(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光源からの放射光を受光する第1受光部の第1センサ信号、及び前記放射光を受光する第2受光部の第2センサ信号から測定対象ガス濃度を検知するガスセンサ回路であって、
第1基準信号及び前記第1基準信号と比例した強度の信号である第2基準信号を生成する基準信号生成回路と、
前記第1センサ信号を、前記第1基準信号に基づいてAD変換するA/D変換回路と、
前記第2基準信号及び前記第2センサ信号に応じて、前記光源にフィードバックするフィードバック部と
を備え、
前記フィードバック部は、前記第2基準信号と前記第2センサ信号とが一致するように前記光源へフィードバックする
ガスセンサ回路。
前記基準信号生成回路は、直列に接続される複数の抵抗素子を備え、前記複数の抵抗素子で所定の電圧を抵抗分割することによって前記第1基準信号および前記第2基準信号を生成する、請求項1から4のいずれか一項に記載のガスセンサ回路。
前記基準信号生成回路は、直列に接続される複数の抵抗素子を備え、前記複数の抵抗素子で所定の電圧を抵抗分割することによって前記第1基準信号および前記第2基準信号を生成する、請求項11から13のいずれか一項に記載のガス濃度検知方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0010】
(実施例1)
図1は、実施例1に係るガスセンサ装置500の構成の一例を示す。ガスセンサ装置500は、ガスセンサ200及びガスセンサ回路100から構成される。
【0011】
ガスセンサ200は、測定対象ガスに放射された放射光を検知する。ガスセンサ200は、放射光の強度に応じた第1センサ信号V
O1及び第2センサ信号V
O2を出力する。本明細書において、特段指定しない限り、第1センサ信号V
O1は、測定対象ガス濃度に依存するガスセンシング信号であり、第2センサ信号V
O2は、測定対象ガス濃度に依存しないリファレンス信号である。ガスセンサ200は、ガスセル210、光源220、第1受光部230、第2受光部240を備える。また、第1受光部230は、第1光学フィルタ235を有してよく、第2受光部240は、第2光学フィルタ245を有してよい。
【0012】
ガスセンサ回路100は、ガスセンサ200が出力したセンサ信号に基づいて、測定対象ガスのガス濃度を算出するために必要な信号処理を行う。ガスセンサ回路100は、基準信号生成回路110、A/Dコンバータ120、及びフィードバック部130を備える。フィードバック部130は、誤差増幅器131及び光源駆動部132を有する。
【0013】
ガスセル210は、内部に測定対象ガスを導入し、その後、外部に測定対象ガスを導出する。また、ガスセル210は、内部に光源220、第1受光部230及び第2受光部240を配置する。ガスセル210の内部は、光源220からの放射光を反射する材料で形成されることが好ましい。これにより、ガスセル210は、第1受光部230及び第2受光部240に、放射光を効率的に入射できる。例えば、ガスセル210は、アルミニウム及び銅などの金属材料で形成される。また、測定対象ガスは、CO
2ガス、呼気アルコール等のガスであってもよい。
【0014】
光源220は、光源駆動部132から入力された駆動信号に応じた強度の放射光を出力する。放射光は、第1受光部230及び第2受光部240に入射する。光源220は、測定対象ガスの吸収波長帯域等に応じた波長の放射光を出力する。また、光源220は、第1受光部230及び第2受光部240が感度を有する帯域の放射光を出力する。例えば、光源220の放射光は、赤外領域の光、紫外領域の光、その他の波長帯域の光である。光源220は、白熱電球、セラミックヒータ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ヒーター及びLED等であってよい。本例の光源220は、放射光として赤外線を放射する。
【0015】
第1受光部230は、光源220が放射する赤外線に対して感度を有する。第1受光部230は、入射された赤外線の受光強度に応じて第1センサ信号V
O1を出力する。第1センサ信号V
O1は、後段のA/Dコンバータ120に入力される。第1受光部230が出力する第1センサ信号V
O1は、電流出力でも良く、また電圧出力でも良い。第1受光部230は、焦電センサ(Pyroelectric sensor)、サーモパイル(Thermopile:熱電堆)、ボロメータ(Bolometer)等の熱型赤外線センサ及び量子型赤外線センサ等が好適である。
【0016】
第1光学フィルタ235は、測定対象ガスに応じた所望の光学特性を有する。第1光学フィルタ235は、測定対象ガスによる吸収が生じる波長帯域の光のみを透過してよい。例えば、第1光学フィルタ235は、測定対象ガスが炭酸ガスの場合、炭酸ガスによる赤外線吸収が多く生じる波長帯(代表的には4.3μm付近)の赤外線を濾波できるバンドパスフィルタである。また、第1光学フィルタ235は、炭酸ガスによる赤外線吸収が生じない波長帯(代表的には3.9μm付近)の赤外線を濾波できるバンドパスフィルタであってもよい。
【0017】
第2受光部240は、光源220が出力する赤外線に対する感度を有する。また、第2受光部240は、第1受光部230とは異なる波長帯域に赤外線吸収のピークを有し、入射された赤外線の受光強度に応じて第2センサ信号V
O2を出力する。第2センサ信号V
O2は、電流出力でも良く、また電圧出力でも良い。第2受光部240は、焦電センサ(Pyroelectric sensor)、サーモパイル(Thermopile:熱電堆)、ボロメータ(Bolometer)等の熱型赤外線センサ、量子型赤外線センサ等が好適である。
【0018】
第2光学フィルタ245は、測定対象ガスに応じた所望の光学特性を有する。第2光学フィルタ245は、第1光学フィルタ235が測定対象ガスによる吸収が生じる波長帯域の光のみを透過する場合、測定対象ガスによる吸収が生じない波長帯域の光のみを透過してよい。例えば、測定対象ガスが炭酸ガスの場合において、第1光学フィルタ235が炭酸ガスによる赤外線吸収が多く生じる波長帯(代表的には4.3μm付近)の赤外線を濾波できるバンドパスフィルタを搭載する場合、第2光学フィルタ245は、第2受光部240に炭酸ガスによる赤外線吸収が生じない波長帯(代表的には3.9μm付近)の赤外線を濾波できるバンドパスフィルタである。また、測定対象ガスが炭酸ガスの場合において、第1光学フィルタ235が炭酸ガスによる赤外線吸収が生じない波長帯(代表的には3.9μm付近)の赤外線を濾波できるバンドパスフィルタを搭載する場合、第2光学フィルタ245は、炭酸ガスによる赤外線吸収が多く生じる波長帯(代表的には4.3μm付近)の赤外線を濾波できるバンドパスフィルタであってよい。つまり、第1受光部230及び第2受光部240が第1光学フィルタ235及び第2光学フィルタ245をそれぞれ有する場合、第1受光部230及び第2受光部240は、3.9μm付近と4.3μm付近とを含む同一の波長帯域に感度を有してよい。
【0019】
基準信号生成回路110は、第1基準信号V
ref1及び第1基準信号V
ref1に関連する第2基準信号V
ref2を生成する。ここで、関連する信号とは、第1基準信号V
ref1と第2基準信号V
ref2とが同じ信号である場合を指してよく、第1基準信号V
ref1と第2基準信号V
ref2とが比例した強度の信号である場合を指してもよい。基準信号生成回路110は、生成した第1基準信号V
ref1をA/Dコンバータ120に入力する。また、基準信号生成回路110は、系が負帰還となるように、誤差増幅器131の反転入力端子に第2基準信号V
ref2を入力する。例えば、基準信号生成回路110は、バンドギャップ生成回路、抵抗分割回路等の基準信号を生成する回路により構成される。基準信号生成回路110は、第1基準信号V
ref1及び第2基準信号V
ref2を、同種の機構を有する回路により生成してもよい。なお、基準信号生成回路110は、第2基準信号V
ref2の強度を第1基準信号V
ref1の強度にトラッキングさせてもよい。
【0020】
A/Dコンバータ120は、入力された第1基準信号V
ref1に基づいて、アナログ信号である第1センサ信号V
O1をデジタル信号に変換する。具体的には、A/Dコンバータ120は、第1センサ信号V
O1を、第1基準信号V
ref1を用いてスケーリングすることにより、第1センサ信号V
O1をデジタル信号に変換する。本例のA/Dコンバータ120は、第1センサ信号V
O1/第1基準信号V
ref1に比例した値をデジタル信号として出力する。ここで記号「/」は除算を表し、記号「/」の左が分子、右が分母を表すものとする。例えば、A/Dコンバータ120は、ΔΣ変換回路、パイプライン型A/D変換回路等の種々のA/D変換回路である。
【0021】
フィードバック部130は、第2基準信号V
ref2及び第2センサ信号V
O2に基づいて、光源220にフィードバックする。本例のフィードバック部130は、負帰還となるように構成される。例えば、フィードバック部130は、第2基準信号V
ref2及び第2センサ信号V
O2が比例関係等の一定の関係を有するようにフィードバックする。また、フィードバック部130は、第2基準信号V
ref2と第2センサ信号V
O2とが一致するように光源220の強度をフィードバック調整してよい。なお、フィードバック部130は、デジタルで構成されてもよい。
【0022】
誤差増幅器131は、非反転入力端子に入力された第2センサ信号V
O2と反転入力端子に入力された第2基準信号V
ref2との差を増幅した誤差増幅信号を生成する。誤差増幅器131は、生成した誤差増幅信号を光源駆動部132に出力する。誤差増幅器131は、2つの入力の差を増幅して出力するものであればどのような構成であってもよい。例えば、誤差増幅器131は、オペアンプ回路で構成される。
【0023】
光源駆動部132は、入力された誤差増幅信号に基づき、光源220を駆動する駆動信号を出力する。例えば、光源駆動部132は、MOSトランジスタを有し、MOSトランジスタのゲート端子に入力された誤差増幅信号に応じて、光源220に印加する電流量を制御する。なお、誤差増幅器131及び光源駆動部132は、GMセルで構成してもよい。
【0024】
以上の通り、本例のガスセンサ装置500は、第1基準信号V
ref1に関連した第2基準信号V
ref2と、第2センサ信号V
O2とが一致するように、フィードバック部130を介して光源220をフィードバックする。即ち、ガスセンサ装置500は、第1基準信号V
ref1と第2センサ信号V
O2とが関連した信号となるように光源220に印加する電流量を調整できる。
【0025】
ここで、A/Dコンバータ120のデジタル出力SDは、
SD=(第1センサ信号V
O1)/(第1基準信号V
ref1)∝(第1センサ信号V
O1)/(第2センサ信号V
O2)
となる。記号「∝」は、記号「∝」の左右の値に比例関係があることを示す。
【0026】
次に、第2基準信号V
ref2が第1基準信号V
ref1と同じ電圧であり、第1基準信号V
ref1及び第2基準信号V
ref2が、A/Dコンバータ120のフルスケール電圧V
FULLである場合を説明する。
【0027】
第1受光部230の入射光度をI
1、第1受光部230の感度をG
1とすると第1センサ信号V
O1は以下の(数1)式で表される。
V
O1=G
1×I
1 ・・・(1)
第1センサ信号V
O1をAD変換した結果、デジタル出力SDは、V
O1とフルスケール電圧V
FULLの比と等価であり(SD=V
O1/V
FULL)、(数1)式を用いると以下の(数2)式で表される。
SD=V
O1/V
FULL=(G
1×I
1)/V
FULL ・・・(2)
【0028】
一方、第2受光部240の入射光度をI
2、第2受光部240の感度をG
2とすると第2センサ信号V
O2は以下の式で表される。
V
O2=G
2×I
2
本実施形態では、第2センサ信号V
O2がフルスケール電圧V
FULLと等しくなるようにフィードバックがかかるので、
V
O2=V
FULL=G
2×I
2 ・・・(3)
となり、V
O1をAD変換した結果、デジタル出力SDは(数2)、(数3)式より、
SD=(G
1×I
1)/(G
2×I
2)=(G
1/G
2)×(I
1/I
2)
となる。ここで、第1受光部230及び第2受光部240の感度G
1、G
2が定数なので、デジタル出力SDは、第1受光部230の入射光度I
1と第2受光部240の入射光度I
2の比率に比例する。
【0029】
なお、ガスセンサ装置500は、デジタル出力SDを用いて測定対象ガス濃度を算出するガス濃度算出部をさらに備えてもよいし、ガスセンサ装置500の後段にガス濃度算出部を設けてもよい。測定対象ガス濃度の算出は、以下のような演算により算出される。
【0030】
測定対象ガス濃度cは、ランバートベール(Lambert−Beer)則により、以下のような式で表すことができる。
【数4】
(数4)式において、ガス吸収帯の入射光度I
g0、ガス吸収帯の透過光度I
g、吸光度係数ε、ガス路長Lとする。
【0031】
次に、ガス吸収帯の入射光度I
g0は、吸収のない波長帯の透過光度I
bに比例するとし、その比例係数をαとすると、以下の式で表すことができる。
【数5】
【0032】
したがって、ガスの吸収帯の透過光量とガスの吸収のない波長帯の透過光量を用いると、測定対象ガス濃度cは、以下の式によって求められる。
【数6】
【0033】
ここで、測定対象ガスの吸収のない波長帯の透過光度I
bは、第2受光部240が出力する第2センサ信号V
O2に比例する。一方、測定対象ガスの吸収帯の透過光度I
gは、第1受光部230が出力する第1センサ信号V
O1に比例する。これにより、第1センサ信号V
O1をAD変換した結果、デジタル出力SDを用いて測定対象ガス濃度を算出できる。本例のガス濃度算出方法は、ガス濃度算出方法の一例であり、第1センサ信号V
O1と第2センサ信号V
O2の比を用いて演算する方法であれば、他の方法であってよい。
【0034】
本例の第1センサ信号V
O1は、A/Dコンバータ120によって変換されたデジタル出力SDが、第2センサ信号V
O2で第1センサ信号V
O1を除した値となるように予め設定されている。即ち、本例のガスセンサ装置500は、後段の回路で除算回路等を必要とせず、デジタル出力SDによりそのままガス濃度を推定できる。したがって、本例のガスセンサ装置500は、システム全体の低消費電流化及び小面積化を達成できる。
【0035】
なお、第1センサ信号V
O1が、測定対象ガス濃度に依存したガスセンシング信号であり、第2センサ信号V
O2が、ガス濃度に依存しないリファレンス信号として説明したが、両者を入れ替えてもよい。この場合、AD変換結果の分母と分子が入れ替わる。
【0036】
また、本例のガスセンサ装置500は、第1センサ信号V
O1をA/Dコンバータ120に入力し、第2センサ信号V
O2を誤差増幅器131に入力したが、第1センサ信号V
O1を誤差増幅器131に入力し、第2センサ信号V
O2をA/Dコンバータ120に入力してもよい。即ち、フィードバック部130は、第1センサ信号V
O1を第2基準信号V
ref2と一致するようにフィードバックをかける。また、A/Dコンバータ120は、第1基準信号V
ref1に基づいて第2センサ信号V
O2をAD変換する。この場合、AD変換結果は、Ib/Igに比例したデジタル信号となる。
【0037】
図2は、ガスセンサ装置500のガス濃度検知方法のフローチャートの一例を示す。ガスセンサ装置500は、ステップS100〜ステップS150を実行することにより、測定対象ガス濃度を検知する。
【0038】
ステップS100において、基準信号生成回路110は、互いに関連する第1基準信号V
ref1及び第2基準信号V
ref2を生成する。ステップS110において、第2受光部240は、第2センサ信号V
O2を取得する。ステップS120において、フィードバック部130は、第2基準信号V
ref2と第2センサ信号V
O2とに応じて光源220の強度をフィードバック調整する。ステップS130において、第1受光部230は、第1センサ信号V
O1を取得する。ステップS140において、A/Dコンバータ120は、第1センサ信号V
O1を第1基準信号V
ref1に基づいてAD変換する。ステップS150において、第1センサ信号V
O1をAD変換した結果、デジタル出力SDを用いて測定対象ガス濃度を算出する。
【0039】
本例のガスセンサ装置500は、ステップS100において、第1センサ信号V
O1及び第2センサ信号V
O2を同時に生成してその比を検知するので、時分割で出力を取得してその比を求めた場合と比べて、光源220の温度変動等の環境変動による影響を低減できる。これにより、ガスセンサ装置500は、検知するガス濃度の精度を向上できる。なお、ガスセンサ装置500は、第1センサ信号V
O1と第2センサ信号V
O2の比を算出するために、ガスセンサ回路100を間欠動作させてもよい。
【0040】
(実施例2)
図3は、実施例2に係るガスセンサ装置500の構成の一例を示す。以下、ガスセンサ装置500の各構成について、特に実施例1と異なる部分について説明する。
【0041】
基準信号生成回路110は、正側フルスケール信号V
Hと負側フルスケール信号V
Lを生成する。基準信号生成回路110は、生成した正側フルスケール信号V
H及び負側フルスケール信号V
Lを、A/Dコンバータ120に入力する。例えば、正側フルスケール信号V
Hは、基準電位から予め定められた電圧分上昇した電圧信号であり、負側フルスケール信号V
Lは、基準電位から予め定められた電圧分降下した電圧である。本明細書において、基準電位とは、アナロググランドやコモン電圧を指す。また、基準信号生成回路110は、正側フルスケール信号V
Hに関連する第2基準信号V
ref2を生成する。基準信号生成回路110は、生成した第2基準信号V
ref2を、誤差増幅器131の反転入力端子に入力する。
【0042】
図4は、実施例2に係る基準信号生成回路110の構成の一例を示す。本例の基準信号生成回路110は、VDD(電源)とGNDの間に、VDD側から順に第1抵抗R
1、第2抵抗R
2及び第3抵抗R
3を直列に接続する。
【0043】
正側フルスケール信号V
Hは、第1抵抗R
1と第2抵抗R
2の間のノードの電位である。負側フルスケール信号V
Lは、第2抵抗R
2と第3抵抗R
3の間のノードの電位である。また、第2基準信号V
ref2は、正側フルスケール信号V
Hと同様に、第1抵抗R
1と第2抵抗R
2の間のノードの電位である。但し、第2基準電位は、正側フルスケール信号V
Hと異なるノードの電位であってよい。第2基準電位は、正側フルスケール信号V
Hを取得するノードの電位と関連のある電位に設定されてよい。例えば、第2基準電位は、抵抗素子の数を増やすことにより任意の大きさに調整できる。また、基準信号生成回路110は、トリミングできる構成であってもよい。
【0044】
図5は、実施例2に係るA/Dコンバータ120の構成の一例を示す。本例のA/Dコンバータ120は、1次のデルタシグマ型AD変換器の一例である。A/Dコンバータ120は、第1センサ信号V
O1と正側フルスケール信号V
H又は負側フルスケール信号V
Lとを積分してAD変換する。A/Dコンバータ120は、積分回路121及びAD変換部122を備える。
【0045】
積分回路121は、第1センサ信号V
O1と、正側フルスケール信号V
H又は負側フルスケール信号V
Lとを積分する。積分回路121は、第1センサ信号V
O1を正側フルスケール信号V
Hと積分するか、負側フルスケール信号V
Lと積分するかを切り替える。信号の切替は、スイッチ等の切替手段により行われる。また、正側フルスケール信号V
H及び負側フルスケール信号V
Lのいずれと積分するかは、コモン電圧に対する比較結果に応じて切り替えられる。例えば、コモン電圧との比較は、コンパレータにより行われる。
【0046】
AD変換部122は、積分された信号をAD変換するコンパレータ及びデジタルフィルタを有する。AD変換部122は、入力された正側フルスケール信号V
Hと負側フルスケール信号V
Lとに基づいたスケーリング比率に応じて、アナログ信号である第1センサ信号V
O1をデジタル信号に変換する。
【0047】
図6は、実施例2に係る光源駆動部132の構成の一例を示す。本例の光源駆動部132は、VDD(電源)と光源220との間にPMOSトランジスタを有する。
【0048】
光源駆動部132は、PMOSトランジスタのソース端子にVDDを接続し、ドレイン端子に光源220を接続する。また、光源駆動部132は、PMOSトランジスタのゲート端子に誤差増幅器131を接続する。PMOSトランジスタのゲート端子には、誤差増幅器131の出力が入力される。光源駆動部132は、誤差増幅器131の出力に応じて、光源220に印加する電流量を制御する。これにより、光源駆動部132は、誤差増幅器131の出力に応じて光源220に所望の強度の放射光を放射させる。
【0049】
次に、ガスセンサ装置500の動作の一例を示す。例えば、第1受光部230の入射光度が0の時の第1センサ信号V
O1と第2受光部240の入射光度が0の時の第2センサ信号V
O2を共に、A/Dコンバータ120のコモン電圧V
COMと等しいとする。この場合、A/Dコンバータ120における、正側フルスケール信号V
H、負側フルスケール信号V
L及びコモン電圧V
COMの関係は以下の式となる。
V
COM=(V
H+V
L)/2
V
H=2×V
COM−V
L ・・・(7)
第1受光部230の入射光度をIg、第1受光部230の感度をG
1とすると第1センサ信号V
O1は以下の式で表される。
V
O1=G
1×Ig+V
COM ・・・(8)
【0050】
第1センサ信号V
O1をAD変換した結果、デジタル出力SDは、第1センサ信号V
O1とコモン電圧V
COMの差分と、正側フルスケール信号V
Hと負側フルスケール信号V
Lの差分との比と等価であり、((V
O1−V
COM)/(V
H−V
L))の関係が成立する。よって、この関係と(数7)、(数8)式を用いると以下の式で表される。
SD=(V
O1−V
COM)/(V
H−V
L)
=(G
1×Ig)/(2×V
COM−2×V
L) ・・・(9)
【0051】
一方、第2受光部240の入射光度をIb、第2受光部240の感度をG
2とすると第2センサ信号V
O2は以下の式で表される。
V
O2=G
2×Ib+V
COM
本例では、第2センサ信号V
O2が正側フルスケール信号V
Hと等しくなるようにフィードバックがかかるので下記式が成り立つ。
V
O2=V
H=G
2×Ib+V
COM
(数7)式より、
V
L=2×V
COM−V
H
=2×V
COM−(G
2×Ib+V
COM)
=−G
2×Ib+V
COM ・・・(10)
デジタル出力SDは(数9)式に(数10)式を代入することで、
SD=(G
1×Ig)/(2×G
2×Ib)=1/2×(G
1/G
2)×(Ig/Ib) ・・・(11)
となる。ここで、感度G
1、G
2は定数なので、第1センサ信号V
O1をAD変換した結果、デジタル出力SDは、第1受光部230の入射光度Igと第2受光部240の入射光度Ibの比率に比例する。
【0052】
(実施例3)
図7は、実施例3に係るガスセンサ装置500の構成の一例を示す。以下、ガスセンサ装置500の各構成について、特に実施例2と異なる部分について説明する。本例のガスセンサ装置500は、第1信号検出回路141、第2信号検出回路142、第1チョッパスイッチ151、第2チョッパスイッチ152、第3チョッパスイッチ153及び切替部160をさらに備える。
【0053】
第1信号検出回路141は、第1受光部230からの信号を検出して、第1検出信号V
d1を生成する。第1信号検出回路141は、生成した第1検出信号V
d1をA/Dコンバータ120へ出力する。
【0054】
第2信号検出回路142は、第1受光部230からの信号を検出して、第2検出信号V
d2を生成する。第2信号検出回路142は、生成した第2検出信号V
d2をA/コンバータへ出力する。
【0055】
第1チョッパスイッチ151は、第1受光部230と第1信号検出回路141との間に接続される。第1チョッパスイッチ151は、第1受光部230からの信号の極性を切り替えて、次段の第1信号検出回路141へ出力する。
【0056】
第2チョッパスイッチ152は、第2受光部240と第2信号検出回路142との間に接続される。第2チョッパスイッチ152は、第2受光部240からの信号の極性を切り替えて、次段の第2信号検出回路142へ出力する。
【0057】
第3チョッパスイッチ153は、入力された第2検出信号V
d2及び第2基準信号V
ref2を、誤差増幅器131の反転入力端子と非反転入力端子へ切り替えて出力する。第1チョッパスイッチ151、第2チョッパスイッチ152及び第3チョッパスイッチ153は、任意のチョッパ信号生成回路が生成した切替信号に基づいて、信号の正転及び反転を切り替える。
【0058】
切替部160は、基準信号生成回路110と第3チョッパスイッチ153との間に接続される。切替部160は、正側基準信号及び負側基準信号のいずれかを第2基準信号V
ref2として第3チョッパスイッチ153に出力する。
【0059】
チョッパ動作は、信号からオフセット成分を除去するための手法である。スイッチの接続が異なる2つの状態を、それぞれチョッパ正転接続及びチョッパ反転接続と称する。チョッパ正転接続は、実施例2に係るガスセンサ装置500と同一の構成に対応する。
【0060】
チョッパ正転接続において、第1検出信号V
d1及び第2検出信号V
d2は、コモン電圧V
COMよりも大きい信号となる。この場合、切替部160は、第2基準信号V
ref2として正側フルスケール信号V
Hを選択する。第3チョッパスイッチ153は、第2基準信号V
ref2を誤差増幅器131の反転入力端子に入力し、第2検出信号V
d2を誤差増幅器131の非反転入力端子に入力するように切り替える。本例では、第2検出信号V
d2が正側フルスケール信号V
Hと等しくなるように負帰還がかかる。
【0061】
チョッパ反転接続において、第1検出信号V
d1及び第2検出信号V
d2は、コモン電圧V
COMよりも小さい信号となる。この場合、切替部160は、第2基準信号V
ref2として、負側フルスケール信号V
Lを選択する。第3チョッパスイッチ153は、第2基準信号V
ref2を誤差増幅器131の非反転入力端子に入力し、第2検出信号V
d2を誤差増幅器131の反転入力端子に入力する。本例では、第2検出信号V
d2が負側フルスケール信号V
Lと等しくなるように負帰還がかかる。
【0062】
第1チョッパスイッチ151は、第1信号検出回路141のオフセット成分と第1受光部230からの第1センサ信号V
O1とを分離する。例えば、チョッパ正転接続時とチョッパ反転接続時との信号の差をとることにより、オフセット成分をキャンセルし、第1センサ信号V
O1成分のみを取り出すことができる。これにより、ガスセンサ装置500は、第1信号検出回路141のオフセットによるAD変換結果の誤差の影響を低減できる。
【0063】
第2チョッパスイッチ152は、第2信号検出回路142のオフセット成分によるAD変換結果の誤差の影響を低減する。第2信号検出回路142のオフセット成分は、第2チョッパスイッチ152及び切替部160が、第2センサ信号V
O2の極性を基準電位に対して切り替えることにより除去される。例えば、第2信号検出回路142のオフセット成分により、チョッパ正転時に光源220の強度が大きくなり、チョッパ反転時に光源220の強度が小さくなる誤差を想定する。
【0064】
チョッパ正転時には、光源220の強度が大きくなるような誤差により、第1受光部230の第1センサ信号V
O1の絶対値(基準電位からの信号の大きさ)が大きくなる。即ち、第1センサ信号(+)=Vs1+ΔVとなる。ここで、Vs1は、オフセットがないときの第1センサ信号V
O1の基準電位からの絶対値とする。また、ΔVは、オフセットによる第1センサ信号V
O1の誤差分である。
【0065】
一方、チョッパ反転時には、光源220の強度が小さくなるような誤差により、第1受光部230の第1センサ信号V
O1の絶対値(基準電位からの信号の大きさ)が小さくなる。即ち、第1センサ信号(−)=−(Vs1−ΔV)となる。これにより、オフセット成分による誤差ΔVは、チョッパ正転時の第1センサ信号V
O1とチョッパ反転時の第1センサ信号V
O1との差分により打ち消される。
【0066】
図8は、誤差増幅器131の構成の一例を示す。本例の誤差増幅器131は、第3チョッパスイッチ153を内部に有する。第3チョッパスイッチ153は、誤差増幅器131の入力端子側に設けられる構成ではなく、誤差増幅器131の内部の出力段側に設けられる構成である。これにより、第3チョッパスイッチ153は、誤差増幅器131の内部のオフセット成分も、第2センサ信号V
O2から分離できる。したがって、第3チョッパスイッチ153を誤差増幅器131の内部に設けることにより、光源220の強度を精度良く調整でき、AD変換結果の精度も向上する。
【0067】
以上の通り、本例のガスセンサ装置500は、第1センサ信号V
O1及び第2センサ信号V
O2のコモン電圧V
COMに対する極性を切り替える。また、ガスセンサ装置500は、それに応じた負帰還構成となるように、正側フルスケール信号V
Hと負側フルスケール信号V
Lの選択切り替え、及び、誤差増幅器131の入力に対する切り替えを行う。これにより、本例のガスセンサ装置500は、センサ信号に含まれるオフセット成分を除去できる。次に、チョッパ動作を用いた場合の計算式について説明する。
【0068】
チョッパ正転接続時において、第1センサ信号V
O1をAD変換した結果は、(数8)式と同様に、第1受光部230の入射光度Igと第2受光部240の入射光度Ibの比率に比例する。
【0069】
チョッパ反転接続時において、第1センサ信号V
O1は以下の式で表される。
V
O1=−G
1×Ig+V
COM ・・・(12)
第1センサ信号V
O1をAD変換した結果は、第1センサ信号V
O1とコモン電圧V
COMの差分と、正側フルスケール信号V
Hと負側フルスケール信号V
Lの差分との比、
(V
O1−V
COM)/(V
H−V
L) ・・・(13)
と等価であり、(数12)、(数13)式を用いると以下の式で表される。
−(G
1×Ig)/(−2×V
COM+2×V
H) ・・・(14)
【0070】
一方、第2受光部240の入射光度をIb、第2受光部240の感度をG
2とすると第2センサ信号V
O2は以下の式で表される。
V
O2=−G
2×Ib+V
COM
本発明では第2センサ信号V
O2が負側フルスケール信号V
Lと等しくなるようにフィードバックがかかるので、
V
O2=V
L=−G
2×Ib+V
COM
(数10)式より、
2×V
COM−V
H=−G
2×Ib+V
COM
V
H=G
2×Ib+V
COM ・・・(15)
第1センサ信号V
O1をAD変換した結果は(数14)式に(数15)式を代入することで、
−(G
1×Ig)/(2×G
2×Ib)
=−1/2×(G
1/G
2)×(Ig/Ib) ・・・(16)
となり、第1受光部230の入射光度Igと第2受光部240の入射光度Ibの比率に比例する。
【0071】
チョッパ復調後の信号は(数11)式と(数16)式の差分で、
(G
1/G
2)×(Ig/Ib)
となり、第1受光部230の入射光度Igと第2受光部240の入射光度Ibの比率に比例する。
【0072】
(実施例4)
図9は、実施例4に係るガスセンサ装置500の一例を示す構成図である。以下、ガスセンサ装置500の各構成について、特に実施例2と異なる部分について説明する。本例の第1受光部230及び第2受光部240は、受光した光の強度に応じて電流信号を出力する。
【0073】
I/V変換回路170は、第1受光部230及び第2受光部240が出力した電流信号を第1検出電圧及び第2検出電圧にそれぞれ変換する。I/V変換回路170は、第1検出電圧をA/Dコンバータ120に出力し、第2検出電圧を誤差増幅器131に出力する。I/V変換回路170は、第1受光部230及び第2受光部240に対してそれぞれ別々の構成で設けられてよい。
【0074】
基準信号生成回路110は、正側フルスケール電圧及び負側フルスケール電圧を生成する。基準信号生成回路110は、生成した正側フルスケール電圧及び負側フルスケール電圧をA/Dコンバータ120に出力する。また、基準信号生成回路110は、第2基準電位を誤差増幅器131に出力する。
【0075】
図10は、I/V変換回路170の構成の一例を示す。I/V変換回路170は、オペアンプ171及び抵抗素子172を備える。オペアンプ171は、入力信号である入力電流が非反転入力端子に入力され、コモン電圧V
comが反転入力端子に入力される。抵抗素子172は、オペアンプ171の非反転入力端子と出力端子との間に接続される。これにより、I/V変換回路170は、入力電流を電圧に変換して出力する。
【0076】
(実施例5)
図11は、実施例5に係るガスセンサ装置500の構成の一例を示す。以下、ガスセンサ装置500の各構成について、特に実施例2と異なる部分について説明する。本例のガスセンサ200は、第1基板251及び第2基板252をさらに備える。
【0077】
第1基板251は、第1主面と該第1主面の裏側の第2主面とを備える。第1基板251の第1主面上には、第1受光部230が形成される。第1基板251は、任意の材料で形成される。例えば、第1基板251及び第2基板252は、光源220の波長帯域に応じた材料で形成される。例えばSi、GaAs、サファイヤ、InP、InAs、Ge等が挙げられるがこの限りではない。なお、第1基板251の材料は、測定感度向上の観点から、光源220から出力される光の透過性が高いことが好ましい。
【0078】
第2基板252は、第1主面と該第1主面の裏側の第2主面とを備える。第2基板252の第1主面上には、光源220及び第2受光部240が形成される。第1基板251及び第2基板252は、第1基板251の第2主面と第2基板252の第2主面とが対向するように配置される。第2基板252は、第1基板251と同一の材料で形成されても、異なる材料で形成されてもよい。但し、第2基板252は、光源220と第2受光部240とを電気的に絶縁させる観点から、半絶縁性基板を利用することが好ましい。第2基板252の材料は、半絶縁性基板が作製可能であり、大口径化が可能である観点から、GaAs基板が特に好ましい。また、第2基板252の材料は、光源220の出力変動を高精度に補償する観点から、第2主面において光源220から出力された光が効率的に反射する材料であることが好ましい。
【0079】
本例のガスセンサ装置500は、光源220から出力された光のうち、第2基板252の第2主面で反射した光が入射する位置に第2受光部240を配置している。また、ガスセンサ装置500は、光源220から出力された光のうち、第1基板251及び第2基板252の第2主面を透過した光が入射する位置に第1受光部230を配置している。
【0080】
また、本例のガスセンサ装置500では、光源220から第2受光部240に至る光路が基板内部にあり、該光路中に光学フィルタ(例えば、バンドパスフィルタ)やガスセル210内の空間が存在しない。これにより、該光路中にバンドパスフィルタやガスセル内の空間が存在する場合と比べて、ガスセンサ装置500の使用環境によらず、該光路での光の減衰を抑えることができ、第2受光部240が検出する信号のS/N比の低下を抑えることができる。これにより測定誤差を小さくすることができ、簡易かつ小型で信頼性の高いガスセンサ装置500を提供できる。
【0081】
(実施例6)
図12は、実施例6に係るガスセンサ装置500一例を示す構成図である。以下、特に実施例1と異なる構成について説明する。本例のフィードバック部130は、デジタル信号処理部133及びD/Aコンバータ134をさらに備える。本例のフィードバック部130は、誤差増幅器131に替えて比較器135を備える。
【0082】
比較器135は、入力された第2センサ信号V
O2と第2基準信号V
ref2とを比較して、2値化したデジタル信号を生成する。比較器135は、生成したデジタル信号をデジタル信号処理部133に入力する。
【0083】
デジタル信号処理部133は、第2センサ信号V
O2が第2基準信号V
ref2と等しくなるように負帰還がかかる信号処理を行う。デジタル信号処理部133は、信号処理したデジタル信号をD/Aコンバータ134に出力する。
【0084】
D/Aコンバータ134は、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換する。D/Aコンバータ134は、変換したアナログ信号を光源駆動部132に入力する。
【0085】
ここで、デジタル信号処理部133が比較器135の出力のN回のサンプリングのうち、Highの回数Mをカウンタ等で数える方式に関する動作を説明する。
【0086】
光源220の強度が所望の強度より強い場合、第2センサ信号V
O2が第2基準信号V
ref2より大きくなる。これにより、比較器135の出力がHighとなり、回数Mが大きくなる。そして、回数Mが大きくなるとD/Aコンバータ134の出力電圧が大きくなり、光源駆動部132の出力する駆動信号が小さくなる。
【0087】
一方、光源220の強度が所望の強度より弱い場合、第2センサ信号V
O2は第2基準信号V
ref2より小さくなる。これにより、比較器135の出力はLowとなり、回数Mが小さくなる。そして、回数Mが小さくなるとD/Aコンバータ134の出力電圧が小さくなり、光源駆動部132が出力する駆動信号が大きくなる。
【0088】
つまり、デジタル信号処理部133は、負帰還がかかるようにデジタル信号を処理するので、第2センサ信号V
O2が第2基準信号V
ref2と等しくなる。よって、ガスセンサ装置500の動作としては、実施例1の場合と同様に動作する。
【0089】
以上の通り、本明細書に開示したガスセンサ装置500は、互いに関連する第1基準信号V
ref1及び第2基準信号V
ref2を用いる。したがって、ガスセンサ装置500は、後段に除算回路等を設ける必要がなく、システム全体の低消費電流化及び小面積化を達成できる。
【0090】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0091】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。