特許第6570839号(P6570839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アカツキの特許一覧 ▶ 株式会社バンダイナムコゲームスの特許一覧

<>
  • 特許6570839-情報処理装置、及びゲームプログラム 図000004
  • 特許6570839-情報処理装置、及びゲームプログラム 図000005
  • 特許6570839-情報処理装置、及びゲームプログラム 図000006
  • 特許6570839-情報処理装置、及びゲームプログラム 図000007
  • 特許6570839-情報処理装置、及びゲームプログラム 図000008
  • 特許6570839-情報処理装置、及びゲームプログラム 図000009
  • 特許6570839-情報処理装置、及びゲームプログラム 図000010
  • 特許6570839-情報処理装置、及びゲームプログラム 図000011
  • 特許6570839-情報処理装置、及びゲームプログラム 図000012
  • 特許6570839-情報処理装置、及びゲームプログラム 図000013
  • 特許6570839-情報処理装置、及びゲームプログラム 図000014
  • 特許6570839-情報処理装置、及びゲームプログラム 図000015
  • 特許6570839-情報処理装置、及びゲームプログラム 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6570839
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】情報処理装置、及びゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/80 20140101AFI20190826BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20190826BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20190826BHJP
【FI】
   A63F13/80 E
   A63F13/45
   A63F13/52
【請求項の数】12
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-13541(P2015-13541)
(22)【出願日】2015年1月27日
(65)【公開番号】特開2016-137070(P2016-137070A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2018年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】512294021
【氏名又は名称】株式会社アカツキ
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 佳正
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】塩田 元規
(72)【発明者】
【氏名】手塚 晃司
(72)【発明者】
【氏名】橋本 邦雄
(72)【発明者】
【氏名】金井 健
(72)【発明者】
【氏名】関井 祥平
【審査官】 上田 泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−184058(JP,A)
【文献】 松浦 健一郎 KENNICHIROU MATSUURA,パズルゲーム アルゴリズム マニアックス 初版 PuzzleGame Algorithm Maniax,ソフトバンククリエイティブ株式会社 新田 光敏,2008年 7月31日,第1版,PP.241-247
【文献】 同じ色のブロックの連なりをタッチで消していくパズルゲーム「CRUSH」,あんスマ,2014年11月13日,[online],平成30年10月24日検索,URL,http://android-smart.com/2014/11/crush.html
【文献】 ミリオンチェイン MILLION CHAIN,月刊アプリスタイル 第2巻 第4号,株式会社イースト・プレス,2014年 2月28日,第2巻,PP.064
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00−13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームフィールド上に配置された複数のピースのうちの1つのピースに対する操作によって成立する前記複数のピースの連鎖状態に基づいて前記連鎖状態にある前記複数のピースを消去する情報処理装置であって、
前記ゲームフィールドに配置される複数のピースの配置は、前記ゲームフィールド上の進行方向に向かって配置された複数の仮想ライン上に、前記ゲームフィールド上の所定領域内において奇数個及び偶数個のピースが交互に配置されるように制御され、
前記複数のピースを消去する処理は、
(A)前記複数の仮想ラインのうちの最前列にあたる仮想ライン上の複数のピースのうちのいずれか1つのピースに対する操作を起点として、前記操作された1つのピースから前記進行方向に向かって次の仮想ライン上にある、前記1つのピースに隣接する左右のピースに前記1つのピースと同種のピースがあるかどうかを判断し、
(B)前記判断により前記1つのピースと同種のピースがあると判断された場合には、前記同種のピースからみて前記進行方向に向かって次の仮想ライン上にある、前記同種のピースに隣接する左右のピースに前記同種のピースと同種のピースがあるかどうかを判断し、
(C)上述の処理(A)の判断によって上述の処理(B)の判断を終えた場合には、前記判断の対象となる仮想ラインを前記進行方向へさらに次へ進めたうえで、上述の処理(B)を前記同種のピースが無いと判断されるまで繰り返し、
(D)上述の処理(A)〜(C)によって同種のものとして判断されたことにより連鎖形成された一連の前記同種のピース群を消去の対象として処理する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記処理(B)において前記左右のピースの両方が前記同種のピースであると判断され場合には、前記左または右のいずれか一方のピースを選択して前記処理(C)へ進むように制御されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記左右のピースの両方が前記同種のピースであると判断された場合であって、前記左または右のいずれか一方のピースが選択された場合に、前記選択されなかった方のピースは、前記処理(D)において消去の対象として処理されることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理(B)において前記1つのピースと同種のピースがあると判断された場合には、前記同種のピースが存在する仮想ライン上の前記同種のピースと隣接する他の同種のピースは、前記処理(D)において消去の対象として処理されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数のピースには、全ての種類のピースと同種と認定される特定ピースが含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記複数のピースを消去した後、
(E)前記最前列にあたる仮想ライン上のピース位置を端から順に検査して、ピースが存在しない空き位置であって、前記空き位置から前記進行方向に向かって次の仮想ライン上にある、前記空き位置に隣接する左右の位置にピースがあるかどうかを判断し、前記空き位置に隣接する左右の位置のいずれかにピースがある場合には前記左右の位置のいずれかのピースを前記空き位置に移動させ、
(F)仮想ライン上のピース位置を他端まで検査し終えたら、前記仮想ラインから前記進行方向に向かって次の仮想ライン上のピース位置を端から順に検査して、ピースが存在しない空き位置であって、前記空き位置から前記進行方向に向かって次の仮想ライン上にある、前記空き位置に隣接する左右の位置にピースがあるかどうかを判断し、前記空き位置に隣接する左右の位置のいずれかにピースがある場合には前記左右の位置のいずれかのピースを前記空き位置に移動させ、
(G)上述の処理(F)を前記複数の仮想ラインのうちの最後列から2番目までの仮想ライン上のピース位置に対して繰り返し、
(H)上述の処理(E)〜(G)の処理を、前記空き位置へ移動させるべき前記左右のいずれの位置のピースも尽きるまで繰り返す
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置に、ゲームフィールド上に配置された複数のピースのうちの1つのピースに対する操作によって成立する前記複数のピースの連鎖状態に基づいて前記連鎖状態にある前記複数のピースを消去させるゲームプログラムであって、前記情報処理装置上で実行されたとき、前記情報処理装置に、
前記ゲームフィールドに配置される複数のピースの配置は、前記ゲームフィールド上の進行方向に向かって配置された複数の仮想ライン上に、前記ゲームフィールド上の所定領域内において奇数個及び偶数個のピースが交互に配置されるように制御させ、
前記複数のピースを消去する際には、
(A)前記複数の仮想ラインのうちの最前列にあたる仮想ライン上の複数のピースのうちのいずれか1つのピースに対する操作を起点として、前記操作された1つのピースから前記進行方向に向かって次の仮想ライン上にある、前記1つのピースに隣接する左右のピースに前記1つのピースと同種のピースがあるかどうかを判断させる処理ステップと、
(B)前記判断により前記1つのピースと同種のピースがあると判断された場合には、前記同種のピースからみて前記進行方向に向かって次の仮想ライン上にある、前記同種のピースに隣接する左右のピースに前記同種のピースと同種のピースがあるかどうかを判断させる処理ステップと、
(C)上述の処理(A)の判断によって上述の処理(B)の判断を終えた場合には、前記判断の対象となる仮想ラインを前記進行方向へさらに次へ進めたうえで、上述の処理(B)を前記同種のピースが無いと判断されるまで繰り返させる処理ステップと、
(D)上述の処理(A)〜(C)によって同種のものとして判断されたことにより連鎖形成された一連の前記同種のピース群を消去の対象として処理させる処理ステップと
を実行させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項8】
前記処理(B)において前記左右のピースの両方が前記同種のピースであると判断され場合には、前記左または右のいずれか一方のピースを選択して前記処理(C)へ進むように制御されることを特徴とする請求項7に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記左右のピースの両方が前記同種のピースであると判断された場合であって、前記左または右のいずれか一方のピースが選択された場合に、前記選択されなかった方のピースは、前記処理(D)において消去の対象として処理されることを特徴とする請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記処理(B)において前記1つのピースと同種のピースがあると判断された場合には、前記同種のピースが存在する仮想ライン上の前記同種のピースと隣接する他の同種のピースは、前記処理(D)において消去の対象として処理されることを特徴とする請求項7に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記複数のピースには、全ての種類のピースと同種と認定される特定ピースが含まれることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記複数のピースを消去した後、前記情報処理装置に、
(E)前記最前列にあたる仮想ライン上のピース位置を端から順に検査して、ピースが存在しない空き位置であって、前記空き位置から前記進行方向に向かって次の仮想ライン上にある、前記空き位置に隣接する左右の位置にピースがあるかどうかを判断し、前記空き位置に隣接する左右の位置のいずれかにピースがある場合には前記左右の位置のいずれかのピースを前記空き位置に移動させる処理ステップと、
(F)仮想ライン上のピース位置を他端まで検査し終えたら、前記仮想ラインから前記進行方向に向かって次の仮想ライン上のピース位置を端から順に検査して、ピースが存在しない空き位置であって、前記空き位置から前記進行方向に向かって次の仮想ライン上にある、前記空き位置に隣接する左右の位置にピースがあるかどうかを判断し、前記空き位置に隣接する左右の位置のいずれかにピースがある場合には前記左右の位置のいずれかのピースを前記空き位置に移動させる処理ステップと、
(G)上述の処理(F)を前記複数の仮想ラインのうちの最後列から2番目までの仮想ライン上のピース位置に対して繰り返す処理ステップと、
(H)上述の処理(E)〜(G)の処理を、前記空き位置へ移動させるべき前記左右のいずれの位置のピースも尽きるまで繰り返す処理ステップと
を実行させることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パズルピースの連鎖成立を契機としてポイント加算したり敵キャラクタ等にダメージを与えたりしてゲームを進行する情報処理装置及びゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パズルをモチーフとしたゲームアプリケーションとして、ゲームフィールド上に発生させた所定方向へ移動する1以上のパズルピース(「ピース」あるいは「ブロック」とも言う)の向きを変えたり移動させるなどして、例えば同色同士のピース連鎖を成立させ、成立させた連鎖ピースについては消去処理するとともに、プレーヤのポイントの加算処理をしたり、対戦型のゲーム進行の場合は相手方へダメージを与える処理を行なうなどしてプレーヤを楽しませるゲームが数多く開発されてきた。
【0003】
例えば、新規なパズルゲームを提案することを課題として連続的につながった同種の物体(パズルピースに対応)が消去されるゲームにおける物体の移動方法等が提案されている(特許文献1)。
【0004】
すわなち、特許文献1には、画面上に順次表示される様々な色の大玉を、画面上の下方から上方に向かって移動する移動ステップと、先頭部分が、画面上の上部に到達したか否かを判別する第1の判別ステップと、上記判別ステップにおいて、上記先頭となる部分が、画面上の上部に到達したものと判別されたときにゲームを終了する終了ステップと、同じ色の大玉が特定配列となったか否かを判別する第2の判別ステップと、上記第2の判別ステップにおいて、同じ色の大玉が上記配列をなしていることが判別されたときに当該大玉を全て消去する消去ステップと、移動方向において消去された大玉の先に大玉若しくは小玉が存在しているときに、当該玉を下方に移動する移動ステップと、コントローラの操作によって交換用の玉を移動させ、画面上において移動している玉と交換する交換ステップとを含むパズルゲームが開示されている。
【0005】
また、ブロック群が所定方向に移動する対戦型ゲームにおいて、プレーヤの思考・分析の困難性を高めるゲーム装置等も提案されている(特許文献2)。
【0006】
すなわち、特許文献2には、複数のブロック表示領域を有する第一ゲームフィールド、複数のブロック表示領域を有する第二ゲームフィールドおよびブロックが表示される表示部と、前記表示部における第一ゲームフィールドに表示されたブロックに対する操作指令を入力するための第一操作部と、前記第一操作部における操作指令を受けて、前記表示部の第一および第二ゲームフィールドにおけるブロック表示を制御する制御部と、を備えたゲーム装置であって、前記制御部は、前記第一ゲームフィールドにおける所定ブロックの連結状態に基づいて、当該所定ブロックを消去させて表示する連結ブロック消去手段と、前記連結ブロック消去手段によるブロック消去時から所定時間内において消去したブロック数に基づく耐性値を有する攻撃ブロックを、前記第二ゲームフィールドに表示されている少なくとも1つのブロックに代えて表示する攻撃ブロック表示手段と、を備えていることを特徴とするゲーム装置が開示されている。
【0007】
また、武器や防具等の装備によってキャラクタの能力を多様化させる目的で、ブロック配置空間(パズル)を利用するゲームプログラムも提案されている(特許文献3)。
【0008】
すなわち、特許文献3には、コンピュータに、ゲーム世界において取得することが出来る、武器、アイテム、防具、特殊能力を、前記コンピュータのコントローラを介したプレーヤからの指示に基づいて、各キャラクタに装備させる武器、アイテム、防具、特殊能力装備手順、前記武器、アイテム、防具、特殊能力装備手順により、各キャラクタに装備された武器、アイテム、防具、特殊能力に定義された能力を前記キャラクタに付与し、該付与された能力を得たキャラクタに基づいて以後のシナリオを展開してゆくシナリオ展開手順を実行させるためのゲームプログラムであって、前記武器、アイテム、防具、特殊能力装備手順は、各キャラクタに対応する形で、仮想空間内に設定された形で、一定の形状を有する、複数のブロック配置スペースを有するブロック配置空間を所定のメモリ内に設定する、ブロック配置空間設定手順、プレーヤがゲーム中に取得したアイテムを、当該アイテムに対応した大きさ及び形状を有する、前記武器、アイテム、防具、特殊能力に対応したスキルブロックに変換処理すると共に、当該スキルブロックの画像を生成してディスプレイ上に表示するブロック変換表示手順、前記変換されたスキルブロックを、前記仮想空間内のオブジェクトとして前記ブロック配置空間内のブロック配置スペースに、前記コンピュータのコントローラの指令に応じて組み込み配置するように指令するスキルブロック組み込み配置手順、前記スキルブロック組み込み配置手順により指令された、スキルブロックの組み込み位置と、既に前記ブロック配置空間内に組み込み済みのスキルブロックとの干渉の有無を演算判定して、干渉が生じる場合にプレーヤに告知する干渉判定手順、前記ブロック配置空間におけるスキルブロックの配置状態を示す映像を生成し、ディスプレイ上に表示させる、ブロック配置空間表示手順、各キャラクタについて前記ブロック配置空間内に配置された全てのスキルブロックに対応した前記武器、アイテム、防具、特殊能力を各キャラクタについて演算し、当該キャラクタに装備させる武器、アイテム、防具、特殊能力集計装備手順、を有して構成されるゲームプログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−66784号公報
【特許文献2】特開2005−185727号公報
【特許文献3】特許第3483252号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、こうしたパズルピースの連鎖成立を契機として得点や相手方へのダメージを与えるゲーム仕様は、面白くしようとすればするほど、スピード感を欠くものとなりがちであった。さらに、同種のピースが連続的につながる(ピースの連鎖を形成する)ことがこれらの連鎖ピースを消去する条件であるとしても、その連鎖形成の過程が直線的であったり、一纏まりのピースの集まりであったりする場合には、ピースの連鎖過程が簡単に予測しやすいものとなり、少しゲームに熟達した者にとっては顕著であった。一方で、ゲームの初心者にとってもすぐに馴染むことができるシンプルさも必要とされる。かかる観点からゲームの興味を維持ないし増進させるためには、改善の余地があった。つまり、ピースの連鎖過程において、シンプルな操作のもとにゲームのスピード感を向上させると共に、より変化(連鎖の意外性)に富んだ処理技術が期待される。
【0011】
また、連鎖ピースを消去した後のピースの再配置や新しいピースの補充についても、従来のような簡単に予測可能な手法によるのではなく、ピースの動作に一層の変化を持たせ、ゲームフィールド上のピース群を一体としてみた場合にも、スピードと連鎖の意外性とに富んだ動きをもたらすような処理技術が期待される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置は、ゲームフィールド上に配置された複数のピースのうちの1つのピースに対する操作によって成立する前記複数のピースの連鎖状態に基づいて前記連鎖状態にある前記複数のピースを消去する情報処理装置であって、
前記ゲームフィールドに配置される複数のピースの配置は、前記ゲームフィールド上の進行方向に向かって配置された複数の仮想ライン上に、前記ゲームフィールド上の所定領域内において奇数個及び偶数個のピースが交互に配置されるように制御され、
前記複数のピースを消去する処理は、
(A)前記複数の仮想ラインのうちの最前列にあたる仮想ライン上の複数のピースのうちのいずれか1つのピースに対する操作を起点として、前記操作された1つのピースから前記進行方向に向かって次の仮想ライン上にある、前記1つのピースに隣接する左右のピースに前記1つのピースと同種のピースがあるかどうかを判断し、
(B)前記判断により前記1つのピースと同種のピースがあると判断された場合には、前記同種のピースからみて前記進行方向に向かって次の仮想ライン上にある、前記同種のピースに隣接する左右のピースに前記同種のピースと同種のピースがあるかどうかを判断し、
(C)上述の処理(A)の判断によって上述の処理(B)へ移行した場合には、上述の処理(B)を前記同種のピースが無いと判断されるまで繰り返し、
(D)上述の処理(A)〜(C)によって連鎖形成された一連のピース群を消去の対象として処理する
ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一実施形態にかかるゲームプログラムは、情報処理装置に、ゲームフィールド上に配置された複数のピースのうちの1つのピースに対する操作によって成立する前記複数のピースの連鎖状態に基づいて前記連鎖状態にある前記複数のピースを消去させるゲームプログラムであって、前記情報処理装置上で実行されたとき、前記情報処理装置に、
前記ゲームフィールドに配置される複数のピースの配置は、前記ゲームフィールド上の進行方向に向かって配置された複数の仮想ライン上に、前記ゲームフィールド上の所定領域内において奇数個及び偶数個のピースが交互に配置されるように制御させ、
前記複数のピースを消去する際には、
(A)前記複数の仮想ラインのうちの最前列にあたる仮想ライン上の複数のピースのうちのいずれか1つのピースに対する操作を起点として、前記操作された1つのピースから前記進行方向に向かって次の仮想ライン上にある、前記1つのピースに隣接する左右のピースに前記1つのピースと同種のピースがあるかどうかを判断させる処理ステップと、
(B)前記判断により前記1つのピースと同種のピースがあると判断された場合には、前記同種のピースからみて前記進行方向に向かって次の仮想ライン上にある、前記同種のピースに隣接する左右のピースに前記同種のピースと同種のピースがあるかどうかを判断させる処理ステップと、
(C)上述の処理(A)の判断によって上述の処理(B)へ移行した場合には、上述の処理(B)を前記同種のピースが無いと判断されるまで繰り返させる処理ステップと、
(D)上述の処理(A)〜(C)によって連鎖形成された一連のピース群を消去の対象として処理させる処理ステップと
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態にかかる情報処理装置等によれば、パズルピースの連鎖成立過程をまるでアクションゲームのようにスピード感溢れるものとすると共に、意外性と変化に富んだ動きによってプレーヤをこれまで以上に楽しませることができるという特段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置の外観構成を説明する説明図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置の機能ブロックを説明する説明図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を含むシステムの全体構成例を説明する説明図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を含むシステムの動作例を説明する説明図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置ないしゲームプログラムの動作例を説明する説明図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置の画面例(ピースの配置例)を説明する説明図である。
図7】本発明の他の実施形態にかかる情報処理装置の画面例(ピースの配置のバリエーション)を説明する説明図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態にかかる情報処理装置の画面例(ピースの配置のバリエーション)を説明する説明図である。
図9】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置ないしゲームプログラムの連鎖ピース探索(ピース消去)ロジックを説明する説明図である。
図10】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置ないしゲームプログラムのピース再配置等のロジックを説明する説明図である。
図11】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置ないしゲームプリグラムのピース再配置等のロジックを説明する説明図である。
図12】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置ないしゲームプログラムのピースの補充の様子を説明する説明図である。
図13】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置の画面例(攻撃の様子)を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態にかかる情報処理装置及びゲームプログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1に、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置としてのタブレット端末の外観構成を示す。図1において、情報処理装置(タブレット端末)15は、筐体部151とディスプレイ152と筐体151の下部中央部に設けられたハードウェアボタン153とからなる。ディスプレイ152は典型的には液晶ディスプレイ(LCD)等で構成され、文字や静止画像や動画など様々な情報を表示することができる。また、ディスプレイ152にメニューボタンやソフトウェアキーボードを表示させ、これを指ないしタッチペン(不図示)等で触れることによりタブレット端末15への指示(コマンド)とすることができる。この点で上記ハードウェアボタン153は必須の構成要素ではないが、本発明の説明の便宜上、一定の機能を担うボタンとして実装されている。もちろん、これらハードウェアボタン153を、ディスプレイ152の一部に表示させたメニューボタンで代替させることも可能である。
【0018】
また、ディスプレイ152には、マルチタッチ入力パネルが含まれており、タッチ入力パネル上でのタッチ入力位置座標が入力デバイスインタフェース(不図示)を介してタブレット端末15の処理系(CPU)へ送信され処理される。そして、このマルチタッチ入力パネルは、パネルに対する複数の接触点を同時に感知することができるよう構成されている。この検出(センサ)については様々な方法で実現することができ、必ずしも接触センサに限られず、例えば、光学式のセンサを利用してパネルに対する指示点を抽出することも可能である。さらに、センサには、接触式のセンサや光学式のセンサのほか、人の肌の接触を感知する静電容量方式のセンサを用いることも可能である。
【0019】
また、図1には現れていないが、タブレット端末15は、マイクやスピーカを備えることもできる。この場合にはマイクより拾ったユーザの声などを判別して入力コマンドとすることも可能である。さらに、図1には現れていないが、タブレット端末15の背面等には、CMOS等のカメラデバイスが実装されている。
【0020】
図2に、本発明の一実施形態にかかるタブレット端末15を構成するハードウェアの機能ブロック図を例示する。タブレット端末15の動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0021】
図2において、ハードウェアブロック全体としてのタブレット端末200は、大別すると、図1におけるハードウェアボタン153、ディスプレイ152に設けられたマルチタッチ入力パネル、マイク等で構成される入力部201と、プログラムやデータ等を記憶するためのハードディスク、RAM及び/又はROM等で構成される記憶部202と、プログラムによって様々な数値計算や論理演算を行うCPUによって構成される中央処理部203と、ディスプレイ152等で構成される表示部204と、チップや電気系統等の制御を行うための制御部205と、インターネットにアクセスするためのスロットや光通信を行うためのポート、及び通信インタフェースから構成される通信インタフェース部206と、スピーカやバイブレーション等の出力部207と、時刻等を計時するための計時部208と、CMOS等のイメージセンサからなるセンサ部209と、装置内の各モジュールに電源を供給するための電源部210とからなり、これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図2においては、便宜上各線が適宜区分された結線211としてひとまとめに表す)によって接続されている。
なお、センサ部209には、タブレット端末200(15)の位置を特定するためのGPSセンサモジュールを含めることとしても良い。また、センサ部209を構成するCMOS等のイメージセンサによって検知された信号は、入力部201において入力情報として処理することができる。
【0022】
また、本発明の実施に必要なプログラムないしソフトウェアは、通常、記憶部202を構成するハードディスクディスク等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部202内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU203において演算実行される。
【0023】
なお、演算実行は必ずしもCPU等の中央処理部203で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0024】
図3に、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置をサーバないしシステムに接続して使用した場合の当該システムの全体構成例を示す。本発明の特徴的な処理動作は、情報処理装置単体でも実施可能であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、情報処理サーバやゲームサーバに接続したうえで実施することもできる。この場合、情報処理装置単体でも実行可能な処理ルーチンのうちの少なくとも一部はサーバで実施されることになる。また、情報処理装置を操作するプレーヤの情報やポイント等のデータがサーバにおいて保存管理されるという場合もある。以下、図3を参照して、サーバに接続された情報処理装置がシステム全体として本発明の一実施形態を実施する場合の態様を説明する。
【0025】
図3に示されるように、情報処理システム30は、その最小限の構成として、情報処理サーバ31と、プレーヤが使用する各種情報処理装置(図において、例示的に、PC32及び33、携帯電話34、携帯情報端末ないしタブレット端末15が示されている。以下、総称して「端末」とも言うこともある)とで構成され、サーバ及び各種端末間は、図3に示されるように専用回線やインターネット等の公衆回線(有線の回線として、36〜38)で相互に通信可能に接続されている。また、回線は有線であっても無線であってもよく、無線の場合、携帯電話34及び携帯情報端末ないしタブレット端末15は、無線で図示しない基地局や無線ルータ等を介してインターネット39に乗り入れ、更に回線38を介して情報処理サーバ31と相互に通信可能に接続されている。
【0026】
なお、本願の出願時点での携帯電話や携帯情報端末ないしタブレットは、パーソナルコンピュータ(PC)に比肩する処理能力(通信処理速度や画像処理能力等)を備えているものも多く、小型のコンピュータとも言うべきものである。
【0027】
また、本発明の実施に必要なプログラムないしソフトウェアは、通常、PCや携帯情報端末の記憶部におけるHDDないしSSD等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPUにおいて演算実行される。
【0028】
なお、演算実行は必ずCPU等の中央処理部で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0029】
また、情報処理サーバ31のハードウェア構成も、基本的にはPCを採用することができる。なお、本発明はこれに限定されるものではないが、情報処理サーバ31は、必要に応じてそのハードウェアスペックを上げるにあたり、複数のPC(一例として、数十台〜数万台)を並列的に作動させることによって大規模データの処理に適した構成をとることもできる。
【0030】
次に、図4図5の動作フローないしフローチャートを用いて、本発明にかかる一実施形態における情報処理装置を含むシステム、情報処理装置(ユーザ端末)ないしゲームプリグラムの動作を説明する。
既に述べたように、本発明の特徴的な動作は、情報処理装置単体としても実施可能であるとともに、少なくともその一部を情報処理サーバ等のサーバに実施させることができる。
【0031】
図4は、本発明の一実施形態における情報処理装置を含むシステムの全体動作フローの概略を示す。図4において、「ユーザ端末」は情報処理装置であり、図1におけるタブレット端末15のほか、同図のPC12、13、携帯電話14などがこれに対応し、「情報処理サーバ」は、図3における情報処理サーバ31がこれに対応する。また、図4中、t1〜t10は時系列の流れを示し、経時的に後述する動作や処理が行われるものである。
【0032】
まず、日時t1において、ユーザ(プレーヤ)は、ユーザ端末を介して情報処理サーバから自身のユーザ端末を本発明にかかる情報処理装置として動作させるためのアプリケーションソフトウェアをダウンロードする(ステップS401)。このアプリケーションソフトウェアは、本発明にかかるプログラムの一部又は全部を処理するためのクライアントソフトウェアないしアプリケーションソフトウェアである。そして、ダウンロードしたアプリケーションソフトウェアをユーザ端末にインストールする(ステップS402)。このとき、時刻t2において、ユーザ端末からは、必要に応じてユーザ登録としてユーザ自身のメールアドレスのほか、次表のようなプロフィール情報を情報処理サーバへアップロード(ステップS403)して登録管理させることもできる(ステップS404)。
【表1】
【0033】
以上のデータ項目は、ユーザデータとして情報処理サーバ上で保存される(ステップS405)。時刻t3以降は、ユーザ(プレーヤ)が情報処理装置を操作することによりゲームを開始することができる。
【0034】
次に、ユーザ端末にアプリをダウンロード及びインストールしたユーザは、時刻t4においてアプリケーションソフトウェアを起動する(ステップS406)。時刻t4〜時刻t5まで、例示的にユーザは情報処理装置(端末)でのゲーム遊戯に興じている。
【0035】
時刻t5になると、ユーザはいったん本発明の一実施形態にかかるアプリケーションソフトウェアを中断ないし終了する。このとき、必要に応じて、アプリケーションのステータス情報(得点やレベルアップの有/無、あるいは、レベルアップに伴う使用可能なコンテンツの権限データ、到達したステージ情報等のゲームの状況を表わす情報等、ゲームを再開ないし継続するために必要な各種パラメータ情報)を情報処理サーバへ転送し(ステップS407)、サーバではこれを受信して当該ユーザのユーザ情報としてのステータス情報を更新(ステップS408)及び保存(ステップS409)する。図4においては、これらの処理は、時刻t6までに完了している。
【0036】
なお、本発明の一実施形態にかかるアプリケーションソフトウェアを情報処理装置にインストールした後は、端末上で完全にクローズドに実行可能な形態とすることももちろん可能であり、この場合は、上述のステップS404〜ステップS405、並びに、ステップS408〜ステップS409を省略することができ、必要な情報があれば端末のメモリ上に保存管理される。
【0037】
次に、図4において、時刻t7〜時刻t10では、本発明の一実施形態にかかるアプリケーションソフトウェアの少なくとも一部を情報処理サーバにおいて実施する場合の実施形態例を示している。この場合、ユーザ(プレーヤ)は、ログイン動作と、コマンド送信という2つの典型的なユーザ端末操作を行い、情報処理サーバから必要なデータ送信を受け、あるいは、サービス提供を受けることとなる。
【0038】
例えば、図4において、時刻t7においてユーザが自身の情報処理装置を介してサーバへのログイン処理を行う(ステップS410)と、情報処理サーバでは必要な認証処理が適宜行われ(ステップS411)、時刻t8において、ユーザがサービス提供を受けられるためのデータを送信する(ステップS412)。例えば、端末からのコマンドを受信可能に構成されたトップメニュー画面や、アプリケーションの起動画面等である。
時刻t9において、ユーザは情報処理装置を介して何らかのコマンドを送信する(ステップS413)。このコマンドは、メニュー画面に表示されたメニューの選択かもしれないし、アプリケーション起動画面であれば、アプリケーションを開始するための開始コマンドの場合もある。サーバ側では、このコマンドを受けて、サービス処理を開始する(ステップS414)。そして、時刻t10において、サーバから端末の要求に応じたサービスが提供される(ステップS415)。
【0039】
なお、図4には図示していないが、時刻t10以降も、端末からは随時コマンドを送信することができ(例えば、ゲームアプリケーション実行中の操作コマンドなど)、都度、サーバでは端末からのコマンド受信を受けてサービスを提供することができる(例えば、ゲームアプリケーション実行中の操作コマンドを受けて対象となるオブジェクトを移動させたり、その他の演算処理をしたりするなど)。
【0040】
その他の付加的に、ユーザ(プレーヤ)は、一例としてユーザ端末から特定の相手もしくは特定多数の相手に向けてメッセージを送信することもできる(図4において不図示)。このメッセージは、情報処理サーバにて中継され、特定の相手もしくは特定多数の相手に転送され相手方において受信される。また、送信したメッセージは自身の端末でも確認できる。このようなコミュニケーションツールはいわばオプションであり、必要に応じて実装することができる。
【0041】
次に、図5を参照して、図4で説明したフローと一部重複する形で、ユーザ端末での本発明の一実施形態に係る処理動作の概要を説明する。図4での時刻t4(ステップS406)から時刻t5(ステップS407)における動作の一部の更に詳細な処理フローであり、本発明の一実施形態にかかるゲームアプリケーションの基本動作を説明するものである。
なお、図5に示すフローでは、1回のピース連鎖成立ごとに獲得ポイントないしヒットポイントを算出してステージクリアないしバトル勝利の判断をするように実施することもできるが、所定回数(例えば3回)のピース連鎖成立をひとまとまりとして、それまでの累積獲得ポイントないし累積ヒットポイントに基づいてステージクリアないしバトル勝利の判断をするように実施することもできる。以下の例では、所定回数を3回とする。このように設定した場合には、バトルゲーム等において3つのキャラクタを登場させ、各キャラクタの攻撃(それぞれ1回のピース連鎖)を合算して(3回のピース連鎖によるポイントを合算して)、敵を倒せたかどうかの判断とするようなゲーム進行が可能となる。
【0042】
まず、ステップS501においてアプリケーションを起動する。次に、本発明はこれに限定されるものではないが、本発明の一実施形態にかかるゲームアプリケーション(詳細は、図6図13を参照して詳述する)は、他の複数のゲームの一環として実施することもできる。例えば、ロールプレイングゲーム(RPG)におけるバトルゲームとして、あるいは、カードシミュレーションゲームにおけるボーナスゲームとして、などである。ステップS502はこの点を表わしている。本書では、ステップS502の詳細を説明することは本発明の本質ではないので割愛する。
【0043】
次に、ステップS503において、所定回数LOOPおよび回数をカウントするための変数CNTが初期化され(ここでは、LOOP=3,CNT=0にセットされる)、ポイントがクリアされ、本発明の一実施形態にかかるゲームアプリケーションが起動ないし開始される。
【0044】
本発明の一実施形態にかかるゲームアプリケーションは、典型的には、パズルバトルゲームという形態で実施されるが、本発明は必ずしもこれに制限されることはなく、バトルを前提としない連結パズルゲーム等としても実施可能である。
【0045】
また、本書では、パズルを構成する各ピースないし各ブロックを「パズルピース」あるいは単に「ピース」と呼ぶこととする。
【0046】
ステップS504では、情報処理装置のディプレイに設定されたゲームフィールド上に複数のパズルピースが配置される。このパズルピースの配置の仕方には本発明の第1の特徴がある。つまり、パズルピースは、ゲームフィールド上に設定された複数の仮想ラインの各段上に、奇数個のピースと偶数個のピース(あるいは、偶数個のピースと奇数個のピース)とが交互に配置されるように制御される。その結果、ゲームフィールド上の仮想ラインに配置されたパズルピースを、仮想ラインと仮想ラインとを垂直に横切る進行方向に沿って見ていくと、必ずジグザグに並ぶように制御される。
【0047】
このような配置制御によって、後述する演出を行った時にプレーヤが容易には予想することができない変化に富んだ動作を生じさせることが可能となる。
【0048】
また、ゲームフィールド上に配置されるパズルピースには、複数の種類のものを用意することができる。典型的には、青や赤や緑といった色分けによるピースのバリエーションを用意する。かかる色分けは、後述するピース連鎖成立のための判断基準となる。
【0049】
本発明は、これに限定されるものではないが、説明の便宜上、「赤」、「青」、「黄」、「緑」、「橙」といった、5種類の色分けされたピースを用意するものとする。
【0050】
さらに、本発明の一実施形態においては、「白」あるいは「7色(レインボー)」のピースを用意し、上記色分けされたどのピースとも連鎖成立することができる「特定ピース」として採用することとする。
【0051】
これらのゲームフィールド上に配置させるパズルピースは、典型的には、情報処理装置のCPUなどで発生させる乱数等に基づいてランダムに発生させ、あるいは、所定のゲーム進行シナリオに応じて所定の係数を乗じるなどして偏向的に発生させ、あるいは、装置のメモリ上で配列ないしリストとして管理させることができる。
さらに、ユーザの操作に基づき探索処理や演算処理を行わせピースの配置関係を更新処理させることができる(これらの処理の詳細は、図6図13を参照して後述する)。
【0052】
ステップS505では、プレーヤからの操作待ちとなる(ステップS505において、「No」のループとして表現)。ここで、プレーヤが操作可能なピースは、上述のゲームフィールド上に配置された複数の仮想ラインのうち、プレーヤから見てもっとも手前の仮想ライン(これを「ベースライン」とも言うこととする)上に配置されたピースのうちの1つであるものとする。
ステップS505において、プレーヤからの操作(選択ないし指示)がある(Yes)と、ステップS506へ進む。
【0053】
ステップS506では、CNTがインクリメントされ、ステップS505においてプレーヤが操作(選択ないし指示)したピースを起点として、ゲームフィールド上に配置されたピースを進行方向に向かって走査ないし探索して連結ないし連鎖するピースを抽出する(連鎖ピースのリストを生成する)。
【0054】
ここでは、起点としたピースと同色のピースあるいは特定ピースであれば連結ないし連鎖するピースであるとして処理する。そして、連結ないし連鎖するピース群は、典型的にはメモリ上に別途確保した配列やリストに格納することにより管理される。
ステップS506において、連結ないし連鎖するピース群を一通り抽出し終えると、ステップS507へ進む。
【0055】
ステップS507では、連結ないし連鎖するピース群を消去処理する。このとき、配列ないしリストとして管理されたピースのうち消去対象とされたピース群は、消去されるか、表示フラグがオフとされる(フラグ管理される場合は、何らかの事情があったときに復活させることができる)。そして、ステップS506で抽出された連結ないし連鎖するピース群に基づいて獲得ポイントないし敵に対するヒットポイントが算出され、必要に応じて加算される(加算結果は、もちろんディスプレイ上に表示しても良い)。
【0056】
そして、ステップS508へ進む。ステップS508では、消去されたピース群によって生じたゲームフィールド上の空きスペースを埋めていくように残ったピースの再配置処理を行う(詳細は、図10図12を参照して後述)。
【0057】
次に、ステップS509に進み、前ステップでの再配置処理によって生じた最終的な空きスペースへ新しいピースを補充する処理を行い(詳細は、図12を参照して後述)、ステップS510へ進む。
【0058】
ステップS510では、CNTがLOOP(所定回数)に達したかどうかが判断される。CNT=1及び2の時点では、Noとなるので、ステップS505へ復帰する。
【0059】
ステップS510において、CNTがLOOP(所定回数)に達した(Yes)と判断された場合は、ステップS511へ進み、敵に対してダメージを与えた様子を表わす演出などのゲームアクションを実施する。そして、S512へ進み、前ステップまでに加算された累積獲得ポイントないし累積ヒットポイント等を参照して、現在進行しているゲームが一定の進度に達したか(つまり、ステージクリアとすべき累積ポイントや消去ピース数になったか、あるいは、敵を倒したと認定できるほどの累積ヒットポイントとなったか)どうかが判断される。
ステップS512において「Yes」の場合には、ステップS514へ進み、ゲーム再開ないし継続のために必要なデータを適宜保存等して、ステージないしバトルを終了する(ステップS515)。この後は、次のステージへ移行して同様のゲームを進行させても良いし、ステップS502で他のロールプレイングゲーム等の一環として本フローにかかるゲームを実施していた場合には、他のロールプレイングゲーム等へ復帰させることとしても良い。
【0060】
一方で、ステップS512において「No」の場合には、ステップS513へ進み、CNTをいったんリセット(CNT=0)して、ステップS505に復帰する。
【0061】
なお、ここまでの説明ではLOOP(所定回数)を「3」としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、LOOPは1以上の任意の自然数を設定することができる。
【0062】
図5を参照して説明した以上のフローが、本発明の一実施形態にかかるゲームアプリケーションの基本動作である。
【0063】
図6に、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置の画面例(ピースの配置例)を示す。図5のステップS504における画面の具体例である。
【0064】
図6において、情報処理装置600のディスプレイ上には、例示的に、ゲームタイトル601、倒すべき敵を想定したイメージ画像602が表示され、ゲームフィールド603内に複数個のピースが配置され、ディスプレイの最下段にはゲーム進行上のヒント604(「1〜5までのどれかを押して下さい」との注記)が表示されている。
【0065】
特に、ゲームフィールド603内には、ベースライン上に1〜5の番号を振られた5つのピースが配置され、ベースラインの上の仮想ライン上には4つのピースが配置され、以降、進行方向(同図中、敵のイメージ画像602へ向かう上方向)に向かって順に5つ、4つ、5つのピースが配置されている。さらに、各仮想ライン上のピースは互いに進行方向に沿って直線的ではなくジグザグになるように配置されている。
【0066】
なお、図6においては、本発明の特徴(ピースがゲームフィールド上の進行方向に向かってジグザグに配置されること)の説明の便宜のために、各仮想ライン上には、奇数個及び偶数個のピースが配置されるものとして表現したが、仮に奇数個のみのピースまたは偶数個のみのピースを各仮想ライン上に上記「ジグザグ」になるように配置することは可能であり、その場合であっても本発明の本質は損なわれない(例えば、図7(B)や図7(C))。
【0067】
(ゲームフィールド上の「所定領域」の定義)
したがって、より厳密に本発明の特徴を特定するための多角的な定義付けとして、本書におけるゲームフィールド上の所定領域を「ある仮想ライン上のピースがちょうど収まる幅をもった矩形状の領域」と定義し、その矩形領域内に「完全に収まるピースの数」が仮想ラインごとに奇数及び偶数(または偶数及び奇数)の交互の数となることが特徴である、といった特徴付けを行うことができる。なお、この偶数と奇数との差は、典型的には「1」となる。
【0068】
かかる意味において、図6、上述の矩形領域となるゲームフィールド上の所定領域を破線605または606で表わす。この場合、ゲームフィールド上の所定領域を5つのピースがちょうど収まる幅とした場合には、ゲームフィールド上の所定領域は605が採用され、同図に示されるようにその中にはベースラインから順に「5つ→4つ→5つ→4つ→5つ」のピースが交互に配置されることになる(奇数と偶数との差は1となる)。一方で、ゲームフィールド上の所定領域を4つのピースがちょうど収まる幅とした場合には、ゲームフィールド上の所定領域は606が採用され、同図に示されるようにその中にはベースラインから順に「3つ→4つ→3つ→4つ→3つ」のピースが交互に配置されることとなる(奇数と偶数との差は1となる)。
上述の関係は、図8を参照して説明する変形されたゲームフィールド上でもその意義は変わることがない(図6図7では矩形状領域であるゲームフィールド上の所定領域が、図8では、変形した仮想ラインと、各仮想ラインに対して垂直になる進行方向ラインとに沿った変形されたゲームフィールド上の所定領域となるだけである)。
【0069】
そして、図6には図示していないが、ゲームフィールド上のピースには、典型的にはランダムに選択された色(一例として、「赤」、「青」、「黄」、「緑」、「橙」、「レインボー」)が付されている。
【0070】
なお、ベースライン上の5つのピース上の1〜5までの番号の付記や、ゲーム進行上のヒント604は、適宜省略することができる。
【0071】
例示的に、図6のベースライン上の5つのピースのいずれかを選択ないし指示することにより、ゲームはスタートする。
【0072】
図7に、本発明の他の実施形態にかかる情報処理装置の画面例(ピースの配置のバリエーション)を示す。図6では、円形状のピースを採用したが、これは図7では(A)に示される形態である。図7(A)では、例示的に、ベースラインLa1上に5つのピースが配置され、進行方向(同図の矢印の方向)へ向かって、仮想ラインLa2上は4つのピースが、仮想ラインLa3上は5つのピースが、仮想ラインLa4上は4つのピースが、仮想ラインLa5上は5つのピースが、それぞれ配置されている。
【0073】
図7では、(A)以外にも、矩形状のピース(同図(B))や正六角形のピース(同図(C))など、本発明の趣旨に反しない範囲で様々な形状のピースを採用することができる。
【0074】
また、各仮想ライン上に配置されるピースの数も、同図に例示されるように任意の数を採用することができる。なお、同図(B)に示したピース配置では、各仮想ラインLb1〜Lb5上のピース数は4つずつとなっており、同図(C)に示したピース配置では、各仮想ラインLc1〜Lc7上のピース数は5つずつとなっているが、上述した「ゲームフィールド上の所定領域」の定義を当て嵌めれば、同図(B)及び同図(C)も、本発明の他の実施形態にかかるバリエーションに過ぎないことは明らかである。
【0075】
図8に、本発明のさらに他の実施形態にかかる情報処理装置の画面例(ピースの配置のバリエーション)を示す。図6〜7では、ゲームフィールドを含む平面にピースを配置する例を示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、図8(A)〜(D)に示されるように、ピースの配置面を三次元的に設定してその配置面に想定される複数の仮想ライン(もちろん、非直線的な変形されたラインとなる)上にピースを配置することとしても良い。
【0076】
図8(A)では、ゲームフィールドを含む平面は一点透視図法に基づいて情報処理装置のディスプレイ上に描画される。ベースラインLd1及び他の仮想ラインLd2〜Ld5も同図法に沿って想定され、ピースはこうして想定された各仮想ライン上に配置される。3本の矢印は進行方向を示す。
【0077】
図8(B)では、ゲームフィールドを含む平面は曲面として描画され、遠近法をもって立体的に描画される。ベースラインLe1及び他の仮想ラインLe2〜Le5も同図法に沿って想定され、ピースはこうして想定された各仮想ライン上に配置される。3本の矢印は進行方向を示す。
【0078】
図8(C)では、ゲームフィールドを含む平面を斜め上から俯瞰したように描画される。ベースラインLf1及び他の仮想ラインLf2〜Lf5も、この俯瞰図に沿って想定され、ピースはこうして想定された各仮想ライン上に配置される。3本の矢印は進行方向を示す。図8(D)では、ゲームフィールドを含む曲面を斜め後方から俯瞰したように描画される。ベースラインLg1及び他の仮想ラインLg2〜Lg5も、この俯瞰図に沿って想定され、ピースはこうして想定された各仮想ライン上に配置される。3本の矢印は進行方向を示す。
【0079】
本発明では、図8(A)〜(D)に限らず様々なゲーム空間を採用することができる。
【0080】
次に、図9を参照して、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置ないしゲームプログラムの連鎖ピース探索(ピース消去)ロジックを説明する。ここでの処理説明は、図5のステップS506及びステップS507での処理を詳細に説明するものである。
【0081】
図9において、ゲームフィールド上には、ピース11〜15(仮想ラインのうちの最前列にあたるライン(ベースライン)に配置されたピース)、ピース21〜24(ベースラインからみて進行方向(同図中の矢印の方向)に向かって次の仮想ライン(第2仮想ライン)に配置されたピース)、ピース31〜35(第2仮想ラインからみて進行方向に向かって次の仮想ライン(第3仮想ライン)に配置されたピース)、ピース41〜44(第3仮想ラインからみて進行方向に向かって次の仮想ライン(第4仮想ライン)に配置されたピース)、及びピース51〜55(第4仮想ラインからみて進行方向に向かって次の仮想ライン(第5仮想ライン)に配置されたピース)が配置されており、プレーヤはベースライン上のピース12を操作(選択ないし指示)したとする。
【0082】
そして、ピース21、22、33、42、53は、ピース12と同種(同色)のピースであるものとし(その中のいくつかは上述した「特定ピース」であってもよい)、少なくともピース32、43、52は、ピース12とは同種(同色)ではないピースとする。
【0083】
説明の便宜上、図9中の主要ピースの色を下表のとおりとする。
【表2】
【0084】
(連鎖ピース探索ステップ)
本発明の一実施形態における情報処理装置ないしゲームプログラムでは、プレーヤによるベースライン上のピースの操作(選択ないし指示)を契機として、プレーヤに操作されたピースを起点として、次の処理手順で連鎖するピースを探索する。
(S1)選択ないし指示されたピースAが配置される仮想ラインからみて進行方向に向かって次の仮想ライン上に配置されるピースであって、ピースAと上下に隣接する左右の2つのピースB及びCがピースAと同種のカテゴリ(このカテゴリは処理対象の仮想ラインが進行しても不変であるものとする)か否かを判断する(ただし、判断対象のピースが「特定ピース」であれば無条件に同種とみなす)。
(S2)ピースB及びCが両方ともピースAと同種でなければ探索処理は終了。
(S3)ピースB及びCのいずれか一方がピースAと同種であればその同種のピースを選択し、ピースAを先頭とするリストL1に加える。また、この同種のピースが存在する仮想ライン上のこの同種のピースと隣接する他のピースが同種のピースであれば、その繋がりが連続する限り、リストL2へ加える。
(S4)ピースB及びCが両方ともピースAと同種であれば、予め定められた規則(常に右側を選択するとか、常に左側を選択するとか、ベースラインを第1仮想ラインとして奇数ライン上の場合は常に右側を優先して選択し、偶数ライン上の場合は常に左側を優先して選択する等)に従ってピースを選択し、ピースAを先頭とするリストL1に加える。
また、このとき選択されなかったピースもピースAと同種であるので、別のリストL2に加える。
(S5)上記(S3)または(S4)においてピースAと同種のピースが選択された場合には、当該選択されたピースを新たな「ピースA」とし、この新たなピースAを起点として、上記(S1)〜(S4)の処理を行う(ただし、同種かどうかを判断するカテゴリ自体は不変である)。
(S6)(S2)に該当する場合が発生しない限り、進行方向に向かって最後の仮想ラインとなるライン上のピースを判定するまで(S1)〜(S5)を繰り返す。
【0085】
これを、図9を参照して具体的にみると、まず、図9においてはベースライン(第1仮想ライン)上のピース12(赤)が選択されているので、進行方向に向かって次のラインである第2仮想ライン上のピースであって、ピース12と隣接するピース21及びピース22がピース12と同種であるかどうかを判断する(S1)。
【0086】
ここで、ピース21及び22は共に「赤」であるので、所定の条件(この例では常に右側を選択するものとする)に照らして、ピース22が選択され、ピース12を先頭とするリストL1に追加する。このとき選択されなかったピース21は、別のリストL2に追加する(S4)。
【0087】
次に、ピース22を起点として、第3仮想ライン上のピース上のピース32及びピース33がピース12(当初の「赤」というカテゴリ)と同種のものかどうかが判断される(S5)。ここで、ピース32は「青」であるが、ピース33は「レインボー」であるので、今回はピース33が同種と判断されてリストL1に追加される。
【0088】
次に、ピース33を起点として、第4仮想ライン上のピース上のピース42及びピース43がピース12(当初の「赤」というカテゴリ)と同種のものかどうかが判断される。ここで、ピース42は「赤」であり、ピース43は「黄」であるので、今回はピース42が同種と判断されてリストL1に追加される。
【0089】
次に、ピース42を起点として、第5仮想ライン上のピース上のピース52及びピース53がピース12(当初の「赤」というカテゴリ)と同種のものかどうかが判断される。ここで、ピース52は「緑」であり、ピース53は「赤」であるので、今回はピース53が同種と判断されてリストL1に追加される。
【0090】
ここで、処理すべき次なる仮想ライン上のピースは存在しない(尽きた)ので処理を終了する。
【0091】
図9を参照した以上の説明にもとづけば、リストL1の内容は、ピース番号のリストとして、L1=[12,22,33,42,53]となり、リストL2の内容は、L2=[21]となる。
このとき、狭義の意味での連鎖成立ピース群はL1にエントリされているピース(群)であり、広義の意味での連鎖成立ピース群はL1にエントリされているピース(群)にL2にエントリされているピース(群)を加えたピース(群)となる。
【0092】
そして、連鎖成立とされたピース群の枚数等に基づき、獲得ポイントや敵に与えることができるダメージ(ヒットポイント)を算出し、連鎖成立ピース群を消去処理する。
【0093】
なお、図9の例におけるピース21(仮想ライン上の処理起点となるピースとしては選択されないが、消去対象とはなるもの)を「誘爆ピース」と呼ぶものとする。上述したように、「誘爆ピース」は、各仮想ライン上の処理起点となるピースと同種のものとして連なるピースであって、処理起点となるピースと同種のものとして連続する全てのピース(仮想ライン上、横の繋がりのピース群)である。仮に、図9において、ピース21〜24まで全てのピースが同種のピースであった場合には、L2にはピース21、23、24が格納されることになり、これらのピースを全て誘爆ピースとして処理することができる。
【0094】
次に、図10図11を参照して、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置ないしゲームプログラムのピース再配置等のロジックを説明する。説明の便宜上、図9において消去された連鎖ピース群の空きスペースに対してどのようにピースが再配置されるかという前提で説明する(併せて、普遍的な処理ステップについても説明する)。図5のステップS508での処理を詳細に説明するものである。
【0095】
図10において、ゲームフィールド上には、図9において消去された連鎖ピース群を除いた残りのピース群が配置されている。
【0096】
(ピースの再配置ステップ)
本発明の一実施形態における情報処理装置ないしゲームプログラムでは、連鎖ピース群の消去処理後、次の処理手順でピースを再配置する。
(D1)ピースが存在するピース位置(以下、「位置」)はスキップして1順目は第1仮想ライン(2順目以降は第2仮想ライン以降となる)上の位置を端から順に検査し、ピースが存在しない空き位置Aが見つかったら当該ラインからみて進行方向に向かって次の仮想ライン上に配置される位置であって、空き位置Aと上下に隣接する左右の2つの位置にピースが存在するかどうかを検査する。
(D2)空き位置Aと上下に隣接する左右の位置のいずれにもピースがなければ、空き位置Aの次の位置(空き位置Aと同じ仮想ライン上にある空き位置Aと隣接する位置)へ進んで(D1)〜(D2)と同様の処理をする。
(D3)空き位置Aと上下に隣接する左右の位置のいずれにもピースが存在する場合には、予め定められた規則(常に右側のピースを選択するとか、常に左側のピースを選択するとか、ベースラインを第1仮想ラインとして奇数ライン上の場合は常に右側を優先して選択し、偶数ライン上の場合は常に左側を優先して選択する等)に従って左右いずれかのピースを選択し、選択されたピースを空き位置Aに移動させる。
(D4)空き位置Aと同じ仮想ライン上にある位置を全て検査し終えたら、検査すべき仮想ラインを進行方向に向かって次のラインに移行させ(第1仮想ラインの検査を終えたら第2仮想ラインへ移行)、新たな空き位置Aを見つけるべく(D1)〜(D3)と同様の処理を行う。
(D5)進行方向へ向かって最後から2番目の仮想ライン上の全ての位置の検査を終えたら、ベースライン(第1仮想ライン)上の位置に対する検査に復帰し、(D1)〜(D5)と同様の処理を行う。
(D6)再配置させるべきピースが無くなった時点で処理を終了する。
【0097】
これを、図10〜11を参照して具体的にみると、まず、図10においては、ベースライン上のピースを端(ピース11の位置)から順に見て、ベースライン上の左から2番目の位置にピースが存在しない空き位置(図9においてピース12があった位置)が見つかったので、まずは、ここを起点とした処理を行う。この空き位置からみてベースラインの次の仮想ラインである第2仮想ライン上の位置であって、この空き位置と上下に隣接する左右の2つの位置(図9においてピース21、22があった位置)にピースが存在するかどうかを検査する(D1)。
【0098】
図10に示されるように、検査される左右の2つの位置(図9においてピース21、22があった位置)にはいずれもピースが存在しないので、ここでのピース再配置はできず、ベースライン上のピース13〜15を次々と検査していき(いずれもピースが存在するため再配置は不可)、今度は検査すべき仮想ラインを進行方向に向かって次のライン(第2仮想ライン)へ移行させる(D4)。
【0099】
次に、第2仮想ライン上のピース位置を端(便宜上、左端とする)から順に検査し、移動させるべき上下に隣接するピースが見つかったのは左から1番目の空き位置(図9において、ピース21があった位置)となる。この空き位置と上下に隣接する左右の位置にはいずれにもピースが存在するので、所定の処理手順(ここでは、「奇数仮想ライン上の空き位置へは左上ピースを右上ピースに優先させて移動させ、偶数仮想ライン上の空き位置へは右上ピースを左上ピースに優先させて移動させる」という規則が適用されるものとする)に従って、右上ピース(ピース32)をこの空き位置(図9において、ピース21があった位置)へ移動させる(図10におけるピース移動M1)。
【0100】
次に、第2仮想ライン上の左から2番目のピース位置を検査するが、ここへ移動させるべきピースは存在しない。更に次のピース位置へ進むが、ピース23及びピース24へのピース移動はできないので、検査すべき仮想ラインを次のライン(第3仮想ライン)へと移行させる(D4)。
【0101】
第3仮想ライン上を端(便宜上、左端とする)から順に検査して見つかる最初の空き位置は左から2番目の位置(図10において、元々ピース32があった位置)である。ここは、奇数仮想ライン上の空き位置であるため左上ピースを右上ピースに優先させて移動させることとなるが、ちょうど左上にピース41が存在する(右上にはピースは存在しない)ので、このピース41を空き位置に移動させる(ピース移動M2)。そして、次の空き位置(第3仮想ラインの左から3番目の位置)でも移動可能なピースがあり、優先させるべき左上ではないが右上にピース43があるので、このピース43を第3仮想ラインの左から3番目の空き位置に移動させる(ピース移動M3)。そして、第3仮想ライン上の検査は終了する(ピース34、35の位置へはピース移動不可のため)。
【0102】
続いて、第4仮想ライン上を端(便宜上、左端とする)から順に検査して見つかる最初の空き位置は左端の位置(図10において、元々ピース41があった位置)である。ここで、偶数仮想ライン上の空き位置であるため右上ピースを左上ピースに優先させて移動させることになり、ピース52をこの空き位置へ移動させる(ピース移動M4)。続いて、第4仮想ラインの左から3番目の位置へはさきほどピース43が移動していまっているので、空き位置となっており、右上のピース54をこの空き位置へ移動させる(ピース移動M5)。
ここまでで、進行方向へ向かって最後から2番目の仮想ライン上の全ての位置の検査を終えたことになるので、ベースライン(第1仮想ライン)上の位置に対する検査に復帰しする(D5)。
【0103】
次に、2順目のベースライン上の処理となって、端(便宜上、左端とする)から順に検査して見つかる最初の空き位置は左から2番目の空き位置となる。今度は、左上にピース32が下りてきている(右上は空きのままである)ので、左上のピース32をこの空きいいへ移動させる(ピース移動M6)。そして、ベースライン上の以降のピース位置にはすべてピースが埋まっているのでここへ新たにピースを移動させることはできず、検査すべき仮想ラインは第2仮想ラインへと移行する。
【0104】
2順目の第2仮想ライン上の処理では、端(便宜上、左端とする)から順に検査して見つかる最初の空き位置は左から1番目の空き位置であり、この空き位置へは左上のピース31と右上のピース41とが移動可能であるが、第2仮想ライン(偶数仮想ライン)上では、右上のピースを左上ピースに優先させて移動させることになっているので、右上のピース41をこの空き位置へ移動させる(ピース移動M7)。
【0105】
ここまでが、図10に示したピース再配置である(再配置開始から、2順目の検査の途中まで)。そして、図10を参照して説明した再配置処理を終えた直後のピースの配置状態は、図11に示したとおりになる(図10におけるピース移動M7を終えて、ピース41は第2仮想ラインの左端に収まっている)。
【0106】
図11では、図10に引き続いてピースの再配置処理が続行され、実際のピース移動としては、ピース43の移動(図11におけるピース移動M8)、ピース52の移動(ピース移動M9)、ピース54の移動(ピース移動M10)、ピース51の移動(ピース移動M11)が順次実行される。
【0107】
この時点で、ベースライン(第1仮想ライン)へ復帰して再検査しても、もう再配置させるべきピースは尽きてしまったので処理は終了する。
図10及び図11を参照して説明したピースの再配置処理を完了した時点でのピース配置の様子は図12に示すとおりとなる。
【0108】
図12に、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置ないしゲームプログラムのピースの補充の様子を示す。さきにも説明したとおり、図12図10及び図11を参照して説明したピースの再配置が完了した時点でのピースの状態であり、図9におけるピース42、43、ピース51〜54があった位置が空きスペースとなっている。
図12におけるこれらの空きスペースに、典型的にはランダムに抽出された新たなピースを補充することができる。
この処理は、図5のステップS509のより詳細な処理にあたる。
【0109】
そして、図9図12を参照して説明した一連の処理動作を経て、図13に示すような敵に対するひとまとまりの攻撃として処理される。すなわち、図13において、情報端末装置130のディスプレイ部には、「HIT!!」のテロップ表示131とともに、敵キャラクタがプレーヤの攻撃を受けている様子を示す表示132がなされ、ゲームフィールド133には、上述したピースの連鎖が表現されている。また、この連鎖によって敵に与えることができるヒットポイントが8800ポイントとして算出されている(134)。このヒットポイントの算出方法はゲームの構成によって様々に設計可能であることは言うまでもない。
【0110】
そして、一連の処理動作は、敵を倒すことを目的とするパズルバトルゲームの場合には、所定のヒットポイントが累積されるまで、ステージクリアを目的とする連結パズルゲームの場合には所定の累積ポイントに達するか消去されるピース数が所定数に達するまで継続される。
【0111】
以上、具体例に基づき、情報処理装置及びゲームプログラム等の実施形態を説明したが、本発明の実施形態としては、システム又は装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。
【0112】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。
【0113】
さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装された別の処理ユニット(DSP等)によってその一部又は全部が実施される構成とすることもできる。
【0114】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0115】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0116】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。
【符号の説明】
【0117】
15 タブレット端末(情報処理装置の一形態)
30 情報処理システム
31 情報処理サーバ
32、33 PC(情報処理装置の一形態)
34 携帯電話(情報処理装置の一形態)
39 公衆回線(専用線、インターネット等)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13