【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の態様では、薬剤の用量を投薬するための、薬物送達デバイスの駆動機構が提供される。駆動機構は、軸方向に延びる細長いハウジングを含む。一般的に、ハウジングは略管状または円筒形状であり、ユーザが片手で駆動機構または薬物送達デバイス全体を把持して操作できるようにする。
【0015】
駆動機構は、駆動機構により投薬予定の薬剤を含むカートリッジのピストンに動作可能に係合するためのピストンロッドをさらに含む。カートリッジはピストンを含み、このピストンは、軸方向遠位方向への変位により、ピストンの軸方向変位に対応する薬剤の量をカートリッジから排出するように機能する。一般的に、ピストンは、カートリッジを軸方向近位方向に封止する。駆動機構のピストンロッドは、カートリッジのピストンを軸方向遠位方向に変位させるように動作可能である。したがって、ピストンロッドは、遠位方向への推力または圧力をカートリッジのピストンに加えて、ピストンをカートリッジに対して遠位方向に変位させ、所定量の薬剤をカートリッジから投薬するように動作可能である。
【0016】
駆動機構は、駆動スリーブをさらに含み、この駆動スリーブは、ハウジング内に回転可能に支持され、用量設定のためにピストンロッドから一般的に動作可能に解放可能である。一般的に、用量設定のために、駆動スリーブは、ばね要素の作用に対抗して、ハウジングに対して用量増加方向に回転可能である。用量設定手順中、駆動スリーブがピストンロッドから動作可能に連結解除または係合解除されるため、ピストンロッドはハウジングに対して略固定されたままであるが、駆動スリーブはばね要素の作用に対抗して用量増加方向に回転する。
【0017】
そのような駆動スリーブの用量増加回転中、機械的エネルギーを蓄積し蓄えるために、ばね要素が付勢され、または緊張する。次の用量投薬手順中、駆動スリーブは、弛緩するばね要素により、反対の、したがって用量減少方向に駆動される。さらに、用量投薬中、薬剤の予め設定された用量をカートリッジから投薬するために、駆動スリーブは、ピストンロッドに動作可能に接続され動作可能に連結されて、ピストンロッドを遠位方向に駆動する。用量投薬中、駆動スリーブは、駆動力または駆動運動量をピストンロッドに及ぼすように動作可能である。駆動力または駆動運動量は、一般的に、用量設定手順中に予め付勢されたばね要素によって与えられる。このようにして、駆動機構は半自動式である。ユーザは、用量投薬作用をトリガするだけでよく、ピストンロッドを駆動するための機械的エネルギーは付勢されたばね要素によってのみ与えられる。
【0018】
加えて、駆動機構は、駆動スリーブをハウジングに対して回転可能に固着するためのラチェット機構を含む。ラチェット機構により、機械的エネルギーは、用量設定中にばね要素に伝達される。さらに、機械的エネルギーを駆動機構に蓄え、蓄積することができる。ユーザの用量投薬作用のときにのみ、駆動機構を用量設定モードから用量投薬モードに切り替えるために、ラチェット機構が解放される。用量投薬モードでは、駆動スリーブは、一般的にラチェット機構から係合解除されるため、ばね要素の作用下で自由に回転して、駆動力または駆動運動量をピストンロッドに伝達する。
【0019】
ラチェット機構は、第1のラチェット本体および第2のラチェット本体を含む。第1および第2のラチェット本体は、細長いハウジング内に配置され、互いに対して回転可能である。第1のラチェット本体は、第2のラチェット本体の歯付プロファイルに交互に係合するように適用された、第1および第2のラチェット要素を有する。このようにして、第2のラチェット本体を第1のラチェット本体に対して回転させて、第1のラチェット本体の第1および第2のラチェット要素が第2のラチェット本体の歯付プロファイルに連続して係合するようにしてもよい。したがって、第2のラチェット本体を第1のラチェット本体に対して回転させて、第2のラチェット本体が離散的な刻みで第1のラチェット本体に回転可能に固定されるようにしてもよい。
【0020】
一般的に、第1および第2のラチェット本体の相互係合により、第2のラチェット本体に対する第1のラチェット本体の少なくとも一方向への回転が生じる。さらに、第1のラチェット本体は、第2のラチェット本体に対して用量増加方向に回転可能であり、第1のラチェット本体の第1および第2のラチェット要素が連続して、および/または順次、第2のラチェット本体の歯付プロファイルに係合することにより、第1のラチェット本体に対して反対の回転方向、したがって用量減少方向への第2のラチェット本体の自己作動回転を効果的に防止するようにする。
【0021】
第1および第2のラチェット本体の一方は、ハウジングに動作可能に係合または連結され、第1および第2のラチェット本体の他方は、駆動スリーブに動作可能に係合または連結される。また、第1および第2のラチェット本体は、ハウジングおよび/または駆動スリーブと一体形成され、したがって、ハウジングおよび/または駆動スリーブのそれぞれの一部になることができる。
【0022】
第1のラチェット本体は、第2のラチェット本体の歯付プロファイルに交互に係合するように動作可能な少なくとも2つの、すなわち第1および第2のラチェット要素を含むため、かなり正確な、微調整された、または微調節可能なラチェット機構を提供することができ、このラチェット機構は、歯付プロファイルおよび第1のラチェット本体のラチェット要素の形状寸法を最小化する必要なしに、比較的小さい離散的な刻みの回転を実施することができる。第1のラチェット本体の第1および第2のラチェット要素を、第2のラチェット本体の歯付プロファイルに関して所定の片寄りのところに位置させることにより、第1および第2のラチェット要素と歯付プロファイルとの交互の相互係合をもたらすことができる。
【0023】
さらなる実施形態によれば、第1のラチェット本体は、第1のラチェット部材および第2のラチェット部材を含み、第1のラチェット部材は第1のラチェット要素を支持し、第2のラチェット部材は第2のラチェット要素を支持する。第1および第2のラチェット要素を、それぞれの第1および第2のラチェット部材と一体形成してもよい。したがって、第1および/または第2のラチェット要素は、第2のラチェット本体に直接係合するそれぞれのラチェット部材の特定の部分になることができる。
【0024】
さらに、第1および/または第2のラチェット要素は、それぞれの第1および/または第2のラチェット部材に変位可能または回転可能に組み付けられた別個の部品または部材を含んでもよい。一般に、第1および第2のラチェット要素を異なるラチェット部材に設けることにより、それぞれのラチェット要素と第2のラチェット本体との明確な交互の係合を実施することができる。
【0025】
別の実施形態によれば、第1および第2のラチェット部材の第1および第2のラチェット要素は、ラチェット部材の対向する周方向端部に位置する。ラチェット部材は、一般的に、第2のラチェット本体の環状の歯付プロファイルに沿って延びる。したがって、第1および第2のラチェット部材の各々または少なくとも一方は、半円形またはアーチ状のラチェットアームを含むことができる。それぞれのラチェット要素は、一般的に、第2のラチェット本体の歯付プロファイルに係合するために、半円形または円弧状のラチェット部材から半径方向内方または半径方向外方へ延びる。
【0026】
一般的に、第1のラチェット本体が半径方向に制限され、または第2のラチェット本体によって周方向に囲まれると、第1のラチェット本体の第1および第2のラチェット要素は、半径方向外方へ延びて、第2のラチェット本体の半径方向内向きの歯付プロファイルに係合する。他の実施形態では、第2のラチェット本体が第1のラチェット本体内に半径方向に位置することも考えられる。その後、第1のラチェット本体の第1および第2のラチェット要素は、半径方向内方へ延びて、第1のラチェット本体の外周に位置する、第1のラチェット本体の歯付プロファイルに交互に係合する。第1および第2のラチェット要素を、第1および第2のラチェット部材の対向する周方向端部に設けることにより、第2のラチェット本体の歯付プロファイルの、それぞれの対向して位置する部分は、第1のラチェット本体およびその第1のラチェット部材に交互に係合することができる。交互に係合する第1および第2のラチェット要素を対向して、特に、第1および第2のラチェット部材の径方向に対向する端部に配置することにより、第1のラチェット要素は歯付プロファイルに係合し、第2のラチェット要素は歯付プロファイルから略係合解除され、かつ逆も同様である。
【0027】
別の実施形態によれば、ラチェット要素の位置および幾何学的形状は、第1のラチェット本体のラチェット要素の一方が第2のラチェット本体の歯付プロファイルに係合し、ラチェット要素の他方が歯付プロファイルから効果的に係合解除されるように、かつ逆も同様であるようになっている。一般的な実施形態では、第1のラチェット本体のラチェット部材の第1および第2のラチェット要素は、第2のラチェット本体の歯付プロファイルの歯の規則的な配置に関して位相ずれする。第2のラチェット本体の歯付プロファイルの様々な歯が角度距離Lで分離される場合、第1のラチェット本体の第1および第2のラチェット要素は、互いに角度距離n+L/2だけ分離され、ここで、nは第2のラチェット本体の歯付プロファイルの歯の整数を表す。このようにして、歯付プロファイルに関する第1および第2のラチェット要素間のある種の180°位相ずれを実現することができる。
【0028】
180°またはpi位相ずれとは別に、第1および第2のラチェット要素間のpi/4、pi/6またはpi/8の位相ずれも考えられる。このようにして、投与精度をさらに高めることができ、かつ/または連続する投与刻みの刻み幅をさらに小さく、または最小化することができる。
【0029】
さらなる実施形態によれば、第1のラチェット本体の第1および第2のラチェット部材の少なくとも一方は、半径方向に旋回可能および/または弾力変形可能である。一般的に、ラチェット部材の少なくとも一方または両方は、復元力に対抗して半径方向に旋回可能および/または弾力変形可能である。前記復元力は、ラチェット部材および/またはそのラチェット要素の固有の可撓性によって生じる。あるいは、少なくとも1つのラチェット部材および/またはそのラチェット要素は、ばねなどの復元要素の効果により、半径方向に旋回可能であってよい。いずれにしても、第1および/または第2のラチェット部材の旋回可能および/または弾力支持によって、第1および第2のラチェット要素と第2のラチェット本体の歯付プロファイルとのかなりの自己作動相互係合をもたらす。
【0030】
ハウジングに対する駆動スリーブの用量増加回転中、したがって、第2または第1のラチェット本体に対する第1または第2のラチェット本体の用量増加回転中、第2のラチェット本体の歯付プロファイルが第1のラチェット本体の第1および第2のラチェット要素に連続的に、または交互に噛み合うと、第1および第2のラチェット部材の少なくとも一方は、それぞれ弾力もしくは可撓性変形するか、または旋回する。さらに、ラチェット要素と歯付プロファイルとの連続した規則的な係合により、例えば、用量設定手順が進行中であること、および離散的な刻みで用量サイズが増減することの可聴フィードバックをユーザに与える。例えばインスリンの投薬のための薬物送達デバイスとして実装するときには、ラチェット機構によって決まる離散的な投与刻みは、インスリンの単一国際単位IUに対応することができる。
【0031】
別の実施形態によれば、第1および第2のラチェット要素の少なくとも一方は、第1および第2のラチェット本体間に作用するトルクが第1の所定の閾値未満であるときに、第1のラチェット本体に対する第2のラチェット本体の用量減少方向への回転を阻止するように適用される。前記第1の閾値未満のトルクまたは駆動力が駆動スリーブに与えられた場合、ラチェット機構は、駆動スリーブの用量増加回転のみを可能にし、反対方向の用量減少回転を禁止する一方向ラチェットを提供する。第1および第2のラチェット本体間のトルクの第1の所定の閾値は、一般的に、付勢されたばね要素によって与えることのできる最大トルクよりも大きい。
【0032】
このようにして、ラチェット機構は、緊張したばね要素によって駆動させることのできる駆動スリーブの自己作動回転変位を禁止して、連動するように機能する。このようにして、ばね要素に伝達される機械的エネルギーをばね要素に蓄積することができ、ラチェット機構により駆動機構に安全に蓄えることができる。
【0033】
この第2のラチェット本体の回転のトルク感知(torque sensitive)またはトルク依存阻止は、第1のラチェット本体ならびにその第1および第2のラチェット要素の特定の形状、特定の弾性特性または弾力特性によって達成可能である。形状および弾性特性ならびにラチェット要素と第2のラチェット本体の歯付プロファイルとの間に作用する摩擦力は、第1および第2のラチェット本体間に作用する保持力または保持トルクが、付勢されたばね要素により与えられるトルクよりも小さくなるように選択され設計される。
【0034】
別の実施形態によれば、第1および第2のラチェット要素の少なくとも一方は、第1および第2のラチェット本体間に作用するトルクが第1の所定の閾値以上であるときに、第1のラチェット本体に対する第2のラチェット本体の用量減少方向への回転を解放するように適用される。このようにして、第1および/または第2のラチェット要素と第2のラチェット本体の歯付プロファイルとの相互係合は、第1の所定の閾値以上のトルクを加えることにより、ラチェット機構の回転連動を無効にすることができるように設計される。
【0035】
このようにして、ラチェット機構も、設定用量を補正するために必要となり得る、ハウジングに対する駆動スリーブの用量減少回転を支持する。第1の閾値トルクの大きさは、第1のラチェット本体のラチェット要素の可撓性、ならびに/または第1および/もしくは第2のラチェット部材の可撓性、ならびにしたがって半径方向への旋回変位に対抗するラチェット要素の復元力、さらにラチェット要素の形状、ならびに第2のラチェット本体の対応する歯付プロファイルの形状によって決まる。歯付プロファイルの歯の形状の修正、ならびに第1のラチェット本体のラチェット要素もしくはそのラチェット部材の弾力または旋回可能な挙動の修正は、いずれにしてもトルク閾値に影響する可能性がある。
【0036】
相互係合する歯付プロファイルおよびラチェット要素の形状を適切に設計することにより、ならびに第1のラチェット本体の第1および第2のラチェット部材の少なくとも一方の明確な旋回可能または弾力変形可能な挙動を利用することにより、第1の所定の閾値を、ラチェット機構および駆動機構の一般的な要件に従って増減させることができる。
【0037】
形状および弾性特性ならびにラチェット要素と第2のラチェット本体の歯付プロファイルとの間に作用する摩擦力は、付勢されたばね要素により与えられるトルクを伴う、ユーザにより誘発される第2のラチェット本体の用量減少回転が、第1および第2のラチェット本体間に作用する保持力または保持トルクよりも大きくなるように選択され設計される。
【0038】
別の実施形態によれば、第1および第2のラチェット要素の少なくとも一方は、代替的に、またはさらに、第2のラチェット本体が第1のラチェット本体に対して用量増加方向および/または用量減少方向に回転するときに、所定の大きさの減速力を第2のラチェット本体に加えるように適用される。第1および/または第2のラチェット要素は、第2のラチェット本体の歯付プロファイルに噛み合うこともできる。
【0039】
形状および弾性特性ならびにラチェット要素と第2のラチェット本体の歯付プロファイルとの間に作用する摩擦力は、第1および/または第2のラチェット要素が所定の大きさの減速力を第2のラチェット本体に向けて加えるように選択され設計される。
【0040】
さらなる実施形態によれば、第1および第2のラチェット部材は、駆動スリーブの長手方向軸に対して対称に形成され、かつ/または対称に配置される。さらに、第1および第2のラチェット部材を一体形成してもよく、相互に連結してもよい。対称に形成され、かつ/または対称に配置された第1および第2のラチェット部材を有することにより、第2のラチェット本体の歯付プロファイルの略対向して位置する部分は、第1および第2のラチェット部材のラチェット要素に交互に、または同時に係合することができる。
【0041】
さらに、および一般に、第1および第2のラチェット要素も、略等しい形状を含むことができ、第1のラチェット本体を通って延びる長手方向軸に関して対称に配置される。
【0042】
別の実施形態によれば、第1のラチェット要素および/または第2のラチェット要素は、第2のラチェット本体の歯付プロファイルの幾何学的に対向する部分に配置される。第1および第2のラチェット要素は略等しい形および幾何学的形状であるため、第1および第2のラチェット本体が用量増加または用量減少方向に相互に回転すると、歯付プロファイルとの略等しい交互の係合をもたらすことができる。特に、第1および第2のラチェット要素は、歯付プロファイルに交互に係合することができ、n+L/2の周方向の片寄りで互いに対して位置することができる。
【0043】
別の実施形態によれば、第1のラチェット要素は、第2のラチェット本体の歯付プロファイルの周期に関して、第2のラチェット要素に対して位相ずれする。このようにして、第1および第2のラチェット要素は、交互に係合することができ、または第2のラチェット本体の歯付プロファイルに交互に噛み合うことができる。第1および第2のラチェット要素間の位相ずれは、第2のラチェット本体の歯付プロファイルの歯の周期に関して約180°であってよい。
【0044】
さらに別の実施形態では、第1および第2のラチェット本体は、第1および第2のラチェット本体に選択的に係合し、かつ第1および第2のラチェット本体から選択的に係合解除されるように、互いに対して軸方向に変位可能である。一般的に、第1および第2のラチェット本体は、駆動機構が用量設定モードにあるときに、歯付構造によって、かつ第1および第2のラチェット要素によって相互に係合する。この構成では、駆動スリーブがピストンロッドから係合解除され、したがって、用量を設定するために用量増加および用量減少方向に回転することができる。
【0045】
駆動スリーブをハウジングに対して軸方向に変位させることにより、駆動スリーブは、トルクまたは力を伝達するような方法でピストンロッドに動作可能に係合する。駆動機構を用量設定モードから用量投薬モードに切り替えることにより、第1および第2のラチェット本体も、動作可能に係合解除されるように、互いに対して軸方向に変位する。例えば、ハウジングに対する、したがってハウジングに固着された第1のラチェット本体に対する第2のラチェット本体のこの軸方向変位により、第1のラチェット本体のラチェット要素が歯付プロファイルから係合解除されて、第1のラチェット本体に対する第2のラチェット本体の回転を有効にする。
【0046】
このようにして、駆動スリーブも駆動機構のハウジングから動作可能に係合解除されて、予め緊張させたばね要素の作用により、駆動スリーブを回転させることができる。一般的に、第1および第2のラチェット本体の互いに対する軸方向変位は、保持ばね要素の作用に対抗して行われる。第1および第2のラチェット本体の軸方向変位を、一般的にハウジングの近位端に位置する駆動機構の作動部材を押し下げることによって、トリガすることができる。作動部材の押下げは、一般的に、保持ばね要素の作用に対抗して行われて、第1および第2のラチェット本体の係合解除が、例えば軸方向遠位方向への作動部材の一定の押下げを必要とするようにする。
【0047】
保持ばね要素は、作動部材が、例えばユーザの親指によってもはや押し下げられなくなるとすぐに、第1および第2のラチェット本体を相互係合構成に戻すように機能する。このようにして、作動部材の初期または早期解放により、第1および第2のラチェット本体の相互係合によるラチェット機構、したがって駆動機構の自己ロッキングが生じる。このようにして、ばね要素に蓄えられた機械的エネルギーは失われることなく、駆動機構内に残る。
【0048】
さらなる実施形態によれば、第1のラチェット本体はハウジングに固着され、またはハウジングと一体形成され、例えばそれぞれの円弧状または半円形のラチェット部材から半径方向内方へ延びる第1および第2のラチェット要素を含む。そして、第2のラチェット本体は、駆動スリーブに固着され、または駆動スリーブと一体形成され、第1のラチェット本体の第1および第2のラチェット要素と噛み合うための半径方向外方へ延びる歯付プロファイルを含む。第1および第2のラチェット本体がハウジングおよび駆動スリーブのそれぞれと一体形成される構成では、第1および第2のラチェット本体は、ハウジングおよび駆動スリーブのそれぞれの一部となるだけである。この構成では、ラチェット機構は、何らかのさらなる機械的部材を設ける必要なく、駆動スリーブおよびハウジングに直接実装される。
【0049】
代替実施形態では、第1のラチェット本体は、駆動スリーブに固着され、または駆動スリーブと一体形成され、一般的にそれぞれの円弧状または半円形のラチェット部材から延びる、半径方向外方へ延びる第1および第2のラチェット要素を含む。さらに、この構成では、第2のラチェット本体はハウジングに固着され、またはハウジングと一体形成され、半径方向内方へ延びる歯付プロファイルを含む。歯付プロファイルは、管状ハウジングの側壁の内向き部分に位置することができ、第1のラチェット本体の半径方向外方へ延びるラチェット要素は、半径方向外方へ付勢されて、歯付プロファイルと噛み合う。
【0050】
別の態様によれば、本発明はまた、薬剤の用量を投薬するための薬物送達デバイスに関する。薬物送達デバイスは、前述した駆動機構と、薬物送達により投薬予定の薬剤が少なくとも部分的に充填されたカートリッジとを含む。カートリッジは、駆動機構のハウジング内、または、ハウジングに解放可能もしくは解放不可能に固着される、薬物送達デバイスのカートリッジホルダ内に配置される。使い捨て薬物送達デバイスとして設計されるときには、カートリッジホルダは、ハウジングまたは薬物送達デバイスの本体に解放不可能に取り付けられ固着される。したがって、薬物送達デバイスは、薬剤が充填されたカートリッジを受けて収容するためのカートリッジホルダを含む。
【0051】
この文脈では、遠位方向とはデバイスの投薬端の方向を指し、ここで、好ましくは、薬剤送達のために生物組織または患者の皮膚に挿入予定の両頭注射針を有するニードルアセンブリが設けられる。
【0052】
近位端または近位方向とは、投薬端から最も離れたデバイスまたはその部材の端部を指す。一般的に、作動部材が薬物送達デバイスの近位端に位置し、この作動部材は、用量を設定するために回転させるようユーザにより直接操作可能であり、用量を投薬するために遠位方向へ押し下げられるよう操作可能である。
【0053】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0054】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0055】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0056】
エキセンジン−4は、例えば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0057】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0058】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0059】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0060】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、例えば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0061】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0062】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(例えば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0063】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0064】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C
H)と可変領域(V
H)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0065】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0066】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(VH)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0067】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0068】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、例えば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、例えば、アルカリまたはアルカリ土類、例えば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0069】
薬学的に許容される溶媒和物は、例えば、水和物である。
【0070】
本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に様々な修正および変更を行ってもよいことが当業者にさらに明らかになろう。さらに、添付の特許請求の範囲で使用される参照符号は、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではないことに留意されたい。
【0071】
図面の簡単な説明を以下に示す。