【実施例】
【0157】
以下、本発明の具体的な実施例を提示する。ただし、下記に記載された実施例は、本発明を具体的に例示したり説明するためのものに過ぎず、これによって本発明が制限されてはならない。
【0158】
以下、本発明の合成例および実施例に使用された出発物質および反応物は、特別な言及がない場合、Sigma−Aldrich社またはTCI社で購入した。
【0159】
(第1化合物の合成)
[合成例1:化合物1の合成]
a)中間体1−1の合成
【0160】
【化48】
【0161】
500mLの丸底フラスコに2−(3−ブロモフェニル)−4,5−ジフェニル−1,3,5−トリアジン20g(51.51mmol)をトルエン250mLに溶かす。ジクロロジフェニルホスフィノフェロセンパラジウム0.05当量、ビスピナコラトジボロン1.2当量、酢酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で18時間加熱還流させた。反応液を冷却させ、水100mLを入れて有機層を抽出する。有機層を集めて活性炭素を処理後、シリカゲルでろ過した後、濾液を濃縮する。濃縮された残留物を集めてトルエン200mLとアセトン50mLで結晶化して生成物の中間体1−1を19.1gを得た。
【0162】
b)化合物1の合成
【0163】
【化49】
【0164】
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体1−1 19g(43.79mmol)をテトラヒドロフラン200mL、蒸溜水50mLを入れ、2−(3−ブロモフェニル)−4,5−ジフェニル−1,3,5−トリアジン1当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で加熱還流する。18時間後に反応液を冷却させ、析出された固体をろ過し、水500mLで洗う。固体をモノクロロベンゼン500mLで再結晶して化合物1を22.41g得た。
【0165】
LC/MS calculated for:C42H28N6 Exact Mass:616.2375 found for:617.24 [M+H]
[合成例2:化合物2の合成]
【0166】
【化50】
【0167】
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体1−1 15g(34.46mmol)と、1,3−ジブロモベンゼン0.5当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量、テトラヒドロフラン200mL、蒸溜水50mLを入れて窒素大気下で加熱還流する。20時間後に反応液を冷却させ、析出された固体をろ過し、水500mLで洗う。固体をジクロロベンゼン400mLで再結晶して化合物2を9.2g得た。
【0168】
LC/MS calculated for:C48H32N6 Exact Mass: 692.2688 found for:693.27 [M+H]
[合成例3:化合物3の合成]
a)中間体3−1の合成
【0169】
【化51】
【0170】
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体1−1 30g(68.92mmol)と、1,3−ジブロモベンゼン1.2当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量、テトラヒドロフラン300mL、蒸溜水100mLを入れて窒素大気下で加熱還流する。18時間後に反応液を冷却させ、反応液をメタノール1Lに懸濁させ、攪拌ろ過した後、水500mLで洗う。固体をジクロロベンゼン400mLで再結晶して中間体3−1を32g得た。
【0171】
b)中間体3−2の合成
【0172】
【化52】
【0173】
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体3−1 32g(68.91mmol)をトルエン350mLに入れ、ジクロロジフェニルホスフィノフェロセンパラジウム0.05当量、ビスピナコラトジボロン1.2当量、酢酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で18時間加熱還流させた。反応液を冷却させ、水100mLを入れて有機層を抽出する。有機層を集めて活性炭素を処理後、シリカゲルでろ過した後、濾液を濃縮する。濃縮された残留物を集めてトルエン1Lに加熱して溶かし、活性炭素を処理後、シリカゲルでろ過する。濾液に冷却させて攪拌して固体を析出させる。析出された固体をろ過して中間体3−2を29.96g得た。
【0174】
c)化合物3の合成
【0175】
【化53】
【0176】
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体3−2 15g(29.33mmol)と、前記合成された中間体3−1 1当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量、テトラヒドロフラン200mL、蒸溜水50mLを入れて窒素大気下で加熱還流する。18時間後に反応液を冷却させ、反応液をろ過した後、水500mLで洗う。固体をジクロロベンゼン500mLで再結晶して化合物3を16.01g得た。
【0177】
LC/MS calculated for:C54H36N6 Exact Mass: 768.3001 found for:769.3 [M+H]
[合成例4:化合物100の合成]
a)中間体100−1の合成
【0178】
【化54】
【0179】
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体3−2 15g(29.33mmol)と、1,3−ジブロモベンゼン1.2当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量、テトラヒドロフラン300mL、蒸溜水100mLを入れて窒素大気下で加熱還流する。18時間後に反応液を冷却させ、反応液をメタノール1Lに懸濁させ、攪拌ろ過した後、水500mLで洗う。固体をジクロロベンゼン300mLで再結晶して中間体100−1を12.84g得た。
【0180】
b)化合物100の合成
【0181】
【化55】
【0182】
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体100−1 12g(22.2mmol)と、前記合成された中間体3−2 1.2当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量、テトラヒドロフラン150mL、蒸溜水50mLを入れて窒素大気下で加熱還流する。18時間後に反応液を冷却させ、反応液をメタノール1Lに懸濁させ、攪拌ろ過した後、水500mLで洗う。固体をジクロロベンゼン500mLで再結晶して化合物100を13.3g得た。
【0183】
LC/MS calculated for:C60H40N6 Exact Mass: 844.3314 found for 845.34 [M+H]
[合成例5:化合物4の合成]
a)中間体4−2の合成
【0184】
【化56】
【0185】
500mLの丸底フラスコにシアヌリッククロライド15g(81.34mmol)を無水テトラヒドロフラン200mLに溶かし、窒素大気下で4−ビフェニルマグネシウムブロマイド溶液(0.5Mテトラヒドロフラン)1当量を0℃で滴下し、徐々に常温に上げる。常温で1時間攪拌した後、反応液を氷水500mLに入れて層分離させる。有機層を分離して無水硫酸マグネシウムを処理して濃縮する。濃縮された残留物をテトラヒドロフランとメタノールで再結晶して中間体4−2を17.2g得た。
【0186】
b)中間体4−1の合成
【0187】
【化57】
【0188】
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体4−2 17g(56.26mmol)を入れ、フェニルボロン酸1当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量、テトラヒドロフラン150mL、蒸溜水50mLを入れて窒素大気下で加熱還流する。18時間後に反応液を冷却させ、反応液をメタノール1Lに懸濁させ、攪拌ろ過した後、水500mLで洗って乾燥して中間体4−1を12.57g得た。
【0189】
c)化合物4の合成
【0190】
【化58】
【0191】
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体4−1 12g(34.9mmol)を入れ、前記合成された中間体3−2 1.1当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量、テトラヒドロフラン150mL、蒸溜水50mLを入れて窒素大気下で加熱還流する。18時間後に反応液を冷却させ、反応液をメタノール1Lに懸濁させ、攪拌ろ過した後、水500mLで洗う。生成された固体をジクロロベンゼン500mLで再結晶して化合物4を17.8g得た。
【0192】
LC/MS calculated for:C48H32N6 Exact Mass: 692.2688 found for 692.27 [M+H]
[合成例6:化合物16の合成]
a)中間体16−2の合成
【0193】
【化59】
【0194】
4−ビフェニルマグネシウムブロマイド溶液(0.5Mテトラヒドロフラン)の代わりに3−ビフェニルマグネシウムブロマイド溶液(0.5Mテトラヒドロフラン)を用い、前記合成例4−2と同様な方法で中間体16−2を合成した。
【0195】
b)中間体16−1の合成
【0196】
【化60】
【0197】
中間体4−2の代わりに中間体16−2を用いて前記合成例5の(b)と同様な方法で中間体16−1を合成した。
【0198】
c)化合物16の合成
【0199】
【化61】
【0200】
中間体16−1を用いて前記合成例5の(c)のような方法で化合物16を合成した。
【0201】
LC/MS calculated for:C48H32N6 Exact Mass: 692.2688 found for 692.27 [M+H]
[合成例7:化合物126の合成]
【0202】
【化62】
【0203】
中間体として1,2−ジブロモベンゼンを用いて前記合成例2のような方法で化合物126を合成した。
【0204】
LC/MS calculated for:C48H32N6 Exact Mass: 692.2688, found for 693.28 [M+H]
[合成例8:化合物140の合成]
a)中間体140−1の合成
【0205】
【化63】
【0206】
500mLの丸底フラスコに前記中間体3−2 20g(39.11mmol)を入れ、1,2−ジブロモベンゼン1.1当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量、テトラヒドロフラン200mL、蒸溜水50mLを入れて窒素大気下で加熱還流する。18時間後に反応液を冷却させ、反応液をメタノール500mLに懸濁させ、攪拌ろ過した後、水500mLで洗う。生成された固体をモノクロロベンゼン500mLで再結晶して中間体140−1を18.4g得た。
【0207】
b)化合物140の合成
【0208】
【化64】
【0209】
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体140−1 18g(33.31mmol)を入れ、前記合成された中間体1−1 1.1当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量、テトラヒドロフラン200mL、蒸溜水50mLを入れて窒素大気下で加熱還流する。18時間後に反応液を冷却させ、反応液をメタノール500mLに懸濁させ、攪拌ろ過した後、水500mLで洗う。生成された固体を集めてノルマルヘキサンと酢酸エチル混合溶媒でシリカゲルカラム精製して化合物140を19.2g得た。
【0210】
LC/MS calculated for:C54H36N6 Exact Mass: 768.3001, found for 769.3 [M+H]
[合成例9:化合物113の合成]
a)中間体113−3の合成
【0211】
【化65】
【0212】
500mLの丸底フラスコにベンゾイル酢酸エチル30g(168.37mmol)を入れ、3−クロロフェニルアミジン1.1当量、ナトリウムメトキシド1.2当量をメタノール200mLに入れて6時間加熱還流する。反応液を冷却させ、1N塩酸溶液を入れてpHを5程度に合わせ、塩化メタンで抽出する。抽出された溶液を濃縮して生成された中間体113−4は次の反応にそのまま用いる。
【0213】
500mLの丸底フラスコに前記中間体113−4を入れ、ホスホリルクロライド250mLを入れて5時間加熱還流させる。反応液を冷却させ、氷水1Lに反応液を徐々に加えて攪拌する。水層を塩化メタン500mLで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濃縮する。濃縮された残留物をノルマルヘキサンと酢酸エチルを用いてシリカゲルカラムで精製して中間体113−3を39g得た。
【0214】
b)中間体113−2の合成
【0215】
【化66】
【0216】
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体113−3 30g(99.6mmol)を入れ、ビフェニルボロン酸1.2当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量、テトラヒドロフラン250mL、蒸溜水70mLを入れて窒素大気下で加熱還流する。18時間後に反応液を冷却させ、反応液をメタノール500mLに懸濁させ、攪拌ろ過した後、水500mLで洗う。生成された固体を集めてトルエン500mLで加熱再結晶して生成物35.9gを得た。
【0217】
c)中間体113−1の合成
【0218】
【化67】
【0219】
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体113−2 35g(83.5mmol)を入れ、トルエン250mL、ジクロロジフェニルホスフィノフェロセンパラジウム0.05当量、ビスピナコラトジボロン1.2当量、酢酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で18時間加熱還流させた。反応液を冷却させ、水100mLを入れて有機層を抽出する。有機層を集めて活性炭素を処理後、シリカゲルでろ過した後、濾液を濃縮する。濃縮された残留物を集めてトルエン1Lに加熱して溶かし、活性炭素を処理後、シリカゲルでろ過する。濾液に冷却させて攪拌して固体を析出させる。析出された固体をろ過して中間体113−1を35.8g得た。
【0220】
d)化合物113の合成
【0221】
【化68】
【0222】
500mLの丸底フラスコに前記合成された113−1 35g(68.6mmol)、2−(3−ブロモフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン1当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量、テトラヒドロフラン250mL、蒸溜水70mLを入れて窒素大気下で加熱還流する。16時間後に反応液を冷却させ、反応液をメタノール500mLに懸濁させ、攪拌ろ過した後、水500mLで洗う。生成された固体を集めてジクロロベンゼン500mLで加熱再結晶して化合物113を32g得た。
【0223】
LC/MS calculated for:C49H33N5 Exact Mass: 691.2736, found for:692.29 [M+H]
[合成例AD−1:化合物119の合成]
a)中間体119−2の合成
【0224】
【化69】
【0225】
前記合成例9の中間体113−2と同様な方法で中間体119−2を合成した。
【0226】
b)中間体119−1の合成
【0227】
【化70】
【0228】
前記合成例9の中間体113−1と同様な方法で中間体119−1を合成した。
【0229】
c)化合物119の合成
【0230】
【化71】
【0231】
前記合成例9の化合物113の合成方法と同様な方法で化合物119を合成した。
【0232】
LC/MS calculated for:C49H33N5 Exact Mass: 691.27 found for:692.33 [M+H]
[合成例AD−2:化合物146の合成]
a)中間体146−6の合成
【0233】
【化72】
【0234】
500mLの丸底フラスコに2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン20gをテトラヒドロフラン/蒸溜水の3/1混合溶液250mLに溶かす。4−クロロフェニルボロン酸1.2当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.05当量、炭酸カリウム3当量を入れて窒素大気下で18時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を冷却させ、水100mLを入れて有機層を抽出する。有機層を集めて活性炭素を処理後、シリカゲルでろ過した後、濾液を濃縮する。濃縮された残留物を集めてトルエン200mLとアセトン50mLで結晶化して生成物の中間体146−6を16g得た。
【0235】
b)中間体146−5の合成
【0236】
【化73】
【0237】
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体146−6 15gをジメチルホルムアミド200mLに溶かす。ジクロロジフェニルホスフィノフェロセンパラジウム0.05当量、ビスピナコラトジボロン1.2当量、酢酸カリウム2当量、トリシクロヘキシルホスフィン0.2当量を入れて窒素大気下で18時間加熱還流させた。反応液を冷却させ、反応液を水500mLに入れて懸濁させて固体を生成させて攪拌後にろ過する。ろ過された固体を水100mLで2回洗う。固体を集めてトルエン500mLに加熱して溶かし、活性炭素/シリカゲルでろ過して濾液を濃縮する。濃縮された残留物をノルマルヘキサンと酢酸エチルの5:1(V/V)混合溶液300mLで固体化し、ろ過して生成物146−5を16g得た。
【0238】
c)中間体146−4の合成
【0239】
【化74】
【0240】
250mLの丸底フラスコに前記合成された中間体146−5 16g、テトラヒドロフラン/蒸溜水の3/1(V/V)混合溶液120mL、テトラキストリフェニルパラジウム0.03当量、炭酸カリウム3当量、2−ブロモ−4−クロロアニリン1.1当量を入れて19時間加熱還流する。反応の終了後、反応液を冷却させ、層分離して有機層を分離する。有機層に無水硫酸マグネシウム、活性炭素を入れて攪拌してシリカゲルでろ過する。濾液を濃縮し、濃縮された残留物をノルマルヘキサンと酢酸エチル混合溶液でシリカゲルカラム精製して中間体146−4を13g得た。
【0241】
d)中間体146−3の合成
【0242】
【化75】
【0243】
前記合成された中間体146−4 13gを氷水150mLに懸濁させる。反応液を攪拌して濃硫酸2当量を滴下する。反応液に亜窒酸ナトリウム1.1当量を蒸溜水15mLに溶かして氷水湯煎で徐々に滴下する。滴下後2時間攪拌する。撹拌された溶液を500mL反応器に移してカッパーブロマイド2当量を入れて1時間加熱還流した。反応液を冷却させ、塩化メチレン100mLで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過濃縮する。濃縮された残留物をノルマルヘキサンと塩化メチレン混合溶液でシリカゲルカラム精製して中間体146−3を11g得た。
【0244】
e)中間体146−2の合成
【0245】
【化76】
【0246】
250mLの丸底フラスコに前記合成された中間体146−3 12gを入れて無水テトラヒドロフラン100mL、トリイソプロピルオキシボロン1.2当量を入れ、窒素大気下でドライアイスアセトン湯煎で温度を低める。2.5ノルマルブチルリチウム溶液を20分間滴下する。滴下後、1時間攪拌し、徐々に常温に温度を上げる。常温で2時間攪拌後、反応液に2ノルマル塩酸溶液を滴下し、2時間攪拌する。反応液を層分離させ、有機層を分離する。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して濃縮する。濃縮された残留物は追加の精製なしに次の反応に用いた。
【0247】
f)中間体146−1の合成
【0248】
【化77】
【0249】
前記合成例146−6の合成例のように4−クロロフェニルボロン酸の代わりに前記合成された中間体146−2を用いて同様な方法で合成して、中間体146−1を8g得た。
【0250】
g)化合物146の合成
【0251】
【化78】
【0252】
前記合成された中間体146−1 8gを250mLの丸底フラスコに入れて1,4−ジオキサン120mLに溶かす。反応液にフェニルボロン酸1.2当量、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム0.03当量、エスホス0.12当量、セシウムカーボネート3当量を入れて20時間加熱還流した。反応液を冷却させ、酢酸エチル200mL、蒸溜水100mLに入れて層分離させる。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム、活性炭素処理後、ろ過濃縮する。濃縮された残留物をノルマルヘキサンと塩化メチレン混合溶液でシリカゲルカラム精製して化合物146を5g得た。
【0253】
LC/MS calculated for:C48H32N6 Exact Mass: 692.27 found for:693.37 [M+H]
(第2化合物の合成)
[合成例10:化合物B−10の合成]
【0254】
【化79】
【0255】
[第1段階:化合物Jの合成]
窒素環境で前記化合物9−phenyl−3−(4,4,5,5−tetramethyl−1,3,2−dioxaborolan−2−yl)−9H−carbazole(26.96g、81.4mmol)をトルエン/THF 0.2Lに溶かした後、ここに3−bromo−9H−carbazole(23.96g、97.36mmol)とtetrakis(triphenylphosphine)palladium(0.90g、0.8mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム(potassuim carbonate)(28g、203.49mmol)を入れて120℃で12時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れ、ジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO
4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このように得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して前記化合物J(22.6g、68%)を得た。
【0256】
HRMS(70 eV, EI+):m/z calcd for C30H20N2:408.16, found:408
Elemental Analysis:C, 88 %; H, 5 %
[第2段階:化合物B−10の合成]
窒素環境で前記化合物J(22.42g、54.88mmol)をトルエン0.2Lに溶かした後、ここに2−bromo−4,6−diphenylpyridine(20.43g、65.85mmol)とNaOtBu(7.92g、82.32mmol)、Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0)(1.65g、1.65mmol)、Tri−tert−butylphosphine(1.78g、4.39mmol)を入れて120℃で12時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO
4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このように得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して前記化合物B−10(28.10g、80%)を得た。
【0257】
HRMS(70 eV, EI+):m/z calcd for C47H31N3:637.25, found:637
Elemental Analysis:C,89%;H,5%
[合成例11:化合物B−31の合成]
【0258】
【化80】
【0259】
窒素環境で前記化合物phenylcarbazolyl bromide(9.97g、30.95mmol)をトルエン0.2Lに溶かした後、ここにphenylcarbazolylboronic acid(9.78g、34.05mmol)とtetrakis(triphenylphosphine)palladium(1.07g、0.93mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム(12.83g、92.86mmol)を入れて120℃で12時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO
4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このように得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して前記化合物B−31(13.8g、92%)を得た。
【0260】
HRMS(70 eV, EI+):m/z calcd for C36H24N2:484.19, found:484
Elemental Analysis:C,89%;H,5%
[合成例12:化合物B−34の合成]
【0261】
【化81】
【0262】
窒素環境で前記化合物triphenylcarbazolyl bromide(14.62g、30.95mmol)をトルエン0.2Lに溶かした後、ここにphenylcarbazolylboronic acid(9.78g、34.05mmol)とtetrakis(triphenylphosphine)palladium(1.07g、0.93mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム(12.83g、92.86mmol)を入れて120℃で12時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO
4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このように得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して前記化合物B−34(16.7g、85%)を得た。
【0263】
HRMS(70 eV, EI+):m/z calcd for C47H29N2:621.23, found:621
Elemental Analysis:C,91%;H,5%
[合成例13:化合物B−43の合成]
【0264】
【化82】
【0265】
窒素環境で前記化合物Biphenylcarbazolyl bromide(12.33g、30.95mmol)をトルエン0.2Lに溶かした後、ここにbiphenylcarbazolylboronic acid(12.37g、34.05mmol)とtetrakis(triphenylphosphine)palladium(1.07g、0.93mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム(12.83g、92.86mmol)を入れて120℃で12時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO
4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このように得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物B−43(18.7g、92%)を得た。
【0266】
HRMS(70 eV, EI+):m/z calcd for C48H32N2:636.26, found:636
Elemental Analysis:C, 91 %; H, 5 %
[合成例14:化合物B−114の合成]
【0267】
【化83】
【0268】
窒素環境で4−bromo−1,1':4',1''−terphenyl(15g、48.5mmol)をトルエン0.2Lに溶かした後、ここに化合物J(20g、48.5mmol)とNaOtBu(6g、58.2mmol)、Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0)(0.439g、0.48mmol)、Tri−tert−butylphosphine(0.388g、1.92mmol)を入れて120℃で12時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO
4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このように得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して前記化合物B−114(25g、80%)を得た。
【0269】
HRMS(70 eV, EI+):m/z calcd for C48H32N2:636.2565, found:636
Elemental Analysis:C,95%;H,5%
[合成例15:化合物B−116の合成]
【0270】
【化84】
【0271】
[第1段階:中間体aの合成]
3−bromo−N−phenyl carbazole43.2g(134.2mmol)とフェニルボロン酸18g(147.6mmol)を用いて化合物B−31の合成法と同様な方法を用いて中間体aを32g(75%)合成した。
【0272】
[第2段階:中間体bの合成]
化合物1 34.4g(107.6mmol)を500mLのジクロロメタンに溶かした後、N−ブロモスクシンイミド19.2g(107.6mmol)を入れた後、常温で8時間攪拌して中間体bを35g(82%)得た。
【0273】
[第3段階:中間体cの合成]
3−Bromocarbazole17.65g(71.74mmol)と4−Iodobiphenyl22g(78.91mmol)を用いて化合物B−114と同様な合成法を用いて中間体cを15g(53%)得た。
【0274】
[第4段階:中間体dの合成]
中間体c 20.1g(50.5mmol)とBis(pinacolato)diboron19.2g(75.8mmol)を用いて中間体1−5の合成法と同様な方法を用いて中間体dを20g(89%)得た。
【0275】
[第5段階:化合物B−116の合成]
中間体b 13g(33.1mmol)と中間体d 16.2g(36.4mmol)を用いて化合物B−31と同様な合成法を用いて化合物B−116を18g(84%)得た。
【0276】
HRMS(70 eV, EI+):m/z calcd for C48H32N2:636.2565, found:636
Elemental Analysis:C, 90 %; H, 5 %
[合成例16:化合物B−118の合成]
【0277】
【化85】
【0278】
[第1段階:中間体eの合成]
中間体c 43.2g(108.4mmol)とフェニルボロン酸14.5g(119mmol)を用いて前記合成例11の化合物B−31の合成法と同様な方法を用いて中間体 eを33g(77%)得た。
【0279】
[第2段階:中間体fの合成]
中間体e 29.8g(75.28mmol)とN−ブロモスクシンイミド14g(75.28mmol)を用いて前記合成例15の中間体bの合成法と同様な方法を用いて中間体fを29g(81%)得た。
【0280】
[第3段階:化合物B−118の合成]
N−Phenylcarbazoe−3−yl−boronic acid9.7g(33.65mmol)と中間体f 16g(33.65mmol)を用いて前記合成例11の化合物B−31の合成法と同様な合成法を用いて化合物B−118を17g(79%)得た。
【0281】
HRMS(70 eV, EI+):m/z calcd for C48H32N2:636.2565, found:636
Elemental Analysis:C,90%;H,5%
[合成例17:化合物B−111の合成]
合成例15の中間体cおよび中間体dを出発物質として用いて合成例10の第1段階の製造方法と同様な方法で化合物B−111を合成した。
【0282】
[合成例18:化合物B−156の合成]
合成例15の第1段階で3−ブロモ−N−フェニルカルバゾールの代わりに1,3−dibromo−N−フェニルカルバゾールを用いて合成例15の第1段階および第2段階反応を通じて、下記中間体hを合成した。
【0283】
以降、合成例13の出発物質であるビフェニルカルバゾリルブロマイドの代わりに中間体hを用い、合成例13と同様な方法で化合物B−156を合成した。
【0284】
【化86】
【0285】
[合成例19:化合物C−10の合成]
【0286】
【化87】
【0287】
フェニルカルバゾリルボロン酸(phenylcarbazolyl boronicacid)10g(34.83mmol)、前記中間体g11.77g(38.31mmol)および炭酸カリウム14.44g(104.49mmol)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.80g(0.7mmol)をトルエン140ml、蒸溜水50mlに懸濁させた後、12時間還流攪拌した。次に、ジクロロメタンと蒸溜水で抽出して有機層をシリカゲルフィルターする。次に、有機溶液を除去し、ヘキサン:ジクロロメタン=7:3(v/v)でシリカゲルカラムして生成物固体をジクロロメタンとn−ヘキサンで再結晶して化合物C−10を14.4g(収率:88%)得た。
【0288】
HRMS(70 eV, EI+):m/z calcd for C36H23N:469.18, found:469
Elemental Analysis:C,92%;H,5%
(有機発光素子の製作)
[実施例1]
ITO(Indium tin oxide)が1500Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を蒸溜水超音波で洗浄した。蒸溜水洗浄が終わると、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄して乾燥させた後、プラズマ洗浄機に移送させた後、酸素プラズマを用いて前記基板を10分間洗浄した後、真空蒸着機で基板を移送した。このように準備されたITO透明電極を陽極として用いてITO基板上部に化合物Aを真空蒸着して700Åの厚さの正孔注入層を形成し、前記注入層上部に化合物Bを50Åの厚さに蒸着した後、化合物Cを1020Åの厚さに蒸着して正孔輸送層を形成した。正孔輸送層上部に合成例1の化合物1および合成例10の化合物B−10を同時にホストとして用い、ドーパントとしてトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)[Ir(ppy)
3]を10wt%にドーピングして真空蒸着で400Åの厚さの発光層を形成した。ここで化合物1と化合物B−10は3:7重量比で用いられており、下記の実施例の場合、別途に比率を記述した。次に、前記発光層上部に化合物DとLiqを同時に1:1比率で真空蒸着して300Åの厚さの電子輸送層を形成し、前記電子輸送層上部に15ÅのLiqと1200ÅのAlを順次に真空蒸着して陰極を形成することによって有機発光素子を製作した。
【0289】
前記有機発光素子は、5層の有機薄膜層を有する構造からなっており、具体的に次の通りである。
【0290】
ITO/化合物A(700Å)/化合物B(50Å)/化合物C(1020Å)/EML[化合物1:B−10:Ir(ppy)
3=27wt%:63wt%:10wt%](400Å)/化合物D:Liq(300Å)/Liq(15Å)/Al(1200Å)の構造で製作した。
化合物A:N4,N4’−diphenyl−N4,N4’−bis(9−phenyl−9H−carbazol−3−yl)biphenyl−4,4’−diamine
化合物B:1,4,5,8,9,11−hexaazatriphenylene−hexacarbonitrile(HAT−CN),
化合物C:N−(biphenyl−4−yl)−9,9−dimethyl−N−(4−(9−phenyl−9H−carbazol−3−yl)phenyl)−9H−fluoren−2−amine
化合物D:8−(4−(4,6−di(naphthalen−2−yl)−1,3,5−triazin−2−yl)phenyl)quinoline
[実施例2]
化合物1と化合物B−111を3:7の重量比に用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0291】
[実施例3]
化合物2と化合物B−43を5:5の重量比に用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0292】
[実施例4]
化合物126と化合物B−43を4:6比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0293】
[実施例5]
化合物113と化合物B−43を5:5比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0294】
[実施例6]
化合物16と化合物B−43を3:7比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0295】
[実施例7]
化合物16と化合物B−111を3:7比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0296】
[実施例8]
化合物16と化合物B−118を3:7比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0297】
[実施例9]
化合物16と化合物B−116を3:7比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0298】
[実施例10]
化合物4と化合物B−43を3:7比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0299】
[実施例11]
化合物4と化合物B−156を3:7比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0300】
[実施例12]
化合物16と化合物C−10を3:7比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0301】
[実施例AD−1]
化合物119と化合物B−43を3:7比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0302】
[実施例AD−2]
化合物146と化合物B−43を3:7比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0303】
[比較例1]
化合物1を単独ホストとして用い、実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0304】
[比較例2〜比較例12]
下記表1に記載された通り、第1ホストまたは第2ホストのうちの1種だけを単独ホストとして用い、前記実施例1と同様な方法で素子を製作して比較例2〜比較例12の素子を製作した。
【0305】
[比較例13]
化合物B−43と下記比較例化合物Iをホストとして5:5の比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0306】
[比較例化合物I]
【0307】
【化88】
【0308】
[比較例14]
化合物1とmCP(1,3−Bis(N−carbazolyl)benzene)をホストとして5:5の比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0309】
[比較例15]
化合物B−43と下記比較例化合物IIをホストとして5:5の比率で用いて実施例1と同様な方法で素子を製作した。
【0310】
[比較例化合物II]
【0311】
【化89】
【0312】
(評価1:発光効率および寿命上昇効果の確認)
前記実施例1〜12、および比較例1〜14による有機発光素子の発光効率および寿命特性を評価した。具体的な測定方法は下記のとおりであり、その結果は表1に示した。
【0313】
(1)電圧変化に応じた電流密度の変化測定
製造された有機発光素子に対して、電圧を0Vから10Vまで上昇させながら電流−電圧計(Keithley 2400)を用いて単位素子に流れる電流値を測定し、測定された電流値を面積で割って結果を得た。
【0314】
(2)電圧変化に応じた輝度の変化測定
製造された有機発光素子に対して、電圧を0Vから10Vまで上昇させながら輝度計(Minolta Cs−1000A)を用いてその時の輝度を測定して結果を得た。
【0315】
(3)発光効率の測定
前記(1)および(2)から測定された輝度と電流密度および電圧を用いて同一の電流密度(10mA/cm
2)の電流効率(cd/A)を計算した。
【0316】
(4)寿命の測定
製造された有機発光素子に対してPolarOnyx寿命測定システムを用いて実施例1〜12および比較例1〜比較例14の素子を初期輝度(cd/m
2)を5000cd/m
2に発光させ、時間経過による輝度の減少を測定して初期輝度に比べて90%に輝度が減少した時点をT90寿命と測定した。
【0317】
【表1】
【0318】
表1を参照すると、本発明による第1ホストと第2ホストの組み合わせのホストの場合、単独ホストが使用された場合より発光効率および寿命が顕著に上昇した効果を確認することができる。比較例の素子より最小1.5倍以上、最大6倍以上寿命が向上したことを確認することができた。
【0319】
(評価2:駆動電圧減少効果の確認)
(5)駆動電圧の測定
電流−電圧計(Keithley 2400)を用いて15mA/cm
2で各素子の駆動電圧を測定し、その結果は表2に示した。
【0320】
【表2】
【0321】
表2を参照すると、本発明の組み合わせのホスト素子は、比較例化合物I、比較例化合物II、またはmCPなどのような知られたホストとの組み合わせのホストに比べて駆動電圧の面で顕著に優れた効果が確認される。
【0322】
本発明は、前記実施例に限定されず、互いに異なる多様な形態に製造することができ、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的な思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態に実施できることを理解できるはずである。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的ものではないことを理解しなければならない。