形態において、前記1以上の減圧領域は、前記ウェハを、前記ウェハチャックより上に、前記ウェハチャックに接触させずに保持するのに適している。別の例示的な実施形態において、前記ウェハチャッキングサブシステムは、前記ウェハチャックの一部に連結されたグリッパ組立体を含む。別の例示的な実施形態において、前記ウェハチャッキングサブシステムは、前記ウェハチャックに機械的に連結された回転駆動ユニットを含む。別の例示的な実施形態において、前記回転駆動ユニットは、前記ウェハチャックを選択的に回転させるように構成されている。別の例示的な実施形態において、前記グリッパ組立体は、前記ウェハを水平方向に保持するように、そしてそれにより、前記ウェハ及び前記グリッパ組立体が、前記回転駆動ユニットによる前記ウェハチャックの回転中に前記ウェハチャックと同期的に回転するように、前記ウェハの1以上のエッジ部に可逆的に連結可能である。
【0008】
本発明の例示的な実施形態によるウェハの非接触式チャッキングのための装置を開示する。例示的な一実施形態において、前記方法は、前記ウェハをウェハチャックの面より上に持ち上げるために、1以上の加圧ガス領域を前記ウェハチャックの面にわたって生成するステップを含む。別の例示的な実施形態において、前記方法は、前記ウェハを前記ウェハチャックより上に、前記ウェハチャックに接触させずに保持するために、1以上の減圧領域を前記ウェハチャックの前記面にわたって生成するステップを含む。別の例示的な実施形態において、前記方法は、グリッパ組立体を前記ウェハのエッジ部に、前記ウェハを前記ウェハチャックに対して回転可能に保持するために可逆的に連結するステップを含む。別の例示的な実施形態において、前記方法は、前記ウェハ、前記グリッパ組立体、及び、前記ウェハチャックを、選択された回転速度で同期的に回転させるステップを含む。
【0009】
上記の概略的な説明及び以下の詳細な説明が、共に例示的且つ説明的なものに過ぎず、本発明を、特許請求の範囲に記載されるように必ずしも限定しないことが理解されよう。本明細書に組み込まれ且つその一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を例示し、また、上記の概略的説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0010】
当業者は本開示の多くの利点を、添付図面を参照することにより、より良好に理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本開示の一実施形態による非接触式ウェハチャッキングシステムの断面図である。
図1B】本開示の一実施形態による非接触式ウェハチャッキングシステムのウェハチャックの断面図である。
図1C】本開示の一実施形態による非接触式ウェハチャッキングシステムのウェハチャックの上面図である。
図1D】本開示の一実施形態による非接触式ウェハチャッキングシステムの概略底面図である。
図1E】本開示の一実施形態による非接触式ウェハチャッキングシステムの概略上面図である。
図1F】本開示の一実施形態による、グリッパ組立体を有する非接触式ウェハチャッキングシステムの係合解除状態の概略底面図である。
図1G】本開示の一実施形態による、グリッパ組立体を有する非接触式ウェハチャッキングシステムの係合状態の概略底面図である。
図2A】本開示の一実施形態による、非接触式ウェハチャッキングシステムを備えたウェハ検査システムの簡略概略図である。
図2B】本開示の一実施形態による、非接触式ウェハチャッキングシステムを備えたウェハ検査システムの簡略概略図である。
図3】本開示の一実施形態による、非接触式ウェハチャッキングシステムを備えたウェハエッジ検査システムの簡略概略図である。
図4】本開示の一実施形態による、ウェハの非接触式チャッキングのための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、添付図面に示されている開示される主題を詳細に説明する。
【0013】
図1A図4を参照して、本開示によるウェハの非接触式チャッキングのためのシステム及び方法を開示する。非接触式ウェハチャックの使用は、2013年5月21日にジーベルト(Siebert)らに付与された米国特許第8,444,126号にほぼ記載されており、この特許の全てを援用して本明細書の一部とする。
【0014】
本開示の実施形態は、ウェハ、例えば、半導体ウェハ(例えば200mm〜500mmのウェハ)をウェハチャックより上に持ち上げ且つ保持するのに適したウェハチャック及びグリップ装置に向けられている。本開示の実施形態は、さらに、ウェハとウェハチャックとを、所与のスキャン中にウェハとウェハチャックとの間に相対運動が存在しないように同期的に回転させることに向けられている。このような構造が、ウェハチャックの高さ変動及び振動により生じるスキャニングエラーの回避を補助する。さらに、本開示のウェハチャッキングシステムが、様々な光学測定状況、例えば、限定はしないが、ウェハエッジ検査システムにて実施され得ることに留意されたい。
【0015】
図1Aは、本開示の一実施形態による、非接触式ウェハチャッキングシステム100の簡略断面図を示す。一実施形態において、ウェハチャッキングシステム100は、ウェハ104をウェハチャック102の面より上に、ウェハチャック102に接触させずに保持するためのウェハチャック100を含む。別の実施形態において、ウェハチャッキングシステム100はグリッパ組立体106を含む。別の実施形態において、ウェハチャッキングシステム100は回転駆動ユニット116を含む。回転駆動ユニット116はウェハチャック102に連結されており、且つ、ウェハスキャニングプロセス中に、ウェハチャック102、グリッパ組立体106及びウェハ104を選択的に回転させるように構成されている。
【0016】
一実施形態において、図1A図1Bに示されているように、ウェハチャック102は、1以上の加圧ガス要素103を含む。一実施形態において、加圧ガス要素103は、関連する加圧領域107を、それぞれの加圧ガス要素103又はその付近に生成する。加圧領域107は、上向きの力をウェハ104に加えるように機能する。これに関し、1以上の加圧ガス要素103が、ウェハ104をウェハチャック102の面より上に持ち上げるのに適した1以上の加圧ガス領域107をウェハチャック102の面にわたって生成し得る。一実施形態において、ウェハチャック102は、図1Bに示されているように、複数の加圧ガス要素103を含み得る。これに関し、複数の加圧ガス要素103が、ウェハ104をウェハチャック102の面より上に持ち上げるのに適した1以上の加圧ガス領域107を、ウェハチャックの面にわたり分布して生成し得る。本明細書において、加圧ガス領域107が加圧ガス要素103に対して必ずしも1対1対応で形成されるわけでないことに留意されたい。例えば、2つ以上のガス要素103(例えば、ガスノズル、ガスチャネル、多数のガスノズル、多数のガスチャネル)が、単一の加圧領域107の形成に寄与し得る。
【0017】
一実施形態において、ウェハチャック102の1以上の加圧ガス要素103が、ウェハ104をウェハチャック102の面より上に持ち上げるための加圧エアポケットを形成する。これに関し、1以上の加圧要素103が1以上の加圧エアポケット(又はその他のガス)を形成し得る。これが、ウェハ104の底部に上向きの合力(net force)を加え、それによりウェハ104を、ウェハチャック104より上の所定位置に、鉛直方向に安定させる。
【0018】
別の実施形態において、図1A図1Bに示されているように、ウェハチャック102は、1以上の真空要素105を含む。一実施形態において、真空要素105は、関連する減圧又は真空領域109を、それぞれの真空ガス要素105の入口又はその付近に生成する。例えば、1以上の減圧領域109が、1以上の加圧領域107よりも低い圧力を有し得る。1以上の真空要素105は、1以上の減圧領域109を、ウェハチャック102の面にわたって生成し得る。これらの領域109は、ウェハ104をウェハチャック102の面より上に、ウェハ104とウェハチャック102との接触を生じさせずに保持するのに適している。これに関し、減圧領域109は、下向きの力をウェハ104に加えるように機能する。真空要素105からの下向きの力と、1以上の加圧ガス要素からの上向きの力との組合せが、ウェハ102の鉛直方向位置を、ウェハチャック102より上の所定の場所に安定させるように機能する。
【0019】
一実施形態において、図1Bに示されているように、ウェハチャック102は、複数の真空要素105を含み得る。これに関し、複数の真空要素105は、ウェハチャック102の面にわたって分布された1以上の減圧領域109を生成し得る。これらの領域109は、ウェハ104をウェハチャック102の面より上に保持するのに適している。本明細書において、減圧領域109が真空要素105に対して必ずしも1対1対応で形成されるわけでないことに留意されたい。例えば、2つ以上の真空要素105が、単一の減圧領域109を形成するように寄与し得る。また、本明細書において、幾らかの量の「クロスフロー」(“cross-flow”)が加圧ガス領域107と減圧領域109との間に存在し得ることに留意されたい。これに関し、領域107に関連する加圧ガス要素103からのガスが減圧領域109に流れる場合があり、それらは真空要素105により排出され得る。
【0020】
一実施形態において、1以上の加圧ガス要素103が、1以上のガスノズルを含み得る。例えば、1以上の加圧ガス要素103は、限定はしないが、ガス(例えば空気)をウェハチャック104の面から上方に送って1以上の加圧領域10を生成するように構成された1以上のガスノズルを含み得る。例えば、加圧ガスノズルは、限定はしないが、ウェハチャック102の面から切削された(又は、この面に成形/キャスティングされた)ボア穴を含むことができ、この穴に1以上のガス配送ラインが流体連結されて、ガス(例えば空気)をこの穴に配送するように機能する。
【0021】
一実施形態において、1以上の加圧ガス要素103が、1以上のガスチャネルを含む。例えば、1以上の加圧ガス要素103は、限定はしないが、ガス(例えば空気)をウェハチャック104の面から上方に送って1以上の加圧領域107を生成するように構成された1以上のガスチャネルを含み得る。例えば、加圧ガスチャネルは、限定はしないが、ウェハチャック102の面から切削された凹部領域を含むことができ、この凹部に1以上のガス配送ラインが流体連結されて、ガス(例えば空気)を、凹部を有するチャネルに配送するように機能する。
【0022】
一実施形態において、1以上の真空要素105が、1以上のガスノズルを含む。例えば、1以上の真空要素105は、限定はしないが、ガス(例えば空気)をウェハチャック104の面から下方に排出させて1以上の減圧領域109を生成するように構成された1以上のガスノズルを含む。例えば、真空ノズルは、限定はしないが、ウェハチャック102の面から切削された(又は、この面に成形/キャスティングされた)ボア穴を含むことができ、この穴に1以上のガス配送ラインが流体連結されて、ガス(例えば空気)をこの穴付近の領域から排出するように機能する。
【0023】
一実施形態において、1以上の真空要素105が、1以上のガスチャネルを含む。例えば、1以上の真空要素105は、限定はしないが、ガス(例えば空気)をウェハチャック104の面から下方に排出させて1以上の減圧領域109を生成するように構成された1以上のガスチャネルを含む。例えば、真空ガスチャネルは、限定はしないが、ウェハチャック102の面から切削された凹部領域を含むことができ、この凹部にガス配送ラインが流体連結されて、ガス(例えば空気)を、凹部を有するチャネル付近の領域から排出するように機能する。
【0024】
一実施形態において、図1Bに示されているように、真空要素105の少なくとも一部が、加圧ガス要素103の一部に挟まれて配置される。これに関し、1以上の真空要素105が、加圧ガス要素103の1以上と交互になるように配置され得る。本明細書において、加圧ガス要素103と真空ガス要素105とを、ウェハチャック102の面にわたる任意のパターンで配置し得ることが理解されよう。例えば、加圧ガス要素103と真空ガス要素105とを、当分野で公知技術のどのような(1又は複数の)幾何学的パターンでも配置し得る。
【0025】
例えば、加圧ガス要素103と真空ガス要素105とを線形格子状に配置でき、この場合、1以上の真空要素105が1以上の加圧ガス要素103とX−Y位置の関数として交互に配置される。別の例において、加圧ガス要素103と真空ガス要素105とを円形格子状に配置でき、この場合、1以上の真空ガス要素105が1以上の加圧ガス要素103と、ウェハチャック102に関する角度位置の関数として交互に配置される。別の例において、加圧ガス要素103と真空要素105とを同心放射状格子状に配置でき、この場合、1以上の真空ガス要素105の同心リングが1以上の加圧ガス要素103の同心リングと、ウェハチャック102上の半径方向位置の関数として交互に配置される。
【0026】
図1Cは、本開示の一実施形態による、加圧ガス要素103及び真空要素105の配置を示す。一実施形態において、ウェハチャック102は、複数の加圧ガス要素103のセット122を含む。別の実施形態において、ウェハチャック102は、複数の真空ガス要素105のセット124を含む。図1Cに示されているように、加圧ガス要素103のセット122は、真空ガス要素105のセット124に挟まれて配置され得る。本明細書において、図1Cに示した配置が限定的なものではなく、単に例示のために提供されていることに留意されたい。ここでもまた、加圧ガス要素(又は加圧ガス要素のセット)及び真空要素(又は加圧ガス要素のセット)を、ウェハチャックの面にわたり任意の適切なパターンで配置し得ることが理解されよう。
【0027】
本明細書において、1以上の加圧ガス要素103がガス配送システム及び/又はネットワーク(図示せず)に流体連通され得ることに留意されたい。これに関し、ガス源が配送システム/ネットワークに接続されることができ、ガスが加圧ガス要素103に、配送システム/ネットワークを介して配送され得る。一実施形態において、配送システム/ネットワークは、ガス(例えば空気)を加圧ガス要素103に送り込むための1以上のガスポンプを含み得る。別の実施形態において、配送システム/ネットワークは、1以上のガスフィルタ(例えば空気フィルタ)を含むことができ、これにより、供給されたガスを、それらが加圧ガス要素103を通して出力される前に濾過し得る。さらに、本明細書において、1以上の真空要素105が真空システム及び/又はネットワーク(図示せず)に流体連通され得ることに留意されたい。これに関し、ガスポンプが真空要素105に流体連結されることができ、且つ、ガスを真空要素105を通して外部リザーバ(例えば、ガス容器、周囲雰囲気など)に排出させるように構成され得る。当業者には、本開示のシステム100の実施に適した様々なガス配送及びガス真空機構が存在することが理解されよう。
【0028】
図1Dは、本開示の1以上の実施形態による、ウェハチャック102及びグリッパ組立体106の概略底面図である。図1Dに示されているように、グリッパ組立体106のグリッパ要素108が、ウェハ104を水平方向に保持するように機能する。さらに、カムユニット114がウェハチャック102に機械的に連結されており、ウェハ104の保持においてグリッパ要素108の運動を駆動するために使用される。グリッパ組立体106のグリッパ要素は、ウェハ104を保持したならば、ウェハチャック102が回転駆動ユニット114(図1Dには示さず)により回転されるときにウェハ104をウェハチャック102と同期的に回転させる。図1Eは、本開示の1以上の実施形態による、ウェハ104を保持しているウェハチャック102の概略上面図である。図1Eに示されているように、ウェハチャック102は、加圧ガス要素103の、半径方向に位置合わせされたセット列を含み得る。さらに、ウェハチャック102は、真空要素105の、半径方向に位置合わせされたセット列を含み得る。
【0029】
再び図1Aを参照する。一実施形態において、グリッパ組立体106はウェハチャック102の一部に機械的に連結されている。一実施形態において、グリッパ組立体106はウェハ104の1以上のエッジ(縁)部に可逆的に連結可能である。これに関し、グリッパ組立体106はウェハ104を水平方向に保持し得る。例えば、図1Aに示されているように、グリッパ組立体106は、ウェハ104を水平方向に沿って、鉛直方向の有意の接触力を加えずに保持するように機能し得る。別の実施形態において、グリッパ組立体106はウェハ104を(ウェハチャック102に対して)水平方向に且つ回転可能に保持することができ、これにより、ウェハチャック102及びグリッパ組立体106が回転駆動ユニット116により回転されるときに、ウェハ104もまた回転される。これに関し、ウェハ104は、ウェハスキャニングプロセス中に外側基準フレームに対しては回転するが、ウェハチャック102の面に対しては有意に移動しない。
【0030】
別の実施形態において、グリッパ組立体106は、ウェハ104の水平方向位置を調整するように機能でき、これにより、スキャニングプロセス中にウェハ104を、ウェハ104の回転前にほぼ中央に配置し得る。
【0031】
一実施形態において、ウェハチャッキングシステム100のグリッパ組立体106は、1以上のグリッパ要素108を含む。別の実施形態において、グリッパ組立体106のグリッパ要素108は、1以上の接続アーム又はロッド110、及び、1以上のグリッパヘッド112を含む。別の実施形態において、1以上のグリッパヘッド112が、ウェハ104を保持するのに適した、当分野で公知の任意の機構を含み得る。例えば、1以上のグリッパヘッド112は、限定はしないが、ウェハを保持するためのばね荷重装置を含み得る。別の例として、1以上のグリッパヘッド112が、限定はしないが、摩擦を介してウェハ104を保持するように構成された摩擦部分を含み得る。
【0032】
一実施形態において、グリッパ組立体106は、限定はしないが、2つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、5つなど)のグリッパ要素108を含み得る。例えば、図1D及び図1Eに示されているように、グリッパ組立体106は3つのグリッパ要素108を含み得る。別の例において、図示されていないが、グリッパ組立体106は4つのグリッパ要素108を含み得る。
【0033】
別の実施形態において、グリッパ組立体106は、カムユニット114を含む。一実施形態において、カムユニット114はグリッパ組立体106に機械的に連結されている。一実施形態において、図1F及び図1Gに示されているように、カムユニットは、グリッパ組立体106の1以上のグリッパ要素108の線形運動を駆動するように構成されている。これに関し、カムユニット114は、グリッパ要素108をウェハ104の1以上の部分に選択的に係合及び/又は係合解除し得る。例えば、図1Fに示されているように、カムユニット114はグリッパ要素108を、拡張(すなわち係合解除)状態に移動させ得る。このような構造が、回転スキャニングプロセスの前にユーザ(又はロボットアーム)がウェハ104をウェハチャック102上に設置することを可能にする。また、カムユニット114は、ユーザ又はロボットアーム(図示せず)がウェハ104をチャック102から取り外すときに係合解除状態に配置され得る。さらなる例として、図1Gに示されているように、カムユニット114は、グリッパ要素108を、引き込み(すなわち係合された)状態に移動させ得る。このような構造が、回転スキャニングプロセス中にチャック102がウェハをチャック102より上に保持しているときに、ウェハ102を水平方向に保持するように機能する。
【0034】
再び図1Aを参照すると、ウェハチャック102(及び、接続されたグリッパ組立体106)が、回転駆動ユニット117のシャフト116又はスピンドルにより支持されている。例えば、シャフト117はモータ119に接続され得る。これに関し、モータ119は、シャフト117を選択された回転速度で回転させるように構成されることができ、それにより、ウェハチャック102、グリッパ組立体106、及びウェハ104を、ウェハチャック102の面に垂直な軸を中心に回転させ得る。例えば、ウェハチャック102、グリッパ組立体106、及びウェハ104は、1000回転/分(rpm)より大きい速度(例えば、1000rpm〜10000rpm)で回転され得る。
【0035】
図2A及び図2Bは、本開示の1以上の実施形態による、非接触式ウェハチャッキングシステム100を備えた検査システム200,210のハイレベルブロック図である。一実施形態において、本開示のウェハ検査システム200,210は、本明細書で上述したような非接触式ウェハチャッキングシステム100を含み得る。一実施形態において、検査システム200,210は、さらに、ウェハ104の面上の領域を照射するように構成された少なくとも1つの光源202(例えば、1以上のレーザ、1以上の広帯域光源など)を含む。別の実施形態において、検査システム200,210は、光源202により照射された領域から反射、回析又は散乱された光を検出するのに適した1以上の検出器204又はカメラを含む。一実施形態において、1以上の検出器204が、限定はしないが、CCD若しくはTDI−CCD検出器、又は、光電子増倍管検出器を含み得る。さらに、検査システム200,210は、光学素子(例えば、照明光学系、集光光学系、ビームスプリッタ206、フィルタなど)のセットを含み得る。これらの光学素子は、光源202からの照射をウェハ104の面上に方向付け(及び集束)するために、そして、ウェハ104の面からの照射を、検査システム200,210の検出器204の結像部に向けるために構成されている。例えば、システム200,210のための光学素子のセットは、限定はしないが、ウェハの照射領域を検出器204の集束部(単数又は複数)上に結像するのに適した第1の結像レンズを含み得る。さらに、結像検出器204は、検出器204から得られる画像データを識別及び記憶し得る画像処理コンピュータに通信可能に接続され得る。
【0036】
本開示の検査システム200,210は、当分野で公知の任意の検査システムとして構成され得る。例えば、図2Aに示されているように、本発明の検査システム200を、明視野(BF)検査システムとして構成し得る。或いは、図2Bに示されているように、検査システム210を暗視野(DF)検査システムとして構成し得る。出願人は、図2A及び図2Bに示した光学構成が単に例示のために提供されたに過ぎず、限定的なものと解釈されるべきでないことを注記しておく。概して、本開示の検査システム200,210は、ウェハ104の面の撮像に適した結像素子及び光学素子の任意のセットを含み得る。ウェハ検査ツールの例は、米国特許第7,092,082号、米国特許第6,702,302号、米国特許第6,621,570号、及び、米国特許第5,805,278号に詳細に記載されており、これらの特許を援用して本明細書の記載の一部とする。
【0037】
図3は、本開示の1以上の実施形態による、非接触式ウェハチャッキングシステム100を備えたエッジ検査300のハイレベルブロック図である。明瞭化のために、グリッパ組立体106は図3には示されていない。しかし、本明細書において、グリッパ組立体106がこのようなエッジ検査設定に存在することが理解されよう。図3に示されているように、エッジ検査システム300は、ウェハ104のエッジ領域302から画像データを収集するのに適した検出器304を含み得る。さらに、検査システム300が、エッジ302の様々な部分を検出器304を用いて検査することを可能にすることが理解されよう。例えば、図3に示されているように、検出器304は位置Aにて、ウェハ104のエッジ302の上部(例えば、ウェハベベルの頂部)の画像データを収集し得る。別の例として、図3に示されているように、検出器304は位置Bにて、ウェハ104のエッジ302の中央部(例えば、ウェハベベルの中央)の画像データを収集し得る。別の例として、図3に示されているように、検出器304は位置Cにて、ウェハ104のエッジ302の底部(例えば、ウェハベベルの底部)の画像データを収集し得る。
【0038】
図4は、本開示の1以上の実施形態によるウェハの非接触式チャッキングのための方法400のステップを示すフローチャートである。ステップ402において、ウェハをウェハチャックの面より上に持ち上げるために、1以上の加圧ガス領域がウェハチャックの面にわたって生成される。ステップ404において、ウェハをウェハチャックより上に、ウェハチャックに接触させずに保持するために、1以上の減圧領域がウェハチャックの面にわたって生成される。ステップ406において、ウェハをウェハチャックに対して回転可能に保持するために、1以上のグリッパ要素がウェハのエッジ部に可逆的に連結され又は取り付けられる。ステップ408において、ウェハ、複数のグリッパ要素、及び、ウェハチャックが、選択された回転速度で同期的に回転される。
【0039】
本明細書に記載された主題が、その他の構成要素内に含まれた、又はそれらに接続された異なる構成要素を示す場合がある。このように示されたアーキテクチャが単に例示的なものであり、実際には、同一機能を達成する多くのその他のアーキテクチャが実現可能であることが理解されよう。概念的には、同一機能を達成するための構成要素のどのような配置も、所望の機能が達成されるように有効に「関連付けられる」。従って、特定の機能を達成するために明細書中で組み合わされた任意の2つの構成要素を、アーキテクチャ又は中間構成要素に関係無く、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられている」とみなし得る。同様に、このように関連付けられた任意の2つの構成要素を、所望の機能を達成するために互いに「接続されている」又は「連結されている」とみなすこともでき、また、このように関連付けられることができる任意の2つの構成要素を、所望の機能を達成するために互いに「連結可能である」とみなすこともできる。連結可能なものの特定の例は、物理的に噛み合い可能な及び/若しくは物理的に相互作用する構成要素、並びに/又は、無線で相互作用可能な及び/若しくは無線で相互作用する構成要素、並びに/又は、論理的に相互作用する及び/若しくは論理的に相互作用可能な構成要素を含むが、これらに限定されない。
【0040】
本開示及びそれに付随する利点の多くが、上記の説明により理解されるであろう。また、様々な変更が、開示された主題から逸脱することなく、また、その材料の利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、及び配置に対してなされ得ることが明らかであろう。本文に記載された形態は単なる例示であり、このような様々な変更を包含することが、以下の特許請求の範囲の意図である。また、本発明が、添付の請求の範囲により定義されることが理解されよう。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図3
図4