(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理室内に配置されて前記基板を載置する前記電極としての載置台と、前記載置台に前記プラズマを介して対向する対向電極と、前記対向電極及び接地の間に配置されるサーキュレータとをさらに備え、
前記載置台に前記周波数可変電源が接続され、
前記第1の経路は前記載置台、前記載置された基板及び前記プラズマを経由し、
前記第2の経路は前記サーキュレータ、前記対向電極及び前記プラズマを経由することを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ処理装置。
前記第1の電極は内側電極であり、前記第2の電極は前記内側電極を囲むように配置される外側電極であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
前記処理室内に配置されて前記基板を載置する載置台と、前記載置台に前記プラズマを介して対向する前記電極としての対向電極と、前記処理室外に配置されて容量を変化させる容量変化スイッチングボックスとをさらに備え、
前記対向電極に前記周波数可変電源が接続され、
前記第1の経路は前記対向電極、前記プラズマ、前記載置された基板、前記載置台及び前記容量変化スイッチングボックスを経由し、
前記容量変化スイッチングボックスの容量は、前記プラズマの着火前後における前記第1の経路のインピーダンスの変化に応じて変化することを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ処理装置。
基板を収容してプラズマによって前記基板に処理を施す処理室と、前記処理室内で前記プラズマを生成する電極と、前記電極に接続され、該電極へ供給される高周波電力の周波数を所定の範囲で連続的に変化させる周波数可変電源とを備え、前記周波数可変電源から発して前記プラズマを経由する複数の高周波電流の経路が存在し、前記複数の高周波電流の経路は少なくとも第1の経路及び第2の経路を含み、前記第1の経路の反射最小周波数と、前記第2の経路の反射最小周波数とは異なるプラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法であって、
前記周波数可変電源は、前記第1の経路の反射最小周波数及び前記第2の経路の反射最小周波数を含むように、発する前記高周波電流の周波数を変化させることを特徴とするプラズマ処理方法。
前記周波数可変電源は、前記第1の経路の反射最小周波数の高周波電流の発生と、前記第2の経路の反射最小周波数の高周波電流の発生とを交互に繰り返すことを特徴とする請求項16又は17記載のプラズマ処理方法。
前記第1の経路の反射最小周波数の高周波電流の発生期間及び前記第2の経路の反射最小周波数の高周波電流の発生期間の比率は、前記第1の経路の反射最小周波数における高周波電流の反射率及び前記第2の経路の反射最小周波数における高周波電流の反射率の比率に応じて決定されることを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法。
前記周波数可変電源は、前記第1の経路の反射最小周波数及び前記第2の経路の反射最小周波数の間の周波数の高周波電力を供給することを特徴とする請求項16又は17記載のプラズマ処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
まず、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0015】
図1において、プラズマ処理装置10は、内部を減圧可能な略円筒状のチャンバ11(処理室)と、該チャンバ11内の底部に配置されてウエハWを載置し、下部電極として機能する台状のサセプタ12(載置台)と、該サセプタ12において載置されたウエハWを囲むように配置される円環状のフォーカスリング13と、チャンバ11の天井部においてサセプタ12と対向するとともに接地する上部電極14と、サセプタ12へLC回路15(インピーダンス調整回路)を介して接続される周波数可変電源(以下、「VF(Valuable Frequency)電源」という。)16とを備える平行平板容量結合型のプラズマ処理装置である。
【0016】
プラズマ処理装置10では、減圧されたチャンバ11の内部へ処理ガスが導入されるとともにサセプタ12へVF電源16から高周波電力が供給され、供給された高周波電力によって生じた電界が処理ガスを励起してチャンバ11内にプラズマが生成され、該プラズマによってウエハWへ所望のプラズマ処理、例えば、ドライエッチング処理や成膜処理が施される。
【0017】
また、プラズマ処理装置10では、VF電源16が接続するサセプタ12及び接地電位の上部電極14の間に高周波電流が流れるが、プラズマは高周波電流の経路において生成されるため、プラズマ処理装置10の内部では、プラズマPが、VF電源16が接続するサセプタ12及び上部電極14の間、より具体的には、サセプタ12及び上部電極14の間で生成される。換言すれば、上部電極14及びサセプタ12はプラズマPを介して対向するが、サセプタ12及びプラズマPの間にはシースS
1が介在し、プラズマP及び上部電極14の間にはシースS
2が介在する。
【0018】
VF電源16は、サセプタ12へ高周波電力を印加することにより、チャンバ11の内部へ高周波電力を供給して電界を生じさせるが、供給する高周波電力の周波数を所定の範囲、例えば、±1MHzの範囲で電子的に変化させることができる。
【0019】
ところで、プラズマ処理装置10では、VF電源16から発するとともにプラズマPを経由して上部電極14へ至る高周波電流の経路として第1の経路L
1と第2の経路L
2とが存在する。
【0020】
本実施の形態では、サセプタ12が表面に絶縁膜、例えば、イットリア(Y
2O
3)溶射膜が形成された導電材、例えば、アルミニウムからなるが、この場合、第1の経路L
1は、ウエハWと上部電極14を含む領域を経由し、具体的には、VF電源16から発してLC回路15、サセプタ12、ウエハW、シースS
1、プラズマP、シースS
2及び上部電極14を経由して形成され、第2の経路L
2は、フォーカスリング13と上部電極14を含む領域を経由し、具体的には、VF電源16から発してLC回路15、サセプタ12、フォーカスリング13、シースS
1、プラズマP、シースS
2及び上部電極14を経由して形成される。
【0021】
第1の経路L
1には、例えば、サセプタ12−ウエハWの間のパス容量C
e、シースS
1のパス容量C
s1やシースS
2のパス容量C
s2が存在し、第2の経路L
2には、例えば、フォーカスリング13のパス容量C
f、シースS
1のパス容量C
s1やシースS
2のパス容量C
s2が存在するため、第1の経路L
1及び第2の経路L
2はそれぞれ異なる固有のパス容量を有する。高周波電流の経路のパス容量が異なれば、経路の共振周波数も異なるため、第1の経路L
1及び第2の経路L
2は互いに異なる固有の共振周波数を有する。
【0022】
ところで、一般的に、高周波電流の経路の共振周波数の近傍、具体的には、並列共振周波数及び直列共振周波数の間には当該経路における高周波電流の反射率が最も低くなる反射最小周波数が存在し、当該経路へ反射最小周波数の高周波電流を流せば、効率よく大きな高周波電流を流すことができる。すなわち、本実施の形態では、第1の経路L
1に大きな高周波電流を流したい場合、VF電源16から第1の経路L
1の反射最小周波数F
1(以下、単に「反射最小周波数F
1」という。)の高周波電流を発すればよく、第2の経路L
2に大きな高周波電流を流したい場合、VF電源16から第2の経路L
2の反射最小周波数F
2(以下、単に「反射最小周波数F
2」という。)の高周波電流を発すればよい。また、高周波電流の経路近傍のプラズマの生成量は当該経路を流れる高周波電流の量に左右される。
【0023】
そこで、本実施の形態では、VF電源16から発する高周波電流の周波数を変化させることにより、第1の経路L
1や第2の経路L
2を流れる高周波電流の量を調整して第1の経路L
1近傍のプラズマの生成量や第2の経路L
2近傍のプラズマの生成量を制御する。例えば、VF電源16から反射最小周波数F
1又は近似の周波数の高周波電流を発することによって第1の経路L
1へ大きな高周波電流を流し、第1の経路L
1近傍のプラズマの生成量を増加させ、VF電源16から反射最小周波数F
2又は近似の周波数の高周波電流を発することによって第2の経路L
2へ大きな高周波電流を流し、第2の経路L
2近傍のプラズマの生成量を増加させる。
【0024】
これにより、プラズマ処理装置10では、チャンバ11の内部においてプラズマの生成量を局所的に制御することができる。このとき、第1の経路L
1及び第2の経路L
2のそれぞれに固有の高周波電源を配置する必要が無く、1つのVF電源16だけで第1の経路L
1や第2の経路L
2へ流れる高周波電流の量を調整することができるため、プラズマ処理装置10の構成を複雑化することなく、低コストでチャンバ11の内部のプラズマの分布の制御の自由度を向上させてプラズマ処理を均一に行うことができる。
【0025】
また、VF電源16は電子的に高周波電流の周波数を変更するため、周波数の変化を迅速に行うことができ、もって、チャンバ11の内部のプラズマの分布の制御を迅速に行うことができる。さらに、VF電源16は内部において機械的に回路を切り替えることによって発する高周波電流の周波数を変更することが無いため、故障し難く、もって、プラズマ処理装置10の信頼性を向上することができる。
【0026】
上述したプラズマ処理装置10では、反射最小周波数F
1及び反射最小周波数F
2がVF電源16が変化させることができる高周波電流の周波数の範囲に収まることが好ましく、具体的には、反射最小周波数F
1及び反射最小周波数F
2の差が2MHz以内であるのが好ましい。この場合、VF電源16が反射最小周波数F
1の高周波電流及び反射最小周波数F
2の高周波電流のいずれも発することができるため、第1の経路L
1及び第2の経路L
2のいずれにも大きな高周波電流を流すことができ、もって、第1の経路L
1近傍及び第2の経路L
2におけるプラズマの生成量の調整幅を大きくすることができる。
【0027】
反射最小周波数F
1や反射最小周波数F
2を調整するためには、第1の経路L
1や第2の経路L
2のパス容量を変更すればよく、例えば、
図2に示すように、第2の経路L
2へLC回路15aを追加してもよい。この場合、LC回路15aを流れた高周波電流がサセプタ12において第1の経路L
1へ合流しないように、サセプタ12を誘電体、例えば、セラミックスで構成するとともに、ウエハWに対応する位置及びフォーカスリング13に対応する位置のそれぞれへ導電板17a、17bを埋設し、LC回路15を導電板17aへ接続させるとともに、LC回路15aを導電板17bへ接続させるのが好ましい。
【0028】
また、例えば、
図3に示すように、上部電極14をウエハWに対向する内側電極18と、フォーカスリング13に対向し且つ内側電極18を囲むように配置される外側電極19とに分割するとともに、内側電極18及び外側電極19を互いに絶縁させ、内側電極18はLC回路15bを介して接地し、外側電極19はLC回路15cを介して接地させ、さらに、サセプタ12を誘電体で構成して内部へ導電板17を埋設し、LC回路15を導電板17へ接続してもよい。この場合、第1の経路L
1は、VF電源16から発してLC回路15、導電板17、サセプタ12、ウエハW、シースS
1、プラズマP、シースS
2、内側電極18及びLC回路15bを経由し、第2の経路L
2は、VF電源16から発してLC回路15、導電板17、サセプタ12、フォーカスリング13、シースS
1、プラズマP、シースS
2、外側電極19及びLC回路15cを経由する。このとき、例えば、LC回路15cのインピーダンスをLC回路15bとインピーダンスが異なるように設定することにより、簡便に第1の経路L
1や第2の経路L
2のパス容量を変更して反射最小周波数F
1や反射最小周波数F
2を調整することができる。
【0029】
なお、反射最小周波数F
1や反射最小周波数F
2を調整する手法は、
図2や
図3に示す手法に限られず、例えば、第1の経路L
1からLC回路15を除去し、若しくは、第1の経路L
1や第2の経路L
2へ更なるLC回路15を追加してもよく、
図2の手法と
図3の手法を組み合わせてもよい。
【0030】
次に、本実施の形態に係るプラズマ処理方法について説明する。
【0031】
図4は、本実施の形態に係るプラズマ処理方法を説明するための図である。
【0032】
図4において、上のグラフに示すように、反射最小周波数F
1では第1の経路L
1の反射率が最小となり、反射最小周波数F
2では第2の経路L
2の反射率が最小となるが、本実施の形態では、下のグラフに示すように、VF電源16から発する高周波電流の周波数を反射最小周波数F
1及び反射最小周波数F
2の間でパルス的に交互に繰り返して変化させる。
【0033】
図4では、反射最小周波数F
1における反射率R
1と反射最小周波数F
2における反射率R
2とが同じであるため、反射最小周波数F
1の高周波電流を発生する期間T
1(以下、単に「期間T
1」という。)と反射最小周波数F
2の高周波電流を発生する期間T
2(以下、単に「期間T
2」という。)とを同じにすれば、第1の経路L
1近傍におけるプラズマの積算生成量と、第2の経路L
2近傍におけるプラズマの積算生成量とを等しくすることができ、これにより、ウエハWの直上におけるプラズマの生成量とフォーカスリング13の直上におけるプラズマの生成量とを等しくすることができる。その結果、チャンバ11の内部において均一な分布のプラズマPを得ることができる。
【0034】
また、ウエハWの直上におけるプラズマの生成量とフォーカスリング13の直上におけるプラズマの生成量との間に差を付けたい場合、例えば、期間T
1を期間T
2よりも長く設定することにより、第1の経路L
1近傍におけるプラズマの積算生成量を第2の経路L
2近傍におけるプラズマの積算生成量よりも大きくすることができ、もって、ウエハWの直上におけるプラズマの生成量をフォーカスリング13の直上におけるプラズマの生成量よりも大きくすることができる。また、期間T
2を期間T
1よりも長く設定することにより、第2の経路L
2近傍におけるプラズマの積算生成量を第1の経路L
1近傍におけるプラズマの積算生成量よりも大きくすることができ、もって、フォーカスリング13の直上におけるプラズマの生成量をウエハWの直上におけるプラズマの生成量よりも大きくすることができる。
【0035】
また、第1の経路L
1や第2の経路L
2に他のLC回路等を設けられて反射最小周波数F
1における反射率と反射最小周波数F
2における反射率とが異なる値となる場合、期間1を期間2と異なるように設定してもよく、例えば、反射最小周波数F
1における高周波電流の反射率R
1及び反射最小周波数F
2における高周波電流の反射率R
2の比率に応じて期間T
1及び期間T
2の比率を決定してもよい。具体的には、反射率R
1よりも反射率R
2が小さい場合(
図5の上のグラフ参照。)、期間T
1を期間T
2よりも長く設定することにより(
図5の下グラフ参照。)、第1の経路L
1近傍におけるプラズマの積算生成量と、第2の経路L
2近傍におけるプラズマの積算生成量とを略等しくすることができ、これにより、ウエハWの直上におけるプラズマの生成量とフォーカスリング13の直上におけるプラズマの生成量とを等しくすることができる。一方、期間T
1と期間T
2を等しくすることにより、第1の経路L
1近傍におけるプラズマの積算生成量を第2の経路L
2近傍におけるプラズマの積算生成量よりも小さくし、もって、ウエハWの直上におけるプラズマの生成量をフォーカスリング13の直上におけるプラズマの生成量よりも小さくしてもよい。
【0036】
ところで、第1の経路L
1近傍におけるプラズマの生成量G
1は、高周波電流の周波数が変化するに従い、反射最小周波数F
1を頂点としてなだらかに変化し、第2の経路L
2近傍におけるプラズマの生成量G
2は、高周波電流の周波数が変化するに従い、反射最小周波数F
2を頂点としてなだらかに変化する(
図6の下グラフ参照。)。したがって、所定の周波数の範囲内において、第1の経路L
1近傍においてプラズマが生成されるとともに、第2の経路L
2近傍においてもプラズマが生成されることがある。
【0037】
そこで、VF電源16から発する高周波電流の周波数を反射最小周波数F
1及び反射最小周波数F
2の間の周波数に設定してもよい。例えば、反射最小周波数F
2よりも反射最小周波数F
1に近い周波数Faに設定した場合、第2の経路L
2近傍においてある程度プラズマの生成を維持しつつ、第1の経路L
1近傍において多量のプラズマを生成することができ、反射最小周波数F
1よりも反射最小周波数F
2に近い周波数Fbに設定した場合、第1の経路L
1近傍においてある程度プラズマの生成を維持しつつ、第2の経路L
2近傍において多量のプラズマを生成することができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、
図4乃至
図6の上のグラフに示すように、反射最小周波数F
1や反射最小周波数F
2であっても反射率R
1、R
2が0とならないので、VF電源16はある程度、高周波電流の反射を許容する反射耐性が高いものが好ましく、また、高周波電流の反射を見越して必要とされる高周波電流の量よりも多くの量の高周波電流を発するのが好ましい。
【0039】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
【0040】
本実施の形態は、その構成や作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、特に、チャンバ11の側壁11aに側壁電極20が配置される点で上述した第1の実施の形態と異なる。したがって、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
【0041】
図7は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0042】
図7において、プラズマ処理装置21のチャンバ11は、側壁11aにおいてプラズマPに対向するように配置された側壁電極20を有し、側壁電極20はLC回路15dを介してVF電源16へ接続される。
【0043】
プラズマ処理装置21では、VF電源16から側壁電極20へ高周波電力を印加すると、プラズマPが側壁電極20近傍まで延伸し、プラズマP及び側壁電極20の間にシースS
3が介在する。このとき、プラズマPから陽イオンが側壁電極20の電位に応じてチャンバ11の側壁11aの内表面へ打ち込まれ、陽イオンはスパッタリングによって当該内表面に堆積した堆積物等を除去する。すなわち、チャンバ11の側壁11aの内表面をクリーニングすることができる。
【0044】
本実施の形態では、第2の経路L
2が、VF電源16から発してLC回路15d、側壁電極20、シースS
3、プラズマP、シースS
2及び上部電極14を経由する。このとき、第2の経路L
2には、例えば、シースS
3のパス容量C
s3が存在するため、第1の経路L
1及び第2の経路L
2はそれぞれ互いに異なる固有の反射最小周波数F
1,F
2を有する。
【0045】
そこで、本実施の形態では、VF電源16から発する高周波電流の周波数を変化させることにより、第1の経路L
1や第2の経路L
2を流れる高周波電流の量を調整し、プラズマPの生成の実行とチャンバ11の側壁11aの内表面のクリーニング(以下、単に「クリーニング」という。)の実行とを切り替える。例えば、VF電源16から反射最小周波数F
1又は近似の周波数の高周波電流を発することによって第1の経路L
1近傍にプラズマPを生成させ、VF電源16から反射最小周波数F
2又は近似の周波数の高周波電流を発することによってクリーニングを実行する。すなわち、VF電源16から発生する高周波電流の周波数を変化させるだけで、プラズマPの生成の実行とクリーニングの実行とを切り替えることができるので、容易に所望のタイミングでクリーニングを実行することができる。
【0046】
次に、本発明の第3の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
【0047】
本実施の形態は、その構成や作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、特に、上部電極14及び接地の間に配置されたスイッチングボックス22を備える点で上述した第1の実施の形態と異なる。したがって、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
【0048】
図8は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0049】
図8において、プラズマ処理装置23は、チャンバ11の外であって、上部電極14及び接地の間に配置されたスイッチングボックス22を備え、サセプタ12が誘電体で構成されて内部へ導電板17が埋設され、LC回路15が導電板17へ接続される。
【0050】
スイッチングボックス22は、内部に複数の容量の異なるコンデンサを有し、内部の経路を機械的に切り替えることによって所望の容量のコンデンサを選択してスイッチングボックス22のパス容量C
vを変化させる容量可変機構である。
【0051】
本実施の形態では、第1の経路L
1は、VF電源16から発してLC回路15、導電板17、サセプタ12、ウエハW、シースS
1、プラズマP、シースS
2、上部電極14及びスイッチングボックス22を経由し、第2の経路L
2は、VF電源16から発してLC回路15、導電板17、サセプタ12、フォーカスリング13、シースS
1、プラズマP、シースS
2、上部電極14及びスイッチングボックス22を経由する。
【0052】
第1の経路L
1には、例えば、サセプタ12のパス容量C
m、シースS
1のパス容量C
s1、プラズマPのパス容量C
p、シースS
2のパス容量C
s2やスイッチングボックス22のパス容量C
vが存在し、第2の経路L
2には、例えば、サセプタ12のパス容量C
m、フォーカスリング13のパス容量C
f、シースS
1のパス容量C
s1、プラズマPのパス容量C
p、シースS
2のパス容量C
s2やスイッチングボックス22のパス容量C
vが存在するため、第1の経路L
1及び第2の経路L
2はそれぞれ互いに異なる固有の反射最小周波数L
1,L
2を有する。
【0053】
プラズマ処理装置23では、プラズマPの着火前後においてプラズマPのパス容量C
pが大きく変化するため、反射最小周波数F
1も大きく変化する。このとき、第1の経路L
1へ大きな高周波電流を流すために、プラズマPの着火前においてVF電源16からプラズマPの着火前のプラズマPのパス容量Cに基づく反射最小周波数F
1の高周波電流を発していた場合、プラズマPの着火後では反射最小周波数F
1が大きく変化するため、第1の経路L
1へ大きな高周波電流を流すことが困難となり、プラズマPの着火状態が維持できないおそれがある。
【0054】
そこで、本実施の形態では、プラズマPの着火前後において反射最小周波数F
1が大きく変化しないように、好ましくは、反射最小周波数F
1が変化しないように、プラズマPのパス容量Cの変化に応じてスイッチングボックス22のパス容量C
vを変化させる。これにより、VF電源16からプラズマPの着火前のプラズマPのパス容量Cに基づく反射最小周波数F
1の高周波電流を発していても、プラズマPの着火後に第1の経路L
1を流れる高周波電流の量が激減するのを防止することができ、もって、プラズマPの着火状態を維持することができる。
【0055】
なお、スイッチングボックス22のパス容量C
vを変化させてもプラズマPの着火前後において同一の反射最小周波数F
1を維持できない場合は、VF電源16から発する高周波電流の周波数を、プラズマPの着火後の反射最小周波数F
1、又はその近傍値へ設定すればよい。
【0056】
次に、本発明の第4の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
【0057】
本実施の形態は、その構成や作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、特に、上部電極14及び接地の間に配置されたサーキュレータ24を備える点で上述した第1の実施の形態と異なる。したがって、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
【0058】
図9は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0059】
図9において、プラズマ処理装置25は、チャンバ11の外であって、上部電極14及び接地の間に配置されたサーキュレータ24を備え、サセプタ12が誘電体で構成されて内部へ導電板17が埋設され、LC回路15が導電板17へ接続される。
【0060】
本実施の形態では、第1の経路L
1は、VF電源16から発してLC回路15、導電板17、サセプタ12、ウエハW、シースS
1、プラズマP、シースS
2、上部電極14及びサーキュレータ24を経由し、第2の経路L
2は、VF電源16から発してLC回路15e、サーキュレータ24、上部電極14、シースS
2、プラズマP、シースS
1、ウエハW、サセプタ12、導電板17及びLC回路15を経由する。
【0061】
第1の経路L
1には、例えば、LC回路15のパス容量、サセプタ12のパス容量C
m、シースS
1のパス容量C
s1、プラズマPのパス容量C
pやシースS
2のパス容量C
s2が存在し、第2の経路L
2には、例えば、LC回路15eのパス容量、シースS
2のパス容量C
s2、プラズマPのパス容量C
p、シースS
1のパス容量C
s1、サセプタ12のパス容量C
mやLC回路15のパス容量が存在するため、第1の経路L
1及び第2の経路L
2はそれぞれ互いに異なる固有の反射最小周波数F
1,F
2を有する。
【0062】
ところで、上述したように、第1の経路L
1はサセプタ12から上部電極14へ向けて進行するので、第1の経路L
1を高周波電流が流れる際、プラズマPがサセプタ12側、例えば、ウエハWの近傍で多く生成され、第2の経路L
2は上部電極14からサセプタ12へ向けて進行するので、第2の経路L
2を高周波電流が流れる際、プラズマPが上部電極14の近傍で多く生成される。
【0063】
そこで、本実施の形態では、VF電源16から発する高周波電流の周波数を変化させることにより、第1の経路L
1や第2の経路L
2を流れる高周波電流の量を調整してウエハW近傍のプラズマの生成量や上部電極14近傍のプラズマの生成量を制御する。例えば、VF電源16から反射最小周波数F
1又は近似の周波数の高周波電流を発することによってウエハW近傍のプラズマの生成量を増加させ、VF電源16から反射最小周波数F
2又は近似の周波数の高周波電流を発することによって上部電極14近傍のプラズマの生成量を増加させる。
【0064】
なお、本実施の形態では、サーキュレータ24を用いて第2の経路L
2を構成したが、サーキュレータ24の代わりにチャンバ11の壁部を用いて第2の経路L
2を構成してもよい。この場合、第2の経路L
2は、VF電源16から発してLC回路15e、上部電極14、シースS
2、プラズマP、チャンバ11の壁部を経由する。
【0065】
次に、本発明の第5の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
【0066】
本実施の形態は、その構成や作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、主に、VF電源16がサセプタ12ではなく上部電極へ接続される点で上述した第1の実施の形態と異なる。したがって、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
【0067】
図10は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0068】
図10において、プラズマ処理装置26では、上部電極14がウエハWに対向する内側電極27と、フォーカスリング13に対向し且つ内側電極27を囲むように配置される外側電極28とに分割され、内側電極27及び外側電極28は互いに絶縁され、サセプタ12を誘電体で構成して内部へ導電板17を埋設するとともに、サセプタ12を接地させ、VF電源16をコンデンサ29やLC回路15fを介して内側電極27へ接続させ、さらに、VF電源16をコンデンサ29やLC回路15gを介して外側電極28へ接続させる。
【0069】
本実施の形態では、第1の経路L
1は、コンデンサ29の下流における分岐点dからLC回路15f、内側電極27、シースS
2、プラズマP、シースS
1、ウエハW、サセプタ12及び導電板17を経由し、第2の経路L
2は、分岐点dからLC回路15g、外側電極28、シースS
2、プラズマP、シースS
1、フォーカスリング13、サセプタ12及び導電板17を経由する。
【0070】
第1の経路L
1には、例えば、LC回路15fのパス容量、シースS
2のパス容量C
s2、プラズマPのパス容量C
p、シースS
1のパス容量C
s1やサセプタ12のパス容量C
mが存在し、第2の経路L
2には、例えば、LC回路15gのパス容量、シースS
2のパス容量C
s2、プラズマPのパス容量C
p、シースS
1のパス容量C
s1、フォーカスリング13のパス容量C
f及びサセプタ12のパス容量C
mが存在するため、第1の経路L
1及び第2の経路L
2はそれぞれ固有のパス容量を有し、第1の経路L
1及び第2の経路L
2は互いに異なる固有の反射最小周波数F
1,F
2を有する。
【0071】
そこで、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、VF電源16から発する高周波電流の周波数を変化させることにより、第1の経路L
1や第2の経路L
2を流れる高周波電流の量を調整して第1の経路L
1近傍のプラズマの生成量や第2の経路L
2近傍のプラズマの生成量を制御する。これにより、プラズマ処理装置26でも、チャンバ11の内部においてプラズマの生成量を局所的に制御することができる。
【0072】
上述したプラズマ処理装置26でも、反射最小周波数F
1及び反射最小周波数F
2が、VF電源16が変化させることができる高周波電流の周波数の範囲に収まることが好ましいため、反射最小周波数F
1や反射最小周波数F
2を調整する必要が生じる場合があるが、この場合も、第1の実施の形態と同様に、第1の経路L
1や第2の経路L
2へLC回路15等を追加してパス容量を変更すればよい。
【0073】
また、上述したプラズマ処理装置26でも、第1の実施の形態と同様に、VF電源16から発する高周波電流の周波数を反射最小周波数F
1及び反射最小周波数F
2の間でパルス的に交互に繰り返して変化させる。この場合、プラズマ処理の目的等に応じて、期間T
1及び期間T
2を同じにしてもよく、期間1を期間2と異なるように設定してもよい。さらには、反射最小周波数F
1における高周波電流の反射率R
1及び反射最小周波数F
2における高周波電流の反射率R
2の比率に応じて期間T
1及び期間T
2の比率を決定してもよく、VF電源16から発する高周波電流の周波数を反射最小周波数F
1及び反射最小周波数F
2の間の周波数に設定してもよい。
【0074】
上述したプラズマ処理装置26では、VF電源16と、第1の経路L
1及び第2の経路L
2の分岐点dとの間にコンデンサ29を設けたが、これにより、VF電源16から接地に至るまでの高周波電流の経路において、第1の経路L
1及び第2の経路L
2の相対的な容量を小さくすることができ、もって、第1の経路L
1と第2の経路L
2の差を小さくすることができる。その結果、反射最小周波数F
1及び反射最小周波数F
2を互いに近い周波数に設定することができ、もって、反射最小周波数F
1及び反射最小周波数F
2をVF電源16が変化させることができる高周波電流の周波数の範囲へ確実に収めることができる。
【0075】
次に、本発明の第6の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
【0076】
本実施の形態は、その構成や作用が上述した第5の実施の形態と基本的に同じであり、主に、第1の経路L
1や第2の経路L
2への高周波電力の供給が誘導結合によって行われる点で上述した第5の実施の形態と異なる。したがって、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
【0077】
図11は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0078】
図11において、プラズマ処理装置30では、VF電源16がコイル31やコイル32を介して接地し、第1の経路L
1のLC回路15fのコイル33がコイル31と対峙し、第2の経路L
2のLC回路15gのコイル34がコイル32と対峙する。
【0079】
VF電源16から反射最小周波数F
1の高周波電流が発せされると、コイル31が第1の経路L
1におけるコイル33と誘導結合し、第1の経路L
1に誘導電流である高周波電流が流れ、VF電源16から反射最小周波数F
2の高周波電流が発せされると、コイル32が第2の経路L
2におけるコイル34と誘導結合し、第2の経路L
2に誘導電流である高周波電流が流れる。
【0080】
そこで、本実施の形態では、VF電源16から発する高周波電流の周波数を変化させて反射最小周波数F
1や反射最小周波数F
2に設定することにより、第1の経路L
1や第2の経路Lへ高周波電流を流して第1の経路L
1近傍のプラズマの生成量や第2の経路L
2近傍のプラズマの生成量を制御する。これにより、プラズマ処理装置30でも、チャンバ11の内部においてプラズマの生成量を局所的に制御することができる。
【0081】
但し、誘導結合では反射最小周波数以外の高周波電流によって誘導電流が生じないため、本実施の形態では、VF電源16から発する高周波電流の周波数を反射最小周波数F
1及び反射最小周波数F
2以外の周波数に設定すると、チャンバ11の内部においてプラズマが生じない、また、VF電源16から発する高周波電流の周波数を反射最小周波数F
1又は反射最小周波数F
2に設定すると、第1の経路L
1近傍のみ、又は第2の経路L
2の近傍のみにプラズマが生じる。
【0082】
上述したプラズマ処理装置30では、VF電源16からの配線が第1の経路L
1や第2の経路L
2に直接接続されないため、VF電源16は第1の経路L
1や第2の経路L
2からの高周波電流の反射を受けることが無く、VF電源16の信頼性を向上することができる。
【0083】
上述したプラズマ処理装置30でも、反射最小周波数F
1や反射最小周波数F
2を調整するために、第5の実施の形態と同様に、第1の経路L
1や第2の経路L
2へLC回路15等を追加してパス容量を変更すればよい。また、上述したプラズマ処理装置30でも、VF電源16から発する高周波電流の周波数を反射最小周波数F
1及び反射最小周波数F
2の間でパルス的に交互に繰り返して変化させる。この場合も、期間T
1及び期間T
2を同じにしてもよく、期間1を期間2と異なるように設定してもよい。
【0084】
上述した第5の実施の形態や第6の実施の形態では、上部電極14が内側電極27及び外側電極28に分割されたが、上部電極14の分割の形態はこれに限られず、例えば、
図12(A)に示すように、上部電極14を同心円状に内側電極35、中間電極36、外側電極37の3つの電極に分割してもよく、
図12(B)に示すように、例えば、多数の正六角形のハニカム状電極38に分割してもよい。この場合、各電極へ向けてVF電源16からの配線が分岐されるか、各電極へ誘導結合用のコイルが設けられるが、多数の電極へ分割する場合、分岐によって配線が煩雑になるため、各電極へ誘導結合用のコイルが設けることが構造の簡素化の観点からは好ましい。
【0085】
次に、本発明の第7の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
【0086】
本実施の形態は、その構成や作用が上述した第5の実施の形態と基本的に同じであり、特に、チャンバ11の側壁11bに側壁電極39が配置される点で上述した第5の実施の形態と異なる。したがって、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
【0087】
図13は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0088】
図13において、プラズマ処理装置40のチャンバ11は、側壁11bにおいてプラズマPに対向するように配置された側壁電極39を有し、側壁電極39はLC回路15hを介してVF電源16へ接続される。
【0089】
プラズマ処理装置40では、VF電源16から側壁電極39へ高周波電力を印加すると、第2の実施の形態と同様に、プラズマPが側壁電極39近傍まで延伸し、プラズマP及び側壁電極39の間にシースS
4が介在する。このとき、プラズマPから陽イオンが側壁電極39の電位に応じてチャンバ11の側壁11bの内表面へ打ち込まれ、陽イオンはスパッタリングによって当該内表面に堆積した堆積物等を除去する。すなわち、チャンバ11の側壁11bの内表面をクリーニングすることができる。
【0090】
本実施の形態では、第2の経路L
2が、VF電源16から発してLC回路15h、側壁電極39、シースS
4、プラズマP、シースS
1、サセプタ12及び導電板17を経由する。このとき、第2の経路L
2には、例えば、シースS
4のパス容量C
s4が存在するため、第1の経路L
1及び第2の経路L
2はそれぞれ互いに異なる固有の反射最小周波数F
1,F
2を有する。
【0091】
すなわち、本実施の形態でも、第2の実施の形態と同様に、VF電源16から発する高周波電流の周波数を変化させるだけで、第1の経路L
1や第2の経路L
2を流れる高周波電流の量を調整してプラズマPの生成の実行とチャンバ11の側壁11bの内表面のクリーニングの実行とを切り替えることができるので、容易に所望のタイミングでクリーニングを実行することができる。
【0092】
次に、本発明の第8の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
【0093】
本実施の形態は、その構成や作用が上述した第5の実施の形態と基本的に同じであり、特に、サセプタ12(導電板17)及び接地の間に配置されたスイッチングボックス22を備える点で上述した第5の実施の形態と異なる。したがって、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
【0094】
図14は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0095】
図14において、プラズマ処理装置41は、チャンバ11の外であって、サセプタ12及び接地の間に配置されたスイッチングボックス22を備える。
【0096】
本実施の形態では、第1の経路L
1は、LC回路15f、内側電極27、シースS
2、プラズマP、シースS
1、ウエハW、サセプタ12、導電板17及びスイッチングボックス22を経由し、第2の経路L
2は、LC回路15g、外側電極28、シースS
2、プラズマP、シースS
1、フォーカスリング13、サセプタ12、導電板17及びスイッチングボックス22を経由する。
【0097】
第1の経路L
1には、例えば、LC回路15fのパス容量、シースS
2のパス容量C
s2、プラズマPのパス容量C
p、シースS
1のパス容量C
s1、サセプタ12のパス容量C
mやスイッチングボックス22のパス容量C
1、C
2、C
3・・・・C
nが存在し、第2の経路L
2には、例えば、LC回路15gのパス容量、シースS
2のパス容量C
s2、プラズマPのパス容量C
p、シースS
1のパス容量C
s1、フォーカスリング13のパス容量C
f及びサセプタ12のパス容量C
mが存在するため、第1の経路L
1及び第2の経路L
2はそれぞれ固有のパス容量を有し、第1の経路L
1及び第2の経路L
2は互いに異なる固有の反射最小周波数F
1,F
2を有する。
【0098】
プラズマ処理装置41でも、プラズマ処理装置23と同様に、プラズマPの着火前後においてプラズマPのパス容量C
pが大きく変化するため、反射最小周波数F
1も大きく変化する。
【0099】
そこで、本実施の形態でも、第3の実施の形態と同様に、プラズマPの着火前後において反射最小周波数F
1が大きく変化しないように、好ましくは、反射最小周波数F
1が変化しないように、プラズマPのパス容量Cの変化に応じてスイッチングボックス22のパス容量C
nを変化させる。これにより、VF電源16からプラズマPの着火前のプラズマPのパス容量Cに基づく反射最小周波数F
1の高周波電流を発していても、プラズマPの着火状態を維持することができる。
【0100】
以上、本発明について、上述した各実施の形態を用いて説明したが、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではない。
【0101】
例えば、上述した各実施の形態では、高周波電流の経路が2つ(第1の経路L
1、第2の経路L
2)のみ存在するものとして説明したが、VF電源16及び接地の間において容量が異なる経路が他にも存在すれば、それらも高周波電流の経路となり得るため、プラズマ処理装置における高周波電流の経路の数は2つに限られない。このとき、各経路の反射最小周波数の高周波電流をVF電源16から発することにより、より局所的にプラズマの生成量を制御することができる。
【0102】
また、本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータ(図示しない)等に供給し、コンピュータのCPUが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0103】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した各実施の形態の機能を実現することになり、プログラムコード及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0104】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、RAM、NV−RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW)等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、他のROM等の上記プログラムコードを記憶できるものであればよい。或いは、上記プログラムコードは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることによりコンピュータに供給されてもよい。
【0105】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、CPU上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0106】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0107】
上記プログラムコードの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。