【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、独立特許請求項の特徴を持つ本発明によって解決される。本発明の有利な展開は、個々に又は組み合わせて実現されることができ、従属請求項に並びに/又は以下の明細書及び詳細な実施形態に提示される。
【0013】
本明細書で使用される場合、表現「有する」、「備える」及び「含む」の他にその文法的変異は非排他的に使用される。したがって、表現「AはBを有する」の他に表現「AはBを備える」又は「AはBを含む」は両方とも、Bの他に、Aが1個又は複数個の更なる構成要素及び/又は構成成分を含むという事実を、並びにBの他に、他の構成要素、構成成分又は要素がAに存在しない場合を指してもよい。
【0014】
本発明の第1の態様では、少なくとも1個の物体の位置を求めるための検出器が開示される。
【0015】
本明細書で使用される場合、「物体」は通常、生物及び無生物から選ばれる任意の物体であってもよい。したがって、例として、少なくとも1個の物体は、1個若しくは複数個の物品及び/又は物品の1個若しくは複数個の部分を備えてもよい。追加的に又は代替的に、物体は、人間、例えばユーザ及び/若しくは動物の1つ又は複数の体部など、1つ若しくは複数の生物及び/又はその1つ若しくは複数の部分であってもよいか或いはそれらから成ってもよい。
【0016】
本明細書で使用される場合、「位置」は通常、空間における物体の場所及び/又は向きに関する任意の情報を指す。この目的のために、例として、1個又は複数個の座標系が使用されてもよく、そして物体の位置は、1個、2個、3個又はそれ以上の座標を使用することによって求められてもよい。例として、1個又は複数個のデカルト座標系及び/又は他の種類の座標系が使用されてもよい。一例では、座標系は、検出器が所定の位置及び/又は向きを有する検出器の座標系であってもよい。以下更に詳細に概説されるだろうように、検出器は光軸を有してもよく、それは検出器の主視野方向を構成してもよい。光軸は、z軸などの座標系の軸を形成してもよい。更に、1個又は複数個の追加の軸が、好ましくはz軸に対して垂直に提供されてもよい。
【0017】
したがって、例として、検出器は、光軸がz軸を形成し、且つ追加的に、z軸に対して垂直であり且つ互いに対して垂直であるx軸及びy軸が提供されてもよい座標系を構成してもよい。例として、検出器及び/又は検出器の一部は、この座標系の原点になど、この座標系での特定の点に静止してもよい。この座標系では、z軸と平行又は反平行の方向が前後方向とみなされてもよく、そしてz軸に沿った座標が前後座標と考えられてもよい。前後方向に対して垂直な任意の方向が横断方向と考えられてもよく、そしてx及び/又はy座標が横断座標と考えられてもよい。
【0018】
代替的に、他の種類の座標系が使用されてもよい。したがって、例として、光軸がz軸を形成し、且つz軸からの距離及び極角度が追加の座標として使用されてもよい極座標系が使用されてもよい。ここでも、z軸と平行又は反平行の方向が前後方向と考えられてもよく、そしてz軸に沿った座標が前後座標と考えられてもよい。z軸に対して垂直ないずれの方向も横断方向と考えられてもよく、そして極座標及び/又は極角度が横断座標と考えられてもよい。
【0019】
本明細書で使用される場合、少なくとも1個の物体の位置を求めるための「検出器」は通常、少なくとも1個の物体の位置に関する少なくとも1個の情報を提供するために適合されている装置である。検出器は固定装置又は移動装置であってもよい。更に、検出器は独立装置であってもよいか、又はコンピュータ、車両若しくはいずれかの他の装置などの別の装置の一部を形成してもよい。更に、検出器はハンドヘルド装置であってもよい。検出器の他の実施形態が実現可能である。
【0020】
検出器は、いずれかの実現可能なように少なくとも1個の物体の位置に関する少なくとも1個の情報を提供するように適合されてもよい。したがって、情報は、例えば電子的に、視覚的に、音響的に又はそのいずれかの任意の組合せで提供されてもよい。情報は検出器のデータ記憶装置若しくは別々の装置に更に記憶されてもよく、且つ/又は無線インタフェース及び/若しくは結線インタフェースなどの少なくとも1個のインタフェースを介して提供されてもよい。
【0021】
本発明によれば、検出器は、
− 物体から検出器に進行する少なくとも1個の光ビームの位置を求めるための少なくとも1個の光学センサであって、光学センサが、少なくとも第1の電極と第2の電極とを有し、少なくとも1種の光起電力材料が、第1の電極と第2の電極との間に埋め込まれ、光起電力材料が、光による光起電力材料の照明に応じて電荷を発生するように適合され、第1の電極又は第2の電極が、少なくとも3個の部分電極を有する分割電極であり、各部分電極が、少なくとも1個のセンサ信号を発生するように適合され、センサ信号が、光学センサのセンサ領域での光ビームのビーム断面に依存している、光学センサと、
− 少なくとも1個の評価装置であって、評価装置が、部分電極の対のセンサ信号を評価することによって物体の横断位置であり、検出器の光軸に対して垂直な少なくとも1個の平面での位置である横断位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計され、且つ評価装置が、全ての部分電極のセンサ信号の和を評価することによって物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計される、評価装置とを備える。
【0022】
以下更に詳細に概説されるだろうように、上記掲載された構成要素は別々の構成要素であってもよい。代替的に、上記掲載された構成要素の2個以上が1個の構成要素に統合されてもよい。したがって、少なくとも1個の評価装置は、少なくとも1個の光学センサから独立した別々の評価装置として形成されてもよいが、しかし好ましくは、センサ信号を受信するために少なくとも1個の光学センサに接続されてもよい。代替的に、少なくとも1個の評価装置は、少なくとも1個の光学センサに完全に又は部分的に統合されてもよい。
【0023】
用語「横断位置」に関して、上記与えられた定義に参照がなされてもよい。したがって、好ましくは、横断位置は、検出器の光軸に対して垂直な少なくとも1つの次元での少なくとも1個の座標であってもよいか又はそれから成ってもよい。例として、横断位置は、光学センサの感光センサ面上など、光軸に対して垂直な平面で光ビームによって発生される光点の位置であってもよい。例として、平面での位置はデカルト座標及び/又は極座標で与えられてもよい。他の実施形態が実現可能である。
【0024】
少なくとも1個のセンサ信号は通常、横断位置を示す任意の信号であってもよい。例として、センサ信号はデジタル及び/若しくはアナログ信号であってもよいか又はそれから成ってもよい。例として、センサ信号は電圧信号及び/若しくは電流信号であってもよいか又はそれから成ってもよい。追加的に又は代替的に、センサ信号はデジタルデータであってもよいか又はそれから成ってもよい。センサ信号は単一の信号値及び/又は一連の信号値から成ってもよい。センサ信号は、以下更に詳細に概説されるだろうように、2個以上の信号を平均することによって且つ/又は2個以上の信号の商を形成することによってなど、2個以上の個々の信号を組み合わせることによって導出される任意の信号から更に成ってもよい。
【0025】
以下更に概説されるだろうように、好ましくは、少なくとも1個の「光学センサ」は、1個又は複数個の光検出器、好ましくは1個又は複数個の有機光検出器及び、最も好ましくは、1個又は複数個の固体色素増感有機太陽電池(s−DSC)などの1個又は複数個の色素増感有機太陽電池(DSC、色素太陽電池とも称される)を備えてもよい。したがって、光学センサは、少なくとも1個の第1の電極、少なくとも1個の第2の電極及び少なくとも1種の光起電力材料を有する光検出器であり、ここでは光起電力材料は第1の電極と第2の電極との間に埋め込まれる。本明細書で使用される場合、「光起電力材料」は通常、光による光起電力材料の照明に応じて電荷を発生するように適合される材料又は材料の組合せである。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「評価装置」は通常、物体の位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計される任意の装置を指す。例として、評価装置は、1個若しくは複数個の特定用途向け集積回路(ASIC)などの1個若しくは複数個の集積回路、並びに/又は1個若しくは複数個のコンピュータ、好ましくは1個若しくは複数個のマイクロコンピュータ及び/若しくはマイクロコントローラなどの1個若しくは複数個のデータ処理装置であってもよいか或いはそれらを備えてもよい。1個若しくは複数個のAD変換器及び/又は1個若しく複数個のフィルタなど、センサ信号の受信及び/又は前処理のための1個又は複数個の装置などの、1個又は複数個の前処理装置及び/又はデータ取得装置などの、追加の構成要素が備えられてもよい。更に、評価装置は1個又は複数個のデータ記憶装置を備えてもよい。更に、上記概説されたように、評価装置は、1個若しくは複数個の無線インタフェース及び/又は1個若しくは複数個の結線インタフェースなどの1個又は複数個のインタフェースを備えてもよい。
【0027】
少なくとも1個の評価装置は、横断位置に関する少なくとも1個の情報を発生する工程及び/又は前後位置に関する少なくとも1個の情報を発生する工程を行う又はサポートする少なくとも1個のコンピュータプログラムなどの、少なくとも1個のコンピュータプログラムを行うように適合されてもよい。例として、センサ信号を入力変数として使用することによって、物体の横断位置及び/又は前後位置への所定の変換を行ってもよい1個又は複数個のアルゴリズムが実装されてもよい。
【0028】
本発明によれば、光学センサの第1の電極又は第2の電極は、少なくとも3個の部分電極を有する分割電極であり、ここでは光学センサはセンサ範囲を有し、ここでは少なくとも1個のセンサ信号はセンサ範囲での光ビームの位置を示す。したがって、上記概説されたように、光学センサは1個若しくは複数個の光検出器、好ましくは1個若しくは複数個の有機光検出器、より好ましくは1個若しくは複数個のDSC若しくはsDSCであってもよいか又はそれらを備えてもよい。センサ範囲は、物体の方を向く光検出器の面であってもよい。センサ範囲は好ましくは、光軸に対して垂直に方向付けられてもよい。したがって、センサ信号は、光学センサのセンサ範囲の平面で光ビームによって発生される光点の位置を示してもよい。
【0029】
本発明の特定の実施形態において、検出器は、特に検出器が少なくとも2個の異なる波長によって衝突されてもよい場合、好ましくは少なくとも2個の別々の光検出器を利用することによって少なくとも2個のセンサ信号を検出するように設計されてもよい。そこでは、例として、第1の光検出器が光スペクトルの第1の部分に対して透明で且つ光スペクトルのその他の部分に対して吸収性であってもよいが、一方衝突光ビームの方向に関して光検出器の後ろに置かれてもよい少なくとも1個の第2の光検出器は光スペクトルの第2の部分に対して透明で且つ、特に、第1の光検出器が透明であってもよいスペクトルの第1の部分に対して吸収性であってもよい。
【0030】
通常、本明細書で使用される場合、用語「分割電極」は、複数の電極のうちの、少なくとも1個の電流及び/又は電圧信号を測定するために適合され、好ましくは他の部分電極から独立した電極を指す。したがって、複数の部分電極が提供される場合、第1の電極又は第2の電極は、少なくとも3個の部分電極を介して複数の電位及び/又は電流及び/又は電圧を提供するように適合され、それらは独立して測定及び/又は使用されてもよい。
【0031】
第1の電極又は第2の電極が3個以上の部分電極を持つ分割電極である少なくとも1個の光学センサを使用することによって、部分電極を通る電流はセンサ範囲での光ビームの位置に依存していることになる。このことは通常、衝突光のための電荷の発生の場所から部分電極への途中でオーム損又は抵抗損が生じることになるという事実のためであるだろう。したがって、部分電極の他に、分割電極は部分電極に接続される1種又は複数種の追加の電極材料を備えてもよく、ここでは1種又は複数種の追加の電極材料は電気抵抗を提供する。したがって、電荷の発生の場所から1種又は複数種の追加の電極材料を通って部分電極への途中でのオーム損のため、部分電極を通る電流は、電荷の発生の場所に及び、したがってセンサ範囲での光ビームの位置に依存する。センサ範囲での光ビームの位置を求めるこの原理の詳細について、以下の好適な実施形態に並びに/又は、例えば米国特許第6,995,445号及び/若しくは米国特許出願公開第2007/0176165(A1)号に開示されるような物理的原理及び装置オプションに参照がなされてもよい。
【0032】
光学センサは、部分電極を通る電流に従ってセンサ信号を発生するように更に適合されてもよい。したがって、2個の水平に隣接する部分電極を通る電流の比率が形成されて、それによってx座標を発生してもよく、且つ/又は垂直に隣接する部分電極に通る電流の比率が形成されて、それによってy座標を発生してもよい。検出器、好ましくは光学センサ及び/又は評価装置は、部分電極を通る電流の少なくとも1個の比率から物体の横断位置に関する情報を導出するように適合されてもよい。しかしながら、部分電極を通る電流を比較することによって位置座標を発生する他の方法が実現可能である。
【0033】
特に好適な実施形態において、分割電極は二対の2個の部分電極を備えてもよく、ここでは4個の部分電極の面が全体として光学センサ上で正方形範囲などの矩形範囲を占有するように、各部分電極の2個の側が更なる部分電極の1個の側に隣接してもよい。しかしながら、三対の2個若しくは3個の部分電極が光学センサ上であろうとなかろうとなお正方形範囲などの矩形範囲を占有する配置、又は6個の部分電極の面が全体として光学センサ上で六角形範囲を占有するように各部分電極が三角形の形状を有する、6個の部分電極を持つ六角形配置など、他の配置が可能である。
【0034】
この点に関しては、特にそれぞれの部分電極からの電流をできる限り大きく達成するために、特定の配置によって作成される面が、隣接する部分電極間の空所をできる限り少なくして特定の範囲にわたるように部分電極を配置することが特に有利であるだろう。特に、2個の隣接する部分電極が、それらの間に間隙が残らないか又は僅かだけ残るように光学センサに配置されてもよい。代替的に、2個の隣接する部分電極は、重複範囲が作成されるように互いと部分的に重複さえしてもよく、ここでは重複範囲は重複する部分電極の各々の範囲の1%以下を占有してもよい。
【0035】
上記概説されたように、好ましくは、少なくとも1個の光学センサは透明な光学センサであってもよい。したがって、光学センサの少なくとも1個の第1の電極は好ましくは透明である。本発明で使用される場合、用語「透明な」は通常、透明な物体を通しての透過後の光の強さが、透明な物体を通しての透過前の光の強さの10%、好ましくは40%及び、より好ましくは60%以上であるという事実を指す。より好ましくは、光学センサの少なくとも1個の第1の電極は、完全に又は部分的に少なくとも1種の透明導電性酸化物(TCO)でできていてもよい。例として、インジウムドープ酸化スズ(ITO)及び/又はフッ素ドープ酸化スズ(FTO)が挙げられてもよい。更なる例が以下与えられることになる。更に、光学センサの少なくとも1個の第2の電極は好ましくは、完全に又は部分的に透明であってもよい。
【0036】
したがって、具体的には、分割電極は、3個以上の部分電極及び3個以上の部分電極に接触する少なくとも1種の追加の電極材料を備えてもよい。本発明によれば、光学センサの少なくとも1個の分割電極は、完全に少なくとも1種の導電性ポリマ、好ましくは透明導電性ポリマでできていてもよい。例として、少なくとも0.01S/cmの、好ましくは少なくとも0.1S/cmの又は、より好ましくは、少なくとも1S/cm若しくは少なくとも10S/cm若しくは少なくとも100S/cmの導電率を有する導電性ポリマが使用されてもよい。例として、少なくとも1種の導電性ポリマは:ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、好ましくは少なくとも1種の対イオンで電気的にドープされているPEDOT、より好ましくはポリスチレンスルホン酸ナトリウムでドープされるPEDOT(PEDOT:PSS);ポリアニリン(PANI);ポリチオフェンから成る群から選択されてもよい。
【0037】
上記概説されたように、導電性ポリマは、少なくとも3個の部分電極間で電気接続を提供してもよい。導電性ポリマはオーム抵抗を提供し、したがって電荷発生の位置を求めることを許容してもよい。好ましくは、導電性ポリマは、部分電極間で0.1〜20kΩの電気抵抗率、好ましくは0.5〜5.0kΩの電気抵抗率及び、より好ましくは、1.0〜3.0kΩの電気抵抗率を提供する。本明細書で使用される場合、「導電材料」は通常、10
4未満、10
3未満、10
2未満の、又は10Ωm未満の比電気抵抗を有する材料であってもよい。好ましくは、導電材料は、10
−1未満、10
−2未満、10
−3未満、10
−5未満又は10
−6Ωm未満の比電気抵抗を有する。最も好ましくは、導電材料の比電気抵抗は5×10
−7Ωm未満であるか、又は1×10
−7Ωm未満、特にアルミニウムの比電気抵抗の範囲内である。
【0038】
本発明の更なる実施形態が、物体から検出器に伝搬する光ビームの本質に言及する。光ビームは物体自体によって許されてもよく、即ち物体から生じてもよい。追加的に又は代替的に、光ビームの別の起点が実現可能である。したがって、所定の特性を有する1個又は複数個の一次線又はビームなどの、1個又は複数個の一次線又はビームを使用することによってなど、物体を照明してもよい1個又は複数個の照明源が提供されてもよい。後者の場合、物体から検出器に伝搬する光ビームは、物体及び/又は物体に接続される反射装置によって反射される光ビームであってもよい。したがって、物体は、一次光を発生する照明源を使用することによって照明されてもよく、ここでは物体は一次光を弾性的に又は非弾性的に反射し、それによって検出器に伝搬する光ビームを発生する。照明源自体が検出器の一部であってもよい。したがって、検出器は少なくとも1個の照明源を備えてもよい。本明細書で、照明源は通常:少なくとも部分的に物体に接続され且つ/又は少なくとも部分的に物体と同一である照明源;一次放射線、好ましくは一次光で物体を少なくとも部分的に照明するように設計され、ここでは光ビームは好ましくは、物体上での一次放射線の反射によって及び/又は一次放射線によって刺激される、物体自体による発光によって発生される、照明源から選択されてもよい。更に、照明源は、定義済みパターンが少なくとも1個の光学センサ上に投影されるように衝突光ビームを修正することが可能でもよい構造化光源であってもよい。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「光」は通常、可視スペクトル領域、紫外スペクトル領域及び赤外スペクトル領域の1個又は複数個での電磁放射線を指す。そこでは、用語可視スペクトル領域は通常、380nm〜780nmのスペクトル領域を指す。用語赤外(IR)スペクトル領域は通常、780nm〜1000μmの範囲での、好ましくは780nm〜3.0μmの範囲での電磁放射線を指す。用語紫外スペクトル領域は通常、1nm〜380nmの範囲での、好ましくは100nm〜380nmの範囲での電磁放射線を指す。好ましくは、本発明内で使用される光は可視光、即ち可視スペクトル領域での光である。
【0040】
用語光ビームは通常、特定の方向に発される光量を指す。したがって、光ビームは、光ビームの伝搬方向に対して垂直な方向に所定の拡大を有する光線の束であってもよい。好ましくは、光ビームは、ビームウエスト、レイリー長、又はビーム直径の展開及び/若しくは空間におけるビーム伝搬を特性化するのに適したいずれかの他のビームパラメータ若しくはビームパラメータの組合せの1個又は複数個など、1個又は複数個のガウスビームパラメータによって特性化されてもよい1個又は複数個のガウス光ビームであってもよいか或いはそれらから成ってもよい。
【0041】
上記概説されたように、少なくとも1個のセンサ信号は、光ビームによる照明の全出力が同じであれば、少なくとも1個の光学センサのセンサ領域での光ビームのビーム断面に依存している。本明細書で使用される場合、用語「ビーム断面」は通常、光ビームの横方向の拡大又は特定の場所で光ビームによって発生される光点を指す。円形光点が発生される場合、半径、直径若しくはガウスビームウエスト、又はガウスビームウエストの2倍がビーム断面の尺度として機能してもよい。非円形光点が発生される場合、等価ビーム断面とも称される、非円形光点と同じ面積を有する円の断面を求めることによってなど、断面はいずれかの他の実現可能な方法で求められてもよい。
【0042】
したがって、光ビームによるセンサ領域の照明の全出力が同じであれば、第1のビーム直径又はビーム断面を有する光ビームが第1のセンサ信号を発生してもよいが、一方第1のビーム直径又はビーム断面と異なっている第2のビーム直径又はビーム断面を有する光ビームは第1のセンサ信号と異なっていてもよい第2のセンサ信号を発生する。したがって、センサ信号を比較することによって、ビーム断面に関する、具体的にはビーム直径に関する少なくとも1個の情報が発生されてもよい。この効果の詳細について、WO2012/110924A1に参照がなされてもよい。
【0043】
詳細には物体から検出器に伝搬する光ビームの1個又は複数個のビーム特性が知られている場合、物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報はしたがって、少なくとも1個のセンサ信号と物体の位置との間の既知の関係から導出されてもよい。既知の関係は、アルゴリズムとして及び/又は1個又は複数個の校正曲線として評価装置に記憶されてもよい。例として、詳細にはガウスビームに関して、ビーム直径又はビームウエストと物体の位置との間の関係が、ビームウエストと前後座標との間のガウス関係を使用することによって容易に導出されてもよい。この効果は、WO2012/110924A1に開示されるように、「FiP−効果」とも称され、そして光ビームの適切な変調に依存してもよいか又はそれによって強調されてもよい。したがって、好ましくは、検出器は、照明を変調するための少なくとも1個の変調装置を更には有してもよい。検出器は、異なる変調の場合には少なくとも2個のセンサ信号、特にそれぞれ異なる変調周波数での少なくとも2個のセンサ信号を検出するように設計されてもよい。この場合には、評価装置は、少なくとも2個のセンサ信号を評価することによって物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計されてもよい。通常、光学センサは、少なくとも1個のセンサ信号が、照明の全出力が同じであれば、照明の変調の変調周波数に依存しているように設計されてもよい。この周波数依存の性質は詳細にはDSCに及び、より好ましくは、sDSCに提供される。しかしながら、他の種類の光学センサ、好ましくは光検出器及び、より好ましくは、有機光検出器もこの効果を呈してもよい。
【0044】
好ましくは、少なくとも1個の光学センサは薄膜デバイスであり、電極及び光起電力材料を含む層の層構成であって、好ましくはほんの1mmの、より好ましくは多くとも500μm以下の厚さを有する層構成を有する。したがって、光学センサのセンサ領域は好ましくはセンサ範囲であってもよいか又はそれを備えてもよく、それはそれぞれのデバイスの面によって形成されてもよく、ここでは面は物体の方を向いてもよいか又は物体から離れて向いてもよい。ここで、センサ領域を構成する幾つかの面が物体の方を向くのに対して他の面が物体から離れて向くように、少なくとも1個の光学センサを配置することが更に実現可能であってもよい。それぞれのデバイスのそのような種の配置は、スタックを通る光ビームの経路を最適化し且つ/又は光経路内の反射を低減するのに有益だろうが、いずれかの理由又は目的のために、センサ領域が物体の方を向いてもよい1個、2個又は3個以上のデバイスが、センサ領域が物体から離れて向いてもよい1個、2個又は3個以上の他のデバイスと交互になるなど、交互方式で実装されてもよい。
【0045】
好ましくは、光学センサのセンサ領域は、デバイス当たり1個の連続センサ範囲又はセンサ面などの、1個の連続センサ領域によって形成されてもよい。したがって、好ましくは、光学センサのセンサ領域は、厳密に1個の連続センサ領域によって形成されてもよい。センサ信号は好ましくは、光学センサの全センサ領域に対して均一のセンサ信号である。それによって、少なくとも1個の光学センサは、少なくとも1mm
2の、好ましくは少なくとも5mm
2の、センサ範囲とも称される敏感範囲、例えば5mm
2〜1000cm
2のセンサ範囲、好ましくは7mm
2〜100cm
2のセンサ範囲、より好ましくは1cm
2のセンサ範囲を提供するセンサ領域を有してもよい。センサ範囲は好ましくは、正方形幾何形状などの矩形の幾何形状を有する。少なくとも1個のセンサ領域は、例えば少なくとも1個のセンサ範囲、即ち横方向の広さがセンサ領域の厚さを、例えば少なくとも10倍だけ、好ましくは少なくとも100倍だけ及び特に好ましくは少なくとも1000倍だけ相当に超えるセンサ領域から成ることができる。しかしながら、他の幾何形状及び/又はセンサ範囲が実現可能である。
【0046】
センサ信号は好ましくは、電流(光電流など)及び電圧(光電圧など)又は、電流及び/又は電圧の商などのそこから導出されるいずれかの信号から成る群から選択されてもよい。更に、センサ信号は、平均化及び/又はフィルタリングによってなど、生センサ信号から精密センサ信号を導出するために前処理されてもよい。センサ領域はしたがって、均一の信号、例えば電気信号が発生されるための光学センサの最小単位であることができ、それは好ましくは、もはや例えばセンサ領域の部分領域を求めて部分信号に細分されることができない。センサは1個の、でなければ複数のそのようなセンサ領域を有することができ、後者の場合、例えば複数のそのようなセンサ領域が二次元及び/又は三次元行列配置に配置されることによる。
【0047】
通常、光学センサは、少なくとも1個の半導体検出器、特に少なくとも1種の有機材料から成る有機半導体検出器、好ましくは有機太陽電池、そして特に好ましくは色素太陽電池又は色素増感太陽電池、特に固体色素太陽電池又は固体色素増感太陽電池を備えてもよい。好ましくは、光学センサはDSC若しくはsDSCであるか又はそれを備える。したがって、好ましくは、光学センサは、少なくとも1個の第1の電極、少なくとも1種のn−半導体金属酸化物、少なくとも1種の色素、少なくとも1種のp−半導体有機材料、好ましくは固体p−半導体有機材料、及び少なくとも1個の第2の電極を備える。好適な実施形態において、光学センサは少なくとも1個のDSC又は、より好ましくは、少なくとも1個のsDSCを備える。上記概説されたように、好ましくは、少なくとも1個の光学センサは透明な光学センサであるか又は少なくとも1個の透明な光学センサから成る。したがって、好ましくは、第1の電極も第2の電極も透明である。
【0048】
光学センサは、平面、平面凸、平面凹、両凸、両凹、又はレンズ若しくはプリズムなど、光学目的のために利用されることができるいずれかの他の形から成る群から選択されてもよい形状を呈してもよい。本明細書で、基板は剛性でも、でなければ可撓性でもよい。適切な基板は、金属箔の他に、特にプラスチックシート又は膜、そしてとりわけガラスシート又はガラス膜である。形状変化ポリマなどの形状変化材料が、可撓性基板として優先して利用されてもよい材料の例を構成する。更には、基板は、特に入射光ビームの反射を低減及び/又は緩和する目的のために覆われても又は被覆されてもよい。例として、基板は、基板の後での光軸の分割がいずれかの目的のために必要とされてもよい構成で特に有用だろう、ダイクロイックミラーのものなどのミラー効果を呈するように成形されてもよい。
【0049】
物体から検出器に伝搬する光ビームのビーム特性が完全に又は部分的に知られている場合であっても、多くのビームで、ビーム断面が焦点に達する前に狭くなり、そして以後再び広がることが知られている。したがって、光ビームが最も狭いビーム断面を有する焦点の前にそしてしばしばその間に、光ビームが同じ断面を有する、光ビームの伝搬軸に沿った位置が出現する。したがって、例として、焦点の距離z0前後で、光ビームの断面は同一である。したがって、WO2014/097181A1は、光ビームのビーム断面と物体の前後位置との間の既知の関係における不明確さを解決するために評価装置によって使用されるべき複数の前後センサ信号を発生してもよい幾つかの別々の前後光学センサのスタックを提案する。しかしながら、幾つかの光学センサのスタックは様々な状況下で適切でないかもしれないので、物体の前後位置を求めるために1つの光学センサのみが使用されてもよい。本明細書で、光ビームの全出力又は強さが知られている場合、光ビームの特定の断面が求められるだろう。この情報を使用することによって、焦点からのそれぞれの光学センサの距離z0が、したがって、なお求められるだろう。しかしながら、それぞれの光学センサが位置するのが焦点の前か又は後かを判定するために、物体及び/若しくは検出器の移動の履歴並びに/又は検出器が位置するのが焦点の前か又は後かに関する情報などの、付加情報が必要とされてもよい。したがって、通常、評価装置は、この付加情報を考慮に入れることによって、光ビームが広がるか又は狭くなるかを認識するように適合されてもよい。物体の少なくとも1個の前後座標に加えて、物体の少なくとも1個の横断座標が求められてもよい。したがって、通常、評価装置は、少なくとも1個の光学センサ上の光ビームの位置を求めることによって物体の少なくとも1個の横断座標を求めるように更に適合されてもよい。
【0050】
更なる好適な実施形態が評価装置に言及する。したがって、評価装置は、好ましくは照明の既知の出力を考慮して、且つ任意に照明が変調される変調周波数を考慮して、照明の幾何形状と検出器に対する物体の相対位置どりとの間の少なくとも1つの所定の関係から物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計されてもよい。通常、上記概説されたように、評価装置は、少なくとも1個のセンサ信号から光ビームの直径を求めることによって物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように適合されてもよい。ここで使用される場合及び以下で使用される場合、特定の場所での光ビームのビーム断面を特性化するために、光ビームの直径又は、同等に、光ビームのビームウエストが使用されるだろう。上記概説されたように、少なくとも1個のセンサ信号を評価することによって物体の前後位置を求めるために、物体の前後位置とビーム断面との間の既知の関係が使用されるだろう。例として、光ビームが少なくとも略ガウス方式で伝搬することを前提として、ガウス関係が使用されるだろう。この目的のために、既知のガウス分布などの既知の伝搬特性を有する光ビームを発生する照明源を使用することによってなど、光ビームは適切に成形されるだろう。この目的のために、照明源自体が既知の特性を有する光ビームを発生してもよいが、これは、当業者が知っているように、例えば多くの種類のレーザの場合である。追加的に又は代替的に、照明源及び/又は検出器は、当業者が認識するだろうように、既知の特性を有する光ビームを提供するために、1個若しくは複数個のレンズ及び/又は1個若しくは複数個の絞りなどの、1個又は複数個のビーム成形素子を有してもよい。したがって、例として、既知のビーム成形特性を有する1個又は複数個の伝達素子などの、1個又は複数個の伝達素子が提供されてもよい。追加的に又は代替的に、照明源及び/又は少なくとも1個の任意の伝達素子などの検出器は、少なくとも1個の光学センサの励起極大外の波長を除去するための1個又は複数個のフィルタ素子など、1個又は複数個のフィルタなどの1個又は複数個の波長選択素子を有してもよい。したがって、通常、評価装置は、好ましくは光ビームの伝搬方向における少なくとも1個の伝搬座標への光ビームのビーム直径の既知の依存から且つ/又は光ビームの既知のガウス分布から物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報を求めるために、光ビームの既知のビーム特性と光ビームのビーム断面及び/又は直径を比較するように適合されてもよい。
【0051】
検出器が、特に検出器が少なくとも2個の異なる波長によって衝突されてもよい場合、好ましくは少なくとも2個の別々の光検出器を利用することによって少なくとも2個のセンサ信号を検出するように設計されてもよい、より詳細に上記記載されたような本発明の特定の実施形態において、評価装置は、少なくとも2個の光検出器から生じる少なくとも2個のセンサ信号を評価することによって物体の前後位置に関する2個以上の情報を発生するように設計されてもよい。
【0052】
通常、検出器は、少なくとも1個の撮像デバイス、即ち少なくとも1個の画像を取得することが可能なデバイスを更に備えてもよい。撮像デバイスは種々の方法で具象化されることができる。したがって、撮像デバイスは、例えば検出器ハウジング内で検出器の一部であることができる。代替的に又は追加的に、しかしながら、撮像デバイスは、例えば少なくとも1個の光学センサから独立した別々の撮像デバイスとして、検出器ハウジング外に配置されることもできる。追加的に又は代替的に、少なくとも1個の任意の撮像デバイスは、検出器に接続されるなど、光学センサに完全に若しくは部分的に統合されても、又は検出器の一部であってさえよい。しかしながら、他の配置が可能である。
【0053】
本明細書で使用される場合、「撮像デバイス」は通常、物体の又はその一部の一次元、二次元又は三次元画像を発生することができるデバイスとして理解される。特に、検出器は、少なくとも1個の任意の撮像デバイスの有無にかかわらず、完全に又は部分的に、IRカメラ又はRGBカメラ、即ち3個の別々の接続上で赤、緑及び青と指定される3種の基本色を送り出すように設計されるカメラなどのカメラとして使用されることができる。したがって、例として、少なくとも1個の撮像デバイスは:画素化有機カメラ素子、好ましくは画素化有機カメラチップ;画素化無機カメラ素子、好ましくは画素化無機カメラチップ、より好ましくはCCD若しくはCMOSチップ;モノクロームカメラ素子、好ましくはモノクロームカメラチップ;マルチカラーカメラ素子、好ましくはマルチカラーカメラチップ;フルカラーカメラ素子、好ましくはフルカラーカメラチップから成る群から選択される少なくとも1個の撮像デバイスであってもよいか又はそれから成ってもよい。撮像デバイスは、モノクローム撮像デバイス、マルチクローム撮像デバイス及び少なくとも1個のフルカラー撮像デバイスから成る群から選択される少なくとも1個のデバイスであってもよいか又はそれから成ってもよい。マルチクローム撮像デバイス及び/又はフルカラー撮像デバイスは、当業者が認識するだろうように、フィルタ技法を使用することによって且つ/又は固有の色感度若しくは他の技法を使用することによって生成されてもよい。撮像デバイスの他の実施形態も可能である。
【0054】
撮像デバイスは、物体の複数の部分領域を連続して且つ/又は同時に撮像するように設計されてもよい。例として、物体の部分領域は、例えば撮像デバイスの解像限界によって画定され且つ電磁放射線が出現する物体の一次元、二次元又は三次元領域であることができる。この文脈では、撮像は、物体のそれぞれの部分領域から出現する電磁放射線が、例えば検出器の少なくとも1個の任意の伝達装置を用いて撮像デバイスに送られることを意味するものと理解されるべきである。電磁線は、例えば発光放射線の形態で、物体自体によって発生されることができる。代替的に又は追加的に、少なくとも1個の検出器は、物体を照明するための少なくとも1個の照明源を備えてもよい。
【0055】
特に、撮像デバイスは、例えば走査法を用いて、特に少なくとも1回の行走査及び/又は線走査を使用して、複数の部分領域を順次撮像するように設計されることができる。しかしながら、他の実施形態、例えば複数の部分領域が同時に撮像される実施形態も可能である。撮像デバイスは、物体の部分領域のこの撮像中に、部分領域と関連づけられる信号、好ましくは電子信号を発生するように設計される。信号はアナログ及び/又はデジタル信号であってもよい。例として、電子信号は各部分領域と関連づけられることができる。電子信号はしたがって同時に、でなければ時間差方式で発生されることができる。例として、行走査又は線走査中に、物体の部分領域に対応する一連の電子信号を発生し、それらが、例えば一列に並べられることが可能である。更に、撮像デバイスは、電子信号を処理及び/又は前処理するための1個又は複数個のフィルタ及び/又はアナログ−デジタル変換器などの、1個又は複数個の信号処理デバイスを備えてもよい。
【0056】
加えて、検出器は、光学レンズ、特に焦点可調レンズなどの、少なくとも1個の伝達装置を備えてもよく、それはより詳細に後記されることになり、且つ共通の光軸に沿って更に配置されてもよい。例として、物体から出現する光ビームはこの場合には、それが最終的に撮像デバイスと衝突するまで最初は少なくとも1個の伝達装置を通してそしてその後光学センサを通して進行してもよい。光学センサへの光の送りは、特に例えば丸、楕円又は異なって構成された断面を有する光点が光学センサの任意のセンサ範囲に生成されるように遂行されることができる。例として、検出器は、内部で物体が検出されることができる視覚範囲、特に立体角範囲及び/又は空間範囲を有することができる。好ましくは、任意の伝達装置は、例えば検出器の視覚範囲内に配置される物体の場合には、光点が完全にセンサ領域、特にセンサ範囲に配置されるように設計される。例として、センサ範囲は、この条件を保証するために対応する大きさを有するように選ばれることができる。
【0057】
好適な実施形態において、少なくとも1個の物体は、一次光を発生する少なくとも1個の照明源を使用することによって照明されてもよく、ここでは少なくとも1個の物体は一次光を弾性的に又は非弾性的に反射し、それによって少なくとも2個の検出器のうちの1個に伝搬する複数の光ビームを発生する。少なくとも1個の照明源は、少なくとも2個の検出器の各々の構成部分を形成してもよいか又は形成しなくてもよい。したがって、少なくとも1個の照明源は少なくとも2個の検出器と独立して形成されてもよく、且つしたがって、特に少なくとも2個の検出器から分離される少なくとも1つの位置に設けられてもよい。例として、少なくとも1個の照明源自体は環境光源であってもよいか若しくはそれから成ってもよい及び/又は人工照明源であってもよいか若しくはそれから成ってもよい。この実施形態は好ましくは、特に単一の検出器の固有の測定体積を拡張する測定体積を提供する目的で深さ情報を取得するために、少なくとも2個の検出器、優先して2個の同一の検出器が利用される用途に適している。
【0058】
上記概説されたように、好ましくは、少なくとも1個の光学検出器の構成の考え得る詳細に対して、WO2012/110924A1に、及び/又は詳細には考え得る電極材料、有機材料、無機材料、層構成、任意の伝達装置、任意の照明源及び更なる詳細に関して、WO2014/097181A1に参照がなされてもよい。なお、他の実施形態が実現可能である。
【0059】
更なる好適な実施形態において、本発明に係る検出器は少なくとも2個の個々の光学センサ、好ましくは2個又は3個の個々の光学センサを備えてもよく、それらは2つの別個の位置に置かれてもよい。この点に関しては、個々の光学センサは、好ましくは、検出器に備えられるその他の個々の光学センサによって撮られる画像と異なってもよい個々の画像を取得することを可能にするために、その他の個々の光学センサから離間されてもよい。特に、個々の光学センサは、単一の円形三次元画像を生成するために、別々のビーム経路に平行配置で配置されてもよい。したがって、個々の光学センサは、それらが光軸と平行して設けられ、且つ加えて、検出器の光軸に対して垂直な向きに個々の変位を呈するように整列されてもよい。本明細書で、整列は、個々の光学センサ及び/又は対応する伝達素子の場所及び向きを調節することによってなど、適切な方策によって達成されてもよい。したがって、2個の個々の光学センサは、好ましくは、それらが深さ情報の知覚を生成又は増強することができるように、とりわけ両眼視によって得られるような視覚情報など、重複する視野を有する2個の個々の光学センサから導出されるような視覚情報を組み合わせることによって深さ情報が得られる仕方で、離間されていてもよい。この目的のために、個々の光学センサは好ましくは、光軸に対して垂直な方向に測定されると、1cm〜100cm、好ましくは10cm〜25cmの距離だけ互いから離間されてもよい。本明細書で使用される場合、本実施例において提供されるような検出器は、特に、より詳細に下記されることになる「立体視システム」の一部であってもよい。立体視を可能にする他に、主に2個以上の光学センサの使用に基づく立体視システムの更なる特定の利点は、特に、全強さの増加及び/又はより低い検出閾値を含むことができる。
【0060】
特に物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報を発生するために、上記されたような個々の光学センサは各々、「前後光学センサ」とも命名されてもよいFiPセンサ、特にWO2012/110924A1又はWO2014/097181A1に開示されるようなFiPセンサであっても又はそれから成ってもよい。この点に関しては、FiPセンサは、好ましくは、変調モードで動作されてもよく、ここではFiPセンサの各々は個々の変調周波数に感度が高くてもよく、したがって、異なるFiPセンサによって発生されるようなセンサ信号間の単純な区別を許容する。結果として、離散変調を有し、且つそれらの配置の結果として、重複する視野を呈する2個の個々の光学センサによって記録される視覚情報を単に組み合わせることによって深さ情報が取得されるように離間されている、2個の個々のFiPセンサを使用することによって分光視を適用することによって物体の前後位置を求めることが、したがって、可能であるだろう。
【0061】
物体の横断位置に関する少なくとも1個の情報も更に発生するために、横断センサ信号を提供することが可能であってもよい第3の個々の光学センサが、好ましくは、利用されてもよい。本明細書で使用される場合、この種のセンサは「横断光学センサ」とも命名されてもよい。本明細書で、横断光学センサは、好ましくは、2個の前後光学センサのうちの1個の同じビーム経路に置かれてもよい別々の光学センサであってもよい。代替的に、第3の個々の光学センサは、別々の第3のビーム経路に置かれてもよい前述された前後光学センサのうちの1個であっても又はそれから成ってもよく、ここでは第3のビーム経路はその他の2個の個々の光学センサの好ましくは平行したビーム経路と平行であってもよいが、しかし前述されたビーム経路に対して垂直な個々の変位を呈してもよい。
【0062】
横断光学センサの配置に関わりなく、横断光学センサは、検出器の光軸を横断する方向に物体の一次元又は二次元位置に関する情報を求めるように適合されている位置感応装置であってもよい。本明細書で、位置感応装置はアナログ位置感応装置又は離散位置感応装置のうちの1種であってもよい。アナログ位置感応装置は通例、入射ビームによって照明されるように適合されるセンサ範囲を備え、ここではセンサ範囲は、少なくとも1mm
2〜1000cm
2のセンサ範囲全体、好ましくは10mm
2〜100cm
2のセンサ範囲、より好ましくは1cm
2のセンサ範囲にわたって、好ましくは、均一の抵抗を呈する1個の連続センサ範囲によって形成されてもよい。好ましくは、センサ範囲は、正方形の幾何形状など、矩形の幾何形状を呈してもよい。したがって、センサ範囲は、センサ範囲の厚さを、例えば少なくとも10、好ましくは100、特に好ましくは1000倍相当上回る横方向の広さを有してもよい。しかしながら、他の種のセンサ範囲が実現可能である。センサ信号は、好ましくは、電流、特に光電流及び電圧、特に光電圧、又は電流及び/若しくは電圧の商など、そこから導出されるいずれかの信号から成る群から選択されてもよい。更に、センサ信号は、平均化及び/又はフィルタリングによってなど、生センサ信号から導出センサ信号を取得するために前処理されてもよい。センサ信号の対を比較することによって、入射ビームによって発生されるようなセンサ範囲上の光点の場所が導出されることができる。
【0063】
有利には、アナログ位置感応装置は、100kHz以上の速度までの測定速度で光点の場所を連続的に求めることを可能にしてもよく、それによって光点の大きさに実質的に影響されない。しかしながら、アナログ位置感応装置のセンサ信号は場所への非線形依存を呈することがあり、且つ更に、光点の形状に依存することがあるので、個々のセンサ画素の行列を備える離散位置感応装置、特に既知のCMOSチップ又は既知のCCDチップが、したがって、好まれてもよい。本明細書で、個々のセンサ画素の又は、好ましくは、個々のセンサ画素の列又は行の信号が閾値と比較されてもよく、したがって離散位置感応装置上の光点の場所の判定を可能にする。
【0064】
更なる代替例では、横断光学センサ及び少なくとも1個の前後光学センサは、好ましくは、WO2014/097181A1に又は欧州特許出願第14196942.8号に開示されるような複合光学センサなどの、複合光学センサに少なくとも部分的に統合されてもよい。
【0065】
更に、検出器は、好ましくは、検出器に備えられるような光学センサのいずれか又は全てから受信されるだろういずれか又は全てのセンサ信号を評価することによって物体の位置に関する情報を発生するように設計される単一の評価装置を備えてもよい。しかしながら、特に光学センサの配置及びそれらのそれぞれの目的に応じて、検出器は、代替的に、検出器に備えられる光学センサの幾つか又は各々に割り当てられる個々の評価装置を備えてもよい。更に、少なくとも2個の従来の位置感応装置を備える従来の立体視システムでは、それぞれの画像における対応する画素は相当な計算労力を適用することによって求められなければならないのに対して、少なくとも2個のFiPセンサを備える本発明に係る立体視システムでは、FiPセンサの各々が異なる変調周波数で動作されてもよいようにFiPセンサを使用することによって記録されるようなそれぞれの画像における対応する画素は互いに対して明白に割り当てられることができる。したがって、1個又は複数個のFiPセンサを使用することによって、物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報は低減された労力で発生されることができると強調されることができる。
【0066】
本発明の更なる態様は本発明に係る少なくとも2個の検出器を使用し、ここではそのような検出器の各々は、上記開示された又は以下更に詳細に開示される実施形態の1つ又は複数に係る少なくとも1個の検出器から選択されてもよい。したがって、任意の実施形態について、検出器のそれぞれの実施形態に参照がなされるだろう。
【0067】
本発明の更なる態様では、ユーザと機械との間で少なくとも1個の情報を交換するためのヒューマンマシンインタフェースが提案される。提案されるようなヒューマンマシンインタフェースは、上述された又は以下更に詳細に述べられるような実施形態の1つ又は複数における上述された検出器が、機械に情報及び/又は指令を提供するために1人又は複数人のユーザによって使用されてもよいという事実を使用してもよい。したがって、好ましくは、ヒューマンマシンインタフェースは制御指令を入力するために使用されてもよい。ヒューマンマシンインタフェースは、上記開示された実施形態の1つ若しくは複数に係る且つ/又は以下更に詳細に開示されるような実施形態の1つ若しくは複数に係るなど、本発明に係る少なくとも1個の検出器を備え、ここではヒューマンマシンインタフェースは、検出器を用いてユーザの少なくとも1個の幾何学的情報を発生するように設計され、ここではヒューマンマシンインタフェースは、少なくとも1個の情報、特に少なくとも1個の制御指令を幾何学的情報に割り当てるように設計される。
【0068】
通常、本明細書で使用される場合、ユーザの少なくとも1個の幾何学的情報は、ユーザ及び/又はユーザの1つ又は複数の体部の横断位置に関する及び/又は前後位置に関する1個又は複数個の情報を暗示してもよい。したがって、好ましくは、ユーザの幾何学的情報は、検出器の評価装置によって提供されるような横断位置及び/又は前後位置に関する1個又は複数個の情報を暗示してもよい。ユーザ、ユーザの体部又はユーザの複数の体部は、少なくとも1個の検出器によって検出されてもよい1個又は複数個の物体とみなされてもよい。そこでは、厳密に1個の検出器が提供されてもよいし、又は複数の検出器の組合せが提供されてもよい。例として、複数の検出器が、ユーザの複数の体部の位置を求めるために且つ/又はユーザの少なくとも1つの体部の向きを求めるために提供されてもよい。ヒューマンマシンインタフェースは1個又は複数個の検出器を備えてもよく、ここでは複数の検出器が提供される場合、検出器は同一であってもよいし又は異なってもよい。本明細書で、複数の検出器が使用される場合、複数の検出器、特に複数の同一の検出器は、複数の検出器によって、上記されたように記録されてもよい重複量で少なくとも1個の物体についての深さ情報の信頼できる取得をなお可能にする。したがって、好ましくは、ユーザの少なくとも1個の幾何学的情報は:ユーザの体の位置;ユーザの少なくとも1つの体部の位置;ユーザの体の向き;ユーザの少なくとも1つの体部の向きから成る群から選択される。
【0069】
本発明の更なる態様では、少なくとも1種の娯楽機能を実行するための娯楽装置が開示される。本明細書で使用される場合、娯楽装置は、以下で1人又は複数人のプレーヤとも称される、1人又は複数人のユーザの余暇及び/又は娯楽の目的を満たすことができる装置である。例として、娯楽装置はゲーム、好ましくはコンピュータゲームの目的を満たすことができる。追加的に又は代替的に、娯楽装置は、概して運動、スポーツ、物理療法又は動き追跡のためになど、他の目的のためにも使用されてもよい。したがって、娯楽装置は、コンピュータ、コンピュータネットワーク若しくはコンピュータシステムに実装されてもよいし、又は1種若しくは複数種のゲームソフトウェアプログラムを実行するコンピュータ、コンピュータネットワーク又はコンピュータシステムを備えてもよい。
【0070】
娯楽装置は、上記開示された実施形態の1つ若しくは複数に係る且つ/又は以下開示される実施形態の1つ若しくは複数に係るなど、本発明に係る少なくとも1個のヒューマンマシンインタフェースを備える。娯楽装置は、少なくとも1個の情報がヒューマンマシンインタフェースを用いてプレーヤによって入力されることを可能にするように設計される。少なくとも1個の情報は、娯楽装置のコントローラ及び/若しくはコンピュータに送信されてもよいし且つ/又はそれによって使用されてもよい。少なくとも1個の情報は好ましくは、ゲームの過程に影響するために適合される少なくとも1個の指令から成ってもよい。したがって、例として、少なくとも1個の情報は、プレーヤの及び/又はプレーヤの1つ又は複数の体部の動作、向き及び位置の少なくとも1つに関する少なくとも1個の情報を含んでもよく、それによってプレーヤがゲームのために必要とされる特定の位置及び/又は行動をシミュレーションすることを可能にする。例として、以下の動作の1つ又は複数がシミュレーションされ且つ娯楽装置のコントローラ及び/又はコンピュータに通信されてもよい:ダンスする;ランニングする;ジャンプする;ラケットを振る;バットを振る;クラブを振る;玩具銃を標的に向けるなど、物体を別の物体に向ける。
【0071】
娯楽装置、好ましくは娯楽装置のコントローラ及び/又はコンピュータは、情報に従って娯楽機能を変化させるように設計される。したがって、上記概説されたように、ゲームの過程は少なくとも1個の情報に従って影響されるだろう。したがって、娯楽装置は、少なくとも1個の検出器の評価装置と別であってもよいし、且つ/又は少なくとも1個の評価装置と完全に若しくは部分的に同一であってもよいし、又は少なくとも1個の評価装置を含みさえしてもよい1個又は複数個のコントローラを含んでもよい。好ましくは、少なくとも1個のコントローラは、1個又は複数個のコンピュータ及び/又はマイクロコントローラなどの、1個又は複数個のデータ処理装置を含んでもよい。
【0072】
本発明の更なる態様では、少なくとも1個の可動物体の位置を追跡するための追跡システムが提供される。本明細書で使用される場合、追跡システムは、少なくとも1個の物体又は物体の少なくとも1個の部分の一連の過去の位置に関する情報を収集するように適合される装置である。追加的に、追跡システムは、少なくとも1個の物体又は物体の少なくとも1個の部分の少なくとも1つの予測される将来の位置に関する情報を提供するように適合されてもよい。追跡システムは少なくとも1個の追跡コントローラを有してもよく、それは完全に又は部分的に電子装置として、好ましくは少なくとも1個のデータ処理装置として、より好ましくは少なくとも1個のコンピュータ又はマイクロコントローラとして具象化されてもよい。ここでも、少なくとも1個の追跡コントローラは少なくとも1個の評価装置を備えてもよいし、且つ/又は少なくとも1個の評価装置の一部であってもよいし、且つ/又は少なくとも1個の評価装置と完全に若しくは部分的に同一であってもよい。
【0073】
追跡システムは、上記掲載された実施形態の1つ又は複数に開示されるような且つ/又は以下実施形態の1つ又は複数に開示されるような少なくとも1個の検出器などの、本発明に係る少なくとも1個の検出器を備える。追跡システムは少なくとも1個の追跡コントローラを更に備える。追跡システムは1個又は2個以上の検出器、特に2個以上の同一の検出器を備えてもよく、これは2個以上の検出器間の重複量で少なくとも1個の物体についての深さ情報の信頼できる取得を可能にする。追跡コントローラは物体の一連の位置を追跡するように適合され、各位置は、特定の時点での物体の横断位置に関する少なくとも1個の情報及び特定の時点での物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報から成る。追跡システムは、追跡システム自体の及び/又は1個若しくは複数個の別々の装置の1種又は複数種の行動を開始するように適合されてもよい。後者の目的のために、追跡システム、好ましくは追跡コントローラは1個若しくは複数個の無線及び/若しくは結線インタフェース並びに/又は少なくとも1種の行動を開始するための他の種類の制御接続を有してもよい。好ましくは、少なくとも1個の追跡コントローラは、物体の少なくとも1つの実際の位置に従って少なくとも1種の行動を開始するように適合されてもよい。例として、行動は:物体の将来の位置の予測;物体に少なくとも1つの装置を向ける;検出器に少なくとも1つの装置を向ける;物体を照明する;検出器を照明するから成る群から選択されてもよい。
【0074】
追跡システムの適用の例として、追跡システムは、たとえ少なくとも1個の第1の物体及び/又は少なくとも1個の第2の物体が移動するかもしれないとしても、第1の物体を第2の物体に連続的に向けるために使用されてもよい。考え得る例は、ロボット工学でなど、及び/又はたとえ物品が移動しているとしても物品に連続的に取り組むために、製造ライン又は組立ラインでの製造中になど、ここでも産業用途に見いだされることができる。追加的に又は代替的に、追跡システムは、たとえ物体が移動していてもよいとしても物体に照明源を連続的に向けることによって物体を連続的に照明するためになど、照明目的のために使用されてもよい。更なる用途は、移動物体に送信機を向けることによって移動物体に情報を連続的に送信するためになど、通信システムに見いだされることがある。
【0075】
本発明の更なる態様では、少なくとも1個の物体の少なくとも1つの位置を求めるための走査システムが提供される。本明細書で使用される場合、走査システムは、少なくとも1個の物体の少なくとも1個の面に設けられる少なくとも1個のドットの照明のために構成されている少なくとも1個の光ビームを発するように、且つ少なくとも1個のドットと走査システムとの間の距離についての少なくとも1個の情報を発生するために適合される装置である。少なくとも1個のドットと走査システムとの間の距離についての少なくとも1個の情報を発生する目的のために、走査システムは、上記掲載された実施形態の1つ又は複数に開示されるような且つ/又は以下実施形態の1つ又は複数に開示されるような検出器のうちの少なくとも1個など、本発明に係る検出器のうちの少なくとも1個を備える。
【0076】
したがって、走査システムは、少なくとも1個の物体の少なくとも1個の面に設けられる少なくとも1個のドットの照明のために構成されている少なくとも1個の光ビームを発するように適合される少なくとも1個の照明源を備える。本明細書で使用される場合、用語「ドット」は、照明源によって照明されるように、例えば走査システムのユーザによって選択されてもよい物体の面の一部上の小範囲を指す。好ましくは、ドットは、一方では、走査システムに備えられる照明源とドットが設けられてもよい物体の面の一部との間の距離に対する値を走査システムができる限り正確に求めることを可能にするために、できる限り小さくてもよく且つ、他方では、走査システムのユーザ又は走査システム自体が、特に自動手順によって、物体の面の関連した一部上のドットの存在を検出することを可能にするために、できる限り大きくてもよい大きさを呈してもよい。
【0077】
この目的のために、照明源は人工照明源、特に少なくとも1個のレーザ源並びに/又は少なくとも1個の白熱電球並びに/又は少なくとも1個の半導体光源、例えば少なくとも1個の発光ダイオード、特に有機及び/若しくは無機発光ダイオードから成ってもよい。それらの通常の定義ビームプロファイル及び取扱性の他の特性のために、照明源としての少なくとも1個のレーザ源の使用が特に好まれる。本明細書で、特にユーザによって容易に保管及び移動可能であり得るコンパクトな走査システムを提供することが重要になる場合に、単一のレーザ源の使用が好まれてもよい。照明源はしたがって、好ましくは検出器の構成部分であってもよく、そしてしたがって、検出器のハウジングになど、特に検出器に統合されてもよい。好適な実施形態において、特に走査システムのハウジングは、ユーザに、例えば読みやすいように距離関連情報を提供するために構成される少なくとも1個のディスプレイを備えてもよい。更なる好適な実施形態において、特に走査システムのハウジングは、加えて、1種又は複数種の操作モードを設定するためになど、走査システムに関連した少なくとも1種の機能を作動させるために構成されてもよい少なくとも1個のボタンを備えてもよい。更なる好適な実施形態において、特に走査システムのハウジングは、加えて、特に距離測定の正確さ及び/又はユーザによる走査システムの取扱性を上昇させるために磁気材料から成る、ゴム足、台板又は壁ホルダなどの、走査システムを更なる面に締結するために構成されてもよい少なくとも1個の締結ユニットを備えてもよい。
【0078】
特に好適な実施形態において、走査システムの照明源は、したがって、物体の面に設けられる単一のドットの照明のために構成されてもよい単一のレーザビームを発してもよい。本発明に係る検出器のうちの少なくとも1個を使用することによって、少なくとも1個のドットと走査システムとの間の距離についての少なくとも1個の情報が、したがって、発生されることができる。ここでは、好ましくは、走査システムに備えられるような照明源と照明源によって発生されるような単一のドットとの間の距離は、少なくとも1個の検出器に備えられるような評価装置を利用することによってなどで求められてもよい。しかしながら、走査システムは更に、特にこの目的のために適合されてもよい追加の評価システムを備えてもよい。代替的に又は加えて、走査システムの、特に走査システムのハウジングの大きさが考慮されてもよく、そしてしたがって、ハウジングの前縁又は後縁などの走査システムのハウジング上の特定の点と単一のドットとの間の距離が、代替的に、求められてもよい。
【0079】
代替的に、走査システムの照明源はビームの放射の方向間の、直角などのそれぞれの角度を提供するために構成されてもよい2個の個々のレーザビームを発してもよく、それによって同じ物体の面に又は2個の別々の物体での2個の異なる面に設けられる2個のそれぞれのドットが照明されてもよい。しかしながら、2個の個々のレーザビーム間のそれぞれの角度に対する他の値も実現可能であってもよい。この特徴は、走査システムとドットとの間の1個又は複数個の障害物の存在によってなど、直接到達できないであろう、又はそうでなければ到達するのが難しいであろう間接距離を導出するためになど、特に間接測定機能のために利用されてもよい。例として、2つの個々の距離を測定し、そしてピタゴラス公式を使用することによって高さを導出することによって物体の高さに対する値を求めることが、したがって、実現可能であろう。特に物体に関して所定のレベルを保つことができるために、走査システムは更に、ユーザによって所定のレベルを保つために使用されてもよい少なくとも1個のレベリングユニット、特に統合気泡管を備えてもよい。
【0080】
更なる代替例として、走査システムの照明源は、互いに関してそれぞれのピッチ、特に一定のピッチを呈してもよく、且つ少なくとも1個の物体の少なくとも1個の面上に設けられるドットのアレイを生成するように配置されてもよいレーザビームのアレイなどの、複数の個々のレーザビームを発してもよい。この目的のために、レーザビームの記載されたアレイの生成を可能にしてもよい、ビーム分割装置及びミラーなどの、特別に適合される光学素子が提供されてもよい。
【0081】
したがって、走査システムは、1個又は複数個の物体の1個又は複数個の面上に置かれる1個又は複数個のドットの静的配置を提供してもよい。代替的に、走査システムの照明源、特にレーザビームの上記されたアレイなどの1個又は複数個のレーザビームは、経時的に変化する強さを呈してもよく且つ/又は時間の経過で交番する放射の方向に従ってもよい1個又は複数個の光ビームを提供するために構成されてもよい。したがって、照明源は、走査装置の少なくとも1個の照明源によって発生されるような交番特徴を持つ1個又は複数個の光ビームを使用することによって少なくとも1個の物体の少なくとも1個の面の一部を画像として走査するために構成されてもよい。特に、走査システムは少なくとも1回の行走査及び/又は線走査を使用して、1個又は複数個の物体の1個又は複数個の面を順次又は同時に走査するなどしてもよい。
【0082】
本発明に係る走査システムは飛行時間測定、特に変調光信号を送信することと反射信号を受信することとの間の時間差の測定に基づかないので、本発明に係る走査装置は、測定中にさえ走査システムの残部から独立して移動可能など、走査システムから独立している照明源を使用してもよい。更に、本発明に係る走査システムは、生産環境など、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、クロム又は他の反射若しくは部分反射面などの金属面を持つ環境などの、高反射環境で使用されてもよい。そのような高反射環境では、飛行時間カメラの照明源によって送出される信号が直接的及び間接的にカメラに後方反射され、誤った信号に至ることがあるので、飛行時間測定は困難である。本発明に係る走査システムは、照明源の散乱光がどこで焦点が合うかを求め、したがって光反射が存在するときに誤差を起こしにくい。
【0083】
本発明の更なる態様では、少なくとも1個の物体の少なくとも1個の単一の円形三次元画像を発生するための立体視システムが提供される。本明細書で使用される場合、上記及び/又は以下開示されるような立体視システムは、光学センサとしてFiPセンサの少なくとも2個を備えてもよく、ここでは第1のFiPセンサは追跡システムに、特に本発明に係る追跡システムに備えられてもよく、一方で第2のFiPセンサは走査システムに、特に本発明に係る走査システムに備えられてもよい。本明細書で、FiPセンサは、好ましくは、FiPセンサを光軸と平行して且つ立体視システムの光軸に垂直に個々に変位させて整列させることによってなど、別々のビーム経路に平行配置で配置されてもよい。したがって、FiPセンサは、とりわけ、重複する視野を有し且つ、好ましくは、個々の変調周波数に感度が高い個々のFiPセンサから導出される視覚情報の組合せによって深さ情報を得ることによって、深さ情報の知覚を生成又は増強することができてもよい。この目的のために、個々のFiPセンサは好ましくは、光軸に対して垂直な方向に測定されると、1cm〜100cm、好ましくは10cm〜25cmの距離だけ互いから離間されてもよい。この好適な実施形態において、追跡システムは、したがって、変調アクティブ標的の位置を求めるために利用されてもよく、一方で1個又は複数個の物体の1個又は複数個の面上に1個又は複数個のドットを投影するように適合される走査システムは、少なくとも1個のドットと走査システムとの間の距離についての少なくとも1個の情報を発生するために使用されてもよい。加えて、立体視システムは、本出願の他の部分で記載されるように画像内の少なくとも1個の物体の横断位置に関する情報を発生するために適合されている別々の位置感応装置を更に備えてもよい。
【0084】
立体視を可能にする他に、主に2個以上の光学センサの使用に基づく立体視システムの更なる特定の利点は、特に、全強さの増加及び/又はより低い検出閾値を含むことができる。更に、少なくとも2個の従来の位置感応装置を備える従来の立体視システムでは、それぞれの画像における対応する画素は相当な計算労力を適用することによって求められなければならないのに対して、少なくとも2個のFiPセンサを備える本発明に係る立体視システムでは、FiPセンサの各々が異なる変調周波数で動作されてもよいようにFiPセンサを使用することによって記録されているそれぞれの画像における対応する画素は互いに対して明白に割り当てられることができる。したがって、本発明に係る立体視システムは、低減された労力で物体の前後位置に関すると同様に物体の横断位置に関する少なくとも1個の情報を発生することを可能にすることができると強調されることができる。
【0085】
立体視システムの更なる詳細については、追跡システム及び走査システムの記載にそれぞれ参照がなされてもよい。
【0086】
本発明の更なる態様では、少なくとも1個の物体を撮像するためのカメラが開示される。カメラは、上記与えられた又は以下更に詳細に与えられる実施形態の1つ又は複数に開示されるなどの、本発明に係る少なくとも1個の検出器を備える。したがって、詳細には、本出願は写真の分野に適用されてもよい。したがって、検出器は写真装置の、詳細にはデジタルカメラの一部であってもよい。詳細には、検出器は3D写真のために、詳細にはデジタル3D写真のために使用されてもよい。したがって、検出器はデジタル3Dカメラを形成してもよいし又はデジタル3Dカメラの一部であってもよい。本明細書で使用される場合、用語「写真」は通常、少なくとも1個の物体の画像情報を取得する技術を指す。更に本明細書で使用される場合、「カメラ」は通常、写真を行うために適合される装置である。更に本明細書で使用される場合、用語「デジタル写真」は通常、照明の強さ及び/又は色を示す電気信号、好ましくはデジタル電気信号を発生するように適合される複数の感光素子を使用することによって少なくとも1個の物体の画像情報を取得する技術を指す。更に本明細書で使用される場合、用語「3D写真」は通常、三空間次元で少なくとも1個の物体の画像情報を取得する技術を指す。したがって、3Dカメラは3D写真を行うために適合される装置である。カメラは通常、単一の3D画像など、単一の画像を取得するために適合されてもよいし、又は一連の画像など、複数の画像を取得するために適合されてもよい。したがって、カメラはまた、デジタルビデオ系列を取得するためになど、ビデオ用途のために適合されるビデオカメラであってもよい。
【0087】
したがって、通常、本発明は更に、少なくとも1個の物体を撮像するためのカメラ、詳細にはデジタルカメラ、より詳細には3Dカメラ又はデジタル3Dカメラを指す。上記概説されたように、用語撮像は、本明細書で使用される場合、通常、少なくとも1個の物体の画像情報を取得することを指す。カメラは本発明に係る少なくとも1個の検出器を備える。カメラは、上記概説されたように、単一の画像を取得するために又は、画像系列など、複数の画像を取得するために、好ましくはデジタルビデオ系列を取得するために適合されてもよい。したがって、例として、カメラはビデオカメラであってもよいか又はそれから成ってもよい。後者の場合、カメラは好ましくは、画像系列を記憶するためのデータメモリを備える。
【0088】
ヒューマンマシンインタフェース、娯楽装置、追跡システム及びカメラに関する更なる情報について、WO2014/097181A1に参照がなされてもよく、そのそれぞれの内容は参照によってここに含められる。
【0089】
本発明の更なる態様では、少なくとも1個の物体の位置を求めるための方法が開示される。好ましくは、方法は、上記及び/又は以下更に詳細に開示される実施形態の1つ又は複数に係る少なくとも1個の検出器など、本発明に係る少なくとも1個の検出器を使用してもよい。したがって、方法の任意の実施形態について、検出器の実施形態に参照がなされることがある。方法は以下の工程を備え、それらは所与の順序で又は異なる順序で行われてもよい。更に、掲載されていない追加の方法工程が提供されることができる。更に、方法工程の2つ以上又は全てさえが少なくとも部分的に同時に行われることができる。更に、方法工程は2度又は3度以上さえ繰り返し行われることができる。
【0090】
第1の方法工程によれば、検出器の少なくとも1個の光学センサが使用され、ここでは光学センサは物体から検出器に進行する少なくとも1個の光ビームの位置を求める。そこでは、光学センサは少なくとも第1の電極と第2の電極とを有し、ここでは少なくとも1種の光起電力材料が第1の電極と第2の電極との間に埋め込まれ、ここでは光起電力材料は光による光起電力材料の照明に応じて電荷を発生するように適合される。本発明によれば、第1の電極又は第2の電極は少なくとも3個の部分電極を有する分割電極であり、ここでは各部分電極は少なくとも1個のセンサ信号を発生するように適合され、ここではセンサ信号は光学センサのセンサ領域での光ビームのビーム断面に依存している。
【0091】
第2の方法工程によれば、少なくとも1個の評価装置が使用され、ここでは評価装置は、部分電極の対のセンサ信号を、好ましくは連続して、評価することによって物体の横断位置であって、検出器の光軸に対して垂直な少なくとも1個の平面での位置である横断位置に関する少なくとも1個の情報を発生する。更に、評価装置は、全ての部分電極のセンサ信号の和を評価することによって物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報を発生する。
【0092】
本発明の更なる態様では、本発明に係る検出器を使用する方法が開示される。そこで、距離測定、特に交通技術で;位置測定、特に交通技術で;娯楽用途;セキュリティ用途;ヒューマンマシンインタフェース用途;追跡用途;走査用途;追跡用途;立体視用途;写真用途;撮像用途又はカメラ用途;少なくとも1つの空間のマップを生成するためのマッピング用途;から成る群から選択される使用の目的のために検出器を使用する方法が提案される。加えて、本発明に係る光学検出器及び装置、検出器システム、ヒューマンマシンインタフェース、娯楽装置、追跡システム又はカメラを使用する更なる方法は、WO2012/110924A1に及び/又はWO2014/097181A1に見いだされるだろうし、その目的は参照によってここに含められる。
【0093】
上記概説されたように、少なくとも1個の光学センサは、例えば、照明の出力が同じであれば、即ち例えばセンサ範囲上の照明の強さの積分が同じであれば、センサ信号が照明の幾何形状に、即ち例えば直径及び/又はセンサ点に対する等価直径に依存しているように設計されることができる。例として、光学センサは、ビーム断面が2倍になると、全出力が同じであれば、少なくとも3倍だけ、好ましくは少なくとも4倍だけ、特に5倍又は10倍さえ、信号変動が生じるような方途で設計されることができる。この条件は、例えば少なくとも1個の特定のビーム断面について、例えば特定の集束範囲にわたって有効であり得る。したがって、例として、センサ信号は、信号が例えば少なくとも1個の最大又は極大を有することができる少なくとも1つの最適集束と上記少なくとも1つの最適集束外の集束との間で、少なくとも3倍だけ、好ましくは少なくとも4倍だけ、特に5倍又は10倍さえ信号差を有することができる。特に、センサ信号は、例えば光点の直径又は等価直径の照明の幾何形状の関数として、例えば少なくとも3倍だけ、特に好ましくは少なくとも4倍だけ、及び特に好ましくは少なくとも10倍だけの上昇で、少なくとも1個の顕著な最大値を有することができる。結果的に、光学センサは上述されたFiP効果に基づいてもよく、これはWO2012/110924A1にとても詳細に開示される。したがって、詳細にはsDSCでは、光ビームの集束は決定的な役割、即ち一定数の光子(nph)が入射する断面又は断面積を担ってもよい。光ビームがより密接に焦束されると、即ちその断面がより小さい程、光電流はより高くてもよい。用語「FiP」は入射ビームの断面φ(Fi)と太陽電池の電力(P)との間の関係を表す。特に、少なくとも1個の光学センサは、センサ信号が、照明の全出力が同じであれば、特に照明の光点が完全にセンサ領域、特にセンサ範囲内にある限り、センサ領域の大きさと、特にセンサ範囲の大きさと実質的に無関係であるような方途で設計されることができる。結果的に、センサ信号は、排他的にセンサ範囲上の電磁線の集束に依存していることができる。特に、センサ信号は、センサ範囲当たりの光電流及び/又は光電圧が、照明が同じであれば、同じ値を有し、例えば光点の大きさが同じであれば、同じ値を有するような方途で具象化されることができる。
【0094】
評価装置は特に少なくとも1個のデータ処理装置、特に電子データ処理装置を備えることができ、それは横断位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように、且つ少なくとも1個のセンサ信号を評価することによって物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計されることができる。したがって、評価装置は、入力変数として少なくとも1個のセンサ信号を使用するように、そしてこれらの入力変数を処理することによって物体の横断位置及び前後位置に関する情報を発生するように設計される。処理は並列に、続いて、又は複合方式でさえ行われることができる。評価装置は、計算によって且つ/又は少なくとも1個の記憶した及び/又は既知の関係を使用してなど、これらの情報を発生するための任意のプロセスを使用してもよい。少なくとも1個のセンサ信号の他に、1個又は複数の更なるパラメータ及び/又は情報が、上記関係、例えば変調周波数についての少なくとも1個の情報に影響することができる。関係は、経験的に、分析的に若しくは他に半経験的に決定される又は決定可能であることができる。特に好ましくは、関係は少なくとも1個の校正曲線、少なくとも一組の校正曲線、少なくとも1個の関数又は言及された実行可能な事柄の組合せから成る。1個又は複数の校正曲線は、例えばデータ記憶装置及び/又はテーブルに、例えば一組の値及びその関連した関数値の形態で記憶されることができる。代替的に又は追加的に、しかしながら、少なくとも1個の校正曲線は、例えばパラメータ化された形状で及び/又は関数方程式として記憶されることもできる。少なくとも1個のセンサ信号を横断位置に関する少なくとも1個の情報に及び前後位置に関する少なくとも1個の情報に処理するための別々の関係が使用されてもよい。代替的に、センサ信号を処理するための少なくとも1個の複合関係が実現可能である。様々な実行可能な事柄が考えられ且つ組み合わされることもできる。
【0095】
WO2012/110924A1及びWO2014/097181A1に更に詳細に概説されるように、光ビームの断面は、少なくとも1個の光学センサのセンサ領域上の光点の特定の直径又は等価直径に帰着し、物体と検出器との間の距離に及び/又は検出器の任意の伝達装置、例えば少なくとも1個の検出器レンズに依存していることができる。例として、物体と任意の伝達装置のレンズとの間の距離の変動はセンサ領域上の照明の焦点外れに至ることがあり、照明の幾何形状の変化、例えば光点の広がりを伴い、対応して変更されたセンサ信号に帰着することがある。伝達装置なしでも、例として、センサ信号及び/又はその変動からの既知のビームプロファイルから、例えば既知のビームプロファイル及び/又は光ビームの既知の伝搬を用いて、焦点外れ及び/又は幾何学的情報を推論することが可能である。例として、照明の全出力が既知であれば、したがって、光学センサのセンサ信号から照明の幾何形状を、そして次いでそれから幾何学的情報、特に物体の少なくとも1個の場所情報を推論することが可能である。
【0096】
同様に、少なくとも1個の光学センサは物体の横断位置の簡単な検出を可能にする。この目的のために、物体の横断位置の変化が通常、少なくとも1個の光学センサのセンサ領域での光ビームの横断位置の変化に至るだろうという事実が使用されてもよい。したがって、例えば光学センサの、センサ範囲などの、センサ領域に衝突する光ビームによって発生される光点の横断位置を検出することによって、物体の横断位置又は横断位置に関する少なくとも1個の情報が発生されてもよい。したがって、光点の位置は、少なくとも3個の異なる部分電極を通る少なくとも2つの電流の少なくとも1種の比率を形成することによってなど、横断光学センサの部分電極の電流及び/又は電圧信号を比較することによって求められてもよい。この測定原理については、例として、米国特許第6,995,445号及び/又は米国特許出願公開第2007/0176165(A1)号に参照がなされてもよい。
【0097】
したがって、評価装置は物体の横断位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計され、ここでは横断位置は検出器の光軸に対して垂直な少なくとも1個の平面での位置である。本発明によれば、評価装置は、部分電極の対のセンサ信号を評価することによって物体の横断位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計される。本明細書で、部分電極は、上記及び/又は下記されるように光学センサ上に配置されてもよい。特に本発明に関して、評価装置は、最も好ましくは、以下の手順を利用することによって物体の横断位置に関する情報を発生するように設計されてもよい:
− 第一に、平面内の選択された方向に対して垂直に設けられてもよい隣接する部分電極の対のセンサ信号の和を形成すること、
− 第二に、選択された方向内の隣接する部分電極の対のセンサ信号の和間の少なくとも1個の差を形成すること、そして、
− 第三に、差を全ての部分電極のセンサ信号の和で割ること。
更に、評価装置は、全ての部分電極のセンサ信号の和を評価することによって物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計される。この種の評価は、好ましくは、前述の手順の第3の工程を等しく利用することによって行われてもよく、これは、特に、別々の評価工程並びに、したがって、労力及び時間を節約することを可能にすることができる。
【0098】
前述の手順を実際に行うために、評価装置は、したがって、入力センサ信号を適宜処理することが可能でもよい、AC変換器、フィルタ、(前置)増幅器、加算器、減算器、乗算器、除算器、分波器及び/又は他の電子デバイスなどの適切な電子デバイスを搭載してもよい。この目的のために、評価装置は個別の電子機器を利用してもよいか、並びに/又は1個若しくは複数個の特定用途向け集積回路(ASIC)などの、1個若しくは複数個の集積回路であってもよいか若しくはそれを備えてもよい。代替的に又は加えて、評価装置は、上述の手順内の1個又は複数個の動作を行うことが可能でもよい、1個又は複数個のコンピュータ、好ましくは1個又は複数個のマイクロコンピュータ及び/又はマイクロコントローラなどの、1個又は複数個のデータ処理装置を備えてもよい。更には、評価装置は1個又は複数個の揮発性又は不揮発性データメモリを備えることができ、ここでは例えば、電子テーブル及び特に少なくとも1個のルックアップテーブルが備えられてもよい。
【0099】
記載される検出器は種々の方途で有利に展開されることができる。したがって、検出器は、照明を変調するための、特に周期変調のための少なくとも1個の変調装置、特に周期ビーム断続装置を更には有することができる。照明の変調は、照明の全出力が、好ましくは周期的に、特に1個又は複数個の変調周波数で変更されるプロセスを意味すると理解されるべきである。特に、周期変調は、照明の全出力の最大値と最小値との間で遂行されることができる。最小値は0であることができるが、また>0であることもでき、その結果、例として、完全変調は遂行される必要はない。例として、検出器は、0.1Hz〜10kHzなど、0.05Hz〜1MHzの周波数で、物体の照明及び/又は、少なくとも1個の光学センサの少なくとも1個のセンサ領域など、検出器の少なくとも1個のセンサ領域の変調をもたらすように設計されることができる。上記概説されたように、この目的のために、検出器は少なくとも1個の変調装置を備えてもよく、それは少なくとも1個の任意の照明源に統合されてもよいし且つ/又は照明源から独立していてもよい。したがって、少なくとも1個の照明源は、それ自体、照明の上述の変調を発生するように適合されてもよく、且つ/或いは、少なくとも1個のチョッパー並びに/又は、少なくとも1個の電気光学素子及び/若しくは少なくとも1個の音響光学素子などの、変調伝達率を有する少なくとも1個の素子など、少なくとも1個の独立した変調装置が存在してもよい。
【0100】
変調は例えば、物体と光学センサとの間のビーム経路で、例えば上記ビーム経路に配置されている少なくとも1個の変調装置によって遂行されることができる。代替的に又は追加的に、しかしながら、変調はまた、物体を照明するための−以下更により詳細に記載される−任意の照明源と物体との間のビーム経路で、例えば上記ビーム経路に配置されている少なくとも1個の変調装置によって遂行されることができる。これらの実行可能な事柄の組合せも考えられる。少なくとも1個の変調装置は例えば、ビームチョッパー又は、例えば少なくとも1個の断続器ブレード又は断続器ホイールを備える、いずれかの他の種類の周期ビーム断続装置を備えることができ、それは好ましくは一定速度で回転し、したがって照明を周期的に断続することができる。代替的に又は追加的に、しかしながら、1個又は複数個の異なる種類の変調装置、例えば電気光学効果及び/又は音響光学効果に基づく変調装置を使用することも可能である。ここでも代替的に又は追加的に、少なくとも1個の任意の照明源自体は、例えば上記照明源自体が変調強さ及び/若しくは全出力、例えば周期的に変調される全出力を有することによって、且つ/又は上記照明源がパルス照明源として、例えばパルスレーザとして具象化されることによって、変調照明を発生するように設計されることもできる。したがって、例として、少なくとも1個の変調装置は照明源に完全に又は部分的に統合されることもできる。様々な実行可能な事柄が考えられる。
【0101】
上記概説されたように、検出器は少なくとも1個の照明源を備えてもよい。照明源は様々な方途で具象化されることができる。したがって、照明源は、例えば検出器ハウジング内で検出器の一部であることができる。代替的に又は追加的に、しかしながら、少なくとも1個の照明源は、例えば別々の光源として、検出器ハウジング外に配置されることもできる。照明源は物体とは別に配置され、且つ遠くから物体を照明することができる。代替的に又は追加的に、照明源はまた、物体に接続されるか又は物体の一部であることさえでき、その結果、例として、物体から出現する電磁放射線は照明源によって直接発生されることもできる。例として、少なくとも1個の照明源は物体上に及び/又は内に配置されることができ、且つセンサ領域が照明される電磁放射線を直接発生することができる。例として、少なくとも1個の赤外線放射体及び/又は少なくとも1個の可視光用放射体、及び/又は少なくとも1個の紫外光用放射体が物体上に配置されることができる。例として、少なくとも1個の発光ダイオード及び/又は少なくとも1個のレーザダイオードが物体上に及び/又は内に配置されることができる。照明源は、特に以下の照明源の1個又は複数個から成ることができる:レーザ、特にレーザダイオード、原則としてであるが、代替的に又は追加的に、他の種類のレーザも使用されることができる;発光ダイオード;白熱電球;有機光源、特に有機発光ダイオード。代替的に又は追加的に、他の照明源も使用されることができる。例えば多くのレーザで少なくとも大体該当するように、照明源が、ガウスビームプロファイルを有する1個又は複数個の光ビームを発生するように設計されれば、特に好ましい。しかしながら、他の実施形態も原則として可能である。
【0102】
検出器の更なる可能な実施形態は、少なくとも1個の任意の伝達装置の実施形態に関する。上記説明されたように、上記少なくとも1個の伝達装置は撮像特性を有することができるか又は他に純粋な非撮像伝達装置として具象化されることができ、これは照明の集束には影響を有しない。しかしながら、伝達装置が少なくとも1個の撮像素子、例えば少なくとも1個のレンズ及び/又は少なくとも1個の湾曲ミラーを有すれば、特に好ましく、これは、そのような撮像素子の場合、例えばセンサ領域上の照明の幾何形状が相対位置どり、例えば伝達装置と物体との間の距離に依存していることができるからである。通常、特に物体が検出器の視覚範囲に配置される場合、物体から出現する電磁放射線がセンサ領域に完全に転送される、例えば、センサ領域、特にセンサ範囲上に完全に焦束されるような方途で伝達装置が設計されれば、特に好ましい。
【0103】
焦点可調レンズなどの可調光学素子が、異なる距離の物体が異なる焦点を呈するという事実を補正することが可能であることによって、追加の利点を提供してもよい。例として、焦点可調レンズ又は焦点可調レンズアレイが米国特許出願公開第2014/0132724(A1)号に開示される。更に、焦点可調液体マイクロレンズアレイの考え得る例については、C.U.Muradeら、Optics Express、第20巻、第16号、18180〜18187(2012)に参照がなされてもよい。ここでも、他の実施形態が実現可能である。特に、本センサにおける伝達素子はマイクロ−プリズムアレイ、好ましくはエレクトロウェッティング装置、特にアレイエレクトロウェッティングマイクロプリズムから成ってもよい。本明細書で使用される場合、「エレクトロウェッティング装置」は、少なくとも2種の異なる液体を有する1個又は複数個の光学素子を備えてもよい電気光学素子を指し、ここでは各光学素子の焦点はそれぞれの光学素子に電圧を印加することによって調節されてもよい。更なる詳細については、J.Heikenfeldら、Optics&Photonics News、2009年1月20〜26日に参照がなされてもよい。ここでも、焦点可調光学素子の他の実施形態が使用されてもよい。
【0104】
検出器は、上記されたように、少なくとも1個の評価装置を有する。特に、少なくとも1個の評価装置は、例えば評価装置が検出器の変調装置の1個若しくは複数個を制御するように且つ/又は検出器の少なくとも1個の焦点可調伝達装置を制御するように且つ/又は検出器の少なくとも1個の照明源を制御するように設計されることによって、検出器を完全に又は部分的に制御又は駆動するように設計されることもできる。したがって、評価装置は、特に、センサ信号、例えば照明の連続して異なる変調周波数での及び/又は少なくとも1個の焦点可調伝達装置によって達成される連続して異なる焦点での複数のセンサ信号の1個又は複数個が選ばれる少なくとも1つの測定サイクルを実行するように設計されることができる。
【0105】
評価装置は、上記されたように、センサ信号を評価することによって物体の横断位置に関する少なくとも1個の情報の他に前後位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計される。物体の上記位置は静的であり得るか、又は物体の少なくとも1種の移動、例えば検出器若しくはその一部と物体若しくはその一部との間の相対移動を含みさえしてもよい。この場合には、相対移動は、通常少なくとも1種の線形移動及び/又は少なくとも1種の回転移動を含むことができる。移動情報は例えば、異なる時間に選ばれる少なくとも2個の情報の比較によって得られることもでき、そのため、例えば少なくとも1個の場所情報はまた、少なくとも1個の速度情報及び/又は少なくとも1個の加速度情報を含むことができ、例えば物体又はその一部と検出器又はその一部との間の少なくとも1つの相対速度についての少なくとも1個の情報を含むことができる。特に、少なくとも1個の場所情報は通常:物体又はその一部と検出器又はその一部との間の距離についての情報、特に光路長;物体又はその一部と任意の伝達装置又はその一部との間の距離又は光路長についての情報;検出器又はその一部に対する物体又はその一部の位置どりについての情報;検出器又はその一部に対する物体及び/又はその一部の向きについての情報;物体又はその一部と検出器又はその一部との間の相対移動についての情報;物体又はその一部の二次元又は三次元空間構成についての情報、特に物体の幾何形状又は形状から選択されることができる。通常、少なくとも1個の場所情報はしたがって例えば:物体又はその少なくとも1個の部分の少なくとも1つの場所についての情報;物体又はその一部の少なくとも1つの向きについての情報;物体の又はその一部の幾何形状又は形状についての情報、物体の又はその一部の速度についての情報、物体の又はその一部の加速度についての情報、検出器の視覚範囲における物体の又はその一部の有無についての情報からなる群から選択されることができる。少なくとも1個の場所情報は、例えば少なくとも1個の座標系、例えば検出器又はその部分が静止する座標系で特定されることができる。代替的に又は追加的に、場所情報は、例えば検出器又はその部分と物体又はその部分との間の距離も単に含むことができる。言及された実行可能な事柄の組合せも考えられる。
【0106】
上記された検出器、方法、ヒューマンマシンインタフェース及び娯楽装置、そしてまた提案された使用方法は先行技術に勝る相当な利点を有する。したがって、通常、空間における少なくとも1個の物体の位置を求めるための単純な且つなお効率的な検出器が提供されるだろう。そこで、例として、物体又は物体の一部の三次元座標が高速な且つ効率的な方途で求められるだろう。詳細には、光学センサは、特にこれらの光学センサの各々に対して色素増感太陽電池、好ましくはsDSCを使用することによってなど、完全に又は部分的に有機光起電力デバイスとして設計されることによって、費用効率がよい方途で設計されることができ、コンパクトで、費用効率がよく、且つなお非常に精密な装置に至ることができる。
【0107】
複雑な三角測量法に基づく、当技術で既知の装置と比較して、提案した検出器は、詳細には検出器の光学構成に関して高い単純性を提供する。したがって、原則として、好ましくは適した伝達装置、詳細には適したレンズと組み合わせて、且つ適切な評価装置と併せて、1個又は2個以上のsDSCの単純な組合せで高精度位置検出に十分である。高精度測定の可能性と組み合わせて、この高い単純性は、詳細には、ヒューマンマシンインタフェースで及び、より好ましくは、ゲーム、走査、追跡及び立体視でなど、機械制御に適している。したがって、より多数のゲーム、走査、追跡、立体視目的のために使用されることができる費用効率がよい娯楽装置が提供されることができる。
【0108】
全体として、本発明の文脈で、以下の実施形態が特に好まれるとみなされる。
【0109】
実施形態1:少なくとも1個の物体の位置を光学的に求めるための検出器であって、
− 物体から検出器に進行する少なくとも1個の光ビームの位置を求めるための少なくとも1個の光学センサであり、光学センサが、少なくとも第1の電極と第2の電極とを有し、少なくとも1種の光起電力材料が、第1の電極と第2の電極との間に埋め込まれ、光起電力材料が、光による光起電力材料の照明に応じて電荷を発生するように適合され、第1の電極又は第2の電極が、少なくとも3個の部分電極を有する分割電極であり、各部分電極が、少なくとも1個のセンサ信号を発生するように適合され、センサ信号が、光学センサのセンサ領域での光ビームのビーム断面に依存している、光学センサと、
− 少なくとも1個の評価装置であり、評価装置が、部分電極の対のセンサ信号を評価することによって物体の横断位置であり、検出器の光軸に対して垂直な少なくとも1個の平面での位置である横断位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計され、且つ評価装置が、全ての部分電極のセンサ信号の和を評価することによって物体(112)の前後位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計される、評価装置とを備える、検出器。
【0110】
実施形態2:光学センサが少なくとも1個の色素増感太陽電池を備える、実施形態1に係る検出器。
【0111】
実施形態3:色素増感太陽電池が、第1の電極と第2の電極との間に埋め込まれる層構成であって、少なくとも1種のn−半導体金属酸化物、少なくとも1種の色素及び少なくとも1種の固体p−半導体有機材料から成る層構成を備える固体色素増感太陽電池である、実施形態2に係る検出器。
【0112】
実施形態4:光学センサが第1の電極、少なくとも1種のn−半導体金属酸化物、少なくとも1種の色素、少なくとも1種のp−半導体有機材料及び少なくとも第2の電極を少なくとも備える、実施形態1から3のいずれか1つに係る検出器。
【0113】
実施形態5:第1の電極が少なくとも部分的に少なくとも1種の透明導電性酸化物でできており、第2の電極が少なくとも部分的に導電性ポリマ、好ましくは透明導電性ポリマでできている、実施形態1から4のいずれか1つに係る検出器。
【0114】
実施形態6:導電性ポリマが:ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、好ましくは少なくとも1種の対イオンで電気的にドープされているPEDOT、より好ましくはポリスチレンスルホン酸ナトリウムでドープされるPEDOT(PEDOT:PSS);ポリアニリン(PANI);ポリチオフェンから成る群から選択される、実施形態5に係る検出器。
【0115】
実施形態7:導電性ポリマが部分電極間で0.1〜20kΩの電気抵抗率、好ましくは0.5〜5.0kΩの電気抵抗率及び、より好ましくは、1.0〜3.0kΩの電気抵抗率を提供する、実施形態5又は6に係る検出器。
【0116】
実施形態8:第1の電極が分割電極であり、n−半導体金属酸化物、色素、p−半導体有機材料及び第2の電極が透明である、実施形態1から7のいずれか1つに係る検出器。
【0117】
実施形態9:分割電極が二対の2個の部分電極を有し、各部分電極の2個の側が更なる部分電極の1個の側に隣接する、実施形態8に係る検出器。
【0118】
実施形態10:2個の隣接する部分電極間に間隙が残らない、実施形態1から9のいずれか1つに係る検出器。
【0119】
実施形態11:2個の隣接する部分電極が互いと部分的に重複し、重複範囲が作成され、重複範囲が重複する部分電極の各々の範囲の1%以下である、実施形態10に係る検出器。
【0120】
実施形態12:部分電極を通る電流がセンサ領域での光ビームの位置に依存している、実施形態1から11のいずれか1つに係る検出器。
【0121】
実施形態13:光学センサが、部分電極を通る電流に従って横断センサ信号を発生するように適合される、実施形態12に係る検出器。
【0122】
実施形態14:検出器、好ましくは光学センサ及び/又は評価装置が、部分電極を通る電流の少なくとも1個の比率から物体の横断位置に関する情報を導出するように適合される、実施形態12又は13に係る検出器。
【0123】
実施形態15:評価装置が、第一に、平面内の選択された方向に対して垂直に設けられる隣接する部分電極の対のセンサ信号の和を形成することによって、第二に、選択された方向内の隣接する部分電極の対のセンサ信号の和間の少なくとも1個の差を形成することによって、第三に、全ての部分電極のセンサ信号の和で差を割ることによって、物体の横断位置に関する情報を発生するように設計される、実施形態1から14のいずれか1つに係る検出器。
【0124】
実施形態16:少なくとも4個の部分電極が提供される、実施形態1から15のいずれか1つに係る検出器。
【0125】
実施形態17:光学センサが、平面、平面凸、平面凹、両凸又は両凹形から成る群から選択される形状を呈する、実施形態1から16のいずれか1つに係る検出器。
【0126】
実施形態18:検出器が少なくとも1個の伝達装置を更に備える、実施形態1から17のいずれか1つに係る検出器。
【0127】
実施形態19:伝達装置が少なくとも1個の焦点可調伝達装置から成る、実施形態18に係る検出器。
【0128】
実施形態20:焦点可調伝達装置が焦点可調レンズ又はエレクトロウェッティング装置から成る、実施形態19に係る検出器。
【0129】
実施形態21:検出器が少なくとも1個の撮像デバイスを更に備える、実施形態1から20のいずれか1つに係る検出器。
【0130】
実施形態22:撮像デバイスがカメラから成る、実施形態21に係る検出器。
【0131】
実施形態23:撮像デバイスが:無機カメラ;モノクロームカメラ;マルチクロームカメラ;フルカラーカメラ;画素化無機チップ;画素化有機カメラ;CCDチップ、好ましくはマルチカラーCCDチップ又はフルカラーCCDチップ;CMOSチップ;IRカメラ;RGBカメラの少なくとも1個から成る、実施形態21又は22に係る検出器。
【0132】
実施形態24:検出器が照明を変調するための少なくとも1個の変調装置を更に有する、実施形態1から23のいずれか1つに係る検出器。
【0133】
実施形態25:検出器が、異なる変調の場合には少なくとも2個のセンサ信号、特にそれぞれ異なる変調周波数での少なくとも2個のセンサ信号を検出するように設計され、評価装置が、少なくとも2個のセンサ信号を評価することによって物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計される、実施形態24に係る検出器。
【0134】
実施形態26:検出器が少なくとも2個のセンサ信号を検出するように設計される、実施形態1から25のいずれか1つに係る検出器。
【0135】
実施形態27:検出器が少なくとも2個の別々の光学センサを備える、実施形態26に係る検出器。
【0136】
実施形態28:少なくとも2個の別々の光学センサが、衝突光ビームが少なくとも2個の別々の光学センサに連続的に衝突するように設けられる、実施形態27に係る検出器。
【0137】
実施形態29:少なくとも2個の光学センサのうちの1個が光スペクトルの第1の部分に対して透明で且つ光スペクトルのその他の部分に対して吸収性である、実施形態27又は28に係る検出器。
【0138】
実施形態30:少なくとも2個の光学センサのうちの更なるものが光スペクトルの第2の部分に対して透明で且つ光スペクトルのその他の部分に対して吸収性であり、光スペクトルの第1の部分及び光スペクトルの第2の部分が互いから離れている、実施形態29に係る検出器。
【0139】
実施形態31:評価装置が、少なくとも2個のセンサ信号を評価することによって物体の前後位置に関する少なくとも2個の情報を発生するように設計される、実施形態26から30のいずれか1つに係る検出器。
【0140】
実施形態32:検出器が、それらが検出器の光軸と平行の向きに整列され且つ検出器の光軸に対して垂直な向きに個々の変位を呈するように平行配置で設けられている少なくとも2個の光学センサを備える、実施形態1から31のいずれか1つに係る検出器。
【0141】
実施形態33:光学センサの少なくとも2個が前後光学センサであり、前後光学センサのセンサ信号が物体の前後位置に関する情報を求めるために組み合わされる、実施形態32に係る検出器。
【0142】
実施形態34:光学センサの少なくとも1個が横断光学センサであり、横断光学センサのセンサ信号が物体の横断位置に関する情報を求めるために使用される、実施形態32又は33に係る検出器。
【0143】
実施形態35:物体の前後位置に関する情報及び物体の横断位置に関する情報を組み合わせることによって物体の立体映像が得られる、実施形態34に係る検出器。
【0144】
実施形態36:光学センサが、センサ信号が、照明の全出力が同じであれば、照明の変調の変調周波数に依存しているような方途で更には設計される、実施形態1から35のいずれか1つに係る検出器。
【0145】
実施形態37:物体の横断位置に関する情報が、センサ信号の周波数依存を評価することによって物体の前後位置に関する情報から分離される、実施形態36に係る検出器。
【0146】
実施形態38:評価装置が、好ましくは照明の既知の出力を考慮して、且つ任意に照明が変調される変調周波数を考慮して、照明の幾何形状と検出器に対する物体の相対位置どりとの間の少なくとも1個の所定の関係から物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報を発生するように設計される、実施形態1から37のいずれか1つに係る検出器。
【0147】
実施形態39:少なくとも1個の照明源を更に備える、実施形態1から38のいずれか1つに係る検出器。
【0148】
実施形態40:照明源が:少なくとも部分的に物体に接続され且つ/又は少なくとも部分的に物体と同一である照明源;一次放射線で物体を少なくとも部分的に照明するように設計され、ここでは光ビームが好ましくは、物体上での一次放射線の反射によって及び/又は一次放射線によって刺激される、物体自体による発光によって発生される、照明源から選択される、実施形態39に係る検出器。
【0149】
実施形態41:評価装置が、好ましくは光ビームの伝搬方向における少なくとも1個の伝搬座標への光ビームのビーム直径の既知の依存から且つ/又は光ビームの既知のガウス分布から物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報を求めるために、光ビームの既知のビーム特性と光ビームの直径を比較するように適合される、実施形態40に係る検出器。
【0150】
実施形態42:照明源が構造化光源である、実施形態40又は41に係る検出器。
【0151】
実施形態43:実施形態1から42のいずれか1つに係る少なくとも2個の検出器を備える配置。
【0152】
実施形態44:配置が少なくとも1個の照明源を更に備える、実施形態43に係る配置。
【0153】
実施形態45:ユーザと機械との間で少なくとも1個の情報を交換するための、特に制御指令を入力するためのヒューマンマシンインタフェースであって、ヒューマンマシンインタフェースが、検出器に関する実施形態1から42のいずれか1つに係る少なくとも1個の検出器を備え、ヒューマンマシンインタフェースが、検出器を用いてユーザの少なくとも1個の幾何学的情報を発生するように設計され、ヒューマンマシンインタフェースが、少なくとも1個の情報、特に少なくとも1個の制御指令を幾何学的情報に割り当てるように設計される、ヒューマンマシンインタフェース。
【0154】
実施形態46:ユーザの少なくとも1個の幾何学的情報が:ユーザの体の位置;ユーザの少なくとも1つの体部の位置;ユーザの体の向き;ユーザの少なくとも1つの体部の向きから成る群から選択される、実施形態45に係るヒューマンマシンインタフェース。
【0155】
実施形態47:少なくとも1種の娯楽機能、特にゲームを実行するための娯楽装置であって、娯楽装置が、ヒューマンマシンインタフェースに関する実施形態45又は46に係る少なくとも1個のヒューマンマシンインタフェースを備え、娯楽装置が、少なくとも1個の情報がヒューマンマシンインタフェースを用いてプレーヤによって入力されることを可能にするように設計され、娯楽装置が、情報に従って娯楽機能を変化させるように設計される、娯楽装置。
【0156】
実施形態48:少なくとも1個の可動物体の位置を追跡するための追跡システムであって、追跡システムが、検出器に関する実施形態1から42のいずれか1つに係る少なくとも1個の検出器を備え、追跡システムが少なくとも1個の追跡コントローラを更に備え、追跡コントローラが、物体の一連の位置を追跡するように適合され、各位置が、特定の時点での物体の横断位置に関する少なくとも1個の情報及び特定の時点での物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報から成る、追跡システム。
【0157】
実施形態49:追跡コントローラが、物体の実際の位置に従って少なくとも1種の行動を開始するように適合される、追跡システムに関する実施形態48に係る追跡システム。
【0158】
実施形態50:行動が:物体の将来の位置の予測;物体に少なくとも1つの装置を向ける;検出器に少なくとも1つの装置を向ける;物体を照明する;検出器を照明するから成る群から選択される、実施形態49に係る追跡システム。
【0159】
実施形態51:少なくとも1個の物体の少なくとも1つの位置を求めるための走査システムであって、走査システムが、検出器に関する実施形態1から42のいずれか1つに係る少なくとも1個の検出器を備え、走査システムが、少なくとも1個の物体の少なくとも1個の面に設けられる少なくとも1個のドットの照明のために構成される少なくとも1個の光ビームを発するように適合される少なくとも1個の照明源を更に備え、走査システムが、少なくとも1個の検出器を使用することによって少なくとも1個のドットと走査システムとの間の距離についての少なくとも1個の情報を発生するように設計される、走査システム。
【0160】
実施形態52:照明源が少なくとも1個の人工照明源、特に少なくとも1個のレーザ源及び/又は少なくとも1個の白熱電球及び/又は少なくとも1個の半導体光源から成る、実施形態51に係る走査システム。
【0161】
実施形態53:照明源が、複数の個々の光ビーム、特にそれぞれのピッチ、特に一定のピッチを呈する光ビームのアレイを発する、実施形態51又は52に係る走査システム。
【0162】
実施形態54:走査システムが少なくとも1個のハウジングを備える実施形態51から53のいずれか1つに係る走査システム。
【0163】
実施形態55:少なくとも1個のドットと走査システム距離との間の距離についての少なくとも1個の情報が、少なくとも1個のドットと走査システムのハウジング上の特定の点、特にハウジングの前縁又は後縁との間で求められる、実施形態54に係る走査システム。
【0164】
実施形態56:ハウジングが、ディスプレイ、ボタン、締結ユニット、レベリングユニットのうちの少なくとも1個を備える、実施形態54又は55に係る走査システム。
【0165】
実施形態57:追跡システムに関する実施形態48から50のいずれか1つに係る少なくとも1個の追跡システムと走査システムに関する実施形態51から56のいずれか1つに係る少なくとも1個の走査システムとを備える立体視システムであって、追跡システム及び走査システムが各々、立体視システムの光軸と平行の向きに整列され且つ、並行して、立体視システムの光軸に対して垂直な向きに関して個々の変位を呈するように平行配置で置かれる少なくとも1個の光学センサを備える、立体視システム。
【0166】
実施形態58:追跡システム及び走査システムが各々少なくとも1個の前後光学センサを備え、前後光学センサのセンサ信号が物体の前後位置に関する情報を求めるために組み合わされる、実施形態57に係る立体視システム。
【0167】
実施形態59:前後光学センサのセンサ信号が、異なる変調周波数を適用することによって互いに対して区別可能である、実施形態58に係る立体視システム。
【0168】
実施形態60:立体視システムが少なくとも1個の横断光学センサを更に備え、横断光学センサのセンサ信号が物体の横断位置に関する情報を求めるために使用される、実施形態59に係る立体視システム。
【0169】
実施形態61:物体の前後位置に関する情報及び物体の横断位置に関する情報を組み合わせることによって物体の立体映像が得られる、実施形態60に係る立体視システム。
【0170】
実施形態62:少なくとも1個の物体を撮像するためのカメラであって、検出器に関する実施形態1から42のいずれか1つに係る少なくとも1個の検出器を備えるカメラ。
【0171】
実施形態63:特に検出器に関する実施形態1から42のいずれか1つに係る検出器を使用して、少なくとも1個の物体の位置を求めるための方法であって、
− 検出器の少なくとも1個の光学センサが使用され、光学センサが、物体から検出器に進行する少なくとも1個の光ビームの位置を求め、光学センサが、少なくとも第1の電極と第2の電極とを有し、少なくとも1種の光起電力材料が、第1の電極と第2の電極との間に埋め込まれ、光起電力材料が、光による光起電力材料の照明に応じて電荷を発生するように適合され、第1の電極又は第2の電極が、少なくとも3個の部分電極を有する分割電極であり、各部分電極が、少なくとも1個のセンサ信号を発生するように適合され、センサ信号が、光学センサのセンサ領域での光ビームのビーム断面に依存しており、
− 少なくとも1個の評価装置が使用され、評価装置が、部分電極の対のセンサ信号を評価することによって物体の横断位置であり、検出器の光軸に対して垂直な少なくとも1個の平面での位置である横断位置に関する少なくとも1個の情報を発生し、且つ評価装置が、全ての部分電極のセンサ信号の和を評価することによって物体の前後位置に関する少なくとも1個の情報を更に発生する、方法。
【0172】
実施形態64:検出器に関する実施形態1から42のいずれか1つに係る検出器を:距離測定、特に交通技術で;位置測定、特に交通技術で;追跡用途、特に交通技術で;娯楽用途;カメラ、特にセキュリティ用途で;ヒューマンマシンインタフェース用途;マッピング用途、特に少なくとも1つの空間のマップを生成するため;距離測定、位置測定、追跡用途、走査用途から成る群から選択される自動化機械プロセスで;立体視で;高精度測定学で、特に分析学で;製造部品のモデリングで;医療手術で、特に内視鏡的方法で;から成る群から選択される使用の目的のために使用する方法。
【0173】
本発明の更なる任意の詳細及び特徴は、従属請求項と関連して以下に続く好適な例示的な実施形態の記載から明白である。この文脈では、特定の特徴は単独でも又は幾つかの他の特徴と組み合わせて実装されてもよい。本発明は例示的な実施形態に限定されない。例示的な実施形態は図に概略的に図示される。個々の図における同一の参照数字は、同一の要素若しくは同一の機能を持つ要素、又はそれらの機能に関して互いに対応する要素を指す。