特許第6575500号(P6575500)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6575500
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】窒化物蛍光体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 11/08 20060101AFI20190909BHJP
   C09K 11/64 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   C09K11/08 B
   C09K11/64
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-243269(P2016-243269)
(22)【出願日】2016年12月15日
(65)【公開番号】特開2018-95769(P2018-95769A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2018年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】特許業務法人竹内・市澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100125793
【弁理士】
【氏名又は名称】川田 秀美
(72)【発明者】
【氏名】涌井 貞一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 茂希
(72)【発明者】
【氏名】細川 昌治
【審査官】 安孫子 由美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−525092(JP,A)
【文献】 特開2016−216711(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第106281322(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第105985772(CN,A)
【文献】 Journal of Materials Chemistry C,2016年 7月11日,4,7332-7338
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K11
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の製造方法であって、
前記窒化物蛍光体の組成を構成する各元素を含有する原料混合物に、フラックスとしてSrF及び/又はLiFを添加して熱処理することを含み、前記原料混合物とフラックスとの合計量に対して、フラックスが5.0質量%以上15質量%以下である、窒化物蛍光体の製造方法。
EuAl (I)
(式(I)中、Mは少なくともSrを含み、Ca、Ba及びMgからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含んでもよく、Mは少なくともLiを含み、Na及びKからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含んでもよく、w、x、y、及びzは、それぞれ、0.8≦w<1.1、0.5≦x≦1.8、0.001<y≦0.1、1.5≦z≦5.0を満たす数である。)
【請求項2】
熱処理の温度が1000℃以上1300℃以下である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
熱処理の雰囲気が窒素ガスを含む雰囲気であり、熱処理の圧力が0.2MPa以上200MPa以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記原料混合物は、Srの金属単体又は少なくともSrを含む化合物、Liの金属単体又は少なくともLiを含む化合物、Euの金属単体又はEuを含む化合物、Alの金属単体又はAlを含む金属化合物を含み、
前記少なくともSrを含む化合物が、SrN、SrN、Sr、SrH、SrF、Srを含むイミド化合物、及びSrを含むアミド化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であり、
前記少なくともLiを含む化合物が、Liの窒化物及び水素化物の少なくとも1種であり、
前記Euを含む化合物が、Eu3、EuN及びEuFからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記Alを含む金属化合物が、AlN、AlH、AlF及びLiAlHからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化物蛍光体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light Emitting Diode:以下「LED」という。)と蛍光体とを組み合わせて形成した発光装置は、照明装置、液晶表示装置のバックライト、小型ストロボ等へと盛んに応用されている。例えば、発光装置を液晶表示装置に用いる場合、色再現範囲を大きくするために、半値幅の狭い蛍光体を用いることが望まれている。
【0003】
このような蛍光体として赤色に発光するSrLiAl:Eu(以下、「SLAN蛍光体」と呼ぶことがある。)がある。例えば、特許文献1や非特許文献1(Philipp Pust et al. “Narrow-band red-emitting Sr[LiAl3N4]:Eu2+as a next-generation LED-phosphor material” Nature Materials, NMAT4012, VOL13 September 2014)には、半値幅が70nm以下と狭く、発光ピーク波長が650nm付近であるSLAN蛍光体が開示されている。
【0004】
SLAN蛍光体は、例えば、非特許文献1に開示されているように、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH)、窒化アルミニウム(AlN)、水素化ストロンチウム(SrH)及びフッ化ユウロピウム(EuF)を含む原料粉体をEuが0.4mol%となるような化学量論比で計量し、混合した後にルツボに入れ、水素と窒素の混合ガス雰囲気の大気圧下で温度を1000℃、焼成時間を2時間として、焼成することで製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2013/175336号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Philipp Pust et al. “Narrow-band red-emitting Sr[LiAl3N4]:Eu2+ as a next-generation LED-phosphor material” Nature Materials, NMAT4012, VOL13 September 2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、SLAN蛍光体は、発光強度に更なる改善の余地がある。そこで、本発明の一実施形態は、より高い発光強度を有する窒化物蛍光体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
【0009】
本発明の一実施形態は、Sr、Ca、Ba及びMgからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mと、Li、Na及びKからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mと、Eu、Ce、Tb及びMnからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mと、Alと、Nとを含む組成を有する窒化物蛍光体の製造方法であって、前記窒化物蛍光体の組成を構成する各元素を含有する原料混合物に、フラックスとしてSrF及び/又はLiFを添加して熱処理することを含み、前記原料混合物とフラックスとの合計量に対して、フラックスが5.0質量%以上15質量%以下である、窒化物蛍光体の製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施例1、実施例2及び比較例1に係る窒化物蛍光体について、波長に対する相対発光強度を示す発光スペクトルである。
図2図2は、実施例1に係る窒化物蛍光体のSEM写真である。
図3図3は、比較例1に係る窒化物蛍光体のSEM写真である。
図4図4は、実施例1に係る窒化物蛍光体のSEM写真である。
図5図5は、比較例6に係る窒化物蛍光体のSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係る窒化物蛍光体の製造方法を実施形態に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は、以下の窒化物蛍光体の製造方法に限定されない。なお、色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。また組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
【0012】
窒化物蛍光体の製造方法
本開示に係る窒化物蛍光体の製造方法(以下、「本製造方法」と呼ぶことがある。)は、Sr、Ca、Ba及びMgからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mと、Li、Na及びKからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mと、Eu、Ce、Tb及びMnからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mと、Alと、Nとを含む組成を有する窒化物蛍光体の製造方法であって、前記窒化物蛍光体の組成を構成する各元素を含有する原料混合物に、フラックスとしてSrF及び/又はLiFを添加して熱処理することを含み、前記原料混合物とフラックスとの合計量100質量%に対して、フラックスが5.0質量%以上15質量%以下である。本製造方法において、フラックスであるSrF及び/又はLiFの添加量は、前記原料混合物とフラックスとの合計量100質量%に対して、より好ましくは6.0質量%以上、さらに好ましくは7.0質量%以上、よりさらに好ましくは8.0質量%以上、特に好ましくは9.0質量%以上である。
【0013】
フラックス
本製造方法では、窒化物蛍光体の組成を構成する各元素を含有する原料混合物に、フラックスとして特定量のSrF及び/又はLiFを添加して熱処理することによって、混合物中の原料同士の反応が促進され、固相反応がより均一に進行し、発光強度のより高い特定の組成を有する窒化物蛍光体が得られる。これは、原料混合物を熱処理する温度が、フラックスとして用いるSrF及び/又はLiFの液相の生成温度とほぼ同じであるため、原料混合物の反応が促進されると考えられる。
【0014】
本製造方法によって得られる窒化物蛍光体は、窒化物蛍光体の組成を構成する元素の中でも、元素Mが少なくともSrを含み、元素Mが少なくともLiを含むことが好ましい。フラックスは、窒化物蛍光体を構成する組成に含まれる少なくとも一種の元素と同じ元素を含むフッ化物であることが好ましい。窒化物蛍光体の組成を構成する元素において、元素Mが少なくともSrを含み、元素Mが少なくともLiを含む場合に、フラックスとして特定量のSrF及び/又はLiFを用いることにより、蛍光体中に混入する不純物が低減されるとともに、原料同士の反応性がより均一に進行し、より高い発光強度を有する窒化物蛍光体を製造することができる。
【0015】
本製造方法において、フラックスとしてSrF及び/又はLiFの添加量が、原料混合物とフラックスとの合計量100質量%に対して、5.0質量%未満であると、混合物中の原料同士の反応を十分に促進することができず、結晶成長が不足するため、発光強度が低下する場合がある。フラックスとしてSrF及び/又はLiFの添加量が、原料混合物とフラックスとの合計量100質量%に対して、15質量%を超えると、反応が進みすぎて、生成された蛍光体粒子がさらに溶融して粒子同士が焼結し、硬い粗大粒子が多く生成される場合がある。生成された硬い粗大粒子は、粉砕した場合であっても粒子の粒径がばらつく場合がある。粒子の粒径がばらついている窒化物蛍光体を発光装置に用いた場合は、色ムラが発生し、良好な色調が得られない場合がある。
【0016】
本製造方法によって得られる窒化物蛍光体(以下、「本窒化物蛍光体」と呼ぶことがある。)は、下記式(I)で表される組成を有することが好ましい。本窒化物蛍光体は、下記式(I)において、元素Mは少なくともSrを含むことが好ましく、元素Mは少なくともLiを含むことが好ましい。
EuAl (I)
式(I)中、MはSr、Ca、Ba及びMgからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、MはLi、Na及びKからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、w、x、y、及びzは、それぞれ、0.8≦w<1.1、0.5≦x≦1.8、0.001<y≦0.1、1.5≦z≦5.0を満たす数である。
【0017】
式(I)におけるw及びxは、本窒化物蛍光体に含まれる母体結晶の骨格となる元素の組成比(モル比)を表す。式(I)におけるw及びxは、結晶構造の安定性の観点から、wの数が好ましくは0.8以上1.1未満であり、xの数が好ましくは0.5以上1.8以下である。フラックスとしてLiFを用いた場合は、本窒化物蛍光体の組成に含まれるLiのモル比(x)が1.8となる場合がある。yは、Eu賦活量であり、所望の特性を達成できるように適宜選択すればよい。yは、好ましくは0.001<y≦0.1、より好ましくは0.001<y≦0.02、さらに好ましくは0.002≦y≦0.015を満たす数である。zは、結晶構造の安定性の観点から、好ましくは1.5≦z≦5.0、より好ましくは2.0≦z≦4.0を満たす数である。
【0018】
本窒化物蛍光体が式(I)で表される場合であっても、本窒化物蛍光体に式(I)で表される組成を構成する元素以外の元素が原料に含まれる不純物に起因して極微量存在している場合がある。このように本窒化物蛍光体中に存在し得る元素としては、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Mn、Fe、Ru、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Tl、Pb及びBiからなる群より選択される少なくとも一種の元素が挙げられる。窒化物蛍光体に極微量存在する元素は、100ppm未満の単位で存在している場合があり、典型的には数ppmから数十ppmの単位で存在している場合がある。
【0019】
なお、本窒化物蛍光体は、極微量であるため式(I)の組成には示されず、また、窒化物蛍光体中の母体結晶の結晶構造中にも組み込まれている可能性が低いと考えられる元素として、フッ素(F)や酸素(O)の元素が存在する場合もある。フッ素(F)や酸素(O)は、窒化物蛍光体に含まれる結晶構造を構成する元素ではなく、窒化物蛍光体に付着している酸化物等の付着物に由来する元素であるとも考えられる。窒化物蛍光体に含まれるフッ素は、原料として用いるフッ化物又はフラックスとして用いるSrF及び/又はLiFに由来するフッ素であると考えられる。窒化物蛍光体に存在するフッ素及び/又は酸素は、100ppm未満の単位で存在している場合があり、典型的には数ppmから数十ppmの単位で存在している場合がある。
【0020】
原料混合物
本製造方法において用いられる原料混合物は、本窒化物蛍光体の組成を構成する1種以上の元素を含有する複数種の化合物を原料として含み、原料混合物全体として本窒化物蛍光体の組成を構成するすべての元素を含む。
例えば、各原料は、本窒化物蛍光体の組成を構成する金属元素の金属単体及びそれらの金属化合物からなる群から選択される1種以上の元素を含むことができる。このような金属化合物としては、水素化物、窒化物、フッ化物、酸化物、炭酸塩、塩化物等を挙げることができる。原料は、発光特性を向上させる観点から、水素化物、窒化物及びフッ化物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。原料混合物が金属化合物として、酸化物、炭酸塩、塩化物等を含む場合、それらの含有量は原料混合物中に5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。金属化合物中、フッ化物は、陽イオンの元素比率を目的組成になるような化合物として原料混合物に加えることもでき、フラックスとしての効果を有する場合もある。
【0021】
元素Mを含む化合物は、Sr、Ca、Ba及びMgからなる群から選択される一種の元素Mで表される金属単体又は元素Mを含む金属化合物(以下、「第一の金属化合物」ともいう。)である。第一の金属化合物は、少なくともSrを含む化合物であることが好ましく、Srの一部がCa、Mg、Ba等で置換されていてもよい。窒化物蛍光体の発光ピーク波長を調整することができる。
第一の金属化合物は、具体的には、SrN、SrN、Sr、SrH2、SrF、Ca、CaH、CaF、Ba、BaH、BaF、Mg、MgH、MgFを挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。SrFを原料として用いる場合は、フラックスとして機能させることもできる。第一の金属化合物は、イミド化合物、アミド化合物等の化合物を使用することもできる。第一の金属化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0022】
元素Mを含む化合物は、Li、Na及びKからなる群から選択される一種の元素Mで表される金属単体又元素Mを含む金属化合物(以下、「第二の金属化合物」ともいう。)である。第二の金属化合物は、少なくともLiを含むことが好ましく、Liの窒化物及び水素化物の少なくとも1種であることがより好ましい。第二の金属化合物がLiを含む場合、Liの一部がNa、K等で置換されていてもよく、窒化物蛍光体を構成する他の金属元素を含んでいてもよい。Liを含む第二の金属化合物として具体的には、LiN、LiN、LiH及びLiAlHからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。第二の金属化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
元素Mを含む化合物は、Eu、Mn、Tb及びCeからなる群から選択される一種の元素Mで表される金属単体又は元素Mを含む金属化合物(以下、「第三の金属化合物」ともいう。)である。元素Mで表される金属単体は、実質的にEu、Mn、Tb及びCeからなる群から選択される元素のみを含む金属単体であってもよく、一部が他の金属で置き換えられた合金であってもよい。第三の金属化合物は、Euを含むことが好ましく、Euの一部がSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等で置換されていてもよい。Euの一部と置き換えられた他の元素は、共賦活剤として作用すると考えられる。共賦活剤を用いることにより、窒化物蛍光体は、発光特性の調整を行うことができる。Euを必須とする原料混合物を窒化物蛍光体の原料として使用する場合、所望により配合比を変えることができる。ユウロピウムは、主に2価と3価のエネルギー準位を有する。窒化物蛍光体は、少なくともEu2+を賦活剤として用いることが好ましい。第三の金属化合物として、Euを含む金属化合物は、具体的には、Eu、EuN及びEuFからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。窒化物蛍光体が発光の中心として2価のEuを含む場合、2価のEuは酸化されやすいため、3価のEuを含む金属化合物を用いて原料混合物を構成することができる。
【0024】
Alを含む化合物は、アルミニウム(Al)の金属単体又はAlを含む金属化合物である。Alを含む化合物は、Alのみを含み、他の金属を含まない金属化合物であってもよい。Alの一部が他の第13族元素のGa及びIn、並びに第4周期のV、Cr及びCo等からなる群から選択された金属元素で置換された金属化合物であってもよく、Alに加えてLi等の窒化物蛍光体を構成する他の金属元素を含む金属化合物であってもよい。Alを含む金属化合物は、具体的には、AlN、AlH、AlF及びLiAlHからなる群から選択される1種であることが好ましい。Alを含む化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0025】
熱処理
本製造方法は、原料混合物にフラックスとしてSrF及び/又はLiFを添加して熱処理することを含む。原料混合物とフラックスとの合計量100質量%に対して、フラックスが5.0質量%以上15質量%以下である。
【0026】
本製造方法において、熱処理温度は、1000℃以上1400℃以下の範囲で行うことができるが、1000℃以上1300℃以下が好ましく、1100℃以上1300℃以下がより好ましい。熱処理温度が1000℃以上1400℃以下であると、目的とする組成を有する窒化物蛍光体を容易に製造することができる。熱処理温度が1000℃以上1300℃以下であれば、合成された蛍光体の一部が分解して発光特性を損なうことなく、より高い発光強度を有する窒化物蛍光体を製造することができる。熱処理は、800℃以上1000℃以下で一段階目の熱処理を行い、徐々に昇温して1000℃以上1400℃以下で二段階目の熱処理を行う二段階熱処理(多段階熱処理)を行ってもよい。
【0027】
本製造方法において、熱処理の雰囲気は、窒素ガスを含む雰囲気で行うことが好ましい。窒素ガスを含む雰囲気は、窒素ガスに加えて水素、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、アンモニア等からなる群から選択される少なくとも1種を含む雰囲気であってもよい。熱処理雰囲気における窒素ガスの比率は、70体積%以上が好ましく、80体積%以上がより好ましい。
【0028】
また、本製造方法において、熱処理時の圧力は、0.2MPa以上200MPa以下の加圧下で行うことが好ましい。窒化物蛍光体は高温になるほど分解し易くなるが、加圧雰囲気にすることにより、分解が抑えられて、より高い発光強度を達成することができる。加圧雰囲気はゲージ圧として、0.2MPa以上1.0MPa以下がより好ましく、0.8MPa以上1.0MPa以下がさらに好ましい。
【0029】
熱処理の時間は、熱処理温度、ガス圧力等に応じて適宜選択すればよい。熱処理の時間は、例えば0.5時間以上20時間以下であり、1時間以上10時間以下が好ましい。
【0030】
熱処理を行なう装置として、例えば、ガス加圧電気炉を使用することができる。また、原料混合物の熱処理には、黒鉛等の炭素材質、窒化ホウ素(BN)材質、アルミナ(Al)、W、Mo材質等のルツボ、ボート等を使用することができる。
【0031】
次に、本製造方法の一例として、目的とする組成比(モル比)としてSr0.993LiEu0.007Alで表される組成を有する窒化物蛍光体を製造する方法について具体的に説明する。
【0032】
原料混合物を構成する金属化合物として、SrN(u=2/3相当、SrNとSrNの混合物)、LiAlH、AlN、EuFの各粉体を用い、それをSr:Li:Eu:Al=0.993:1.2:0.007:3になるように、不活性雰囲気のグローブボックス内で計量する。これらの粉体は、原料混合物を得るために混合される。ここでLiは焼成時に飛散しやすいため、理論組成比より多めに配合している。
【0033】
上記の原料混合物にフラックスとしてSrF及び/又はLiFを添加して、窒素ガスを含む雰囲気中で熱処理する。熱処理は、例えば、ガス加圧電気炉を使用することができる。熱処理温度は1000℃以上1400℃以下である。熱処理によって、Sr0.993Li1.000Eu0.007Alで表される組成を有する窒化物蛍光体の粒子を得ることができる。ただし、前記組成式における各元素の比は、原料混合物の配合比率より推定される理論組成比である。組成式には示していないが、上述したように、実際の窒化物蛍光体には極微量のフッ素(F)や酸素(O)が含まれる場合がある。組成式におけるSr、Li、Euの組成比(モル比)は、Alの組成比(モル比)3を基準として算出した値である。原料中のSr、Li、Euの組成比(モル比)は、熱処理時に各元素が飛散したり、目的とする組成を有する結晶構造が分解したりするため、理論組成比と異なる場合もある。また、各原料の配合比率を変更することにより、目的とする組成比(モル比)を有する窒化物蛍光体を得ることができる。
【0034】
粉砕
本製造方法は、熱処理後に得られた熱処理物を粉砕することを含んでいてもよい。粉砕機としては、例えばボールミル、振動ミル、ハンマーミル、ロールミル、ジェットミル等の乾式粉砕機が挙げられる。また、粉砕は、乳鉢と乳棒等を用いて熱処理物を粉砕してもよい。
【0035】
分級
本製造方法は、熱処理後に得られた熱処理物を分級すること含んでいてもよく、熱処理物を粉砕後に分級することを含んでいてもよい。分級によって、得られる窒化物蛍光体の平均粒径を所定値以上とすることができ、窒化物蛍光体への励起光の吸収率及びより高い発光強度を有する窒化物蛍光体を得ることができる。分級は、具体的には、篩い分け、溶液中での重力による沈降分級、遠心分離等を行う。
【0036】
窒化物蛍光体
本窒化物蛍光体は、Sr、Ca、Ba及びMgからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mと、Li、Na及びKからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mと、Eu、Ce、Tb及びMnからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mと、Alと、Nとを含む組成を有する。本窒化物蛍光体は、前記式(I)で表される組成を有することが好ましい。また、本窒化物蛍光体は、前記式(I)において、元素Mは少なくともSrを含むことが好ましく、元素Mは少なくともLiを含むことが好ましい。
【0037】
本明細書において窒化物蛍光体の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えばMALVERN社製MASTER SIZER2000)により測定される小径側からの体積累積頻度が50%に達する粒径(D50:メジアン径)である。
本窒化物蛍光体の平均粒径は、好ましくは4.0μm以上、より好ましくは4.5μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下である。本窒化物蛍光体は、その平均粒径が所定値以上であると、発光効率が高くなる。また、平均粒径が所定値以下である窒化物蛍光体は、発光装置の製造工程における作業性を向上させることができる。
【0038】
本窒化物蛍光体は、狭い粒径分布を有することが好ましい。粒径のバラツキが小さいことで、色ムラが抑制され、良好な色調を有する発光装置が得られる。
【0039】
本窒化物蛍光体は、粒子の大部分に結晶構造を有していることが好ましい。例えばガラス体(非晶質)はルーズな結晶構造を有するため、蛍光体中の成分比率が一定ではなく、色度ムラ等を生じる虞がある。したがって、これを回避するために生産工程における反応条件を厳密に一様に管理する必要が生じる。粒子の大部分に結晶構造を有する蛍光体は、製造及び加工し易い。また、粒子の大部分に結晶構造を有する蛍光体は、樹脂に均一に分散することが容易であるため、封止樹脂と蛍光体とを含む蛍光部材を容易に形成することができる。蛍光部材は、発光装置において、励起光源となる発光素子を覆う部材である。蛍光体粒子中の結晶構造の含有量は、発光性を有する結晶相の割合を示す。本窒化物蛍光体は、少なくとも50質量%以上、より好ましくは80質量%以上の結晶相を有する。発光性を有する結晶相を50質量%以上有していれば、実用に耐え得る発光が得られる。
【0040】
本窒化物蛍光体は、紫外線から可視光の短波長側領域である400nm以上570nm以下の波長範囲の光を吸収して、図1に示されるように、発光ピーク波長が630nm以上670nm以下の波長範囲にある蛍光を発する。本窒化物蛍光体の発光スペクトルの半値幅は、45nm以上65nm以下である。400nm以上570nm以下の波長範囲の励起光源を用いることにより、蛍光体の発光効率を向上させることができる。励起光源は、420nm以上500nm以下に主発光ピーク波長を有するものを用いることが好ましく、420nm以上460nm以下に主発光ピーク波長を有するものを用いることがより好ましい。
【実施例】
【0041】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0042】
(実施例1)
EuAlで表される組成を有する窒化物蛍光体を得るために、MをSr、MをLiとした。SrN(u=2/3相当、SrNとSrNの混合物)、LiAlH、AlN、EuFの各化合物を原料として用い、それを各原料モル比として、Sr:Li:Eu:Al=0.993:1.2:0.007:3になるように、不活性雰囲気のグローブボックス内で計量し、混合し原料混合物を得た。原料混合物とフラックスの合計量100質量%に対して、フラックスとして5質量%のSrFを原料混合部に添加した。原料モル比は、目的とする窒化物蛍光体の組成比(モル比)である。Liは焼成時に飛散しやすいため、目的とする組成比より多めに配合した。原料混合物とフラックスをルツボに充填し、窒素ガス雰囲気で、ガス圧力をゲージ圧として0.92MPa(絶対圧力では1.02MPa)とし、温度1100℃で、3時間の熱処理を行ない、窒化物蛍光体粒子を得た。その後、粉砕し、分級して窒化物蛍光体を得た。
表1に、各実施例及び比較例に用いた原料混合物に含まれる化合物及びフラックスと、フラックスの添加量(質量%)を記載した。
【0043】
(実施例2)
原料混合物とフラックスの合計量100質量%に対して、フラックスとして10質量%のSrFを原料混合物に添加すること以外は、実施例1と同様にして窒化物蛍光体粒子を得た。
【0044】
(実施例3)
原料混合物とフラックスの合計量100質量%に対して、フラックスとして5質量%のLiFを原料混合物に添加すること以外は、実施例1と同様にして窒化物蛍光体粒子を得た。
【0045】
(実施例4)
原料混合物とフラックスの合計量100質量%に対して、フラックスとして10質量%のLiFを原料混合物に添加すること以外は、実施例1と同様にして窒化物蛍光体粒子を得た。
【0046】
(実施例5)
EuAlで表される組成を有する窒化物蛍光体を得るために、MをLiとし、原料としてLiHを用い、このLiHを含む原料混合物とフラックスの合計量100質量%に対して、フラックスとして5質量%のLiFを原料混合物に添加すること以外は、実施例1と同様にして、窒化物蛍光体粒子を得た。
【0047】
(実施例6)
原料混合物とフラックスの合計量100質量%に対して、フラックスとして10質量%のLiFを原料混合物に添加すること以外は、実施例5と同様にして、窒化物蛍光体粒子を得た。
【0048】
(実施例7)
原料混合物とフラックスの合計量100質量%に対して、フラックスとして15質量%のLiFを原料混合物に添加すること以外は、実施例5と同様にして、窒化物蛍光体粒子を得た。
【0049】
(比較例1)
SrFを原料混合物に添加しないこと以外は、実施例1と同様にして、窒化物蛍光体粒子を得た。
【0050】
(比較例2)
EuAlで表される組成を有する窒化物蛍光体を得るために、MをLiとし、原料としてLiHを用い、このLiHを含む原料混合物にLiFを添加しないこと以外は、実施例5と同様にして、窒化物蛍光体粒子を得た。
【0051】
(比較例3)
EuAlで表される組成を有する窒化物蛍光体を得るために、MをLiとし、原料としてLiHを用い、このLiHを含む原料混合物にフラックスとして2.5質量%のSrFを添加したこと以外は、実施例5と同様にして、窒化物蛍光体粒子を得た。
【0052】
(比較例4)
EuAlで表される組成を有する窒化物蛍光体を得るために、MをLiとし、原料としてLiHを用い、このLiHを含む原料混合物にフラックスとして5質量%のSrClを添加したこと以外は、実施例5と同様にして、窒化物蛍光体粒子を得た。
【0053】
(比較例5)
EuAlで表される組成を有する窒化物蛍光体を得るために、MをLiとし、原料としてLiHを用い、このLiHを含む原料混合物にフラックスとして5質量%のLiClを添加したこと以外は、実施例5と同様にして、窒化物蛍光体粒子を得た。
【0054】
(比較例6)
EuAlで表される組成を有する窒化物蛍光体を得るために、MをLiとし、原料としてLiHを用い、このLiHを含む原料混合物にフラックスとして20質量%のLiFを添加したこと以外は、実施例5と同様にして、窒化物蛍光体粒子を得た。
【0055】
(比較例7)
EuAlで表される組成を有する窒化物蛍光体を得るために、MをLiとし、原料としてLiHを用い、このLiHを含む原料混合物にフラックスとして5質量%のBaFを添加したこと以外は、実施例5と同様にして、窒化物蛍光体粒子を得た。
【0056】
(比較例8)
EuAlで表される組成を有する窒化物蛍光体を得るために、MをLiとし、原料としてLiHを用い、このLiHを含む原料混合物にフラックスとして5質量%のCaFを添加したこと以外は、実施例5と同様にして、窒化物蛍光体粒子を得た。
【0057】
(評価)
平均粒径
得られた窒化物蛍光体について、レーザー回折式粒度分布測定装置(MALVERN社製MASTER SIZER 2000)により、平均粒径を測定した。本明細書において窒化物蛍光体の平均粒径は、小径側からの体積累積頻度が50%に達する粒径(D50:メジアン径)である。
【0058】
発光特性
得られた窒化物蛍光体について、発光特性を測定した。窒化物蛍光体の粉体の発光特性は、分光蛍光光度計:QE−2000(大塚電子株式会社製)で励起光の波長を450nmとして測定した。その得られた発光スペクトルから相対発光強度Ip(%)、発光ピーク波長λp(nm)、半値幅FWHM(nm)を求めた。各実施例及び比較例の窒化物蛍光体の相対発光強度Ip(%)の結果を表1に示す。また、各実施例の発光ピーク波長λp(nm)は650nmから655nmの範囲であり、各比較例の発光ピーク波長λp(nm)は650nmから660nmの範囲であった。また、各実施例及び比較例の窒化物蛍光体の半値幅FWHM(nm)は、50nmから55nmの範囲であった。なお、相対発光強度Ip(%)は、比較例1の窒化物蛍光体を基準(100%)として算出した。また、図1は、実施例1、実施例2及び比較例1で得られた窒化物蛍光体の発光スペクトルをそれぞれ示す。
【0059】
組成分析
得られた窒化物蛍光体について、誘導結合プラズマ発光分析装置(Perkin Elmer(パーキンエルマー)社製)を用いてICP発光分析法により、Sr、Li、Eu、Al及びNの各元素の組成比(モル比)を測定した。その結果を表2に示す。なお、各元素の組成比(モル比)は、Alの組成比(モル比)3を基準として算出した値である。
【0060】
SEM写真
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、実施例1、比較例1及び比較例6の窒化物蛍光体のSEM写真を得た。図2は実施例1の窒化物蛍光体のSEM写真であり、図3は比較例1の窒化物蛍光体のSEM写真である。また、図4は実施例1の窒化物蛍光体について、図2とは異なる倍率で異なる部位を撮影した実施例1の窒化物蛍光体のSEM写真であり、図5は、図4と同じ倍率で撮影した比較例6の窒化物蛍光体のSEM写真である。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
表1に示すように、SrF又はLiFをフラックスとして用いている実施例1から7に係る窒化物蛍光体は、比較例1を基準とする相対発光強度が100%を超えている。この結果から、実施例1から7に係る窒化物蛍光体は、従来よりも高い発光強度を有することが分かった。これらの実施例のうち、実施例1、2と、実施例3、4を比較すると、表1に示すように、フラックスとしてSrFを用いた実施例1、2のほうが、フラックスとしてLiFを用いた実施例3、4よりも相対発光強度が高くなっている。また、実施例3、4と、実施例5、6を比較すると、表1に示すように、Li原料としてLiHを用いている実施例5、6のほうが、Li原料としてLiAlHを用いている実施例3、4よりも、相対発光強度が若干高くなっている。さらに、実施例5、6及び7を比較すると、LiFの添加量を多くするに従って、相対発光強度が高くなっている。
また、実施例1から7に係る窒化物蛍光体は、発光スペクトルにおける発光ピーク波長が650nm付近であり、半値幅も50nm付近であった。
また、表2に示すように、各実施例及び比較例に係る窒化物蛍光体は、組成分析の結果、式(I)で表される組成を有していた。
【0064】
表1に示すように、フラックスを用いていない比較例1及び比較例2に係る窒化物蛍光体は、SrF又はLiFをフラックスとして用いている実施例1から7に係る窒化物蛍光体よりも相対発光強度が低い。また、フラックスを用いた場合であっても、SrFの添加量が2.5質量%であり、実施例よりも添加量が少ない比較例3に係る窒化物蛍光体は、相対発光強度が低い。また、フラックスとしてLiFを実施例よりも多い20質量%添加した比較例6に係る窒化物蛍光体は、相対発光強度は比較例1より高いものの、粒子同士が溶融して硬く焼結したような状態であり、図5に示されるように、粉砕後には、割れた破片のような微細な粒子や粗大粒子が混在しており、粒径が大きくばらついていた。一方、実施例1に係る窒化物蛍光体は、図4に示すように、粒径に大きなばらつきが確認できなかった。フラックスとしてSr又はLiの塩化物を用いた比較例4及び比較例5に係る窒化物蛍光体は、相対発光強度が低い。さらに、フラックスとして、BaFを用いた比較例7及びCaClを用いた比較例8に係る窒化物蛍光体も、相対発光強度が低い。これらの相対発光強度が低い理由は定かでないが、原料に含まれる他の化合物との融点の違いや反応性の違いにより、原料中で化合物同士の均一な反応が進まず、窒化物蛍光体の結晶性が低下した可能性が考えられる。
【0065】
図1に示すように、実施例1及び実施例2に係る窒化物蛍光体の相対発光強度は、比較例1に係る窒化物蛍光体の相対発光強度よりも高い。実施例1及び実施例2に係る窒化物蛍光体の発光ピーク波長及びピーク形状は、比較例1に係る窒化物蛍光体とほぼ同じである。また、図2に示される実施例1に係る窒化物蛍光体と、図3に示される比較例1に係る窒化物蛍光体は、外観上ほぼ同じであった。これらのことから、実施例1及び実施例2に係る窒化物蛍光体は、本実施例の方法によっても、結晶構造が変化しておらず、結晶構造も安定していると推測される。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本開示にかかる製造方法によれば、より高い発光強度を有する窒化物蛍光体を得ることができる。この窒化物蛍光体を用いた発光装置は、照明用の光源等として好適に利用できる。特に発光ダイオードを励起光源とする発光特性に極めて優れた照明用光源、LEDディスプレイ、液晶用バックライト光源等に好適に利用できる。
図1
図2
図3
図4
図5