特許第6575594号(P6575594)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6575594
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】接続構造および接続部保護部材
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/00 20060101AFI20190909BHJP
【FI】
   H01R9/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-524217(P2017-524217)
(86)(22)【出願日】2015年6月17日
(86)【国際出願番号】JP2015067515
(87)【国際公開番号】WO2016203589
(87)【国際公開日】20161222
【審査請求日】2018年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡 太一
【審査官】 杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−121668(JP,U)
【文献】 特開平09−063672(JP,A)
【文献】 特開平10−208790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子台に設けられた板状の複数の第1電極と、複数のケーブルの端部にそれぞれ設けられた板状の複数の第2電極と、をそれぞれ接続する接続構造であって、
前記複数の第1電極と前記複数の第2電極の接続部のそれぞれを一括して覆うように設けられ、前記端子台にボルト固定される絶縁体からなるハウジングを有する接続部保護部材を有し、
前記ハウジングを前記端子台にボルト固定することで、前記ハウジングにより前記各接続部が一括して押圧されるように構成されており
前記接続部保護部材は、前記各接続部に対応した複数の弾性部材を有し、当該弾性部材により、前記各接続部を押圧するように構成されており、
前記接続部保護部材は、前記ハウジングと前記弾性部材との間に配置され前記弾性部材による前記ハウジングの変形を抑制する金属からなるカラーを備える、
接続構造。
【請求項2】
前記第1電極と前記第2電極は、それぞれ貫通孔を有し、
前記カラーは、前記両電極の貫通孔に挿通されるピン部を有する、
請求項に記載の接続構造。
【請求項3】
前記接続部保護部材は、1本のボルトで前記端子台に固定されるように構成されており、
前記ボルトの固定位置が、平面視で前記各接続部における前記貫通孔の中心位置を連結して形成される図形の重心位置に形成されている、
請求項1または2に記載の接続構造。
【請求項4】
端子台に設けられた板状の複数の第1電極と、複数のケーブルの端部にそれぞれ設けられた板状の複数の第2電極と、を接続する接続部に設けられる接続部保護部材であって、
前記複数の第1電極と前記複数の第2電極の前記接続部のそれぞれを一括して覆うように設けられ、前記端子台にボルト固定される絶縁体からなるハウジングと、
前記各接続部を押圧するように構成されており、前記各接続部に対応した複数の弾性部材と、
前記ハウジングと前記弾性部材との間に配置され前記弾性部材による前記ハウジングの変形を抑制する金属からなるカラーと、
を有し、
前記ハウジングを前記端子台にボルト固定することで、前記ハウジングにより前記各接続部が一括して押圧されるように構成されている、
接続部保護部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続構造および接続部保護部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電気自動車やハイブリッド車等において、バッテリやインバータ等の機器とケーブルとを接続する際に、機器の端子台に設けられた板状の第1電極(バスバ端子)と、ケーブルの端部に設けられた板状の第2電極(バスバ端子)とをねじ止め固定により電気的に接続することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−969310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のようなバッテリやインバータとケーブルとの接続部では大電流が流れる場合があり、作業者が直接端子等に触れると感電してしまうおそれがある。車両のシステム構成によっては、バッテリやインバータの端子台が剥き出しとなっている場合もあり、作業者の安全を確保するために、作業者が接続部に直接触れることができない構造とすること、すなわち接続部をタッチプロテクト構造とすることが望まれている。
【0005】
また、上述のようなバッテリやインバータとケーブルとの接続部では、複数のケーブルを一括して接続することが多く、各接続部でねじ止め作業を行わなければならないため、接続作業に手間がかかるという問題もある。
【0006】
そこで、本発明は、接続部をタッチプロテクト構造とすることができ、かつ、接続作業の容易な接続構造および接続部保護部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、端子台に設けられた板状の複数の第1電極と、複数のケーブルの端部にそれぞれ設けられた板状の複数の第2電極と、をそれぞれ接続する接続構造であって、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極の接続部のそれぞれを一括して覆うように設けられ、前記端子台にボルト固定される絶縁体からなるハウジングを有する接続部保護部材を有し、前記ハウジングを前記端子台にボルト固定することで、前記ハウジングにより前記各接続部が一括して押圧されるように構成されている、接続構造を提供する。
【0008】
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、端子台に設けられた板状の複数の第1電極と、複数のケーブルの端部にそれぞれ設けられた板状の複数の第2電極と、を接続する接続部に設けられる接続部保護部材であって、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極の前記接続部のそれぞれを一括して覆うように設けられ、前記端子台にボルト固定される絶縁体からなるハウジングを有し、前記ハウジングを前記端子台にボルト固定することで、前記ハウジングにより前記各接続部が一括して押圧されるように構成されている、接続部保護部材を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、接続部をタッチプロテクト構造とすることができ、かつ、接続作業の容易な接続構造および接続部保護部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態に係る接続構造を示す分解斜視図である。
図2】(a)は図1の接続構造の斜視図、(b)はその平面図である。
図3】(a)は図2(b)の3A−3A線断面図、(b)は図2(b)の3B−3B線断面図である。
図4】接続部保護部材の斜視図である。
図5】本発明の一変形例に係る接続構造の平面図である。
図6】(a),(b)は、図1の接続構造における接続手順を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0012】
(接続構造の全体構成)
図1は、本実施の形態に係る接続構造を示す分解斜視図であり、図2(a)はその斜視図、図2(b)はその平面図である。また、図3(a)は図2(b)の3A−3A線断面図、図3(b)は図2(b)の3B−3B線断面図である。
【0013】
図1〜3に示すように、接続構造1は、端子台2に設けられた板状の複数の第1電極(バスバ端子)3と、複数のケーブル4の端部にそれぞれ設けられた板状の複数の第2電極(バスバ端子)5と、をそれぞれ接続する構造である。
【0014】
ここでは、直流の電源信号を伝送する場合を想定して、両電極3,5およびケーブル4をそれぞれ2つずつ有する場合を説明するが、両電極3,5およびケーブル4の本数はこれに限定されるものではない。
【0015】
端子台2は、例えば、バッテリやインバータ等の機器に一体に設けられるものであり、台座部2aに第1電極3の先端部を載置して構成されている。なお、図1,2では省略しているが、図3(a),(b)に示すように、第1電極3の基端部は絶縁体からなるハウジング部(樹脂モールド)2bに覆われており、第1電極3の先端部がハウジング部2bから延出されるように構成されている。なお、台座部2aはハウジング部2bと一体にもうけられていてもよいし、別体に設けられていてもよい。
【0016】
第1電極3には、貫通孔3aが形成されており、この貫通孔3aと対向する位置の台座部2aには、ねじ穴2cが形成されている。これら貫通孔3aとねじ穴2cは、本来は両電極3,5の接続部6をねじ止め固定するために用いられるものであるが、本実施の形態では、これら貫通孔3aとねじ穴2cに後述するカラー14のピン部14bを通すことで、両電極3,5の位置決めおよび電極3,5の抜け止めを行うように構成されている。
【0017】
また、端子台2には、後述する接続部保護部材10をボルト固定するためのボルト固定用穴7が形成されている。ボルト固定用穴7は、平面視で、その中心が2つの貫通孔3a(ねじ穴2c)の中心と一直線上となる位置に形成されている。
【0018】
なお、本実施の形態では、両第1電極3に対応した2つの略直方体形状の台座部2aを、ボルト固定用穴7を有する円柱体7aで連結しているが、端子台2の構造はこれに限定されず、例えば、両第1電極3に対応した1つの略直方体形状の台座部2aを形成し、両ねじ穴2cの中間の位置の台座部2aにボルト固定用穴7を形成するように構成してもよい。
【0019】
ケーブル4は、単線または撚線導体からなる中心導体4aの外周を絶縁体からなるシース4bで被覆して構成されている。ケーブル4の先端部では、シース4bから中心導体4aが延出され、その延出された中心導体4aに第2電極5が電気的に接続されている。
【0020】
ここでは、機器の筐体(不図示)に設けられたケーブル挿入穴とケーブル4との間をシールするOリング8aを有するシール機構8を両ケーブル4に備えているが、例えば、防水構造とする必要がない場合や、端子台2が筐体内に備えられておらず機器から露出して設けられている場合等には、シール機構8は省略可能である。
【0021】
第2電極5は、ケーブル4の先端部にてシース4bから延出された中心導体4aにかしめ固定されるかしめ部5aと、かしめ部5aと一体に形成されかしめ部5aから前方(ケーブル4の延出側と反対方向)に延出された板状の端子部5bと、を有している。
【0022】
端子部5bには、貫通孔5cが形成されている。この貫通孔5cは、上述の第1電極3の貫通孔3aと同様に、本来は両電極3,5の接続部6をねじ止め固定するために用いられるものであるが、本実施の形態では、両貫通孔3a,5cとねじ穴2cに後述するカラー14のピン部14bを通すことで、両電極3,5の位置決めおよび電極3,5の抜け止めを行うように構成されている。
【0023】
(接続部保護部材の説明)
図1〜4に示すように、本実施の形態に係る接続構造1では、複数の第1電極3と複数の第2電極5の接続部6のそれぞれを一括して覆うように設けられ、端子台2にボルト固定される絶縁体からなるハウジング9を有する接続部保護部材10を有し、ハウジング9を端子台2にボルト固定することで、ハウジング9により各接続部6が一括して押圧されるように構成されている。
【0024】
つまり、接続部保護部材10は、接続部6を保護し接続部6に作業者が触れることを抑制する役割と、各接続部6を押圧して両電極3,5の電気的接続を安定させる役割とを兼ねた部材である。
【0025】
ハウジング9は、各接続部6を覆うように設けられる下方(接続部6側)が開口した略直方体形状の本体部9aと、接続部6からケーブル4側に延びる第2電極5の基端部(かしめ部5a)を覆うように設けられる2つの延出部9bと、を一体に備えている。延出部9bは、第2電極5の基端部まで(シース4bの先端部まで)を覆うように形成されており、かしめ部5aの形状に沿った湾曲した形状に形成されている。ここでは、2つの延出部9bを形成しているが、両延出部9bを連結して一体としても構わない。
【0026】
本体部9aには、ボルト固定用のボルト13を通すためのボルト穴9cが形成されている。本体部9aは、その下端部が端子台2の台座部2aに当接して、接続部6の側方と上方を覆うように構成されている。接続部6の下方は端子台2の台座部2aで覆われることになる。
【0027】
本実施の形態では、延出部9bは、第2電極5の上方と側方の一部のみを覆うように構成されている。これは、通常、機器の筐体や端子台2の一部等が第2電極5の下方に設けられており、第2電極5の下部に作業者が触れてしまうおそれがないためである。ただし、例えば端子台2が機器の筐体等から露出して設けられる場合など、第2電極5の下部に作業者が触れてしまうおそれがある場合には、延出部9bの側壁を第2電極5の下方まで延出する、あるいは、別部材で第2電極5の下方を覆うなどして、タッチプロテクト構造を実現するとよい。
【0028】
また、接続部6からは第1電極3も延出されているため、この第1電極3の延出部分を覆うようにハウジング9を構成することが望ましい。具体的には、ハウジング9を、第1電極3の基端部を覆うハウジング部2bと接するように形成するか、あるいは、ハウジング9とハウジング部2bとの間の隙間が作業者の指が入らない程度の隙間となるように、ハウジング9の先端部がハウジング部2bに近接するように形成するとよい。本実施の形態では、略直方体形状にハウジング9を形成したが、これに限らず、ハウジング9の形状は、端子台2のハウジング部2bの形状にあわせて適宜変更可能である。
【0029】
ハウジング9としては、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)や、ナイロンからなるものを用いることができる。また、接続部6を流れる電流が大きく耐熱性が要求される場合、ハウジング9としては、例えば、ハイテンプラチャーナイロン(PA6T)や、PPS(ポリフェニレンサルファイド)からなるものを用いることができる。
【0030】
また、本実施の形態では、接続部保護部材10は、各接続部6に対応した複数の弾性部材としてのコイルばね11を有し、コイルばね11により各接続部6を押圧するように構成されている。ここでは、2つの接続部6に対応するように、2つのコイルばね11が備えられている。本実施の形態では、コイルばね11の接続部6側の端部に一体にワッシャ12を設けたスプリングワッシャを用いている。
【0031】
各接続部6を弾性部材であるコイルばね11で押圧することにより、例えば、製造公差等により電極3,5が変形あるいは湾曲している場合であっても、コイルばね11の反力により両電極3,5を密着させることが可能になり、両電極3,5間に隙間が生じ当該隙間の影響により放電等の不具合が発生することを抑制することが可能になる。
【0032】
また、接続部保護部材10は、ハウジング9と弾性部材であるコイルばね11との間に配置されコイルばね11によるハウジング9の変形を抑制する金属からなるカラー14を備えている。本実施の形態では、2つの接続部6に対応するように、2つのカラー14が備えられている。
【0033】
カラー14は、コイルばね11とハウジング9(本体部9a)との間に配置される板状のばね支持部14aと、ばね支持部14aから下方(ハウジング9と反対側)に突出するように設けられ、両電極3,5の貫通孔3a,5cおよび端子台2のねじ穴2cに挿通される円柱状のピン部14bと、を有している。支持部14aとピン部14bとは一体に形成されており、共に金属からなる。
【0034】
ばね支持部14aは、ハウジング9を端子台2にボルト固定した際のコイルばね11の反力を分散してハウジング9に伝えることで、ハウジング9の変形を抑制するものであり、ハウジング9の変形を十分に抑制可能な大きさに形成される。ばね支持部14aには、コイルばね11の上端部を係止あるいは溶接することで、コイルばね11がばね支持部14aから離脱しないように固定されている。
【0035】
ピン部14bは、コイルばね11とワッシャ12の中空部を通って下方に延出されており、ハウジング9を端子台2にボルト固定した際に、両電極3,5の貫通孔3a,5cと端子台2のねじ穴2cに挿入される。これにより、両電極3,5の位置決めがなされると共に、両電極3,5が接続部6からの抜けてしまうことが抑制される。
【0036】
接続部保護部材10では、カラー14は、インサート成形あるいは接着あるいは係止等によりハウジング9に一体に設けられており、ハウジング9とカラー14とコイルばね11とワッシャ12とが一体に構成されている。これにより、ハウジング9とカラー14とを別体とした場合と比較して、接続作業を容易にすることが可能になる。
【0037】
ところで、接続作業を容易にするという観点から、接続部保護部材10を固定するボルト13の本数は少ない方が望ましいといえる。本実施の形態では、接続部保護部材10は、1本のボルト13で端子台2に固定されるように構成されている。本実施の形態に係る接続構造1では、接続部保護部材10を1本のボルト13で固定することにより、2つの接続部6にて一括して両電極3,5の押圧、固定を行うことが可能であり、接続作業が容易である。
【0038】
接続部保護部材10をボルト固定する際の位置、すなわちボルト13の固定位置は、コイルばね11の反力による負荷の影響を小さくするために、なるべく接続部6の近くとすることが望ましく、また、締結時のバランスをとるために、2つの接続部6からの距離が等しくなる位置とすることが望ましい。
【0039】
本実施の形態では、ボルト13の固定位置を、平面視で両接続部6における貫通孔3a,5c(ねじ穴2c)の中心位置を連結した線分の中心の位置とし、貫通孔3a,5c(ねじ穴2c)の中心とボルト13の固定位置(ボルト固定用穴7、ボルト穴9cの中心)とが平面視で一直線上に配置されるようにした。
【0040】
なお、ここでは接続部6が2つである場合を説明したが、接続部6が3つ以上となる場合には、ボルト13の固定位置を、各接続部6における貫通孔3a,5c(ねじ穴2c)の中心位置を連結して形成される図形の重心位置に形成することが望ましい。
【0041】
例えば、接続部6が3つである場合には、図5に示すように、平面視で各接続部6における貫通孔3a,5c(ねじ穴2c)の中心位置を連結して形成される三角形の重心位置に、ボルト13の固定位置を設定するとよい。これにより、1本のボルト13でバランスよくハウジング9を締結することが可能になり、接続作業がより容易になる。
【0042】
(接続構造1における接続手順の説明)
図6(a)に示すように、まず、ケーブル4の先端部に設けられた第2電極5の端子部5bを、端子台2の台座部2a上に載置された第1電極3の上方に重ね合わせる。
【0043】
その後、図6(b)に示すように、接続部保護部材10を端子台2にボルト固定する。このとき、カラー14のピン部14bが両電極3,5の貫通孔3a,5cおよびねじ穴2cに挿入されて両電極3,5が固定されると共に、コイルばね11の反力により両電極3,5が押圧されて密着し、両電極3,5が電気的に接続される。また、接続部6を含む活電部全体が絶縁体からなるハウジング9に覆われることとなり、作業者が活電部に触れることができなくなる。
【0044】
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る接続構造1では、複数の第1電極3と複数の第2電極5の接続部6のそれぞれを一括して覆うように設けられ、端子台2にボルト固定される絶縁体からなるハウジング9を有する接続部保護部材10を有し、ハウジング9を端子台2にボルト固定することで、ハウジング9により各接続部6が一括して押圧されるように構成されている。
【0045】
接続部6を絶縁体からなるハウジング9で覆うことで、作業者が接続部6に直接触れることができない構造とすること、すなわち接続部6をタッチプロテクト構造とすることが可能になる。その結果、接続作業を安全に行うことが可能になり、感電等の不具合が発生することを抑制できる。
【0046】
また、ハウジング9により各接続部6を一括して押圧する構成とすることで、接続部6毎にねじ止め作業を行う必要がなくなり、接続作業が容易になる。
【0047】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0048】
[1]端子台(2)に設けられた板状の複数の第1電極(3)と、複数のケーブル(4)の端部にそれぞれ設けられた板状の複数の第2電極(5)と、をそれぞれ接続する接続構造(1)であって、前記複数の第1電極(3)と前記複数の第2電極(5)の接続部(6)のそれぞれを一括して覆うように設けられ、前記端子台(2)にボルト固定される絶縁体からなるハウジング(9)を有する接続部保護部材(10)を有し、前記ハウジング(9)を前記端子台(2)にボルト固定することで、前記ハウジング(9)により前記各接続部(6)が一括して押圧されるように構成されている、接続構造(1)。
【0049】
[2]前記接続部保護部材(10)は、前記各接続部に対応した複数の弾性部材(11)を有し、当該弾性部材(11)により、各接続部(6)を押圧するように構成されている、[1]に記載の接続構造(1)。
【0050】
[3]前記接続部保護部材(10)は、前記ハウジング(9)と前記弾性部材(11)との間に配置され前記弾性部材(11)による前記ハウジング(9)の変形を抑制する金属からなるカラー(14)を備える、[2]に記載の接続構造。
【0051】
[4]前記第1電極(3)と前記第2電極(3)は、それぞれ貫通孔(3a,5c)を有し、前記カラー(14)は、前記両電極(3,5)の貫通孔(3a,5c)に挿通されるピン部(14b)を有する、[3]に記載の接続構造(1)。
【0052】
[5]前記接続部保護部材(10)は、1本のボルト(13)で前記端子台(2)に固定されるように構成されており、前記ボルト(13)の固定位置が、平面視で前記各接続部(6)における前記貫通孔(3a,5c)の中心位置を連結して形成される図形の重心位置に形成されている、[4]に記載の接続構造(1)。
【0053】
[6]端子台(2)に設けられた板状の複数の第1電極(3)と、複数のケーブル(4)の端部にそれぞれ設けられた板状の複数の第2電極(5)と、を接続する接続部(6)に設けられる接続部保護部材(10)であって、前記複数の第1電極(3)と前記複数の第2電極(5)の前記接続部(6)のそれぞれを一括して覆うように設けられ、前記端子台(2)にボルト固定される絶縁体からなるハウジング(9)を有し、前記ハウジング(9)を前記端子台(2)にボルト固定することで、前記ハウジング(9)により前記各接続部(6)が一括して押圧されるように構成されている、接続部保護部材(10)。
【0054】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0055】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…接続構造
2…端子台
3…第1電極
3a…貫通孔
4…ケーブル
5…第2電極
5c…貫通孔
6…接続部
7…ボルト固定用穴
9…ハウジング
10…接続部保護部材
11…コイルばね(弾性部材)
12…ワッシャ
13…ボルト
14…カラー
14a…ばね支持部
14b…ピン部
図1
図2
図3
図4
図5
図6