(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記配線基板の裏面側にグランド層が形成されており、前記グランド層が前記金属基体の切り込み部の側面に導電性接合材によって接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光素子用パッケージ。
前記配線基板の基板はポリイミドフィルムから形成され、前記パッドは銅箔から形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光素子用パッケージ。
前記配線基板の光素子搭載領域に、前記パッドと同一層から形成される光素子搭載パッドが配置されており、前記光素子は光素子搭載パッドの上に搭載されていることを特徴とする請求項7に記載の光素子装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態の説明の前に、基礎となる予備的事項について説明する。
図1に示すように、予備的事項に係る光素子用ステムは、アイレット100とその上に立設する放熱部120とを備えている。アイレット100には4つの第1〜第4リード160a,160b,160c,160dが設けられている。
【0017】
アイレット100の上に配置された放熱部120は半導体レーザ素子が実装される実装側面Mを有する。アイレット100にはその厚み方向に貫通する3つの第1〜第3貫通孔110a,110b,110cが設けられている。そして、第1〜第3リード160a〜160cがガラス180によって第1〜第3貫通孔110a〜110cにそれぞれ封着されて固定されている。
【0018】
放熱部120の実装側面Mには、サブマウント200を介して半導体レーザ素子300が実装されている。半導体レーザ素子300は金ワイヤ300aによって第1リード160a及び第2リード160bにそれぞれ接続されている。
【0019】
また、放熱部120の実装側面Mの前方のアイレット100の部分に傾斜部120aが突出して形成されている。傾斜部120aにサブマウント(不図示)を介してフォトダイオード400が実装されている。フォトダイオード400は金ワイヤ400aによって第1リード160a及び第3リード160cに接続されている。
【0020】
フォトダイオード400は、半導体レーザ素子300の下部からの出射されるモニタ光を受光して半導体レーザ素子300の出力を制御する。
【0021】
また、第4リード160dはアイレット100の下面に電気的に接続されて共通グランドリードとなる。そして、半導体レーザ素子300及びフォトダイオード400は、ワイヤなどによって放熱部120及びアイレット100を介して第4リード160dに電気的に接続される。
【0022】
光素子用ステムでは、高速信号を伝達させるためには、伝送経路の特性インピーダンスを整合させる必要があり、一般的に伝送経路の特性インピーダンスは50Ωに設定される。
【0023】
そのような特性インピーダンスに設定するためには、半導体レーザ素子300と第1、第2リード160a、160bとを接続する各金ワイヤ300aの長さを0.5mm程度に短くする必要がある。
【0024】
しかし、
図1の光素子用ステムでは、第1〜第3リード160a〜160cの配置ピッチは2mm程度が限界であり、その以上近づけて配置することは困難である。
【0025】
また、放熱部140及び第1〜第3リード160a〜160cのレイアウトのマージンを考慮すると、放熱部140の実装側面Mと第1、第2リード160a,160bとの距離をこれ以上近づけることは困難である。
【0026】
このため、
図1の半導体レーザ素子300と第1、第2リード160a,160bとを接続する各金ワイヤ300aの長さは1mm以上と長くなり、抵抗成分が大きくなる。
【0027】
また同様に、フォトダイオード400と第1、第3リード160a,160cとを接続する各金ワイヤ500bの長さも1mm以上になる。
【0028】
このように、予備的事項に係る光素子用ステムでは、構造上、半導体レーザ素子300と第1、第2リード160a,160bを接続する各金ワイヤ300aが長くなり、伝送経路の伝送損失が大きくなってしまう。
【0029】
また、光素子用ステム内に長さの長い第1〜第3リードピン160a〜160cが存在し、その部分の特性インピーダンスが300Ω以上と大きくなる。
【0030】
以上のように、予備的事項の光素子用ステムでは、伝送経路全体の特性インピーダンスの整合がとれない課題がある。
【0031】
後述する実施形態の光素子用パッケージでは、前述した課題を解消することができる。
【0032】
(実施形態)
最初に、実施形態の光素子用パッケージに使用される金属基体について説明する。
図2は実施形態の光素子用パッケージに使用される金属基体を示す斜視図である。
【0033】
図2に示すように、金属基体10は、アイレット20とその中央部の上面から上側に突出する突出部30とによって形成される。
【0034】
アイレット20は、円板状の金属板の外周側面から中央部に向けて形成された切り込み部20aを有する。切り込み部20aは、例えば平面視して四角形状に形成される。また、切り込み部20aは、アイレット20の切り込み部20aは、上面から下面まで貫通して形成される。
【0035】
そして、アイレット20の切り込み部20aの終端側に突出部30が立設している。アイレット20の切り込み部20aは、奥側の終端に接続側面Sを備えている。接続側面Sは、アイレット20の表面と直交する垂直面となって形成される。後述するように、アイレット20の切り込み部20aの接続側面Sに配線基板が接続される。
【0036】
アイレット20の外周には、位置決め用の一対の三角形状の切り欠き部20xと、方向表示用の四角形状の切り欠き部20yとが設けられている。
【0037】
金属基体10は、金型を使用するプレス加工よって金属部材が一体的に成型されて製造される。金属基体10の材料としては、好適には、鉄又は銅などが使用される
さらに、金属基体10の外面の全体に、下から順に、ニッケル(Ni)/金(Au)めっき層(不図示)が形成されている。ニッケル/金めっき層は電解めっきによって形成される。
【0038】
図3には、実施形態の変形例の金属基体10aが示されている。
図3の変形例のように、
図2の突出部30が省略され、円板状のアイレット20から金属基体10aを形成してもよい。この場合も、アイレット20の切り込み部20aの奥側の終端に接続側面Sが配置される。
【0039】
図3のように突出部30を省略する場合は、放熱性を考慮して
図3のアイレット20の厚みは
図2のアイレット20の厚みよりも厚く設定される。
【0040】
このように、アイレット20の外周側面から中央部に向けて切り込み部20aが形成され、切り込み部20aの終端の側壁に接続側面Sが配置されていればよい。
【0041】
以上のように、外周側面から中央部に向けて切り込み部20aが形成され、切り込み部20aの側壁が接続側面Sとなった金属基体10を用意する。
【0042】
次に、実施形態の光素子用パッケージに使用される配線基板について説明する。
図4(a)は光素子用パッケージに使用される配線基板を表面側からみた平面図、
図4(b)は
図4(a)の平面図のI−Iに沿った拡大断面図である。
【0043】
まず、配線基板の表面側の構造について説明する。
図4(a)に示すように、配線基板3は基板40を備えている。基板40は、厚みが50μm程度のポリイミドフィルムから形成され、フレキシブル性を有する。あるいは、用途によっては、基板40として、ガラスエポキシ樹脂などから形成される剛性を有するリジット基板を採用してもよい。
【0044】
基板40は、平面視して、長方形状の一端側に幅が細くなった細幅部Aが繋がった形状を有する。配線基板3の表面側では、基板40の一端側の細幅部Aの中央部が光素子を搭載するための光素子搭載領域Bとなっている。そして、光素子搭載領域Bに長方形状の光素子搭載パッドPXが形成されている。
【0045】
光素子としては、発光素子として半導体レーザ素子が使用され、受光素子としてフォトダイオードが使用される。以下のパッド及び接続端子などの説明において、半導体レーザ素子を「LD」と記載し、フォトダイオードを「PD」として記載して説明する。また、
図4(a)では各要素が透視的に描かれている。
【0046】
光素子搭載パッドPXの左側領域の基板40の上に第1LD用パッドP1と第1PD用パッドP1Xとが形成されている。
【0047】
第1LD用パッドP1には基板40の下端まで延在する第1配線層50aが繋がっており、第1配線層50aの終端にLD用接続端子LTが繋がって形成されている。
【0048】
さらに、第1PD用パッドP1Xには基板40の下端まで延在する第2配線層50bが繋がっており、第2配線層50bの終端にPD用接続端子PTが繋がって形成されている。
【0049】
また、光素子搭載パッドPXの右側領域の基板40の上に第2LD用パッドP2と第2PD用パッドP2Xとが形成されている。
【0050】
第2LD用パッドP2と第2PD用パッドP2Xとは基板40の下端まで延在する第3配線層50cに繋がっており、第3配線層50cの終端にLD/PD用共通接続端子CTが形成されている。
【0051】
PD用接続端子PTとLD用接続端子LTとの間の領域に第1グランド用接続端子GT1が形成されている。また、LD/PD用共通接続端子CTの右側の領域に第2グランド用接続端子GT2が形成されている。
【0052】
前述した光素子搭載パッドPX、第1〜第3配線層50a〜50c、各パッド及び各接続端子は、基板40の表面に接着剤で接着された電解銅箔がフォトリソグラフィ及びウェットエッチングによってパターン化されて形成される。このように、光素子搭載パッドPX、第1〜第3配線層50a〜50c、各パッド及び各接続端子は、同一層から形成される。
【0053】
電解銅箔の厚みは、例えば18μm程度であり、特性インピーダンスの整合がとれる配線幅になるように、電解銅箔を微細加工することができる。
【0054】
これにより、光素子搭載パッドPXと、第1、第2LD用パッドP1,P1X及び第1、第2PD用パッドP2,P2Xとの間の各距離をフォトリソグラフィ技術の限界まで近づけることができる。
【0055】
さらに、基板40の上には、光素子搭載パッドPX、各パッド、及び各接続端子の上に開口部52aが設けられたソルダレジスト層52が形成されている。また、ソルダレジスト層52の開口部52aから露出する光素子搭載パッドPX、各パッド、及び各接続端子の表面に、下から順に、ニッケル(Ni)/金(Au)めっき層(不図示)が形成されている。ニッケル/金めっき層は電解めっきによって形成される。
【0056】
次に、配線基板3の裏面の構造について説明する。
図5に示すように、配線基板3の表面側の光素子搭載領域Bに対応する裏面領域が接続領域Cとなっている。配線基板3の裏面側では、基板40の上にグランド層60が形成されている。グランド層60は、プレーン層として基板40の裏面の主要部に一体的に形成される。
【0057】
そして、基板40の裏面には、表面側のPD用接続端子PTに対応する領域にPD用接続端子PTxが配置されている。また、基板40の裏面には、表面側の第1、第2グランド端子GT1,GT2に対応する領域に第1、第2グランド端子GT1x,GT2xがそれぞれ配置されている。
【0058】
また、基板40の裏面には、表面側のLD用接続端子LTに対応する領域にLD用接続端子LTxが配置されている。
【0059】
さらに、基板40の裏面には、表面側のLD/PD用共通接続端子CTに対応する領域にLD/PD用共通接続端子CTxが配置されている。
【0060】
グランド層60は、基板40の裏面に形成された第1グランド用接続端子GT1x及び第2グランド用接続端子GT2xに接続されている。
【0061】
基板40の裏面側のグランド層60及び各接続端子は、表面側と同様に、基板40の裏面に接着された電解銅箔がフォトリソグラフィ及びウェットエッチングによってパターン化されて形成される。
【0062】
また、基板40の裏面には、接続領域Cのグランド層60及び上記した各接続端子の上に開口部53aが設けられたソルダレジスト層53が形成されている。接続領域Cでは、ソルダレジスト層53の開口部53aにグランド層60の接続部60aが露出した状態となっている。
【0063】
図4(b)の拡大断面図を加えて参照すると、基板40の表面側の第1グランド用接続端子GT1と裏面側の第1グランド用接続端子GT1xとは、基板40を貫通する貫通導体54を介して相互接続されている。
【0064】
また同様に、基板40の表面側の第2グランド用接続端子GT2と裏面側の第2グランド用接続端子GT2xとは、基板40を貫通する貫通導体54を介して相互接続されている。貫通導体54は電解銅めっき層などから形成される。
【0065】
また、表面側のPD用接続端子PTの上面から基板40を貫通して裏面側のPD用接続端子PTxの下面まで貫通穴PHが形成されて空洞になっている。
【0066】
また同様に、表面側のLD用接続端子LTの上面から基板40を貫通して裏面側のLD用接続端子LTxの下面まで貫通穴PHが形成されて空洞になっている。また同様に、表面側のLD/PD共通接続端子CTの上面から基板40を貫通して裏面側のLD/PD共通接続端子CTxの下面まで貫通穴PHが形成されて空洞になっている。
【0067】
上記した基板40の裏面側の各接続端子がはんだによって実装基板の接続電極に接続される。このとき、PD用接続端子PT、LD用接続端子LT及びLD/PD共通接続端子CTでは、貫通穴PHから表面側の各接続端子にはんだが供給されてはんだ接続が行われる。貫通穴PHから表面側の各接続端子上にはんだが流れてくるため、はんだによる接続を容易に確認することができる。
【0068】
表面側のPD用接続端子PT、LD用接続端子LT及びLD/PD共通接続端子CTが表面側の第1接続端子の一例である。また、裏面側のPD用接続端子PTx、LD用接続端子LTx及びLD/PD共通接続端子CTxが裏面側の第2接続端子の一例である。
【0069】
一方、グランドラインでは、裏面側の第1、第2グランド用接続端子GT1x,GT2xがはんだによって実装基板の接続電極に接続され、貫通導体54を介して表面側の第1、第2グランド用接続端子GT1,GT2に接続される。
【0070】
また、
図4(a)の配線基板3の表面側の平面図を参照すると、基板40の各接続端子が並んで配置された一端領域よりも上側の両端部に半円状の補強パッドRPがそれぞれ形成されている。表面側の補強パッドRPは、第1〜第3配線層50a〜50cなどと同一層から形成され、第1〜第3配線層50a〜50cと分離されて配置される。
【0071】
また、
図5に示すように、基板40の表面側の補強パッドRPに対応する基板40の裏面の領域に補強パッドRPxが配置されている。裏面側の補強パッドRPxは、グランド層60と同一層から形成され、グランド層60に繋がっている。あるいは、基板40の裏面側の補強パッドRPxはグランド層60と分離されていてもよい。
【0072】
そして、前述した
図4(b)のLD用接続端子LTなど同様に、表面側の補強パッドRPの上面から基板40を貫通して裏面側の補強パッドRPxの下面まで貫通穴PHが形成されている。
【0073】
基板40の表面側及び裏面側のソルダレジスト層52,53は、補強パッドRP,RPx上にも開口部52a,53aが配置されてそれぞれ形成される。
【0074】
基板40の裏面側の前述した各接続端子は、その近傍の基板40が折り曲げられた状態で実装基板にはんだで接続される、このとき、配線基板3の裏面側の補強パッドRPを実装基板の周囲の部材などにはんだで同時に固定することにより、配線基板3の各接続端子と実装基板との接続の信頼性を向上させることができる。
【0075】
次に、前述した
図2の金属基体と
図4(a)の配線基板3とを使用して光素子用パッケージ及び光素子装置を構築する方法について説明する。
【0076】
図6に示すように、
図4(a)及び
図5の配線基板3の裏面側のグランド層60の接続部60aを
図2の金属基体10の接続側面Sに導電性接合材70によって接続する。導電性接合材70としては、はんだ、金属ろう材、又は銀ペーストなどの導電性ペーストなどを使用することができる。
【0077】
これにより、金属基体10と配線基板3の裏面のグランド層60とが電気的に接続されて、金属基体10がグランド機能を併せもつようになる。
【0078】
以上により、実施形態の光素子用パッケージ1が得られる。
図6に示すように、実施形態の光素子用パッケージ1は、前述した
図2の金属基体10の接続側面Sに
図4(a)及び
図5の配線基板3の裏面側のグランド層60の接続部60aが導電性接合材70によって接続されている。
【0079】
前述した
図4(a)を加えて参照すると、金属基体10の切り込み部20a内の配線基板の表面側に光素子搭載領域Bが設けられている。金属基体10の接続側面Sに対応する配線基板3の表面側の領域の中央部が光素子搭載領域Bとなっている。そして、配線基板3の表面側の光素子搭載領域Bに光搭載パッドPXが配置されている。
【0080】
また、配線基板3は、光素子搭載領域Bの外側に配置された第1LD用パッドP1、第1PD用パッドP1X、第2LD用パッドP2、及び第2PD用パッドP2Xを備えている。
【0081】
さらに、
図7の正面図に示すように、配線基板3の光素子搭載パッドPX内の上部に半導体レーザ素子LDをダイアタッチ材で固定して搭載し、下部にフォトダイオードPDを同様に搭載する。
【0082】
また、半導体レーザ素子LDと第1LD用パッドP1とをワイヤボンディング法で形成される金ワイヤ5aによって接続する。また、半導体レーザ素子LDと第2LD用パッドP2とを金ワイヤ5bによって接続する。
【0083】
また、フォトダイオードPDと第1PD用パッドP1Xとを金ワイヤ5cによって接続する。さらに、フォトダイオードPDと第2PD用パッドP2Xとを金ワイヤ5dによって接続する。
【0084】
前述したように、光素子搭載パッドPXと、半導体レーザ素子LD及びフォトダイオードPD用の各パッドはフォトリソグラフィに基づいて形成される。このため、光素子搭載パッドPXと、半導体レーザ素子LD及びフォトダイオードPD用の各パッドとを十分に近づけて配置することができる。
【0085】
これにより、半導体レーザ素子LD及びフォトダイオードPDと各パッドとを接続する金ワイヤ5a〜5dの長さを0.5mm程度以下に短くすることができるので、伝送経路の伝送損失を小さくすることができる。
【0086】
また、前述した予備的事項の光素子用ステムと違って、金属基体の中に長さの長いリードピンが存在しないため、特性インピーダンスが高くなる部分が存在せず、特性インピーダンスの整合をとりやすくなる。
【0087】
本願発明者は、前述した
図4(a)及び
図5の配線基板3において、周波数が10GHzの場合、各要素を以下のスペックに設定することにより、特性インピーダンスが50Ωになることをシミュレーションによって確認した。
【0088】
基板40(ポリイミド)の上面に配線層50a〜50cが形成され、基板40の下面にグランド層60が形成されたマイクロストリップ線路となる。
配線層(銅)50a〜50cの配線幅:0.105m、
配線層(銅)50a〜50cの厚み:0.018mm、
基板40(ポリイミド(誘電率:3.5))の厚み:0.050mm、
グランド層(銅)60の厚み:0.018mm
これにより、伝送経路全体の特性インピーダンスの整合をとることができる。よって、より高速な電気信号の伝送に対応することが可能になり、10Gbps以上の大容量光通信のアプリケーションに対応することができる。
【0089】
上記した形態では、基板40の光素子搭載領域Bに形成した光素子搭載パッドPXの上に、半導体レーザ素子LD及びフォトダイオードPDを搭載している。基板40の上に半導体レーザ素子LD及びフォトダイオードPDを直接搭載できる場合は、光素子搭載パッドPXを省略してもよい。
【0090】
図8に示すように、
図7の半導体レーザ素子LD及びフォトダイオードPDが搭載された光素子用パッケージ1の金属基体10にレンズキャップ80が取り付けられる。レンズキャップ80の先端の中央部に透明ボールレンズ82が搭載されている。
【0091】
さらに、同じく
図8に示すように、レンズキャップ80の上に、ファイバーホルダ90が取り付けられる。ファイバーホルダ90の先端の中央部に開口部90aが設けられて空洞になっている。
【0092】
以上により、実施形態の光素子装置2が製造される。
【0093】
光素子装置2では、前述した
図7を加えて参照すると、配線基板3のLD用接続端子LTから第1配線層50a、第1LT用パッドP1及び金ワイヤ5aを介して半導体レーザ素子LDに電気信号が供給される。
【0094】
これにより、半導体レーザ素子LDの上端の発光部から上側に光が出射される。半導体レーザ素子LDから出射される光は、レンズキャップ80の透明ボールレンズ82で集光され、ファイバーホルダ90の開口部90aから外部の光ファイバに伝達される。
【0095】
このとき、半導体レーザ素子LDの下端から出射されるモニタ光がフォトダイオードPDの受光部に入射する。このようにして、半導体レーザ素子LDから出射される光がフォトダイオードPDによってモニタされ、半導体レーザ素子LDの出力が制御される。
【0096】
実施形態の光素子装置2では、前述した予備的事項の光素子用ステムと比較して、金属基体の貫通孔にリードをガラスで封着する煩雑な工程がなくなり、簡易な構造の金属基体10の接続側面Sに配線基板3を接続すればよい。
【0097】
また、半導体レーザ素子LD及びフォトダイオードPDを搭載する際に、サブマウントを省略することも可能である。
【0098】
このため、部品点数が減少すると共に、組み立て工程が簡易になり、製造コストの低減を図ることができる。