(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6566544
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 2/30 20060101AFI20190819BHJP
H01M 2/20 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
H01M2/30 C
H01M2/20 A
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-19652(P2015-19652)
(22)【出願日】2015年2月3日
(65)【公開番号】特開2015-149282(P2015-149282A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2017年12月26日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0014186
(32)【優先日】2014年2月7日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100159042
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 徹二
(72)【発明者】
【氏名】鄭 ▲益▼ 在
(72)【発明者】
【氏名】▲裴▼ ▲眠▼ 徹
(72)【発明者】
【氏名】李 智 浩
(72)【発明者】
【氏名】崔 洪 根
(72)【発明者】
【氏名】魯 ▲日▼ 桓
【審査官】
松本 陶子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−140786(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/120774(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0269978(US,A1)
【文献】
特開2012−043714(JP,A)
【文献】
特開2008−270033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/30
H01M 2/20
B23L 26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ端子部を備える複数のバッテリーセルと、
前記端子部上に配置される反射部と、
前記端子部に溶接され、前記複数のバッテリーセルの間を電気的に連結するが、
前記反射部の少なくとも一部を露出させる開口部が形成されたバスバーと、
を含み、前記反射部が反射したレーザーの少なくとも一部は、前記バスバーと前記端子部との間に案内されることを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項2】
前記反射部は、前記開口部を介して流入されるレーザーを反射させることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記反射部の少なくとも一部は、前記レーザーによって前記バスバーと前記端子部との間で溶融されることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記バスバーの前記開口部は、第1開口部、及び前記第1開口部と連通され、前記第1開口部に比べて直径が大きくて、前記端子部に隣接して位置される第2開口部を含み、段差の形状を有することを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記反射部は、前記第2開口部内に位置することを特徴とする請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記反射部は、前記第2開口部に隣接する前記バスバーの一部に接触することを特徴とする請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記反射部は、少なくとも一つの傾斜面を含めて前記開口部を介して流入するレーザーを前記傾斜面に反射させて前記バスバーと前記端子部との間に案内する第1反射部と、
前記第1反射部と前記端子部との間に位置し、前記第2開口部に隣接する前記バスバーの一部に接触する第2反射部と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記第2反射部の露出した表面には凹凸が形成されることを特徴とする請求項7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記バスバーの開口部は、前記端子部から離れるほどサイズが小さくなる形状を有することを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記反射部は、少なくとも一つの傾斜面を含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
前記開口部を介して流入されるレーザーは、前記傾斜面に反射され、前記バスバーと前記端子部との間を結合させることを特徴とする請求項10に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記バスバーの内壁には凹凸が形成されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項13】
露出した前記端子部の表面には凹凸が形成されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項14】
前記反射部の少なくとも一部は、三角形、台形、または曲面形状を有することを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項15】
前記反射部は、前記反射部に加わるレーザーの少なくとも80%を反射させることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項16】
前記反射部は、銀、アルミニウム、銅、及びガラス層と前記ガラス層にコーティングされた金属層を含むミラーの中から選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項17】
それぞれ上面に反射部が配置された複数のバッテリーセルの端子部の間を電気的に連結し、
前記反射部の少なくとも一部を露出させる開口部が形成されたバスバーを位置させる段階と、
前記バスバーと前記端子部との間を溶接する段階と、
を含み、照射されたレーザーは、前記反射部で反射され、少なくとも一部が前記バスバーと前記端子部とが出会う地点へ案内されることを特徴とするバッテリーモジュールの製造方法。
【請求項18】
前記溶接の段階で、前記バスバーに形成された開口部を介してレーザーを照射することを特徴とする請求項17に記載のバッテリーモジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高エネルギー密度の非水電解液を用いた高出力バッテリーモジュールが開発されている。 このような高出力バッテリーモジュールは、高電力を必要とする機器、例えば、電気自動車などのモータ駆動に使用されることができるように、複数のバッテリーセルを並列または直列に連結して高電圧または大容量で具現されている。
このようなバッテリーモジュールを採用する機器が増えつつ、バッテリーモジュールの生産性向上についての研究が進められており、機器の外観が多様化しつつ、これに対応してバッテリーモジュールの形態も多様になることが求められている。但し、バッテリーモジュールは、基本的に安全性が前提されるべきであり、これをすべて満たすことができるバッテリーモジュールの構造に関する研究が多方面へ進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5528571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、上記の課題を解決するために案出されたもので、その目的は、バスバーを通じて各バッテリーセルを連結したとき、電気的安全性を向上させられるバッテリーモジュール及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の実施例によるバッテリーモジュールは、それぞれ端子部を備える複数のバッテリーセルと、前記端子部上に配置される反射部、及び前記端子部に溶接され、前記複数のバッテリーセルの間を電気的に連結するが、前記反射部の少なくとも一部を露出させる開口部が形成されたバスバーを含むことができる。
【0006】
ここで、前記反射部は、前記開口部を介して流入されるレーザーを反射させることができる。
【0007】
また、前記反射部が反射した前記レーザーの少なくとも一部は、前記バスバーと前記端子部との間に案内されうる。
【0008】
また、前記反射部の少なくとも一部は、前記レーザーによって前記バスバーと前記端子部との間で溶融されうる。
【0009】
また、前記バスバーの前記開口部は、段差の形状を有することができる。
【0010】
また、前記バスバーの開口部は、第1開口部、及び前記第1開口部と連通され、前記第1開口部に比べて直径が大きく、前記端子部に隣接して位置する第2開口部を含むことができる。
【0011】
また、前記反射部は、前記第2開口部内に位置することができる。
【0012】
また、前記反射部は、前記第2開口部に隣接する前記バスバーの一部に接触することができる。
【0013】
また、前記反射部は、少なくとも一つの傾斜面を含めて前記開口部を介して流入するレーザーを前記傾斜面に反射させて前記バスバーと前記端子部との間に案内する第1反射部、及び前記第1反射部と、前記端子部との間に位置するが、前記第2開口部に隣接する前記バスバーの一部に接触する第2反射部を含むことができる。
【0014】
また、前記第2反射部の露出した表面には凹凸が形成することができる。
【0015】
また、前記バスバーの開口部は、前記端子部から離れるほどサイズが小さくなる形状を有することができる。
【0016】
また、前記反射部は、少なくとも一つの傾斜面を含むことができる。
【0017】
また、前記開口部を介して流入するレーザーは、前記傾斜面に反射され、前記バスバーと前記端子部との間を結合させることができる。
【0018】
また、前記バスバーの内壁には凹凸が形成することができる。
【0019】
また、露出した前記端子部の表面には凹凸を形成することができる。
【0020】
また、前記反射部の少なくとも一部は、三角形、台形、または曲面形状を有することができる。
【0021】
また、前記反射部は、前記反射部に加わるレーザーの少なくとも80%を反射させることができる。
【0022】
また、前記反射部は、銀、アルミニウム、銅、及びガラス層と前記ガラス層にコーティングされた金属層を含むミラーの中から選択される少なくとも一つを含むことができる。
【0023】
さらに、本発明の実施例によるバッテリーモジュールの製造方法は、それぞれ上面に反射部が配置された複数のバッテリーセルの端子部の間を電気的に連結し、前記反射部の少なくとも一部を露出させる開口部が形成されたバスバーを位置させる段階と、前記バスバーと前記端子部との間を溶接する段階を含むことができる。
【0024】
この際、前記溶接の段階で、前記バスバーに形成された開口部を介してレーザーを照射することができる。
【0025】
また、前記照射されたレーザーは、前記反射部で反射され、少なくとも一部が前記バスバーと前記端子部とが出会う地点へ案内することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明のバッテリーモジュール及びその製造方法によれば、バスバーと端子部との間の溶接部が外部に直接的に露出することなく、溶接部を堅固にすることができ、バスバーの連結による電気的安全性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの斜視図である。
【
図2】
図1に示したバッテリーモジュールの分解斜視図である。
【
図3】
図1に示したバッテリーモジュールと比較するためのバッテリーモジュールの断面図である。
【
図4】
図1に示したバッテリーモジュールと比較するためのバッテリーモジュールの断面図である。
【
図5】
図1に示したA-A'線に沿ったバッテリーモジュールの断面図である。
【
図6】
図5に示したバッテリーモジュールの反射部の多様な形態を示した断面図である。
【
図7】
図5に示したバッテリーモジュールの変形例によるバッテリーモジュールの断面図である。
【
図8】本発明の他の実施例によるバッテリーモジュールの断面図である。
【
図9】本発明のまた他の実施例によるバッテリーモジュールの断面図である。
【
図10】本発明の実施例によるバッテリーモジュールの製造方法を説明するための工程フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の目的、特定の長所及び新規な特徴等は、添付された図面と連関する以下の詳細な説明及び実施例からより明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素らに参照番号を付け加えるにおいて、同じ構成要素らに限っては、たとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同じ番号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、第1、第2などの用語は多様な構成要素らを説明するのに使用しうるが、前記構成要素らは前記用語によって限定されてはならない。前記用語等は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。また、本発明を説明するにおいて、係わる公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に不透明にすると判断される場合、その詳細な説明は略する。
【0029】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール100aの斜視図、
図2は、
図1に示したバッテリーモジュール100aの分解斜視図である。以下、これを参照して本実施例によるバッテリーモジュール100aについて説明する。
【0031】
図1及び
図2に示したように、本実施例によるバッテリーモジュール100aは、複数のバッテリーセル110、バッテリーセル110の間を電気的に連結するバスバー120、及びバッテリーセル110の端子部111に位置する反射部130を含むことができる。
【0032】
バッテリーセル110は、エネルギーを発生する部材であり、複数で構成することができる。ここで、それぞれのバッテリーセル110は、一面が開口されたバッテリーケースとバッテリーケース内に収納された電極組立体、及び電解液を含むことができる。この時、電極組立体及び電解液は、電気化学的に反応してエネルギーを発生することができ、このようなバッテリーケースは、例えばキャップ組立体を含むバッテリーセル110の一面によって密閉することができる。
【0033】
また、バッテリーセル110の一面には、互いに異なる極性を有する端子部111、すなわち、陽極端子と陰極端子とが突出して具備することができ、バッテリーセル110の安全手段として内部から発生する気体を外部へ放出する通路として作用するベント部112がさらに具備することができる。一方、複数のバッテリーセル110は、一方向に整列することができ、直列連結の時には隣接したバッテリーセル110の端子部111の極性が互いに異なるように整列され、並列連結の時には隣接したバッテリーセル110の端子部111の極性が互いに同じくなるように整列することができる。
【0034】
バスバー120は、複数のバッテリーセル110の間を電気的に連結する部材であり、バッテリーセル110の端子部111に、例えば溶接などによって結合することができる。ここで、本実施例を説明するにあたり、バスバー120と端子部111は溶接によって結合されたものと説明するが、本発明は溶接に限定されず、バスバー120と端子部111が結合される場合であれば、本発明に含まれる。また、バスバー120は、複数のバッテリーセル110うち、互いに隣合うバッテリーセル110の端子部111の間を連結して直列または並列の電気的連結を具現することができる。また、バスバー120は、端子部111に溶接することができ、この時溶接に利用されるレーザーがバスバー120と端子部111との間に引入されるようにバスバー120には開口部121が形成することができる。一方、図示しなかったが、複数のバッテリーセル110を固定するとか、収容するためのハウジング、プレートなどがさらに付加することもできる。
【0035】
図3及び
図4は、
図1に示したバッテリーモジュール100aと比較するためのバッテリーモジュールの断面図、
図5は、
図1に示したA-A’線に沿ったバッテリーモジュール100aの断面図、
図6は、
図5に示したバッテリーモジュール100aの反射部130の多様な形態を示した断面図である。
【0036】
以下、これらを参照して本実施例によるバッテリーモジュール100aの反射部130について説明する。前述したように、バスバーには溶接のためのレーザーが導入されるように開口部が形成することができる。この時、
図3のようなバスバー10構造の場合、開口部11を介してレーザーを照射してバスバー10と端子部20との間にレーザーを案内することができる。しかし、このような構造の場合、溶接部が外部に直接的に露出するところ、安全性の側面から好ましくない場合もある。
【0037】
このような問題点を解決する方案として
図4のような構造のバスバー30を考慮して見ることができる。しかし、
図4の構造のようにバスバー30の開口部31が段差形状を有する場合、直進性を有するレーザーを直接開口部31の内壁と端子部40との間、すなわち、溶接部50に案内しにくいことがある。
【0038】
レーザーを傾くようにして照射をしても
図4に示したように溶接を必要としない所にレーザーが触れてしまい、溶接部50以外のバスバー30部分に損傷が発生することがあり、これは電気的安全性の側面からも好ましくない。
【0039】
本発明の場合、
図5に示したように、反射部130を端子部111上に置いてレーザーを溶接部140に伝達することで、このような問題点を解決することができる。具体的に、反射部130は、少なくとも一つの傾斜面131を具備し、開口部121を介して導入されたレーザーは傾斜面131に反射されてバスバー120と端子部111との間、すなわち、溶接部140に案内することができる。
【0040】
この時、開口部121は、段差形状を有し、より具体的には、相対的に端子部111から遠く位置する第1開口部122、及び第1開口部122と連通されるが、相対的に端子部111に隣接して位置し、第1開口部122より直径の大きい第2開口部123を含むことができる。ここで、反射部130は、第2開口部123の内側に位置されることができ、レーザーを反射させて第2開口部123によって定義される内壁と端子部111とが出会う地点へレーザーの少なくとも一部を伝達することができる。
【0041】
これによって、端子部111とバスバー120とが安定的に溶接されながらも溶接部140が外部に直接露出することなく、電気的安全性が向上しうる。この時、溶接部140が直接露出しないという意味は、第1開口部122が第2開口部123より小さくて外部からの影響を相対的に受けないという意味でもあり得る。
【0042】
一方、反射部130は、端子部111上に位置するが、開口部121を介して露出する所に位置することができる。すなわち、開口部121を介して直視した時、反射部130が見えなければならないことを意味する。そうでない場合、レーザーを反射部130に直接当てることができないからである。例えば、第1開口部122の鉛直下方に反射部130を位置させることで、レーザーを反射部130の傾斜面に照射することができる。
【0043】
一方、反射部130は、レーザーの照射によって一部が溶融されることもでき、溶融された一部はバスバー120と端子部111との間に介在されて溶接部140の一部になることも可能である。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、レーザーによって溶融されない物質で反射部130を構成することも可能である。また、溶接部140が溶融される場合には、反射部130の形状が初期とは変わることができるのは勿論である。
【0044】
また、反射部130は、
図6に示したように多様な形状で具現することができる。具体的に、
図6A及び
図6Bのように反射部130、130'の少なくとも一部、例えば、断面は少なくとも一つの傾斜面131を有する三角形または台形形状を有することができ、または
図6Cに示したように反射部130”の断面は、曲面132を有する半円形状を有することもできる。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、反射部130の形状は、開口部121を介して導入されるレーザーを反射させることができる形状であればすべて可能である。また、反射部130の反射率は、例えば、80%以上を有することができるが、反射部130に加えられるレーザーの少なくとも80%を反射させることができるという意味である。また、反射部130は、反射率の高い部材で構成することができるが、例えば、銀、アルミニウム、銅、及びミラーを含むことができる。この時、ミラーは硝子層と硝子層にコーティングされた金属層を含むように構成することができる。
【0045】
図7は、
図5に示したバッテリーモジュール100aの変形例によるバッテリーモジュール100bの断面図である。以下、これを参照して本実施例によるバッテリーモジュール100bについて説明する。
【0046】
前述したように、溶接部が外部に直接的に露出する場合、電気的安全性が劣ることがあり得る。この時、
図5に示したようなバスバー120の外に
図7に示したようなバスバー120bを考慮してみることができる。
図7に示したバスバー120bの場合、開口部121bが端子部111から遠くなるほどサイズが小くなる形状を有し、これによって溶接部140が直接的に外部に露出しないこともあって、電気的安全性が向上されうる。また、バスバー120bと端子部111を溶接するためにレーザーを照射する場合、照射されたレーザーが反射部130によって反射し、レーザーの少なくとも一部がバスバー120bと端子部111との間に案内されるようにすることができる。したがって、バスバー120bと端子部111との間を溶接する工程に便宜を提供することができ、また電気的安全性を向上させることができる。
【0047】
図8は、本発明の他の実施例によるバッテリーモジュール100cの断面図である。以下、これを参照して本実施例によるバッテリーモジュール100cについて説明する。ここで、同じ構成要素には、同じ図面符号で説明し、以前実施例と重複する説明は略する。
【0048】
図8に示したように、本実施例によるバッテリーモジュール100cは、バッテリーセル110、バスバー120、及び反射部130を含むが、バスバー120の内壁及び端子部111の上面の中で少なくとも一つには、凹凸113、124が形成することができる。
【0049】
前述したように反射部130が含まれる場合、レーザーの一部が溶接される地点に案内されることができる。しかしながら、傾斜面131の角度、またはレーザーの照射角度の違いにより、最初から溶接される地点に案内されるレーザーの量が不十分であるか、反射部130がレーザーによって溶融されながら傾斜面131の角度が変わって溶接される地点に案内されるレーザーの量が徐々に十分でなくなることがあり得る。この時、溶接される地点の周囲に乱反射を起こすようになれば、溶接される地点に案内されるレーザーの量を増やすことができるが、本実施例では乱反射を起こすためにバスバー120の開口部121の内壁及び/または端子部111の上面に凹凸113、124を形成することができる。
【0050】
具体的に、バスバー120の第2開口部123の内壁と段差面125に凹凸124を形成するか、または反射部130が位置された地点を除いた端子部111の上面に凹凸113を形成することができ、これによって反射部130によって反射されたレーザーが溶接される地点に正確に案内されなくても第2開口部123の内側空間で乱反射されながら溶接部140に徐々に案内することができる。したがって、溶接工程上便宜を提供することができ、溶接部140を堅固にしてバスバー120の連結による電気的安全性を向上させることができる。
【0051】
図9は、本発明のまた他の実施例によるバッテリーモジュール100dの断面図である。以下、これを参照して本実施例によるバッテリーモジュール100dについて説明する。ここで、同じ構成要素には同じ図面符号で説明し、以前実施例と重複される説明は略する。
【0052】
図9に示したように、本実施例によるバッテリーモジュール100dは、バッテリーセル110、バスバー120、及び反射部130dを含むが、反射部130dの少なくとも一部外側面が第2開口部123に隣接したバスバー120に突き当たることができる。具体的に、反射部130dは、少なくとも一つの傾斜面131を含んで開口部121を介して流入されるレーザーを傾斜面131へ反射させてバスバー120と端子部111との間に案内する第1反射部133、及び第1反射部133と端子部111との間に位置して外側面が第2開口部123に隣接したバスバー120の少なくとも一部に突き当たる第2反射部134を含むことができる。
【0053】
これによって、バスバー120を設置する時、第2反射部134の外側面に第2開口部123に隣接したバスバー120の内壁が突き当たるようにすることで、バスバー120のアラインメント工程を容易にすることができる。また、バスバー120と端子部111との間の空間、すなわち、溶接される地点と実質的に突き当たっている第2反射部134の一部が、レーザーによって溶融されながらバスバー120と端子部111との間に染みこんで溶接部140の一部になりうるため、溶接部140がより堅固に形成されてバスバー120の連結による電気的安全性をさらに向上させることができる。
【0054】
一方、乱反射を起こすために、以前実施例で説明したように第2開口部123の内壁及び段差面125に凹凸124を形成することもでき、乱反射の效果を極大化するために第2反射部134の上面に凹凸135を形成することもできる。この時、第2反射部134の上面に凹凸135を形成する場合、第1反射部133と連結される部分を除いた第2反射部134の上面に凹凸135を形成することができる。
【0055】
図10は、本発明の実施例によるバッテリーモジュールの製造方法を説明するための工程フローチャートである。以下、これを参照して本実施例によるバッテリーモジュールの製造方法について説明する。
【0056】
本実施例によるバッテリーモジュールを製造するためには、まず、複数のバッテリーセル110を準備する(S110)。この時、バッテリーセル110は、整列された状態で準備することができ、各バッテリーセル110の端子部111の上面には反射部130を位置させることができる。
【0057】
次に、複数のバッテリーセル110の間を電気的に連結するバスバー120を端子部111上に位置させることができる(S120)。この時、直列連結、並列連結によってバスバー120を配置することができ、バスバー120には反射部130の少なくとも一部を露出させる開口部121を形成させることができる。
【0058】
次に、バスバー120と端子部111との間を溶接することができる(S130)。この時、バスバー120の開口部121を介してレーザーを照射して直進性のレーザーが反射部130に反射するようにし、反射部130によって反射したレーザーがバスバー120と端子部111とが出会う地点に案内されてバスバー120が端子部111に溶接されるようにすることができる。
【0059】
このような製造方法によってバッテリーモジュールを製造させることができ、当業者であれば凹凸を付け加えるか、反射部の形状を異にするなど、多様に変形して使用可能であることを理解することができ、これは本発明の保護範囲内に含まれると言えるだろう。
【0060】
以上、本発明を具体的な実施例を通じて詳しく説明したが、これは本発明を具体的に説明するためであり、本発明によるバッテリーモジュール及びその製造方法はこれに限定されず、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者によってその変形や改良が可能であることは明白であろう。また、本発明の単なる変形ないし変更は、いずれも本発明の領域に属するもので、本発明の具体的な保護範囲は添付された特許請求の範囲によって明確になるであろう。
【符号の説明】
【0061】
110 バッテリーセル、
111 端子部、
113、124、135 凹凸、
120、120b バスバー、
121、121b 開口部、
122 第1開口部、
123 第2開口部、
130、130'、130”、130d 反射部、
131 傾斜面、
133 第1反射部、
134 第2反射部、
140 溶接部