(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ブラシ洗浄機構は、前記バフテーブルと前記ドレッサとの間を移動する前記バフパッドの半径部分に接触できるように配置され、前記バフヘッドが回転することによって、前記バフパッドの全面を洗浄可能になっている、
請求項2に記載のバフ処理モジュール。
前記ブラシ洗浄機構による洗浄は、ドレス処理の前、ドレス処理中及びドレス処理後の少なくとも何れかの段階で行う、請求項1から6の何れか一項に記載のバフ処理モジュール。
前記処理液は、DIW、薬液及びスラリーからなる群から選択される少なくとも1つの液体又はこの液体と圧縮空気との混合体である、請求項10、11、14の何れか一項に記載のバフ処理モジュール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上述した従来技術には、以下のような問題点があった。すなわち、従来技術は、バフパッドとドレッサとを相対運動させることによりバフパッドを洗浄するだけであるので、ある程度の洗浄処理は可能であるが、これだけではバフパッドを十分に洗浄することができない場合がある。
【0009】
そこで、本願発明は、バフパッドの洗浄力を強化したバフ処理モジュールを提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、第1手段は、処理対象物を設置するためのバフテーブルと、前記処理対象物に対して所定の処理を行うためのバフパッドを保持するバフヘッドと、前記バフヘッドを支持して揺動するバフアームと、前記バフパッドをドレスするためのドレッサと、前記バフテーブルと前記ドレッサとの間に配置された、前記バフパッドを洗浄するためのブラシ洗浄機構と、を備える。
【0011】
第2手段は、第1手段の構成に加え、前記ブラシ洗浄機構は、前記バフテーブルと前記ドレッサとの間を移動する前記バフパッドの全面を洗浄可能になっている、という構成を採っている。
【0012】
第3手段は、第2手段の構成に加え、前記ブラシ洗浄機構は、前記バフテーブルと前記ドレッサとの間を移動する前記バフパッドの半径部分に接触できるように配置され、前記バフヘッドが回転することによって、前記バフパッドの全面を洗浄可能になっている、という構成を採っている。
【0013】
第4手段は、第1から3手段の何れかの構成に加え、前記バフパッドの移動経路に対して進入退避可能である、という構成を採っている。
【0014】
第5手段は、第4手段の構成に加え、ロータリーアクチュエータによる回転移動、又はシリンダによる直線移動が可能である、という構成を採っている。
【0015】
第6手段は、第1から5手段の何れかの構成に加え、前記ドレッサの近傍に台座を設け、当該台座に前記ブラシ洗浄機構を配置した、という構成を採っている。
【0016】
第7手段は、第1から6手段の何れかの構成に加え、前記ブラシ洗浄機構による洗浄は、ドレス処理の前、ドレス処理中及びドレス処理後の少なくとも何れかの段階で行う、という構成を採っている。
【0017】
第8手段は、第1から第7手段の何れかの構成に加え、前記ブラシ洗浄機構は、前記バフパッドに向けて処理液を噴射する処理液噴出口を備えている、という構成を採っている。
【0018】
第9手段は、第1から第8手段の何れかの構成に加え、前記バフパッドの表面には中央部から外周部まで連続する溝が形成され、前記バフパッドの中央部には処理液が流出する処理液流出口が設けられており、前記処理液は、前記バフパットが前記ドレッサに当接した状態で前記処理液流出口から流出する、という構成を採っている。
【0019】
第10手段は、第9手段の構成に加え、バフパッドの最外周部近傍において前記処理液の流量を抑制する流量抑制部を備える、という構成を採っている。
【0020】
第11手段は、第1から第10手段の何れかの構成に加え、前記ドレッサの表面にはドレッサ溝が形成されている、という構成を採っている。
【0021】
第12手段は、第11手段の構成に加え、前記ドレッサ溝は、放射状または螺旋状である、という構成を採っている。
【0022】
第13手段は、第8手段の構成に加え、前記処理液噴出口には、処理液の流量及び圧力の少なくとも何れか一方を調整する調整弁が接続されている、という構成を採っている。
【0023】
第14手段は、第1から第13手段の何れかの構成に加え、前記バフパッドの近傍に、処理液の飛散を防止するバフパッドカバーを備えた、という構成を採っている。
【0024】
第15手段は、第14手段の構成に加え、前記バフアームの少なくとも一部が、前記バフパッドカバーの一部の機能を担っている、という構成を採っている。
【0025】
第16手段は、第1から第15手段の何れかの構成に加え、前記処理液は、DIW、薬液及びスラリーからなる群から選択される少なくとも1つの液体又はこの液体と圧縮空気との混合体である、という構成を採っている。
【0026】
第17手段は、第16手段の構成に加え、前記各液体の供給は切替可能である、という構成を採っている。
【0027】
第18手段は、第9から第17手段の何れかの構成に加え、前記処理液に代えて或いは処理液と共に、超音波洗浄流体によってバフパッドの洗浄を行う、という構成を採っている。
【0028】
第19手段は、第1から第18手段の何れかのバフ処理モジュールを備える基板処理装置、という構成を採っている。
【0029】
第20手段は、処理対象物に対して所定の処理を行うためのバフパッドを洗浄するためのバフパッド洗浄方法であって、前記バフパッドを保持するバフヘッドをバフアームによって支持して揺動し、前記処理対象物を設置するためのバフテーブルと前記バフパッドをドレスするためのドレッサとの間に配置されたブラシ洗浄機構によって前記バフパッドを洗浄する、という構成を採っている。
【0030】
第21手段は、第20手段の構成に加え、前記ブラシ洗浄機構によって前記バフテーブルと前記ドレッサとの間を移動する前記バフパッドの全面を洗浄する、という構成を採っている。
【0031】
第22手段は、第21手段の構成に加え、前記バフヘッドを回転し、前記バフテーブルと前記ドレッサとの間を移動する前記バフパッドの半径部分に接触できるように配置された前記ブラシ洗浄機構によって、前記バフパッドの全面を洗浄する、という構成を採っている。
【0032】
第23手段は、第20から第22手段の何れかの構成に加え、前記ブラシ洗浄機構は、前記バフパッドの移動経路に対して進入退避可能である、という構成を採っている。
【0033】
第24手段は、第20から第23手段の何れかの構成に加え、前記ブラシ洗浄機構は、ロータリーアクチュエータによって回転移動するか、又はシリンダによって直線移動する、という構成を採っている。
【0034】
第25手段は、第20から第24手段の何れかの構成に加え、前記ブラシ洗浄機構による洗浄は、ドレス処理の前、ドレス処理中及びドレス処理後の少なくとも何れかの段階で行う、という構成を採っている。
【0035】
第26手段は、第20から第25手段の何れかの構成に加え、前記ブラシ洗浄機構による洗浄は、前記ブラシ洗浄機構に設けられた処理液噴出口から処理液を噴射しながら行う、という構成を採っている。
【発明の効果】
【0036】
かかる本願発明によれば、技術的効果の一例として、バフパッドの洗浄力を強化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本願発明の一実施形態に係る基板処理装置及びコンディショニング部について、図面に基づいて説明する。
<基板処理装置>
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の全体構成を示す平面図である。
図1に示すように、基板処理装置(CMP装置)1000は、略矩形状のハウジング1を備える。ハウジング1の内部は、隔壁1a,1bによって、ロード/アンロードユニット2と、研磨ユニット3と、洗浄ユニット4と、に区画される。ロード/アンロードユニット2、研磨ユニット3、及び洗浄ユニット4は、それぞれ独立に組み立てられ、独立に排気される。また、洗浄ユニット4は、基板処理装置に電源を供給する電源供給部と、基板処理動作を制御する制御装置5と、を備える。
【0039】
<ロード/アンロードユニット>
ロード/アンロードユニット2は、多数のウェハ(基板)をストックするウェハカセッ
トが載置される2つ以上(本実施形態では4つ)のフロントロード部20を備える。これらのフロントロード部20は、ハウジング1に隣接して配置され、基板処理装置の幅方向(長手方向と垂直な方向)に沿って配列される。フロントロード部20には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、又はFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができるようになっている。ここで、SMIF及
びFOUPは、内部にウェハカセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。
【0040】
また、ロード/アンロードユニット2には、フロントロード部20の並びに沿って走行機構21が敷設される。走行機構21上には、ウェハカセットの配列方向に沿って移動可能な2台の搬送ロボット(ローダー、搬送機構)22が設置される。搬送ロボット22は、走行機構21上を移動することによって、フロントロード部20に搭載されたウェハカセットにアクセスできるようになっている。各搬送ロボット22は、上下に2つのハンドを備えている。上側のハンドは、処理されたウェハをウェハカセットに戻すときに使用される。下側のハンドは、処理前のウェハをウェハカセットから取り出すときに使用される。このように、上下のハンドを使い分けることができるようになっている。さらに、搬送ロボット22の下側のハンドは、ウェハを反転させることができるように構成されている。
【0041】
ロード/アンロードユニット2は最もクリーンな状態を保つ必要がある領域であるため、ロード/アンロードユニット2の内部は、基板処理装置外部、研磨ユニット3、及び、洗浄ユニット4のいずれよりも高い圧力に常時維持されている。研磨ユニット3は、研磨液としてスラリーを用いるため最もダーティな領域である。したがって、研磨ユニット3の内部には負圧が形成され、その圧力は洗浄ユニット4の内部圧力よりも低く維持される。ロード/アンロードユニット2には、HEPAフィルタ、ULPAフィルタ、又は、ケミカルフィルタなどのクリーンエアフィルタを有するフィルタファンユニット(図示せず)が設けられている。フィルタファンユニットからは、パーティクル、有毒蒸気、又は有毒ガスが除去されたクリーンエアが常時吹き出している。
【0042】
<研磨ユニット>
研磨ユニット3は、ウェハの研磨(平坦化)が行われる領域である。研磨ユニット3は、第1研磨ユニット3A、第2研磨ユニット3B、第3研磨ユニット3C、及び、第4研磨ユニット3Dを備えている。第1研磨ユニット3A、第2研磨ユニット3B、第3研磨ユニット3C、及び第4研磨ユニット3Dは、
図1に示すように、基板処理装置の長手方向に沿って配列される。
【0043】
図1に示すように、第1研磨ユニット3Aは、研磨面を有する研磨パッド10が取り付けられた研磨テーブル30Aと、ウェハを保持して研磨テーブル30A上の研磨パッド10に押圧しながら研磨するためのトップリング31Aと、研磨パッド10に研磨液やドレッシング液(例えば、純水)を供給するための研磨液供給ノズル32Aと、研磨パッド10の研磨面のドレッシングを行うためのドレッサ33Aと、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素ガス)の混合流体又は液体(例えば純水)を霧状にして研磨面に噴射するアトマイザ34Aと、を備えている。
【0044】
同様に、第2研磨ユニット3Bは、研磨テーブル30Bと、トップリング31Bと、研磨液供給ノズル32Bと、ドレッサ33Bと、アトマイザ34Bと、を備えている。第3研磨ユニット3Cは、研磨テーブル30Cと、トップリング31Cと、研磨液供給ノズル32Cと、ドレッサ33Cと、アトマイザ34Cと、を備えている。第4研磨ユニット3Dは、研磨テーブル30Dと、トップリング31Dと、研磨液供給ノズル32Dと、ドレッサ33Dと、アトマイザ34Dと、を備えている。
【0045】
第1研磨ユニット3A、第2研磨ユニット3B、第3研磨ユニット3C、及び第4研磨ユニット3Dは、互いに同一の構成を有しているので、以下、第1研磨ユニット3Aについてのみ説明する。
【0046】
図2は、第1研磨ユニット3Aを模式的に示す斜視図である。トップリング31Aは、トップリングシャフト36に支持される。研磨テーブル30Aの上面には研磨パッド10が貼付される。研磨パッド10の上面は、ウェハWを研磨する研磨面を形成する。なお、研磨パッド10に代えて固定砥粒を用いることもできる。トップリング31A及び研磨テーブル30Aは、矢印で示すように、その軸心周りに回転するように構成される。ウェハWは、トップリング31Aの下面に真空吸着により保持される。研磨時には、研磨液供給ノズル32Aから研磨パッド10の研磨面に研磨液が供給され、研磨対象であるウェハWがトップリング31Aにより研磨面に押圧されて研磨される。
【0047】
<搬送機構>
次に、ウェハを搬送するための搬送機構について説明する。
図1に示すように、第1研磨ユニット3A及び第2研磨ユニット3Bに隣接して、第1リニアトランスポータ6が配置されている。第1リニアトランスポータ6は、研磨ユニット3A,3Bが配列する方向に沿った4つの搬送位置(ロード/アンロードユニット側から順番に第1搬送位置TP1、第2搬送位置TP2、第3搬送位置TP3、第4搬送位置TP4とする)の間でウェハを搬送する機構である。
【0048】
また、第3研磨ユニット3C及び第4研磨ユニット3Dに隣接して、第2リニアトランスポータ7が配置される。第2リニアトランスポータ7は、研磨ユニット3C,3Dが配列する方向に沿った3つの搬送位置(ロード/アンロードユニット側から順番に第5搬送位置TP5、第6搬送位置TP6、第7搬送位置TP7とする)の間でウェハを搬送する機構である。
【0049】
ウェハは、第1リニアトランスポータ6によって研磨ユニット3A,3Bに搬送される。第1研磨ユニット3Aのトップリング31Aは、トップリングヘッドのスイング動作により研磨位置と第2搬送位置TP2との間を移動する。したがって、トップリング31Aへのウェハの受け渡しは第2搬送位置TP2で行われる。同様に、第2研磨ユニット3Bのトップリング31Bは研磨位置と第3搬送位置TP3との間を移動し、トップリング31Bへのウェハの受け渡しは第3搬送位置TP3で行われる。第3研磨ユニット3Cのトップリング31Cは研磨位置と第6搬送位置TP6との間を移動し、トップリング31Cへのウェハの受け渡しは第6搬送位置TP6で行われる。第4研磨ユニット3Dのトップリング31Dは研磨位置と第7搬送位置TP7との間を移動し、トップリング31Dへのウェハの受け渡しは第7搬送位置TP7で行われる。
【0050】
第1搬送位置TP1には、搬送ロボット22からウェハを受け取るためのリフタ11が配置されている。ウェハは、リフタ11を介して搬送ロボット22から第1リニアトランスポータ6に渡される。リフタ11と搬送ロボット22との間に位置して、シャッタ(図示せず)が隔壁1aに設けられており、ウェハの搬送時にはシャッタが開かれて搬送ロボット22からリフタ11にウェハが渡されるようになっている。また、第1リニアトランスポータ6と、第2リニアトランスポータ7と、洗浄ユニット4と、の間にはスイングトランスポータ12が配置されている。スイングトランスポータ12は、第4搬送位置TP4と第5搬送位置TP5との間を移動可能なハンドを有している。第1リニアトランスポータ6から第2リニアトランスポータ7へのウェハの受け渡しは、スイングトランスポータ12によって行われる。ウェハは、第2リニアトランスポータ7によって第3研磨ユニット3C及び/又は第4研磨ユニット3Dに搬送される。また、研磨ユニット3で研磨さ
れたウェハはスイングトランスポータ12を経由して洗浄ユニット4に搬送される。
【0051】
<洗浄ユニット>
図3(a)は洗浄ユニット4を示す平面図であり、
図3(b)は洗浄ユニット4を示す側面図である。
図3(a)及び
図3(b)に示すように、洗浄ユニット4は、ロール洗浄室190と、第1搬送室191と、ペン洗浄室192と、第2搬送室193と、乾燥室194と、バフ処理室300と、第3搬送室195と、に区画されている。
【0052】
ロール洗浄室190内には、縦方向に沿って配列された上側ロール洗浄モジュール201A及び下側ロール洗浄モジュール201Bが配置されている。上側ロール洗浄モジュール201Aは、下側ロール洗浄モジュール201Bの上方に配置されている。上側ロール洗浄モジュール201A及び下側ロール洗浄モジュール201Bは、洗浄液をウェハの表裏面に供給しながら、回転する2つのロールスポンジをウェハの表裏面にそれぞれ押し付けることによってウェハを洗浄する洗浄機である。上側ロール洗浄モジュール201Aと下側ロール洗浄モジュール201Bとの間には、ウェハの仮置き台204が設けられている。
【0053】
ペン洗浄室192内には、縦方向に沿って配列された上側ペン洗浄モジュール202A及び下側ペン洗浄モジュール202Bが配置されている。上側ペン洗浄モジュール202Aは、下側ペン洗浄モジュール202Bの上方に配置されている。上側ペン洗浄モジュール202A及び下側ペン洗浄モジュール202Bは、洗浄液をウェハの表面に供給しながら、回転するペンシルスポンジをウェハの表面に押し付けてウェハの径方向に揺動することによってウェハを洗浄する洗浄機である。上側ペン洗浄モジュール202Aと下側ペン洗浄モジュール202Bとの間には、ウェハの仮置き台203が設けられている。
【0054】
乾燥室194内には、縦方向に沿って配列された上側乾燥モジュール205A及び下側乾燥モジュール205Bが配置されている。上側乾燥モジュール205A及び下側乾燥モジュール205Bは、互いに隔離されている。上側乾燥モジュール205A及び下側乾燥モジュール205Bの上部には、清浄な空気を乾燥モジュール205A,205B内にそれぞれ供給するフィルタファンユニット207,207が設けられている。
【0055】
上側ロール洗浄モジュール201A、下側ロール洗浄モジュール201B、上側ペン洗浄モジュール202A、下側ペン洗浄モジュール202B、仮置き台203、上側乾燥モジュール205A、及び下側乾燥モジュール205Bは、図示しないフレームにボルトなどを介して固定される。
【0056】
第1搬送室191には、上下動可能な第1搬送ロボット(搬送機構)209が配置される。第2搬送室193には、上下動可能な第2搬送ロボット210が配置される。第3搬送室195には、上下動可能な第3搬送ロボット(搬送機構)213が配置される。第1搬送ロボット209、第2搬送ロボット210、及び、第3搬送ロボット213は、縦方向に延びる支持軸211,212,214にそれぞれ移動自在に支持されている。第1搬送ロボット209、第2搬送ロボット210、及び、第3搬送ロボット213は、内部にモータなどの駆動機構を有しており、支持軸211,212,214に沿って上下に移動自在となっている。第1搬送ロボット209は、搬送ロボット22と同様に、上下二段のハンドを有している。第1搬送ロボット209は、
図3(a)の点線で示すように、その下側のハンドが上述した仮置き台180にアクセス可能な位置に配置されている。第1搬送ロボット209の下側のハンドが仮置き台180にアクセスするときには、隔壁1bに設けられているシャッタ(図示せず)が開くようになっている。
【0057】
第1搬送ロボット209は、仮置き台180、上側ロール洗浄モジュール201A、下
側ロール洗浄モジュール201B、仮置き台204、仮置き台203、上側ペン洗浄モジュール202A、及び、下側ペン洗浄モジュール202B、の間でウェハWを搬送するように動作する。洗浄前のウェハ(スラリーが付着しているウェハ)を搬送するときは、第1搬送ロボット209は、下側のハンドを用い、洗浄後のウェハを搬送するときは上側のハンドを用いる。
【0058】
第2搬送ロボット210は、上側ペン洗浄モジュール202A、下側ペン洗浄モジュール202B、仮置き台203、上側乾燥モジュール205A、及び、下側乾燥モジュール205B、の間でウェハWを搬送するように動作する。第2搬送ロボット210は、洗浄されたウェハのみを搬送するので、1つのハンドのみを備えている。
図1に示す搬送ロボット22は、上側のハンドを用いて上側乾燥モジュール205A又は下側乾燥モジュール205Bからウェハを取り出し、そのウェハをウェハカセットに戻す。搬送ロボット22の上側ハンドが乾燥モジュール205A,205Bにアクセスするときには、隔壁1aに設けられているシャッタ(図示せず)が開くようになっている。
【0059】
バフ処理室300には、上側バフ処理モジュール300A、及び、下側バフ処理モジュール300Bが備えられる。第3搬送ロボット213は、上側ロール洗浄モジュール201A、下側ロール洗浄モジュール201B、仮置き台204、上側バフ処理モジュール300A、及び、下側バフ処理モジュール300B、の間でウェハWを搬送するように動作する。
【0060】
なお、本実施形態では、洗浄ユニット4内において、バフ処理室300、ロール洗浄室190、及び、ペン洗浄室192、を、ロード/アンロードユニット2から遠い方から順番に並べて配置する例を示したが、これには限られない。バフ処理室300、ロール洗浄室190、及び、ペン洗浄室192の配置態様は、ウェハの品質及びスループットなどに応じて適宜選択し得る。以下、上側バフ処理モジュール300A、及び、下側バフ処理モジュール300Bについて説明する。上側バフ処理モジュール300A、及び、下側バフ処理モジュール300Bは、同様の構成であるため、上側バフ処理モジュール300Aのみ説明する。
【0061】
<バフ処理モジュール>
図4は、上側バフ処理モジュール300Aの概略構成を示す図である。
図4に示すように、上側バフ処理モジュール300Aは、ウェハWが設置されるバフテーブル400と、ウェハWの処理面にバフ処理を行うためのバフパッド502が取り付けられたバフヘッド500と、バフヘッド500を保持するバフアーム600と、各種処理液を供給するための液供給系統700と、バフパッド502のコンディショニング(目立て)を行うためのコンディショニング部800と、を備える。
【0062】
バフテーブル400は、ウェハWを吸着する機構を有する。また、バフテーブル400は、図示していない駆動機構によって回転軸A周りに回転できるようになっている。バフパッド502は、バフヘッド500のウェハWに対向する面に取り付けられている。バフアーム600は、バフヘッド500を回転軸B周りに回転させるとともに、バフヘッド500を矢印Cに示すようにウェハWの径方向に揺動できるようになっている。また、バフアーム600は、バフパッド502がコンディショニング部800に対向する位置までバフヘッド500を揺動できるようになっている。
【0063】
液供給系統700は、ウェハWの処理面に純水(DIW)を供給するための純水ノズル710を備える。純水ノズル710は、純水配管712を介して純水供給源714に接続される。純水配管712には、純水配管712を開閉することができる開閉弁716が設けられる。図示しない制御装置は、開閉弁716の開閉を制御することにより、任意のタ
イミングでウェハWの処理面に純水を供給することができる。
【0064】
また、液供給系統700は、ウェハWの処理面に薬液(Chemi)を供給するための薬液ノズル720を備える。薬液ノズル720は、薬液配管722を介して薬液供給源724に接続される。薬液配管722には、薬液配管722を開閉することができる開閉弁726が設けられる。制御装置は、開閉弁726の開閉を制御することにより、任意のタイミングでウェハWの処理面に薬液を供給することができる。
【0065】
上側バフ処理モジュール300Aは、バフアーム600、バフヘッド500、及びバフパッド502を介して、ウェハWの処理面に、純水、薬液、又はスラリーを選択的に供給できるようになっている。
【0066】
すなわち、純水配管712における純水供給源714と開閉弁716との間からは分岐純水配管712aが分岐する。また、薬液配管722における薬液供給源724と開閉弁726との間からは分岐薬液配管722aが分岐する。分岐純水配管712a、分岐薬液配管722a、及び、スラリー供給源734に接続されたスラリー配管732、は、液供給配管740に合流する。分岐純水配管712aには、分岐純水配管712aを開閉することができる開閉弁718が設けられる。分岐薬液配管722aには、分岐薬液配管722aを開閉することができる開閉弁728が設けられる。スラリー配管732には、スラリー配管732を開閉することができる開閉弁736が設けられる。
【0067】
液供給配管740の第1端部は、分岐純水配管712a、分岐薬液配管722a、及びスラリー配管732の3系統の配管に接続される。液供給配管740は、バフアーム600の内部、バフヘッド500の中央、及び、バフパッド500の中央を通って延伸する。液供給配管740の第2端部は、ウェハWの処理面に向けて開口する。制御装置は、開閉弁718、開閉弁728、及び開閉弁736、の開閉を制御することにより、任意のタイミングで、ウェハWの処理面に純水、薬液、スラリーのいずれか1つ、又はこれらの任意の組み合わせの混合液を供給することができる。
【0068】
上側バフ処理モジュール300Aは、液供給配管740を介してウェハWに処理液を供給するとともに、バフテーブル400を回転軸A周りに回転させ、バフパッド502をウェハWの処理面に押圧し、バフヘッド500を回転軸B周りに回転させながら矢印C方向に揺動することによって、ウェハWに対してバフ処理を行うことができる。なお、本実施形態のバフパッドは、処理対象であるウェハよりも相当に小さな直径を有している。これは、バフ処理において高い平坦性を実現できるからである。
【0069】
ここで、バフ処理とは、バフ研磨処理とバフ洗浄処理の少なくとも一方を含むものである。バフ研磨処理とは、ウェハWに対してバフパッド502を接触させながら、ウェハWとバフパッド502を相対運動させ、ウェハWとバフパッド502との間にスラリーを介在させることにより、ウェハWの処理面を研磨除去する処理である。バフ研磨処理は、ロール洗浄室190においてロールスポンジによってウェハWに加える物理的作用力、及び、ペン洗浄室192においてペンスポンジによってウェハWに加える物理的作用力、よりも強い物理的作用力をウェハWに対して加えることができる処理である。バフ研磨処理によって、スクラッチ等のダメージ又は汚染物が付着した表層部の除去、研磨ユニット3における主研磨で除去できなかった箇所の追加除去、又は主研磨後のモフォロジー改善、を実現することができる。
【0070】
また、バフ洗浄処理とは、ウェハWに対してバフパッド502を接触させながら、ウェハWとバフパッド502を相対運動させ、ウェハWとバフパッド502との間に洗浄処理液(薬液、又は、薬液と純水)を介在させることによりウェハW表面の汚染物を除去した
り、処理面を改質したりする処理である。バフ洗浄処理は、ロール洗浄室190においてロールスポンジによってウェハWに加える物理的作用力、及び、ペン洗浄室192においてペンスポンジによってウェハWに加える物理的作用力、よりも強い物理的作用力をウェハWに対して加えることができる処理である。
【0071】
コンディショニング部800は、バフパッド502の表面をコンディショニングするためのものである。コンディショニング部800は、ドレステーブル810と、ドレステーブル810の上に設置されたドレッサ820と、を備える。ドレステーブル810は、図示していない駆動機構によって回転軸D周りに回転できるようになっている。ドレッサ820は、ダイヤドレッサ、ブラシドレッサ、又はこれらの組み合わせで形成される。
【0072】
上側バフ処理モジュール300Aは、バフパッド502のコンディショニングを行う際には、バフパッド502がドレッサ820に対向する位置になるまでバフアーム600を旋回させる。上側バフ処理モジュール300Aは、ドレステーブル810を回転軸D周りに回転させるとともに、バフヘッド500をも回転させ、バフパッド502をドレッサ820に押し付けることによって、バフパッド502のコンディショニングを行う。
【0073】
<コンディショニング部>
次に、各種図面に基づいて、コンディショニング部800及びバフパッド502に対する洗浄処理における具体的プロセスについて説明する。
図5は、ウェハWを保持しているバフテーブル400と、バフパッド502をコンディショニングするためのドレッサ820を支持しているドレッサテーブル810を示している。これらドレッサ820およびドレッサテーブル810並びに他の構成要素により、コンディショニング部800が形成されている。
【0074】
コンディショニング部800はバフテーブル400に隣接配置されており、その位置はバフアーム600の揺動中心Lに関して、バフテーブル400と概ね同じ半径位置である。このため、バフアーム600が揺動(
図5では反時計まわりに揺動)した場合に、バフパッド502がコンディショニング部800におけるドレッサ820の上方に位置決めできるようになっている。コンディショニング部800においては、ドレステーブル810が回転して、バフパッド502の回転との複合作用により、バフパッド502の表面がドレス処理されるようになっている。
【0075】
また、バフテーブル400とドレステーブル810の間には、ブラシ洗浄機構960が設けられている。このブラシ洗浄機構960は、バフパッド502の表面をブラッシング洗浄するためのものである。バフテーブル400とドレステーブル810の間にブラシ洗浄機構960を設けたのは、ここがバフアーム600の揺動によってバフパッド502が移動する経路となるからである。ブラシ洗浄機構960の具体的な構造及び作用については後述する。
【0076】
図6及び
図7は、バフ洗浄及びそれに関連する具体的なプロセスを説明するための図である。
図6のうち、上段はバフテーブル400でのプロセスを示し、下段はドレステーブル810でのプロセスを示している。これら各プロセスは同時並行的に行われる。また、図中の丸印はバフパッド502の位置を示している。例えば、バフ洗浄処理の時はバフパッド502はバフテーブル400に位置しており、その後のパッドリンス処理の際にはドレステーブル810に移動する。なお、
図7において、バフヘッド500の一部は、説明の便宜上断面図としている。また、本実施形態で用いられるバフヘッド500には、半球状の凹凸面からなるジンバル機構が設けられ、バフヘッド500が僅かに首振りできるようになっている。
【0077】
先ず、バフテーブル400においてウェハWに対してバフ洗浄処理(ステップS11)
が行われる。このとき、言うまでもなくバフパッド502はバフテーブル400に位置している。バフ洗浄処理では、液供給配管740からバフ洗浄のための処理液が供給され、バフアーム及びバフヘッド回転軸601(
図5参照)の内部を通って、バフパッド502の中央部に供給される。それと同時に、回転するバフパッド502がウェハWに押し付けられた状態でバフアーム600が揺動し、バフテーブル400と共に回転するウェハWの表面を洗浄処理するようになっている(
図7(A)参照)。バフパッド502は次のプロセスでドレッサ820の上方に移動して、以後ドレス関連処理が行われるが、これについては後述する。
【0078】
バフテーブル400においては、ウェハリンス処理(ステップS12)が行われる。こ
のウェハリンス処理は、DIWによってウェハWを洗浄する処理である。ウェハWのウェハリンス処理が完了すると、次にウェハWはバフテーブル400から取り出されて(ステップS13)、次の工程へ搬送される。その後、バフテーブル400はDIWでバフテー
ブルリンス処理によって洗浄が行われる(ステップS14)。これによりバフテーブルにおける一連のプロセスが完了し、次に処理するための新しいウェハWが取り込まれ(ステップS15)、上述の各処理プロセスが繰り返される。
【0079】
一方、ドレステーブル810において、上記プロセスと並行して、バフパッド502のドレス処理が行われる。バフ洗浄(ステップS11)に用いられたバフパッド502(図
7(A)参照)は、ドレッサ820の上方に移動する。この時、バフパッド502は鉛直下方を向いている。そして、バフパッド502の斜め下方に配置されたバフパッド洗浄機構830から洗浄液(DIW)が噴射され、バフパッド502の表面がパッドリンス処理(ステップS22)される(
図7(B)参照)。パッドリンス処理の間、バフパッド50
2は回転しており、全面が均等に洗浄される。なお、バフパッドの洗浄に使う洗浄液として、超音波洗浄液を用いることも可能である。
【0080】
次に、バフヘッド500が降下してドレッサ820に当接して、バフパッド502に対するドレス処理(ステップS23)が行われる(
図7(C)参照)。ドレス処理は、バフパッド502の中央部に処理液が供給されている状態で行われる。ドレス処理の間は、バフパッド502及びドレッサ820が共に回転している。なお、ドレス処理は、バフパッド502の回転中心とドレッサ820の回転中心とがずれた状態で行われる。これは、バフパッド502とドレッサ820の特定部位同士が摺動し続けることを防止するための対策である。
【0081】
ドレス処理が行われた後は、バフヘッド500がブラシ洗浄機構の上方に移動し、ドレス処理後のバフパッドがブラッシング処理(ステップS24)される(
図7(D)参照)。また、ドレス処理(ステップS23)に使用されたドレッサ820は、その近傍に設け
られたドレッサ洗浄機構(図示略)から噴射される洗浄液(DIW)によって、ドレスリンス処理(ステップS21)が行われる。ドレスリンス処理の間,ドレステーブル810
は回転しており、ドレッサ820の表面を均一に洗浄できるようになっている。
【0082】
なお、上述の説明ではバフパッド502が鉛直下方を向いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バフパッド502が鉛直上方を向いている場合や、水平方向を向いている場合でも、本発明を適用することは可能である。
【0083】
次に、
図8に基づいて、ドレス処理(
図6ステップS23)の際のバフパッド502の
洗浄について詳述する。バフパッド502は上述したように、ドレス処理によって表面のドレッシング(目立て)が行われる。その際に、バフパッド502はドレッサの表面に接触した状態とされる。バフパッドの表面には、中心部から外周部に連続する溝が形成され
ている。そして、バフパッド502の中央部の処理液流出口503から処理液が流出する。流出した処理液は、バフパッド502の回転によって生じる遠心力及び吐出圧力により、バフパッド502の溝を通って外部に排出される。このため、溝に蓄積された堆積物も処理液と共に外部に排出される。上記に加え、処理液を高圧で流出させれば、溝の内部を処理液が勢いよく流れ、更に効果的に溝の内部を洗浄することが可能である。
【0084】
バフパッドに形成する溝の形状は様々なものが考えられる。例えば、単純な直線状の溝を円周方向に沿って放射状に形成したり、螺旋状の溝を形成することも考えられる。また、格子状の溝を形成した場合でも、この溝がバフパッド502の最外周部まで連続していれば、堆積物を外部に排出することは可能である。また、溝の断面形状や断面積は、その長手方向に沿って一定である必要はない。特に、バフパッド502は高速回転するものであるため、溝の構造に何ら工夫を施さない場合、処理液が広範囲に飛散してしまうこともある。これを回避するために、バフパッド502の最外周部近傍において溝に流量抑制部を形成して、因みに、
図8(A)においては、説明の便宜上、バフヘッド500の回転軸601の内部に処理液の流路が形成され、この処理液がバフパッド502の中央部の処理液流出口503に滞留している状態を示している。そしてさらに、処理液がバフパッド502とドレッサ820の境界領域にも滞留している状態を示している。
【0085】
図8(B)及び
図8(C)は、ドレッサ820A,820Bの表面に形成されたドレッ
サ溝821A,821Bを示している。
図8(B)のドレッサ溝821Aは放射状の溝である。このような放射状の溝であれば、遠心力によって円滑に処理液が排出される。この時、バフパッド502の溝から剥離した堆積物が比較的大きなサイズであっても、ドレッサ820Aのドレッサ溝821Aを容易に通過できる。このため、バフパッド502の溝のみで堆積物を排出する場合と比較し、排出効果を高めることができる。
【0086】
図8(C)は、ドレッサ820Bに形成された螺旋状のドレッサ溝821Bを示している。螺旋状のドレッサ溝821Bは、回転方向と回転速度を適切に設定することで、放射状のドレッサ溝821Aよりも堆積物の排出効果を高めることができる場合がある。なお、ドレッサ溝は、放射状の溝と螺旋状の溝を組み合わせたような構造であってもよい。また、本実施形態では、約10°の角度毎に合計36本の溝を形成しているが、これは一例であって、溝の数をもっと少なくしても良いし、もっと多くしてもよい。
【0087】
図9は、ドレッサテーブル810の近傍に、ブラシ洗浄機構960を設けた実施形態を示している。
図9(A)において、ブラシ洗浄機構960は、バフテーブル400とドレステーブル810の間の領域に配置されている。このため、バフヘッド500及びバフパッド502が、バフテーブル400とドレステーブル810の間を通過する際に、バフパッド502の表面がブラシ洗浄機構960と接触して(
図7(D)参照)、バフパッド502の表面がブラシ洗浄される。なお、ブラシ洗浄機構は、バフパッド502の移動の妨げになる場合もある。このため、ブラシ洗浄機構を昇降させたり、バフパッドの移動経路から水平方向に退避させるような機構を設けてもよい。本実施形態は、ブラシ洗浄機構960を設けることによって、ドレッサ820を用いてバフパッド502を洗浄することに加えて、ブラシ洗浄機構960によってバフパッド502を洗浄することができる。その結果、本実施形態によれば、バフパッド502の洗浄力を強化することができる。
【0088】
本実施形態のブラシ洗浄機構960は、バフパッド502の少なくとも半径分程度をカバーできる寸法であればよい。これは、バフパッド502自体が回転しており、バフパッド502が1回転することで全面がブラシ洗浄機構960と接触することができるからである。但し、ブラシ洗浄機構960がバフパッド502の直径分をカバーするように、ブラシ洗浄機構960の寸法、位置を設定してもよい。
【0089】
図9(B)は、ブラシ洗浄機構960の詳細図である。この図に示すように、ブラシ洗浄機構960は、ブラシ部961と、このブラシ部961を支持する本体部963とを備えている。そして本体部963の内部には液体流通路965が形成されている。また、本体部963の上面には、ブラシ部材961の隙間から液体を噴出されるための液体噴出口967が形成されている。そして、この液体噴出口967は液体流通路965に連通している。このため、液体流通路965に高圧の液体が供給されると、液体噴出口967から液体(洗浄液)969が噴出する。
【0090】
また、
図10は、ドレステーブル810の近傍に台座970を設け、その台座970にブラシ洗浄機構960を設けた例を示している。図に示すように、台座970はドレステーブル810の外周部に沿うように、円弧状の部分を有しており、所定の角度範囲にわたってドレステーブル810に近接している。台座970の表面は、ドレッサ820のほぼ同一面となるように位置決めされている。これは、バフヘッド500にはジンバル機構が設けられており、台座970とドレッサ820の高さが異なると、バフヘッド500が傾いてしまうからである。
【0091】
そして、この台座970には、ブラシ洗浄機構手段が固定されている。ブラシ洗浄機構960は、台座970の表面からブラシ部961が突出するようになっており、このブラシ部がバフパッド502の表面と接触してブラシ洗浄する。ブラシ洗浄機構960は、一例ではあるが、ドレステーブル810の半径方向に平行な方向に延びている。このような、ブラシ洗浄機構960と台座970が設けられている場合にも、バフテーブル400とドレステーブル810との間をバフパッド502が移動することで、バフパッド502の表面がブラシ洗浄機構960によって洗浄される。
【0092】
次に、
図11に基づいて、飛散防止用のカバーの変形例について説明する。
図11に示す例では、バフヘッド500にバフヘッドカバー910が取り付けられている。すなわち、バフヘッド500の所定箇所に有底円筒形状のバフヘッドカバー910が、開口を下方に向けて設けられている。バフヘッドカバー910は、その下端部がドレッサ820の表面よりも僅かに高い位置となるように、その寸法及び形状が決定されている。また、バフヘッドカバー910の内径は、ドレッサ820の直径よりも大きくなっている。このため、バフパッド502とドレッサ820との境界から流出した処理液が遠心力で飛散しても、このバフヘッドカバー910によって飛散が防止される。特に、バフヘッドカバー910はバフアームと共に揺動するので、常にバフパッド及びドレッサから飛散する処理液や洗浄液を受け止めることができる。また、バフヘッドカバー910は、ブラシ洗浄機構960によってバフパッド502の表面を洗浄する際の洗浄液の飛散防止用のカバーの役割も兼用する。すなわち、ブラシ洗浄機構960によってバフパッド502の表面を洗浄する際に、液体噴出口967から噴出した液体(洗浄液)969がバフパッド502から飛散しても、バフヘッドカバー910によって飛散が防止される。
【0093】
なお、以上の説明では、様々な特徴点について説明した。これらの特徴点を併せ持つ発明も本出願が想定する発明ではある。しかし一方で、各特徴点がそれぞれ単独でも発明として成立する場合がある。このため、本発明の技術思想の範囲としては、上記各特徴点それぞれが単独で規定する範囲のみならず、これらの特徴点の任意の組み合わせによって規定される範囲も本発明の想定する範囲である。