【実施例】
【0117】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定して解釈されるものではない。以下で用いた化合物の略号は次のとおりである。
(特定ジアミン(1))
A1:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシ〕ベンゼン
A2:1,3−ジアミノ−5−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシメチル〕ベンゼン
A3:1,3−ジアミノ−4−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロへキシル)シクロへキシル〕フェノキシ}ベンゼン
【0118】
【化28】
【0119】
(特定ジアミン(2))
【化29】
【0120】
(特定ジアミン(3))
C1:3,5−ジアミノ安息香酸
【化30】
【0121】
(特定ジアミン(4))
【化31】
【0122】
(その他ジアミン)
E1:p−フェニレンジアミン、 E2:m−フェニレンジアミン
E3:1,3−ジアミノ−4−オクタデシルオキシベンゼン
【化32】
【0123】
(特定テトラカルボン酸二無水物)
F1:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
F2:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
【化33】
【0124】
(架橋性化合物)
【化34】
【0125】
(溶媒)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン、 NEP:N−エチル−2−ピロリドン、γ−BL:γ−ブチロラクトン、BCS:エチレングリコールモノブチルエーテル、PB:プロピレングリコールモノブチルエーテル、DME:ジプロピレングリコールジメチルエーテル、DPM:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
【0126】
「ポリイミド系重合体の分子量測定」
常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101、昭和電工社製)、カラム(KD−803,KD−805、Shodex社製)を用いて、以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H
2O)が30mmol/L(リットル)、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量;約900,000、150,000、100,000及び30,000)(東ソー社製)及びポリエチレングリコール(分子量:約12,000、4,000及び1,000)(ポリマーラボラトリー社製)。
【0127】
「ポリイミド系重合体のイミド化率の測定」
ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6,0.05%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500、日本電子データム社製)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
(xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。)
【0128】
「ポリイミド系重合体の合成」
<合成例1>
F2(2.04g,8.15mmol)、A1(2.52g,6.62mmol)、B1(1.20g,4.95mmol)、D1(0.55g,1.66mmol)及びE1(0.36g,3.33mmol)をNMP(16.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(1.60g,8.16mmol)及びNMP(8.26g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度(樹脂固形分濃度を意味する。以下も同じ。)が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(1)を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、数平均分子量(Mn)は16,200、重量平均分子量(Mw)は45,300であった。
【0129】
<合成例2>
F2(2.04g,8.15mmol)、A3(2.15g,4.97mmol)、B1(1.20g,4.95mmol)、D1(1.09g,3.30mmol)及びE1(0.36g,3.33mmol)をNMP(16.9g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(1.60g,8.16mmol)及びNMP(8.44g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(2)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、Mnは15,800、Mwは43,700であった。
【0130】
<合成例3>
F2(0.83g,3.32mmol)、A2(2.32g,5.88mmol)、B1(1.22g,5.04mmol)、D1(0.83g,2.51mmol)及びE1(0.36g,3.33mmol)をNEP(16.3g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(2.60g,13.3mmol)及びNEP(8.16g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NEPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(3)を得た。このポリイミドのイミド化率は70%であり、Mnは15,900、Mwは43,800であった。
【0131】
<合成例4>
F2(2.04g,8.15mmol)、A4(1.60g,3.25mmol)、B1(1.40g,5.78mmol)、D1(1.09g,3.30mmol)及びE1(0.36g,3.33mmol)をNMP(16.2g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(1.60g,8.16mmol)及びNMP(8.12g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(4)を得た。このポリイミドのイミド化率は65%であり、Mnは14,500、Mwは40,900であった。
【0132】
<合成例5>
F3(3.50g,15.6mmol)、A2(2.50g,6.34mmol)、B1(1.15g,4.75mmol)、D1(1.05g,3.18mmol)及びE1(0.17g,1.57mmol)をNEP(25.1g)中で混合し、40℃で8時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NEPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(5)を得た。このポリイミドのイミド化率は70%であり、Mnは18,300、Mwは49,400であった。
【0133】
<合成例6>
F4(2.45g,8.16mmol)、A2(1.96g,4.97mmol)、B1(1.40g,5.78mmol)、D1(0.82g,2.48mmol)及びE1(0.36g,3.33mmol)をNMP(17.2g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(1.60g,8.16mmol)及びNMP(8.58g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(6)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、Mnは15,600、Mwは43,200であった。
【0134】
<合成例7>
F2(0.83g,3.32mmol)、A1(2.56g,6.73mmol)、B1(1.22g,5.04mmol)、D1(0.55g,1.66mmol)及びE2(0.36g,3.33mmol)をNMP(16.3g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(2.60g,13.3mmol)及びNMP(8.12g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(7)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、Mnは17,000、Mwは44,200であった。
【0135】
<合成例8>
F2(3.06g,12.2mmol)、A1(2.52g,6.62mmol)、B2(0.64g,2.47mmol)、D1(0.55g,1.66mmol)及びE2(0.63g,5.83mmol)をNEP(16.4g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(0.80g,4.08mmol)及びNEP(8.19g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NEPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(8)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、Mnは16,300、Mwは44,300であった。
【0136】
<合成例9>
F2(2.17g,8.67mmol)、A1(2.67g,7.02mmol)、B1(1.28g,5.28mmol)及びE1(0.57g,5.27mmol)をNMP(16.8g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(1.70g,8.67mmol)及びNMP(8.39g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(9)を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、Mnは17,500、Mwは47,200であった。
【0137】
<合成例10>
F2(2.04g,8.15mmol)、B1(1.20g,4.95mmol)、E1(0.36g,3.33mmol)及びE3(1.87g,4.97mmol)をNMP(16.3g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(1.60g,8.16mmol)及びNMP(8.16g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(10)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、Mnは15,800、Mwは42,500であった。
【0138】
<合成例11>
F2(0.89g,3.56mmol)、A1(1.38g,3.63mmol)及びB1(3.50g,14.4mmol)をNMP(17.2g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(2.80g,14.3mmol)及びNMP(8.57g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(11)を得た。このポリイミドのイミド化率は90%であり、Mnは17,800、Mwは46,900であった。
【0139】
<合成例12>
F2(0.96g,3.84mmol)、A1(1.47g,3.86mmol)、B1(1.88g,7.76mmol)及びE1(0.84g,7.77mmol)をNMP(16.3g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(3.00g,15.3mmol)及びNMP(8.15g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(12)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、Mnは18,600、Mwは48,300であった。
【0140】
<合成例13>
F2(2.30g,9.19mmol)、B1(4.05g,16.7mmol)及びE2(0.20g,1.85mmol)をNMP(16.7g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(1.80g,9.18mmol)及びNMP(8.35g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(13)を得た。このポリイミドのイミド化率は65%であり、Mnは22,100、Mwは53,400であった。
【0141】
<合成例14>
F2(2.55g,10.2mmol)、A1(1.57g,4.13mmol)、B1(1.07g,4.13mmol)及びE2(1.34g,12.4mmol)をNMP(17.1g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(2.00g,10.2mmol)及びNMP(8.54g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(14)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、Mnは17,900、Mwは46,500であった。
【0142】
<合成例15>
F2(2.81g,11.2mmol)及びC1(3.46g,22.7mmol)をNMP(16.9g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(2.20g,11.2mmol)及びNMP(8.46g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(15)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、Mnは21,800、Mwは52,100であった。
【0143】
<合成例16>
F2(2.81g,11.2mmol)、C1(2.94g,19.3mmol)及びE2(0.37g,3.42mmol)をNMP(16.6g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(2.20g,11.2mmol)及びNMP(8.31g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(16)を得た。このポリイミドのイミド化率は70%であり、Mnは23,200、Mwは54,200であった。
【0144】
<合成例17>
F5(2.30g,10.8mmol)、C1(2.84g,18.7mmol)及びE2(0.36g,3.33mmol)をNEP(16.4g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(2.30g,10.8mmol)及びNEP(8.21g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NEPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(17)を得た。このポリイミドのイミド化率は70%であり、Mnは20,500、Mwは51,800であった。
【0145】
<合成例18>
F2(2.04g,8.15mmol)、A1(2.52g,6.62mmol)、B1(1.20g,4.95mmol)、C1(0.50g,3.29mmol)及びD1(0.55g,1.66mmol)をNMP(16.8g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、F1(1.60g,8.16mmol)及びNMP(8.41g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(18)を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、Mnは15,300、Mwは41,600であった。
各合成例で得られたポリイミド系重合体を表32及び表33に示す。
【0146】
【表32】
【0147】
【表33】
【0148】
「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」
後記する実施例3、8で得られた液晶配向処理剤を用いて、インクジェット塗布性の評価を行った。具体的には、これら液晶配向処理剤を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、純水及びIPA(イソプロピルアルコール)にて洗浄を行ったITO(酸化インジウムスズ)電極付き基板(縦100mm×横100mm,厚さ0.7mm)のITO面に、塗布面積が70×70mm、ノズルピッチが0.423mm、スキャンピッチが0.5mm、塗布速度が40mm/秒の条件で塗布を行った。その際、インクジェット塗布機には、HIS−200(日立プラントテクノロジー社製)を用いた。また、塗布から仮乾燥までの時間は60秒であり、仮乾燥はホットプレート上にて70℃で5分間の条件で行った。
塗布性の評価は、上記で得られた液晶配向膜付き基板の塗膜面を目視観察することで行った。具体的には、塗膜面をナトリウムランプの下で目視観察し、ピンホールの有無を確認した。その結果、いずれの実施例で得られた液晶配向膜とも、塗膜面上にピンホールは見られず、塗膜性に優れた液晶配向膜が得られた。
【0149】
「液晶セルの額縁付近の表示ムラ特性の評価(通常セル)」
後記する実施例及び比較例で得られた液晶配向処理剤を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、純水及びIPAにて洗浄を行ったITO電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で5分間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板を得た。なお、実施例3及び8の液晶配向処理剤は、上記の「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」と同様の条件で基板を作製し、その後、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板とした。
【0150】
次に、この基板の塗膜面をロール径が120mmのラビング装置で、レーヨン布を用いて、ロール回転数が1000rpm、ロール進行速度が50mm/sec、押し込み量が0.1mmの条件でラビング処理した。
その後、ラビング処理後の基板を2枚用意し、塗膜面を内側にして6μmのスペーサーを挟んで組み合わせ、シール剤で周囲を接着して空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、MLC−6608(メルク・ジャパン社製)を注入し、注入口を封止して液晶セルを得た。
得られた液晶セルを用いて、液晶セルの額縁付近の表示ムラ特性の評価を行った。具体的には、偏光板とバックライトを用いて、目視観察にて、シール剤付近の液晶配向性の評価を行った。結果、実施例及び比較例で得られた全ての液晶セルとも、均一な液晶配向性を示した。
【0151】
その後、液晶セルを温度80℃、湿度90%RHの恒温恒湿槽内に144時間保管し、上記と同様の条件でシール剤付近の液晶配向性の評価を行った。評価は、恒温恒湿槽内に保管後に、シール剤付近に液晶配向性の乱れが見られていないものほど、本評価に優れるとした(表37〜表39中の良好表示)。
【0152】
「電圧保持率の評価(通常セル)」
前記の「液晶セルの額縁付近の表示ムラ特性の評価(通常セル)」と同様の条件で作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価を行った。具体的には、上記の手法で得られた液晶セルに、80℃の温度下で1Vの電圧を60μs印加し、50ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率(VHRともいう)として計算した。なお、測定は、電圧保持率測定装置(VHR−1、東陽テクニカ社製)を使用し、Voltage:±1V、Pulse Width:60μs、Flame Period:50msの設定で行った。
【0153】
更に、上記の液晶セル作製直後の電圧保持率の測定が終わった液晶セルに、卓上型UV硬化装置(HCT3B28HEX-1、センライト社製)を用いて、365nm換算で50J/cm
2の紫外線を照射し、上記と同様の条件で電圧保持率の測定を行った。
本評価では、液晶セル作製直後の電圧保持率の値が高く、更に、液晶セル作製直後の電圧保持率の値(初期ともいう)に対して、紫外線照射後の値(紫外線照射後ともいう)の低下が小さいものほど、本評価に優れるとした。表37〜表39中に、各VHRの値を示す。
【0154】
「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」
前記の「液晶セルの額縁付近の表示ムラ特性の評価(通常セル)」と同様の条件で作製した液晶セルを用いて、残留電荷の緩和の評価を行った。具体的には、液晶セルに、直流電圧10Vを30分印加し、1秒間短絡させた後、液晶セル内に発生している電位を1800秒間測定した。そのなかで、50秒後の残留電荷の値を用いて、残留電荷の緩和の評価とした。なお、測定は、6254型液晶物性評価装置(東陽テクニカ社製)を用いた。
更に、上記の液晶セル作製直後の残留電荷の測定が終わった液晶セルに、卓上型UV硬化装置(HCT3B28HEX-1、センライト社製)を用いて、365nm換算で30J/cm
2の紫外線を照射し、上記と同様の条件で残留電荷の測定を行った。
本評価では、液晶セル作製直後の値(初期ともいう)及び紫外線照射後の残留電荷の値(紫外線照射後ともいう)が小さいものほど、本評価に優れるとした。表37〜表39中に、各残留電荷の値を示す。
【0155】
「液晶セルの作製及び液晶配向性の評価(PSAセル)」
後記する実施例3、9で得られた液晶配向処理剤を用いて、液晶セルの作製及び液晶配向性の評価(PSAセル)を行った。具体的には、これら液晶配向処理剤を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、純水及びIPAにて洗浄した、中心に10×10mmのパターン間隔20μmのITOが付いたITO付き電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)と中心に10×40mmのITOが付いたITO付き電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)のITO面に、それぞれスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で5分間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板を得た。なお、実施例3の液晶配向処理剤は、上記の「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」と同様の条件で基板を作製し、その後、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板とした。
【0156】
次に、この2枚の基板を、塗膜面を内側にして、6μmのスペーサーを挟んで組み合わせ、シール剤で周囲を接着して空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、ネマティック液晶(MLC−6608、メルク・ジャパン社製)に、下記の式で示される重合性化合物(1)を、ネマティック液晶の100%に対して重合性化合物(1)を0.3%混合した液晶を注入し、その後、注入口を封止して液晶セルを得た。
【化35】
【0157】
得られた液晶セルに、AC5Vの電圧を印加しながら、照度60mWのメタルハライドランプを用いて、350nm以下の波長をカットし、365nm換算で20J/cm
2の紫外線照射を行い、液晶の配向方向が制御された液晶セルを得た。液晶セルに紫外線を照射している際の照射装置内の温度は、50℃であった。
その後、この液晶セルの紫外線照射前と紫外線照射後の液晶の応答速度を測定した。応答速度は、透過率90%から透過率10%迄のT90→T10を測定した。
いずれの液晶セルでも、紫外線照射前の液晶セルに比べて、紫外線照射後の液晶セルの応答速度が早くなったことから、液晶の配向方向が制御されたことを確認した。また、いずれの液晶セルとも、偏光顕微鏡(ECLIPSE E600WPOL、ニコン社製)での観察により、液晶は均一に配向していることを確認した。
【0158】
<実施例1>
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(0.50g)に、NEP(3.92g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(3.92g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
また、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(0.75g)に、NEP(5.88g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(5.88g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.25g)に、NEP(9.79g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(9.79g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(1)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0159】
<実施例2>
合成例2で得られたポリイミド粉末(2)(0.50g)に、NEP(3.92g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.35g)及びPB(1.57g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
また、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(0.75g)に、NEP(5.88g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(3.53g)及びPB(2.35g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.25g)に、NEP(9.79g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(5.88g)及びPB(3.92g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(2)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0160】
<実施例3>
合成例3で得られたポリイミド粉末(3)(0.30g)、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(0.45g)及び合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(0.75g)に、NEP(16.5g)及びγ−BL(4.18g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(8.27g)、PB(8.27g)及びDME(4.14g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(3)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0161】
<実施例4>
合成例4で得られたポリイミド粉末(4)(0.80g)に、NMP(6.27g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(5.02g)及びDME(1.25g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
また、合成例13で得られたポリイミド粉末(13)(0.80g)に、NMP(6.27g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(5.02g)及びDME(1.25g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.07g)に、NMP(8.36g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(6.68g)及びDME(1.67g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(4)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0162】
<実施例5>
合成例5で得られたポリイミド粉末(5)(0.80g)に、NEP(7.52g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.51g)及びPB(2.51g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
また、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(0.80g)に、NEP(7.52g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.51g)及びPB(2.51g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.07g)に、NEP(10.0g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(3.34g)及びPB(3.34g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(5)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0163】
<実施例6>
合成例6で得られたポリイミド粉末(6)(0.50g)、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(0.75g)及び合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.25g)に、NEP(21.5g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(17.6g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(6)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0164】
<実施例7>
合成例7で得られたポリイミド粉末(7)(0.80g)に、NMP(3.76g)及びNEP(3.76g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.51g)及びPB(2.51g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
また、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(0.80g)に、NMP(3.76g)及びNEP(3.76g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.51g)及びPB(2.51g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.07g)に、NMP(5.02g)及びNEP(5.02g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(3.34g)及びPB(3.34g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(7)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0165】
<実施例8>
合成例8で得られたポリイミド粉末(8)(0.30g)、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(0.45g)及び合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(0.75g)に、NEP(12.4g)及びγ−BL(6.21g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(8.27g)及びPB(14.5g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(8)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0166】
<実施例9>
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(0.50g)に、NEP(5.09g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(1.18g)及びPB(1.57g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
また、合成例12で得られたポリイミド粉末(12)(0.75g)に、NEP(7.64g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(1.76g)及びPB(2.35g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.25g)に、NEP(12.7g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.94g)及びPB(3.92g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(9)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0167】
<実施例10>
合成例5で得られたポリイミド粉末(5)(0.50g)に、NEP(4.70g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(3.13g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
また、合成例13で得られたポリイミド粉末(13)(0.75g)に、NEP(7.05g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(4.70g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.25g)に、NEP(11.8g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(7.83g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(10)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0168】
<実施例11>
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(0.50g)に、NEP(4.70g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(0.78g)及びPB(2.35g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
また、合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(0.75g)に、NEP(7.05g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(1.18g)及びPB(3.53g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.25g)に、NEP(11.8g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(1.96g)及びPB(5.88g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(11)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0169】
<実施例12>
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(0.80g)に、NMP(6.27g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.51g)及びPB(3.76g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
また、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(0.53g)に、NMP(4.18g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(1.67g)及びPB(2.51g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例16で得られたポリイミド粉末(16)(1.33g)に、NMP(10.4g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(4.18g)及びPB(6.27g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、更に、M1(0.19g)を加え、40℃で6時間攪拌して、液晶配配向処理剤(12)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0170】
<実施例13>
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(0.80g)、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(0.80g)及び合成例17で得られたポリイミド粉末(17)(1.07g)に、NEP(20.9g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(8.36g)及びPB(12.5g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(13)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0171】
<実施例14>
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(0.80g)、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(0.80g)及び合成例17で得られたポリイミド粉末(17)(1.07g)に、NEP(20.9g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(12.5g)及びDPM(8.36)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(23)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0172】
<比較例1>
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(2.50g)に、NEP(19.6g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(19.6g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(14)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0173】
<比較例2>
合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(2.50g)に、NEP(19.6g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(19.6g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(15)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0174】
<比較例3>
合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(2.50g)に、NEP(19.6g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(19.6g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(16)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0175】
<比較例4>
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(1.30g)に、NEP(10.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(10.2g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
また、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(1.30g)に、NEP(10.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(10.2g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
上記で得られた2つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(17)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0176】
<比較例5>
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(1.30g)に、NEP(10.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(10.2g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
また、合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.30g)に、NEP(10.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(10.2g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
上記で得られた2つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(18)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0177】
<比較例6>
合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(1.30g)に、NEP(10.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(10.2g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
また、合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.30g)に、NEP(10.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(10.2g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
上記で得られた2つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(19)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0178】
<比較例7>
合成例9で得られたポリイミド粉末(9)(0.50g)に、NEP(3.92g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(3.92g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
また、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(0.75g)に、NEP(5.88g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(5.88g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.25g)に、NEP(9.79g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(9.79g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(20)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0179】
<比較例8>
合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(0.50g)に、NMP(3.92g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.35g)及びPB(1.57g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
また、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(0.75g)に、NMP(5.88g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(3.53g)及びPB(2.35g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
更に、合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.25g)に、NMP(9.79g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(5.88g)及びPB(3.92g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(21)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0180】
<比較例9>
合成例18で得られたポリイミド粉末(18)(2.50g)に、NEP(19.6g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(19.6g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(22)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0181】
表34〜表36には、実施例及び比較例で得られた液晶配向処理剤、用いたポリイミド系重合体などの組成比、及び固形分濃度(%)をまとめて示す。
なお、表中、*1は、全ての重合体100部に対する特定重合体(A)の含有量(部)、*2は、全ての重合体100部に対する特定重合体(B)の含有量(部)、*3は、全ての重合体100部に対する特定重合体(C)の含有量(部)、及び*4は、全ての重合体100部に対するその他重合体の含有量(部)を示す。
また、*5は、液晶配向処理剤中の全ての重合体の占める含有割合(固形分濃度)を示す。
【0182】
【表34】
【0183】
【表35】
【0184】
【表36】
【0185】
以下の表37〜表39中、*1は、液晶セル中、シール剤付近に液晶配向性の乱れが見られたこと、*2は、液晶セル中、シール剤から0.5cmまでの幅の領域までに液晶配向性の乱れが見られた(*1よりも液晶配向性の乱れが見られる幅が広い)こと、*3は、液晶セル中、シール剤から1.0cmまでの幅の領域までに液晶配向性の乱れが見られた(*2よりも液晶配向性の乱れが見られる幅が広い)ことを示す。
【0186】
【表37】
【0187】
【表38】
【0188】
【表39】
【0189】
上記の結果からわかるように、実施例の液晶配向処理剤は、比較例の液晶配向処理剤に比べて、液晶セルを長時間、高温高湿槽内に保管しても、シール剤付近に液晶配向性の乱れが見られなかった。また、液晶セルに紫外線照射を行っても、電圧保持率の低下を抑制し、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い結果となった。
【0190】
即ち、特定重合体(A)、(B)及び(C)の3種を用いた実施例と、それらの1種しか用いていない比較例との比較において、比較例の液晶配向処理剤は、本発明の全ての効果を満たすことができなかった。具体的には、実施例1と、比較例1、比較例2又は比較例3との比較である。また、実施例1と、比較例4、比較例5又は比較例6との比較においても、同様であった。、また、特定ジアミン(4)を用いた実施例1と、用いていない比較例7との比較において、比較例の液晶配向処理剤では、本発明の全ての効果を満たすことができなかった。
【0191】
更に、特定ジアミン(1)を用いた実施例2と、従来のアルキル基型の側鎖構造を有するジアミンを用いた比較例8との比較において、比較例の液晶配向処理剤では、本発明の全ての効果を満たすことができなかった。
また、実施例1と、特定ジアミン(1)、(2)、(3)及び(4)の全てを用たポリイミド粉末を使用の比較例9との比較において、比較例の液晶配向処理剤では、本発明の全ての効果を満たすことができなかった。特に、液晶セルの額縁付近の表示ムラの発生と、紫外線照射後の残留電荷の値が大きくなった。