(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
<第1実施形態>
以下、
図1〜
図4を参照し、本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレードについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレードの概略構成の一例を説明する斜視図であり、
図2は
図1に矢視Z−Zで示す部分断面図である。また、
図3は外周接続側補強部材(接続補強部)の要部詳細を、
図4は内周側接続補強部(接続補強部)の要部詳細を説明する部分拡大図である。
図1〜
図4において、符号100はハブ型ブレードを、符号10はチタンハブ(ハブ)を、符号10Aはブレード取付面を、符号120は両面粘着テープ(粘着性接続部材、粘着テープ)を、、符号30はブレード本体を、符号30Tは接続面を、符号140は接続補強部を示している。
【0028】
ハブ型ブレード100は、
図1〜
図4に示すように、例えば、チタンハブ10と、両面粘着テープ(粘着性接続部材)120と、接続補強部140と、ブレード本体30とを備え、ウェーハ(半導体材料等の基板)を切断してICチップ(チップ状)等に個片化可能とされている。なお、両面粘着テープ120は粘着性接続部を構成している。
【0029】
チタンハブ(ハブ)10は、例えば、軸線O1方向における一方側に位置され円筒状に形成された外周壁部と、外周壁部の軸線O1方向における他方側に接続される略円錐台とを有するブレード取付部11と、ブレード取付部11の軸線O1方向における他方側に接続され他方側が拡径される駆動源接続部12とを備えている。
また、チタンハブ10は、ブレード取付部11の軸線O1方向の一方側にブレード取付面10Aが形成され、軸線O1の周囲には軸線O1を中心とする円筒状の取付穴10Hが形成されている。
また、チタンハブ10は、例えば、チタン合金(比強度 約288kN・m/kg、アルミ合金 比強度約222kN・m/kg)により形成されていて、高速回転及び切断時の外力により変形するのを抑制することができる。
この実施形態において、チタンハブ10は、例えば、最大外径55.4mmに形成されている。
【0030】
チタン合金としては、例えば、αβ合金(Ti-6Al-6V−2Sn、Ti-6Al-4V等)、β合金(Ti‐3Al‐8V‐6Cr‐4Zr‐4Mo、Ti‐10V‐2Fe‐3Al、Ti-15V-3Cr−3Sn−3Al等)が好適である。また、上記以外のチタン合金や純チタン(Ti)(JIS1種等)を適用してもよい。
【0031】
ブレード取付面10Aは、例えば、研磨加工等によって、両面粘着テープ120が貼着される領域を表面粗さRmax0〜20μm(JIS B0601−1982)のスムースな仕上面とすることが、両面粘着テープ120の安定した貼着に好適である。
【0032】
また、ブレード取付面10Aは、両面粘着テープ120の外周側に接続補強部140と対応する補強保持部10Bが形成され、両面粘着テープ120の内周側に接続補強部140と対応する補強保持部10Cが形成されている。
補強保持部10B、10Cは、例えば、表面粗さRmax5〜50μmに形成されていることが接続補強部140の定着に好適である。
なお、補強保持部10B、10Cの表面粗さ等は適宜設定することができる。
【0033】
両面粘着テープ(両面粘着部材)120は、
図2〜
図4に示すように、例えば、テープ基材121と、テープ基材121のチタンハブ10側に塗布される粘着剤122と、ブレード本体30側に塗布される粘着剤123とを備え、粘着剤122は粘着面120Aを形成し、粘着剤123粘着面120Bを形成する。
また、両面粘着テープ120は、外周がチタンハブ10の外径より小径とされ、内周側にブレード本体30の取付穴30Hより大径の円形穴120Hが形成されたドーナツ状とされている。
【0034】
また、両面粘着テープ120の外径、厚さ(例えば、0.1mm以下)、弾性係数、保持力(粘着力)等は、例えば、ブレード本体30の平面度(軸線O1に対する直角度)を保持し、かつ切断時のトルクにより生じるねじり変形によりブレード本体30が破損しない設定であることが好適である。
【0035】
また、両面粘着テープ120は、導電性を有していることが好適である。
テープ基材121は、この実施形態では、例えば、厚さ25μmのアルミ箔により構成され、粘着性を有する粘着剤122、123は、導電性粒子を混入したアクリル樹脂からなり、両面粘着テープ120としての厚さ85μmとされている。また、チタンハブ10とブレード本体30の間の電気抵抗は約4.5Ωとされている。
なお、両面粘着テープ120が導電性を有するかどうかは任意に設定可能である。
【0036】
テープ基材を備え導電性を有する両面粘着テープとしては、例えば、AL−25DC(商品名:3Mジャパン株式会社製)やAL7620(商品名:デクセリアルズ株式会社製)を適用することが可能である。また、7848YCWB(商品名:積水化学工業株式会社製)や7840YCWB(商品名:積水化学工業株式会社製)等を適用してもよい。
【0037】
また、X−7001(商品名:3Mジャパン株式会社製)のように褶曲させた導電性布を基材とするものや、9720S(商品名:3Mジャパン株式会社製)のように不織布を基材とするものを適用してもよい。
また、非導電性のものとして、#8602TNFW−05(商品名:DIC株式会社製)等を適用してもよい。
【0038】
また、ブレード本体30は、例えば、ニッケル(Ni)又はニッケル合金を主成分とする合金からなる金属母材31と、金属母材31に分散されたダイヤモンド超砥粒(砥粒)32とを備えている。
【0039】
また、ブレード本体30は、例えば、外径55.05mm、刃厚0.015〜0.04μm(例えば、20μm)の円板状とされ、内周側には軸線O1と同軸に直径42.00mmの円形穴30Hが形成されている。
【0040】
なお、ニッケルを主成分とする合金としては、例えば、ニッケル−リン(Ni−P)、ニッケル−コバルト(Ni−Co)、ニッケル−ボロン(Ni−B)を適用することが好適である。
【0041】
また、ダイヤモンド超砥粒32は、例えば、3〜10μm(平均粒径5μm)、集中度50〜125のダイヤモンドによって構成され、金属母材31の表面から約2μm程度露出している。
【0042】
また、ブレード本体30は、一方がチタンハブ10と反対側に位置され外部に露出する露出面30Fとされ、他方が両面粘着テープ120を介してチタンハブ10と接続される接続面30Tとされている。
【0043】
接続面30Tは、例えば、金属母材31の表面からダイヤモンド超砥粒32が突出することなく平坦面に形成されている。
【0044】
露出面30F及びブレード本体30の外周側でチタンハブ10から突出する突出部、及び円形穴30Hは、金属母材31からダイヤモンド超砥粒32が露出した構成とされている。
また、この実施形態において、ブレード本体30の外周には両側の面に面取り状の目立部30Gが形成されている。
【0045】
また、接続面30Tは、両面粘着テープ120の外周側の領域に接続補強部140と対応する補強保持部30Bが形成され、両面粘着テープ120の内周側の領域に接続補強部140と対応する補強保持部30Cが形成されている。
補強保持部30B、30Cの表面粗さ等は適宜設定可能であるが、例えば、エッチング等により金属母材31の表面からダイヤモンド超砥粒32を露出させることが、接続補強部140の定着を安定させるうえで好適である。
【0046】
接続補強部140は、
図2〜
図4に示すように、例えば、両面粘着テープ120の外周側に形成される外周側接続補強部141と、両面粘着テープ120の円形穴
120Hの内周側に形成される内周側接続補強部142とを備えている。
【0047】
外周側接続補強部141は、両面粘着テープ120の外周側全周にわたってブレード取付面10Aと接続面30Tとを接続する。
内周側接続補強部142は、両面粘着テープ120の内周側全周にわたってブレード取付面10Aと接続面30Tとを接続する。
その結果、接続補強部140は、両面粘着テープ120の外周側、内周側を液密に封止する。
【0048】
接続補強部140は、接着剤が硬化して形成された接着樹脂部とされ、この実施形態では、紫外線硬化接着剤(好適には、遅延性紫外線硬化接着剤)が硬化して形成されている。なお、接続補強部140を構成する接着剤としては、例えば、経時的に硬化する接着剤、紫外線硬化接着剤をはじめとする光硬化接着剤、熱硬化樹脂、嫌気性樹脂等を適宜適用することができる。
【0049】
また、導電性を有しているものが好適であり、両面粘着テープ120が導電性を有していない場合は、導電性を有することがより好適である。
また、接続補強部140を構成する接着剤としては紫外線硬化接着剤が好適であり、遅延性紫外線硬化接着剤(紫外線硬化接着剤(遅延硬化型)がより好適である。
【0050】
遅延性紫外線硬化接着剤としては、導電性はないが、例えば、AUV−8800、AUV−0082P(商品名:新田ゼラチン株式会社製)、CV7831(商品名:パナソニック株式会社製)、SX−UV200(商品名:セメダイン株式会社製)等が適用可能である。
また、導電性がない紫外線硬化接着剤として、例えば、U−1542N(商品名:ケミテック株式会社製)、U−1542F(商品名:ケミテック株式会社製)、429−GEL(商品名:ダイマックス株式会社製)等が適用可能である。
【0051】
また、導電性接着剤としては、例えば、CN−3160L、CN−7120(商品名:化研テック株式会社製)、TB3351C(商品名:株式会社スリーボンド製)、エポキシ樹脂に銀(Ag)系フィラーが混合されたスリーボンド3380(商品名:株式会社スリーボンド製)等を溶剤(例えば、酢酸エチル)で希釈して適用することが可能である。
【0052】
また、導電性を有しない接着剤としては、例えば、シアノアクリレート系の瞬間接着剤(例えば、ALTECO CN2(商品名:株式会社アルテコ製)、ALTECO CN4(商品名:株式会社アルテコ製)、セメダイン 3000DXF(商品名:セメダイン株式会社製)、セメダイン3000 DXLL(商品名:セメダイン株式会社製)、セメダイン3000DXL(商品名:セメダイン株式会社製)、アロンアルファEXTRA衝撃(商品名:東亞合成株式会社製)、アロンアルファEXTRA4000(商品名東亞合成株式会社製)等がある。
【0053】
また、導電性を有さない接着剤を適用する場合に、例えば、ミクロパールAU−201(商品名:積水化学工業株式会社製)をはじめとする金(Au)、銀(Ag)等の金属を粒子にコーティングして形成された導電性粒子(例えば、粒径10μm)をエポキシ系接着剤やアクリル系接着剤に混合して塗布、硬化させることで、ハ
ブ10とブレード本
体30が導電性粒子を介して通電可能としてもよい。
【0054】
次に、
図5〜
図7を参照して、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程の概略を説明する。
図5は、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程の概略の一例を説明するフローチャートである。
ハブ型ブレード製造工程は、
図5に示すように、例えば、別々に製造されそれぞれ検査に合格したチタンハブ(ハブ)とブレード素材(ブレード本体)を装着(S11)し、外径加工(S12)し、ダイサードレス(S13)して、検査(S14)する。
【0055】
まず、チタンハブ準備の一例について説明する。
チタンハブ(ハブ)は、例えば、以下の手順で製造(準備)する。
(1)まず、チタン合金の丸棒を軸線回りに回転させながら切削して形状を形成する。
(2)次に、チタンハブの形状を形成したら、軸線方向における所定長さに切断する。
(3)次いで、必要に応じてブレード取付面を前処理する。
前処理において、例えば、ブレード取付面10Aを表面粗さRmax0〜20μmに形成する場合は、研磨加工や放電加工を施す。なお、形成したチタンハブを切断する際に所定の表面粗さとなるように切断してもよい。
また、接続補強部保持部10B、10Cを表面粗さRmax5〜50μmに形成する場合は、サンドブラストやショットブラストを施すことが好適である。
【0056】
次に、
図6を参照して、ブレード素材の準備の一例について説明する。
図6は、ブレード素材を製造する手順の概略を説明するフローチャートである。
ブレード素材は、
図6に示すように、例えば、SUS台金準備(S21)と、分散めっき(S22)と、マスキング(S23)と、エッチング(S24)と、内径加工(S25)とを備えている。そして、SUS台金準備(S21)〜内径加工(S25)を経てブレード素材が完成する。
【0057】
(1)SUS台金準備(S21)
まず、ブレード素材の形成に適したSUS台金(ステンレス鋼製台金)を準備する。
SUS台金(ステンレス鋼製台金)は、例えば、ステンレス鋼の円板により形成され、ニッケルめっき形成面は鏡面処理されていることが好適である。
なお、ブレード素材の円形穴30Hと対応する部分等、ニッケルめっきが不要な部分にマスキングを施すことが好適である。
【0058】
(2)分散めっき工程(S22)
次に、分散めっきによりブレード素材の原板を形成する。
分散めっきは、分散めっき装置に貯留したダイヤモンドの超砥粒を含有するニッケルめっき液中にSUS台金を配置し、SUS台金のめっき形成面に電解めっき法により分散ニッケルめっき層を成長させてブレード素材の原板を形成する。
【0059】
(3)マスキング(S23)
次いで、SUS台金から剥離したブレード素材の原板においてエッチング処理が不要な部分にマスキングをする。
この実施形態では、ニッケルめっき形成面側に位置された平坦面にマスキングを施す。この面がブレード本体30の接続面30Tとなる。なお、補強保持部30B、30Cを除いてマスキングしてもよい。
【0060】
(4)エッチング(S24)
次に、マスキングを施したブレード素材の原板を逆電解してエッチングし、金属母材からニッケルを溶解してダイヤモンド超砥粒を露出させて目立てする。
【0061】
(5)内径加工(S25)
次いで、エッチング工程で目立てをしたブレード素材の原板を内径加工してブレード素材を形成する。
内径加工は、後述する外径加工と同様に、例えば、液体(例えば、水)を供給しながらレーザビームを照射して円形穴30Hを加工してブレード素材を形成する。
上記S21〜S25を経て、品質検査に合格したらブレード素材が完成する。
なお、S21〜S25の手順は、一例を示すものであり適宜変更又は省略することが可能である。
【0062】
次に、
図5、
図7を参照して、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程の概略について説明する。
図7は、第1実施形態に係るブレード装着工程の手順の概略を説明するフローチャートである。
ハブ型ブレード製造工程は、
図5に示すように、例えば、ブレード装着工程(S11)と、外径加工工程(S12)と、ダイサードレス工程(S13)と、検査工程(S14)と、を備えている。そして、別々に製造されたチタンハブ(ハブ)とブレード素材(ブレード本体)をブレード装着工程で装着し、外径加工、ダイサードレス、検査工程を経てハブ型ブレードが完成する。
【0063】
〔1〕ブレード装着工程(S11)
ブレード装着工程は、別々に製造されそれぞれ検査に合格したチタンハブ(ハブ)とブレード素材(ブレード本体)を、少なくともいずれか一方の面が粘着面とされた粘着性接続部材をブレード取付面と接続面のいずれか一方に接続するとともに、粘着性接続部材をブレード取付面と接続面の他方に粘着性接続又は接着により接続してハブとブレード本体を装着する。このとき、ブレード取付面又は接続面に粘着性接続部材を接続してからハブとブレード本体とを接続するまでの間、又はハブとブレード本体とを接続した後に、粘着性接続部材の外周側と内周側の少なくともいずれか一方に接着剤を配置して硬化させることにより接続補強部を形成する。なお、ブレード取付面又は接続面に粘着性接続部材を接続する前に、接続補強部の形成の一部があってもよい。
【0064】
ブレード装着工程は、例えば、
図7に示すS101〜S104の手順で構成される。
(1)ハブに両面粘着テープ貼着(S101)
まず、チタンハブのブレード取付面に両面粘着テープを貼着する。
チタンハブ10に両面粘着テープ120を貼着する際には、予めドーナツ状に形成された両面粘着テープ120を使用し、例えば、治具によって両面粘着テープ120とチタンハブ10の回転軸線O1を同軸にしてブレード取付面10Aに貼着する。
【0065】
(2)補強用接着剤を塗布(S102)
接着剤の塗布は、
図8に示すように、例えば、両面粘着テープ(両面粘着部材)120を接続(貼着)したチタンハブ(中間製品)の軸線O1を鉛直にして回転させ、両面粘着テープ120の外周側及び内周側に、接着剤供給装置40により液状の接着剤140Lを供給して周方向全周にわたって塗布する。
図8に
2点鎖線で示すブレード本体(ブレード素材)30は、ブレード素材を装着する前であることを示す。
第1実施形態では、両面粘着テープ120の外周側及び内周側に接着剤を塗布する。
【0066】
(3)ハブにブレード素材を接続(S103)
次に、チタンハブにブレード素材を貼着する。
チタンハブにブレード素材を装着(貼着)する際には、例えば、平坦な定盤上にブレード素材を配置し、治具によってチタンハブの軸線とブレード素材の円形穴を同軸にする。そして、両面粘着テープを貼着したチタンハブをブレード素材に押圧して接続する。
(4)補強用接着剤硬化(S104)
次に、補強用接着剤を硬化させて接続補強部を形成する。
補強用接着剤として遅延性紫外線硬化接着剤を用いる場合には、塗布した遅延性紫外線硬化接着剤に紫外線を照射して硬化させる。紫外線を照射して硬化するまでの時間は、例えば、30秒以内であることが好適である。
S101〜S104の手順によりブレード装着品(中間製品)が完成する。
なお、S101〜S104の手順は、一例を示すものであり適宜変更又は省略することが可能である。
【0067】
以下、
図5を参照して、外径加工工程(S12)、ダイサードレス工程(S13)、検査工程(S14)について説明する。
〔2〕外径加工工程(S12)
外径加工工程では、チタンハブに装着されたブレード素材を外径加工する。
また、外径加工工程では、例えば、チタンハブにブレード素材が貼着された中間製品を軸線O1周りに回転させながら加工部位に液体(例えば、水)を供給、冷却しながらレーザビームを照射してブレード本体の外周を切断する。
このとき、例えば、加工部位に噴流液水柱(噴流液柱)を形成して、この噴流水柱内でレーザビームを反射させながら加工部位に誘導することが好適である。この場合、噴流水柱を可能な限り凹凸がない層流としてレーザビームを全反射させるとより好適である。また、レーザビームの波長は、例えば、200〜700nmとすることが好適である。
なお、水を供給せずにレーザビームを照射してもよいし、レーザビーム加工に代えて放電加工や研削等、周知の他の加工方法によって外径加工してもよい。
【0068】
〔3〕ダイサードレス工程(S13)
ダイサードレス工程では、外径加工した中間
製品をダイサードレス(例えば、ドレスボードを切断)して目立てする。
【0069】
〔4〕検査工程(S14)
検査工程では、例えば、シリコンウェーハのカーフ幅等、所定の検査規格を検査して、検査に合格したらハブ型ブレードが完成する。
なお、S11〜S14の工程は、一例を示すものであり適宜変更又は省略することが可能である。
【0070】
ハブ型ブレード100によれば、ハブがチタンにより形成され、接続補強部140がチタンハブ10とブレード本体30を接続してチタンハブ10とブレード本体30の接続強度を大きくしているので高速回転させて、効率的に切することができる。
【0071】
また、接続補強部140が両面粘着テープ120の外周側及び内周側に周方向全周にわたって形成され軸線O1に対称であるので、ハブ型ブレード100が安定して高速回転することができる。
【0072】
第1実施形態に係るハブ型ブレード100によれば、粘着性接続部が両面粘着テープ120により構成されているので、チタンハブ10のブレード取付面10A側とブレード本体30の接続面30Tを短時間で接続して、ハブ型ブレードを効率的に製造することができる。
【0073】
また、ハブ型ブレード100によれば、接続補強部140が遅延性紫外線硬化接着剤により形成され、容易に塗布して短時間で硬化するので接続補強部140を効率的に形成することができる。
【0074】
また、ハブ型ブレード100によれば、ブレード取付面10Aが表面粗さRmax0〜20μmに形成され、接続面30Tが平坦面とされているので、チタンハブ10とブレード本体30とを両面粘着テープ120によって安定して装着することができる。
【0075】
また、ハブ型ブレード100によれば、接続補強部140がブレード取付面10Aと接続面30Tの間に配置され、接続補強部保持部10B、10Cが表面粗さRmax5〜50μmに形成され、接続補強部保持部30B、30Cが金属母材31からダイヤモンド超砥粒32が露出しているので、接続補強部140を安定して接続することができる。
【0076】
また、ハブ型ブレード100によれば、接続補強部140が粘着性接続部120の外周側及び内周側を封止するので、両面粘着テープ120の粘着面120A、120Bに切削液(例えば、アルカリ性切削液)等が侵入するのが抑制されるので、粘着面120A、120Bの劣化が抑制され寿命を長くすることができる。
また、外径加工において噴流水柱を使用しても、冷却水による粘着面120A、120Bの劣化が抑制され、ハブ型ブレード100の品質が向上し、高速回転(例えば、60000rpm以上)の切断に対応することができる。
【0077】
また、ハブ型ブレード100によれば、ブレード本体30がチタンハブ10の外縁で急激に屈曲するのが緩和され、切断時にブレード本体30が割れるのを抑制することができる。
【0078】
また、ハブ型ブレード100によれば、チタンハブ10とブレード本体30とを接続する前に、ブレード取付面10Aに補強用接着剤140Lを塗布するので、ブレード取付面10Aと接続面30Tの間に補強用接着剤140Lを効率的に塗布することができる。
【0079】
また、ハブ型ブレード100によれば、照射したレーザビームを噴流液柱によって誘導するので、ブレード本体30を高精度かつ効率的に外径加工することができる。
【0080】
<第1実施形態(第1変形例)>
以下、
図9を参照し、本発明の第1実施形態の第1変形例に係るハブ型ブレードについて説明する。
図9は、第1実施形態の第1変形例に係るハブ型ブレードの概略構成を説明する
図1に矢視Z−Zで示す部分断面図である。
図9において、符号100Aはハブ型ブレードを、符号125は両面粘着部材を、符号140は接続補強部を示している。
【0081】
ハブ型ブレード100Aは、
図9に示すように、例えば、チタンハブ10と、両面粘着部材125と、ブレード本体30と、接続補強部140とを備えている。なお、両面粘着部材125は粘着性接続部を構成している。
【0082】
ハブ型ブレード100Aは、両面粘着テープ120に代えて、両面粘着部材125を備えており、チタンハブ10、ブレード本体30、接続補強部140については第1実施形態と同様のものを適用可能である。また、製造工程については、第1実施形態と同様の手順を適用することができる。
【0083】
両面粘着部材125は、シート状に形成した粘着剤により構成され、一方の表面に第1粘着面125Aが形成され、他方の表面に第2粘着面125Bが形成されている。
そして、第1粘着面125Aをブレード取付面10Aと接続し、第2粘着面125Bを接続面30Tを接続する構成とされている。
【0084】
また、両面粘着部材125は、導電性を有していることが好適であり、例えば、転写テープ9707(商品名:3Mジャパン株式会社製)、9709S(商品名:3Mジャパン株式会社製)、ダイタック#8035N(商品名:DIC株式会社製)、T4420W(商品名:デクセリアルズ株式会社製)を適用することができる。
また、導電性を有していない両面粘着部材としては、例えば、GA5905(商品名:日東電工株式会社製)、5915(商品名:日東電工株式会社製)、ダイタック#8080(商品名:DIC株式会社製)、467MP(商品名:3Mジャパン株式会社製)を適用することができる。
【0085】
第1実施形態の第1変形例に係るハブ型ブレード100Aによれば、両面粘着部材125がテープ基材を備えない構成とされ、粘着性接続部の弾性が適度に抑制される。
その結果、ブレード本体30の蛇行が抑制されて安定して切断することができる。
【0086】
<第2実施形態>
以下、
図10〜
図12を参照し、本発明の第2実施形態に係るハブ型ブレードについて説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係るハブ型ブレードの概略構成の一例を説明する
図1に矢視Z−Zで示す部分断面図である。また、
図11は
図10にXIで示す外周側接続補強部(接続補強部)の要部詳細を、
図12はXIIで示す内周側接続補強部(接続補強部)の要部詳細を説明する部分拡大図である。
図10〜
図12において、符号200はハブ型ブレードを、符号220は両面粘着テープ(両面粘着部材、粘着性接続部)を、符号240は接続補強部を、符号241は外周側接続補強部(接続補強部)を、符号24
2は内周側接続補強部(接続補強部)
を示している。
【0087】
ハブ型ブレード200は、
図10〜
図12に示すように、例えば、チタンハブ(ハブ)10と、両面粘着テープ(両面粘着部材、粘着性接続部)220と、ブレード本体30と、接続補強部240とを備えている。なお、両面粘着テープ220は粘着性接続部を構成している。
【0088】
この実施形態において、チタンハブ10は、ブレード取付面10Aが表面粗さRmax0〜20μmに形成されている。また、ブレード取付部11の外周側に接続補強部保持部10Dが形成され、ブレード取付面10Aの内周側に接続補強部保持部10Eが形成され、接続補強部240を保持している。
【0089】
接続補強部保持部10Dは、ブレード取付部11の外周面に形成される。
続補強部保持部10Eは、両面粘着テープ220の貼着領域の内周側に形成される。
また、接続補強部保持部10D、接続補強部保持部10Eの表面粗さは任意に設定可能であるが、例えば、サンドブラストやショットブラストにより表面粗さRmax5〜50μmであることが好適である。その他は第1実施形態のチタンハブと同様であるので説明を省略する。
【0090】
両面粘着テープ(両面粘着部材、粘着性接続部)220は、
図10〜
図12に示すように、例えば、テープ基材221と、テープ基材221のブレード取付面10A側に塗布される粘着性接着剤222と、テープ基材221の接続面30T側に塗布される粘着性接着剤223とを備えている。また、粘着性接着剤222は粘着面220Aを形成し、粘着性接着剤223は粘着面220Bを形成する。
【0091】
また、両面粘着テープ220は、外周がチタンハブ10と同径とされ、内周にブレード本体30の円形穴30Hと同径の円形穴220Hが形成されドーナツ状とされている。
なお、両面粘着テープ220の厚さ(例えば、0.1mm以下)、弾性係数、保持力(粘着力)、導電性等は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0092】
ブレード本体30は、例えば、接続面30Tの外周側におけるチタンハブ10の外径と対応する位置から、内周側の円形穴30Hと対応する位置までの領域が、金属母材31の表面からダイヤモンド超砥粒32が突出することなく平坦面に形成されている。
【0093】
また、接続面30Tにおけるチタンハブ10の外径と対応する位置より外周側に接続補強部保持部30Dが形成され、ブレード本体30の円形穴30Hの内周面に接続補強部保持部30Eが形成されている。接続補強部保持部30D、接続補強部保持部30Eは、金属母材31からダイヤモンド超砥粒32が露出していることが好適である。その他は、第1実施形態のブレード本体30と同様であるので説明を省略する。
【0094】
接続補強部240は、この実施形態において、例えば、両面粘着テープ220の外周側に形成される外周側接続補強部241と、両面粘着テープ20の円形穴220Hの内周側に形成される内周側接続補強部242とを備えている。
【0095】
外周側接続補強部241は、例えば、両面粘着テープ220の外周側全周にわたってチタンハブ10の接続補強部保持部10Dからブレード本体30の接続補強部保持部30Dを接続する構成とされている。
そして、両面粘着テープ220の外周側において、粘着面220A、220Bを液密に封止する。
【0096】
内周側接続補強部242は、例えば、両面粘着テープ220の内周側全周にわたって、チタンハブ10の接続補強部保持部10Eから円形穴220Hを介して接続補強部保持部30Eを接続する。
そして、両面粘着テープ220の内周側において、粘着面220A、220Bを液密に封止する。
【0097】
また、接続補強部240は、接着剤が硬化して形成された接着樹脂部であり、第1実施形態と同様のものを適用可能である。
【0098】
次に、
図13、
図14を参照して、第2実施形態に係るハブ型ブレード製造工程の概略を説明する。
図13は、第2実施形態に係るブレード装着工程の手順の概略を説明するフローチャートである。また、
図14は、ブレード装着工程における補強用接着剤の塗布を説明する概念図である。
第2実施形態に係るハブ型ブレード製造工程は、第1実施形態のブレード装着工程(S11)の手順(S101〜S104)に代えて、
図13に示す手順(S201〜S204)を適用する。その他は第1実施形態と同様の手順を適用することができる。
【0099】
第2実施形態におけるブレード装着工程は、
図13に示すように、例えば、S201〜S204の手順により構成される。
(1)ハブに両面粘着テープを貼着(S201)
(2)ハブにブレード素材を接続(S202)
S201、S202については、第1実施形態のS101、S103と同様の手順を適用することができる。
【0100】
(3)補強用接着剤を塗布(S203)
次に、チタンハブ10にブレード素材(ブレード本体)30を接続した中間製品の外周側及び内周側に補強用接着剤を塗布する。
補強用接着剤の塗布は、例えば、
図14に示すように行うことができる。
図14は、ブレード装着工程における補強用接着剤の塗布を説明する概念図である。
外周側接続補強部241を形成する補強用接着剤の塗布は、
図14(A)に示すように、例えば、中間製品のチタンハブ10側を上にして鉛直方向に対して軸線O1を傾斜させて回転させ、接着剤供給装置40から両面粘着テープ220の外周側全周に補強用接着剤240Lを供給する。
また、内周側接続補強部242を形成する補強用接着剤の塗布は、
図14(B)に示すように、例えば、中間製品のブレード本体30側を上にして鉛直方向に対して軸線O1を傾斜させて回転させ、接着剤供給装置40から両面粘着テープ220の内周側全周に補強用接着剤240Lを供給する。
【0101】
(4)補強用接着剤硬化(S204)
補強用接着剤を硬化させて接続補強部を形成する。
補強用接着剤硬化(S204)については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
S201〜S204の手順によりブレード装着品(中間製品)が完成する。
なお、S201〜S204の手順は、一例を示すものであり適宜変更又は省略することが可能である。
【0102】
第2実施形態に係るハブ型ブレード200によれば、接続補強部240がチタンハブ10とブレード本体30を接続するので、チタンハブ10とブレード本体30との接続強度を大きくすることができる。
【0103】
また、ハブ型ブレード200によれば、接続補強部保持部10D、10Eが表面粗さRmax5〜50μmに形成され、接続補強部保持部30D、30Eがダイヤモンド超砥粒32が露出しているので、接続補強部240をチタンハブ10及びブレード本体30に安定して接続することができる。
【0104】
また、両面粘着テープ220が接続補強部240により外周側と内周側で封止されているので、粘着面220A、220Bの劣化を抑制することができる。
【0105】
また、第2実施形態に係るハブ型ブレードによれば、チタンハブ10とブレード本体30を接続した後に
接続補強部240を形成するのでハブ型ブレード200を効率的に製造することができる。
【0106】
また、ハブ型ブレード200によれば、ブレード本体30がチタンハブ10の外縁で急激に屈曲するのが緩和され、切断時にブレード本体30が割れるのを抑制することができる。
【0107】
また、ハブ型ブレード200によれば、接続補強部240が遅延性紫外線硬化接着剤により形成され、容易に塗布して短時間で硬化するので接続補強部240を効率的に形成することができる。
【0108】
<第3実施形態>
以下、
図15〜
図17を参照し、本発明の第3実施形態に係るハブ型ブレードについて説明する。
図15は、第3実施形態に係るハブ型ブレードの外周側接続補強部の概略を説明する部分拡大図であり、
図16は内周側接続補強部の概略を説明する部分拡大図である。図
15、
図16において、符号300はハブ型ブレードを、符号10はチタンハブを、符号320は両面粘着テープを、符号30はブレード本体を、符号340は接続補強部を示している。
【0109】
ハブ型ブレード300は、
図15、
図16に示すように、例えば、チタンハブ10と、両面粘着テープ(粘着性接続部材、粘着性接続部)320と、ブレード本体30と、接続補強部340とを備えている。また、両面粘着テープ320は、粘着性接続部を構成する。
なお、チタンハブ10、ブレード本体30については第1実施形態と同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
【0110】
両面粘着テープ(粘着性接続部材)320は、
図15、
図16に示すように、例えば、テープ基材321と、テープ基材321のブレード取付面10A側に塗布される粘着剤322と、ブレード本体30側の接続面30T側に塗布される粘着剤323とを備えている。また、粘着剤322は粘着面320Aを形成し、粘着剤323は粘着面320Bを形成する。
【0111】
テープ基材321は、例えば、外周がチタンハブ10の外径と同径とされ、内周側にブレード本体30の取付穴30Hと同径の円形穴320Hが形成されたドーナツ状とされている。
粘着剤322、323は、外周側がテープ基材321より小径に形成され、内周側が円形穴320Hより大径に形成されている。
また、両面粘着テープ320の厚さ(例えば、0.1mm以下)、弾性係数、保持力(粘着力)等、導電性等については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0112】
接続補強部340は、例えば、両面粘着テープ320の外周側に形成される外周側接続補強部341と、両面粘着テープ320の内周側に形成される内周側接続補強部342とを備えている。
【0113】
また、接続補強部340は、接着剤が硬化して形成された接着樹脂部であり、第1実施形態と同様のものを適用可能である。
【0114】
外周側接続補強部341は、例えば、テープ基材321とブレード取付面10Aとを接続する接続補強部341Aと、テープ基材321と接続面30Tとを接続する接続補強部341Bとを備えている。
【0115】
内周側接続補強部342は、例えば、テープ基材321とブレード取付面10Aとを接続する接続補強部342Aと、テープ基材321と接続面30Tとを接続する接続補強部342Bとを備えている。
【0116】
また、接続補強部340は、両面粘着テープ320の内周側及び外周側縁部において、粘着面320A及び粘着面320Bを液密に封止する。その他は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0117】
次に、
図17を参照して、第3実施形態に係るハブ型ブレード製造工程の概略を説明する。
図17は、第3実施形態に係るブレード装着工程における手順の概略を説明するフローチャートである。
第3実施形態に係るハブ型ブレード製造工程は、第1実施形態に係るブレード装着工程(S11)の手順(S101〜S104)に代えて、
図17に示す手順(S301〜S305)を適用する。その他は第1実施形態と同様の手順を適用することができる。
【0118】
第3実施形態におけるブレード装着工程は、
図17に示すように、例えば、S301〜S305の手順により構成される。
(1)両面粘着テープの対象領域に補強用接着剤を塗布(S301)
両面粘着テープ320のブレード取付面10A側の接続補強部341A、342Aと対応する領域に補強用接着剤を塗布する。なお、両面粘着テープに補強用接着剤を塗布するのに代えて、両面粘着テープが貼着されていないブレード取付面10Aの接続補強部341A、342Aと対応する領域に第1実施形態と同様の手順で補強用接着剤を塗布してもよい。
(2)ハブに両面粘着テープを貼着及び接着剤配置(S302)
ハブに両面粘着テープ320を貼着する。これにより、テープ基材321とブレード取付面10Aの間に接続補強部341A、342Aを形成する接着剤が配置される。
S302については、第1実施形態のS101と同様であるので説明を省略する。
(3)補強用接着剤を塗布(S303)
S303における両面粘着テープ320の接続面30T側の接続補強部341B、342Bと対応する領域に補強用接着剤を塗布する。この補強用接着剤の塗布は第1実施形態と同様の手順を適用することができる。
(4)ハブにブレード素材を接続(S304)
(5)補強用接着剤硬化(S305)
S304、S305については、第1実施形態のS103、S104と同様の手順を適用することができる。
S301〜S305の手順によりブレード装着品(中間製品)が完成する。
なお、S301〜S305の手順は、一例を示すものであり適宜変更又は省略することが可能である。
【0119】
第3実施形態に係るハブ型ブレード300によれば、両面粘着テープ320を構成する粘着剤322、323が外周側接続補強部341及び内周側接続補強部342により封止されるので、粘着剤322、323の劣化を抑制することができる。
【0120】
<第4実施形態>
以下、
図18を参照し、本発明の第4実施形態に係るハブ型ブレードについて説明する。
図18は、第4実施形態に係るハブ型ブレードの概略構成を説明する
図1に矢視Z−Zで示す部分断面図である。
図18において、符号400はハブ型ブレードを、符号10はチタンハブを、符号42は粘着性接続部を、符号420は粘着テープを、符号422は接着樹脂部を、符号440は接続補強部を示している。
【0121】
ハブ型ブレード400は、
図18に示すように、例えば、チタンハブ10と、粘着性接続部42と、ブレード本体30と、接続補強部440とを備えている。
そして、チタンハブ10とブレード本体30は、粘着性接続部42及び接続補強部440を介して接続されている。
また、粘着性接続部42は、接着樹脂部422と、粘着テープ420とを備え、ブレード取付面10Aから接着樹脂部422、粘着テープ420の順に配置されて、粘着テープ420が接続面30Tに接続されている。
ブレード本体30は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0122】
チタンハブ10は、ブレード取付面10Aに接着樹脂部422が配置され、接着樹脂部422を介して粘着テープ420と接続されている。
また、チタンハブ10は、例えば、ブレード取付面10AがRmax5〜50μm(JIS B0601 1982)に形成されていることが好適である。その他は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0123】
また、粘着テープ420は、
図18に示すように、例えば、テープ基材421と、テープ基材421の接続面30T側に塗布された粘着剤423とを備え、粘着剤423の表面が粘着面420Sとされた片面粘着テープである。そして、粘着
剤423が接続面30Tと接続されている。
また、粘着テープ420は、外周側が取付面10Aの外径より小さく、内周側にブレード本体30の円形穴30Hより大径の円形穴420Hが形成されドーナツ状とされている。
【0124】
粘着テープ420を構成するテープ基材421、粘着剤423は、第1実施形態に係る粘着テープ120のテープ基材121、粘着剤123と同様の構成であってもよい。なお、テープ基材421は、接着樹脂部422を構成する接着剤が安定して定着することが好適である。その他は、粘着剤が一面であることを除き第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0125】
また、粘着テープ420の外径、厚さ(例えば、0.1mm以下)、弾性係数、保持力(粘着力)、導電性等は、例えば、概ね第1実施形態に係る両面粘着テープと同様であるので説明を省略する。
【0126】
接着樹脂部422は、ブレード取付面10Aに形成され、例えば、エポキシ樹脂やシアノアクリレート樹脂を主成分とする接着剤、アクリル樹脂系接着剤等が硬化したものである。なお、接着樹脂部423が導電性を有するかどうかは任意に設定可能であるが、導電性を有することが好適である。
また、接着樹脂部422は、例えば、弾性係数、保持力(接着力)等がブレード本体30の平面度を保持し、切断時の切断トルクによって生じるねじり変形がブレード本体30に破損を生じさせない設定とされていることが好適である。
【0127】
導電性接着剤としては、例えば、CN−3160L、CN−7120(商品名:化研テック株式会社製)、TB3351C(商品名:株式会社スリーボンド製)、エポキシ樹脂に銀(Ag)系フィラーが混合されたスリーボンド3380(商品名:株式会社スリーボンド製)等を溶剤(例えば、酢酸エチル)で希釈して適用することが可能である。
【0128】
また、導電性を有さない接着剤としては、例えば、紫外線硬化接着剤(遅延硬化型)(例えば、AUV−8800、AUV−0082P(商品名:新田ゼラチン株式会社製)、CV7831(商品名:パナソニック株式会社製)、SX−UV300(商品名:セメダイン株式会社製))や、シアノアクリレート系の瞬間接着剤(例えば、ALTECO CN2(商品名:株式会社アルテコ製)、ALTECO CN4(商品名:株式会社アルテコ製)、セメダイン 3000DXF(商品名:セメダイン株式会社製)、セメダイン3000 DXLL(商品名:セメダイン株式会社製)、セメダイン3000DXL(商品名:セメダイン株式会社製)、アロンアルファEXTRA衝撃(商品名:東亞合成株式会社製)、アロンアルファEXTRA4000(商品名東亞合成株式会社製))を適用することができる。
【0129】
接続補強部440は、外周側接続補強部441と、内周側接続補強部442とを備えている。
外周側接続補強部441は粘着性接続部42の外周側全周にわたって形成され、ブレード取付面10Aと接続面30Tを接続している。
また、内周側接続補強部442は粘着性接続部42の内周側全周にわたって形成され、ブレード取付面10Aと接続面30Tを接続している。
また、接続補強部440は、粘着性接続部42の外周側及び内周側を液密に封止している。
また、接続補強部440は、接着剤が硬化して形成された接着樹脂部であり、第1実施形態と同様のものを適用することができる。
【0130】
次に、
図19を参照して、第4実施形態に係るブレード装着工程の概略を説明する。
図19は、第4実施形態に係るブレード装着工程の手順の概略を説明するフローチャートである。
第4実施形態に係るハブ型ブレード製造工程は、第1実施形態に係るブレード装着工程(S11)の手順(S101〜S104)に代えて、
図19に示す手順(S401〜S406)を適用する。その他は第1実施形態と同様の手順を適用することができる。
【0131】
(1)ハブに接着剤を塗布する(S401)
まず、チタンハブ10のブレード取付面10Aの粘着性接続部42の対象領域に接着樹脂部422を形成する接着剤を塗布する。
なお、ブレード取付面10Aに代えて、粘着テープ420のテープ基材421の裏面(粘着剤423と反対側の面)に接着樹脂部422を形成する接着剤を塗布してもよい。
(2)ハブに粘着テープを接着する(S402)
次に、塗布した接着剤に粘着テープ420を接着する。このとき、チタンハブ10の軸線O1と、粘着テープ420の軸線を同軸に接着する。
(3)接着剤硬化(S403)
次いで、接着剤を硬化させて接着樹脂部422に粘着テープ420を接続する。
(4)補強用接着剤を塗布(S404)
次に、粘着性接続部42の外周側及び内周側に、接続補強部440を形成する補強用接着剤を塗布する。補強用接着剤の塗布は、第1実施形態と同様の手順を適用することができる。
(5)ハブにブレード素材を接続(S405)
次に、チタンハブにブレード素材を貼着する。
チタンハブにブレード素材を貼着する際は、第1実施形態と同様の手順を適用することができる。
(6)補強用接着剤硬化(S406)
次に、補強用接着剤を硬化させて接続補強部を形成する。
補強用接着剤硬化については、第1実施形態と同様の手順を適用することができる。
S401〜S406の手順によりブレード装着品(中間製品)が完成する。
なお、S401〜S406の手順は、一例を示すものであり適宜変更又は省略することが可能である。
【0132】
第4実施形態に係るハブ型ブレード400によれば、粘着テープ420が接着樹脂部422によってブレード取付面10Aに接続されているので、大きな接続強度を確保することができる。
【0133】
また、ハブ型ブレード400によれば、粘着テープ420の外周側と内周側に接続補強部440が形成されているので、粘着剤423の劣化を抑制することができる。
【0134】
<第4実施形態(第1変形例)>
以下、
図20を参照し、本発明の第4実施形態の第1変形例に係るハブ型ブレードについて説明する。
図20は、第4実施形態の第1変形例に係るハブ型ブレードの概略構成の一例を説明する部分断面図である。
図20において、符号400Aはハブ型ブレードを、符号10はチタンハブを、符号42Aは粘着性接続部を、符号420Aは粘着テープを、符号422Aは接着樹脂部を、符号440Aは接続補強部を示している。
【0135】
ハブ型ブレード400Aは、
図20に示すように、例えば、チタンハブ10と、粘着性接続部42Aと、ブレード本体30と、接続補強部440Aとを備えている。
そして、チタンハブ10とブレード本体30は、粘着性接続部42A及び接続補強部440Aを介して接続されている。
また、粘着性接続部42Aは、接着樹脂部422Aと、粘着テープ420Aとを備え、ブレード取付面10Aから接着樹脂部422A、粘着テープ420Aの順に配置されて接続面30Tに接続されている。
チタンハブ10、ブレード本体30については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0136】
また、粘着テープ420Aは、
図20に示すように、例えば、テープ基材421Aと、テープ基材421Aの接続面30T側に塗布された粘着剤423Aとを備え、粘着剤423Aの表面が粘着面420Sとされた片面粘着テープである。
また、テープ基材421Aは、例えば、外周側が取付面10Aと同径とされ、内周側にブレード本体30の円形穴30Hと同径の円形穴420HAが形成されドーナツ状とされている。
また、粘着剤423Aは、外周側がテープ基材421Aより小径とされ、内周側が円形穴420HAより大径とされている。その他は、第4実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0137】
接着樹脂部422Aは、ブレード取付面10Aに形成され、外径及び内径は、粘着テープ420Aのテープ基材421Aと対応して形成されている。その他は、第4実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0138】
接続補強部440Aは、外周側接続補強部441Aと、内周側接続補強部442Aとを備えている。
外周側接続補強部441Aは、粘着テープ420Aを構成する粘着剤423Aの外周側全周にわたって形成され、テープ基材421Aと接続面30Tとを接続する。
また、内周側接続補強部442Aは、粘着テープ420Aを構成する粘着剤423Aの内周側全周にわたって形成され、テープ基材421Aと接続面30Tとを接続する。
また、接続補強部440Aは、粘着剤423Aの外周側及び内周側を液密に封止する。その他は、第4実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0139】
<第4実施形態(第2変形例)>
以下、
図21を参照し、本発明の第4実施形態の第2変形例に係るハブ型ブレードについて説明する。
図21は、第4実施形態の第2変形例に係るハブ型ブレードの概略構成の一例を説明する部分断面図である。
図21において、符号400Bはハブ型ブレードを、符号10はチタンハブを、符号42Bは粘着性接続部を、符号420Bは粘着テープを、符号422Bは接着樹脂部を、符号440Bは接続補強部を示している。
【0140】
ハブ型ブレード400Bは、
図21に示すように、例えば、チタンハブ10と、粘着性接続部42Bと、ブレード本体30と、接続補強部440Bとを備えている。
そして、チタンハブ10とブレード本体30は、粘着性接続部42B及び接続補強部440Bを介して接続されている。
また、粘着性接続部42Bは、接着樹脂部422Bと、粘着テープ420Bとを備え、ブレード取付面10Aから接着樹脂部422B、粘着テープ420Bの順に配置されて接続面30Tに接続されている。チタンハブ10は第4実施形態と同様であり、ブレード本体30は第4実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0141】
また、粘着テープ420Bは、
図21に示すように、例えば、テープ基材421Bと、テープ基材421Bの接続面30T側に塗布された粘着剤423Bとを備え、粘着剤423Bの表面が粘着面420Sとされた片面粘着テープである。
また、テープ基材421Bは、例えば、外周側が取付面10Aと同径とされ、内周側がブレード本体30の円形穴30Hと同径の円形穴420HBが形成されドーナツ状とされている。
また、粘着剤423Bは、外周側及び内周側がテープ基材421Aと同径に形成されている。その他は、第4実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0142】
接着樹脂部422Bについては、第4実施形態の第1変形例と同様であるので説明を省略する。
【0143】
接続補強部440Bは、外周側接続補強部441Bと、内周側接続補強部442Bとを備えている。
外周側接続補強部441Bは、粘着テープ420Bを構成する粘着剤423Bの外周側全周にわたって形成され、テープ基材421Bと接続面30Tとを接続する。
また、内周側接続補強部442Bは、粘着テープ420Bを構成する粘着剤423Bの内周側全周にわたって形成され、テープ基材421Bと接続面30Tとを接続する。
また、接続補強部440Bは、粘着剤423Bの外周側及び内周側を液密に封止する。その他は、第4実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0144】
<第5実施形態>
以下、
図22、
図23を参照して、本発明の第5実施形態に係るハブ型ブレードについて説明する。
図22は、第5実施形態に係るハブ型ブレードの概略構成を説明する
図1に矢視Z−Zで示す部分断面図である。また、
図23は、第5実施形態に係るブレード装着工程の手順の一例の概略を説明するフローチャートである。
図22において、符号500はハブ型ブレードを、符号10はチタンハブを、符号52は粘着性接続部を、符号520は粘着テープを、符号523は接着樹脂部を、符号540は接続補強部を示している。
【0145】
ハブ型ブレード500は、
図22に示すように、例えば、チタンハブ10と、粘着性接続部52と、ブレード本体30と、接続補強部540とを備えている。
そして、チタンハブ10とブレード本体30は、粘着性接続部52及び接続補強部540を介して接続されている。
また、粘着性接続部52は、粘着テープ520と、接着樹脂部523とを備え、ブレード取付面10Aから粘着テープ520、接着樹脂部523の順に配置されて、接着樹脂部523が接続面30Tと接続されている。
チタンハブ10については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0146】
また、接着樹脂部523は、接続面30Tに配置され粘着テープ520と接続される。その他は、第4実施形態の接着樹脂部422と同様であるので説明を省略する。
【0147】
粘着テープ520は、テープ基材521と、粘着剤522とを備え、テープ基材521のブレード取付面10A側に粘着剤522が配置され、粘着剤522の表面が粘着面520Sとされた片面粘着テープである。そして、接着樹脂部522がブレード取付面10Aと接続されている。テープ基材521、粘着剤522は、第4実施形態のテープ基材421、粘着剤423と同様のものを適用することが可能である。
【0148】
ブレード本体30は、この実施形態において、例えば、接続面30Tの全面にわたり、金属母材31からダイヤモンド超砥粒32が露出する構成とされている。
【0149】
接続補強部540は、外周側接続補強部541と、内周側接続補強部542とを備えている。
外周側接続補強部541は粘着性接続部52の外周側全周にわたって形成され、ブレード取付面10Aと接続面30Tを接続している。
また、内周側接続補強部542は粘着性接続部52の内周側全周にわたって形成され、ブレード取付面10Aと接続面30Tを接続している。
また、接続補強部540は、粘着性接続部52の外周側、内周側を液密に封止する。
また、接続補強部540は、接着剤が硬化して形成された接着樹脂部であり、接続補強部540を形成する接着剤は、第1実施形態と同様のものを適用することができる。
【0150】
次に、
図23を参照して、第5実施形態に係るブレード装着工程の概略を説明する。
図23は、第5実施形態に係るブレード装着工程の手順の概略を説明するフローチャートである。
第5実施形態に係るハブ型ブレード製造工程は、第1実施形態に係るブレード装着工程(S11)の手順(S101〜S104)に代えて、
図23に示す手順(S501〜S506)を適用する。その他は第1実施形態と同様の手順を適用することができる。
【0151】
(1)ブレード素材に接着剤を塗布する(S501)
まず、ブレード素材(ブレード本体)30の接続面30Tの粘着性接続部52の対象領域に接着樹脂部523を形成する接着剤を塗布する。
なお、接続面30Tに代えて、粘着テープ520のテープ基材521の裏面(粘着剤522と反対側の面)に接着樹脂部523を形成する接着剤を塗布してもよい。
(2)ブレード素材に粘着テープを接着する(S502)
次に、塗布した接着剤に粘着テープ520を接着する。このとき、ブレード本体30の軸線O1と、粘着テープ520の軸線を同軸に接着する。
(3)接着剤硬化(S503)
次いで、接着剤を硬化させて接着樹脂部523に粘着テープ520を接続する。
(4)補強用接着剤を塗布(S504)
次に、粘着性接続部52の外周側及び内周側に接続補強部540を形成する補強用接着剤を塗布する。補強用接着剤の塗布は、第1実施形態と同様の手順を適用することができる。
(5)ブレード素材にハブを接続(S505)
次に、ブレード素材にチタンハブを貼着する。
ブレード素材にチタンハブを貼着する際は、第1実施形態と同様の手順を適用することができる。
(6)補強用接着剤硬化(S506)
次に、補強用接着剤を硬化させて接続補強部を形成する。
補強用接着剤硬化については、第1実施形態と同様の手順を適用することができる。
S501〜S506の手順によりブレード装着品(中間製品)が完成する。
なお、S501〜S506の手順は、一例を示すものであり適宜変更又は省略することが可能である。
【0152】
第5実施形態に係るハブ型ブレード500によれば、粘着テープ520が接着樹脂部523によって接続面30Tに接続されているので、ブレード本体30を大きな接続強度で保持することができる。
【0153】
また、ハブ型ブレード500によれば、接着樹脂部523によりブレード本体30を接続するので、ビトブレード等、通気性があるブレード本体を容易かつ確実に保持することができる。
【0154】
また、ハブ型ブレード500によれば、粘着テープ520の外周側と内周側に接続補強部540が形成されているので、粘着剤522の劣化を抑制することができる。
【0155】
<第5実施形態(第1変形例)>
以下、
図24を参照し、本発明の第5実施形態の第1変形例に係るハブ型ブレードについて説明する。
図24は、第5施形態の第1変形例に係るハブ型ブレードの概略構成の一例を説明する部分断面図である。
図24において、符号500Aはハブ型ブレードを、符号10はチタンハブを、符号42Aは粘着性接続部を、符号520Aは粘着テープを、符号523Aは接着樹脂部を、符号540Aは接続補強部を示している。
【0156】
ハブ型ブレード500Aは、
図24に示すように、例えば、チタンハブ10と、粘着性接続部52Aと、ブレード本体30と、接続補強部540Aとを備えている。
そして、チタンハブ10とブレード本体30は、粘着性接続部52A及び接続補強部540Aを介して接続されている。
また、粘着性接続部52Aは、接着樹脂部523Aと、粘着テープ520Aとを備え、ブレード取付面10Aから粘着テープ520A、接着樹脂部523Aの順に配置されて接続面30Tに接続されている。
チタンハブ10については第1実施形態と同様であり、ブレード本体30については第5実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0157】
また、粘着テープ520Aは、
図24に示すように、例えば、テープ基材521Aと、テープ基材521Aのブレード取付面10A側に塗布された粘着剤522Aとを備え、粘着剤522Aの表面が粘着面520Sとされた片面粘着テープである。
また、テープ基材521Aは、例えば、外周側が取付面10Aと同径に形成され、内周側がブレード本体30の円形穴30Hと同径の円形穴520HAが形成されドーナツ状とされている。また、粘着剤522Aは、外周側がテープ基材521Aより小径とされ、内周側が円形穴520HAより大径とされている。その他は、第5実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0158】
接着樹脂部523Aは、接続面30Tに形成され、外径及び内径は、粘着テープ520Aのテープ基材521Aと対応して形成されている。その他は、第4実施形態の接着樹脂部423と同様であるので説明を省略する。
【0159】
接続補強部540Aは、外周側接続補強部541Aと、内周側接続補強部542Aとを備えている。
外周側接続補強部541Aは、粘着テープ520Aを構成する粘着剤522Aの外周側全周にわたって形成され、テープ基材521Aと接続面30Tとを接続する。
内周側接続補強部542Aは、粘着テープ520Aを構成する粘着剤522Aの内周側全周にわたって形成され、テープ基材521Aと接続面30Tとを接続する。
また、接続補強部540Aは、粘着剤522Aの外周側及び内周側を液密に封止している。その他は、第4実施形態の第1変形例と同様であるので説明を省略する。
【0160】
<第5実施形態(第2変形例)>
以下、
図25を参照し、本発明の第5実施形態の第2変形例に係るハブ型ブレードについて説明する。
図25は、第5実施形態の第2変形例に係るハブ型ブレードの概略構成の一例を説明する部分断面図である。
図25において、符号500Bはハブ型ブレードを、符号10はチタンハブを、符号52Bは粘着性接続部を、符号520Bは粘着テープを、符号523Bは接着樹脂部を、符号540Bは接続補強部を示している。
【0161】
ハブ型ブレード500Bは、
図25に示すように、例えば、チタンハブ10と、粘着性接続部52Bと、ブレード本体30と、接続補強部540Bとを備えている。
そして、チタンハブ10とブレード本体30は、粘着性接続部52B及び接続補強部540Bを介して接続されている。
また、粘着性接続部52Bは、接着樹脂部523Bと、粘着テープ520Bとを備え、ブレード取付面10Aから粘着テープ520B、接着樹脂部523Bの順に配置されて接続面30Tに接続されている。チタンハブ10は第2実施形態と同様であり、ブレード本体30は第5実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0162】
また、粘着テープ520Bは、
図25に示すように、例えば、テープ基材521Bと、テープ基材521Bのブレード取付面10A側に塗布された粘着剤522Bとを備え、粘着剤522Bの表面が粘着面520Sとされた片面粘着テープである。
また、テープ基材521Bは、例えば、外周側が取付面10Aと同径とされ、内周側がブレード本体30の円形穴30Hと同径の円形穴520HBが形成されドーナツ状とされている。また、粘着剤522Bは、外周側及び内周側がテープ基材521
Bと同径に形成されている。その他は、第5実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0163】
接着樹脂部523Bについては、第5実施形態の第1変形例の接着樹脂部523Aと同様であるので説明を省略する。
【0164】
接続補強部540Bは、外周側接続補強部541Bと、内周側接続補強部542Bとを備えている。
外周側接続補強部541Bは、粘着テープ520Bを構成する粘着剤522Bの外周側全周にわたって形成され、テープ基材521Bとブレード取付面10Aとを接続している。
また、内周側接続補強部542Bは、粘着テープ520Bを構成する粘着剤522Bの内周側全周にわたって形成され、テープ基材521Bとブレード取付面10Aとを接続している。
また、接続補強部540Bは、粘着剤522Bの外周側及び内周側を液密に封止する。その他は、第5実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0165】
なお、上記実施形態において記載した技術的事項については、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【0166】
例えば、接続補強部の形態については、適宜設定することが可能であり、第1実施形態〜第5実施形態の接続補強部を組み合わせて適用してもよい。
また、上記実施形態においては、接続補強部が粘着性接続部の外周側と内周側全周にわたって形成され、粘着性接続部を封止する場合について説明したが、粘着性接続部の外周側と内周側のいずれか一方のみに接続補強部を形成してもよい。また、粘着性接続部の外周側、内周側の周方向に断続的に接続補強部を形成してもよい。
【0167】
また、例えば、ブレード取付面10Aと接続面30Tの双方が粘着力により粘着性接続部と接続されている場合に、ブレード取付面10Aと接続面30Tのいずれか一方のみに接続補強部を形成してもよい。
【0168】
また、粘着性接続部材として両面粘着テープを用いるか、第1実施形態の第1変形例に示すテープ基材を有さない両面粘着部材を適用するかは適宜設定することができる。
【0169】
また、上記実施形態においては、接続補強部が遅延性紫外線硬化接着剤を硬化して形成する場合について説明したが、紫外線硬化接着剤、熱硬化樹脂、嫌気性樹脂等種々の樹脂を適用することができる。
【0170】
また、上記実施形態においては、ハブがチタン合金で形成されている場合について説明したが、純チタンや他の材料で形成してもよい。その場合、比強度が純アルミニウム((JIS規格 A1060−O)比強度25.9)以上であることが好適である。
例えば、アルミニウム合金又は純アルミニウムによりハブを形成する場合、A2017、A5083、A7075(JIS規格)等が好適である。
【0171】
また、ハブをマグネシウム又はマグネシウム合金によりハブを形成する場合には、例えば、MB3(Mg-8.4%Al-0.6%Zn-0.25%Mn)、MB5(Mg-3.3%Zn-0.6%Zr)、MB6(Mg-5.5%Zn-0.6%Zr)等が好適である。マグネシウムハブは比強度が大きいので高速回転が可能で、減衰能が優れているので振動の発生が抑制され安定的に切断することができる。
【0172】
また、ハブをプラスチックにより形成してもよく、ポリカーボネードをはじめとするエンジニアリングプラスチック、繊維強化プラスチック、アクリル樹脂等の汎用プラスチックの中から適宜設定することで高速回転させて効率的に切断することができる。
また、ハブをポリカーボネート(比強度 52.5kN・m/kg)により形成すると高速回転させて切断能力を向上することができる。
【0173】
また、上記実施形態においては、ブレード本体30がニッケルめっきからなる金属母材31にダイヤモンド超砥粒32が分散する構成とされている場合について説明したが、例えば、銅(Cu)や銅合金(例えば、Cu−Sn)をはじめとする適用可能な種々の金属母材に砥粒が分散されたメタルブレード、フェノール樹脂等からなるレジンブレード、砥粒を混合したセラミックス粉末を含むガラス粉末(無機材料)を焼成して形成したビトブレード、超硬合金により形成されたブレード等、種々のブレード本体を用いてもよい。
本発明では、電着ブレードとして形成できない種々のブレード本体を粘着性接続部により接続可能することができる。
【解決手段】ハブ型ブレード100であって、チタンハブ10と、ブレード本体30と、前記チタンハブ10と前記ブレード本体30の間に配置され、ブレード取付面10A及び接続面30Tを粘着力により保持して前記チタンハブ10と前記ブレード本体30とを接続する粘着性接続部120と、前記粘着性接続部120の外周側及び内周側に配置され、前記ブレード取付面10A及び前記接続面30Tの接続を補強する接続補強部140とを備えることを特徴とする。