【実施例】
【0012】
図1は実施例に係るダイボンダの概略上面図である。ダイボンダ10は、大別して、ウェハ供給部1と、ピックアップ部2A、2Bと、アライメント部3A、3Bと、ボンディング部4A、4Bと、搬送部5と、制御装置8(
図4参照)と、を備える。ウェハ供給部1は基板Pに実装するダイDが搭載されたウェハリング14(
図2、
図3参照)を供給する。ピックアップ部2A、2Bはウェハ供給部1からダイDをピックアップする。アライメント部3A、3BはピックアップされたダイDを中間的に一度載置する。ボンディング部4A、4Bはアライメント部3A、3BのダイDをピックアップし基板P又は既にボンディングされたダイDの上にボンディングする。搬送部5は基板Pを実装位置に搬送する。制御装置8は各部の動作を監視し制御する。
【0013】
ウェハ供給部1はウェハカセットリフタWCLとウェハ修正シュートWRAとウェハリングホルダ(ウェハ支持台)WRHとダイ突き上げユニットWDEとウェハ認識カメラVSWとを備える。ウェハカセットリフタWCLは複数のウェハリング14が格納されるウェハカセットをウェハ搬送高さまで上下動させる。ウェハ修正シュートWRAはウェハカセットリフタWCLより供給されるウェハリング14のアライメントを行う。ウェハエキストラクタWREはウェハリング14をウェハカセットから取出し、収納する。ウェハリングホルダWRHは図示しない駆動手段によってX方向およびY方向に移動し、ピックアップするダイDをダイ突き上げユニットWDEの位置に移動させる。
図1の2点破線円はウェハリングホルダWRHの移動範囲である。ダイ突き上げユニットWDEはウェハテープ(ダイシングテープ)16にマウントされるウェハ11からダイ単位で突き上げ剥離する。ウェハ認識カメラVSWはウェハリングホルダWRHで支持されたウェハ11のダイDを撮像し、ピックアップすべきダイDの位置を認識する。
【0014】
ピックアップ部2A、2Bのそれぞれは、ピックアップヘッドBPHとピックアップヘッドテーブルBPTとを備える。ピックアップヘッドBPHは、ダイ突き上げユニットWDEで突き上げられたダイDを先端に吸着保持するコレット22(
図4参照)を有し、ダイDをピックアップし、中間ステージBASに載置する。ピックアップヘッドテーブルBPTはピックアップヘッドBPHをZ方向、X方向およびY方向に移動させる。ピックアップヘッドBPHではダイDの角度に合わせて回転させる機能を付加することも可能である。ピックアップは、ウェハ11の有する複数の電気的特性の異なるダイのグレードを示す分類マップに基づいて行う。分類マップは制御部8に予め記憶されている。
【0015】
アライメント部3A、3Bのそれぞれは、ダイDを一時的に載置する中間ステージBASと中間ステージBAS上のダイDを認識する為のステージ認識カメラVSA(
図4参照)とを備える。ダイ突き上げユニットWDEは、平面視で、アライメント部3Aの中間ステージBASとアライメント部3Bの中間ステージBASとの中間に位置し、ダイ突き上げユニットWDE、アライメント部3Aの中間ステージBAS、およびアライメント部3Bの中間ステージBASはX方向に沿って配置される。
【0016】
ボンディング部4A、4Bのそれぞれは、ボンディングヘッドBBHとコレット42(
図4参照)とボンディングヘッドテーブルBHTと基板認識カメラVSB(
図4参照)とを備える。ボンディングヘッドBBHはピックアップヘッドBPHと同じ構造を有し、中間ステージBASからダイDをピックアップし、搬送されてきた基板Pにボンディングする。コレット42はボンディングヘッドBBHの先端に装着されダイDを吸着保持する。ボンディングヘッドテーブルBHTはボンディングヘッドBBHをZ方向、X方向およびY方向に移動させる。基板認識カメラVSBは搬送されてきた基板Pの位置認識マーク(図示せず)を撮像し、ボンディングすべきダイDのボンディング位置を認識する。
【0017】
このような構成によって、ボンディングヘッドBBHは、ステージ認識カメラVSAの撮像データに基づいてピックアップ位置・姿勢を補正し、中間ステージBASからダイDをピックアップし、基板認識カメラVSBの撮像データに基づいて基板PにダイDをボンディングする。
【0018】
搬送部5は、ダイDがボンディングされる基板P(
図1では18枚)を載置したマガジン(
図1では5個)をX方向に搬送する第1搬送レーン51および第2搬送レーン52を備える。第1搬送レーン51は第1クリーンステージCS1と第1ボンディングステージBS1と第2ボンディングステージBS2とを備える。
図1では第1クリーンステージCS1にマガジン91が載置され、第1ボンディングステージBS1にマガジン92は載置され、第2ボンディングステージBS2にマガジン93が載置されている。第2搬送レーン52は第2クリーンステージCS2と第3ボンディングステージBS3とを備える。
図1では第2クリーンステージCS2にマガジン94が載置され、第3ボンディングステージBS3にマガジン95は載置されている。第1クリーンステージCS1および第2クリーンステージCS2のプリビジョンポイントPVPでは、基板Pに付けられた基板の不良の印の認識および基板P上の異物を吸引するクリーニングが行われる。第1ボンディングステージBS1、第2ボンディングステージBS2および第3ボンディングステージBS3のボンディングポイントBPでは、基板Pにボンディングが行われる。アライメント部3Aの中間ステージBAS、第1ボンディングステージBS1のボンディングポイントBPおよび第3ボンディングステージBS3のボンディングポイントBPを結ぶ線はY方向に沿って配置され、アライメント部3Bの中間ステージBAおよび第2ボンディングステージBS2のボンディングポイントBPを結ぶ線はY方向に沿って配置される。第1搬送レーン51および第2搬送レーン52はそれぞれマガジンローダIMHとフィーダシュートFMTとローダフィーダFIGメインフィーダFMG1とメインフィーダFMG2とメインフィーダMFG3とアンローダフィーダFOGとマガジンアンローダOMHとを備える。マガジンローダIMHは基板Pが格納されるマガジンを基板搬送高さまで上下動させ、プッシャにより基板Pがすべて供給されるとマガジンを払い出し、新たに基板Pが格納されるマガジンを基板搬送高さまで上下動させる。フィーダシュートFMTは基板搬送部のシュートを基板幅に応じて開閉する。ローダフィーダFIGは供給される基板PをプリビジョンポイントPVPまでグリップ搬送する。メインフィーダFMG1はプリビジョンポイントPVPまでグリップ搬送される基板PをメインフィーダFMG2に受け渡すまでグリップ搬送する。メインフィーダFMG2はメインフィーダFMG1から基板Pを受け取りメインフィーダMFG3に受け渡すまでグリップ搬送する。メインフィーダFMG3はメインフィーダFMG2から基板Pを受け取りアンローディング位置までグリップ搬送する。アンローダフィーダFOGはアンローディング位置までグリップ搬送された基板Pを払出し位置までグリップ搬送する。マガジンアンローダOMHは供給された空マガジンを基板搬送高さまで上下動させ、払い出された基板でマガジンが満杯になるとマガジンを払い出し、新たに空マガジンを基板搬送高さまで上下動させる。
【0019】
次に、
図2および
図3を用いてウェハ供給部の詳細な構成を説明する。
図2は、ウェハ供給部の主要部を示す外観斜視図である。
図3は、ウェハ供給部の主要部を示す概略断面図である。ウェハ11の裏面には、ダイアタッチフィルム(DAF)18が貼り付けられ、更にその裏側にダイシングテープ16が貼り付けられている。さらに、ダイシングテープ16の縁辺は、ウェハリング14に貼り付けられ、エキスパンドリング15に挟み込まれて固定されている。即ち、ウェハリングホルダWRHは、ウェハリング14を保持するエキスパンドリング15と、ウェハリング14に保持され複数のダイD(ウェハ11)が接着されたダイシングテープ16を水平に位置決めする支持リング17と、を備える。ウェハ供給部1は、支持リング17の内側に配置されダイDを上方に突き上げるためのダイ突き上げユニットWDEを有する。ダイ突き上げユニットWDEは、図示しない駆動機構によって、上下方向に移動するようになっており、水平方向にはウェハリングホルダWRHが移動するようになっている。このように、ダイDの薄型化に伴い、ダイボンディング用の接着剤は、液状からフィルム状に替わり、ウェハ11とダイシングテープ16との間に、ダイアタッチフィルム18と呼ばれるフィルム状の接着材料を貼り付けた構造としている。ダイアタッチフィルム18を有するウェハ11では、ダイシングはウェハ11とダイアタッチフィルム18に対して行なわれる。なお、ダイシングテープ16とダイアタッチフィルム18が一体化されたテープであってもよい。
【0020】
ウェハリングホルダWRHは、ダイDの突き上げ時に、ウェハリング14を保持しているエキスパンドリング15を下降させる。この時支持リング17は下降しないため、ウェハリング14に保持されているダイシングテープ16が引き伸ばされダイD同士の間隔が広がり、各ダイD同士の干渉・接触を防止し、個々のダイが離れ突上げ易くなる条件とする。ダイ突き上げユニットWDEは、ダイ下方よりダイDを突き上げることでダイDの剥離を進行させ、コレットによるダイDのピックアップ性を向上させている。
【0021】
図4は、ダイボンダの主要部の概略側面図である。ダイボンダ10は3つのボンディングステージBS1、BS2、BS3を備えるが、
図4ではボンディングステージBSと記載している。ダイボンダ10は、ピックアップヘッドBPHでピックアップしたダイDを一度中間ステージBASに載置し、載置したダイDをボンディングヘッドBBHで再度ピックアップし、実装位置にボンディングし、基板Pに実装する。
【0022】
ダイボンダ10は、ウェハ11上のダイDの姿勢を認識するウェハ認識カメラVSWと、中間ステージBASに載置されたダイDの姿勢を認識するステージ認識カメラVSAと、ボンディングステージBS上の実装位置を認識する基板認識カメラVSBとを有する。本実施例で認識カメラ間の姿勢ずれ補正しなければならないのは、ボンディングヘッドBBHによるピックアップに関与するステージ認識カメラVSAと、ボンディングヘッドBBHによる実装位置へのボンディングに関与する基板認識カメラVSBである。
【0023】
また、ダイボンダ10は、中間ステージBASに設けられた旋回駆動装置25と、中間ステージBASとボンディングステージBSの間に設けられたアンダビジョンカメラCUVと、ボンディングステージBSに設けられた加熱装置34と、制御装置8と、を有する。旋回駆動装置25は、実装位置を有する実装面に平行な面で中間ステージBASを旋回させ、ステージ認識カメラVSAと基板認識カメラVSB間の回転角ずれ等を補正する。アンダビジョンカメラCUVはボンディングヘッドBBHが移動中に吸着しているダイDの状態を真下から観察し、加熱装置34はダイDを実装するためにボンディングステージBSを加熱する。
【0024】
制御装置8は、図示しないCPU(Central Processor Unit)、制御プログラムを格納するメモリやデータを格納するメモリ、コントロールバスをなど有し、ダイボンダ10を構成する各要素を制御する。
【0025】
以下、ボンディング部4AのボンディングヘッドテーブルBHTおよびボンディングヘッドBBHについて説明する。なお、ボンディング部4Aのボンディングヘッドテーブル(第1ボンディングヘッドテーブル)BHTおよびボンディングヘッド(第1ボンディングヘッド)BBHと、ボンディング部4Bのボンディングヘッドテーブル(第2ボンディングヘッドテーブル)BHTおよびボンディングヘッド(第2ボンディングヘッド)BBHと、は同様な構成である。第2ボンディングヘッドテーブルは第1ボンディングヘッドテーブルと鏡面対称の構成としてもよい。
【0026】
図5(A)は
図1のボンディングヘッドテーブルを説明するための側面図である。
図5(B)は
図1のボンディングヘッドテーブルを説明するための上面図である。
図6(A)は
図1のボンディングヘッドテーブルのZY駆動軸の構成を示す側面図である。
図6(B)は
図6(A)のA矢視図である。
【0027】
ボンディングヘッドテーブルBHTは、ボンディングヘッドBBHをZ(高さ)方向に昇降させ、Y方向に水平移動させるZY駆動軸60と、ボンディングヘッドBBHをX方向に水平移動させるX駆動軸(不図示)とを有する。ZY駆動軸60は、Y方向、即ちボンディングヘッドBBHを中間ステージBAS内のピックアップ位置とボンディングステージBS内のボンディングポイントBPとの間を往復させるY駆動軸(第2駆動軸)70と、ダイを中間ステージBASからピックアップする又は基板にボンディングするために昇降させるZ駆動軸(第1駆動軸)80とを有する。X駆動軸は、基板Pを搬送する方向であるX方向にZY駆動軸60全体を移動させる。Y駆動軸70はリニアモータでボンディングヘッドBBHを駆動する構成であり、Z駆動軸80はボールネジをサーボモータで駆動することによりボンディングヘッドBBHを駆動する構成である。X駆動軸は、ボールネジをサーボモータで駆動する構成でもよいし、リニアモータで駆動する構成でもよい。ここで、Y駆動軸70の駆動範囲(ボンディングヘッドBBHのY方向の移動範囲)をDYとし、Z駆動軸80の駆動範囲(ボンディングヘッドBBHのZ方向の移動範囲)をDZとし、X駆動軸の駆動範囲(ボンディングヘッドBBHのX方向の移動範囲)をDXとすると、最大駆動範囲では、DY>DX>DZの関係にある。また、中間ステージBAS内のピックアップ位置からボンディングステージBS1内のボンディングポイントBPの最も近い位置との距離をDAとし、ボンディングポイントBPの最も近い位置と最も遠い位置との距離をDBとすると、DY=DA+DB、DB>DAの関係にある。例えば、通常動作の動作範囲では、DXは1mm以下、DZは20mm、DYは180〜280mm(第1搬送レーン)、500〜600mm(第2搬送レーン)であり、DY>DZ>DXの関係にある。また、本実施例のDYは、搬送レーンが1つで基板幅が100mmの場合のDY(150〜190mm)に比べて大きい。なお、X駆動軸の最大駆動範囲は30mmである。
【0028】
図6(B)に示すように、ZY駆動軸60は、Y駆動軸(第2駆動軸)70と、Z駆動軸(第1駆動軸)80と、Y駆動軸70のY軸可動部71とボンディングヘッドBBHを連結する連結部61と、これら全体を支える横L字状の支持体62とを有する。なお、以下の説明を分かり易くするために、支持体62に固定されている部分は斜線で、Y軸可動部71、ボンディングヘッドBBH及び連結部61と一体になって移動する部分を白抜きで示している。また、支持体62は上部支持体62aと、側部支持体62bと、上部支持体62aおよび側部支持体62bを支持する三角支持体62cとを有する。
【0029】
Y駆動軸70は、N極とS極の電磁石が交互にY方向に多数配列された上下の固定電磁石部(不図示)を有するコの字状のY軸固定部(第2軸固定部)72と、前記配列方向に少なくとも1組のN極とS極の電磁石(不図示)を有し、コの字状の凹部に挿入され凹部内を移動するY軸可動部(第2軸可動部)71と、連結部61に固定され、Y軸可動部71を支持する支持部74と、連結部61に固定され、側部支持体62bとの間に設けられたY軸リニアガイド73とを有する。Y軸固定部72は、上部支持体62aと支持体63に固定され、Y軸可動部71が所定の範囲移動できるように、Y駆動軸70の略全域に亘って設けられている。また、Y軸リニアガイド73は、Y方向に伸びる2つのリニアレール73aとリニアレール上を移動するリニアスライダ73bを有する。
【0030】
Z駆動軸80は、第1のZ軸可動部81_1と、第2のZ軸可動部81_2と、支持体63に固定されるZ軸固定部82と、ボンディングヘッドBBHと連結部61との間に設けられるZ軸ガイド83と、駆動部84と、を有する。Z軸ガイド83は、連結部61に固定されZ方向に伸びる2つのレール83aとボンディングヘッドBBHに固定されレール上を移動するスライダ83bを有する。
【0031】
図6(A)に示すように、駆動部84はZ軸固定部82に固定される駆動モータ(サーボモータ)84aと、Y方向に伸びるボールネジ84bと、第1傾斜カム84c1と、第2傾斜カム84c2と、ナット84dと、を備える。第1傾斜カム84c1と第2傾斜84c2とは所定の距離(少なくともナット84dの外径よりも大きい距離)離れてナット84dに固定される。駆動部84は、駆動モータ84aのY方向を回転の中心とする円運動をボールネジ84bとナット84dで第1傾斜カム84c1および第2傾斜カムのY軸方向の直線運動(水平運動)に変換する。このY方向の直線運動を第1傾斜カム84c1で第1支持体85_1および第1のZ軸可動部81_1のZ方向の直線運動(上下運動)に変換し、第2傾斜カム84c2で第2支持体85_2および第2のZ軸可動部81_2のZ方向の直線運動(上下運動)に変換する。ただし、本実施例の第1支持体85_1と第2支持体85_2は一体に形成される。
【0032】
第1支持体85_1の一端は第1傾斜カム84c1に接続されX方向に伸びる。第1のZ軸可動部81_1の上部は第1支持体85_1の他端に接続されZ方向に伸びる。第1のZ軸可動部81_1の下部はY方向ガイド86に固定される。第2支持体85_2の一端は第2傾斜カム84c2に接続されX方向に伸びる。第2のZ軸可動部81_2の上部は第2支持体85_2の他端に接続されZ方向に伸びる。第2のZ軸可動部81_2の下部はY方向ガイド86に固定される。
【0033】
第1のZ軸可動部81_1および第2のZ軸可動部81_2の上下運動に伴ってY方向ガイド86は上下する。Y方向ガイド86のY方向の長さが長くなるほど、第1のZ軸可動部81_1と第2のZ軸可動部81_2とは所定の距離を長くすることにより、Y方向ガイド86の水平度の精度を維持する。Y方向ガイド86は第1のZ軸可動部81_1および第2のZ軸可動部81_2と固定されるレール86aとボンディングヘッドBBHと固定されるスライダ86bを有する。
【0034】
ボンディングヘッドBBHは連結部61を介してY軸可動部71と繋がっており、Y軸可動部71がY方向に移動するとボンディングヘッドBBHも共にY方向に移動する。そして移動先の所定の位置でボンディングヘッドBBHが昇降する。ボンディングヘッドBBHは、先端部にダイ吸着用のコレット44が取り付けられる。
【0035】
<比較例1>
図7(A)は比較例1に係るボンディングヘッドテーブルのZY駆動軸の構成を示すX方向の側面図である。
図7(B)は
図7(A)のA矢視図である。
【0036】
ZY駆動軸60Rは、Y駆動軸70Rと、Z駆動軸80Rと、Y駆動軸70RのY軸可動部71RとボンディングヘッドBBHを連結する横L字状の連結部61Rと、これら全体を支える横L字状の支持体62とを有する。また、支持体62は上部支持体62aと、側部支持体62bと、上部支持体62aおよび側部支持体62bを支持する三角支持体62cとを有する。
【0037】
Y駆動軸70Rは、N極とS極の電磁石が交互にY方向に多数配列された左右の固定電磁石部(不図示)を有する逆Uの字状のY軸固定部72Rと、前記配列方向に少なくとも1組のN極とS極の電磁石(不図示)を有し、逆Uの字状の凹部に挿入され凹部内を移動するY軸可動部71Rと、連結部61Rに固定され、Y軸可動部71Rを支持する支持部74Rと、連結部61Rに固定され、側部支持体62bとの間に設けられたY軸リニアガイド73と、上部支持体62aとの間に設けられたY軸リニアガイド73Rとを有する。Y軸固定部72Rは、上部支持体62aに固定される支持体63Rに固定され、Y軸可動部71Rが所定の範囲移動できるように、Y駆動軸70Rの略全域に亘って設けられている。また、Y軸リニアガイド73は、Y方向に伸びる2つのリニアレール73aとリニアレール上を移動するリニアスライダ73bを有する。Y軸リニアガイド73Rは、Y方向に伸びる2つのリニアレール73aRとリニアレール上を移動するリニアスライダ73bRを有する。
【0038】
Z駆動軸80Rは、第1のZ軸可動部81_1Rと、第2のZ軸可動部81_2Rと、Y軸固定部72Rに固定されるZ軸固定部82Rと、ボンディングヘッドBBHと連結部61Rとの間に設けられるZ軸ガイド83と、第1駆動部84_1Rと、第2駆動部84_2Rと、を有する。Z軸ガイド83は、連結部61Rに固定されZ方向に伸びる2つのレール83aとボンディングヘッドBBHに固定されレール上を移動するスライダ83bを有する。
【0039】
第1駆動部84_1Rは、Z軸固定部82Rに固定される第1駆動モータ(サーボモータ)84a1Rと、Z方向に伸びる第1ボールネジ84b1Rと、第1ナット84d1と、を備える。第1駆動モータ84a1RのZ方向を回転の中心とする円運動を第1ボールネジ84b1Rと第1ナット84d1Rで第1のZ軸可動部81_1RのZ方向の直線運動(垂直運動)に変換する。第1のZ軸可動部81_1Rの上部は第1ナット84d1Rに接続され、下部はY方向ガイド86に固定される。
【0040】
第2駆動部84_2Rは、Z軸固定部82Rに固定される第2駆動モータ(サーボモータ)84a2Rと、Z方向に伸びる第2ボールネジ84b2Rと、第1ナット84d2と、を備える。第2駆動モータ84a2RのZ方向を回転の中心とする円運動を第2ボールネジ84b2Rと第2ナット84d2Rで第2のZ軸可動部81_2RのZ方向の直線運動(垂直運動)に変換する。第2のZ軸可動部81_2Rの上部は第2ナット84d2Rに接続され、下部はY方向ガイド86に固定される。
【0041】
第1のZ軸可動部81_1Rおよび第2のZ軸可動部81_2Rの上下運動に伴ってY方向ガイド86は上下する。Y方向ガイド86は第1のZ軸可動部81_1Rおよび第2のZ軸可動部81_2Rと接続されるレール86aとボンディングヘッドBBHと接続されるスライダ86bを有する。
【0042】
比較例1では第1駆動部84_1Rと第2駆動部84_2Rとの同期動作に懸念がある。
【0043】
<比較例2>
図8(A)は比較例2に係るボンディングヘッドテーブルのZY駆動軸の構成を示すX方向の側面図である。
図8(B)は
図8(A)のA矢視図である。
【0044】
ZY駆動軸60Sは、Y駆動軸70Sと、Z駆動軸80Sと、Y駆動軸70SのY軸可動部71とボンディングヘッドBBHを連結する連結部61と、これら全体を支える横L字状の支持体62と、を有する。Y駆動軸70Sは実施例のY駆動軸70と同様な構成である。すなわち、ZY駆動軸60Sは、Z駆動軸80Sを除き、実施例と同様な構成である。
【0045】
Z駆動軸80Sは、第1のZ軸可動部81_1と、第2のZ軸可動部81_2と、支持体63に固定されるZ軸固定部82と、ボンディングヘッドBBHと連結部61との間に設けられるZ軸ガイド83と、第1駆動部84_1Sと、第2駆動部84_2Sと、を有する。Z駆動軸80Sは、第1駆動部84_1S、第2駆動部84_2Sを除いて、実施例と同様な構成である。
【0046】
第1駆動部84_1Sは、Z軸固定部82に固定される第1駆動モータ(サーボモータ)84a1と、Y方向に伸びる第1ボールネジ84b1Sと、第1ボールネジ84b1Sを受ける第1ナット84d1Sと、第1ナット84d1Sに固定される第1傾斜カム84c1と、を備える。第2駆動部84_2Sは、Z軸固定部82に固定される第2駆動モータ(サーボモータ)84a2と、Y方向に伸びる第1ボールネジ84b2Sと、第2ボールネジ84b2Sを受ける第2ナット84d2Sと、第2ナット84d2Sに固定される第2傾斜カム84c2と、を備える。
【0047】
第1駆動部84_1Sは、第1駆動モータ84a1のY方向を回転の中心とする円運動を第1ボールネジ84b1Sと第1ナット84d1Sで第1傾斜カム84c1のY方向の直線運動(水平運動)に変換し、このY方向の直線運動を第1傾斜カム84c1で第1支持体85_1および第1のZ軸可動部81_1のZ方向の直線運動(上下運動)に変換する。第2駆動部84_2Sは、第2駆動モータ84a2のY方向を回転の中心とする円運動を第2ボールネジ84b2Sと第2ナット84d1Sで第2傾斜カム84c2のY方向の直線運動(水平運動)に変換し、このY方向の直線運動を第2傾斜カム84c2で第2支持体85_2および第2のZ軸可動部81_2のZ方向の直線運動(上下運動)に変換する。
【0048】
比較例2は、比較例1よりもボンディングヘッドテーブルの高さを低くすることができるが、比較例1と同様に2組の駆動部84Sの同期動作に懸念がある。
【0049】
<比較例3>
図9(A)は比較例3に係るボンディングヘッドテーブルのZY駆動軸の構成を示すX方向の側面図である。
図9(B)は
図9(A)のA矢視図である。
【0050】
ZY駆動軸60Tは、Y駆動軸70Tと、Z駆動軸80Tと、Y駆動軸70TのY軸可動部71とボンディングヘッドBBHを連結する連結部61と、これら全体を支える横L字状の支持体62と、を有する。Y駆動軸70Tは実施例のY駆動軸70と同様な構成である。すなわち、ZY駆動軸60Tは、Z駆動軸80Tを除き、実施例と同様な構成である。
【0051】
Z駆動軸80Tは、第1のZ軸可動部81_1と、第2のZ可動部81_2と、支持体63に固定されるZ軸固定部82と、ボンディングヘッドBBHと連結部61との間に設けられるZ軸ガイド83と、駆動部84Tと、を有する。Z駆動軸80Tは、駆動部84Tを除いて、実施例と同様な構成である。
【0052】
駆動部84TはZ軸固定部82に固定される駆動モータ(サーボモータ)84aと、Y方向に伸びるボールネジ84bTと、ボールネジ84bTを受ける第1ナット84d1Sおよび第2ナット84d2Sと、第1ナット84d1Sに固定される第1傾斜カム84c1と、第2ナット84d2Sに固定される第2傾斜カム84c2と、を備える。
【0053】
駆動部84Tは、駆動モータ84aのY方向を回転の中心とする円運動をボールネジ84bTと第1ナット84d1Sで第1傾斜カム84c1のY方向の直線運動(水平運動)に変換し、このY方向の直線運動を第1傾斜カム84c1で支持体85_1および第1のZ軸可動部81_1のZ方向の直線運動(上下運動)に変換する。駆動部84Tは、駆動モータ84aのY方向を回転の中心とする円運動をボールネジ84bTと第2ナット84d2Sで第2傾斜カム84c2のY軸方向の直線運動(水平運動)に変換し、このY方向の直線運動を第2傾斜カム84c2で第2支持体85_2および第2のZ軸可動部81_2のZ方向の直線運動(上下運動)に変換する。
【0054】
比較例3は、比較例2と同様に比較例1よりもボンディングヘッドテーブルの高さを低くすることができるが、ふたつのナット間距離変化によるネジかじり発生の懸念がある。
【0055】
<変形例>
図10は変形例に係るダイボンダの構成を示す概略上面図である。
ダイボンダ10Uは、大別して、ウェハ供給部1と、ピックアップ部2A、2Bと、アライメント部3A、3Bと、ボンディング部4A、4Bと、搬送部5Uと、制御装置8と、を備える。ダイボンダ10Uは、搬送部5Uを除いて、実施例と同様な構成である。
【0056】
搬送部5Uは、ダイDがボンディングされる基板P(
図10では72枚)を載置したマガジン(
図10では3個)をX方向に搬送する搬送レーン51Uを備える。搬送レーン51UはクリーンステージCSUと第1ボンディングステージBS1Uと第2ボンディングステージBS2Uとを備える。
図10ではクリーンステージCSUにマガジン91Uが載置され、第1ボンディングステージBS1Uにマガジン92Uは載置され、第2ボンディングステージBS2Uにマガジン93Uが載置されている。搬送レーン51Uの構成は、レーン幅を除いて、実施例の第1搬送レーンと同様な構成である。なお、搬送レーン51Uは、Y方向に多くの個数(
図10では12個)の基板Pを搭載可能なマガジンを搬送可能である。
【0057】
変形例に係るダイボンダでも、実施例と同様にボンディングヘッドのY軸長ストロークになるので、ボンディングテーブルBHTおよびボンディングヘッドBBHを実施例と同様の構成としている。
【0058】
比較例のように2か所にネジやナットを配置する場合は、それぞれの負荷・精度の違いで不具合が発生しやすい。一方、本実施例では、Y方向に配置した1本のボールネジと1つのナットで2か所の傾斜カムを動作させて、Z軸(上下)動作をさせる。これにより、2か所の偏差を削除することができ、Z駆動軸の精度を高めることができる。
【0059】
また、リニアモータによるZ駆動軸ではZ固定子(磁石)がY軸長ストロークにより重量およびコストが増加する。一方、本実施例では、Z駆動軸にリニアモータを用いないので、Y軸長ストロークによっても重量やコストの増加を抑えることができる。
【0060】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態、実施例、比較例および変形例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態、実施例、比較例および変形例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、実施例では2つの傾斜カムを用いたが、2つの回転カムやリンク機構を1本のボールネジで可動するようにしてもよい。