(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572534
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】過酢酸含有排水の処理装置および処理方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/58 20060101AFI20190902BHJP
C02F 1/64 20060101ALI20190902BHJP
C02F 1/44 20060101ALI20190902BHJP
C02F 1/70 20060101ALI20190902BHJP
B01D 61/02 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
C02F1/58 A
C02F1/58 H
C02F1/58 J
C02F1/64
C02F1/44 F
C02F1/44 E
C02F1/70 Z
B01D61/02 500
【請求項の数】12
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-248052(P2014-248052)
(22)【出願日】2014年12月8日
(65)【公開番号】特開2016-107216(P2016-107216A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】亀田 英邦
(72)【発明者】
【氏名】育野 望
【審査官】
片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−181397(JP,A)
【文献】
特開平08−084994(JP,A)
【文献】
特開2001−170657(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/28、44、58−64、70−78
B01D 61/00−71/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過酢酸含有排水を活性炭と接触させて処理する活性炭処理手段を備える過酢酸含有排水の処理装置において、該過酢酸含有排水に含まれる多価金属イオンからの金属析出による活性炭の劣化を防止しつつ活性炭処理するために、該活性炭処理手段の前段に、
該過酢酸含有排水に有機キレート剤を添加する有機キレート剤添加手段と、該過酢酸含有排水にアルカリを添加してpH9以上に調整するpH調整手段とを有し、
該有機キレート剤およびアルカリが添加された過酢酸含有排水が前記活性炭処理手段で処理される過酢酸含有排水の処理装置であって、
該過酢酸含有排水が、過酸化水素、過酢酸、および酢酸を50〜200mg/L含有する、食品又は飲料工場の製造工程から排出されるオキソニア排水であり、
該活性炭処理手段が、上向流の多段式の流動式活性炭塔であることを特徴とする過酢酸含有排水の処理装置。
【請求項2】
請求項1において、前記有機キレート剤添加手段が前記pH調整手段の前段に設けられていることを特徴とする過酢酸含有排水の処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記pH調整手段により前記過酢酸含有排水がpH10.5〜12に調整されることを特徴とする過酢酸含有排水の処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、前記有機キレート剤が食品添加物であることを特徴とする過酢酸含有排水の処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、前記活性炭処理手段の後段に逆浸透膜装置を備えることを特徴とする過酢酸含有排水の処理装置。
【請求項6】
請求項5において、前記逆浸透膜装置の透過水を回収する水回収手段を有することを特徴とする過酢酸含有排水の処理装置。
【請求項7】
過酢酸含有排水を活性炭と接触させて処理する活性炭処理工程を有する過酢酸含有排水の処理方法において、該過酢酸含有排水に含まれる多価金属イオンからの金属析出による活性炭の劣化を防止しつつ活性炭処理するために、該活性炭処理工程の前段に、
該過酢酸含有排水に有機キレート剤を添加する有機キレート剤添加工程と、該過酢酸含有排水にアルカリを添加してpH9以上に調整するpH調整工程とを有し、
該有機キレート剤およびアルカリが添加された過酢酸含有排水が前記活性炭処理工程で処理される過酢酸含有排水の処理方法であって、
該過酢酸含有排水が、過酸化水素、過酢酸、および酢酸を50〜200mg/L含有する、食品又は飲料工場の製造工程から排出されるオキソニア排水であり、
該活性炭処理工程が、上向流の多段式の流動式活性炭塔で処理する工程であることを特徴とする過酢酸含有排水の処理方法。
【請求項8】
請求項7において、前記有機キレート剤添加工程が前記pH調整工程の前段に設けられていることを特徴とする過酢酸含有排水の処理方法。
【請求項9】
請求項7又は8において、前記pH調整工程により前記過酢酸含有排水がpH10.5〜12に調整されることを特徴とする過酢酸含有排水の処理方法。
【請求項10】
請求項7ないし9のいずれか1項において、前記有機キレート剤が食品添加物であることを特徴とする過酢酸含有排水の処理方法。
【請求項11】
請求項7ないし10のいずれか1項において、前記活性炭処理工程の後段に、活性炭処理水を逆浸透膜で処理する逆浸透膜工程を備えることを特徴とする過酢酸含有排水の処理方法。
【請求項12】
請求項11において、前記逆浸透膜工程の透過水を回収する水回収工程を有することを特徴とする過酢酸含有排水の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品又は飲料工場の製造工程から排出されるオキソニア排水等の過酢酸含有排水を効率的に処理して回収・再利用するための過酢酸含有排水の処理装置および処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、食品又は飲料工場において、ペットボトル等の容器内部をオキソニア(過酢酸溶液)により殺菌洗浄した際に排出されるオキソニア排水(リンサー排水など)を回収・再利用する取り組みが進んでいる。オキソニアは、通常、下記組成の過酢酸、酢酸、過酸化水素及び水からなる平衡過酢酸組成物であり、オキソニア排水には、過酸化水素、過酢酸、および酢酸が50〜200mg/L程度含有されているため、オキソニア排水を回収・再利用するにはこれらを除去する必要がある。
<オキソニアの組成>
過酢酸(CH
3COOOH):10重量%
酢酸(CH
3COOH):20重量%
過酸化水素(H
2O
2):20重量%
【0003】
従来、オキソニア排水の処理方法としては、以下の(1)、(2)が知られている。
(1) オキソニア排水を活性炭塔に通水して過酢酸および過酸化水素を還元処理した後、カチオン交換塔に通水して微量のカチオン成分を除去し、最後にアニオン交換塔に通水して酢酸イオンを除去する方法(特開2001−129564号公報)。
(2) オキソニア排水を活性炭塔に通水して過酢酸および過酸化水素を還元処理した後、pHを上げ、逆浸透膜により酢酸イオンを除去する方法(特開2001−170657号公報)。
【0004】
ここで、有機排水を活性炭と逆浸透膜に順次通水する処理において、活性炭にスライム付着が起こる可能性があるので、活性炭の前段でpHを9.5以上の高アルカリまで上げて、活性炭、逆浸透膜と順次通水することでスライム付着を防止する方法が知られている(特開2006−181397号公報)。従って、上記(2)の方法においても活性炭塔の前段で高pHに調整することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−129564号公報
【特許文献2】特開2001−170657号公報
【特許文献3】特開2006−181397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らの検討により、高pHの原水を長時間活性炭塔に通水すると、後掲の比較例1に示されるように、経時的に活性炭の還元性能が低下して過酸化物が活性炭で除去しきれずリークすることが確認された。
この原因の詳細は不明であるが、以下のように推定される。即ち、原水中には、Fe、Ca、Mgなど水道水質基準に満たない微量の多価金属イオンが含まれていると考えられ、pH中性以下ではこれら多価金属イオンはイオン状態であるが、高pHになると金属が析出して活性炭の表面に何らかの作用を及ぼして活性炭の還元力を低下させてしまうという現象が考えられる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑み、食品又は飲料工場の製造工程から排出されるオキソニア排水等の過酢酸含有排水を高pH条件で活性炭処理するにあたり、排水中の多価金属イオンの活性炭への影響を低減することによって、活性炭の寿命を長期化できる過酢酸含有排水の処理装置および処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、活性炭処理に先立ち、有機キレート剤を添加し、排水中の多価金属イオンを有機キレート剤でマスキングすることにより、多価金属イオンからの金属の析出を防止することができ、この金属析出による活性炭の劣化を防止することができると考えた。
【0009】
本発明はこの知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
【0010】
[1] 過酢酸含有排水を活性炭と接触させて処理する活性炭処理手段を備える過酢酸含有排水の処理装置において、該活性炭処理手段の前段に、該過酢酸含有排水に有機キレート剤を添加する有機キレート剤添加手段と、該過酢酸含有排水にアルカリを添加してpH9以上に調整するpH調整手段とを有し、該有機キレート剤およびアルカリが添加された過酢酸含有排水が前記活性炭処理手段で処理されることを特徴とする過酢酸含有排水の処理装置。
【0011】
[2] [1]において、前記有機キレート剤添加手段が前記pH調整手段の前段に設けられていることを特徴とする過酢酸含有排水の処理装置。
【0012】
[3] [1]又は[2]において、前記pH調整手段により前記過酢酸含有排水がpH10.5〜12に調整されることを特徴とする過酢酸含有排水の処理装置。
【0013】
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記有機キレート剤が食品添加物であることを特徴とする過酢酸含有排水の処理装置。
【0014】
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、前記活性炭処理手段の後段に逆浸透膜装置を備えることを特徴とする過酢酸含有排水の処理装置。
【0015】
[6] [5]において、前記逆浸透膜装置の透過水を回収する水回収手段を有することを特徴とする過酢酸含有排水の処理装置。
【0016】
[7] 過酢酸含有排水を活性炭と接触させて処理する活性炭処理工程を有する過酢酸含有排水の処理方法において、該活性炭処理工程の前段に、該過酢酸含有排水に有機キレート剤を添加する有機キレート剤添加工程と、該過酢酸含有排水にアルカリを添加してpH9以上に調整するpH調整工程とを有し、該有機キレート剤およびアルカリが添加された過酢酸含有排水が前記活性炭処理工程で処理されることを特徴とする過酢酸含有排水の処理方法。
【0017】
[8] [7]において、前記有機キレート剤添加工程が前記pH調整工程の前段に設けられていることを特徴とする過酢酸含有排水の処理方法。
【0018】
[9] [7]又は[8]において、前記pH調整工程により前記過酢酸含有排水がpH10.5〜12に調整されることを特徴とする過酢酸含有排水の処理方法。
【0019】
[10] [7]ないし[9]のいずれかにおいて、前記有機キレート剤が食品添加物であることを特徴とする過酢酸含有排水の処理方法。
【0020】
[11] [7]ないし[10]のいずれかにおいて、前記活性炭処理工程の後段に、活性炭処理水を逆浸透膜で処理する逆浸透膜工程を備えることを特徴とする過酢酸含有排水の処理方法。
【0021】
[12] [11]において、前記逆浸透膜工程の透過水を回収する水回収工程を有することを特徴とする過酢酸含有排水の処理方法。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、過酢酸含有排水中に有機キレート剤を添加した後に活性炭処理することにより、高pH条件であっても活性炭の還元性能を長期間安定に維持することができる。
このため、本発明によれば、食品又は飲料工場の製造工程から排出されるオキソニア排水等の過酢酸含有排水を活性炭処理するに当たり、高pH条件として活性炭のカビ発生を防止しつつ、活性炭の還元処理性能を長期間維持することができ、高水質の処理水を長期に亘り安定に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施の形態の一例を示す系統図である。
【
図2】本発明の実施の形態の他の例を示す系統図である。
【
図3】実施例1および比較例1の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1,2は本発明の実施の形態を示す系統図である。
【0025】
図1では、過酢酸含有排水に有機キレート剤を添加して排水中の多価金属イオンをマスキングし、次いで、アルカリを添加してpH9以上に調整した後、活性炭塔1に通水する。
【0026】
有機キレート剤とは、金属イオンと結合してキレート化合物を形成する多座配位子を有する化合物であり、このような化合物としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)又はそのナトリウム塩等のアルカリ金属塩などのEDTA類、ニトリロトリ酢酸又はそのアルカリ金属塩などのポリアミノカルボン酸類、グルコン酸又はそのアルカリ金属塩などのポリオキシカルボン酸類、クエン酸又はそのアルカリ金属塩などのオキシポリカルボン酸類、縮合アミノりん酸類、その他、ジメチルグリオキシム、オキシン、ジチゾンなどを挙げることができる。
一般的に、これらの有機キレート剤の毒性は少ないが、食品又は飲料製造工場での水回収に用いる剤としては、食品添加物として認可されているエチレンジアミン四酢酸のジナトリウム塩(「EDTA・Na」と略記する。)、グルコン酸ナトリウム、クエン酸を用いることが好ましい。
これらの有機キレート剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0027】
有機キレート剤の添加量は、過酢酸含有排水中の重金属量の1〜5重量倍、好ましくは1.3〜2重量倍とすることが好ましい。有機キレート剤の添加量が少な過ぎると、排水中の多価金属イオンを十分にマスキングすることができず、多過ぎると薬品コストが増大する上、後段への負荷が増大する。通常、オキソニア排水中には、Fe、Ca、Mgなどの多価金属イオンが合わせて0.01〜0.2mg/L程度含まれているため、オキソニア排水を処理対象とする場合、有機キレート剤は1.0〜10mg/L程度添加することが好ましい。
【0028】
アルカリとしては、通常の排水処理に用いられる水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等の無機アルカリを用いることができる。
アルカリの添加によるpH調整は、活性炭のカビ発生を防止するため、pH9以上、好ましくはpH10.5〜12となるように行う。pH9よりも低いとカビ発生の可能性があり、pH12を超えても、それに見合う効果の向上はみられず、後段の逆浸透膜装置の膜を劣化させたり、後段装置のイオン負荷を高める結果となり好ましくない。同様な理由でpH10.5以上とすることがより好ましい。
【0029】
本発明では、有機キレート剤を添加することにより、高pH条件において多価金属イオンからの金属の析出に起因する活性炭の性能劣化を防止することができる。有機キレート剤の添加とアルカリの添加によるpH調整とは、いずれを先に行ってもよく、これらは同時に行ってもよいが、有機キレート剤によるキレート化をより効率的に行うために、アルカリ添加する前に有機キレート剤を添加することが好ましい。
【0030】
活性炭塔1に充填する活性炭の原料及び形状には特に制限はなく、石炭系、ヤシガラ系、その他の粒状ないし粉状のものを用いることができる。
【0031】
過酢酸の還元では、酸素と少量の炭酸ガス気泡が発生することから、この気泡を速やかに除去するために活性炭塔1としては、上向流の多段式の流動床式活性炭塔が好適である。
活性炭塔1の通水速度は、還元効率の面から空塔速度(SV)5〜20hr
−1、特に8〜12hr
−1とするのが好ましい。通水SVが5hr
−1未満では装置が過大となり、20hr
−1を超えると還元効率が低下する傾向がある。
なお、過酢酸含有排水に過酸化水素が含まれる場合には、活性炭塔1で過酸化水素も水に還元されて除去される。
【0032】
活性炭塔1の流出水は、過酢酸が酢酸に還元され、また、排水中の過酸化水素も水に還元されたものである。この活性炭処理水は、
図2に示すように、更に逆浸透膜装置2で処理して、過酢酸の還元で生じた酢酸、および排水由来の酢酸や有機キレート剤の添加によりキレート化した金属錯体等を除去することが好ましい。この場合、逆浸透膜装置2の回収率は特に規制は設けないが、70〜85%に調整することが好ましい。
【0033】
逆浸透膜装置2の透過水は処理水として回収され、濃縮水は、全量系外排出される。ただし、濃縮水を逆浸透膜処理して2次透過水と2次濃縮水として分離し、2次透過水を被処理水に返送するなど再利用し、2次濃縮水を系外排出するようにしてもよい。
【0034】
本発明において、活性炭処理水は、特開2001−129564号公報と同様にアニオン交換塔で処理してもよく、アニオン交換塔での処理に先立ちカチオン交換塔で処理してもよい。また、活性炭処理水を逆浸透膜装置で処理した後、更に逆浸透膜装置の透過水をアニオン交換塔で処理してもよい。
【0035】
このような本発明の装置および方法は、過酢酸、酢酸及び過酸化水素を含むオキソニア排水の処理に好適である。
【実施例】
【0036】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下においては、オキソニア排水の模擬排水として、100mg/L過酸化水素水溶液(pH3.0)を調製して活性炭による過酸化水素の還元分解性能の経時変化を調べたが、活性炭により、過酸化水素と同様に過酢酸も還元分解されることは、特開2001−129564号公報の実施例等より明らかである。
なお、この模擬排水には、模擬排水の調整に用いた工水に由来するFe、Ca、Mgなどの多価金属イオンが約0.5〜1.0mg/L含まれている。
【0037】
[実施例1]
模擬排水に、
図2に従って、EDTA・Na5mg/Lを添加した後、NaOHを添加してpH10.5に調整し、栗田工業(株)製粉末活性炭「クリコールWG160」を使用した活性炭塔1に通水SV10hr
−1で連続通水し、活性炭処理水を逆浸透膜装置2に通水して処理水を得た。
活性炭処理水の過酸化水素濃度を経時的に測定し、結果を
図3に示した。
【0038】
[比較例1]
実施例1において、EDTA・Naを無添加としたほかは、同一条件にて通水試験を実施した。
活性炭処理水の過酸化水素濃度を経時的に測定し、結果を
図3に示した。
【0039】
図3により、模擬排水にEDTA・Naを添加した実施例1では、活性炭の還元能力は長期間持続するが、EDTA・Na無添加の比較例1は、活性炭塔への通水時間の増加に伴い、活性炭の還元能力が低下し、処理水に過酸化水素が検出された。
この結果から、EDTA・Naの添加により、活性炭の長寿命化を図れることが確認された。
【符号の説明】
【0040】
1 活性炭塔
2 逆浸透膜装置