特許第6573918号(P6573918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6573918ロールツーロールウエハ裏側粒子及び汚染の除去
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573918
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】ロールツーロールウエハ裏側粒子及び汚染の除去
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20190902BHJP
【FI】
   H01L21/304 641
   H01L21/304 622N
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-573865(P2016-573865)
(86)(22)【出願日】2015年5月28日
(65)【公表番号】特表2017-522726(P2017-522726A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(86)【国際出願番号】US2015033005
(87)【国際公開番号】WO2015195292
(87)【国際公開日】20151223
【審査請求日】2018年5月28日
(31)【優先権主張番号】62/014,278
(32)【優先日】2014年6月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/476,398
(32)【優先日】2014年9月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ンガイ, クリストファー エス.
(72)【発明者】
【氏名】ダイ, ホイシオン
(72)【発明者】
【氏名】ゴデット, ルドヴィーク
(72)【発明者】
【氏名】イー, エリー ワイ.
【審査官】 平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−157902(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/007731(WO,A1)
【文献】 特開平06−232108(JP,A)
【文献】 特開平08−148461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の裏側から粒子除去するための装置であって、
基板支持面を有する基板固定装置と、
前記基板固定装置の上に粒子状物質清掃用品を配置するための測定基準を提供するように構成された光学検知装置であって、前記粒子状物質清掃用品の位置と飽和の両方を決定する、レーザーである光学検知装置と、
粒子状物質清掃用品を受容し、基板支持面の上方に、また基板支持面に接して、前記粒子状物質清掃用品の経路を有するように構成された供給アセンブリ及び巻上げアセンブリであって、前記基板固定装置の両端に且つ前記基板固定装置の基板支持面の下方に配置された供給アセンブリ及び巻上げアセンブリと、
前記粒子状物質清掃用品と基板とを分離するように構成された基板配置装置と
を含む装置。
【請求項2】
前記基板配置装置は、複数のリフトピンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記粒子状物質清掃用品は、その中に形成される複数の開口部であって、前記複数のリフトピンに位置合わせされるように構成される複数の開口部を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記基板固定装置は、静電気力を提供するように構成された電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記粒子状物質清掃用品は面状部材である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記粒子状物質清掃用品は直線状の粘着膜であり、当該粘着膜は前記基板支持面に対して非粘着性である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記粒子状物質清掃用品の上に前記基板を配置するように構成されたロボットアームをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
粒子除去のための方法であって、
一又は複数の開口部を有する粒子状物質清掃用品が配置された基板支持面と、一又は複数のリフトピンとを有する基板固定装置に、基板の裏側の少なくとも一部分を固定することと、
前記基板を前記粒子状物質清掃用品から分離し、複数の粒子の少なくとも一部が前記粒子状物質清掃用品に付着して運ばれることと、
一又は複数の開口部が前記一又は複数のリフトピンの上方に配置されるように前記粒子状物質清掃用品に指標付けすることと
前記基板固定装置の上に前記粒子状物質清掃用品を配置するための測定基準を提供するように構成された光学検知装置を用いて、前記粒子状物質清掃用品の位置と飽和の両方を決定することと、
を含む方法。
【請求項9】
前記基板固定装置を横断して、前記粒子状物質清掃用品を前進させることを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
固定することは、前記基板支持面の上に静電気力を生成すること又は前記粒子状物質清掃用品の上に基板を配置するように構成されたロボットアームを使用して前記粒子状物質清掃用品に対して前記基板を配置することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記粒子状物質清掃用品はポリイミドを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
基板の裏側から粒子除去するための装置であって、
基板支持面と複数のリフトピンを有する基板固定装置と、
前記基板支持面の上方に配置される前進可能な粒子状物質清掃用品であって、その中に形成された複数のリフトピン開口部を有する前進可能な粒子状物質清掃用品と、
前記前進可能な粒子状物質清掃用品を受容し、基板支持面の上方に、また基板支持面に接して、前記前進可能な粒子状物質清掃用品の経路を有するように構成された供給アセンブリ及び巻上げアセンブリであって、前記基板固定装置の両端に且つ前記基板固定装置の基板支持面の下方に配置された供給アセンブリ及び巻上げアセンブリと、
前記基板固定装置の上に前記前進可能な粒子状物質清掃用品を配置するための測定基準を提供するように構成された光学検知装置であって、前記前進可能な粒子状物質清掃用品の位置と飽和の両方を決定する、レーザーである光学検知装置
を含む装置。
【請求項13】
前記基板固定装置は、静電気力を提供するように構成された電極を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記前進可能な粒子状物質清掃用品は、前記基板支持面の反対側に向いた前記前進可能な粒子状物質清掃用品の側面に配置された粘着層を含む、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本明細書に記載の実施形態は概して、基板又はウエハから粒子を除去する装置及び方法に関し、より具体的には、化学機械研磨のための清掃用品(cleaning article)及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 半導体デバイスの形状寸法は、数十年前にこのようなデバイスが最初に導入されて以来、劇的に小型化されてきた。集積回路は一般的に、チップ上に配置されるデバイスの数が2年ごとに2倍になるという、2年/半サイズルール(しばしば、「ムーアの法則」と呼ばれる)に従ってきた。現在のウエハ製造工場は通常、0.5ミクロン特徴サイズ更には0.35ミクロン特徴サイズを有する集積回路を製造しており、将来の工場は近いうちに更に小さな形状寸法を有するデバイスを製造するようになるであろう。
【0003】
[0003] このような半導体デバイスを作り上げる材料層の堆積中及び処理中には、堆積層が厳しい製造仕様を確実に満たすため、粒子生成及び汚染などの基準に関わる制御を改善することが必要になる。このような小さなスケールの形状寸法のデバイスから生まれる処理要件を満たすため、基板処理機器のための新しい技術が常に開発されている。例えば、デバイスのサイズが小さくなるにつれて、これまでは考慮されていなかった問題が関心領域として浮上してきている。そのような問題の1つがウエハ裏側の汚染である。
【0004】
[0004] ウエハ裏側の粒子汚染は、幾つかの理由により最新のマイクロエレクトロニクス製造における重大な問題になってきている。理由の1つは、ウエハ裏側の粒子が交差汚染と配線構造における電気接点不良を引き起こしうることである。
【0005】
[0005] ウエハ裏側の粒子汚染を最小化することが重要である第2の理由は、このような汚染に関連するウエハの平面性の変化にある。具体的には、ウエハ裏側に粒子が存在すると、ウエハの反りによって、リソグラフィ処理で臨界寸法(CD)に対する制御が影響されることがある。サブハーフミクロン単位でのリソグラフィの焦点深度はおよそ±0.5μmで、像面湾曲、回路トポグラフィ、ウエハ平坦性及び自動焦点誤差などの要因は有効な焦点マージンを低減する。したがって、リソグラフィ処理中にウエハの平面性を確保することは、厳密なCD制御を得るために有用である。
【0006】
[0006] プラズマ化学気相堆積(PECVD)によって形成された反射防止被覆(ARC)は、基板からの反射光の99%以上を抑制することによって、フォトリソグラフィ処理ステップ中のCD制御に広く使用されてきた。しかしながら、一般的に、ARC膜を有するウエハは、ウエハがリソグラフィステップに曝露される前にウエハ裏側の粒子を除去するため、付加的な処理ステップを受けなければならない。
【0007】
[0007] したがって、当該技術分野では、リソグラフィ処理に先立ってウエハ裏側の粒子汚染を低減する方法及び装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 一実施形態では、基板から粒子を除去するための装置について説明される。本装置は、基板支持面を有する基板固定装置を含む。本装置は、供給アセンブリ及び巻上げアセンブリを更に含む。供給アセンブリ及び巻上げアセンブリは、粒子状物質清掃用品を受容し、基板支持面の上方に、また基板支持面に接して、粒子状物質清掃用品の経路を有するように構成されうる。粒子状物質清掃用品の下には光学検知装置が配置されうる。本装置は、粒子状物質清掃用品と基板とを分離するように構成された基板配置装置を更に有する。
【0009】
[0009] 別の実施形態では、基板裏側から粒子を除去するための方法が開示される。本方法は、基板裏側の少なくとも一部を基板固定装置に固定することを含みうる。基板固定装置は、基板支持面及び一又は複数のリフトピンを有しうる。基板支持面は、一又は複数の開口部を有する粒子状物質清掃用品をその上に有することができる。基板は粒子状物質清掃用品から分離することも可能で、複数の粒子の少なくとも一部は、粒子状物質清掃用品に付着して運ばれる。粒子が粒子状物質清掃用品に付着した状態で、粒子状物質清掃用品は、一又は複数の開口部が一又は複数のリフトピン上に配置されるように指標付け(indexed)される。
【0010】
[0010] 別の実施形態では、基板から粒子を除去するための装置が開示されている。本装置は、基板支持面と複数のリフトピンを有する基板固定装置を含むことができる。形成された複数のリフトピン開口部を有する前進可能な粒子状物質清掃用品は、基板支持面の上方に配置可能である。本装置は、基板固定装置上に粒子状物質清掃用品を配置するための測定基準を提供するように構成された光学検知装置を更に含みうる。
【0011】
[0011] 上述の特徴を詳細に理解しうるように、上記で簡単に要約されているより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は付随する図面に示されている。しかしながら、本明細書中で記述された装置及び方法が他の等しく有効な実施形態も許容しうることから、付随する図面は、典型的な実施形態だけを例示しており、ゆえにその範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】粒子状物質清掃アセンブリの側面図である。
図2】別の実装による粒子状物質清掃アセンブリの俯瞰図である。
図3】粒子状物質の除去方法のブロック図である。
【0013】
[0015] 理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素および特徴は、特記しない限り、他の実施形態にも有益に組み込むことができると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0016] 基板から裏側の粒子を除去するための装置及び方法が本明細書で開示される。裏側の粒子は、リソグラフィ中の焦点のぼけやオーバーレイのずれなど、基板にもたらされる放射の角度及び強度に影響を及ぼしうる。本明細書に記載されているように、基板の裏側に存在する粒子は粘着膜に付着しうる。粘着膜は、粘着剤上での粒子の飽和に応じて、その後廃棄又は再使用するため、基板から分離される。このように、裏側の粒子は付着し、基板から除去されうる。次に基板は、上述の問題を回避しつつ、その後の処理を受けることができる。
【0015】
[0017] 図1は、一実施形態による粒子状物質清掃アセンブリ100の側面図である。粒子状物質清掃アセンブリ100は、チャンバ本体102を有する処理チャンバの一部であってもよい。粒子状物質清掃アセンブリ100は、プラテン110を横断する粒子状物質清掃用品108の位置と連動する、例示的な供給アセンブリ104と巻上げアセンブリ106を更に含む。一般的に、供給アセンブリ104は、上方ガイド部材114と下方ガイド部材116を含み、オプションにより供給ロール112を含むことができる。供給ロール112は一般的に、粒子状物質清掃用品108の未使用部分を含む。供給ロール112は、供給ロール112上に配置された粒子状物質清掃用品108が粒子状物質清掃処理によって消費されると、新しい粒子状物質清掃用品108を含む別の供給ロール112によって容易に交換されうるように構成されている。
【0016】
[0018] 粒子状物質清掃用品108は粘着物質を含む。粘着物質は柔軟性があり、粒子が基板から除去されうるように結合力を有する。1つの実装では、粒子状物質清掃用品108はポリイミド層である。
【0017】
[0019] 下方ガイド部材116は、粒子状物質清掃用品108を供給ロール112から上方ガイド部材114へ導くように配置されている。上方ガイド部材114は、上方ガイド部材114から始まる粒子状物質清掃用品108が実質的に同一平面上に配置されるように、すなわち、プラテン110の基板支持面118に直接隣接して平行に位置するように配置される。
【0018】
[0020] 一般的に、巻上げアセンブリ106は上方ガイド部材122と下方ガイド部材124を含み、オプションにより巻上げロール120を含むことができる。巻上げロール120は一般的に、粒子状物質清掃用品108の使用済み部分を含み、巻上げロール120が使用済み粒子状物質清掃用品108で満たされると、空の巻上げロールと容易に交換されうるように構成されている。上方ガイド部材122は、粒子状物質清掃用品108をプラテン110から下方ガイド部材124へ導くように配置されている。下方ガイド部材124は、粒子状物質清掃用品108を巻上げロール120へ導く。粒子状物質清掃アセンブリ100はまた、基板上で実行される粒子除去処理で使用されるように、粒子状物質清掃用品108の配置と飽和状態を検出するための光信号を送受信するように適合された、レーザー又はカメラなどの光学検知装置126を含みうる。
【0019】
[0021] 粒子状物質清掃用品108は一般的に、供給アセンブリ104に結合されたモーター又はブレーキと巻上げアセンブリ106に結合されたモーターとの間の力を均衡させることによって、プラテン110と連係して移動される。光学検知装置126は次に、粒子状物質清掃用品108の位置に関する情報を、プラテン110に接続されたコントローラ132に提供することができる
【0020】
[0022] プラテン110は、基板固定装置144として共に参照される、電極142及び電源128を更に含むことができる。電源128は、プラテン110に配置された電極142に接続可能である。電極142に電力が印加されると、電極142によって基板支持面118に静電荷が生成される。電極142によって生成された静電荷は、基板140をプラテン110の基板支持面118に固定することができる。プラテン110に固定されると、基板140の裏側は粒子状物質清掃用品108に対して付勢される。
【0021】
[0023] プラテン110は、複数のリフトピン130を更に含むことができる。リフトピン130は、粒子状物質清掃用品108の開口部を貫通するように配置可能である。一又は複数の開口部が(図2に示すように)、粒子状物質清掃用品108に形成されうる。一又は複数の開口部のサイズは、リフトピン130のサイズに見合ったものか、より大きなものになりうる。
【0022】
[0024] コントローラ132は、上述のように粒子状物質清掃アセンブリ100の制御を促進するため、粒子状物質清掃アセンブリ100に接続されうる。コントローラ132は、中央処理装置(CPU)134、支援回路138、及びメモリ136を含む。CPU134は、様々なドライバ、ロボット及びサブプロセッサを制御するための工業環境で使用されうる任意の形態のコンピュータプロセッサのうちの1つであってもよい。メモリ136は、CPU134に連結される。メモリ136又はコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又は任意の他の形態のローカルもしくは遠隔デジタルストレージなど、容易に入手可能な一又は複数のメモリであってもよい。支援回路138は、従来の方式でプロセッサを支援するためにCPU134に連結される。これらの回路は、キャッシュ、電力供給装置、クロック回路、入出力回路、サブシステムなどを含む。
【0023】
[0025] 動作中、裏側の粒子を含む基板140は、プラテン上方の粒子状物質清掃用品108の上に配置される。基板140は、ロボットアームなど、様々な装置又は技術を使用して配置されうる。基板140は次に、電源128によって生成された静電荷を使用して、プラテン110に固定される。粒子状物質清掃用品108は粘着性であってもよい。別の実施例では、粒子状物質清掃用品108は非粘着性膜である。基板140の裏側に存在する粒子は、粒子状物質清掃用品108に付着し、これによって粒子状物質清掃用品108に運ばれる。粒子が粒子状物質清掃用品108に付着する時間を与えた後、プラテン110で電源128から静電荷を生み出す電力は停止される。次に基板140は、複数のリフトピン130を使用して、粒子状物質清掃用品108から持ち上げられる。光学検知装置126は、粒子状物質清掃用品108の露出部分が飽和しているか否かを決定するため、粒子状物質清掃用品108の露出部分の粒子密度、すなわち、粒子状物質清掃用品108の基板140を受け止める部分での単位表面積あたりの粒子の数を決定することができる。光学検知装置126は次に、粒子状物質清掃用品108を再配置するか否かを決定するため、コントローラ132が使用する信号を提供することができる。粒子状物質清掃用品108の露出部分が飽和している場合には、粒子状物質清掃用品108は、飽和している部分がプラテン110上で処理される次の基板(図示せず)に接触しないように再配置される。例えば、供給アセンブリ104は、巻上げアセンブリ106がロールツーロール方式で飽和した粒子状物質清掃用品108を受け取る間に、プラテン110の上方で粒子状物質清掃用品108の未使用部分を前進させることができる。
【0024】
[0026] 別の実施形態では、粒子状物質清掃用品108は、更なる検出を行うことなく交換される。ここで、粒子状物質清掃用品108は、基板140が清掃された後に、一定の時間経過後に、或いは一定の表面積が清掃された後に、付着した粒子密度を考慮することなく前進される。
【0025】
[0027] 図2は別の粒子状物質清掃アセンブリ200の側面図を示している。粒子状物質清掃アセンブリ200は、基板140を粒子状物質清掃用品108に固定する静電気固定の代わりに、或いはこれと組み合わせてロボットアーム220を使用する。粒子状物質清掃アセンブリ200は、図1を参照して記述されているように、処理装置の一部になりうる。粒子状物質清掃アセンブリ200は、供給アセンブリ104、巻上げアセンブリ106及び粒子状物質清掃用品108を含む、図1を参照して記載されている一又は複数の構成要素を含むことができる。粒子状物質清掃用品108は、図1を参照して示されているプラテン110の上方に配置可能である。
【0026】
[0028] 複数の開口部202は、粒子状物質清掃用品108内に形成可能である。開口部202は、粒子状物質清掃用品108を持ち上げることなくリフトピン130が通過できるように、適切な直径と位置を有することが可能である。開口部は、図1を参照して記載されている光学検知装置126を使用して、リフトピン130の上方に配置される。開口部202は、円形、楕円形、矩形又は他のより複雑な形状など、任意の形状であってよい。更に、開口部202は、図示されている個数よりも多くても、少なくてもよい。開口部202は、均一に配置される必要はない。
【0027】
[0029] ロボットアーム220は、基部222、延長部224及び基板キャリア226を含む。ロボットアーム220は、ステンレス鋼、アルミニウムなど、一又は複数の様々な材料から構成されうる。延長部224は、基板キャリア226の制御された動きをもたらすことができる。延長部224は、6つの自由度で動くことができる。別の実施形態では、動作中、一又は複数の自由度がロックされる。基板キャリア226は、基板140との接触を最小限にして基板140を運ぶ。
【0028】
[0030] 動作中、ロボットアーム220は、基板キャリア226を使用して基板140を受け取る。基板140は、裏側に複数の粒子を有しうる。基板キャリア226は、基部222及び延長部224の双方の適切に制御された運動によって、コントローラ132によって制御されるように、粒子状物質清掃用品108の上に正確に配置される。次に、ロボットアーム220は、粒子状物質清掃用品108に接触する基板140の裏側に位置を合わせる。ロボットアーム220は、所定の位置に留まってもよく、基板140から離れてもよい。いずれの場合でも、基板140は、図1を参照して記載されているように、位置204でプラテン110に静電気によって固定されうる。基板140の裏側に存在する粒子が粒子状物質清掃用品108に付着できるように適切な時間が経過した後、基板140は、リフトピン130を使用して、或いはロボットアーム220を使用して、粒子状物質清掃用品108から引き上げられる。次に、粒子状物質清掃用品108は、上述のように、時間、清掃された基板の粒子密度の値、或いは両者の組み合わせに基づいて前進される。光学検知装置126は次に、コントローラ132が粒子状物質清掃用品108の位置の決定に使用する信号を提供することができる。粒子状物質清掃用品108は、第2の基板(図示せず)と接触するようにプラテン110の上方に再配置可能である。
【0029】
[0031] 図3は、基板から粒子を除去する方法のブロック図である。方法300は、ブロック302で、複数の粒子がその上に形成された裏側面を有する基板を処理チャンバ内に配置することを含む。ブロック304では、基板固定装置に基板の少なくとも一部を固定することを含む。基板固定装置は、粒子状物質清掃用品の上に配置された状態の基板裏側面を有する。ブロック306では、基板は粒子状物質清掃用品から分離され、基板裏側面に存在する複数の粒子の少なくとも一部が粒子状物質清掃用品に付着して運ばれる。粘着膜を含む処理チャンバを採用することにより、1μm以下の平均直径を有する粒子は、基板裏側面から効率的に除去可能である。
【0030】
[0032] 本方法300は、ブロック302で、複数の粒子がその上に形成された裏側面を有する基板を処理チャンバ内に配置することで開始される。方法300は、シリコン、エポキシ、又は石英の基板など、半導体応用に使用可能な任意の組成を有する基板と共に使用可能である。一実施形態では、基板は実質的にガラスから成る。基板は広い範囲の寸法(例えば、長さ、幅、形状、厚みなど)を有しうる。一実施例では、基板はおよそ長さ1メートルで幅1メートルである。方法300は、図1及び図2を参照して記載されている処理チャンバなどで実行可能である。
【0031】
[0033] チャンバ内の基板に関しては、ブロック304で、基板の少なくとも一部は基板固定装置に固定され、これによって、粒子状物質清掃用品に対して保持される。基板は、ロボットアーム又はクランプなどの機械的な装置を使用して、基板固定装置の近傍に保持可能であり、或いは、静電荷を使用して保持可能である。基板固定装置は、粒子状物質清掃用品の上に配置された状態の基板裏側面を有する。粒子状物質清掃用品は、図1及び図2を参照して記載されている粒子状物質清掃用品であってもよい。
【0032】
[0034] 次に、ブロック306では、基板は粒子状物質清掃用品から分離され、基板裏側面に存在する複数の粒子の少なくとも一部が粒子状物質清掃用品の粘着剤に付着して運ばれる。基板は、リフトピンによって、ロボットアームを使用して、或いは両者を組み合わせることによって、粒子状物質清掃用品から分離される。分離されると、基板は更なる処理を行うため運ばれる。
【0033】
[0035] ブロック308では、基板が粒子状物質清掃用品から分離されると、次に粒子状物質清掃用品は指標付けされる。本明細書で使用されるように、指標付けは、一又は複数の開口部と基板固定装置とに関連して、粒子状物質清掃用品の第1の位置又は現在位置を決定することを含む。第1の位置は次にコントローラにリレーされる。コントローラは次に、リレーされた位置に基づいて粒子状物質清掃用品を調整する。粒子状物質清掃用品の位置は、粒子状物質清掃用品の一部が基板固定装置の対応する部分の上方に適切に配置されるように、第2の位置に調整される。例えば、粒子状物質清掃用品の開口部は、図2を参照して記載されているように、基板固定装置のリフトピンの上方に配置可能である。
【0034】
[0036] 粒子が基板裏側面から除去されると、基板は更なる処理を行うために運ぶことができる。一実施例では、基板はリソグラフィ処理のため第2の処理チャンバへ運ばれる。
【0035】
[0037] 本明細書に記載されている方法により、処理の前に基板裏側から粒子を除去することができる。交換可能な粒子状物質清掃用品により、清掃品質を損なうことなく、高いスループットが可能である。上述のように、裏側の粒子は、交差汚染と配線構造における電気接点不良に加えて、リソグラフィ処理での臨界寸法に対する制御の欠如による基板の反りなど、様々な種類のデバイス不良を引き起こしうる。更なる処理の前に、基板の裏側から粒子状物質を清掃することによって、このようなデバイス不良の原因は回避されうる。
【0036】
[0038] 上述事項は、本明細書に開示された装置及び方法の実施形態を対象としているが、その基本的な範囲から逸脱せずに他の更なる実施形態を考案することができ、本発明の範囲は下記の特許請求の範囲によって規定される。
図1
図2
図3