特許第6576917号(P6576917)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6576917(チオ)リン酸トリアミド及びさらなる化合物を含む、改善されたウレアーゼ阻害効果を有する組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6576917
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】(チオ)リン酸トリアミド及びさらなる化合物を含む、改善されたウレアーゼ阻害効果を有する組成物
(51)【国際特許分類】
   C05G 3/08 20060101AFI20190909BHJP
   C07F 9/24 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 215/12 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 235/06 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   C05G3/08ZBP
   C07F9/24 Z
   C07C215/12
   C07C235/06
【請求項の数】16
【全頁数】63
(21)【出願番号】特願2016-522940(P2016-522940)
(86)(22)【出願日】2014年6月27日
(65)【公表番号】特表2016-526526(P2016-526526A)
(43)【公表日】2016年9月5日
(86)【国際出願番号】IB2014062667
(87)【国際公開番号】WO2015001457
(87)【国際公開日】20150108
【審査請求日】2017年6月26日
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2013/055484
(32)【優先日】2013年7月4日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2013/055486
(32)【優先日】2013年7月4日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2013/055483
(32)【優先日】2013年7月4日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100169971
【弁理士】
【氏名又は名称】菊田 尚子
(74)【代理人】
【識別番号】100168893
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 正路
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,カール−ハインリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】クロドヴィヒ,クラウディア
(72)【発明者】
【氏名】パスダ,グレゴール
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッセマイアー,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ローエ,ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】レディッヒ,アヒム
(72)【発明者】
【氏名】ミヤガワ,クリスティアン,カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ツェルラ,ヴォルフラム
(72)【発明者】
【氏名】チルヒヴィッツ,シュテフェン
(72)【発明者】
【氏名】ラーン,ラルフ−トーマス
(72)【発明者】
【氏名】アルテンホフ,アンスガー,ゲレオン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュッファー,シュテファン
【審査官】 柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−510487(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0154874(US,A1)
【文献】 特開平08−157819(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/163808(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0206031(US,A1)
【文献】 特表2000−502037(JP,A)
【文献】 特表2010−501223(JP,A)
【文献】 特開2005−022912(JP,A)
【文献】 特開2008−156243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C05G 3/08
C07C 215/12
C07C 235/06
C07F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A) 一般式(I)
R1R2N-P(X)(NH2)2
(式中、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1は、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、若しくはジアルキルアミノカルボニル基であり、
R2はHであり、又は
R1及びR2は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい)
に従う少なくとも1つの(チオ)リン酸トリアミドを含む混合物と、
(C) (C1) ポリアルキレンイミン、並びに
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R21を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン、並びに
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R22を含有するアミンであり、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン、並びに
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミン、並びに
(C5) 環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式アミン
からなる群から選択される少なくとも1つのアミンと
を含む、組成物。
【請求項2】
混合物(A)が、N-n-ブチルチオリン酸トリアミド(NBPT)及び/又はN-n-プロピルチオリン酸トリアミド(NPPT)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(C)がポリエチレンイミンである(C1)である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
(C)が、
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R21を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン
である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
(C)が、
(C2) ビス(ヒドロキシエチル)イソプロパノールアミン(DEIPA)、及び1,1'-((2-ヒドロキシエチル)イミノ)ジプロパン-2-オールからなる群から選択されるアミン
である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項6】
(C)が、
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R22を含有するアミンであり、前記アルキル基の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン
である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項7】
(C)が、
(C3) 1-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン-2-オール、及びN-メチル-N-ヒドロキシエチルイソプロパノールアミンからなる群から選択されるアミン
である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項8】
(C)が、
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミン
である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項9】
(C)が、
(C4) エトキシ化(2)ココアルキルアミン、エトキシ化(5)ココアルキルアミン、エトキシ化(15)ココアルキルアミン、エトキシ化(2)オレイルアミン、ラウリルジメチルアミン、オレイルジメチルアミン、並びに2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(5EO)、2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(10EO)、及び2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(20EO)からなる群から選択されるアミン
である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項10】
酸、クエン酸、酒石酸、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、又はそれらの混合物に基づいたN,N-ジアルキルアミドである(D)をさらに含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項11】
(E) プロパン-1,2-ジオール(α-プロピレングリコール)
をさらに含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項12】
(A) 一般式(I)
R1R2N-P(X)(NH2)2
(式中、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1は、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、若しくはジアルキルアミノカルボニル基であり、
R2はHであり、又は
R1及びR2は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい)
に従う少なくとも1つの(チオ)リン酸トリアミドを含む混合物と、
(D) 一般式(III)
R31CO-NR32R33
(式中、
R31COは1〜22の炭素原子を有するアシル基であり、
R32はH若しくはアルキルであり、並びに
R33はH若しくはアルキルであり、又は
R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい)
に従う少なくとも1つのアミド
とを含む、組成物。
【請求項13】
混合物(A)が、N-n-ブチルチオリン酸トリアミド(NBPT)及び/又はN-n-プロピルチオリン酸トリアミド(NPPT)を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
(D)の一般式(III)においてR31COが1〜22の炭素原子を有するヒドロキシ置換アシル基である、請求項12又は13に記載の組成物。
【請求項15】
(D)が、乳酸、クエン酸、酒石酸、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、又はそれらの混合物に基づいたN,N-ジアルキルアミドである、請求項12又は13に記載の組成物。
【請求項16】
(D)が乳酸N,N-ジメチルアミドである、請求項12又は13に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(チオ)リン酸トリアミド及びさらなる化合物を含む、改善されたウレアーゼ阻害効果を有する組成物並びに窒素含有肥料のための添加材料又は被覆材料としてのそのような組成物の使用に本質的に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的に、施肥に使用される窒素の主要量及びさらに高まりつつある量は、尿素又は尿素含有肥料の形態で使用されている。しかし、尿素それ自体は、吸収されるとしてもほんの少ししか吸収されない窒素形態であり、尿素は土壌中に遍在している酵素ウレアーゼによって相対的に迅速に加水分解され、アンモニア及び二酸化炭素を形成する。その際に、状況によっては、気体アンモニアは大気中へ放出され、次いでこれは土壌中で植物のためにもはや利用可能でないので、施肥の有効性が低下する。
【0003】
尿素含有肥料の使用の際に、尿素含有肥料を、尿素の酵素的開裂を阻害することができるか又は低下させることができる物質とともに散布することによって、窒素利用性を改善できることが知られている(一般的な総説については、Kiss, S., Simihaian, M. (2002) Improving Efficiency of Urea Fertilizers by Inhibition of Soil Urease Activity, ISBN 1-4020-0493-1, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, The Netherlandsを参照のこと)。最も効く公知のウレアーゼ阻害剤には、N-アルキルチオリン酸トリアミド及びN-アルキルリン酸トリアミドがあり、これらは例えば欧州特許第0119487号に記載されている。
【0004】
また、N-(n-ブチル)チオリン酸トリアミド(NBPT)及びN-(n-プロピル)チオリン酸トリアミド(NPPT)などのN-アルキルチオリン酸トリアミドの混合物も使用することができる。その混合物及びそれらの調製物は例えば米国特許出願第2010/218575(A1)号に記載されている。
【0005】
こうしたウレアーゼ阻害剤は例えば米国特許第4,530,714号に記載されている。この種の化合物をウレアーゼ阻害剤として作用可能とするために、まず相応するオキソ型に転換しなければならない。この型が引き続きウレアーゼと反応し、ウレアーゼの阻害を引き起こす。
【0006】
このことにより、阻害剤が肥料とともに土壌と接触することが確実となるので、尿素とともにウレアーゼ阻害剤を土壌上に又は土壌中に施与することは得策である。ウレアーゼ阻害剤は、例えば尿素造粒に先立ちその溶融物にウレアーゼ阻害剤を溶解するか、小球にすることにより、尿素に組み込むことができる。この種の方法は例えば米国特許第5,352,265号に記載されている。さらなる選択肢は、例えば溶液の形態で、ウレアーゼ阻害剤を尿素粒状物又は尿素小球物に施与することである。
【0007】
施与について相応する方法及び適切な溶媒については、例えば米国特許出願第2010/218575(A1)号に記載されている。その他の適切な添加剤、例えばメチルジエタノールアミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N',N'-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミン、N,N',N"-トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、及び2,2'-ジモルフォリニルジエチルエーテルから選択されるアミンについては、米国特許出願第2011/0154874(A1)号に記載されている。
【0008】
ウレアーゼ阻害剤の貯蔵寿命は限られている。温度が高ければ高いほど貯蔵寿命は短い。例えば尿素を熱帯的条件下で貯蔵する場合は、一般には約4週間の貯蔵の後、ウレアーゼ阻害剤の大部分が分解してしまう。ウレアーゼ阻害剤を尿素溶融物に導入する場合は、分解は少ない。しかし、ウレアーゼ阻害剤による安定化した尿素の商業化については、尿素にウレアーゼ阻害剤を施与すること、及び土壌に処理済み肥料を散布する時までそれを貯蔵することが、必要不可欠であることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題の1つは、
(i) (チオ)リン酸トリアミドの安定性を高め、及び/又は
(ii) 特に窒素含有肥料に施与するか、それの上に被覆する前に、相対的に長い貯蔵寿命を有し、及び/又は
(iii) 特に尿素などの窒素含有肥料に施与するか、それの上に被覆する際に、(チオ)リン酸トリアミドの安定性を高め、及び/又は
(iv) 尿素などの窒素含有肥料に施与するか、それの上に被覆する(チオ)リン酸トリアミドを分解又は損失から保護し、及び/又は
(v) 毒物学上、容認され、及び/又は
(vi) ウレアーゼ阻害効果及び/又は(チオ)リン酸トリアミド活性に悪影響を及ぼさず、及び/又は
(vii) 大量であっても、容易に及び安全に包装し、運搬し且つ出荷することができ、
(viii) 大量であっても、土壌処理のため容易に及び安全に取り扱い且つ施与することができる、
(チオ)リン酸トリアミドを含有する組成物を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、組成物(Q1)が見出され、この組成物は、
(A) 一般式(I)
R1R2N-P(X)(NH2)2
(式中、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1は、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、若しくはジアルキルアミノカルボニル基であり、
R2はHであり、又は
R1及びR2は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む)
に従う少なくとも1つの(チオ)リン酸トリアミドを含む混合物と、
(B) 組成物(Q1)の総重量に基づいて10wt.%(wt.%は「重量パーセント」を表す」)を超える量の、一般式(II)
R11-C(R12)(R13)-OH
(式中、
R11はアリール若しくはアルキルアリールであり、
R12はH若しくはアルキルであり、
R13はH若しくはアルキルである)
に従う芳香族アルコール
とを含む。
【0011】
そこで、
(A) 一般式(I)
R1R2N-P(X)(NH2)2
(式中、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1は、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、若しくはジアルキルアミノカルボニル基であり、
R2はHであり、又は
R1及びR2は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む)
に従う少なくとも1つの(チオ)リン酸トリアミドを含む混合物と、
(C) (C1) 高分子ポリアミン、並びに
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R21を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン、並びに
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R22を含有するアミンであり、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン、並びに
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミン、並びに
(C5) 環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式アミン
からなる群から選択される少なくとも1つのアミンと
を含む、さらなる組成物(Q2)が見い出された。
【0012】
そこで、
(A) 一般式(I)
R1R2N-P(X)(NH2)2
(式中、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1は、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、若しくはジアルキルアミノカルボニル基であり、
R2はHであり、又は
R1及びR2は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む)
に従う少なくとも1つの(チオ)リン酸トリアミドを含む混合物と、
(D) 一般式(III)
R31CO-NR32R33
(式中、
R31COは1〜22の炭素原子を有するアシル基であり、
R32は水素若しくはアルキルであり、並びに
R33は水素若しくはアルキルであり、又は
R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む)
に従う少なくとも1つのアミド、
を含むまたさらなる組成物(Q3)が見出された。
【0013】
また、土壌に、畝間(in-furrow)で及び/又は側方施肥として並びに/又は散布として、本発明の組成物を施肥する工程を含む土壌を処理するための方法も見出された。
【0014】
さらに、窒素含有肥料に対して本発明の組成物を添加材料又は被覆材料として使用することも見出された。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好ましい実施形態が特許請求の範囲及び明細書において説明されている。好ましい実施形態の組合せは本発明の範囲内であることが理解されよう。
【0016】
用語「少なくとも1つ」とは、1、2、3又はそれ以上であると理解すべきである。少なくとも1つのアミンを含む混合物とは、例えば1、2、3又はそれ以上のアミンを含む混合物を指す。
【0017】
用語「土壌」とは、地表面に発生する生物(例えば微生物(細菌及び菌類などの)、動物及び植物)及び非生物(例えば鉱物及び有機物(例えば分解の様々な程度にある有機化合物)、液体、及び気体)で構成される自然物として理解すべきであり、且つ、様々な物理的、化学的、生物学的及び人為的プロセスの結果として当初の材料から区別し得る土層位により特徴づけられる。農業の観点から、土壌は、植物(植物生息地)のアンカー及び一次栄養基盤として主にみなされている。
【0018】
用語「肥料」とは、植物及び果実の成長を促進するために適用される化学化合物として理解されるべきである。肥料は土壌を介するか(植物の根による取り込みに対する)又は葉面散布による(葉を介しての取り込みに対する)かのいずれかにより一般には施肥される。用語「肥料」は、a)有機肥料(腐敗した植物/動物質で構成される)及びb)無機肥料(化学物質及び鉱物で構成される)の、2つの主たる範疇に分けることができる。有機肥料には、厩肥、スラリー、ミミズの糞、ピート、海藻、下水汚物、及びグアノが含まれる。緑肥作物はまた土壌に栄養素(特に窒素)を添加するために規則正しく育成される。製造された有機肥料には、たい肥、血粉、骨粉及び海藻抽出物が含まれる。さらなる例としては、酵素消化タンパク質、魚粉、及びフェザーミールがある。先年からの分解作物残渣は肥沃性の別の供給源である。また、リン鉱石、硫酸カリ及び石灰石などの天然起源鉱物も無機肥料とみなされる。無機肥料は、化学的方法(ハーバー-ボッシュ法(Haber-Bosch process)などの)によって通常は製造されるか、また天然起源堆積物を使用し、且つそれらを化学的に改変する(例えば濃縮重過リン酸石灰)。天然起源無機肥料には、チリ硝石、リン鉱石、及び石灰石が含まれる。
【0019】
「厩肥」とは農業において有機肥料として使用される有機物である。その構造に従って、厩肥は液状厩肥、半液状厩肥、安定又は固形厩肥及び藁厩肥に分けることができる。その由来に従って厩肥は動物又は植物に由来する厩肥に分けることができる。動物性厩肥の通常の形態には、糞、尿、農場スラリー(液状厩肥)、又堆肥(FMY)が含まれる一方、FMYにはある特定量の植物材(一般には藁)も含まれ、これは動物の床敷として使用することもできる。厩肥元に使用することのできる動物には、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウサギ、並びに海鳥及びコウモリに由来するグアノが含まれる。肥料として使用される際、動物性厩肥の施肥量は、その由来(動物の種)で非常に異なる。植物性厩肥はあらゆる種類の植物に由来することができる一方、植物を、植物性厩肥を耕すことを目的として明確に育成することもでき(例えばマメ科植物)、その結果、土壌の構造及び肥沃性を改良することができる。さらに、厩肥として使用する植物体には、と殺反芻動物のルーメン内容物、ホップ粕(ビール醸造の滓)又は海藻を含めることができる。
【0020】
本発明の組成物は、以下組成物(Q1)、(Q2)、及び(Q3)という。組成物(Q1)は(A)及び(B)を含み、(Q1)の総重量に基づいて10wt.%を超える量で後者を含み、且つ下記のさらなる成分を任意選択で含む。組成物(Q2)は(A)及び(C)並びに下記のさらなる成分を任意選択で含む。組成物(Q3)は(A)及び(D)並びに下記のさらなる成分を任意選択で含む。
【0021】
本発明によれば、組成物(Q1)、(Q2)、及び(Q3)は、これらの必須成分の1つとして、
(A) 一般式(I)
R1R2N-P(X)(NH2)2
(式中、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1は、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、若しくはジアルキルアミノカルボニル基であり、
R2はHであり、又は
R1及びR2は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む)
に従う少なくとも1つの(チオ)リン酸トリアミドを含む混合物
を含む。
【0022】
(A)の一般式(I)におけるXは好ましくは硫黄である。
【0023】
(A)の一般式(I)におけるR1は、C1〜C20アルキルであることが好ましく、C1〜C10アルキルであることがより好ましく、C2〜C7アルキルであることが最も好ましく、例えばC3〜C4アルキルである。
【0024】
アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、2-メチルペンチル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル及びイソデシルである。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロオクチルであり、アリール基の例は、フェニル又はナフチルである。複素環基R1R2N-の例は、ピペラジニル基、モルフォリニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基又はイミダゾリル基である。
【0025】
一実施形態によれば、(A)は、N-n-ブチルチオリン酸トリアミド(NBPT)及び/又はN-n-プロピルチオリン酸トリアミド(NPPT)を含み、好ましくはNBPT及びNPPTを含む。
【0026】
別の実施形態によれば、(A)は、一般式(I)の構造を有する少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含み、その際、前記少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドは基R1又は基R2のうち少なくとも1つが相違し、好ましくは前記少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドの一方はN-n-ブチルチオリン酸トリアミド(NBPT)であり、より好ましくは、前記少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドの他方は、N-シクロヘキシル、N-ペンチル、N-イソブチル及びN-n-プロピルリン酸トリアミド並びにN-シクロヘキシル、N-ペンチル、N-イソブチル及びN-n-プロピルチオリン酸トリアミドからなる群から選択される。混合物(A)は、(A)の総重量をその都度基準として、40〜95wt.%の量で、最も好ましくは60〜85%wt.%の量で、特に好ましくは72〜80wt.%の量でNBPTを含むのがとりわけ好ましい。
【0027】
一般に、混合物(A)は、組成物(Q1)、(Q2)、又は(Q3)中に様々な量で含有させることができる。好ましくは、組成物(Q1)、(Q2)、又は(Q3)の総重量に基づいて、(A)の量は85wt.%(wt.%は「重量パーセント」を表す」)以下であり、より好ましくは60wt.%以下であり、最も好ましくは45wt.%以下であり、最も特に好ましくは35wt.%以下であり、特に30wt.%以下であり、例えば27wt.%以下である。好ましくは、組成物(Q1)、(Q2)、又は(Q3)の総重量に基づいて、(A)の量は少なくとも1wt.%であり、より好ましくは少なくとも4wt.%であり、最も好ましくは少なくとも10wt.%であり、最も特に好ましくは少なくとも15wt.%であり、特に少なくとも20wt.%であり、例えば少なくとも23wt.%である。
【0028】
本発明によれば、組成物(Q1)は、それの必須成分の1つとして、組成物(Q1)の総重量に基づいて10wt.%を超える量で
(B) 一般式(II)
R11-C(R12)(R13)-OH、
(式中、
R11はアリール又はアルキルアリールであり、
R12はH又はアルキルであり、
R13はH又はアルキルである)
に従う芳香族アルコール
を含む。
【0029】
組成物(Q2)及び(Q3)は、
(B) 一般式(II)
R11-C(R12)(R13)-OH、
(式中、
R11はアリール又はアルキルアリールであり、
R12はH又はアルキルであり、
R13はH又はアルキルである)
に従う芳香族アルコール
を、さらに任意選択で含むことができる。
【0030】
芳香族アルコール(B)は、組成物(Q1)における溶媒として使用するのが好ましい。存在する場合、芳香族アルコール(B)は、組成物(Q2)又は(Q3)における溶媒として使用するのが好ましい。
【0031】
一実施形態によると、(B)の一般式(II)におけるR12は、C1〜C40アルキルであり、好ましくはC1〜C20アルキルであり、より好ましくはC1〜C10アルキルであり、最も好ましくはC1〜C5アルキルである。別の実施形態によると、(B)の一般式(II)におけるR13は、C1〜C40アルキルであり、好ましくはC1〜C20アルキルであり、より好ましくはC1〜C10アルキルであり、最も好ましくはC1〜C5アルキルである。
【0032】
別の実施形態によると、(B)の一般式(II)におけるR12はHである。別の実施形態によると、(B)の一般式(II)におけるR13はHである。別の実施形態によると、(B)の一般式(II)におけるR13はHである。
【0033】
一実施形態によると、(B)の一般式(II)におけるR11はアリールである。別の実施形態によると、(B)の一般式(II)におけるR11は、フェニル、ナフチル、ピリジル若しくはピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル又はイミダゾリルである。別の実施形態によると、(B)の一般式(II)におけるR11はフェニルである。
【0034】
一実施形態によると、(B)はベンジルアルコールである。
【0035】
一般に、芳香族アルコール(B)は、組成物(Q1)の総重量に基づいて、組成物(Q1)中に10wt.%より大きい任意の量で含有させることができる。好ましくは(B)の量は、組成物(Q1)の総重量に基づいて、99wt.%(wt.%は「重量パーセント」を表す」)以下であり、より好ましくは93wt.%以下であり、最も好ましくは87wt.%以下であり、最も特に好ましくは80wt.%以下であり、特に75wt.%以下であり、例えば70wt.%以下である。好ましくは、(B)の量は、組成物(Q1)の総重量に基づいて、少なくとも13wt.%であり、より好ましくは少なくとも20wt.%であり、最も好ましくは少なくとも35wt.%であり、最も特に好ましくは少なくとも45wt.%であり、特に少なくとも55wt.%であり、例えば少なくとも60wt.%である。
【0036】
別の実施形態によると、(B)の量は、組成物(Q1)の総重量に基づいて、78wt.%以下であることが好ましく、67wt.%以下であることがより好ましく、61wt.%以下であることが最も好ましく、56wt.%以下であることが最も特に好ましく、特に53wt.%以下であり、例えば50wt.%以下である。好ましくは、(B)の量は、組成物(Q1)の総重量に基づいて、少なくとも16wt.%であり、より好ましくは少なくとも21wt.%であり、最も好ましくは少なくとも26wt.%であり、最も特に好ましくは少なくとも30wt.%であり、特に少なくとも37wt.%であり、例えば少なくとも40wt.%である。
【0037】
存在する場合、芳香族アルコール(B)は、組成物(Q2)又は(Q3)中に様々な量で一般に含有させることができる。存在する場合、(B)の量は、組成物(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、95wt.%(wt.%は「重量パーセント」を表す」)以下であることが好ましく、80wt.%以下であることがより好ましく、70wt.%以下であることが最も好ましく、60wt.%以下であることが最も特に好ましく、特に55wt.%以下であり、例えば50wt.%以下である。存在する場合、(B)の量は、組成物(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、少なくとも6wt.%であることが好ましく、少なくとも13wt.%であることがより好ましく、少なくとも21wt.%であることが最も好ましく、少なくとも30wt.%であることが最も特に好ましく、特に少なくとも35wt.%であり、例えば少なくとも40wt.%である。
【0038】
本発明によれば、組成物(Q2)は、それの必須成分の1つとして、
(C) 以下からなる群から選択される少なくとも1つのアミン
を含み、並びに組成物(Q1)及び(Q3)は、それの任意選択の成分の1つとして、
(C) 以下からなる群から選択される少なくとも1つのアミン
をさらに含むことができる。
(C1) 高分子ポリアミン、並びに
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R21を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン、並びに
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R22を含有するアミンであり、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン、並びに
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミン、並びに
(C5) 環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式アミン。
【0039】
一般には、アミン(C)は、組成物(Q2)中に様々な量で含有させることができる。好ましくは、(C)の量は、組成物(Q2)の総重量に基づいて、90wt.%(wt.%は「重量パーセント」を表す」)以下であり、より好ましくは65wt.%以下であり、最も好ましくは48wt.%以下であり、最も特に好ましくは37wt.%以下であり、特に30wt.%以下であり、例えば24wt.%以下である。好ましくは、(C)の量は、組成物(Q2)の総重量に基づいて、少なくとも1wt.%であり、より好ましくは少なくとも3wt.%であり、最も好ましくは少なくとも6wt.%であり、最も特に好ましくは少なくとも9wt.%であり、特に少なくとも14wt.%であり、例えば少なくとも18wt.%である。
【0040】
存在する場合、アミン(C)は、組成物(Q1)又は(Q3)中に様々な量で一般に含有させることができる。存在する場合、(C)の量は、組成物(Q1)又は(Q3)の総重量に基づいて、90wt.%(wt.%は「重量パーセント」を表す」)以下であることが好ましく、65wt.%以下であることがより好ましく、48wt.%以下であることが最も好ましく、37wt.%以下であることが最も特に好ましく、特に30wt.%以下であり、例えば24wt.%以下である。存在する場合、(C)の量は、組成物(Q1)又は(Q3)の総重量に基づいて、少なくとも1wt.%であることが好ましく、少なくとも3wt.%であることがより好ましく、少なくとも6wt.%であることが最も好ましく、少なくとも9wt.%であることが最も特に好ましく、特に少なくとも14wt.%であり、例えば少なくとも18wt.%である。
【0041】
一実施形態によると、(C)は
(C1) 高分子ポリアミン
である。
【0042】
一般に、(C1)は任意の高分子ポリアミンであることができ、ポリアルキレンイミン又はポリビニルアミンであることが好ましく、ポリアルキレンイミンであることがより好ましく、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、又はポリブチレンイミンであることが最も好ましく、特にポリエチレンイミンである。
【0043】
一実施形態によると、(C1)は、エチレンイミンのホモポリマー及び任意のコポリマーを含めて、単量体単位としてエチレンイミン(-CH2CH2NH-)を含む任意の高分子ポリアミンであることが好ましく、且つエチレンイミンのホモポリマーであることが好ましい。コポリマーは、交互コポリマー、周期コポリマー、統計コポリマー又はブロックコポリマーであり得る。
【0044】
一般に、(C1)は、例えば直線ポリマー、環状ポリマー、架橋ポリマー、分枝ポリマー、星型ポリマー、櫛形ポリマー、ブラシ状ポリマー、デンドロナイズドポリマー、又はデンドリマー型など、任意のポリマー構造であり得る。一実施形態によると、(C1)は本質的に直線ポリマーであり、直線ポリマーであることが好ましい。
【0045】
使用し得るポリエチレンイミンは、未架橋形又は架橋形で存在し得るポリエチレンイミンホモポリマーである。ポリエチレンイミンホモポリマーは、例えば、Rompps (Chemie Lexikon, 8th edition, 1992, pages 3532-3533)又はUllmanns Enzyklopadie der Technischen Chemie, 4th edition, 1974, vol. 8, pages 212-213に、及びそこに記載される文献に記載の公知の方法で調製することができる。そのようなポリエチレンイミンホモポリマーの分子量は、約200〜1000000g/molの範囲内である。相応する市販製品は例えばBASF SE製のLupasol(登録商標)の名前で入手可能である。
【0046】
本発明の一実施形態によると、ポリエチレンイミン(C1)は、0.1から0.95の範囲にある分枝度を有するポリエチレンイミン(「高度に分枝したポリエチレンイミン」ともいう)であることが好ましく、0.25から0.90の範囲にある分枝度を有するポリエチレンイミンであることがより好ましく、0.30から0.80の範囲にある分枝度を有するポリエチレンイミンであることがより好ましく、0.50〜0.80の範囲にある分枝度を有するポリエチレンイミンであることが最も好ましい。
【0047】
高度に分枝したポリエチレンイミンは、それの分枝の程度が高いことで特徴づけられ、例えば13C-NMR分光法により、好ましくはD2O中にて、決定することができ、以下のように定義される。
分枝の程度 =D+T/D+T+L
D(樹状)は第三級アミノ基の百分率に等しく、L(直線)は第二級アミノ基の百分率に等しく、且つT(末端)は第一級アミノ基の百分率に等しい。
【0048】
一般に、高分子ポリアミン(C1)は、様々な重量平均分子量を持つことができる。(C1)の重量平均分子量は、少なくとも200であることが好ましく、少なくとも400であることがより好ましく、少なくとも550であることが最も好ましく、特に少なくとも650であり、例えば少なくとも750である。(C1)の重量平均分子量は、10,000以下であることが好ましく、4,000以下であることがより好ましく、1,900以下であることが最も好ましく、特に1,500以下であり、例えば1,350以下である。重量平均分子量は、当業者に公知の標準ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で決定することができる。
【0049】
別の実施形態によると、(C)は、
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R21を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン
である。
【0050】
(C2)内の基R21の数は、少なくとも3であり、好ましくは3〜5であり、より好ましくは3〜4であり、最も好ましくは3である。
【0051】
(C2)内のそれぞれの基R21における炭素原子の数は、2〜12であり、好ましくは2〜9であり、より好ましくは2〜7であり、最も好ましくは2〜5であり、特に好ましくは2〜4であり、特に2〜3であり、例えば3であり、その際、炭素原子の前記数には、R21のいかなるアルコキシ基又はその他のいかなる置換基の炭素原子は含まれない。
【0052】
(C2)内の基R21は、アルコキシ置換又はヒドロキシ置換であり、好ましくはヒドロキシ置換である。
【0053】
1つのアミン(C2)については、少なくとも3つの基R21の間で、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なり、好ましくは基R21の1つはその他の基R21と異なる。
【0054】
好ましくは、基R21の少なくとも1つが、より好ましくは基R21の少なくとも2つが、最も好ましくは基R21の少なくとも3つが、特に基R21の全てが、アミン(C2)のアミノ基に共有結合している。
【0055】
別の好ましい実施形態によると、(C2)は、
- 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのヒドロキシ置換C2〜C8アルキル基R21を又は好ましくはC2〜C5アルキル基R21を含有するアミンで、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミンであり、
- 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのヒドロキシ置換C2〜C3アルキル基R21を含有することが好ましいアミンで、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミンであり、
- 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのヒドロキシ置換C2〜C3アルキル基R21を含有し、このアルキル基はこのアミノ基に共有結合していることがより好ましいアミンで、基R21の1つはその他の基R21と異なるアミンであり、並びに
- 例えば、ビス(ヒドロキシエチル)イソプロパノールアミン(DEIPA)、及び1,1'-((2-ヒドロキシエチル)イミノ)ジプロパン-2-オールからなる群から選択されるアミンである。
【0056】
別の好ましい実施形態によると、(C2)はアミンN(R21)3
(式中、R21は、アルコキシ置換又はヒドロキシ置換、好ましくはヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基であり、好ましくはC2〜C7アルキル基であり、より好ましくはC2〜C3アルキル基であり、且つ基R21の1つはその他の基R21と異なる)
である。
【0057】
別の好ましい実施形態によると、(C2)はアミンN(R21)3
(式中、R21は、アルコキシ置換又はヒドロキシ置換、好ましくはヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基であり、好ましくはC2〜C7アルキル基であり、より好ましくはC2〜C3アルキル基であり、基R21の1つはその他の基R21と異なり、且つ基R21の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有する)
である。
【0058】
別の実施形態によると、(C)は、
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R22を含有するアミンであり、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン、
である。
【0059】
(C3)内の基R22の数は、少なくとも2であり、好ましくは2〜5であり、より好ましくは2〜4であり、最も好ましくは2〜3であり、例えば2である。
【0060】
(C3)内のそれぞれの基R22における炭素原子の数は、2〜12であり、好ましくは2〜9であり、より好ましくは2〜7であり、最も好ましくは2〜5であり、特に好ましくは2〜4であり、特に2〜3であり、例えば3であり、その際、炭素原子の前記数には、R22のいかなるアルコキシ基又はその他のいかなる置換基の炭素原子は含まれない。
【0061】
(C3)内の基R22は、アルコキシ置換又はヒドロキシ置換であり、好ましくはヒドロキシ置換である。
【0062】
1つのアミン(C3)については、少なくとも2つの基R22の間で、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なり、好ましくは基R22の1つはその他の基R22と異なる。
【0063】
好ましくは、基R22の少なくとも1つが、より好ましくは基R22の少なくとも2つが、最も好ましくは基R22の全てが、アミン(C3)のアミノ基に共有結合している。
【0064】
好ましくは基R22の少なくとも1つは、より好ましくは基R22の1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子に、特に第二級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有する。
【0065】
別の好ましい実施形態によると、(C3)は、
- 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのヒドロキシ置換C2〜C7アルキル基R22を含有するアミンであり、その際、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にヒドロキシ置換基を有し、且つ基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン、
- 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのヒドロキシ置換C2〜C4アルキル基R22を含有することがより好ましいアミンであり、その際、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子にヒドロキシ置換基を有し、且つ基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン、
- 1つ以下のアミノ基及び2つのヒドロキシ置換C2〜C3アルキル基R22を含有し、このアルキル基はこのアミン(C3)のアミノ基に共有結合していることが最も好ましいアミンであり、その際、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子にヒドロキシ置換基を有し、且つ基R22の1つはその他の基R22と異なるアミン、
- 例えば1-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン-2-オール、及びN-メチル-N-ヒドロキシエチルイソプロパノールアミンからなる群から選択されるアミン
である。
【0066】
別の好ましい実施形態によると、(C3)は、アミンR24N(R22)2
(式中、
R24は、H若しくはC1〜C12アルキル基であり、好ましくはC1〜C7アルキル基であり、より好ましくはC1〜C3アルキル基であり、且つ
R22は、アルコキシ置換又はヒドロキシ置換、好ましくはヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基であり、好ましくはC2〜C7アルキル基であり、より好ましくはC2〜C3アルキル基であり、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子にヒドロキシ置換基を有し、且つ基R22の1つはその他の基R22と異なる)
である。
【0067】
別の実施形態によると、(C)は、
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミンである。
【0068】
(C4)内のそれぞれの基R23における炭素原子の数は、8〜40であり、好ましくは8〜32であり、より好ましくは8〜24であり、最も好ましくは8〜19であり、特に好ましくは8〜16である。
【0069】
(C4)内の基R23は飽和又は不飽和であり、好ましくは不飽和である。
【0070】
別の好ましい実施形態によると、(C4)は、少なくとも1つのアルコキシ基又はヒドロキシ基を、より好ましくは少なくとも1つのアルコキシ基及び少なくとも1つのヒドロキシ基を、最も好ましくは少なくとも2つのアルコキシ基及び少なくとも1つのヒドロキシ基を、特に少なくとも4つのアルコキシ基及び少なくとも1つのヒドロキシ基を含有する。
【0071】
例えば、(C4)は、エトキシ化(2)ココアルキルアミン、エトキシ化(5)ココアルキルアミン、エトキシ化(15)ココアルキルアミン、エトキシ化(2)オレイルアミン、ラウリルジメチルアミン、オレイルジメチルアミン、並びに2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(5EO)、2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(10EO)、及び2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(20EO)からなる群から選択されるアミンである。
【0072】
別の実施形態によると、(C)は、
(C5) 環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式アミン
である。
【0073】
用語「複素環式アミン」とは、複素環の少なくとも1つの環原子が窒素原子である、複素環式化合物を表す。
【0074】
複素環式アミン(C5)は飽和又は不飽和であり、好ましくは飽和である。
【0075】
複素環式アミン(C5)は、好ましくは5、6又は7員複素環を、より好ましくは5員又は6員環を、最も好ましくは6員環を含有する。
【0076】
複素環式アミン(C5)は、少なくとも1つの、より好ましくは1〜3つの、最も好ましくは1〜2つの、特に複素環の環原子として1つの酸素原子を含有する。
【0077】
複素環式アミン(C5)は、モルフォリン又はモルフォリン誘導体であることが好ましく、N-アルキルモルフォリンであることがより好ましく、N-メチル、N-エチル、N-プロピル又はN-ブチルモルフォリンであることが最も好ましく、例えばN-メチルモルフォリンである。
【0078】
本発明によれば、組成物(Q3)は、それの必須成分の1つとして、
以下の(D)を含み、
並びに組成物(Q1)及び(Q2)は、それの任意選択の成分の1つとして、
以下の(D)をさらに含むことができ、
(D) 一般式(III)
R31CO-NR32R33
(式中、
R31COは1〜22の炭素原子を有するアシル基であり、
R32はH若しくはアルキルであり、並びに
R33はH若しくはアルキルであり、又は
R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む)
に従う少なくとも1つのアミド
である。
【0079】
一般には、アミド(D)は、組成物(Q3)中に様々な量で含有させることができる。好ましくは、(D)の量は、組成物(Q3)の総重量に基づいて、90wt.%(wt.%は「重量パーセント」を表す」)以下であり、より好ましくは65wt.%以下であり、最も好ましくは45wt.%以下であり、最も特に好ましくは30wt.%以下であり、特に22wt.%以下であり、例えば16wt.%以下である。好ましくは、(D)の量は、組成物(Q3)の総重量に基づいて、少なくとも1wt.%であり、より好ましくは少なくとも3wt.%であり、最も好ましくは少なくとも6wt.%であり、最も特に好ましくは少なくとも9wt.%であり、特に少なくとも12wt.%であり、例えば少なくとも15wt.%である。
【0080】
存在する場合、アミド(D)は、組成物(Q1)又は(Q2)中に様々な量で一般に含有させることができる。存在する場合、(D)の量は、組成物(Q1)又は(Q2)の総重量に基づいて、90wt.%(wt.%は「重量パーセント」を表す」)以下であることが好ましく、65wt.%以下であることがより好ましく、45wt.%以下であることが最も好ましく、30wt.%以下であることが最も特に好ましく、特に22wt.%以下であり、例えば16wt.%以下である。存在する場合、(D)の量は、組成物(Q1)又は(Q2)の総重量に基づいて、少なくとも1wt.%であることが好ましく、少なくとも3wt.%であることがより好ましく、少なくとも6wt.%であることが最も好ましく、少なくとも9wt.%であることが最も特に好ましく、特に少なくとも12wt.%であり、例えば少なくとも15wt.%である。
【0081】
(D)の一般式(III)において、R32は、H又はアルキルであり、好ましくはH又はC1〜C40アルキルであり、より好ましくはH又はC1〜C20アルキルであり、最も好ましくはH又はC1〜C10アルキルであり、特に好ましくはH又はC1〜C4アルキルであり、最も特に好ましくはC1〜C4アルキルであり、特にC1〜C2アルキルであり、例えばメチルである。
【0082】
(D)の一般式(III)において、R33は、H又はアルキルであり、好ましくはH又はC1〜C40アルキルであり、より好ましくはH又はC1〜C20アルキルであり、最も好ましくはH又はC1〜C10アルキルであり、特に好ましくはH又はC1〜C4アルキルであり、最も特に好ましくはC1〜C4アルキルであり、特にC1〜C2アルキルであり、例えばメチルである。
【0083】
好ましい一実施形態によると、(D)の一般式(III)において、R32はH又はC1〜C4アルキルであり、及びR33はH又はC1〜C4アルキルであり、より好ましくはR32はC1〜C4アルキルであり、及びR33はC1〜C4アルキルであり、最も好ましくはR32はC1〜C2アルキルであり、及びR33はC1〜C2アルキルである。
【0084】
好ましい一実施形態によると(D1PE)、(D)の一般式(III)において、R31COは1〜22の炭素原子を有するヒドロキシ置換アシル基であり、より好ましくはR31COは1〜22の炭素原子を有するヒドロキシ置換アシル基であり、並びに、R32はアルキルであり及びR33はアルキルであり、最も好ましくはR31COは1〜7の炭素原子を有するヒドロキシ置換アシル基であり、並びに、R32はC1〜C4アルキルであり及びR33はC1〜C4アルキルである。
【0085】
別の好ましい実施形態によると、アミド(D)は、乳酸、クエン酸、酒石酸、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、又はそれらの混合物に基づいたN,N-ジアルキルアミドであり、好ましくは乳酸、クエン酸、酒石酸、又はそれらの混合物に基づいたN,N-ジアルキルアミドであり、最も好ましくは乳酸、クエン酸、酒石酸に基づいたN,N-ジメチルアミドであり、特に乳酸N,N-ジメチルアミドである。
【0086】
別の好ましい実施形態によると(D2PE)、(D)の一般式(III)において、R31COは6〜12の炭素原子を有するアシル基であり、より好ましくはR31COは8〜10の炭素原子を有するアシル基である。
【0087】
別の好ましい実施形態によると、(D)の一般式(III)において、R31COはヒドロキシ基を含有せず、より好ましくはR31COはヒドロキシ基を含有せず且つ6〜12の炭素原子を有するアシル基であり、最も好ましくはR31COはヒドロキシ基を含有せず且つ8〜10の炭素原子を有するアシル基である。例えば、アミド(D)は、N,N-ジメチルオクタンアミド、N,N-ジメチルノナンアミド、及びN,N-ジメチルデカンアミドからなる群から選択される。
【0088】
別の好ましい実施形態によると(D3PE)、(D)の一般式(III)において、R31COは1〜3の炭素原子を有するアシル基であり、より好ましくはR31COは1〜2の炭素原子を有するアシル基である。
【0089】
別の好ましい一実施形態によると、(D)の一般式(III)において、R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含み、より好ましくは、R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含み、最も好ましくはR32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、6員飽和複素環基を形成し、この基は、1つのさらなる酸素ヘテロ原子を含み、特にR32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、モルフォリニル基を形成している。例えば、アミド(D)はN-アセチルモルフォリン又はN-フォルミルモルフォリンである。
【0090】
別の好ましい一実施形態によると(D4PE)、(D)の一般式(III)において、R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含み、より好ましくは、R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員飽和複素環基を形成し、この基は、1つのさらなる窒素ヘテロ原子を任意選択で含み、最も好ましくはR32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員飽和複素環基を形成し、この基は、R31COのカルボニル基の炭素原子に共有結合している1つのさらなる窒素ヘテロ原子を含み、特にR32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、イミダゾリジノニル基を形成している。例えば、アミド(D)は1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(ジメチルエチレンウレアともいう)である。
【0091】
別の好ましい一実施形態によると(D5PE)、(D)の一般式(III)において、R32は、アシルオキシ置換アルキル基であり、より好ましくはR31COは1〜4の炭素原子を有するアシル基であり及びR32はアシルオキシ置換アルキル基であり、最も好ましくはR31COは1〜4の炭素原子を有するアシル基であり、R32はアシルオキシ置換アルキル基であり及びR33はC1〜C4アルキルである。例えば、アミド(D)はN-[2-(アセチルオキシ)エチル]-N-メチルアセトアミドである。
【0092】
組成物(Q1)、(Q2)、又は(Q3)は、
(E)水媒体中で解離性ではない少なくとも2つのヒドロキシ基を含むアルコール
を、さらに任意選択で含むことができる。アルコール(E)は、成分(A)、(B)、(C)及び(D)と異なる。
【0093】
「解離性ではない」とは、中性水相におけるヒドロキシ基の反応
アルコール(D) → 脱プロトン化アルコール(D)+H+
に対するpKa値(酸解離定数の対数尺度)が、脱イオン水中で25℃及び大気圧で測定した時、9.9より大きく、より好ましくは11より大きく、最も好ましくは12より大きく、特に好ましくは13より大きく、例えば14より大きいことを意味する。例えば、プロパン-1,2-ジオール(α-プロピレングリコール)のpKa値は、脱イオン水中で25℃及び大気圧で測定した時、14.9である。
【0094】
存在する場合、アルコール(E)は、組成物(Q1)、(Q2)、又は(Q3)における溶媒として使用するのが好ましい。
【0095】
好ましくは、アルコール(E)は、ジオール、トリオール、テトラオール、ペンタオール、ヘキサオール、ヘプタオール、オクタオール、ノナオール、デカオール、又はポリオールである。より好ましくは、(E)は、ジオール、トリオール、テトラオール、ペンタオール、又はヘキサオールである。最も好ましくは、(E)はジオールである。特に最も好ましくは、(E)はエタンジオール(エチレングリコール)、プロパンジオール(プロピレングリコール)、又はブタンジオール(ブチレングリコール)である。特に、(E)はプロパンジオール(プロピレングリコール)である。例えば、(E)はプロパン-1,2-ジオール(α-プロピレングリコール)である。
【0096】
アルコール(E)は、2〜50の炭素原子を有するアルコールが好ましく、2〜20の炭素原子を有するアルコールがより好ましく、2〜11の炭素原子を有するアルコールが最も好ましく、2〜7の炭素原子を有するアルコールが特に好ましく、特に2〜4の炭素原子を有するアルコールであり、例えば3の炭素原子を有するアルコールである。
【0097】
存在する場合、アルコール(E)は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)中に様々な量で含有させることができる。存在する場合、(E)の量は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、99wt.%(wt.%は「重量パーセント」を表す」)以下であることが好ましく、93wt.%以下であることがより好ましく、87wt.%以下であることが最も好ましく、80wt.%以下であることが最も特に好ましく、特に75wt.%以下であり、例えば70wt.%以下である。存在する場合、好ましくは、(E)の量は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、少なくとも13wt.%であり、より好ましくは少なくとも20wt.%であり、最も好ましくは少なくとも35wt.%であり、最も特に好ましくは少なくとも45wt.%であり、特に少なくとも55wt.%であり、例えば少なくとも60wt.%である。
【0098】
別の実施形態によると、(E)の量は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、78wt.%以下であることが好ましく、67wt.%以下であることがより好ましく、61wt.%以下であることが最も好ましく、56wt.%以下であることが最も特に好ましく、特に53wt.%以下であり、例えば50wt.%以下である。好ましくは、(E)の量は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、少なくとも16wt.%であり、より好ましくは少なくとも21wt.%であり、最も好ましくは少なくとも26wt.%であり、最も特に好ましくは少なくとも30wt.%であり、特に少なくとも37wt.%であり、例えば少なくとも40wt.%である。
【0099】
組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)は、
(F) 窒素含有肥料
をさらに任意選択で含むことができる。窒素含有肥料(F)は成分(A)、(B)、(C)及び(D)とは異なる。
【0100】
窒素含有肥料(F)は、好ましくは厩肥、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、シアナミド、ジシアンジアミド(DCD)、硝酸カルシウム又は尿素含有肥料(F1)を含み、より好ましくは尿素含有肥料(F1)を含み、最も好ましくは尿素を含み、例えば尿素である。
【0101】
尿素含有肥料(F1)とは、尿素、尿素硝酸アンモニウム(UAN)、イソブチリデン二尿素(IBDU)、クロトニリデン二尿素(CDU)及び尿素ホルムアルデヒド(UF)、尿素アセトアルデヒド、並びに尿素グリオキサール縮合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む肥料と定義される。
【0102】
商慣習法の肥料品質において、尿素は、少なくとも90%の純度を有し、且つ例えば結晶形の、造粒された、圧縮された、小球にされた又は粉砕された形態でよい。
【0103】
存在する場合、肥料(F)は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)中に様々な量で含有させることができる。存在する場合、(F)の量は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、99.99wt.%(wt.%は「重量パーセント」を表す」)以下であることが好ましく、99.9wt.%以下であることがより好ましく、99.5wt.%以下であることが最も好ましく、99wt.%以下であることが最も特に好ましく、特に98wt.%以下であり、例えば97wt.%以下である。存在する場合、(F)の量は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、少なくとも96wt.%であることが好ましく、少なくとも93wt.%であることがより好ましく、少なくとも90wt.%であることが最も好ましく、少なくとも82wt.%であることが最も特に好ましく、特に少なくとも70wt.%であり、例えば少なくとも50wt.%である。
【0104】
組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の特徴は、例えば安定性、貯蔵寿命、又は尿素などの窒素含有肥料(F)に施与するかそれの上に被覆する際の安定性などは、相応する組成物のpHによって変化してもよい。一般に、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)は任意のpH値を有することができる。組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)のpH値は、14以下であることが好ましく、13以下であることがより好ましく、12以下であることが最も好ましく、11.6以下であることが特に好ましく、11.3以下であることが最も特に好ましく、特に11以下であり、例えば10.7以下である。組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)のpH値は、少なくとも6であることが好ましく、少なくとも7であることがより好ましく、少なくとも7.5であることが最も好ましく、少なくとも8.0であることが特に好ましく、少なくとも8.2であることが特に最も好ましく、特に少なくとも8.5であり、例えば少なくとも8.7である。組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)のpH値は、6から14の範囲にあることが好ましく、7から13の範囲にあることがより好ましく、7.5から12の範囲にあることが最も好ましく、8から11.6の範囲にあることが特に好ましく、8.2から11.3の範囲にあることが特に最も好ましく、特に8.5から11の範囲にあり、例えば8.7から10.7の範囲である。
【0105】
組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)は、少なくとも1つのpH調整剤(G)をさらに任意選択で含有することができる。pH調整剤(G)は、成分(A)、(B)、(C)及び(D)とは異なる。一般に、pH調整剤(G)は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)に添加し、組成物のpH値を所定値に調整する化合物である。好ましくは、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)は、少なくとも1つのpH調整剤(G)を含有する。好ましいpH調整剤は、無機酸、カルボン酸、アミン塩基、水酸化アルカリ、水酸化テトラアルキルアンモニウムを含め水酸化アンモニウムである。特に、pH調整剤(G)は、硝酸、硫酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウムである。例えば、pH調整剤(G)は水酸化カリウムである。
【0106】
存在する場合、pH調整剤(G)は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)中に様々な量で含有させることができる。存在する場合、(G)の量は、相応する組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、10wt.%以下であることが好ましく、2wt.%以下であることがより好ましく、0.5wt.%以下であることが最も好ましく、特に0.1wt.%以下であり、例えば0.05wt.%以下である。存在する場合、(G)の量は、相応する組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、少なくとも0.0005wt.%であることが好ましく、少なくとも0.005wt.%であることがより好ましく、少なくとも0.025wt.%であることが最も好ましく、特に少なくとも0.1wt.%であり、例えば少なくとも0.4wt.%である。
【0107】
組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)は、
(K1) メチルジエタノールアミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N',N'-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミン、N,N',N"-トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、及び2,2'-ジモルフォリニルジエチルエーテルからなる群から選択されるアミン、
(K2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R41を含有するアミンであり、前記アミン内の全ての基R41は同一であるアミン、及び
(K3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R42を含有するアミンであり、基R42の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、前記アミンの全ての基R42は同一であるアミン、
からなる群から選択される化合物(K)をさらに任意選択で含有することができる。
【0108】
(K2)又は(K3)は、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、又はメチルジプロパノールアミンであることが好ましい。
【0109】
存在する場合、化合物(K)は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)中に様々な量で一般に含有させることができる。存在する場合、(K)の量は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、40wt.%(wt.%は「重量パーセント」を表す」)以下であることが好ましく、30wt.%以下であることがより好ましく、25wt.%以下であることが最も好ましく、20wt.%以下であることが最も特に好ましく、特に18wt.%以下であり、例えば15wt.%以下である。存在する場合、(K)の量は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、少なくとも1wt.%であることが好ましく、少なくとも3wt.%であることがより好ましく、少なくとも5wt.%であることが最も好ましく、少なくとも8wt.%であることが最も特に好ましく、特に少なくとも11wt.%であり、例えば少なくとも14wt.%である。
【0110】
組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)は、助剤、溶媒、固体担体、界面活性剤、アジュバント、増粘剤、殺細菌剤、凍結防止剤、消泡剤、着色剤、粘着付与剤、結合剤、防腐剤、抗酸化剤、及び付臭剤からなる群から選択される成分(H)をさらに任意選択で含有することができる。成分(H)は成分(A)、(B)、(C)及び(D)とは異なる。
【0111】
適切な助剤は、溶媒、液体担体、固体担体又はフィラー、界面活性剤、分散剤、乳化剤、湿展剤、アジュバント、可溶化剤、浸透増強剤、保護コロイド、接着剤、増粘剤、湿潤剤、忌避剤、誘引剤、摂食刺激物質、相溶剤、殺細菌剤、凍結防止剤、消泡剤、着色剤、粘着付与剤及び結合剤である。
【0112】
適切な溶媒及び液体担体は、水並びに灯油、ディーゼル油など中沸点から高沸点の鉱油画分などの、野菜又は動物由来の油などの、トルエン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンなど脂肪族、環式及び芳香族炭化水素などの、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなどアルコールなどの、グリコールなどの、DMSOなどの、シクロヘキサノンなどケトンなどの、乳酸エステル、カルボン酸エステル、脂肪酸エステル、γ-ブチロラクトンなどエステルなどの、脂肪酸などの、ホスホネートなどの、アミンなどの、N-メチルピロリドン、脂肪酸ジメチルアミドなどアミドなどの、及びそれらの混合物などの有機溶媒である。
【0113】
適切な固体担体又はフィラーは、シリケート、シリカゲル、タルク、カオリン、石灰石、石灰、白亜、粘土、ドロマイト、珪藻土、ベントナイト、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムなど鉱質土、セルロース、デンプンなど多糖類、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素など肥料、穀類粉、樹皮粉、木粉、堅果殻粉など野菜由来の生成物、及びそれらの混合物である。
【0114】
適切な界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性界面活性剤、ブロックポリマー、多価電解質及びそれらの混合物などの表面活性化合物である。このような界面活性剤は、乳化剤、分散剤、可溶化剤、湿展剤、浸透増強剤、保護コロイド又はアジュバントとして使用することができる。界面活性剤の例は、McCutcheon's, Vol. 1: Emulsifiers & Detergents、McCutcheon's Directories、Glen Rock、USA、2008(International Ed.又はNorth American Ed.)に一覧表示されている。
【0115】
適切なアニオン性界面活性剤は、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、カルボキシレート及びそれらの混合物のアルカリ、アルカリ土類又はアンモニウム塩である。スルホネートの例は、アルキルアリールスルホネート、ジフェニルスルホネート、α-オレフィンスルホネート、リグニンスルホネート、脂肪酸及び油脂のスルホネート、エトキシ化アルキルフェノールのスルホネート、アルコキシ化アリールフェノールのスルホネート、縮合ナフタレンのスルホネート、ドデシル及びトリデシルベンゼンのスルホネート、ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホネート、スルホスクシネート又はスルホスクシンナメートである。スルフェートの例は、脂肪酸及び油脂の、エトキシ化アルキルフェノールの、アルコールの、エトキシ化アルコールの、又は脂肪酸エステルのスルフェートである。ホスフェートの例は、リン酸エステルである。カルボキシレートの例は、アルキルカルボキシレート及びカルボキシ化アルコール又はアルキルフェノールエトキシレートである。
【0116】
適切な非イオン性界面活性剤は、アルコキシレート、N-置換脂肪酸アミド、アミンオキシド、エステル、糖系界面活性剤、ポリマー界面活性剤及びそれらの混合物である。アルコキシレートの例は、アルコール、アルキルフェノール、アミン、アミド、アリールフェノール、脂肪酸又は脂肪酸エステルなどの化合物であり、これらの化合物は1〜50当量にアルコキシ化される。エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドが、好ましくはエチレンオキシドが、アルコキシ化に用いられ得る。N-置換脂肪酸アミドの例は、脂肪酸グルカミド又は脂肪酸アルカノールアミドである。エステルの例は、脂肪酸エステル、グリセロールエステル又はモノグリセリドである。糖系界面活性剤の例は、ソルビタン、エトキシ化ソルビタン、スクロース及びグルコースエステル又はアルキルポリグルコシドである。ポリマー界面活性剤の例は、ビニルピロリドン、ビニルアルコール又はビニル酢酸のホームポリマー又はコポリマーである。
【0117】
適切なカチオン性界面活性剤は、四級界面活性剤、例えば、1つ若しくは2つの疎水基を有する四級アンモニウム化合物、又は長鎖一級アミンの塩である。適切な両性界面活性剤は、アルキルベタイン及びイミダゾリンである。適切なブロックポリマーは、ポリエチレンオキシドのブロック及びポリプロピレンオキシドのブロックを含むA-Bタイプ若しくはA-B-Aタイプのブロックポリマー、又はアルカノール、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドを含むA-B-Cタイプのブロックポリマーである。適切な多価電解質は、多酸又は多塩基である。多酸の例は、ポリアクリル酸のアルカリ塩又は多酸櫛形ポリマーである。多塩基の例は、ポリビニルアミン又はポリエチレンアミンである。
【0118】
適切なアジュバントは、それ自体が、殺有害生物活性を無視できる程度に有する、又はそれを有しさえしない化合物であり、標的における化合物Iの生物学的性能を改善する。例は、界面活性剤、鉱油又は野菜油、及びその他の助剤である。さらなる例は、Knowles, Adjuvants and additives, Agrow Reports DS256, T&F Informa UK, 2006, chapter 5によって一覧表示されている。
【0119】
適切な増粘剤は、多糖類(例えば、キサンタンガム、カルボキシルメチルセルロース)、無機粘土(有機的に改変されている、又は未改変)、ポリカルボキシレート及びシリケートである。
【0120】
適切な殺細菌剤は、ブロノポール及びアルキルイソチアゾリノン及びベンズイソチアゾリノンなどのイソチアゾリノン誘導体である。
【0121】
適切な凍結防止剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素及びグリセリンである。
【0122】
適切な消泡剤は、シリコーン、長鎖アルコール及び脂肪酸の塩である。
【0123】
適切な着色剤(例えば、赤、青又は緑に)は、水に溶けにくい顔料及び水溶性染料である。例は、
- 酸化鉄、酸化チタン、ヘキサシアノ鉄酸鉄などの無機着色剤、
- 例えばオラソルイエロー(Orasol Yellow)141など、複合クロム染料などの複合金属染料、
- アリザリン、アゾ及びフタロシアニン着色剤などの有機着色剤である。
好ましい着色剤は、複合金属染料であり、より好ましくは複合クロム染料であり、例えばオラソルイエロー141である。
【0124】
適切な粘着付与剤又は結合剤は、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、生物学的又は合成ロウ、及びセルロースエーテルである。
【0125】
適切な防腐剤には、例えば安息香酸ナトリウム、安息香酸、ソルビン酸、及びそれらの誘導体が含まれる。
【0126】
適切な抗酸化剤には、亜硫酸塩、アスコルビン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコトリエノール、メラトニン、カロテン、β-カロテン、ユビキノール、及びそれらの誘導体が含まれる。トコフェルコールアセテートが抗酸化剤として好ましい。
【0127】
適切な付臭剤には、アロオシメン、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アリルヘプタノエート、trans-アネトール、ベンジルブチレート、カンフェン、カジネン、カルバクロール、チグリン酸cis-3-ヘキセニル、シトロネロール、酢酸シトロネリル、シトロネリルニトリル、シトロネリルプロピオネート、シクロヘキシルエチルアセテート、デシルアルデヒド(カプルアルデヒド)、ジヒドロミルセノール、ジヒドロミルセニルアセテート、3,7-ジメチル-1-オクタノール、ジフェニルオキシド、フェンシルアセテート(1,3,3-トリメチル-2-ノルボルナニルアセテート)、ゲラニルアセテート、ゲラニルホルメート、ゲラニルニトリル、cis-3-ヘキセニルイソブチレート、ヘキシルネオペンタノエート、ヘキシルチグレート、α-ロノン、エチルバニリンL80、イソオイゲノール、メチルシンナメート、メチルジヒドロジャスモネート、メチルβ-ナフチルケトン、フェノキシエチルイソブチレート、バニリンL28、イソボルニルアセテート、イソブチルベンゾエート、イソノニルアセテート、イソノニルアルコール(3,5,5-トリメチル-1-ヘキサノール)、イソプレギルアセテート、ラウロアルデヒド、d-リモネン、リナリルアセテート、(-)-L-メンチルアセテート、メチルチャビコール(エストラゴール)、メチルn-ノニルアセトアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、β-ミルセン、ネリルアセテート、ノニルアセテート、ノナアルデヒド、p-シメン、α-ピネン、β-ピネン、α-テルピネン、γ-テルピネン、α-テルピニルアセテート、テトラヒドロリナロオール、テトラヒドロミルセノール、2-アンデセナール、ベルドックス(Verdox)(o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート)、ベルテネックス(Vertenex)(4-tertブチルシクロヘキシルアセテート)を含めて、例えば米国特許第7,182,537号に記載の香料素材が含まれる。シトロネリルニトリルが付臭剤として好ましい。
【0128】
一実施形態によると、キットパーツ又は二成分若しくは三成分混合物のパーツなどの組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の個々の成分を、スプレータンク中でユーザー自身が混合することができ、且つ適宜さらなる助剤を添加することができる。
【0129】
存在する場合、成分(H)は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)中に様々な量で含有させることができる。存在する場合、(H)の量は、相応する組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、10wt.%以下であることが好ましく、4wt.%以下であることがより好ましく、2%以下であることが最も好ましく、特に1wt.%以下であり、例えば0.5wt.%以下である。存在する場合、(H)の量は、相応する組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の総重量に基づいて、少なくとも0.0005wt.%であることが好ましく、少なくとも0.005wt.%であることがより好ましく、少なくとも0.025wt.%であることが最も特に好ましく、特に少なくとも0.1wt.%であり、例えば少なくとも0.4wt.%である。
【0130】
組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)に関連して、混合物(A)と芳香族アルコール(B)との重量比は、(B)が存在している限りでは(Q2)又は(Q3)の場合において、50:1から1:50の間であることが好ましく、10:1から1:10の間であることがより好ましく、5:1から1:5の間であることが最も好ましく、3:1から1:3の間であることが特に好ましく、2:1から1:2の間であることが特に最も好ましく、特に1:1から1:2の間であり、例えば1:1.5〜1:1.8の間である。
【0131】
組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)に関連して、混合物(A)とアミン(C)との重量比は、(C)が存在している限りでは(Q1)又は(Q3)の場合において、100:1から1:20の間であることが好ましく、40:1から1:8の間であることがより好ましく、30:1から1:6の間であることが最も好ましく、20:1から1:5の間であることが特に好ましく、10:1から1:2の間であることが特に最も好ましく、特に5:1から1:1.2の間であり、例えば2:1〜1:1の間である。
【0132】
組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)に関連して、混合物(A)とアミド(D)との重量比は、(D)が存在している限りでは(Q1)又は(Q2)の場合において、50:1から1:50の間であることが好ましく、10:1から1:10の間であることがより好ましく、5:1から1:5の間であることが最も好ましく、3:1から1:3の間であることが特に好ましく、2.5:1から1:2の間であることが特に最も好ましく、特に2:1から1:1の間であり、例えば1.8:1〜1.2:1の間である。
【0133】
本発明によれば、土壌に、畝間で及び/又は側方施肥として並びに/又は散布として、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)を施肥する工程を含む土壌を処理するための方法が見出された。
【0134】
好ましくは、前記方法は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)を土壌上に噴霧することにより組成物を施肥する工程を含む。より好ましくは、前記方法は、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)が、同時に(すなわち一緒に)又は時間差をもって(すなわち別々に)のいずれかで、少なくとも1つの窒素含有肥料(F)とともに、土壌に、畝間で及び/又は側方施肥として並びに/又は散布として、施肥されるやり方で、実施される。
【0135】
本発明によれば、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)は、窒素含有肥料(F)のための、特に尿素含有肥料(F1)のための、例えば尿素のための、添加材料として又は被覆材料として使用することができる。好ましい一実施形態によると、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)は、窒素含有肥料(F)のための、特に尿素含有肥料(F1)のための、例えば尿素のための、被覆材料として使用する。窒素含有肥料(F)は結晶形の、造粒された、圧縮された、小球にされた又は粉砕された形態でよく、造粒された形態であることが好ましい。
【0136】
組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)は、液体か固体のいずれかの形態で、(Q1)、(Q2)又は(Q3)を窒素含有肥料(F)と混合するか、造粒して、圧縮して、若しくは小球にすることにより、相応する肥料混合物に又はマッシュに若しくは溶融物に添加することにより、組成物を(F)中に導入するかのいずれかで、窒素含有肥料(F)に又はそれの上に施与することができる。好ましくは、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)は、窒素含有肥料(F)の、特に尿素含有肥料(F1)の、既存の粒状物の表面に、圧縮物の表面に又は小球の表面に、例えば、噴霧、粉付け又は含浸の手段によって施与される。これは、接着促進剤又は詰め込み材料などのさらなる助剤を使用して行うこともできる。そのような施与の実施に適した装置の例は、プレート、ドラム、ミキサー又は流動床装置であり、しかしまた施与は、コンベヤーベルト若しくはそれらの投下位置で又は固体用の空気コンベヤー手段により行うこともできる。固化防止剤及び/又は防塵剤による完了処理も同様に可能である。組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)は、窒素含有肥料(F)による、特に尿素含有肥料(F1)による施肥ということにおいて使用される。適用は、農業的に又は園芸的に開拓された区画に、行われるのが好ましい。
【0137】
尿素含有、鉱物肥料及び有機肥料における窒素利用の改良と平行して、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)の使用は、穀物植物のバイオマス歩留り又は生産が、一部の場合において顕著に、増加するという効果を有する。
【0138】
窒素の個々の形態が、その結果揮発性である気体状窒素化合物へと変換することを低下させることで、ひいては窒素栄養素の損失を防止するために、及び同時に、動物畜舎におけるアンモニア負荷の低下に、結果として貢献するために、組成物(Q1)、(Q2)又は(Q3)は、例えば、液状厩肥などの有機肥料の実際の貯蔵中にそのような肥料に添加してもよい。
【0139】
これに関連して、組成物(Q1)、(Q2)、(Q3)が、溶融により例えば窒素含有肥料(F)中に組み込まれるか、そうでなければ、例えば、(懸濁)濃縮物、溶液若しくは配合物の形態で、肥料表面に適用されるか又は肥料の散布と別々に適用されるかどうかは重要ではない。
【0140】
以下の例及び以下の表に関して、次の略語が使用される。
【0141】
% = 重量パーセント(wt.%)
ad100 = 本成分の重量パーセントは、100%と組成物に含まれるその他全ての成分の重量百分率の合計(重量パーセントで)との差である
BDA = ブチルジエタノールアミン
BZ = ベンジルアルコール
(C)i = アミン成分(C)
(C)ii = さらなるアミン成分(C)
Coat. = 尿素上に被覆(「coatの行」より下の行における全てのデータは、組成物が尿素上に被覆された後の、実験データである)
colo. = 着色剤オラソルイエロー141
conc. = 組成物が被覆された尿素肥料の総重量に基づいた重量パーセントでのNxPTの濃度(例えば量)
Comp. = 比較例
DEI = ビス(ヒドロキシエチル)イソプロパノールアミン(DEIPA)
dev. = 尿素に被覆された後の安定性の指標としての偏差であって、双方とも尿素に被覆された後、熱安定性試験におけるNxPT含量と低温安定性試験におけるその含量との間の差として算出される、パーセントとして示されている
DMI = 1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(ジメチルエチレンウレア)
DML = ジメチルラクトアミド
E15 = エトキシ化(5)ココアルキルアミン
E25 = エトキシ化(15)ココアルキルアミン
Ex# = 実施例番号
F.ex. = 配合物例
HBI = 1-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン-2-オール(ヒドロキシエチルビスイソプロパノールアミン)
Inv. = 発明の実施例
LES = 2-プロピルへプチルアミンエトキシレート(10EO)
LFG = GPCにより測定した重量平均分子量800g/molを有するポリエチレンイミン(乾燥物質、pH4.5にて)
LGA = GPCにより測定した重量平均分子量1300g/molを有するポリエチレンイミン(乾燥物質、pH4.5にて)
LL = NPPT23.8%及びNBPT76.2%を含有する技術的混合物(NxPT85.20%の濃度を有する)
LPN = N,N',N"-トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン
LT = 技術的混合物内のNxPTの総重量に基づいて、NPPT23.7%及びNBPT76.3%を含有する技術的混合物(この技術的混合物の総重量に基づいてNxPT84.27%の濃度を有する)
HCM = N,N-ジメチルオクタンアミド(50〜65%)及びN,N-ジメチルデカンアミド(37〜50%)の混合物
MDA = メチルジエタノールアミン
MPA = n-アセチルモルフォリン
MPF = n-フォルミルモルフォリン
NB/c = 低温安定試験(5℃にて2週間)におけるNBPTの含量(重量パーセント)
NP/c = 低温安定試験(5℃にて2週間)におけるNPPTの含量(重量パーセント)
Nx/c = 低温安定試験(5℃にて2週間)におけるNxPTの含量(重量パーセント)
NB/h = 熱安定試験(54℃にて2週間)におけるNBPTの含量(重量パーセント)
NP/h = 熱安定試験(54℃にて2週間)におけるNPPTの含量(重量パーセント)
Nx/h = 熱安定試験(54℃にて2週間)におけるNxPTの含量(重量パーセント)
NB/a = 尿素上に被覆後の低温安定試験(5℃にて2週間)におけるNBPTの含量(重量パーセント)
NP/a = 尿素上に被覆後の低温安定試験(5℃にて2週間)におけるNPPTの含量(重量パーセント)
Nx/a = 尿素上に被覆後の低温安定試験(5℃にて2週間)におけるNxPTの含量(重量パーセント)
NB/b = 尿素上に被覆後の熱安定試験(40℃及び気湿50%にて4週間)におけるNBPTの重量パーセント
NP/b = 尿素上に被覆後の熱安定試験(40℃及び気湿50%にて4週間)におけるNPPTの重量パーセント
Nx/b = 尿素上に被覆後の熱安定試験(40℃及び気湿50%にて4週間)におけるNxPTの重量パーセント
NxPT = NBPT及びNPPTを含む混合物(A)(NxPTの含量はNBPT及びNPPT含量の合計である)
NyPT = NBPT及び/又はNPPTを含む混合物(A)
NMM = N-メチルモルフォリン
NMP = N-メチルピロリジノン
PEI = ポリエチレンイミン
PG = プロピレングリコール
pH = 濃度2%にて測定したpH値
SEA = N-[2-(アセチルオキシ)エチル]-N-メチルアセタミド
stabi. = NxPTの貯蔵安定性であって、熱安定性試験におけるNxPT含量と低温安定性試験におけるその含量との間の差として算出される、パーセントとして示されている
TEA = トリエタノールアミン
TPA = 酢酸トコフェロール
visc. = mPasでの粘度
【0142】
表1に列記されている次の組成物は本発明の好ましい実施形態である。
【0143】
好ましい実施形態PE1〜PE161について、上に列記の略語に加えて次の略語が使用される。
(C1)は高分子ポリアミンであり、
(C2)は、1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R21を含有するアミンで、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミンであり、
(C3)は、1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R22を含有するアミンで、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミンであり、
(C4)は、少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミンであり、並びに
(C5)は、環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式アミンである。
(D1)は、一般式(III)
R31CO-NR32R33
(式中、
R31COは1〜22の炭素原子を有するヒドロキシ置換アシル基であり、
R32はH又はC1〜C4アルキルであり、及び
R33はH又はC1〜C4アルキルである)
に従うアミドである。
(D2)は、一般式(III)
R31CO-NR32R33
(式中、
R31COは、ヒドロキシ基を含有しない1〜22の炭素原子を有するアシル基であり、
R32はH又はC1〜C4アルキルであり、及び
R33はH又はC1〜C4アルキルである)
に従うアミドである。
(D3)は、一般式(III)
R31CO-NR32R33
(式中、
R31COは1〜22の炭素原子を有するアシル基であり、
R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、6員飽和複素環基を形成し、この基は1つのさらなる酸素ヘテロ原子を含む)
に従うアミドである。
(D4)は、一般式(III)
R31CO-NR32R33
(式中、
R31COは1〜22の炭素原子を有するアシル基であり、
R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員飽和複素環基を形成し、この基は1つのさらなる窒素ヘテロ原子を含む)
に従うアミドである。
(D5)は、一般式(III
R31CO-NR32R33
(式中、
R31COは1〜22の炭素原子を有するアシル基であり、
R32はアシルオキシ置換アルキル基であり、及び
R33はH又はアルキルである)
に従うアミドである。
【0144】
表1
【表1】
【0145】
本発明の利点は、特に尿素などの窒素含有肥料に施与するかそれの上に被覆する際の、(チオ)リン酸トリアミドの安定性を高めることが、及び、特に窒素含有肥料に施与するかそれの上に被覆する前の、相対的に長い貯蔵寿命が、組成物(Q1)、(Q2)、(Q3)で達成されたことである。さらに組成物(Q1)、(Q2)、(Q3)は、ウレアーゼ阻害効果及び/又は(チオ)リン酸トリアミドの活性に悪影響を及ぼさない。最後にこれも重要なことだが、組成物(Q1)、(Q2)、(Q3)は、大量であっても、容易に及び安全に包装し、運搬し且つ出荷することができ、並びに、大量であっても、土壌処理のため容易に及び安全に取り扱い且つ施与することができる
【0146】
以下の実施例は、本発明を制限することなく本発明を説明するものである。
【0147】
配合物の調整
配合物の調整
表2に指定された比率及び成分に従い、全ての成分を混合し、結果として得られた混合物を固形物が完全に溶解するまで撹拌し、NBPT、NPPT、NxPTの含量(HPLCにて)、粘度、水中における溶解(2%)及びpHについて分析した。
【0148】
例えば、Ex.#310092の場合、技術的混合物LT(純度25%のNxPT)をベンジルアルコール50.08%並びにLFG10%、DML10%及びcolo.0.25%と混合した。混合物を固形物が完全に溶解するまで撹拌し、NxPTの含量(HPLCにて)、粘度、水中における溶解(2%)及びpHについて分析した。
【0149】
配合物の貯蔵安定性
各例(例えばEx.#310092)の混合物を、密閉ボトルにて54℃で14日間貯蔵し(以下熱安定性試験という)、次いでNxPT含量について分析した。各例(例えばEx.#310092)の混合物を、密閉ボトルにて5℃で14日間貯蔵し(以下低温安定性試験という)、次いでNxPT含量について分析した。%貯蔵安定性は、熱安定性試験における含量と低温安定性試験における含量との間の差として算出した。
【0150】
尿素の被覆
[実施例1.1]
造粒尿素500gを回転ドラム(Type Hege 11)に投入し、各例(例えばEx.#310092)の配合物2gを回転ディスクを使用して尿素上に噴霧した。1分後に、均一に被覆された尿素を取り出し、NBPT、NPPT、NxPTの含量(HPLCにて)について分析した。
【0151】
尿素上の安定性
被覆尿素試料300gを、人工気候室で、ペトリ皿中50湿度%にて4週間貯蔵した。分析のため試料をホモジネートし、NBPT、NPPT、NxPTの含量(HPLCにて)について分析した。
【0152】
HPLC測定により測定したNxPT含量は、常に成分NBPT及びNBPT双方の合計である。
【0153】
粘度は、コーンプレートレオメーターAR 2000ex(TA Instrument製)を使用してせん断速度100s-1及び20℃で未希釈配合物にて測定した。
【0154】
pH値は、CIPAC水D中で、濃度2%にて測定した。
【0155】
本発明の全ての例は、無色か、黄色のいずれかの液状、清澄な組成物である。
【0156】
【表2】
【0157】
本発明のさらなる特定の実施形態が以下に記載されている。
【0158】
1. (A) 一般式(I)
R1R2N-P(X)(NH2)2
(式中、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1は、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、若しくはジアルキルアミノカルボニル基であり、
R2はHであり、又は
R1及びR2は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む)
に従う少なくとも1つの(チオ)リン酸トリアミドを含む混合物と、
(B) 組成物の総重量に基づいて10wt.%を超える量の、一般式(II)
R11-C(R12)(R13)-OH、
(式中、
R11はアリール又はアルキルアリールであり、
R12はH又はアルキルであり、
R13はH又はアルキルである)
に従う芳香族アルコール
とを含む、組成物。
【0159】
2. (A)の一般式(I)において、Xは硫黄である、実施形態1に記載の組成物。
【0160】
3. (A)の一般式(I)において、R1はC1〜C20アルキルであり、R2はHである、実施形態1又は2に記載の組成物。
【0161】
4. 混合物(A)は、N-n-ブチルチオリン酸トリアミド(NBPT)及び/又はN-n-プロピルチオリン酸トリアミド(NPPT)を含む、実施形態1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【0162】
5. 混合物(A)は、一般式(I)の構造を有する少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含み、且つ、前記少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドは基R1又は基R2のうち少なくとも1つが相違する、実施形態1に記載の組成物。
【0163】
6. 前記少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドの1つはN-n-ブチルチオリン酸トリアミドである、実施形態5に記載の組成物。
【0164】
7. (B)の一般式(II)においてR12及びR13はHである、実施形態1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【0165】
8. (B)の一般式(II)においてR11はアリールである、実施形態1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【0166】
9. (B)の一般式(II)においてR11はフェニルである、実施形態1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【0167】
10. (B)はベンジルアルコールである、実施形態1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【0168】
11. 混合物(A)は、N-n-ブチルチオリン酸トリアミド(NBPT)及び/又はN-n-プロピルチオリン酸トリアミド(NPPT)を含み並びに(B)はベンジルアルコールである、実施形態1に記載の組成物。
【0169】
12. (C) (C1) 高分子ポリアミン、並びに
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R21を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン、並びに
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R22を含有するアミンであり、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン、並びに
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミン、並びに
(C5) 環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式アミン
からなる群から選択される少なくとも1つのアミン
をさらに含む、実施形態1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【0170】
13.
(C1) 高分子ポリアミン
である
(C) アミン
をさらに含む、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【0171】
14. (C1)はポリアルキレンイミンである、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【0172】
15. (C1)がポリエチレンイミンである、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【0173】
16.
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン
である、
(C) アミン
をさらに含む、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【0174】
17.
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのヒドロキシ置換C2〜C3アルキル基を含有するアミンであり、このアルキル基はこのアミノ基に共有結合しているアミン
をさらに含む、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【0175】
18.
(C2) ビス(ヒドロキシエチル)イソプロパノールアミン(DEIPA)、及び1,1'-((2-ヒドロキシエチル)イミノ)ジプロパン-2-オールからなる群から選択されるアミン
をさらに含む、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【0176】
19.
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基を含有するアミンであり、前記アルキル基の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン
である、
(C) アミン
をさらに含む、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【0177】
20.
(C3) 1-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン-2-オール及びN-メチル-N-ヒドロキシエチルイソプロパノールアミンからなる群から選択されるアミン
をさらに含む、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【0178】
21.
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミン
である、
(C) アミン
をさらに含む、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【0179】
22.
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C19アルキル基R23を含有するアミン
をさらに含む、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【0180】
23.
(C4) エトキシ化(2)ココアルキルアミン、エトキシ化(5)ココアルキルアミン、エトキシ化(15)ココアルキルアミン、エトキシ化(2)オレイルアミン、ラウリルジメチルアミン、オレイルジメチルアミン、並びに2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(5EO)、2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(10EO)、及び2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(20EO)からなる群から選択されるアミン
をさらに含む、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【0181】
24.
(C5) 環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式であるアミン
である、
(C)アミン
をさらに含む、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【0182】
25.
(C5) N-メチルモルフォリンであるアミン
をさらに含む、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【0183】
26. (D) 一般式(III)
R31CO-NR32R33
(式中、
R31COは1〜22の炭素原子を有するアシル基であり、
R32はH若しくはアルキルであり、及び
R33はH若しくはアルキルであり、又は
R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む)
に従う少なくとも1つのアミド
をさらに含む、実施形態1から25のいずれか一項に記載の組成物。
【0184】
27. (D)の一般式(III)においてR32がH又はC1〜C4アルキルであり、及びR33がH又はC1〜C4アルキルである、実施形態1から26のいずれか一項に記載の組成物。
【0185】
28. (D)の一般式(III)においてR31COが1〜22の炭素原子を有するヒドロキシ置換アシル基である、実施形態1から27のいずれか一項に記載の組成物。
【0186】
29. (D)が、乳酸、クエン酸、酒石酸、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、又はそれらの混合物に基づいたN,N-ジアルキルアミドである、実施形態1から28のいずれか一項に記載の組成物。
【0187】
30. (D)が乳酸N,N-ジメチルアミドである、実施形態1から29のいずれか一項に記載の組成物。
【0188】
31. (D)の一般式(III)においてR31COがヒドロキシ基を含有しない、実施形態1から27のいずれか一項に記載の組成物。
【0189】
32. (D)の一般式(III)において、R31COは6〜12の炭素原子を有するアシル基である、実施形態1から27及び31のいずれか一項に記載の組成物。
【0190】
33. (D)がN,N-ジメチルオクタンアミド、N,N-ジメチルノナンアミド、及びN,N-ジメチルデカンアミドからなる群から選択される、実施形態1から27及び31から32のいずれか一項に記載の組成物。
【0191】
34. (D)の一般式(III)においてR31COが1〜3の炭素原子を有するアシル基である、実施形態1から27及び31のいずれか一項に記載の組成物。
【0192】
35. (D)の一般式(III)においてR32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む、実施形態1から26のいずれか一項に記載の組成物。
【0193】
36. (D)の一般式(III)において、R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、6員飽和複素環基を形成し、この基は1つのさらなる酸素ヘテロ原子を含む、実施形態1から26及び35のいずれか一項に記載の組成物。
【0194】
37. (D)はN-アセチルモルフォリン又はN-フォルミルモルフォリンである、実施形態1から26及び35から36のいずれか一項に記載の組成物。
【0195】
38. (D)の一般式(III)において、R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員飽和複素環基を形成し、この基は1つのさらなる窒素ヘテロ原子を含む、実施形態1から26及び35のいずれか一項に記載の組成物。
【0196】
39. (D)は1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンである、実施形態1から26、35及び38のいずれか一項に記載の組成物。
【0197】
40. (D)の一般式(III)においてR32がアシルオキシ置換アルキル基である、実施形態1から27のいずれか一項に記載の組成物。
【0198】
41. (D)の一般式(III)においてR31COが1〜4の炭素原子を有するアシル基であり、R32がアシルオキシ置換アルキル基であり、且つR33がC1〜C4アルキルである、実施形態1から27のいずれか一項に記載の組成物。
【0199】
42. (D)はN-[2-(アセチルオキシ)エチル]-N-メチルアセトアミドである、実施形態1から27のいずれか一項に記載の組成物。
【0200】
43. (E) 水媒体中で解離性ではない少なくとも2つのヒドロキシ基を含むアルコール
をさらに含む、実施形態1から42のいずれか一項に記載の組成物。
【0201】
44. (E) プロパン-1,2-ジオール(α-プロピレングリコール)
をさらに含む、実施形態1から42のいずれか一項に記載の組成物。
【0202】
45.
(K1) メチルジエタノールアミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N',N'-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミン、N,N',N"-トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、及び2,2'-ジモルフォリニルジエチルエーテルからなる群から選択されるアミン、
(K2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R41を含有するアミンであり、前記アミン内の全ての基R41は同一であるアミン、及び
(K3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R42を含有するアミンであり、基R42の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、前記アミンの全ての基R42は同一であるアミン、
からなる群から選択される化合物(K)をさらに含む、実施形態1から44のいずれか一項に記載の組成物。
【0203】
46.
(F) 窒素含有肥料
をさらに含む、実施形態1から45のいずれか一項に記載の組成物。
【0204】
47.
(F1) 尿素、尿素硝酸アンモニウム(UAN)、イソブチリデン二尿素(IBDU)、クロトニリデン二尿素(CDU)、及び尿素ホルムアルデヒド(UF)、尿素アセトアルデヒド、並びに尿素グリオキサール縮合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む尿素含有肥料
をさらに含む実施形態1から45のいずれか一項に記載の組成物。
【0205】
48.
(F) 尿素を含む窒素含有肥料
をさらに含む実施形態1から45のいずれか一項に記載の組成物。
【0206】
49. 土壌に、畝間で及び/又は側方施肥として並びに/又は散布として、実施形態1から48のいずれか一項に記載の組成物を施肥する工程を含む、土壌を処理するための方法。
【0207】
50. 土壌上に組成物を噴霧することにより、組成物を施肥する工程を含む、実施形態49に記載の方法。
【0208】
51. 組成物が、同時に又は時間差をもってのいずれかで、少なくとも1つの窒素含有肥料(F)とともに、土壌に、畝間で及び/又は側方施肥として並びに/又は散布として、施肥される、実施形態49に記載の方法。
【0209】
52. 窒素含有肥料(F)のための添加材料又は被覆材料として、実施形態1から45のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【0210】
101. (A) 一般式(I)
R1R2N-P(X)(NH2)2
(式中、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1は、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、若しくはジアルキルアミノカルボニル基であり、
R2はHであり、又は
R1及びR2は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む)
に従う少なくとも1つの(チオ)リン酸トリアミドを含む混合物と、
(C) (C1) 高分子ポリアミン、並びに
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R21を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン、並びに
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R22を含有するアミンであり、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン、並びに
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミン、並びに
(C5) 環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式アミン
からなる群から選択される少なくとも1つのアミンと
を含む、組成物。
【0211】
102. (A)の一般式(I)において、Xは硫黄である、実施形態101に記載の組成物。
【0212】
103. (A)の一般式(I)において、R1はC1〜C20アルキルであり、R2はHである、実施形態101又は102に記載の組成物。
【0213】
104. 混合物(A)は、N-n-ブチルチオリン酸トリアミド(NBPT)及び/又はN-n-プロピルチオリン酸トリアミド(NPPT)を含む、実施形態101から103のいずれか一項に記載の組成物。
【0214】
105. 混合物(A)は、一般式(I)の構造を有する少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含み、且つ、前記少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドは基R1又は基R2のうち少なくとも1つが相違する、実施形態101に記載の組成物。
【0215】
106. 前記少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドの1つはN-n-ブチルチオリン酸トリアミドである、実施形態105に記載の組成物。
【0216】
107. (C)が
(C1) 高分子ポリアミン
である、実施形態101から106のいずれか一項に記載の組成物。
【0217】
108. (C)がポリアルキレンイミンである(C1)である、実施形態101から106のいずれか一項に記載の組成物。
【0218】
109. (C)がポリエチレンイミンである(C1)である、実施形態101から106のいずれか一項に記載の組成物。
【0219】
110. (C)が、
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R21を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン
である、実施形態101から106のいずれか一項に記載の組成物。
【0220】
111. (C)は、
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのヒドロキシ置換C2〜C3アルキル基を含有するアミンであり、このアルキル基はこのアミノ基に共有結合しているアミン
である、実施形態101から106のいずれか一項に記載の組成物。
【0221】
112. (C)が、
(C2) ビス(ヒドロキシエチル)イソプロパノールアミン(DEIPA)、及び1,1'-((2-ヒドロキシエチル)イミノ)ジプロパン-2-オールからなる群から選択されるアミン
である、実施形態101から106のいずれか一項に記載の組成物。
【0222】
113. (C)が、
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R22を含有するアミンであり、前記アルキル基の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン
である、実施形態101から106のいずれか一項に記載の組成物。
【0223】
114. (C)が、
(C3) 1-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン-2-オール、及びN-メチル-N-ヒドロキシエチルイソプロパノールアミンからなる群から選択されるアミン
である、実施形態101から106のいずれか一項に記載の組成物。
【0224】
115. (C)が、
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミン
である、実施形態101から106のいずれか一項に記載の組成物。
【0225】
116. (C)は、
(C4)少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C19アルキル基R23を含有するアミン
である、実施形態101から106のいずれか一項に記載の組成物。
【0226】
117. (C)が、
(C4) エトキシ化(2)ココアルキルアミン、エトキシ化(5)ココアルキルアミン、エトキシ化(15)ココアルキルアミン、エトキシ化(2)オレイルアミン、ラウリルジメチルアミン、オレイル-ジメチルアミン、並びに2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(5EO)、2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(10EO)、及び2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(20EO)からなる群から選択されるアミン
である、実施形態101から106のいずれか一項に記載の組成物。
【0227】
118. (C)が、
(C5) 環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式アミン
である、実施形態101から106のいずれか一項に記載の組成物。
【0228】
119. (C)は、
(C5) N-メチルモルフォリンであるアミン
である、実施形態101から106のいずれか一項に記載の組成物。
【0229】
120. 混合物(A)は、N-n-ブチルチオリン酸トリアミド(NBPT)及び/又はN-n-プロピルチオリン酸トリアミド(NPPT)を含み、並びに(C)は、
(C1) ポリエチレンイミンである高分子ポリアミン
である、実施形態101に記載の組成物。
【0230】
121. (B) 一般式(II)
R11-C(R12)(R13)-OH、
(式中、
R11はアリール又はアルキルアリールであり、
R12はH又はアルキルであり、
R13はH又はアルキルである)
に従う芳香族アルコール
をさらに含む、実施形態101から120のいずれか一項に記載の組成物。
【0231】
122. (B)の一般式(II)においてR12及びR13はHである、(B)をさらに含む、実施形態101から121のいずれか一項に記載の組成物。
【0232】
123. (B)の一般式(II)においてR11はアリールである、(B)をさらに含む、実施形態101から122のいずれか一項に記載の組成物。
【0233】
124. (B)の一般式(II)においてR11はフェニルである、(B)をさらに含む、実施形態101から123のいずれか一項に記載の組成物。
【0234】
125. (B)はベンジルアルコールである、(B)をさらに含む、実施形態101から124のいずれか一項に記載の組成物。
【0235】
126. (D) 一般式(III)
R31CO-NR32R33
(式中、
R31COは1〜22の炭素原子を有するアシル基であり、
R32はH若しくはアルキルであり、及び
R33はH若しくはアルキルであり、又は
R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む)
に従う少なくとも1つのアミド
をさらに含む、実施形態101から125のいずれか一項に記載の組成物。
【0236】
127. (D)の一般式(III)においてR32がH又はC1〜C4アルキルであり、及びR33がH又はC1〜C4アルキルである、実施形態101から126のいずれか一項に記載の組成物。
【0237】
128. (D)の一般式(III)においてR31COが1〜22の炭素原子を有するヒドロキシ置換アシル基である、実施形態101から127のいずれか一項に記載の組成物。
【0238】
129. (D)が、乳酸、クエン酸、酒石酸、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、又はそれらの混合物に基づいたN,N-ジアルキルアミドである、実施形態101から128のいずれか一項に記載の組成物。
【0239】
130. (D)が乳酸N,N-ジメチルアミドである、実施形態101から129のいずれか一項に記載の組成物。
【0240】
131. (D)の一般式(III)においてR31COがヒドロキシ基を含有しない、実施形態101から127のいずれか一項に記載の組成物。
【0241】
132. (D)の一般式(III)において、R31COは6〜12の炭素原子を有するアシル基である、実施形態101から127及び131のいずれか一項に記載の組成物。
【0242】
133. (D)がN,N-ジメチルオクタンアミド、N,N-ジメチルノナンアミド、及びN,N-ジメチルデカンアミドからなる群から選択される、実施形態101から127及び131から132のいずれか一項に記載の組成物。
【0243】
134. (D)の一般式(III)においてR31COが1〜3の炭素原子を有するアシル基である、実施形態101から127及び131のいずれか一項に記載の組成物。
【0244】
135. (D)の一般式(III)においてR32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む、実施形態101から126のいずれか一項に記載の組成物。
【0245】
136. (D)の一般式(III)において、R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、6員飽和複素環基を形成し、この基は1つのさらなる酸素ヘテロ原子を含む、実施形態101から126及び135のいずれか一項に記載の組成物。
【0246】
137. (D)はN-アセチルモルフォリン又はN-フォルミルモルフォリンである、実施形態101から126及び135から136のいずれか一項に記載の組成物。
【0247】
138. (D)の一般式(III)において、R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員飽和複素環基を形成し、この基は1つのさらなる窒素ヘテロ原子を含む、実施形態101から126及び135のいずれか一項に記載の組成物。
【0248】
139. (D)は1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンである、実施形態101から126、135及び138のいずれか一項に記載の組成物。
【0249】
140. (D)の一般式(III)においてR32がアシルオキシ置換アルキル基である、実施形態101から127のいずれか一項に記載の組成物。
【0250】
141. (D)の一般式(III)においてR31COが1〜4の炭素原子を有するアシル基であり、R32がアシルオキシ置換アルキル基であり、且つR33がC1〜C4アルキルである、実施形態101から127のいずれか一項に記載の組成物。
【0251】
142. (D)はN-[2-(アセチルオキシ)エチル]-N-メチルアセトアミドである、実施形態101から127のいずれか一項に記載の組成物。
【0252】
143. (E) 水媒体中で解離性ではない少なくとも2つのヒドロキシ基を含むアルコール
をさらに含む、実施形態101から142のいずれか一項に記載の組成物。
【0253】
144. (E) プロパン-1,2-ジオール(α-プロピレングリコール)
をさらに含む、実施形態101から142のいずれか一項に記載の組成物。
【0254】
145.
(K1) メチルジエタノールアミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N',N'-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミン、N,N',N"-トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、及び2,2'-ジモルフォリニルジエチルエーテルからなる群から選択されるアミン、
(K2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R41を含有するアミンであり、前記アミン内の全ての基R41は同一であるアミン、及び
(K3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R42を含有するアミンであり、基R42の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、前記アミンの全ての基R42は同一であるアミン、
からなる群から選択される化合物(K)をさらに含む、実施形態101から144のいずれか一項に記載の組成物。
【0255】
146.
(F) 窒素含有肥料
をさらに含む、実施形態101から145のいずれか一項に記載の組成物。
【0256】
147.
(F1) 尿素、尿素硝酸アンモニウム(UAN)、イソブチリデン二尿素(IBDU)、クロトニリデン二尿素(CDU)、及び尿素ホルムアルデヒド(UF)、尿素アセトアルデヒド、並びに尿素グリオキサール縮合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む尿素含有肥料
をさらに含む実施形態101から145のいずれか一項に記載の組成物。
【0257】
148.
(F) 尿素を含む窒素含有肥料
をさらに含む実施形態101から145のいずれか一項に記載の組成物。
【0258】
149. 土壌に、畝間で及び/又は側方施肥として並びに/又は散布として、実施形態101から148のいずれか一項に記載の組成物を施肥する工程を含む、土壌を処理するための方法。
【0259】
150. 土壌上に組成物を噴霧することにより、組成物を施肥する工程を含む、実施形態149に記載の方法。
【0260】
151. 組成物が、同時に又は時間差をもってのいずれかで、少なくとも1つの窒素含有肥料(F)とともに、土壌に、畝間で及び/又は側方施肥として並びに/又は散布として、施肥される、実施形態149に記載の方法。
【0261】
152. 窒素含有肥料(F)のための添加材料又は被覆材料として、実施形態101から145のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【0262】
201. (A) 一般式(I)
R1R2N-P(X)(NH2)2
(式中、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1は、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、若しくはジアルキルアミノカルボニル基であり、
R2はHであり、又は
R1及びR2は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む)
に従う少なくとも1つの(チオ)リン酸トリアミドを含む混合物と、
(D) 一般式(III)
R31CO-NR32R33
(式中、
R31COは1〜22の炭素原子を有するアシル基であり、
R32はH若しくはアルキルであり、並びに
R33はH若しくはアルキルであり、又は
R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む)
に従う少なくとも1つのアミド
とを含む、組成物。
【0263】
202. (A)の一般式(I)において、Xは硫黄である、実施形態201に記載の組成物。
【0264】
203. (A)の一般式(I)において、R1はC1〜C20アルキルであり、R2はHである、実施形態201又は202に記載の組成物。
【0265】
204. 混合物(A)は、N-n-ブチルチオリン酸トリアミド(NBPT)及び/又はN-n-プロピルチオリン酸トリアミド(NPPT)を含む、実施形態201から203のいずれか一項に記載の組成物。
【0266】
205. 混合物(A)は、一般式(I)の構造を有する少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含み、且つ、前記少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドは基R1又は基R2のうち少なくとも1つが相違する、実施形態201に記載の組成物。
【0267】
206. 前記少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドの1つはN-n-ブチルチオリン酸トリアミドである、実施形態205に記載の組成物。
【0268】
207. (D)の一般式(III)においてR32がH又はC1〜C4アルキルであり、及びR33がH又はC1〜C4アルキルである、実施形態201から206のいずれか一項に記載の組成物。
【0269】
208. (D)の一般式(III)においてR31COが1〜22の炭素原子を有するヒドロキシ置換アシル基である、実施形態201から207のいずれか一項に記載の組成物。
【0270】
209. (D)が、乳酸、クエン酸、酒石酸、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、又はそれらの混合物に基づいたN,N-ジアルキルアミドである、実施形態201から208のいずれか一項に記載の組成物。
【0271】
210. (D)が乳酸N,N-ジメチルアミドである、実施形態201から209のいずれか一項に記載の組成物。
【0272】
211. (D)の一般式(III)においてR31COがヒドロキシ基を含有しない、実施形態201から207のいずれか一項に記載の組成物。
【0273】
212. (D)の一般式(III)において、R31COは6〜12の炭素原子を有するアシル基である、実施形態201から207及び211のいずれか一項に記載の組成物。
【0274】
213. (D)がN,N-ジメチルオクタンアミド、N,N-ジメチルノナンアミド、及びN,N-ジメチルデカンアミドからなる群から選択される、実施形態201から207及び211から212のいずれか一項に記載の組成物。
【0275】
214. (D)の一般式(III)においてR31COが1〜3の炭素原子を有するアシル基である、実施形態201から207及び211のいずれか一項に記載の組成物。
【0276】
215. (D)の一般式(III)においてR32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を任意選択で含む、実施形態201から206のいずれか一項に記載の組成物。
【0277】
216. (D)の一般式(III)において、R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、6員飽和複素環基を形成し、この基は1つのさらなる酸素ヘテロ原子を含む、実施形態201から206及び215のいずれか一項に記載の組成物。
【0278】
217. (D)はN-アセチルモルフォリン又はN-フォルミルモルフォリンである、実施形態201から206及び215から216のいずれか一項に記載の組成物。
【0279】
218. (D)の一般式(III)において、R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員飽和複素環基を形成し、この基は1つのさらなる窒素ヘテロ原子を含む、実施形態201から206及び215のいずれか一項に記載の組成物。
【0280】
219. (D)は1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンである、実施形態201から206、215及び218のいずれか一項に記載の組成物。
【0281】
220. (D)の一般式(III)においてR32がアシルオキシ置換アルキル基である、実施形態201から207のいずれか一項に記載の組成物。
【0282】
221. (D)の一般式(III)においてR31COが1〜4の炭素原子を有するアシル基であり、R32がアシルオキシ置換アルキル基であり、且つR33がC1〜C4アルキルである、実施形態201から207のいずれか一項に記載の組成物。
【0283】
222. (D)はN-[2-(アセチルオキシ)エチル]-N-メチルアセトアミドである、実施形態201から207のいずれか一項に記載の組成物。
【0284】
223. 混合物(A)は、N-n-ブチルチオリン酸トリアミド(NBPT)及び/又はN-n-プロピルチオリン酸トリアミド(NPPT)を含み並びに
(D)は、乳酸、クエン酸、酒石酸、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、又はそれらの混合物に基づいたN,N-ジアルキルアミドである、実施形態201に記載の組成物。
【0285】
224. (B) 一般式(II)
R11-C(R12)(R13)-OH、
(式中、
R11はアリール又はアルキルアリールであり、
R12はH又はアルキルであり、
R13はH又はアルキルである)
に従う芳香族アルコール
をさらに含む、実施形態201から223のいずれか一項に記載の組成物。
【0286】
225. (B)の一般式(II)においてR12及びR13はHである、実施形態224に記載の組成物。
【0287】
226. (B)の一般式(II)においてR11はアリールである、実施形態224から225のいずれか一項に記載の組成物。
【0288】
227. (B)の一般式(II)においてR11はフェニルである、実施形態224から226のいずれか一項に記載の組成物。
【0289】
228. (B)はベンジルアルコールである、(B)をさらに含む、実施形態201から227のいずれか一項に記載の組成物。
【0290】
229. (C) (C1) 高分子ポリアミン、並びに
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R21を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン、並びに
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R22を含有するアミンであり、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン、並びに
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミン、並びに
(C5) 環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式アミン
からなる群から選択される少なくとも1つのアミン
をさらに含む、実施形態201から228のいずれか一項に記載の組成物。
【0291】
230.
(C1) 高分子ポリアミン
である
(C) アミン
をさらに含む、実施形態201から229のいずれか一項に記載の組成物。
【0292】
231. (C1)はポリアルキレンイミンである、実施形態201から229のいずれか一項に記載の組成物。
【0293】
232. (C1)がポリエチレンイミンである、実施形態201から229のいずれか一項に記載の組成物。
【0294】
233.
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン
である、
(C) アミン
をさらに含む、実施形態201から229のいずれか一項に記載の組成物。
【0295】
234.
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのヒドロキシ置換C2〜C3アルキル基を含有するアミンであり、このアルキル基はこのアミノ基に共有結合しているアミン
をさらに含む、実施形態201から229のいずれか一項に記載の組成物。
【0296】
235.
(C2) ビス(ヒドロキシエチル)-イソプロパノールアミン(DEIPA)、及び1,1'-((2-ヒドロキシエチル)イミノ)ジプロパン-2-オールからなる群から選択されるアミン
をさらに含む、実施形態201から229のいずれか一項に記載の組成物。
【0297】
236.
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基を含有するアミンであり、前記アルキル基の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン
である、
(C) アミン
をさらに含む、実施形態201から229のいずれか一項に記載の組成物。
【0298】
237.
(C3) 1-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン-2-オール及びN-メチル-N-ヒドロキシエチルイソプロパノールアミンからなる群から選択されるアミン
をさらに含む、実施形態201から229のいずれか一項に記載の組成物。
【0299】
238.
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミン
である、
(C) アミン
をさらに含む、実施形態201から229のいずれか一項に記載の組成物。
【0300】
239.
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C19アルキル基R23を含有するアミン
をさらに含む、実施形態201から229のいずれか一項に記載の組成物。
【0301】
240.
(C4) エトキシ化(2)ココアルキルアミン、エトキシ化(5)ココアルキルアミン、エトキシ化(15)ココアルキルアミン、エトキシ化(2)オレイルアミン、ラウリルジメチルアミン、オレイルジメチルアミン、並びに2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(5EO)、2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(10EO)、及び2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(20EO)からなる群から選択されるアミン
をさらに含む、実施形態201から229のいずれか一項に記載の組成物。
【0302】
241.
(C5) 環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式であるアミン
である、
(C)アミン
をさらに含む、実施形態201から229のいずれか一項に記載の組成物。
【0303】
242.
(C5) N-メチルモルフォリンであるアミン
をさらに含む、実施形態201から229のいずれか一項に記載の組成物。
【0304】
243. (E) 水媒体中で解離性ではない少なくとも2つのヒドロキシ基を含むアルコール
をさらに含む、実施形態201から242のいずれか一項に記載の組成物。
【0305】
244. (E) プロパン-1,2-ジオール(α-プロピレングリコール)
をさらに含む、実施形態201から242のいずれか一項に記載の組成物。
【0306】
245.
(K1) メチルジエタノールアミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N',N'-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミン、N,N',N"-トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、及び2,2'-ジモルフォリニルジエチルエーテルからなる群から選択されるアミン、
(K2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R41を含有するアミンであり、前記アミン内の全ての基R41は同一であるアミン、及び
(K3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R42を含有するアミンであり、基R42の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、前記アミンの全ての基R42は同一であるアミン、
からなる群から選択される化合物(K)をさらに含む、実施形態201から244のいずれか一項に記載の組成物。
【0307】
246.
(F) 窒素含有肥料
をさらに含む、実施形態201から245のいずれか一項に記載の組成物。
【0308】
247.
(F1) 尿素、尿素硝酸アンモニウム(UAN)、イソブチリデン二尿素(IBDU)、クロトニリデン二尿素(CDU)、及び尿素ホルムアルデヒド(UF)、尿素アセトアルデヒド、並びに尿素グリオキサール縮合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む尿素含有肥料
をさらに含む実施形態201から245のいずれか一項に記載の組成物。
【0309】
248.
(F) 尿素を含む窒素含有肥料
をさらに含む実施形態201から245のいずれか一項に記載の組成物。
【0310】
249. 土壌に、畝間で及び/又は側方施肥として並びに/又は散布として、実施形態201から248のいずれか一項に記載の組成物を施肥する工程を含む、土壌を処理するための方法。
【0311】
250. 土壌上に組成物を噴霧することにより、組成物を施肥する工程を含む、実施形態249に記載の方法。
【0312】
251. 組成物が、同時に又は時間差をもっていずれかで、少なくとも1つの窒素含有肥料(F)とともに、土壌に、畝間で及び/又は側方施肥として並びに/又は散布として、施肥される、実施形態249に記載の方法。
【0313】
252. 窒素含有肥料(F)のための添加材料又は被覆材料として、実施形態201から245のいずれかに記載の組成物の使用。
以下は、本発明の実施形態の一つである。
(1)(A) 一般式(I)
R1R2N-P(X)(NH2)2
(式中、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1は、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、若しくはジアルキルアミノカルボニル基であり、
R2はHであり、又は
R1及びR2は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい)
に従う少なくとも1つの(チオ)リン酸トリアミドを含む混合物と、
(C) (C1) 高分子ポリアミン、並びに
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R21を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン、並びに
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R22を含有するアミンであり、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン、並びに
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミン、並びに
(C5) 環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式アミン
からなる群から選択される少なくとも1つのアミンと
を含む、組成物。
(2)混合物(A)が、N-n-ブチルチオリン酸トリアミド(NBPT)及び/又はN-n-プロピルチオリン酸トリアミド(NPPT)を含む、(1)に記載の組成物。
(3)(C)が
(C1) 高分子ポリアミン
である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)(C)がポリアルキレンイミンである(C1)である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(5)(C)がポリエチレンイミンである(C1)である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(6)(C)が、
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R21を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン
である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(7)(C)が、
(C2) ビス(ヒドロキシエチル)イソプロパノールアミン(DEIPA)、及び1,1'-((2-ヒドロキシエチル)イミノ)ジプロパン-2-オールからなる群から選択されるアミン
である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(8)(C)が、
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R22を含有するアミンであり、前記アルキル基の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン
である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(9)(C)が、
(C3) 1-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン-2-オール、及びN-メチル-N-ヒドロキシエチルイソプロパノールアミンからなる群から選択されるアミン
である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(10)(C)が、
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミン
である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(11)(C)が、
(C4) エトキシ化(2)ココアルキルアミン、エトキシ化(5)ココアルキルアミン、エトキシ化(15)ココアルキルアミン、エトキシ化(2)オレイルアミン、ラウリルジメチルアミン、オレイルジメチルアミン、並びに2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(5EO)、2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(10EO)、及び2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(20EO)からなる群から選択されるアミン
である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(12)(C)が、
(C5) 環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式アミン
である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(13)(B) 一般式(II)
R11-C(R12)(R13)-OH、
(式中、
R11はアリール又はアルキルアリールであり、
R12はH又はアルキルであり、
R13はH又はアルキルである)
に従う芳香族アルコール
をさらに含む、(1)から(12)のいずれかに記載の組成物。
(14)(D) 一般式(III)
R31CO-NR32R33
(式中、
R31COは1〜22の炭素原子を有するアシル基であり、
R32はH若しくはアルキルであり、及び
R33はH若しくはアルキルであり、又は
R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい)
に従う少なくとも1つのアミド
をさらに含む、(1)から(13)のいずれかに記載の組成物。
(15)(D)が、乳酸、クエン酸、酒石酸、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、又はそれらの混合物に基づいたN,N-ジアルキルアミドである、(1)から(14)のいずれかに記載の組成物。
(16)(E) 水媒体中で解離性ではない少なくとも2つのヒドロキシ基を含むアルコール
をさらに含む、(1)から(15)のいずれかに記載の組成物。
(17)(E) プロパン-1,2-ジオール(α-プロピレングリコール)
をさらに含む、(1)から(15)のいずれかに記載の組成物。
(18)(A) 一般式(I)
R1R2N-P(X)(NH2)2
(式中、
Xは酸素又は硫黄であり、
R1は、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、若しくはジアルキルアミノカルボニル基であり、
R2はHであり、又は
R1及びR2は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい)
に従う少なくとも1つの(チオ)リン酸トリアミドを含む混合物と、
(D) 一般式(III)
R31CO-NR32R33
(式中、
R31COは1〜22の炭素原子を有するアシル基であり、
R32はH若しくはアルキルであり、並びに
R33はH若しくはアルキルであり、又は
R32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい)
に従う少なくとも1つのアミド
とを含む、組成物。
(19)混合物(A)が、N-n-ブチルチオリン酸トリアミド(NBPT)及び/又はN-n-プロピルチオリン酸トリアミド(NPPT)を含む、(18)に記載の組成物。
(20)(D)の一般式(III)においてR32がH又はC1〜C4アルキルであり、及びR33がH又はC1〜C4アルキルである、(18)又は(19)に記載の組成物。
(21)(D)の一般式(III)においてR31COが1〜22の炭素原子を有するヒドロキシ置換アシル基である、(18)又は(19)に記載の組成物。
(22)(D)が、乳酸、クエン酸、酒石酸、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、又はそれらの混合物に基づいたN,N-ジアルキルアミドである、(18)から(21)のいずれかに記載の組成物。
(23)(D)が乳酸N,N-ジメチルアミドである、(18)から(22)のいずれかに記載の組成物。
(24)(D)の一般式(III)においてR31COがヒドロキシ基を含有しない、(18)から(20)のいずれかに記載の組成物。
(25)(D)がN,N-ジメチルオクタンアミド、N,N-ジメチルノナンアミド、及びN,N-ジメチルデカンアミドからなる群から選択される、(18)から(20)及び(24)のいずれかに記載の組成物。
(26)(D)の一般式(III)においてR31COが1〜3の炭素原子を有するアシル基である、(18)から(20)及び(24)のいずれかに記載の組成物。
(27)(D)の一般式(III)においてR32及びR33は、これらを結合している窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和又は不飽和複素環基を形成し、この基は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい、(18)又は(19)に記載の組成物。
(28)(D)の一般式(III)においてR32がアシルオキシ置換アルキル基である、(18)から(20)のいずれかに記載の組成物。
(29)(D)の一般式(III)においてR31COが1〜4の炭素原子を有するアシル基であり、R32がアシルオキシ置換アルキル基であり、且つR33がC1〜C4アルキルである、(18)から(20)のいずれかに記載の組成物。
(30)(B) 一般式(II)
R11-C(R12)(R13)-OH、
(式中、
R11はアリール又はアルキルアリールであり、
R12はH又はアルキルであり、
R13はH又はアルキルである)
に従う芳香族アルコール
をさらに含む、(18)から(29)のいずれかに記載の組成物。
(31)(C) (C1) 高分子ポリアミン、並びに
(C2) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも3つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R21を含有するアミンであり、基R21の少なくとも1つはその他の基R21と異なるアミン、並びに
(C3) 1つ以下のアミノ基及び少なくとも2つのアルコキシ置換又はヒドロキシ置換C2〜C12アルキル基R22を含有するアミンであり、基R22の少なくとも1つは、第二級炭素原子若しくは第三級炭素原子にアルコキシ置換基又はヒドロキシ置換基を有し、且つ、基R22の少なくとも1つはその他の基R22と異なるアミン、並びに
(C4) 少なくとも1つの飽和又は不飽和C8〜C40アルキル基R23を含有するアミン、並びに
(C5) 環原子として少なくとも1つの酸素原子を含有し、且つさらなるアルコキシ基を含有しない、飽和又は不飽和複素環式アミン
からなる群から選択される少なくとも1つのアミン
をさらに含む、(18)から(30)のいずれかに記載の組成物。
(32)(C1)がポリエチレンイミンである、(18)から(31)のいずれかに記載の組成物。
(33)(E) 水媒体中で解離性ではない少なくとも2つのヒドロキシ基を含むアルコール
をさらに含む、(18)から(32)のいずれかに記載の組成物。
(34)(E) プロパン-1,2-ジオール(α-プロピレングリコール)
をさらに含む、(18)から(32)のいずれか