特許第6568888号(P6568888)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6568888液晶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6568888
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】液晶媒体
(51)【国際特許分類】
   C09K 19/42 20060101AFI20190819BHJP
   C09K 19/30 20060101ALI20190819BHJP
   C09K 19/12 20060101ALI20190819BHJP
   C09K 19/20 20060101ALI20190819BHJP
   C09K 19/14 20060101ALI20190819BHJP
   C09K 19/16 20060101ALI20190819BHJP
   C09K 19/32 20060101ALI20190819BHJP
   C09K 19/34 20060101ALI20190819BHJP
   C09K 19/54 20060101ALI20190819BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20190819BHJP
   G02F 1/139 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   C09K19/42
   C09K19/30
   C09K19/12
   C09K19/20
   C09K19/14
   C09K19/16
   C09K19/32
   C09K19/34
   C09K19/54 C
   G02F1/13 500
   G02F1/139
【請求項の数】41
【外国語出願】
【全頁数】215
(21)【出願番号】特願2017-54110(P2017-54110)
(22)【出願日】2017年3月21日
(62)【分割の表示】特願2012-276756(P2012-276756)の分割
【原出願日】2012年12月19日
(65)【公開番号】特開2017-160436(P2017-160436A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2017年4月20日
(31)【優先権主張番号】10 2011 121 665.4
(32)【優先日】2011年12月20日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】メラニー・クラセン−メムマー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ロイター
(72)【発明者】
【氏名】ロッコ・フォルッテ
(72)【発明者】
【氏名】デトレフ・パウルート
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・ブレマー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート・ヘンセル
(72)【発明者】
【氏名】ハラルド・ヒルシュマン
【審査官】 吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/132451(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/119779(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/072370(WO,A1)
【文献】 米国特許第06366330(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 19/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)式I
【化1】
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式中、
およびR1*はそれぞれ、互いに独立して、1〜15のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を示し、ここで、さらに、これらの基における1または2以上のCH基はそれぞれ、互いに独立して、−C≡C−、−CFO−、−CH=CH−、
【化2】
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−O−、−CO−O−、−O−CO−により、O原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、および、さらに、1または2以上のH原子がハロゲンにより置き換えられていてもよく、
は、単結合、−CHCH−、−CH=CH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−C−、−CF=CF−または−CH=CHCHO−を示し、
およびLはそれぞれ、互いに独立して、F、Cl、CFまたはCHFを示す、
で表される少なくとも1種の化合物、
ii)式L−1〜L−11、P−4、CCH−n−m、CCH−n−OmおよびEY
【化3】
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【化4】
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式中、
R、RおよびRはそれぞれ、互いに独立して、H、1〜15のC原子を有し、非置換であるか、CNまたはCFにより単置換されており、またはハロゲンにより単置換されているアルキル基を示し、ここでさらに、これらの基における1または2以上のCH基は−O−、−S−、
【化5】
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−C≡C−、−CFO−、−OCF−、−OC−O−または−O−CO−によりO原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、
alkylは1〜6のC原子を有するアルキル基を示し、および
sは、1または2を示す、
【化6】
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式中、
は1〜15のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を示し、ここで、さらに、これらの基における1または2以上のCH基はそれぞれ、互いに独立して、−C≡C−、−CFO−、−CH=CH−、
【化7】
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−O−、−CO−O−、−O−CO−により、O原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、および、さらに、1または2以上のH原子がハロゲンにより置き換えられていてもよい、
【化8】
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式中、nおよびmはそれぞれ、互いに独立して、1、2、3または4を示す、
【化9】
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式中、nおよびmはそれぞれ、互いに独立して、1、2、3、4、5または6を示す、
【化10】
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式中、
およびR1*はそれぞれ、互いに独立して、1〜15のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を示し、ここで、さらに、これらの基における1または2以上のCH基はそれぞれ、互いに独立して、−C≡C−、−CFO−、−CH=CH−、
【化11】
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−O−、−CO−O−、−O−CO−により、O原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、および、さらに、1または2以上のH原子がハロゲンにより置き換えられていてもよく、
およびLはそれぞれ、互いに独立して、F、Cl、CFまたはCHFを示す、
で表される化合物の群から選択される1種または2種以上の化合物、
iii)式IIA、IIBおよびIIC
【化12】
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式中、
2AおよびR2Bはそれぞれ、互いに独立して、H、1〜15のC原子を有し、非置換であるか、CNまたはCFにより単置換されている、またはハロゲンにより単置換されているアルキル基を示し、ここでさらに、これらの基における1または2以上のCH基は−O−、−S−、
【化13】
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−C≡C−、−CFO−、−OCF−、−OC−O−または−O−CO−によりO原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、を示すか、あるいは、2〜6のC原子を有する直鎖アルケニルを示し、
2Cは、H、1〜15のC原子を有し、非置換であるか、CNまたはCFにより単置換されている、またはハロゲンにより単置換されているアルキル基を示し、ここでさらに、これらの基における1または2以上のCH基は−O−、−S−、
【化14】
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−C≡C−、−CFO−、−OCF−、−OC−O−または−O−CO−によりO原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、
1〜4はそれぞれ、互いに独立して、FまたはClを示し、
およびZ’はそれぞれ、互いに独立して、単結合、−CHCH−、−CH=CH−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−C−、−CF=CF−、または−CH=CHCHO−を示し、
pは、1または2を示し、
qは、1または2を示し、および
vは、1〜6を示す、
で表される化合物の群から選択される2種または3種以上の化合物、および
iv)下記化合物
【化15】
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【化16】
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【化17】
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【化18】
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【化19】
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式中、
nは1、2、3、4、5、6または7を示す、
で表される化合物から選択される添加剤
を含有する、但し、
下記式(2)で表される化合物
【化20】
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式中、
およびRは独立して、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり;XおよびXは独立して、フッ素または塩素であり;Zは、エチレンまたはメチレンオキシを示す、
を含有せず、
かつ、重合性化合物を含有しないことを特徴とする、液晶媒体。
【請求項2】
式Iで表される少なくとも2種の化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の液晶媒体。
【請求項3】
式Iで表される少なくとも3種の化合物を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の液晶媒体。
【請求項4】
式IにおけるRが、直鎖のアルキルであるCH、C、n−Cまたはn−Cを示す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項5】
式IにおけるLおよびLがそれぞれ、フッ素を示す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項6】
式IにおけるZが単結合を示すことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項7】
式I−A
【化21】
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式中、
およびR1*はそれぞれ、互いに独立して、1〜15のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を示し、ここで、さらに、これらの基における1または2以上のCH基はそれぞれ、互いに独立して、−C≡C−、−CFO−、−CH=CH−、
【化22】
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−O−、−CO−O−、−O−CO−により、O原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、および、さらに、1または2以上のH原子がハロゲンにより置き換えられていてもよい、
で表される少なくとも2種の化合物を含むことを特徴とする、請求項2に記載の液晶媒体。
【請求項8】
式I−A
【化23】
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式中、
およびR1*はそれぞれ、互いに独立して、1〜15のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を示し、ここで、さらに、これらの基における1または2以上のCH基はそれぞれ、互いに独立して、−C≡C−、−CFO−、−CH=CH−、
【化24】
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−O−、−CO−O−、−O−CO−により、O原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、および、さらに、1または2以上のH原子がハロゲンにより置き換えられていてもよい、
で表される少なくとも3種の化合物を含むことを特徴とする、請求項3に記載の液晶媒体。
【請求項9】
【化25】
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で表される化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の液晶媒体。
【請求項10】
【化26】
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【化27】
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の群から選択される少なくとも3種の式Iで表される化合物を含むことを特徴とする、請求項9に記載の液晶媒体。
【請求項11】
媒体が式Y−nO−Om
【化28】
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式中、nおよびmはそれぞれ、互いに独立して、1、2、3、4、5または6を示す、
で表される少なくとも1種の式EYで表される化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項12】
媒体が式O−16a
【化29】
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で表される少なくとも1種の式CCH−n−mで表される化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項13】
媒体が式O−16d
【化30】
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で表される少なくとも1種の式CCH−n−mで表される化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項14】
式I−1〜I−145
【化31】
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【化32】
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【化33】
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【化34】
[この文献は図面を表示できません]

【化35】
[この文献は図面を表示できません]

【化36】
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【化37】
[この文献は図面を表示できません]

【化38】
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【化39】
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【化40】
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【化41】
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【化42】
[この文献は図面を表示できません]

【化43】
[この文献は図面を表示できません]

【化44】
[この文献は図面を表示できません]

【化45】
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【化46】
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【化47】
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式中、LおよびLは請求項1で示される意味を有する、
で表される少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項15】
式I−1、I−3、I−7、I−13、I−15、I−19、I−25およびI−26で表される少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする、請求項14に記載の液晶媒体。
【請求項16】
式I−1、I−3、I−7、I−13、I−15、I−19、I−25およびI−26で表される化合物の群から選択される少なくとも2種の化合物を含むことを特徴とする、請求項15に記載の液晶媒体。
【請求項17】
全体としての混合物における式Iで表される1種または2種以上の化合物の比率が5〜65重量%であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項18】
全体としての混合物における式Iで表される1種または2種以上の化合物の比率が10〜45重量%であることを特徴とする、請求項17に記載の液晶媒体。
【請求項19】
さらに下記の群から選択される1種または2種以上の化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【化48】
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【請求項20】
媒体が下記化合物を含有することを特徴とする、請求項19に記載の液晶媒体。
【化49】
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【請求項21】
媒体がIIC−1
【化50】
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式中、alkylおよびalkylはそれぞれ、互いに独立して1〜6のC原子を有する直鎖アルキル基を示す
で表される化合物を含有することを特徴とする、請求項20に記載の液晶媒体。
【請求項22】
さらに式III
【化51】
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式中、
31およびR32はそれぞれ、互いに独立して、12以下のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシアルキルまたはアルコキシ基を示し、
【化52】
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は、単結合、−CHCH−、−CH=CH−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−C−、−C−または−CF=CF−を示す
で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜21のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項23】
媒体がさらに式L−1〜L−11
【化53】
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【化54】
[この文献は図面を表示できません]

式中、
R、RおよびRはそれぞれ、互いに独立して、H、1〜15のC原子を有し、非置換であるか、CNまたはCFにより単置換されており、またはハロゲンにより単置換されているアルキル基を示し、ここでさらに、これらの基における1または2以上のCH基は−O−、−S−、
【化55】
[この文献は図面を表示できません]

−C≡C−、−CFO−、−OCF−、−OC−O−または−O−CO−によりO原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、
alkylは1〜6のC原子を有するアルキル基を示し、および
sは、1または2を示す
で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項24】
媒体がさらに、式T−1〜T−21
【化56】
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【化57】
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【化58】
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【化59】
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式中、
Rは、1〜7のC原子を有する直鎖のアルキルまたはアルコキシ基を示し、
mは、0、1、2、3、4、5または6を示し、および
nは、0、1、2、3または4を示す
で表される1種または2種以上のターフェニルを含むことを特徴とする、請求項1〜23のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項25】
媒体が式T−20またはT−21
【化60】
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式中、
Rは、1〜7のC原子を有する直鎖のアルキルまたはアルコキシ基を示し、
mは、1〜6を示し、および
nは、0〜4を示す
で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項24に記載の液晶媒体。
【請求項26】
媒体がさらに、式O−1〜O−17
【化61】
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【化62】
[この文献は図面を表示できません]

式中、
およびRはそれぞれ、互いに独立してH、1〜15のC原子を有し、非置換であるか、CNまたはCFにより単置換されている、またはハロゲンにより単置換されているアルキル基を示し、ここでさらに、これらの基における1または2以上のCH基は−O−、−S−、
【化63】
[この文献は図面を表示できません]

−C≡C−、−CFO−、−OCF−、−OC−O−または−O−CO−によりO原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよい、
で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜25のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項27】
媒体が式O−15a、O−15b、O−16a、O−16b、O−16cまたはO−16d
【化64】
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で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項26に記載の液晶媒体。
【請求項28】
さらに式B−1および/またはB−2
【化65】
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式中、
alkylおよびalkylはそれぞれ、互いに独立して、1〜6のC原子を有する直鎖のアルキル基を示し、および
alkenylは、2〜6のC原子を有する直鎖のアルケニル基を示す、
で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜27のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項29】
式B−1および/またはB−2におけるalkylおよびalkylがそれぞれ、互いに独立して、3〜5のC原子を有する直鎖のアルキル基を示すことを特徴とする、請求項28に記載の液晶媒体。
【請求項30】
さらに式IIC−1、T−20、T−21、B−1、B−2、O−15およびO−16
【化66】
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【化67】
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式中、
alkylおよびalkylはそれぞれ、互いに独立して、1〜6のC原子を有する直鎖のアルキル基を示し、
alkenylは、2〜6のC原子を有する直鎖のアルケニル基を示し、
Rは、1〜7のC原子を有する直鎖のアルキルまたはアルコキシ基を示し、
mは、0、1、2、3、4、5または6を示し、
nは、0、1、2、3または4を示し、および
およびRはそれぞれ、互いに独立してH、1〜15のC原子を有し、非置換であるか、CNまたはCFにより単置換されている、またはハロゲンにより単置換されているアルキル基を示し、ここでさらに、これらの基における1または2以上のCH基は−O−、−S−、
【化68】
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−C≡C−、−CFO−、−OCF−、−OC−O−または−O−CO−によりO原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよい、
で表される化合物から選択される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜29のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項31】
媒体がさらに、式In
【化69】
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式中、
11、R12、R13はそれぞれ、互いに独立して、1〜5のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキルまたはアルケニル基を示し、
12およびR13は、加えてまたハロゲンを示し、
【化70】
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iは、0、1または2を示す
で表される1種または2種以上のインダン化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜30のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項32】
媒体がさらに、式P4
【化71】
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式中、Rは1〜15のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を示し、ここで、さらに、これらの基における1または2以上のCH基はそれぞれ、互いに独立して、−C≡C−、−CFO−、−CH=CH−、
【化72】
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−O−、−CO−O−、−O−CO−により、O原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、および、さらに、1または2以上のH原子がハロゲンにより置き換えられていてもよい、
で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜31のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項33】
媒体がさらに、式BC、CR、PH−1、PH−2およびBF
【化73】
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式中、
B1、RB2、RCR1、RCR2、R、Rはそれぞれ、互いに独立して、H、1〜15のC原子を有し、非置換であるか、CNまたはCFにより単置換されている、またはハロゲンにより単置換されているアルキル基を示し、ここでさらに、これらの基における1または2以上のCH基は−O−、−S−、
【化74】
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−C≡C−、−CFO−、−OCF−、−OC−O−または−O−CO−によりO原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、
cは0、1または2である、
で表される1種または2種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜32のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項34】
媒体がさらに、抗酸化剤、UV吸収剤、ナノ粒子およびマイクロ粒子の群から選択される1種または2種以上の添加剤を含むことを特徴とする、請求項1〜33のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項35】
添加剤が安定剤であり、安定剤がブチル化ヒドロキシトルエン誘導体またはセバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)から選択されることを特徴とする、請求項1〜34のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項36】
ブチル化ヒドロキシトルエン誘導体が2,6−ジ−tert−ブチル−4−アルキルフェノールであることを特徴とする、請求項35に記載の液晶媒体。
【請求項37】
式Iで表される少なくとも1種の化合物がL−1〜L−11、P−4、CCH−n−m、CCH−n−OmおよびEYから選択される1種または2種以上の化合物とともに混合され、および1種または2種以上の添加剤が任意に加えられることを特徴とする、請求項1〜36のいずれか一項に記載の液晶媒体の調製方法。
【請求項38】
添加剤が抗酸化剤、UV吸収剤、ナノ粒子、マイクロ粒子、およびドーパントの群から選択されることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
電気光学ディスプレイにおける、請求項1〜36のいずれか一項に記載の液晶媒体の使用。
【請求項40】
誘電体として、請求項1〜36のいずれか一項に記載の液晶媒体を含有することを特徴とする、アクティブマトリックスアドレッシングを有する電気光学ディスプレイ。
【請求項41】
VA、PALC、FFSまたはIPSディスプレイであることを特徴とする、請求項40に記載の電気光学ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I
【化1】
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式中、
およびR1*はそれぞれ、互いに独立して、1〜15のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を示し、ここで、さらに、これらの基における1または2以上のCH基はそれぞれ、互いに独立して、−C≡C−、−CFO−、−CH=CH−
【化2】
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−O−、−CO−O−、−O−CO−により、O原子が互いに直接結合しないように置換されていてもよく、およびそこにおいて、さらに、1または2以上のH原子はハロゲンにより置換されていてもよく、
は、単結合、−CHCH−、−CH=CH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−C−、−CF=CF−または−CH=CHCHO−を示し、
およびLはそれぞれ、互いに独立して、F、Cl、CF、OCFまたはCHFを示す、
で表される少なくとも1種の化合物を含む液晶媒体に関する。
【0002】
この種の媒体は、とくに、ECB効果に基づいてアドレスするアクティブマトリックスを有する電気光学ディスプレイのために、およびIPS(平面内切り替え)ディスプレイまたはFFS(フリンジ領域切り替え)ディスプレイのために用いられることができる。
【背景技術】
【0003】
電気的に制御された複屈折の法則、ECB効果あるいはまたDAP(配向された相の変形(deformation of aligned phases))効果が、1971年に初めて記述された((M.F. Schieckel and K. Fahrenschon,"Deformation of nematic liquid crystals with vertical orientation in electrical fields",Appl. Phys. Lett. 19 (1971),3912))。J.F. Kahn (Appl. Phys. Lett. 20 (1972),1193)ならびにG. LabrunieおよびJ. Robert (J. Appl. Phys. 44 (1973),4869)による論文が、これに続いた。
【0004】
J. RobertおよびF. Clerc (SID 80 Digest Techn. Papers (1980),30)、J. Duchene (Displays 7 (1986),3)およびH. Schad (SID 82 Digest Techn. Papers (1982),244)による論文は、ECB効果に基づく高度な情報ディスプレイ素子における使用に対し好適であるために、高い値の弾性定数の比K/K、高い値の光学異方性Δnおよび誘電異方性Δε≦−0.5の値を、液晶相は有しなければならないことを示した。誘電的に負の液晶媒体がまた、いわゆるIPSまたはFFS効果を用いるディスプレイで用いられることができる。
【0005】
いわゆるVAN(垂直整列ネマチック(vertically aligned nematic))ディスプレイとして、ECB効果、例えばMVA(マルチドメイン垂直整列((multi-domain vertical alignment)、例えば:Yoshide,H. et al.,paper 3.1: "MVA LCD for Notebook or Mobile PCs ...",SID 2004 International Symposium,Digest of Technical Papers,XXXV,Book I,pp. 6 to 9,and Liu,C.T. et al.,paper 15.1: "A 46-inch TFT-LCD HDTV Technology ...",SID 2004 International Symposium,Digest of Technical Papers,XXXV,Book II,pp. 750 to 753)、PVA(パターン化垂直整列(patterned vertical alignment)、例えば:Kim,Sang Soo,paper 15.4: "Super PVA Sets New State-of-the-Art for LCD-TV",SID 2004 International Symposium,Digest of Technical Papers,XXXV,Book II,pp. 760 to 763)、ASV(アドバンスト・スーパー・ビュー(advanced super view)、例えば:Shigeta,Mitzuhiro and Fukuoka,Hirofumi,paper 15.2: "Development of High Quality LCDTV",SID 2004 International Symposium,Digest of Technical Papers,XXXV,Book II,pp. 754 to 757)モードを用いるディスプレイが、IPS(平面内切り替え(in-plane switching))ディスプレイ(例えば:Yeo,S.D.,paper 15.3: "An LC Display for the TV Application",SID 2004 International Symposium,Digest of Technical Papers,XXXV,Book II,pp. 758 & 759)および長きにわたって知られるTN(twisted nematic)ディスプレイに加えて、現在特にテレビ用途のために最も重要である近年の3つタイプの液晶ディスプレイの1つとして地位を確立した。
【0006】
かかる技術は、一般的な方式において、例えば、Souk,Jun,SID Seminar 2004,seminar M-6: "Recent Advances in LCD Technology",Seminar Lecture Notes,M-6/1 to M-6/26、およびMiller,Ian,SID Seminar 2004,seminar M-7: "LCD-Television",Seminar Lecture Notes,M-7/1 to M-7/32で比較される。近代のECBディスプレイの応答時間はすでに、オーバードライブでのアドレス方法により顕著に改善されたが、例えば:Kim,Hyeon Kyeong et al.,paper 9.1: "A 57-in. Wide UXGA TFT-LCD for HDTV Application",SID 2004 International Symposium,Digest of Technical Papers,XXXV,Book I,pp. 106 to 109、特にモノクロ階調(grey shades)の切り替えにおける、ビデオコンパチブルな応答時間の達成は、未だに、納得のいく解決がされていない問題である。
【0007】
電気光学ディスプレイ素子におけるこの効果を産業的に利用するためには、多様な要件を充足しなければならないLC相を必要とする。ここで特に重要なのは、湿気、空気および物理的影響、例えば熱、赤外線および紫外線照射ならびに直流および交流電界などに対する化学的な抵抗性である。
さらに、産業的に利用できるLC相は、好適な温度範囲および低い粘度において液晶中間相(liquid-crystalline mesophase)を有することを要する。
【0008】
液晶中間相を有する、今までに開示された一連の化合物はいずれも、全てのこれらの要件を充足する化合物を1つも含まない。それゆえ、LC相として用いられることができる材料を得るために、2〜25種、好ましくは3〜18種の化合物の混合物が一般的に調製される。しかし、有意に負の誘電異方性および適切に長期の安定性を有する液晶材料が今までに利用可能でなかったため、このような方法で容易に最適な相を調製することは不可能であった。
【0009】
マトリックス液晶ディスプレイ(MLC displays)が公知である。個々のピクセルを個々に切り替えるために用いられることができる非線形素子は、例えば能動素子(つまり、トランジスタ)である。そして、用語「アクティブマトリックス」が用いて、2つのタイプ:
1.基板としてのシリコンウエハー上のMOS(金属酸化膜半導体(metal oxide semiconductor))
2.基板としてのガラス板状の薄膜トランジスタ(thin-film transistors)(TFT)
の間で差別化がなされる。
【0010】
タイプ1の場合、用いられる電気光学効果は、通常、動的散乱またはゲストホスト効果である。さまざまな部分のディスプレイのモジュールアセンブリでさえジョイントにおいて問題を生じるため、基板としての単結晶シリコンの使用は、ディスプレイのサイズを制限する。
好ましく、より有望であるタイプ2の場合、電気光学効果は通常はTN効果である。
【0011】
2つの技術:化合物半導体、例えば、CdSeなどを含むTFT、あるいは多結晶またはアモルファスシリコンに基づくTFTの間で、区別がなされる。後者の技術は、世界中で集約的に取り組まれている。
【0012】
TFTマトリックスはディスプレイの一方のガラス板の内部に適用される一方で、他方のガラス板はその内部に透明な対電極を担持する。画素電極のサイズと比較すると、TFTは非常に小さく、実質的に画像上に悪影響を有しない。この技術をまた、赤、緑および青のフィルターのモザイクが、フィルター素子がそれぞれの切り替え可能な画素の反対側となるように配置される、フルカラーが可能なディスプレイへと拡張させることができる。
【0013】
MLCディスプレイの用語は、本明細書において、統合非線形素子での任意のマトリックスディスプレイ、つまりアクティブマトリックスに加え、受動素子、例えばバリスタまたはダイオード(MIM=金属−絶縁体−金属)などの受動素子でのディスプレイもまた網羅する。
【0014】
この種のMLCディスプレイは、TV用途(例えばポケットTV)あるいは自動車または航空機構造における高度な情報ディスプレイに対し、特に好適である。コントラストの角度依存性および応答時間の問題に加え、液晶混合物の十分ではない高さの比抵抗性のため、MLCディスプレイで困難がまた生じる[TOGASHI,S.,SEKIGUCHI,K.,TANABE,H.,YAMAMOTO,E.,SORIMACHI,K.,TAJIMA,E.,WATANABE,H.,SHIMIZU,H.,Proc. Eurodisplay 84,Sept. 1984: A 210-288 Matrix LCD Controlled by Double Stage Diode Rings,pp. 141 ff.,Paris; STROMER,M.,Proc. Eurodisplay 84,Sept. 1984: Design of Thin Film Transistors for Matrix Addressing of Television Liquid Crystal Displays,pp. 145 ff.,Paris]。抵抗が低下すると、MLCディスプレイのコントラストが劣化する。液晶混合物の比抵抗は、ディスプレイの内部表面との相互作用のために、MLCディスプレイの寿命にわたって一般的に低下するため、長期の作動期間にわたって受容可能な抵抗値を有しなければならないディスプレイに対し、高い(初期)抵抗が非常に重要である。
【0015】
それゆえ、さまざまなモノクロ階調を作り出すことができる、非常に高い比抵抗、同時に広い作動温度範囲、短い応答時間および低いしきい値電圧を有するMLCディスプレイに対する大きな需要が継続している。
【0016】
頻繁に用いられるMLC−TNディスプレイの不利は、これらのディスプレイにおける比較的低いコントラスト、相対的に高い視野角依存性およびモノクロ階調を作り出す困難に起因する。
【0017】
VAディスプレイは、顕著により良好な視野角依存性を有し、それゆえ主にテレビジョンおよびモニターに対して用いられる。しかし、応答時間を改善する必要性がここに継続して存在する。しかし、例えば低温安定性および信頼性などの特性が同時に損なわれてはならない。
【発明の概要】
【0018】
本発明は、ECB効果に、あるいはIPSまたはFFS効果に基づき、上述の不利を有さないか、または低度に有するのみである、特にモニターおよびTV用途のための液晶混合物を提供する目的に基づく。特に、モニターおよびテレビに対し、それらが極度な高温および極度な低温においても作動し、同時に短い応答時間および同時に改善された信頼性挙動を有し、特には長い作動時間後に焼き付きを有しないか有意に低下して有するのみであるということが確保されなければならない。
【0019】
驚くべきことに、一般式Iで表される、1または2種以上の、好ましくは2種の極性化合物が液晶媒体において、特に負の誘電異方性を有するLC混合物において、好ましくはVAディスプレイに対して用いられると、回転粘度値ひいては応答時間を改善することができる。式Iで表される化合物のおかげで、短い応答時間を、同時に良好な相特性および良好な低温挙動を有する液晶混合物を、好ましくはVA、PS−VA、PSA、IPSおよびFFS混合物を調製できる。
【0020】
それゆえ本発明は、式Iで表わされる少なくとも1種の化合物を含む液晶媒体に関する。
【0021】
本発明の混合物は、≧70℃の、好ましくは≧75℃の、特に≧80℃の透明点を有する非常に広いネマチック相範囲、非常に好ましい値の容電しきい値、相対的に高値の保持率および同時に非常に良好な−20℃および−30℃における低温安定性、ならびに非常に低い回転粘度値および短い応答時間を呈する。本発明による混合物はさらに、回転粘度γにおける改善に加えて、応答時間を改善するための相対的に高値な弾性定数K33を観測することができるという事実により識別される。式Iで表される化合物は、Δn>0.1を有することが意図される負のΔεの混合物の調製に好適である。
【0022】
本発明の混合物のいくつかの好ましい態様が、以下に示される。
【0023】
式Iで表される化合物において、Rは好ましくは直鎖のアルキルを、特にCH、C、n−C、n−C、n−C11およびn−C13を示す。
【0024】
式Iで表される化合物において、R1*は好ましくは直鎖のアルコキシ、特にOC、OC、OC、OC11、OC13を、さらにアルケニルオキシ、特にOCHCH=CH、OCHCH=CHCH、OCHCH=CHCを、さらにアルキル、特にn−C、n−C、n−C11、n−C13を示す。
【0025】
式Iで表される好ましい化合物は、式I1〜I−145
【0026】
【化3】
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【0027】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0028】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0029】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【0030】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【0031】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
【0032】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
【0033】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【0034】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0035】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0036】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0037】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0038】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【0039】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0040】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0041】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0042】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
およびLはそれぞれ、互いに独立して、FまたはClを示す、
で表される化合物である。式Iで表される化合物および副次式I−1〜I−145において、好ましくはL=L=Fである。Zは、好ましくは単結合を示す。
【0043】
特に好ましいのは、式I−1、I−3、I−7、I−13、I−15、I−19、I−25およびI−26で表される化合物である。
【0044】
本発明による混合物は、非常に特に好ましくは、式I−Aで表される少なくとも2種の化合物を含む:
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0045】
本発明による混合物は、非常に特に好ましくは、以下の群からの少なくとも2種の化合物を含む:
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
【0046】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
【0047】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【0048】
好ましいのは、さらには、式Iで表される少なくとも3種の化合物を含む混合物である。本発明の混合物は、好ましくは、以下の3種の化合物を含む:
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0049】
【化25】
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【0050】
式Iで表される化合物は、例えば、U.S. 5,273,680からのものであり、および公知の方法により製造することできる。
【0051】
本発明の媒体は、好ましくは、2、3、4または5種以上の、好ましくは2または3種の、式Iで表わされる化合物を含む。
【0052】
式Iで表される化合物は、好ましくは、液晶媒体において、混合物全体に基づいて、5〜65重量%の、好ましくは10〜45重量%の量で用いられる。特に好ましいのは、25〜45重量%の、1または2種以上の、好ましくは2または3種の式Iで表される化合物を含む液晶媒体である。
【0053】
本発明の液晶媒体の好ましい態様を、以下に示す:
【0054】
a)式IIA、IIBおよびIIC
【化26】
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【0055】
式中、
2A、R2BおよびR2Cはそれぞれ、互いに独立して、H、非置換またはCNまたはCFにより単置換されている、あるいはハロゲンにより少なくとも単置換されている、15C原子以下を有するアルキル基を示し、ここで、さらに、これらの基における1または2以上のCH基は、−O−、−S−、
【化27】
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−C≡C−、−CFO−、−OCF−、−OC−O−または−O−CO−により、O原子が互いに直接結合しないように置換されていてもよく、
【0056】
1〜4はそれぞれ、互いに独立して、F、Cl、CFまたはCHFを示し、
およびZ2’はそれぞれ、互いに独立して、−CHCH−、−CH=CH−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−C−、−CF=CF−、−CH=CHCHO−を示し、
【0057】
pは、1または2を示し、
qは、1または2を示し、および
vは、1〜6を示す
で表される化合物の群から選択される1または2種以上の化合物をさらに含む液晶媒体。
【0058】
式IIAおよびIIBで表される化合物において、Zは独立したまたは異なる意味を有してもよい。式IIBで表される化合物において、ZおよびZ2’は独立したまたは異なる意味を有してもよい。
【0059】
式IIA、IIBおよびIICで表される化合物において、R2A、R2BおよびR2Cはそれぞれ、好ましくは1〜6のC原子を有するアルキルを、特にCH、C、n−C、n−C、n−C11を示す。
【0060】
式IIAおよびIIBで表される化合物において、L、L、LおよびLは好ましくはL=L=FおよびL=L=Fを示し、さらにL=FおよびL=Cl、L=ClおよびL=F、L=FおよびL=Cl、L=ClおよびL=Fを示す。式IIAおよびIIbにおいて、ZおよびZ’はそれぞれ、互いに独立して単結合を、さらに−C−架橋を示す。
式IIBにおいてZ=−C−である場合、Z2’は好ましくは単結合であり、またはZ2’=−C−である場合、Zは好ましくは単結合である。式IIAおよびIIBで表される化合物において、(O)C2v+1は好ましくはOC2v+1を示し、さらにC2v+1を示す。式IICで表される化合物において、(O)C2v+1は好ましくはC2v+1を示す。式IICで表される化合物において、LおよびLは好ましくはそれぞれFを示す。
【0061】
式IIA、IIBおよびIICで表される好ましい化合物を以下に示す:
【0062】
【化28】
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【0063】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0064】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0065】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0066】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0067】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0068】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
式中、alkylおよびalkylはそれぞれ、互いに独立して1〜6のC原子を有する直鎖アルキルを示し、およびalkenylは2〜6のC原子を有する直鎖アルケニルを示す。
【0069】
本発明による特に好ましい混合物は、式IIA−2、IIA−8、IIA−14、IIA−29、IIA−35、IIB−2、IIB−12およびIIC−1で表される1または2種以上の化合物を含む。
【0070】
全体としての混合物における式IIAおよび/またはIIBで表される化合物の比率は、好ましくは少なくとも20重量%である。
【0071】
本発明による特に好ましい媒体は、式IIC
【化35】
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式中、alkylおよびalkylは上で示される意味を有する
で表される少なくとも1種の化合物を、好ましくは>3重量%の、特に>5重量%の、および特に好ましくは5〜25重量%の量で含む。
【0072】
b)式III
【化36】
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【0073】
式中、
31およびR32はそれぞれ、互いに独立して、12以下のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシアルキルまたはアルコキシ基を示し、および
【0074】
【化37】
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【0075】
は、単結合、−CHCH−、−CH=CH−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−C−、−C−、−CF=CF−を示す、
で表される1または2種以上の化合物をさらに含む液晶媒体。
【0076】
式IIIで表される好ましい化合物を以下に示す:
【化38】
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【0077】
式中、
alkylおよびalkylはそれぞれ、互いに独立して1〜6のC原子を有する直鎖アルキル基を示す。
【0078】
本発明による媒体は、好ましくは、式IIIaおよび/またはIIIbで表される少なくとも1種の化合物含む。
【0079】
全体としての化合物における式IIIで表される化合物の比率は、好ましくは少なくとも5重量%である。
【0080】
c)式
【化39】
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で表される化合物を、全体で好ましくは≧5重量%の量で、特に≧10重量%の量でさらに含む液晶媒体。
【0081】
好ましいのは、さらには、化合物
【化40】
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を含む本発明による混合物である。
【0082】
d)式
【化41】
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【0083】
【化42】
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式中、
7〜10はそれぞれ、互いに独立して、R2Aに対して示される意味の1つを有し、および、
wおよびxはそれぞれ、互いに独立して、1〜6を示す、
で表される1または2種以上の四環化合物をさらに含む液晶媒体。
【0084】
特に好ましいのは、式V−9で表される少なくとも1種の化合物を含む混合物である。
【0085】
e)式Y−1〜Y−6
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0086】
式中、
14〜R19はそれぞれ、互いに独立して、1〜6のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を示し;zおよびmはそれぞれ、互いに独立して1〜6を示し;xは0、1、2または3を示す、
で表される1または2種以上の化合物をさらに含む液晶媒体。
【0087】
本発明による媒体は、特に好ましくは式Y−1〜Y−6で表される1または2種以上の化合物を、好ましくは≧5重量%の量で含む。
【0088】
f)式T−1〜T−21
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0089】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0090】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0091】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0092】
式中、
Rは、1〜7のC原子を有する直鎖のアルキルまたはアルコキシ基を示し、ならびにm=0、1、2、3、4、5または6およびnは0、1、2、3または4を示す、
で表される1または2以上のフッ素化ターフェニルをさらに含む液晶媒体。
Rは好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシを示す。
【0093】
本発明による媒体は、好ましくは、式T−1〜T−21で表されるターフェニルを、2〜30重量%の、特に5〜20重量%の量で含む。
【0094】
特に好ましいのは、T−1、T−2、T−20およびT−21で表される化合物である。これらに化合物において、Rは、それぞれ1〜5のC原子を有するアルキル、さらにはアルコキシを示す。式T−20で表される化合物において、Rはアルキルまたはアルケニルを、特にアルキルを示す。式T−21で表される化合物において、Rは好ましくはアルキルを示す。
【0095】
ターフェニルは、好ましくは、本発明による混合物において、混合物のΔn値が≧0.1となるような場合に用いられる。好ましい混合物は、2〜20重量%の化合物T−1〜T−21の群から選択される1または2種以上のターフェニル化合物を含む。
【0096】
g)式B−1〜B−3
【化48】
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【0097】
式中、
alkylおよびalkylはそれぞれ、互いに独立して、1〜6のC原子を、好ましくは3〜5のC原子を有する直鎖のアルキル基を示し、および
alkenylおよびalkenylはそれぞれ、互いに独立して、2〜6のC原子を有する直鎖のアルケニル基を示す、
で表される1または2種以上のビフェニルをさらに含む液晶媒体。
【0098】
全体としての混合物における式B−1〜B−3で表されるビフェニルの比率は、好ましくは少なくとも3重量%、特に≧5重量%である。
【0099】
式B−1〜B−3で表される化合物のうち、式B−2で表される化合物が特に好ましい。
【0100】
特に好ましいビフェニルは、
【化49】
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【0101】
式中、alkylは1〜6のC原子を有するアルキル基を示す、
である。本発明による媒体は、特に好ましくは、1または2種以上の式B−1aおよび/またはB−2cで表される化合物を含む。
【0102】
h)式Z−1〜Z−7
【化50】
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式中、Rおよびalkylは上で示される意味を有する、
で表される少なくとも1種の化合物を含む液晶媒体。
【0103】
i)式O−1〜O−17
【化51】
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【0104】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0105】
式中、RおよびRは、R2Aに対して示される意味を有する、
で表される少なくとも1種の化合物を含む液晶媒体。RおよびRは好ましくはそれぞれ、互いに独立して、直鎖アルキルを示す。
【0106】
好ましい媒体は、式O−1、O−3、O−4、O−5、O−9、O−13、O−14、O−15、O−16および/またはO−17で表される1または2種以上の化合物を含む。
【0107】
本発明による混合物は、非常に特に好ましくは、式O−9、O−15、O−16および/またはO−17で表される1または2種以上の化合物を、特に5〜30%の量で含む。
【0108】
式O−15およびO−16で表される好ましい化合物を、以下に示す:
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0109】
本発明による媒体は、特に好ましくは、式O−15aおよび/または式O−15bで表される三環化合物を、式O−16a〜O−16dで表される1または2種以上の二環化合物と組み合わせて含む。式O−16a〜O−16dで表される二環化合物から選択される1または2種以上の化合物との組み合せにおける式O−15aおよび/またはO−15bで表される化合物の合計の比率は、5〜40%、非常に特に好ましくは15〜35%である。
【0110】
非常に特に好ましい混合物は、化合物O−15aおよびO−16a:
【化54】
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を含む。
【0111】
化合物O−15aおよびO−16aは、好ましくは、混合物中において、全体としての混合物に基づいて、15〜35%、特に好ましくは15〜25%および特に好ましくは18〜22%の濃度で存在する。
【0112】
非常に特に好ましい混合物は、化合物O−15bおよびO−16a:
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。
【0113】
化合物O−15bおよびO−16aは、好ましくは、混合物中において、全体としての混合物に基づいて、15〜35%、特に好ましくは15〜25%および特に好ましくは18〜22%の濃度で存在する。
【0114】
非常に特に好ましい混合物は、以下の3種の化合物を含む:
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0115】
化合物O−15a、O−15bおよびO−16aは好ましくは、混合物において、全体としての混合物に基づいて、15〜35%、特に好ましくは15〜25%および特に好ましくは18〜22%の濃度で存在する。
【0116】
j)本発明による好ましい液晶媒体は、テトラヒドロナフチルまたはナフチル単位を含有する1または2種以上の物質、例えば、式N−1〜N−5
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0117】
式中、R1NおよびR2Nはそれぞれ、互いに独立して、R2Aに対して示される意味を有し、好ましくは直鎖のアルキル、直鎖のアルコキシまたは直鎖のアルケニルを示し、および
【0118】
およびZはそれぞれ、互いに独立して、−C−、−CH=CH−、−(CH−、−(CHO−、−O(CH−、−CH=CHCHCH−、−CHCHCH=CH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−C−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CFO−、−OCF−、−CH−または単結合を示す、
で表される化合物などを含む。
【0119】
k)好ましい混合物は、式BCで表されるジフルオロジベンゾクロマン化合物、式CRで表されるクロマン、式PH−1およびPH−2で表されるフッ素化フェナントレン、式BFで表されるフッ素化ジベンゾフラン
【化58】
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【0120】
式中、
B1、RB2、RCR1、RCR2、R、Rはそれぞれ、互いに独立して、R2Aの意味を有する。cは0、1または2である、
の群から選択される1または2種以上の化合物を含む。
【0121】
本発明による混合物は好ましくは、式BC、CR、PH−1、PH−2および/またはBFで表される化合物を、3〜20重量%の量で、特に3〜15重量%の量で含む。
【0122】
式BCおよびCRで表される特に好ましい化合物は、式BC−1〜BC−7およびCR−1〜CR−5
【化59】
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【0123】
【化60】
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【0124】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0125】
式中、
alkylおよびalkylはそれぞれ、互いに独立して、1〜6のC原子を有する直鎖のアルキル基を示し、および
alkenylおよびalknenylはそれぞれ、互いに独立して、2〜6のC原子を有する直鎖のアルケニル基を示す、
で表される化合物である。
【0126】
非常に特に好ましいのは、式BC−2で表される1、2または3種の化合物を含む混合物である。
【0127】
l)好ましい混合物は、式In
【化62】
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【0128】
式中、
11、R12、R13はそれぞれ、互いに独立して、1〜6のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキルまたはアルケニル基を示し、
12およびR13は加えてハロゲン、好ましくはFを示し、
【0129】
【化63】
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【0130】
iは、0、1または2を示す、
で表される1または2種以上のインダン化合物を含む。
【0131】
式Inで表される好ましい化合物は、以下に示される式In−1〜In−16:
【化64】
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【0132】
【化65】
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【0133】
【化66】
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で表される化合物である。
【0134】
特に好ましいのは、式In−1、In−2、In−3およびIn−4で表される化合物である。
【0135】
式Inおよび副次式In−1〜In−16で表される化合物は、好ましくは、本発明の混合物において、≧5重量%、特に5〜30重量%および非常に特に好ましくは5〜25重量%の濃度で用いられる。
【0136】
m)好ましい混合物は加えて、式L−1〜L−11
【0137】
【化67】
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【0138】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0139】
式中、
R、RおよびRはそれぞれ、互いに独立して、R2Aに対して示される意味を有し、およびalkylは1〜6のC原子を有するアルキル基を示す。sは1または2を示す、
で表される1または2種以上の化合物を含む。
【0140】
特に好ましいのは、式L−1およびL−4、特にL−4で表される化合物である。
【0141】
式L−1〜L−11で表される化合物は、好ましくは、5〜50重量%の濃度で、特に5〜40重量%の濃度でおよび非常に特に好ましくは10〜40重量%の濃度で用いられる。
【0142】
n)媒体は加えて、式EY
【化69】
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式中、R、R1*、LおよびLは式Iで示される意味を有する、
で表される1または2種以上の化合物を含む。式EYで表される化合物において、RおよびR1*は、好ましくは、≧2のC原子を有するアルコキシを示し、およびL=L=Fである。
【0143】
特に好ましいのは式:
【化70】
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【0144】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0145】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0146】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0147】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
で表される化合物である。
【0148】
式EYで表される化合物は、好ましくは、全体としての混合物に基づいて、3〜15重量%の量で用いられる。
【0149】
本発明による混合物は、好ましくは、式P4
【化75】
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式中、Rは式Iに対して示される意味を有する、
で表される1または2種以上の化合物を含む。
【0150】
式P4で表される化合物は、好ましくは、本発明による混合物中において、0〜5重量%の濃度で、特に0〜2重量%の濃度で存在する。
【0151】
特に好ましい混合物概念を以下に示す:(用いられる頭文字は表Aにおいて説明される。nおよびmはここではそれぞれ、互いに独立して、1〜6を示す。)
【0152】
本発明による混合物は、好ましくは、
− 式I、式中L=L=FおよびR=アルキルおよびR1*=アルコキシ、で表される1または2種以上の化合物;
【0153】
− 全体としての混合物に基づいて、好ましくは>5%の、特に10〜30%の濃度で、CPY−n−Om、特にCPY−2−O2、CPY−3−O2および/またはCPY−5−O2
ならびに/あるいは
【0154】
− 全体としての混合物に基づいて、好ましくは>5%の、特に15〜50%の濃度で、CY−n−Om、好ましくはCY−3−O2、CY−3−O4、CY−5−O2および/またはCY−5−O4
ならびに/あるいは
【0155】
− 全体としての混合物に基づいて、好ましくは>5%の、特に10〜30%の濃度で、CCY−n−Om、好ましくはCY−2−O2、CCY−3−O1、CCY−3−O2、CCY−3−O3、CCY−4−O2および/またはCCY−5−O2
ならびに/あるいは
【0156】
− 全体としての混合物に基づいて、好ましくは>5%の、特に10〜30%の濃度で、CLY−n−Om、好ましくはCLY−2−O4、CLY−3−O2および/またはCLY−3−O3
ならびに/あるいは、
【0157】
− 全体としての混合物に基づいて、好ましくは>5%の、特に5〜25%の濃度で、CK−n−F、好ましくはCK−3−F、CK−4−Fおよび/またはCK−5−F
を含む。
【0158】
好ましいのは、さらには、以下:
(nおよびmはそれぞれ、互いに独立して、1〜6を示す。)
− 全体としての混合物に基づいて、好ましくは10〜80%の濃度で、CPY−n−OmおよびCY−n−Om
ならびに/あるいは
【0159】
− 全体としての混合物に基づいて、好ましくは10〜70%の濃度で、CPY−n−OmおよびCK−n−F
ならびに/あるいは
【0160】
− 全体としての混合物に基づいて、好ましくは10〜80%の濃度で、CPY−n−OmおよびCLY−n−Om
ならびに/あるいは
【0161】
− 全体としての混合物に基づいて、好ましくは8〜16%の濃度で、Y−nO−Om
の混合物概念を含む本発明による混合物である。
【0162】
本発明は、ECB、VA、PS−VA、IPSまたはFFS効果に基づくアクティブマトリックスアドレッシングを有する電気光学ディスプレイであって、誘電体としての特許請求の範囲による液晶媒体を含有することを特徴とする該電気光学ディスプレイに関する。
【0163】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、≦−20℃〜≧70℃、特に好ましくは≦−30℃〜≧80℃、非常に特に好ましくは≦−40℃〜≧90℃のネマチック相を有する。
【0164】
表現「ネマチック相を有する」は、一方で対応する温度での低温度でスメクティック相および結晶化が観察されず、および他方でネマチック相からの加熱で透明化が未だ起こらないことを意味する。低温度での調査を、対応する温度で流動粘度計で実行し、そして電気光学使用に対応する層厚さを有するテストセル中における少なくとも100時間の貯蔵により確認した。−20℃の温度での対応するテストセル中での貯蔵安定性が1000h以上であるならば、媒体はこの温度で安定であると言及される。−30℃および−40℃の温度において、対応する時間はそれぞれ500hおよび250hである。高温において、透明点はキャピラリー中で従来の方法により測定される。
【0165】
液晶混合物は、好ましくは、少なくとも60Kのネマチック相範囲および20℃において最大30mm・s−1の流動粘度ν20を有する。
液晶混合物における複屈折率Δnの値は、一般的に0.07〜0.16、好ましくは0.0〜0.12である。
【0166】
本発明による液晶混合物は、−0.5〜−8.0、特に−2.5〜−6.0のΔεを有し、ここでΔεは誘電異方性を示す。20℃における回転粘度γは、好ましくは≦165mPa・s、特に≦140mPa・sである。
本発明による液晶媒体は、しきい値電圧(V)に関し、相対的に低い値を有する。好ましくは1.7V〜3.0V、特に好ましくは≦2.5Vおよび非常に特に好ましくは≦2.3Vの範囲である。
【0167】
本発明に関し、用語「しきい値電圧」は、他に明示的に示さなければ、フレデリックしきい値としてもまた公知である容量しきい値(V)に関する。
さらに、本発明による液晶媒体は、液晶セル中での電圧保持率に関し、高値を有する。
一般的に、低いアドレス電圧またはしきい値電圧を有する液晶媒体は、高いアドレス電圧またはしきい値電圧を有するものよりも低い電圧保持率を有し、その逆もまたあてはまる。
【0168】
本発明に関し、用語「誘電的に正の化合物」はΔε>1.5を有する化合物を示し、用語「誘電的にニュートラルな化合物」は−1.5≦Δε≦1.5を有するものを示し、および用語「誘電的に負の化合物」はΔε<−1.5を有するものを示す。化合物の誘電異方性は、本明細書においては、10%の化合物を液晶ホスト中に溶解させ、そして1kHzでホメオトロピックおよびホモジニアス表面配向を有する20μmの層厚さを有するそれぞれの場合における少なくとも1つのテストセル中で得られた混合物の電気容量を決定することにより、決定される。測定電圧は典型的には0.5V〜1.0Vであるが、常にそれぞれの調査された液晶混合物の容量しきい値よりも低い。
【0169】
本発明に関して示される全ての温度値は、℃である。
本発明による混合物は、すべてのVA−TFT用途、例えば、VAN、MVA、(S)−PVA、ASV、PSA(ポリマー維持VA(polymer sustained VA))およびPS−VA(ポリマー安定化VA(polymer stabilized VA))などに対して好適である。さらに、これらは、負のΔεを有するIPS(平面内切り替え(in-plane switching))およびFFS(フリンジ領域切り替え(fringe field switching))用途に対して好適である。
【0170】
本発明によるディスプレイにおけるネマチック液晶混合物は、自体1または2種以上の個々の化合物からなる、2つの成分AおよびBを一般的に含む。
成分Aは有意に負の誘電異方性を有し、ネマチック相に≦−0.5の誘電異方性を与える。式Iで表される1または2種以上の化合物に加え、好ましくは式IIA、IIBおよび/またはIICで表される化合物、さらにまた式IIIで表される化合物を含む。
【0171】
成分Aの割合は好ましくは45〜100%、特に60〜100%である。
成分Aに対し、好ましくは、Δε≦−0.8の値を有する1種(または2種以上)の個々の化合物が選択される。混合物全体におけるAの割合がより小さい場合、この値は、より負でなければならない。
【0172】
成分Bはネマトゲン性、20℃において30mm・s−1以下、好ましくは25mm・s−1以下の流動粘度を示す。
成分Bにおいて特に好ましい個々の化合物は、20℃において18mm・s−1以下の、好ましくは12mm・s−1以下の流動粘度を有する、極端に低粘性のネマチック液晶である。
【0173】
成分Bは単変性な(monotropically)または互変性な(enantiotropically)ネマチックであり、スメクティック相を有さず、液晶混合物中で非常に低い温度へと低下する際のスメクティック相の出現を妨げることができる。例えば、高度にネマトゲン性のさまざまな材料がスメクティック液晶混合物へと添加される場合、これらの材料のネマトゲン性を、達成されるスメクティック相の抑制の程度により比較することができる。
【0174】
混合物はまた、Δε≧1.5の誘電異方性を有する化合物を含む、成分Cを任意に含んでもよい。これらのいわゆる正の化合物は、一般的に、混合物全体に基づいて、≦20重量%の量で負の誘電異方性の混合物中に存在する。
好適な材料の多様性は、文献から当業者に公知である。特に好ましくは、式IIIで表される化合物である。
【0175】
さらに、これらの液晶相はまた、18より多い成分、好ましくは18〜25の成分を含んでもよい。
式Iで表される1または2種以上の化合物に加えて、かかる相は、好ましくは、4〜15、特に5〜12および特に好ましくは<10の、式IIA、IIBおよび/またはIICおよび任意にIIIで表される化合物を含む。
式Iで表される化合物ならびに式IIA、IIBおよび/またはIICおよび任意のIIIで表される化合物に加えて、他の構成要素がまた、例えば混合物全体の45%以下の、しかし好ましくは35%以下の、特に10%以下の量で存在してもよい。
【0176】
他の構成要素は、アゾオキシベンゼン類、ベンジリデンアニリン類、ビフェニル類、ターフェニル類、フェニルまたはシクロヘキシル安息香酸塩類、フェニルまたはシクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸塩類、フェニルシクロヘキサン類、シクロヘキシルビフェニル類、シクロヘキシルシクロヘキサン類、シクロヘキシルナフタレン類、1,4−ビスシクロヘキシルビフェニル類またはシクロヘキシルピリミジン類、フェニル−またはシクロヘキシルジオキサン類、任意にハロゲン化されたスチルベン類、ベンジルフェニルエーテル類、トラン類および桂皮酸エステル類のクラスからの、ネマチックまたはネマトゲン性物質、特に公知の物質から好ましく選択される。
【0177】
この種の液晶相の成分として好適である最も重要な化合物は、式IV
20−L−G−E−R21 IV
式中、LおよびEはそれぞれ、1,4−二置換ベンゼンおよびシクロヘキサン環、4,4’−二置換ビフェニル、フェニルシクロヘキサンおよびシクロヘキシルシクロヘキサン系、2,5−二置換ピリミジンおよび1,3−ジオキサン環、2,6−二置換ナフタレン、ジ−およびテトラヒドロナフタレン、キナゾリンおよびテトラヒドロキナゾキンにより形成される群からの炭素環系または複素環状環系を示し、
【0178】
Gは、−CH=CH−、 −N(O)=N−、
−CH=CQ−、 −CH=N(O)−、
−C≡C−、 −CH−CH−、
−CO−O−、 −CH−O−、
−CO−S−、 −CH−S−、
−CH=N−、 −COO−Phe−COO−、
−CFO−、 −CF=CF−、
−OCF−、 −OCH−、
−(CH−、 −(CHO−、
またはC−C単結合を示し、Qはハロゲン、好ましくは塩素または−CNを示し、ならびにR20およびR21はそれぞれ、18までの、好ましくは8までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキルまたはアルコキシカルボニルオキシ、またはこれらの基の1つは代わりにCN、NC、NO、NCS、CF、SF、OCF,F、ClまたはBrを示す、
により特徴付けられることができる。
【0179】
これらの化合物の多くにおいて、R20およびR21は互いに異なり、これらの基の1つは通常はアルキルまたはアルコキシ基である。提唱される置換基の他の変化形もまた一般的である。多くのかかる物質またはその混合物もまた、商業的に入手可能である。全てのこれらの物質を、文献から公知の方法により製造できる。
【0180】
当業者には言うまでもなく、本発明によるVA、IPSまたはFFS混合物はまた、例えば、H、N、O、ClおよびFが対応する同位体に置換された化合物を含んでもよい。
【0181】
例えばU.S. 6,861,107に開示される、重合可能な化合物、いわゆる反応性メソゲン(RMs)を、本発明による混合物に、混合物に基づいて好ましくは0.12〜5重量%、特に好ましくは0.2〜2重量%の濃度でさらに添加してもよい。これらの混合物は任意にまた、例えばU.S. 6,781,665に記載される、開始剤を含んでもよい。開始剤、例えばBASFからのIrganox-1076を、好ましくは、0〜1%の量で重合可能な化合物を含む混合物へと添加する。この種の混合物は、反応性メソゲンの重合化が液晶混合物において起こることが意図される、いわゆるポリマー維持モード(PS−VA)またはPSA(ポリマー維持VA)に対して用いられることができる。これに対する必要条件は、液晶混合物自体がいかなる重合可能な化合物をも含まないことである。
【0182】
本発明の好ましい態様において、重合可能な化合物は式Mで表される化合物から選択される:
−A−(Z−A−R
式中、個々の基は以下の意味を有する:
【0183】
およびRはそれぞれ、互いに独立してP、P−Sp−、H、ハロゲン、SF、NO、炭素基または炭化水素基を示し、ここで基RおよびRの少なくとも1つは基PまたはP−Sp−を示すかまたは含み、
Pは、それぞれの出現において、同一または異なって、重合可能な基を示し、
Spは、それぞれの出現において、同一または異なって、スペーサー基または単結合を示し、
【0184】
およびAはそれぞれ、互いに独立して、好ましくは4〜25の環原子を有し、縮合環もまた含有してもよく、およびLにより単置換または多置換されていてもよい、芳香族、複素環式芳香族、脂環式または複素環式基を示し、
Lは、P−Sp−、H、OH、CHOH、ハロゲン、SF、NO、炭素基または炭化水素基を示し、
【0185】
は、それぞれの出現において、独立してまたは異なって、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−OCO−、−O−CO−O−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−(CHn1−、−CFCH−、−CHCF−、−(CFn1−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、CR00または単結合を示し、
【0186】
およびR00はそれぞれ、互いに独立して、Hまたは1〜12のC原子を有するアルキルを示し、
mは、0、1、2、3または4を示し、
n1は、1、2、3または4を示す。
【0187】
式Mで表される特に好ましい化合物は、式中、
およびRはそれぞれ、互いに独立して、P、P−Sp−、H、F、Cl、Br、I、−CN、−NO、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、SFまたは1〜25のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルを示し、ここでさらに1または2以上の非隣接のCH基はそれぞれ、互いに独立して、−C(R)=C(R00)−、−C≡C−、−N(R00)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−により、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、およびさらに、1または2以上のH原子がF、Cl、Br、I、CN、PまたはP−Sp−により置き換えられていてもよく、ここで基RおよびRの少なくとも1つは基PまたはP−Sp−を示しまたは含有し、
【0188】
およびAはそれぞれ、互いに独立して、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,7−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、2−オキソ−2H−クロメン−3,6−ジイル、2−オキソ−2H−クロメン−3,7−ジイル、4−オキソ−4H−クロメン−2,6−ジイル、4−オキソ−4H−クロメン−3,6−ジイル、4−オキソ−4H−クロメン−3,7−ジイル(慣用名 クマリンまたはフラボン)、ここで、さらに、これらの基における1または2以上のCH基はNにより置き換えられていてもよく、シクロヘキサン−1,4−ジイル、式中、さらに、1または2以上の非隣接のCHはOおよび/またはSにより置き換えられていてもよく、1,4−シクロヘキセニレン、ビシクロ(bicycle)[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、ピペリジン−1,4−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、インダン−2,5−ジイルまたはオクタヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5−ジイルを示し、ここで全てのこれらの基は非置換であるかあるいはLにより単置換または多置換されていてもよく、
【0189】
Lは、P、P−Sp−、OH、CHOH、F、Cl、Br、I、−CN、−NO、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)N(R、−C(=O)Y、−C(=O)R、−N(R、任意に置換されたシリル、6〜20のC原子を有する任意に置換されたアリール、あるいは1〜25のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシを示し、ここでさらに、1または2以上のH原子はアルキル、アルコキシ、F、Cl、PまたはP−Sp−により置換されていてもよく、
【0190】
Pは、重合性基を示し、
は、ハロゲンを示し、
【0191】
は、P、P−Sp−、H、ハロゲン、1〜25のC原子を有する直鎖の、分枝のまたは環状のアルキル、ここでさらに1または2以上の非隣接のCH基が−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−によりOおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置換されていてもよく、および、さらに、1または2以上のH原子がF、Cl、PまたはP−Sp−により置換されていてもよく、6〜40のC原子を有する任意に置換されたアリールまたはアリールオキシ基、2〜40のC原子を有する任意に置換されたヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシ基を示す、
のものである。
【0192】
式Mで表されるさらに好ましい化合物は、以下の副次式:
− mが、2または3である、
− mが、2である、
− RおよびRが、同一でまたは異なって基P−Sp−を示す、
【0193】
− RおよびRが、同一でまたは異なって、式中、1または2以上の基Spが単結合を示す、基P−Sp−を示す、
− mが、2または3であり、およびRおよびRが同一の基P−Spを示す、
【0194】
− 基RおよびRの1つがP−Sp−を示し、および他方が非重合性基、好ましくは1〜25のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルを示し、ここでさらに、1または2以上のCH基がそれぞれ、互いに独立して、−C(R00)=C(R000)−、−C≡C−、−N(R00)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−により、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、およびさらに、1または2以上のH原子がF、Cl、Br、IまたはCNにより置き換えられてもいてもよい、
【0195】
− 1または2以上の基Spが、単結合を示す、
− 1または2以上の基Spが、−(CHp1−、−(CHp1−O−、−(CHp1−OCO−または−(CHp1−OCOO−、式中、p1は1〜12の整数を示し、およびr1は1〜8の整数を示す、を示す、
− Lが重合性基を示さない、および/または含まない、
【0196】
− AおよびAが、互いに独立して、1,4−フェニレンまたはナフタレン−2,6−ジイルを示し、ここで、これらの基における1または2以上のCH基はNにより置換されていてもよく、およびさらに、単フッ素化または多フッ素化されていてもよい、
【0197】
− Zが、−O−、−CO−O−、−OCO−、−OCH−、−CHO−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−C≡C−および単結合からなる群から選択される、
【0198】
− Lが、非重合性基であり、好ましくはF、Cl、−CN、1〜25のC原子を有する直鎖のおよび分枝のアルキルから選択され、ここでさらに、1または2以上の非隣接のCH基がそれぞれ互いに独立して−C(R00)=C(R000)−、−C≡C−、−N(R00)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−により、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、および、さらに、1または2以上のH原子がF、Cl、Br、IまたはCNにより置き換えられていてもよい、
で表される1または2種以上から選択されるものである。
【0199】
PS−VA、PS−IPSおよびPS−FFS用途における使用のための本発明によるLC混合物の製造のために好適なおよび好ましいコモノマーは、例えば、以下の式:
【化76】
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【0200】
【化77】
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【0201】
【化78】
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【0202】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【0203】
【化80】
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【0204】
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
【0205】
式中、個々の基は以下の意味を有する:
、PおよびPはそれぞれ、同一であるかまたは異なって、重合性基、好ましくは本明細書中でPについて示される意味の1つを有するもの、特に好ましくはアクリレート、メタクリレート、フルオロアクリレート、オキセタン、ビニルオキシまたはエポキシ基を示し、
【0206】
Sp、SpおよびSpはそれぞれ、互いに独立して、単結合またはスペーサー基、好ましくは本明細書中でSpについて示される意味の1つを有するものおよび特に好ましくは−(CHp1−、−(CHp1−O−、−(CHp1−CO−O−または−(CHp1−O−CO−O−、式中、p1は1〜12の整数を示し、および最後に言及する基において隣接する環への結合はO原子を介して起こる、を示し、ここで基P−Sp−、P−Sp−およびP−Sp−の1または2以上はまたRaaを示してもよく、但し存在する基P−Sp−、P−Sp−およびP−Sp−の少なくとも1つはRaaを示さず、
【0207】
aaは、H、F、Cl、CNまたは1〜25のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、ここでさらに1または2以上の非隣接のCH基がそれぞれ、互いに独立して、−C(R)=C(R00)−、−C≡C−、−N(R)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−によりOおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、およびさらに、1または2以上のH原子がF、Cl、CNまたはP−Sp−により置き換えられていてもよく、特に好ましくは1〜12のC原子(アルケニルおよびアルキニル基は少なくとも2つ、および分枝の基は少なくとも3つのC原子)を有する、直鎖のまたは分枝の、任意に単フッ素化または多フッ素化されている、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルまたはアルキルカルボニルオキシを示し、
【0208】
およびR00はそれぞれ、互いに独立しておよびそれぞれの出現において同一であるかまたは異なって、Hまたは1〜12のC原子を有するアルキルを示し、
およびRはそれぞれ、互いに独立して、H、F、CHまたはCFを示し、
【0209】
、XおよびXはそれぞれ、互いに独立して、−CO−O−、−O−CO−または単結合を示し、
は、−O−、−CO−、−C(R)−または−CFCF−を示し、
【0210】
およびZはそれぞれ、互いに独立して、−CO−O−、−O−CO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−または−(CH−、ここでnは2、3または4である、を示し、
【0211】
Lは、それぞれの出現において、独立してまたは異なって、F、Cl、CN、SCN、SFまたは1〜12のC原子を有する、直鎖のまたは分枝の、任意に単フッ素化または多フッ素化されている、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニル、好ましくはFを示し、
【0212】
L’およびL”はそれぞれ、互いに独立して、H、FまたはClを示し、
rは、0、1、2、3または4を示し、
sは、0、1、2または3を示し、
tは、0、1または2を示し、
xは、0または1を示す、
から選択される。
【0213】
好ましい態様において、式M1〜M34で表される化合物において、
【化82】
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【0214】
式中、Lはそれぞれの出現において、同一であるかまたは異なって、示される意味を有し、および特にF、Cl、CN、NO、CH、C、C(CH、CH(CH、CHCH(CH)C、OCH、OC、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、OCF、OCHF、OCまたはP−Sp−、好ましくはF、Cl、CN、CH、C、OCH、COCH、OCFまたはP−Sp−、最も好ましくはF、Cl、CH、OCH、COCHまたはOCF、特にFまたはCHを示す、
を示す。
【0215】
本発明のさらに好ましい態様において、重合性化合物は、式IIから選択される、キラルなまたは光学的に活性な化合物である(キラルRM):
(R−(A−Z−Q II
【0216】
式中、A、Zおよびmは、それぞれの出現において、同一であるかまたは異なって、式Mにおいて示される意味の1つを有し、
は、それぞれの出現において、同一であるかまたは異なって、式MにおけるRに対して示される意味の1つを有し、Rはキラルまたはアキラルであることができ、
Qは、式Mにおいて定義される、Lにより任意に単置換または多置換されている、k価のキラル基を示し、
kは、1、2、3、4、5または6であり、
化合物は、上で定義される基PまたはP−Spを示すまたは含有する、少なくとも1つの基RまたはLを含有する。
【0217】
式IIで表される特に好ましい化合物は、式III
【化83】
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【0218】
式中、Lおよびrはそれぞれの出現において、同一であるかまたは異なって、上で示される意味を有し、
およびBはそれぞれ、互いに独立して、縮合ベンゼン、シクロヘキサンまたはシクロヘキセンを示し、
tは、それぞれの出現において、同一であるかまたは異なって、0、1または2を示し、および
uは、それぞれの出現において、同一であるかまたは異なって、0、1または2を示す、
で表される一価の基Qを含有する。
【0219】
特に好ましいのは、式中、uが1を示す、式IIIで表される基である。
【0220】
式IIで表されるさらに好ましい化合物は、一価の基Qまたは式IV
【化84】
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【0221】
式中、
は、1〜9のC原子を有するアルキレンまたはアルキレンオキシあるいは単結合を示し、
【0222】
は、1〜10のC原子を有する任意にフッ素化されたアルキルまたはアルコキシを示し、ここでさらに、1または2の非隣接のCH基が−O−、−S−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−O−COO−、−S−CO−、−CO−S−または−C≡C−によりOおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、
は、F、Cl、CNあるいはQに対して定義されるがQとは異なるアルキルまたはアルコキシを示す、
で表される1または2以上の基Rを含む。
【0223】
式IV*で表される好ましい基は、例えば、2−ブチル(=1−メチルプロピル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、特に2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキソキシ、1−メチルヘキソキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、2−ヘキシル、2−オクチル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メトキシオクトキシ、6−メチルオクトキシ、6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチルオキシカルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチルヘキサノイルオキシ、2−クロロプロピオニルオキシ、2−クロロ−3−メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチルバレリルオキシ、2−クロロ−3−メチルバレリルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル、2−フルオロメチルオクチルオキシである。
【0224】
式IIで表されるさらに好ましい化合物は、式V
【化85】
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式中、L、r、t、AおよびBは上で示される意味を有する、
で表される二価の基Qを含有する。
【0225】
式IIで表されるさらに好ましい基は、以下の式:
【化86】
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式中、Pheは、Lにより任意に単置換または多置換されている、フェニルを示し、およびRは、Fまたは1〜4のC原子を有する任意にフッ素化されているアルキルを示す、
から選択される二価の基Qを含有する。
【0226】
好適なキラルRMは、例えば、GB 2 314 839 A、US 6,511,719、US 7,223,450、WO 02/34739 A1、US 7,041,345、US 7,060,331またはUS 7,318,950に記載される。ビナフチル基を含有する好適なRMは、例えば、US 6,818,261、US 6,916,940、US 7,318,950およびUS 7,223,450に記載される。
【0227】
本明細書に示されるキラル構造要素およびかかるキラル要素を含有する重合性または重合された化合物は、光学的に活性な形態で、例えば、純粋な光学異性体としてまたは2つの光学異性体の任意の所望な混合物として、または代替的にラセミ化合物として用いることができる。ラセミ化合物の使用が好ましい。ラセミ化合物の使用は、純粋な光学異性体の使用に対しいくつかの利点、例えば、顕著に低度な合成の複雑さおよび低度の材料コストなどを有する。
【0228】
式IIで表される化合物は、好ましくは、ラセミ化合物の形態でLC媒体中に存在する。
【0229】
式IIで表される特に好ましい化合物は以下の副次式:
【化87】
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【0230】
【化88】
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【0231】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
【0232】
【化90】
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式中、L、P、Sp、m、rおよびtは上で示される意味を有し、ZおよびAはそれぞれの出現において、同一であるかまたは異なって、ZおよびAに対してそれぞれ示される意味の1つを有し、およびt1は、それぞれに出現において、同一であるかまたは異なって、0または1を示す、
から選択される。
【0233】
用語「炭素基」は、少なくとも1の炭素原子を含有する単価のまたは多価の有機基を示し、これはさらなる原子(例えば、−C≡C−など)を含有しないか、または1または2以上のさらなる原子、例えば、N、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGe(例えば、カルボニル、など)を任意に含むかのいずれかである。用語「炭化水素基」は、加えて1または2以上のH原子および任意に1または2以上のヘテロ原子、例えば、N、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeを含有する炭素基を示す。
【0234】
「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを示す。
「(O)」は、酸素原子または単結合を示す。
炭素基または炭化水素基は、飽和または不飽和の基であることができる。不飽和の基は、例えば、アリール、アルケニルまたはアルキニル基である。3以上のC原子を有する炭素基または炭化水素基は、直鎖の、分枝のまたは環状であることができ、およびまたスピロ結合または縮合環を含有してもよい。
【0235】
用語「アルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」などはまた、多価の基、例えばアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレンなどを包含する。
用語「アリール」は、芳香族炭素基またはそれから派生する基を示す。用語「ヘテロアリール」は、1または2以上のヘテロ原子を含有する、上で定義される「アリール」を示す。
【0236】
好ましい炭素基および炭化水素基は、1〜40、好ましくは1〜25、特に好ましくは1〜18のC原子を有する、任意に置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニルオキシ、6〜40、好ましくは6〜25のC原子を有する、任意に置換されているアリールまたはアリールオキシ、あるいは6〜40、好ましくは6〜25のC原子を有する、任意に置換されているアルキルアリール、アリールアルキル、アルキルアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシである。
【0237】
さらに好ましい炭素基および炭化水素基は、C〜C40アルキル、C〜C40アルケニル、C〜C40アルキニル、C〜C40アリル、C〜C40アルキルジエニル、C〜C40ポリエニル、C〜C40アリール、C〜C40アルキルアリール、C〜C40アリールアルキル、C〜C40アルキルアリールオキシ、C〜C40アリールアルキルオキシ、C〜C40ヘテロアリール、C〜C40シクロアルキル、C〜C40シクロアルケニルなどである。特に好ましいのは、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22アルキニル、C〜C22アリル、C〜C22アルキルジエニル、C〜C12アリール、C〜C20アリールアルキルおよびC〜C20ヘテロアリールである。
【0238】
さらに好ましい炭素基および炭化水素基は、1〜40、好ましくは1〜25のC原子を有し、非置換であるかあるいはF、Cl、Br、IまたはCNにより単置換または多置換されている直鎖の、分枝のまたは環状アルキルであり、およびここで1または2以上の非隣接のCH基はそれぞれ、互いに独立して−C(R)=C(R)−、−C≡C−、−N(R)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−によりOおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよい。
【0239】
は好ましくは、H、ハロゲン、1〜25のC原子を有する直鎖の、分枝のまたは環状アルキル、ここでさらに、1または2以上の非隣接のC原子は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−により置き換えられていてもよく、および1または2以上のH原子がフッ素により置き換えられていてもよく、6〜40のC原子を有する任意に置換さているアリールまたはアリールオキシ、あるいは2〜40のC原子を有する任意に置換されているヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシを示す。
【0240】
好ましいアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メチルブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、n−ノノキシ、n−デコキシ、n−ウンデコキシ、n−ドデコキシなどである。
【0241】
好ましいアルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、シクロオクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、ドデカニル、トリフルオロメチル、パーフルオロ−n−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、パーフルオロクチル、パーフルオロヘキシルなどである。
【0242】
好ましいアルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルなどである。
好ましいアルキニル基は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、オクチニルなどである。
【0243】
好ましいアルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メチルブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、n−ノノキシ、n−デコキシ、n−ウンデコキシ、n−ドデコキシなどである。
好ましいアミノ基は、例えば、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノなどである。
【0244】
アリールおよびヘテロアリール基は単環式または多環式であることができ、つまり、それらは1つの環(例えば、フェニルなど)、あるいは縮合されていてもよい(例えば、ナフチルなど)または共有結合されていてもよい(例えば、ビフェニルなど)、または縮合および結合された環の組み合わせを含有してもよい、2または3以上の環を含有することができる。ヘテロアリール基は、好ましくはO、N、SおよびSeから選択される、1または2以上のヘテロ原子を含有する。
【0245】
特に好ましいのは、任意に縮合環を含有してもよい、および任意に置換されていてもよい、6〜25のC原子を有する単環式、二環式または三環式のアリール基、2〜25のC原子を有する単環式、二環式または三環式のヘテロアリール基である。好ましいのはさらに、さらに、1または2以上のCH基がN、SまたはOによりOおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよい、5、6または7員環のアリールおよびヘテロアリール基である。
【0246】
好ましいアリール基は、例えば、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、1,1’:3’,1’’−ターフェニル−2’−イル、ナフチル、アントラセン、ビナフチル、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾピレン、フルオレン、インデン、インデノフルオレン、スピロビフルオレンなどである。
【0247】
好ましいヘテロアリール基は、例えば、5員環、例えばピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、セレノフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾールなど、6員環、例えばピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジンなど、または縮合環、例えばインドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、ナフトイミダゾール(naphthimidazole)、フェナントリミダゾール(phenanthrimidazole)、ピリドイミダゾール(pyridimidazole)、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロキサゾール(anthroxazole)、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、プテリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、ベンゾイソキノリン、アクリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリジン、フェナントロリン、チエノ[2,3b]チオフェン、チエノ[3,2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチアジアゾチオフェンまたはこれらの基の組み合わせである。ヘテロアリール基はまた、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、フッ素、フルオロアルキルあるいはさらなるアリールまたはヘテロアリール基により置換されていてもよい。
【0248】
(非芳香族)脂環式および複素環式基は飽和環、つまり専ら単結合のみを含有するもの、およびまた部分的に不飽和な環、つまり多重結合もまた含有するものの両方を包含する。複素環は、好ましくはSi、O、N、SおよびSeから選択される、1または2以上のヘテロ原子を含有する。
【0249】
(非芳香族)脂環式および複素環式基は、単環式、つまり1つの環のみを含む(例えば、シクロヘキサンなど)、または多環式、つまり複数の環を含む(例えば、デカヒドロナフタレンまたはビシクロオクタン)、であることができる。特に好ましいのは、飽和環である。好ましいのは、さらには、任意に縮合環を含むおよび任意に置換されている、3〜25のC原子を有する単環式、二環式または三環式基である。好ましいのは、さらには、さらに1または2以上のC原子がSiにより置換されていてもよい、および/または1または2以上のCH基がNにより置換されていてもよい、および/または1または2以上の非隣接のCH基が−O−および/または−S−により置換されていてもよい、5、6、7または8員環式の炭素環式基である。
【0250】
好ましい脂環式または複素環式基は、例えば、5員環基、例えばシクロペンタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、ピロリジンなど、6員環、例えばシクロヘキサン、シリナン、シクロヘキセン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、ピペリジンなど、7員環、例えばシクロヘプタンなど、および縮合環、例えばテトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、インダン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、オクタヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5−ジイルなどである。
【0251】
好ましい置換基は、例えば、溶解性促進基、例えばアルキルまたはアルコキシなど、電子吸引基、例えばフッ素、窒素またはニトリルなど、またはポリマーにおけるガラス転移温度(Tg)を増加させるための置換基、特にバルキーな基、例えば、t−ブチルまたは任意に置換されているアリール基などである。
【0252】
好ましい置換基はまた、本明細書中で「L」と称され、例えば、F、Cl、Br、I、−CN、−NO、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)N(R、−C(=O)Y、−C(=O)R、−N(R、式中、Rは上で示される意味を有し、およびYは、ハロゲン、6〜40、好ましくは6〜20のC原子を有する任意に置換されているシリルまたはアリール、および1〜25のC原子を有し、1または2以上のH原子がFまたはClにより任意に置き換えられていてもよいアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシである。
【0253】
「置換シリルまたはアリール」は、好ましくは、ハロゲン、−CN、R、−OR、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−Rまたは−O−CO−O−R、式中、Rは上で示される意味を有する、により置換されていることを意味する。
【0254】
特に好ましい置換基Lは、例えばF、Cl、CN、NO、CH、C、OCH、OC、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、OCF、OCHF、OC、さらにフェニルである。
【化91】
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式中、Lは上で示される意味の1つを有する、である。
【0255】
重合性基Pは、重合性反応、例えば、フリーラジカルもしくはイオン性連鎖重合、重付加もしくは重縮合などのために、または、類似高分子反応(polymer-analogous reaction)、例えば主ポリマー鎖への付加もしくは縮合などのために好適な基である。特に好ましいのは、連鎖重合のための基、特にC=C二重結合または−C≡C−三重結合を含有するもの、および開環での重合のために好適な基、例えば、オキセタンまたはエポキシド基などである。
【0256】
好ましい基Pは、CH=CW−COO−、CH=CW−CO−、
【化92】
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CH=CW−(O)k3−、CW=CH−CO−(O)k3−、CW=CH−CO−NH−、CH=CW−CO−NH−、CH−CH=CH−O−、(CH=CH)CH−OCO−、(CH=CH−CHCH−OCO−、(CH=CH)CH−O−、(CH=CH−CHN−、(CH=CH−CHN−CO−、HO−CW−、HS−CW−、HWN−、HO−CW−NH−、CH=CW−CO−NH−、CH=CH−(COO)k1−Phe−(O)k2−、CH=CH−(CO)k1−Phe−(O)k2−、Phe−CH=CH−、HOOC−、OCN−およびWSi−、式中、Wは、H、F、Cl、CN、CF、フェニルまたは1〜5のC原子を有するアルキル、特にH、F、ClまたはCHを示し、WおよびWはそれぞれ、互いに独立して、Hまたは1〜5のC原子を有するアルキル、特にH、メチル、エチルまたはn−プロピルを示し、W、WおよびWはそれぞれ、互いに独立して、Cl、1〜5のC原子を有するオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルを示し、WおよびWはそれぞれ、互いに独立して、H、Clまたは1〜5のC原子を有するアルキルを示し、Pheは、P−Sp−とは異なる上で定義される1または2以上の基Lにより任意に置換されている1,4−フェニレンを示し、k、kおよびkはそれぞれ、互いに独立して、0または1を示し、kは好ましくは1を示す、
から選択される。
【0257】
特に好ましい基Pは、CH=CW−COO−、特にCH=CH−COO−、CH=C(CH)−COO−およびCH=CF−COO−、さらにCH=CH−O−、(CH=CH)CH−OCO−、(CH=CH)CH−O−、
【化93】
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である。
【0258】
非常に特に好ましい基Pは、ビニルオキシ、アクリレート、メタクリレート、フルオロアクリレート、クロロアクリレート、オキセタンおよびエポキシド、特にアクリレートおよびメタクリレートである。
【0259】
好ましいスペーサー基Spは、基P−Sp−が式P−Sp’−X’−に対応するように、式Sp’−X’−から選択され、そこで、
Sp’は、1〜20、好ましくは1〜12のC原子を有する、任意にF、Cl、Br、IまたはCNにより任意に単置換または多置換されたアルキレンを示し、およびここでさらに、1または2以上の非隣接のCH基はそれぞれ、互いに独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00000−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−NR00−CO−O−、−O−CO−NR00−、−NR00−CO−NR00−、−CH=CH−または−C≡C−により、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、
【0260】
X’は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR00−、−NR00−CO−、−NR00−CO−NR00−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CY=CY−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合を示し、
【0261】
00およびR000はそれぞれ、互いに独立して、Hまたは1〜12のC原子を有するアルキルを示し、および
およびYはそれぞれ、互いに独立して、H、F、ClまたはCNを示す。
【0262】
X’は、好ましくは−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR−または単結合である。
典型的なスペーサー基Sp’は、例えば、−(CHp1−、−(CHCHO)q1−CHCH−、−CHCH−S−CHCH−、−CHCH−NH−CHCH−または−(SiR00000−O)p1−、式中、p1は1〜12の整数であり、q1は1〜3の整数であり、およびR00およびR000は上で示される意味を有する、である。
【0263】
特に好ましい基−X’−Sp’−は、−(CHp1−、−O−(CHp1−、−OCO−(CHp1−、−OCOO−(CHp1−である。
特に好ましい基Sp’は、例えば、それぞれの場合において、直鎖のエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチルレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレンチオエチレン、エチレン−N−メチルイミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
【0264】
本発明のさらに好ましい態様において、P−Sp−は2または3以上の重合性基を有する基(多官能性重合性基)を示す。この種の好適な基およびそれらを含有する重合性化合物ならびにその製造は、例えばUS 7,060,200 B1またはUS 2006/0172090 A1に記載される。特に好ましいのは、以下の式から選択される多官能性重合性基P−Sp−である:
【0265】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0266】
式中、
alkylは、単結合または1〜12のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキレンを示し、ここで1または2以上の非隣接のCH基がそれぞれ、互いに独立して、−C(R00)=C(R000)−、−C≡C−、−N(R00)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−により、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、および、さらに、1または2以上のH原子はF、ClまたはCNにより置き換えられていてもよく、ここでR00およびR000は上で示される意味を有し、
【0267】
aaおよびbbはそれぞれ、互いに独立して、0、1、2、3、4、5または6を示し、
Xは、X’に対して上で示される意味の1つを有し、
1〜5はそれぞれ、互いに独立して、Pに対して示される意味の1つを有する。
【0268】
重合性化合物およびRMは、当業者に公知で、そして有機化学の標準的な著作物、例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法], Thieme-Verlag, Stuttgartなどに記載されるのと同様に製造することができる。さらなる合成方法は、本明細書に引用される文書において与えられる。最も単純な場合、かかるRMの合成は、脱水化試薬、例えばDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)などの存在下で、基Pを含有する対応する酸、酸誘導体またはハロゲン化化合物、例えば(メタ)アクリロイルクロリドまたは(メタ)アクリル酸などを用いる2,6−ジヒドロオキシナフタレンまたは4,4’−ジヒドロオキシビフェニルの、例えばエステル化またはエーテル化により実行することができる。
【0269】
本発明によるLC混合物およびLC媒体は、原則、任意のタイプのPSまたはPSAディスプレイ、特に負の誘電異方性を有するLC媒体に基づく、特に好ましくはPSA−VA、PSA−IPSまたはPS−FFSのためのものに好適である。しかし、当業者はまた、例えば、それらの基本構造のために、または用いられる個々の部品、例えば基板、配向層、電極、アドレス素子、バックライト、偏光板、カラーフィルター、任意に存在する補償膜などの性質、配置または構造のために上述のディスプレイとは異なるPSまたはPSAタイプの他のディスプレイにおいて、進歩性を伴うことなく、用いることができるであろう。
【0270】
非常に特に好適な重合性化合物を、表Dに列挙する。
【0271】
本発明による液晶媒体が少なくとも1種の重合性化合物を含む場合、それは媒体中において0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜4.0重量%、特に好ましくは0.2〜2.0重量%の量で存在する。
【0272】
本発明による混合物はさらに、慣用の添加剤、例えば、安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、ナノ粒子、ミクロ粒子などを含んでもよい。本発明によるLC混合物に好適なおよび好ましい添加剤を表Cに与える。
【0273】
本発明による液晶ディスプレイの構造は、例えばEP-A 0 240 379に記載される通常の配置に対応する。
【0274】
以下の例は本発明をそれに限定することなく説明することを意図する。本明細書において、パーセントのデータは重量パーセントを示し;全ての温度はセルシウス度で示される。
【0275】
本願をとおして、1,4−シクロヘキシレン環および1,4−フェニレン環は、以下に表現されるものである:
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
【0276】
式IIAおよび/またはIIBおよび/またはIICで表される化合物、式Iで表される1または2種以上の化合物に加えて、本発明による混合物は好ましくは、以下に示される表Aからの1または2種以上の化合物を含む。
【0277】
表A
以下の略号が用いられる:
(n、m、m’、z:それぞれ、互いに独立して、1、2、3、4、5または6;(O)C2m+1はOC2m+1またはC2m+1を意味する。)
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【0278】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【0279】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【0280】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
【0281】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0282】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【0283】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
【0284】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
【0285】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0286】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【0287】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0288】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0289】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【0290】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【0291】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
【0292】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【0293】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【0294】
本発明により用いられることができる液晶混合物は、自体慣用の様式で調製することができる。一般的に、より少量で用いられる成分の所望量を主要な構成成分を構成する成分中に、有利には高温で溶解させる。有機溶媒、例えばアセトン、クロロホルムまたはメタノール中に成分の溶液を混合すること、および完全に混合した後に、例えば蒸留により、溶媒を再び除去することもまた可能である。
【0295】
好適な添加剤により、本発明による液晶相を、今までに開示されてきた任意のタイプの、例えばECB、VAN、IPS、GHまたはASM−VA LCDで用いられることができるように修飾することができる。
【0296】
誘電体はまた、当業者に公知でありおよび文献に記載されるさらなる添加剤、例えばUV吸収剤、抗酸化剤、ナノ粒子およびフリーラジカル捕捉剤を含んでもよい。例えば、0〜15%の多色性色素、安定化剤またはキラルドーパントを添加してもよい。本発明による混合物のための好適な安定化剤は、特に、表Bに挙げられるものである。
【0297】
例えば、0〜15%の多色性色素を添加してもよく、さらに導電性の塩、好ましくは4−ヘキソキシ安息香酸エチルジメチルドデシルアンモニウム、テトラフェニルボラン酸テトラブチルアンモニウムまたはクラウンエーテルの錯塩(例えば、Haller et al., Mol. Cryst. Liq. Cryst. Volume 24, pages 249-258 (1973)を参照)を導電性を改善するために添加してもよく、あるいは誘電異方性、粘度および/またはネマティック相の配向を修飾するために物質を添加してもよい。この種の物質は、例えば、DE-A 22 09 127, 22 40 864, 23 21 632, 23 38 281, 24 50 088, 26 37 430および28 53 728に記載される。
【0298】
表Bは、本発明による混合物に添加できる可能なドーパントを示す。混合物がドーパントを含む場合、0.01〜4重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%の量で用いられる。
【0299】
表B
【化113】
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【0300】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
【0301】
例えば本発明による混合物へと混合物の総重量に基づき10重量%以下、好ましくは0.1〜3重量%特には0.1〜3重量%添加できる安定化剤を以下の表Cに示す。好ましい安定化剤は、特に、BHT誘導体、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−アルキルフェノール、およびTinuvin 770である。
【0302】
表C
(n=1〜12)
【0303】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
【0304】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
【0305】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
【0306】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
【0307】
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
【0308】
本発明による混合物における、特にPSA、PS−VA、PS−IPSおよびPS−FFS用途における使用に好適な重合性化合物(反応性メソゲン)を、以下の表Dに示す:
【0309】
表D
表Dは、好ましくは本発明によるPS−VA、PSA、PS−IPSまたはPS−FFS用途に好ましい、LC媒体中の重合性化合物(反応性メソゲン化合物)として好ましく用いられることができる具体的な化合物を説明する。
【0310】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
【0311】
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
【0312】
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
【0313】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
【0314】
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
【0315】
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
【0316】
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
【0317】
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
【0318】
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
【0319】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
【0320】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
【0321】
本発明によるLC媒体が1または2種以上のメソゲン性化合物を含む場合、好ましくは、かかるメソゲン性化合物は表Dに与えられる化合物から選択される。
【0322】
作業例
以下の例は、制限することなく本発明を説明することを意図される。実施例において、m.p.は融点を示し、およびCはセルシウス度での液晶物質の透明点を示し;沸点はm.p.により示される。さらに:
Cは結晶固体状態を示し、Sはスメクティック相を示し(インデックスは相の種類を示し)、Nはネマティック状態を示し、Chはコレステリック相を示し、Iは等方相を示し、Tはガラス転移温度を示す。2つのシンボルの間の数字はセルシウス度での転移温度を示す。
【0323】
式Iで表される化合物の物理データの決定のために用いられるホスト混合物は、市販の混合物ZLI−4792(Merck KGaA)である。調査される化合物の物理データは、調査される化合物の添加後のホスト混合物の誘電定数の変化から得られ、100%の用いられる化合物へと外挿される。溶解度に依存するが、一般的に、10%の調査される化合物をホスト混合物に溶解する。
他に示されない限り、部またはパーセントのデータは、重量部または重量パーセントを示す。
【0324】
本明細書中において、
は、20℃でのしきい値電圧、電気容量[V]を示し、
Δnは、20℃および589nmで測定された光学異方性を示し、
Δεは、20℃および1kHzでの誘電異方性を示し、
cl.p.は、透明点[℃]を示し、
は、20℃での弾性定数、「スプレー」変形[pN]を示し、
は、20℃での弾性定数、「ベンド」変形[pN]を示し、
γは、磁界での回転法により決定された、20℃において測定された回転粘度[mPa・s]を示し、
LTSは、テストセル中で決定された、低温安定性(ネマティック相)を示す。
【0325】
しきい値電圧の測定のために用いられるディスプレイは、20μm間隔で2つの平面−平行外板および液晶のホメオトロピック配向を達成させる配向層SE-1211(Nissan Chemicals)で外板の内側を覆う電極層を有する。
【0326】
本願における全ての濃度は、他に明示されない限り、対応する混合物または混合成分に相関する。全ての物性は、他に明示されない限り、"Merck Liquid Crystals, Physical Properties of Liquid Crystals", status November 1997, Merck KGaA, Germanyに記載されるとおりに決定され、そして20℃の温度を適用する。
【0327】
容量しきい値電圧の測定に用いられるディスプレイは、20μmの分離での2つの平面平行ガラス外板からなり、そのそれぞれは内部に電極層をおよびトップに非ラビングのポリイミド配向層を有し、そして液晶分子のホメオトロピックエッジ配向に効果を及ぼす。
【0328】
チルト角の測定に用いられるディスプレイまたはテストセルは4μmの分離の2つの平面平行ガラス外板からなり、そのそれぞれは内部に電極層およびトップにポリイミド配向層を有し、2つのポリイミド配向層は互いに逆平行にラビングされ、そして液晶分子のホメオトロピックエッジ配向に効果を及ぼす。
【0329】
重合性化合物は、同時に電圧をディスプレイに適用しながら(通常は10V〜30Vの交流電流、1kHz)、規定時間の間、規定の強度のUVA光(例えば365nm)で照射することにより、ディスプレイまたはテストセル中で重合させる。実施例において、他に示されなければ、メタルハライドランプおよび100mW/cmの強度が、重合化のために用いられる。強度は標準的なUVAメーター(UVAセンサーを有するハイエンドHoenle UVメーター)を用いて測定される。
【0330】
混合物例
例M1
【表1】
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【0331】
例M2
【表2】
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【0332】
例M3
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0333】
例M4
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0334】
例M5
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0335】
例M6
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0336】
例M7
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0337】
例M8
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0338】
例M9
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【0339】
例M10
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
【0340】
例M11
【表11】
[この文献は図面を表示できません]
【0341】
例M12
【表12】
[この文献は図面を表示できません]
【0342】
例M13
【表13】
[この文献は図面を表示できません]
【0343】
例M14
【表14】
[この文献は図面を表示できません]
【0344】
例M15
【表15】
[この文献は図面を表示できません]
【0345】
例M16
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
【0346】
例M17
【表17】
[この文献は図面を表示できません]
【0347】
例M18
【表18】
[この文献は図面を表示できません]
【0348】
例M19
【表19】
[この文献は図面を表示できません]
【0349】
例M20
【表20】
[この文献は図面を表示できません]
【0350】
例M21
【表21】
[この文献は図面を表示できません]
【0351】
例M22
【表22】
[この文献は図面を表示できません]
【0352】
例M23
【表23】
[この文献は図面を表示できません]
【0353】
例M24
【表24】
[この文献は図面を表示できません]
【0354】
例M25
【表25】
[この文献は図面を表示できません]
【0355】
例M26
【表26】
[この文献は図面を表示できません]
【0356】
例M27
【表27】
[この文献は図面を表示できません]
【0357】
例M28
【表28】
[この文献は図面を表示できません]
【0358】
例M29
【表29】
[この文献は図面を表示できません]
【0359】
例M30
【表30】
[この文献は図面を表示できません]
【0360】
例M31
【表31】
[この文献は図面を表示できません]
【0361】
例M32
【表32】
[この文献は図面を表示できません]
【0362】
例M33
【表33】
[この文献は図面を表示できません]
【0363】
例M34
【表34】
[この文献は図面を表示できません]
【0364】
例M35
【表35】
[この文献は図面を表示できません]
【0365】
例M36
【表36】
[この文献は図面を表示できません]
【0366】
例M37
【表37】
[この文献は図面を表示できません]
【0367】
例M38
PS−FFS混合物またはPS−IPS混合物の調製のために、0.25%の式
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
で表される重合性化合物を、99.75%の例M37による混合物へと添加する。
【0368】
例M39
PS−FFS混合物またはPS−IPS混合物の調製のために、0.25%の式
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
で表される重合性化合物を、99.75%の例M37による混合物へと添加する。
【0369】
例M40
PS−FFS混合物またはPS−IPS混合物の製造のために、0.4%の式
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
で表される重合性化合物を99.6%の例M37による混合物へと添加し、混合物M37の電圧保持率を顕著に増加せしめる(UV曝露後にVHR>90%)。
【0370】
例M41
【表38】
[この文献は図面を表示できません]
【0371】
例M42
【表39】
[この文献は図面を表示できません]
【0372】
例M43
【表40】
[この文献は図面を表示できません]
【0373】
例M44
PS−VA混合物の製造のために、0.2%の式
【化134】
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で表される重合性化合物を99.98%の例M6による混合物へと添加する。
【0374】
PS−VA混合物を、ホメオトロピック配向を有するセルへと導入する。24Vの電圧の印加後、セルを100mW/cmのパワーを有するUV光で照射する。
【0375】
例M45
PS−VA混合物の調製のために、0.2%の式
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
で表される重合性化合物を、99.8%の例M6による混合物へと添加する。
【0376】
PS−VA混合物を、ホメオトロピック配向を有するセルへと導入する。24Vの電圧の印加後、セルを100mW/cmのパワーを有するUV光で照射する。
【0377】
例M46
PS−VA混合物の調製のために、0.2%の式
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
で表される重合性化合物を、99.8%の例M6による混合物へと添加する。
【0378】
PS−VA混合物を、ホメオトロピック配向を有するセルへと導入する。24Vの電圧の印加後、セルを100mW/cmのパワーを有するUV光で照射する。
【0379】
例M47
【表41】
[この文献は図面を表示できません]
【0380】
例M48
PS−VA混合物の製造のために、0.45%の式
【化137】
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で表される重合性化合物を、99.55%の例M45による混合物へと添加する。
【0381】
PS−VA混合物を、ホメオトロピック配向を有するセルへと導入する。24Vの電圧の印加後、セルを100mW/cmのパワーを有するUV光で照射する。
【0382】
例M49
【表42】
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【0383】
例M50
【表43】
[この文献は図面を表示できません]
【0384】
例M51
【表44】
[この文献は図面を表示できません]
【0385】
例M52
【表45】
[この文献は図面を表示できません]
【0386】
例M53
【表46】
[この文献は図面を表示できません]
【0387】
例M54
【表47】
[この文献は図面を表示できません]
【0388】
例M55
【表48】
[この文献は図面を表示できません]
【0389】
例M56 a)〜e)
PS−VA混合物の調製のために、0.45%の式a)、b)、c)、d)またはe)
【化138】
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【0390】
【化139】
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で表される重合性化合物を、99.55%の例M55による混合物へと添加する。
【0391】
例M57
【表49】
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【0392】
例M58
0.02%の式
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
で表される化合物を、安定化のために例M57によるVA混合物へと添加する。
【0393】
例M59
【表50】
[この文献は図面を表示できません]
【0394】
例M60
0.025%の式
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
で表される化合物を、安定化のために例M58によるFFS混合物へと添加する。
【0395】
例M61
【表51】
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【0396】
例M62
【表52】
[この文献は図面を表示できません]
【0397】
例M63
0.01%の式
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
で表される化合物を、安定化のために例M62によるVA混合物へと添加する。
【0398】
例M64
【表53】
[この文献は図面を表示できません]
【0399】
例M65
PS−VA混合物の調製のために、BASFの0.01% Irganox−1076および0.3%の式
【化143】
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で表される重合性化合物を、M64によるVA混合物へと添加する。
【0400】
例M66
【表54】
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【0401】
例M67
0.01%の式
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
で表される化合物を、安定化のために例M66によるVA混合物へと添加する。
【0402】
例M68
【表55】
[この文献は図面を表示できません]
【0403】
例M69
0.01%の式
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
で表される化合物を、安定化のために例M68によるVA混合物へと添加する。
【0404】
例M70
【表56】
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【0405】
例M71
PS−VA混合物の調製のために、0.4%の式
【化146】
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で表される重合性化合物を、例M70によるVA混合物へと添加する。
【0406】
例M72
PS−VA混合物の調製のために、0.35%の式
【化147】
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で表される重合性化合物を、例M70によるVA混合物へと添加する。
【0407】
例M73
【表57】
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【0408】
例M74
【表58】
[この文献は図面を表示できません]
【0409】
例M75
【表59】
[この文献は図面を表示できません]
【0410】
例M76
【表60】
[この文献は図面を表示できません]
【0411】
例M77
0.01%の式
【化148】
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で表される化合物を、安定化のために例M71によるVA混合物へと添加する。