特許第6576907号(P6576907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6576907導電性ペースト、積層セラミック部品、プリント配線板、及び電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6576907
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】導電性ペースト、積層セラミック部品、プリント配線板、及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   H01B 1/22 20060101AFI20190909BHJP
   H01B 1/00 20060101ALI20190909BHJP
   B22F 1/00 20060101ALI20190909BHJP
   H05K 3/12 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   H01B1/22 A
   H01B1/00 L
   B22F1/00 K
   H05K3/12 610G
【請求項の数】13
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-508815(P2016-508815)
(86)(22)【出願日】2015年3月20日
(86)【国際出願番号】JP2015058397
(87)【国際公開番号】WO2015141816
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2018年2月23日
(31)【優先権主張番号】特願2014-57788(P2014-57788)
(32)【優先日】2014年3月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591252862
【氏名又は名称】ナミックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】吉井 喜昭
【審査官】 田村 直寛
(56)【参考文献】
【文献】 特公平05−014363(JP,B2)
【文献】 特開2007−123301(JP,A)
【文献】 特開平11−258793(JP,A)
【文献】 特開昭55−149356(JP,A)
【文献】 特許第6242800(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 1/22
B22F 1/00
H01B 1/00
H05K 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(A)〜(D)成分を含有し、前記(A)銀粉100質量部に対して、前記(D)粉末を0.1〜5.0質量部含有する導電性ペースト。
(A)銀粉
(B)ガラスフリット
(C)有機バインダ
(D)Cu元素を含み、かつ、V、Cr、Mn、Fe、及びCoからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む合金の粉末(ただし、Snを含むことを除く。)
【請求項2】
前記(D)粉末は、Cu及びMnを含む、請求項1記載の導電性ペースト。
【請求項3】
前記(D)粉末は、Cu及びFeを含む、請求項1記載の導電性ペースト。
【請求項4】
前記(D)粉末は、Cu及びCoを含む、請求項1記載の導電性ペースト。
【請求項5】
前記(D)粉末は、Cu、V、Cr、Mn、Fe、及びCo以外の金属元素をさらに含む、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の導電性ペースト。
【請求項6】
前記(D)粉末は、Ti、Ni、Zn、In、Te、Pb、Bi、Pd、Pt、及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む、請求項5記載の導電性ペースト。
【請求項7】
前記(D)粉末は、Biを含む、請求項6記載の導電性ペースト。
【請求項8】
前記(B)ガラスフリットの含有量は、前記(A)銀粉100質量部に対して0.01〜20質量部であり、
前記(C)有機バインダの含有量は、前記(A)銀粉100質量部に対して0.5〜30質量部である、請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の導電性ペースト。
【請求項9】
前記(A)銀粉の平均粒径が0.1〜100μmである、請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の導電性ペースト。
【請求項10】
粘度が50〜700Pa・sである、請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の導電性ペースト。
【請求項11】
請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載の導電性ペーストを500〜900℃で焼成して得られる外部電極を備えた積層セラミック電子部品。
【請求項12】
請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載の導電性ペーストを基板上に塗布した後、その導電性ペーストを500〜900℃で焼成して得られるプリント配線板。
【請求項13】
請求項12に記載のプリント配線板上に電子部品をはんだ付けして得られる電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば積層セラミック部品の外部電極やプリント配線板の導体パターンの形成に用いることのできる導電性ペーストに関する。
【背景技術】
【0002】
導電性ペーストは、有機バインダと溶媒からなるビヒクル中に金属粒子を分散させたものであり、プリント配線板の導体パターンの形成や、積層セラミック電子部品の外部電極の形成等に用いられている。導電性ペーストには、樹脂の硬化によって金属粒子同士が接触して導電性が確保される樹脂硬化型と、焼成によって金属粒子同士が焼結して導電性が確保される焼成型とがある。
【0003】
導電性ペーストに含まれる金属粒子としては、例えば銅粉や銀粉が用いられる。銅粉は導電性に優れかつ銀粉よりも安価であるという利点がある。しかし、銅粉は大気雰囲気中で酸化しやすいため、例えば基板上に導体パターンを形成した後、導体パターンの表面を保護材によって被覆しなければならないという欠点がある。一方、銀粉は大気中で安定であり、大気雰囲気での焼成によって導体パターンを形成できるという利点がある。しかし、銀粉は、エレクトロマイグレーションが発生しやすいという欠点がある。
【0004】
エレクトロマイグレーションを防止する技術として、特許文献1には、銀粉100質量部に対してマンガン及び/又はマンガン合金の粉末1〜100質量部を含む銀粉を主導電材料とする導電性塗料が開示されている。特許文献2には、バインダ樹脂、Ag粉末、及びTi、Ni、In、Sn、Sbの群から選ばれる少なくとも1種の金属または金属化合物を含有する導電性ペーストが開示されている。
【0005】
しかし、特許文献1、2に開示された導電性ペーストは、基板への密着性やはんだ耐熱性が不十分であり、基板上への導体パターンの形成に用いるには実用性に問題があった。
【0006】
そこで、導電性ペーストのはんだ耐熱性を向上させるための技術として、特許文献3には、銀の焼結を抑制する第1金属成分と、銀の焼結を促進する第2金属成分とを含む材料によって銀粉が被覆された導電性ペーストが開示されている。
【0007】
しかし、特許文献3に開示された導電性ペーストは、はんだ耐熱性はある程度向上するものの、銀の焼結性が抑制されるために、導電性ペーストを焼成して得られる導体パターンの導電性が低下するという問題があった。また、銀粉の表面に金属材料を被覆する工程が必要となるために、製造工程が複雑になってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭55−149356号公報
【特許文献2】特開2003−115216号公報
【特許文献3】特開2006−196421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、耐エレクトロマイグレーション性、はんだ耐熱性、及び基板への密着性に優れる導電性ペーストを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、耐エレクトロマイグレーション性、はんだ耐熱性、及び基板への密着性を十分に満たすことのできる焼結型導電性ペーストについて鋭意研究を行った。その結果、本発明者らは、銀粉、ガラスフリット、及び有機バインダに加えて、Cu元素を含み、かつ、V、Cr、Mn、Fe、及びCoからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む粉末を添加することが有効であることを発見し、本発明を完成させた。
【0011】
本発明は、以下の通りである。
(1)以下の(A)〜(D)成分を含有することを特徴とする導電性ペースト。
(A)銀粉
(B)ガラスフリット
(C)有機バインダ
(D)Cu元素を含み、かつ、V、Cr、Mn、Fe、及びCoからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む粉末
【0012】
(2)前記(D)粉末は、Cu及びMnを含むことを特徴とする上記(1)記載の導電性ペースト。
【0013】
(3)前記(D)粉末は、Cu及びFeを含むことを特徴とする上記(1)記載の導電性ペースト。
【0014】
(4)前記(D)粉末は、Cu及びCoを含むことを特徴とする上記(1)記載の導電性ペースト。
【0015】
(5)前記(D)粉末は、Cu、V、Cr、Mn、Fe、及びCo以外の金属元素をさらに含むことを特徴とする上記(1)から(4)のうちいずれかに記載の導電性ペースト。
【0016】
(6)前記(D)粉末は、Ti、Ni、Zn、In、Sn、Te、Pb、Bi、Pd、Pt、及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含むことを特徴とする上記(5)記載の導電性ペースト。
【0017】
(7)前記(D)粉末は、SnまたはBiを含むことを特徴とする上記(6)記載の導電性ペースト。
【0018】
(8)前記(D)粉末は、複数種類の金属元素を含む混合粉であることを特徴とする上記(1)から(7)のうちいずれかに記載の導電性ペースト。
【0019】
(9)前記(D)粉末は、複数種類の金属元素を含む合金粉であることを特徴とする上記(1)から(7)のうちいずれかに記載の導電性ペースト。
【0020】
(10)前記(D)粉末は、複数種類の金属元素を含む化合物粉であることを特徴とする上記(1)から(7)のうちいずれかに記載の導電性ペースト。
【0021】
(11)前記(D)粉末は、金属元素の酸化物もしくは水酸化物を含むことを特徴とする上記(1)から(10)のうちいずれかに記載の導電性ペースト。
【0022】
(12)前記(A)銀粉100質量部に対して、前記(D)粉末を0.1〜5.0質量部含有することを特徴とする上記(1)から(11)のうちいずれかに記載の導電性ペースト。
【0023】
(13)前記(A)銀粉の平均粒径が0.1〜100μmであることを特徴とする上記(1)から(12)のうちいずれかに記載の導電性ペースト。
【0024】
(14)粘度が50〜700Pa・sであることを特徴とする上記(1)から(13)のうちいずれかに記載の導電性ペースト。
【0025】
(15)上記(1)から(14)のうちいずれかに記載の導電性ペーストを500〜900℃で焼成して得られる外部電極を備えた積層セラミック電子部品。
【0026】
(16)上記(1)から(14)のうちいずれかに記載の導電性ペーストを基板上に塗布した後、その導電性ペーストを500〜900℃で焼成して得られるプリント配線板。
【0027】
(17)上記(16)に記載のプリント配線板上に電子部品をはんだ付けして得られる電子装置。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、耐エレクトロマイグレーション性、はんだ耐熱性、及び基板への密着性に優れる導電性ペーストを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】密着強度試験の手順を示す図である。
図2】耐エレクトロマイグレーション試験のために形成した電極パターンを示す図である。
図3】耐エレクトロマイグレーション試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る導電性ペーストは、(A)銀粉と、(B)ガラスフリットと、(C)有機バインダと、(D)Cu元素を含み、かつ、V、Cr、Mn、Fe、及びCoからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む粉末と、を含有することを特徴とする。
【0031】
(A)銀粉
本発明の導電性ペーストは、導電性粒子として(A)銀粉を含む。本発明における銀粉としては、銀または銀を含む合金からなる粉末を用いることができる。銀粉粒子の形状は、特に限定されず、例えば、球状、粒状、フレーク状、あるいは鱗片状の銀粉粒子を用いることが可能である。
【0032】
本発明において用いる銀粉の平均粒径は、0.1μm〜100μmが好ましく、より好ましくは0.1μm〜20μmであり、最も好ましくは0.1μm〜10μmである。ここでいう平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により得られる体積基準メジアン径(d50)を意味する。
【0033】
導電性ペーストに高い導電性を発現させるためには、導電性ペーストに含まれる銀粉の粒径を大きくするのが好ましい。しかし、銀粉の粒径が大きすぎる場合、導電性ペーストの基板への塗布性や作業性が損なわれることになる。あるいは、導電性ペーストを用いて積層セラミック電子部品の外部電極を形成する場合、導電性ペーストのセラミック素体への付着性が損なわれることになる。したがって、導電性ペーストの基板やセラミック素体への塗布性や付着性が損なわれない限りにおいて、粒径の大きい銀粉を用いることが好ましい。これらのことを勘案すると、本発明において用いる銀粉の平均粒径は、上記の範囲であることが好ましい。
【0034】
銀粉の製造方法は、特に限定されず、例えば、還元法、粉砕法、電解法、アトマイズ法、熱処理法、あるいはそれらの組合せによって製造することができる。フレーク状の銀粉は、例えば、球状または粒状の銀粒子をボールミル等によって押し潰すことによって製造することができる。
【0035】
(B)ガラスフリット
本発明の導電性ペーストは、(B)ガラスフリットを含有する。これにより、導電性ペーストを焼成して得られる導体パターンの、基板への密着性が向上する。また、導電性ペーストを焼成して得られる外部電極の、セラミック素体への密着性が向上する。
【0036】
本発明に用いるガラスフリットは、特に限定されず、好ましくは軟化点300℃以上、より好ましくは軟化点400〜1000℃、さらに好ましくは軟化点400〜700℃のガラスフリットを用いることができる。ガラスフリットの軟化点は、熱重量測定装置(例えば、BRUKER AXS社製、TG−DTA2000SA)を用いて測定することができる。
【0037】
ガラスフリットとして、具体的には、例えばホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸アルカリ金属系、ホウケイ酸アルカリ土類金属系、ホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸鉛系、ホウ酸鉛系、ケイ酸鉛系、ホウ酸ビスマス系、ホウ酸亜鉛系等のガラスフリットを挙げることができる。ガラスフリットは、環境への配慮の点から鉛フリーであることが好ましく、その例として、ホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸アルカリ金属系等のガラスフリットを挙げることができる。
【0038】
ガラスフリットの平均粒径は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.2〜10μm、最も好ましくは0.5〜5μmである。ここでいう平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により得られる体積基準メジアン径(d50)のことを意味する。
【0039】
本発明の導電性ペーストにおいて、(B)ガラスフリットの含有量は、(A)銀粉100質量部に対して好ましくは0.01〜20質量部であり、より好ましくは0.1〜10質量部である。ガラスフリットの含有量がこの範囲よりも少ない場合、導電性ペーストを焼成して得られる導体パターンの基板への密着性が低下する。あるいは、導電性ペーストを焼成して得られる外部電極のセラミック素体への密着性が低下する。反対に、ガラスフリットの含有量がこの範囲よりも多い場合、導電性ペーストを焼成して得られる導体パターンまたは外部電極の導電性が低下する。
【0040】
(C)有機バインダ
本発明の導電性ペーストは、(C)有機バインダを含有する。本発明における有機バインダは、特に限定されるものではなく、導電性ペースト中において銀粉同士をつなぎあわせるものであり、かつ、導電性ペーストの焼成時に焼失するものであればよい。有機バインダとしては、例えば、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0041】
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができる。
【0042】
熱可塑性樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース等を用いることができる。
【0043】
これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0044】
本発明の導電性ペーストにおいて、(C)有機バインダの含有量は、(A)銀粉100質量部に対して好ましくは0.5〜30質量部であり、より好ましくは、1.0〜10質量部である。
導電性ペースト中の(C)有機バインダの含有量が上記の範囲内の場合、導電性ペーストの基板への塗布性が向上し、微細なパターンを高精度に形成することができる。あるいは、導電性ペーストのセラミック素体への塗布性が向上し、外部電極を高精度に形成することができる。一方、(C)有機バインダの含有量が上記の範囲を超えると、導電性ペースト中に含まれる有機バインダの量が多すぎて、焼成後に得られる導体パターンや外部電極の緻密性が低下する場合がある。
【0045】
(D)Cu元素を含み、かつ、V、Cr、Mn、Fe、及びCoからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む粉末
本発明の導電性ペーストは、Cu元素を含み、かつ、V、Cr、Mn、Fe、及びCoからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む粉末を含有する。以下、この粉末を“(D)粉末”と呼ぶ場合がある。この(D)粉末の例は、以下の通りである。
【0046】
(D)粉末の例
Cu及びVを含む粉末
Cu及びCrを含む粉末
Cu及びMnを含む粉末
Cu及びFeを含む粉末
Cu及びCoを含む粉末
Cu、Mn、及びVを含む粉末
Cu、Mn、及びCrを含む粉末
Cu、Mn、及びFeを含む粉末
Cu、Mn、及びCoを含む粉末
Cu、Fe、及びVを含む粉末
Cu、Fe、及びCrを含む粉末
Cu、Fe、及びMnを含む粉末
Cu、Fe、及びCoを含む粉末
Cu、Co、及びVを含む粉末
Cu、Co、及びCrを含む粉末
Cu、Co、及びMnを含む粉末
Cu、Co、及びFeを含む粉末
【0047】
(D)粉末は、上記した金属元素を含む複数種類の粉末を混合した混合粉であってもよい。(D)粉末は、上記した金属元素を含む合金からなる合金粉であってもよい。(D)粉末は、上記した金属元素を含む化合物からなる化合物粉であってもよい。
【0048】
(D)粉末に含まれる複数種類の金属元素は、単体であってもよいし、酸化物であってもよい。例えば、銅は、単体金属(Cu)でもよいし、酸化物(例えばCuO)でもよい。マンガンは、単体金属(Mn)でもよいし、酸化物(例えばMnO)でもよい。コバルトは、単体金属(Co)でもよいし、酸化物(例えばCoO)でもよい。
【0049】
(D)粉末に含まれる複数種類の金属元素は、導電性ペーストの焼成時に酸化物に変化する化合物(例えば水酸化物)であってもよい。例えば、銅は、Cu(OH)でもよい。マンガンは、Mn(OH)でもよい。コバルトは、Co(OH)でもよい。
【0050】
マンガンの単体金属は非常に硬度が高いため、均一の粒径の金属粉を得ることが困難である。したがって、マンガンは、酸化物(例えばMnO)または合金の形態であることが好ましい。
【0051】
導電性ペーストが(D)粉末を含有することによって、導電性ペーストの耐エレクトロマイグレーション性、はんだ耐熱性、基板への密着性、及びセラミック素体への密着性が向上する。このような画期的な効果は、本発明者らによって初めて発見されたものである。このような効果が得られる理由は明らかではないが、このような効果が得られるという事実は本発明者らによって実験的に確かめられている。
【0052】
本発明の導電性ペーストにおいて、(D)粉末の含有量は、(A)銀粉100質量部に対して好ましくは0.1〜5.0質量部であり、より好ましくは0.2〜3.0質量部であり、さらに好ましくは0.3〜1.0質量部である。
【0053】
導電性ペースト中の(D)粉末の含有量が上記の範囲内の場合、導電性ペーストの耐エレクトロマイグレーション性、はんだ耐熱性、基板への密着性、及びセラミック素体への密着性が顕著に向上する。
【0054】
(D)粉末は、銅(Cu)及びマンガン(Mn)を含むことが特に好ましい。
【0055】
本発明の導電性ペーストにおいて、銅(Cu)の元素換算含有量は、(A)銀粉100質量部に対して好ましくは0.005〜2.85質量部、より好ましくは0.015〜2質量部である。
【0056】
本発明の導電性ペーストにおいて、マンガン(Mn)の元素換算含有量は、(A)銀粉100質量部に対して好ましくは0.0001〜0.9質量部、より好ましくは0.0003〜0.7質量部である。
【0057】
本発明の導電性ペーストにおいて、銅の含有量を1としたときのマンガンの元素換算の含有量は、質量比で、0.01〜2.5であることが好ましい。
【0058】
銅及びマンガンの含有量が上記の範囲に調整されることによって、導電性ペーストの耐エレクトロマイグレーション性、はんだ耐熱性、基板への密着性、及びセラミック素体への密着性がさらに向上する。
【0059】
上記(D)粉末は、さらに、Cu、V、Cr、Mn、Fe、及びCo以外の金属元素を含むことが好ましい。
上記(D)粉末は、Ti、Ni、Zn、In、Sn、Te、Pb、Bi、Pd、Pt、及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含むことが好ましい。
上記(D)粉末は、特に、SnまたはBiを含むことが好ましい。
このような(D)粉末の例は、以下の通りである。
【0060】
(D)粉末の例
Cu、V、及びTiを含む粉末
Cu、V、及びNiを含む粉末
Cu、V、及びZnを含む粉末
Cu、V、及びInを含む粉末
Cu、V、及びSnを含む粉末
Cu、V、及びTeを含む粉末
Cu、V、及びPbを含む粉末
Cu、V、及びBiを含む粉末
Cu、V、及びPdを含む粉末
Cu、V、及びPtを含む粉末
Cu、V、及びAuを含む粉末
Cu、Cr、及びTiを含む粉末
Cu、Cr、及びNiを含む粉末
Cu、Cr、及びZnを含む粉末
Cu、Cr、及びInを含む粉末
Cu、Cr、及びSnを含む粉末
Cu、Cr、及びTeを含む粉末
Cu、Cr、及びPbを含む粉末
Cu、Cr、及びBiを含む粉末
Cu、Cr、及びPdを含む粉末
Cu、Cr、及びPtを含む粉末
Cu、Cr、及びAuを含む粉末
Cu、Mn、及びTiを含む粉末
Cu、Mn、及びNiを含む粉末
Cu、Mn、及びZnを含む粉末
Cu、Mn、及びInを含む粉末
Cu、Mn、及びSnを含む粉末
Cu、Mn、及びTeを含む粉末
Cu、Mn、及びPbを含む粉末
Cu、Mn、及びBiを含む粉末
Cu、Mn、及びPdを含む粉末
Cu、Mn、及びPtを含む粉末
Cu、Mn、及びAuを含む粉末
Cu、Fe、及びTiを含む粉末
Cu、Fe、及びNiを含む粉末
Cu、Fe、及びZnを含む粉末
Cu、Fe、及びInを含む粉末
Cu、Fe、及びSnを含む粉末
Cu、Fe、及びTeを含む粉末
Cu、Fe、及びPbを含む粉末
Cu、Fe、及びBiを含む粉末
Cu、Fe、及びPdを含む粉末
Cu、Fe、及びPtを含む粉末
Cu、Fe、及びAuを含む粉末
Cu、Co、及びTiを含む粉末
Cu、Co、及びNiを含む粉末
Cu、Co、及びZnを含む粉末
Cu、Co、及びInを含む粉末
Cu、Co、及びSnを含む粉末
Cu、Co、及びTeを含む粉末
Cu、Co、及びPbを含む粉末
Cu、Co、及びBiを含む粉末
Cu、Co、及びPdを含む粉末
Cu、Co、及びPtを含む粉末
Cu、Co、及びAuを含む粉末
【0061】
本発明の導電性ペーストは、粘度調整等のために、溶媒を含有してもよい。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール類、酢酸エチレン等の有機酸類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のN−アルキルピロリドン類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、テルピネオール(TEL)、ブチルカルビトール(BC)等の環状カーボネート類、及び水等が挙げられる。
溶媒の含有量は、特に限定されないが、(A)銀粉100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜60質量部である。
【0062】
本発明の導電性ペーストの粘度は、好ましくは50〜700Pa・s、より好ましくは100〜300Pa・sである。導電性ペーストの粘度がこの範囲に調整されることによって、導電性ペーストの塗布性や取り扱い性が良好になり、導電性ペーストを均一の厚みで基板やセラミック素体へ塗布することが可能になる。
【0063】
本発明の導電性ペーストは、その他の添加剤、例えば、分散剤、レオロジー調整剤、顔料などを含有してもよい。
【0064】
本発明の導電性ペーストは、さらに、無機充填剤(例えば、ヒュームドシリカ、炭酸カルシウム、タルクなど)、カップリング剤(例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネートなどのチタネートカップリング剤など)、シランモノマー(例えば、トリス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)イソシアヌレート)、可塑剤(例えば、カルボキシル基末端ポリブタジエン‐アクリロニトリルなどのコポリマー、シリコーンゴム、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー、アクリル樹脂パウダーなどの樹脂パウダー)、難燃剤、酸化防止剤、消泡剤などを含有してもよい。
【0065】
本発明の導電性ペーストは、金属酸化物を含有してもよい。金属酸化物の例としては、酸化銅、酸化ビスマス、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化タングステン等が挙げられる。導電性ペーストが酸化コバルトを含有する場合、導電性ペーストのはんだ耐熱性が向上する。導電性ペーストが酸化ビスマスを含有する場合、銀粉の焼結が促進されるとともに、導電性ペーストのはんだ濡れ性が向上する。
【0066】
本発明の導電性ペーストは、上記の各成分を、例えば、ライカイ機、ポットミル、三本ロールミル、回転式混合機、二軸ミキサー等を用いて混合することで製造することができる。
【0067】
本発明の導電性ペーストを用いて基板上に導体パターンを形成する方法について説明する。
まず、本発明の導電性ペーストを基板上に塗布する。塗布方法は任意であり、例えば、ディスペンス、ジェットディスペンス、孔版印刷、スクリーン印刷、ピン転写、スタンピングなどの公知の方法を用いて塗布することができる。基板の材料としては、アルミナ、ガラスセラミック、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等を用いることができる。
【0068】
基板上に導電性ペーストを塗布した後、基板を電気炉等に投入する。そして、基板上に塗布された導電性ペーストを、500〜1000℃、より好ましくは600〜1000℃、さらに好ましくは700〜900℃で焼成する。これにより、導電性ペーストに含まれる銀粉同士が焼結するとともに、導電性ペーストに含まれる有機バインダ等の成分が焼失する。
【0069】
このようにして得られた導体パターンは、導電性が非常に高い。また、耐エレクトロマイグレーション性、はんだ耐熱性、及び基板への密着性が優れている。
【0070】
本発明の導電性ペーストを用いて積層セラミック電子部品を製造する方法について説明する。
まず、セラミック素体を準備する。セラミック素体は、例えば、積層した誘電体シートをプレスした後、その誘電体シートを焼成して得られるセラミック積層体である。つぎに、準備したセラミック素体の端面に、本発明の導電性ペーストを塗布する。つぎに、端面に塗布した導電性ペーストを、500〜1000℃、より好ましくは600〜1000℃、さらに好ましくは700〜900℃で焼成する。これにより、セラミック素体の端面に外部電極が形成される。
【0071】
このようにして得られた積層セラミック電子部品の外部電極は、導電性が非常に高い。また、このようにして得られた外部電極は、耐エレクトロマイグレーション性及びはんだ耐熱性が優れている。さらに、このようにして得られた外部電極は、セラミック素体への密着性が優れている。外部電極の表面には、必要に応じて、ニッケルメッキ、スズメッキ等のはんだ濡れ性を高めるための処理を施してもよい。
【0072】
本発明の導電性ペーストを用いて外部電極を形成することのできる積層セラミック電子部品の例としては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、ジルコン酸カルシウムなどの誘電体セラミックを用いたMLCC、ZnOなどを用いたバリスタ、フェライトや誘電体セラミックを用いたインダクタ等が挙げられる。
【0073】
本発明の導電性ペーストは、電子部品の回路の形成や電極の形成、あるいは電子部品の基板への接合等に用いることが可能である。また、本発明の導電性ペーストは、LEDリフレクタ用のアルミナ基板への導体パターン(回路パターン)の形成に用いることができる。本発明の導電性ペーストを用いることによって、電気的特性に優れるプリント配線板及び電子製品を製造することができる。本発明の導電性ペーストを用いて製造されたプリント配線板上に電子部品をはんだ付けすることによって、電気的特性に優れる電子装置を製造することができる。
【実施例】
【0074】
[導電性ペーストの調製]
以下の(A)〜(D)成分を混合して、実施例1〜10の導電性ペーストを調製した。
【0075】
(A)銀粉
平均粒径2μmの球状銀粉。
【0076】
(B)ガラスフリット
平均粒径1.0μm、軟化点440℃のBi・B系ガラスフリット。
【0077】
(C)有機バインダ
エチルセルロース樹脂をブチルカルビトールに溶解させて得られた有機バインダを使用した。エチルセルロース樹脂とブチルカルビトールの混合比は、30:70(質量比)である。
【0078】
(D)Cu元素を含み、かつ、V、Cr、Mn、Fe、及びCoからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む粉末

(実施例1)CuMnBi合金からなる合金粉
金属元素の配合比は、Ag100質量部に対して、Cu 1.76, Mn 0.2, Bi 0.04

(実施例2)CuMnFe合金からなる合金粉
金属元素の配合比は、Ag100質量部に対して、Cu 1.76, Mn 0.2, Fe 0.04

(実施例3)CuMnSn合金からなる合金粉
金属元素の配合比は、Ag100質量部に対して、Cu 1.76, Mn 0.2, Sn 0.04

(実施例4)CuCoSn合金からなる合金粉
金属元素の配合比は、Ag100質量部に対して、Cu 1.76, Co 0.2, Sn 0.04

(実施例5)CuO、MnO、及びSnOを含む混合粉
金属元素の配合比は、Ag100質量部に対して、CuO 1.76, MnO2 0.2, SnO2 0.04

(実施例6)CuO、CoO、及びSnOを含む混合粉
金属元素の配合比は、Ag100質量部に対して、CuO 1.76, CoO 0.2, SnO2 0.04

(実施例7)CuO、MnO、及びBiを含む混合粉
金属元素の配合比は、Ag100質量部に対して、CuO 1.76, MnO2 0.2, Bi2O3 0.04

(実施例8)CuO、MnO、及びTiOを含む混合粉
金属元素の配合比は、Ag100質量部に対して、CuO 1.76, MnO2 0.2, TiO2 0.04

(実施例9)CuO、MnO、及びVを含む混合粉
金属元素の配合比は、Ag100質量部に対して、CuO 1.76, MnO2 0.2, V2O5 0.04

(実施例10)CuO、MnO、及びFeを含む混合粉
金属元素の配合比は、Ag100質量部に対して、CuO 1.76, MnO2 0.2, Fe3O4 0.04
【0079】
[試験片の作製]
2cm×2cm×1mm(t)のアルミナ基板上に、スクリーン印刷によって導電性ペーストを塗布した。これにより、一辺が1.5mmの角パッド形状からなるパターンを形成した。マスクには、ステンレス製の250メッシュを用いた。レジストの膜厚は20μmである。つぎに、熱風式乾燥機を用いて、150℃で10分間、導電性ペーストを乾燥させた。導電性ペーストを乾燥させた後、焼成炉を用いて、導電性ペーストを焼成した。焼成温度は850℃(最高温度)であり、焼成時間は60分間である。最高温度での保持時間は10分間である。これにより、以下の「はんだ濡れ性試験」及び「はんだ耐熱性試験」に使用する試験片を作製した。
【0080】
[はんだ濡れ性試験]
上記で作製した試験片を、230℃の鉛フリーはんだ槽に3秒間浸漬させた後、試験片を引き上げた。そして、角パッドパターンの表面をカメラで撮影し、撮影した画像にデジタル処理を施すことによって、角パッドパターンの表面に「はんだ」が付着している面積の割合(%)を求めた。はんだ濡れ性試験の結果を以下の表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
[はんだ耐熱性試験]
上記で作製した試験片を、鉛フリーはんだ槽に30秒間浸漬させた後、試験片を引き上げた。そして、アルミナ基板上に残存している角パッドパターンをカメラで撮影し、撮影した画像にデジタル処理を施すことによって、残存している角パッドパターンの面積の割合(%)を求めた。鉛フリーはんだ槽の温度は、260℃、270℃及び280℃に変化させた。浸漬時間は、10秒間、20秒間、30秒間、及び40秒間に変化させた。はんだ耐熱性試験の結果を以下の表2に示す。
【0083】
【表2】
【0084】
[密着強度試験]
(1)2cm×2cm×1mm(t)のアルミナ基板上に、スクリーン印刷によって導電性ペーストを塗布した。これにより、一辺が1.5mmの角パッド形状からなるパターンを形成した(図1(a))。マスクには、ステンレス製の250メッシュを用いた。レジストの膜厚は20μmである。
【0085】
(2)つぎに、熱風式乾燥機を用いて、150℃で5分間、導電性ペーストを乾燥させた。導電性ペーストを乾燥させた後、焼成炉を用いて、導電性ペーストを焼成した。焼成温度は850℃(最高温度)であり、焼成時間は60分間である。最高温度での保持時間は10分間である。
【0086】
(3)上記(2)で焼成したパターンに、はんだごてを用いてリード線(すずめっき銅線0.6mmφ)を接合した(図1(b))。接合には、Pbフリーはんだを使用した。使用したはんだの組成は、Sn3.0Ag0.5Cuである。
【0087】
(4)上記(3)においてパターンに接合したリード線を、基板と垂直な方向に強度試験器で引っ張り、接合部が剥がれたときの引張強度(N)を測定した(図1(c))。測定は10回行い、10回の測定値の平均を算出した。
【0088】
(5)アルミナ基板を150℃に保持された乾燥機に100時間放置した後、上記(4)と同様の試験を行った。
【0089】
(6)アルミナ基板をヒートサイクル試験機に100サイクルの間放置した後、上記(4)と同様の試験を行った。1サイクルは−40〜125℃であり、−40℃で30分間、125℃で30分間である。
密着強度試験の結果を、以下の表3に示す。
【0090】
【表3】
【0091】
[耐エレクトロマイグレーション試験]
実施例3の導電性ペースト(CuMnSnを含む導電性ペースト)をアルミナ基板上に塗布することによって、図2に示すような線幅200μmのL/Sパターンを形成した。つぎに、形成したパターンを850℃で60分間加熱して焼成した。これにより、対向する2つの電極を形成した。
【0092】
つぎに、2つの電極の間に電圧を印加しつつ、2つの電極が形成されたアルミナ基板を高温高湿下に放置し、2つの電極間の抵抗値(Ω)を連続的に測定した。2つの電極間に印加する電圧の大きさは、4Vに設定した。アルミナ基板を放置する環境の温度は、85℃に設定した。アルミナ基板を放置する環境の相対湿度は、85%に設定した。耐エレクトロマイグレーション試験の結果を、図3に示す。図3において、HR4441は、実施例3の導電性ペースト(CuMnSnを含む導電性ペースト)を示している。
【0093】
[比較例]
比較例では、上記実施例と同様の手順により、導電性ペーストを調製し、試験片を作製した。作製した試験片を用いて、はんだ濡れ性試験、はんだ耐熱性試験、密着強度試験、及び耐エレクトロマイグレーション試験を実施した。ただし、比較例では、上記(D)粉末の代わりに、以下の2種類の粉末を使用した。
【0094】
(比較例1)Pt粉末
(比較例2)CuO、MoO3、及びSnOを含む混合粉
【0095】
比較例1、2におけるはんだ濡れ性試験、はんだ耐熱性試験、及び密着強度試験の結果を、以下の表4〜6にそれぞれ示す。比較例1、2における耐エレクトロマイグレーション試験の結果を、図3に示す。
【0096】
【表4】
【0097】
【表5】
【0098】
【表6】
【0099】
[考察]
表1、2、3、及び図3に示す結果を見れば分かる通り、実施例1〜10の導電性ペーストを焼成して得られる導体パターンは、はんだ濡れ性、はんだ耐熱性、基板への密着強度、及び、耐エレクトロマイグレーション性が優れていた。
これに対し、表4、5、6及び図3に示す結果を見ればわかる通り、比較例2の導電性ペーストを焼成して得られる導体パターンは、はんだ濡れ性、はんだ耐熱性、基板への密着強度、及び、耐エレクトロマイグレーション性が劣っていた。
また、実施例1〜10と比較例1の結果を比較すれば分かる通り、実施例1〜10の導電性ペーストは、高価なPtを含有していないにもかかわらず、Ptを含有する従来の導電性ペーストと同等以上の性能を有していた。
図1
図2
図3