(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
支持体(A)の上に、プライマー層(B)、金属ナノ粒子層(C)及び金属めっき層(D)が順次積層された積層体であって、前記プライマー層(B)が、アミノトリアジン環を有する化合物(b1)を含有する層であり、前記アミノトリアジン環を有する化合物(b1)が、アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(b1−1)であることを特徴とする積層体。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の積層体は、支持体(A)の上に、プライマー層(B)、金属ナノ粒子層(C)及び金属めっき層(D)が順次積層された積層体であって、前記プライマー層(B)が、アミノトリアジン環を有する化合物(b1)を含有する層であるものである。
【0016】
本発明の積層体は、前記支持体(A)の片面に、プライマー層(B)等を順次積層した積層体であってもよく、前記支持体(A)の両面にプライマー層(B)等を順次積層した積層体であってもよい。
【0017】
前記支持体(A)としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ABSとポリカーボネートとのポリマーアロイ、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSU)、エポキシ樹脂、セルロースナノファイバー、シリコン、セラミックス、ガラス等からなる支持体、それらからなる多孔質の支持体、鋼板、銅等の金属からなる支持体、それらの表面をシリコンカーバイド、ダイヤモンドライクカーボン、アルミニウム、銅、チタン等を蒸着処理した支持体などが挙げられる。
【0018】
また、本発明の積層体をプリント配線板等に用いる場合は、前記支持体(A)として、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ガラス、セルロースナノファイバーなどからなる支持体を用いることが好ましい。
【0019】
さらに、本発明の積層体をフレキシブルプリント配線板等に用いる場合は、前記支持体(A)として、折り曲げ可能な柔軟性を有するフィルム状又はシート状の支持体が好ましい。
【0020】
前記支持体(A)の形状がフィルム状又はシート状の場合、その厚さは、通常、1μm以上5,000μm以下が好ましく、1μm以上300μm以下がより好ましく、1μm以上200μm以下がさらに好ましい。
【0021】
また、前記支持体(A)と後述するプライマー層(B)との密着性をより向上できることから、必要に応じて、前記支持体(A)の表面に、平滑性を失わない程度の微細な凹凸を形成したり、その表面に付着した汚れを洗浄したり、ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基等の官能基の導入のために表面処理したりしてもよい。具体的には、コロナ放電処理等のプラズマ放電処理、紫外線処理等の乾式処理、水、酸・アルカリ等の水溶液又は有機溶剤等を用いる湿式処理等の方法が挙げられる。
【0022】
前記プライマー層(B)は、アミノトリアジン環を有する化合物(b1)を含有する層である。前記アミノトリアジン環を有する化合物(b1)は、低分子量の化合物であっても、より高分子量の樹脂であってもよい。
【0023】
前記アミノトリアジン環を有する低分子量の化合物としては、アミノトリアジン環を有する各種添加剤を用いることができる。市販品としては、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン(四国化成株式会社製「VT」)、四国化成株式会社製「VD−3」や「VD−4」(アミノトリアジン環と水酸基を有する化合物)、四国化成株式会社製「VD−5」(アミノトリアジン環とエトキシシリル基を有する化合物)等が挙げられる。これらの添加剤は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
【0024】
前記アミノトリアジン環を有する低分子量の化合物を用いる場合は、前記プライマー層(B)を形成するために樹脂を用いることが好ましい。この際に用いる樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン−ビニル複合樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノールをブロック化剤として用いたブロックポリイソシアネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらの樹脂は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。これらの中でも、密着性をより向上できることから、エポキシ樹脂が好ましく、ノボラック樹脂とエポキシ樹脂とを併用することがより好ましい。
【0025】
前記アミノトリアジン環を有する低分子量の化合物の使用量としては、樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上50質量部以下が好ましく、0.5質量部以上10質量部以下がより好ましい。
【0026】
前記アミノトリアジン環を有する樹脂としては、樹脂のポリマー鎖中にアミノトリアジン環が共有結合で導入されているものが挙げられる。具体的には、アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(b1−1)が挙げられる。
【0027】
前記アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(b1−1)は、アミノトリアジン環構造とフェノール構造とがメチレン基を介して結合したノボラック樹脂である。前記アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(b1−1)は、例えば、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン等のアミノトリアジン化合物と、フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、ビスフェノールA、フェニルフェノール、ナフトール、レゾルシン等のフェノール化合物と、ホルムアルデヒドとをアルキルアミン等の弱アルカリ性触媒の存在下又は無触媒で、中性付近で共縮合反応させるか、メチルエーテル化メラミン等のアミノトリアジン化合物のアルキルエーテル化物と、前記フェノール化合物とを反応させることにより得られる。
【0028】
前記アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(b1−1)は、メチロール基を実質的に有していないものが好ましい。また、前記アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(b1−1)には、その製造時に副生成物として生じるアミノトリアジン構造のみがメチレン結合した分子、フェノール構造のみがメチレン結合した分子等が含まれていても構わない。さらに、若干量の未反応原料が含まれていてもよい。
【0029】
前記フェノール構造としては、例えば、フェノール残基、クレゾール残基、ブチルフェノール残基、ビスフェノールA残基、フェニルフェノール残基、ナフトール残基、レゾルシン残基等が挙げられる。また、ここでの残基とは、芳香環の炭素に結合している水素原子が少なくとも1つが抜けた構造を意味する。例えば、フェノールの場合は、ヒドロキシフェニル基を意味する。
【0030】
前記トリアジン構造としては、例えば、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン等のアミノトリアジン化合物由来の構造が挙げられる。
【0031】
前記フェノール構造及び前記トリアジン構造は、それぞれ1種で用いることも2種以上併用することもできる。また、密着性をより向上できることから、前記フェノール構造としてはフェノール残基が好ましく、前記トリアジン構造としてはメラミン由来の構造が好ましい。
【0032】
また、前記アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(b1−1)の水酸基価は、密着性をより向上できることから、50mgKOH/g以上200mgKOH/g以下が好ましく、80mgKOH/g以上180mgKOH/g以下がより好ましく、100mgKOH/g以上150mgKOH/g以下がさらに好ましい。
【0033】
前記アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(b1−1)は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
【0034】
また、前記アミノトリアジン環を有する化合物(b1)として、アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(b1−1)を用いる場合、エポキシ樹脂(b2)を併用することが好ましい。
【0035】
前記エポキシ樹脂(b2)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、アルコールエーテル型エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド誘導体由来の構造を有する含リンエポキシ化合物、ジシクロペンタジエン誘導体由来の構造を有するエポキシ樹脂、エポキシ化大豆油等の油脂のエポキシ化物などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
【0036】
前記エポキシ樹脂(b2)の中でも、密着性をより向上できることから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
【0037】
また、前記エポキシ樹脂(b2)のエポキシ当量は、密着性をより向上できることから、100g/当量以上300g/当量以下が好ましく、120g/当量以上250g/当量以下がより好ましく、150g/当量以上200g/当量以下がさらに好ましい。
【0038】
前記プライマー層(B)が、アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(b1−1)及びエポキシ樹脂(b2)を含有する層とする場合、密着性をより向上できることから、前記アミノトリアジン変性ノボラック樹脂(b1−1)中のフェノール性水酸基(x)と前記エポキシ樹脂(b2)中のエポキシ基(y)とのモル比[(y)/(x)]が、0.1以上5以下が好ましく、0.2以上3以下がより好ましく、0.3以上2以下がさらに好ましい。
【0039】
前記プライマー層(B)の形成には、プライマー組成物(b)を用いる。前記プライマー組成物(b)は、前記アミノトリアジン環を有する化合物(b1)やエポキシ樹脂(b2)を含有するものであるが、必要に応じて、さらに架橋剤(b3)を含有してもよい。前記架橋剤(b3)としては、多価カルボン酸を用いることが好ましい。前記多価カルボン酸としては、例えば、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、コハク酸等が挙げられる。これらの架橋剤は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。また、これらの架橋剤の中でも、密着性をより向上できることから、無水トリメリット酸が好ましい。
【0040】
さらに、前記プライマー層(B)の形成に用いるプライマー組成物(b)には、必要に応じて、上記の成分(b1)〜(b3)以外の成分として、その他の樹脂(b4)を配合してもよい。前記その他の樹脂(b4)としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ブロックイソシアネート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。これらのその他の樹脂は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
【0041】
また、前記プライマー組成物(b)には、前記支持体(A)へ塗工する際に、塗工しやすい粘度とするため、有機溶剤を配合することが好ましい。前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
【0042】
前記有機溶剤の使用量は、後述する前記支持体(A)へ塗工する際に用いる塗工方法、前記プライマー層(B)の所望とする膜厚により、適宜調整することが好ましい。
【0043】
また、前記プライマー組成物(b)には、必要に応じて、皮膜形成助剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤、酸化防止剤、等の公知の添加剤を適宜添加して使用してもよい。
【0044】
前記プライマー層(B)は、前記支持体(A)の表面の一部又は全部に前記プライマー組成物(b)を塗工し、前記プライマー組成物(b)中に含まれる有機溶剤を除去することによって形成することができる。
【0045】
前記プライマー組成物(b)を前記支持体(A)の表面に塗工する方法としては、例えば、グラビア方式、コーティング方式、スクリーン方式、ローラー方式、ロータリー方式、スプレー方式、キャピラリー方式等の方法が挙げられる。
【0046】
前記プライマー組成物(b)を前記支持体(A)の表面に塗工した後、その塗工層に含まれる有機溶剤を除去する方法としては、例えば、乾燥機を用いて乾燥させ、有機溶剤を揮発させる方法が一般的である。乾燥温度としては、用いた有機溶剤を揮発させることが可能で、かつ前記支持体(A)に熱変形等の悪影響を与えない範囲の温度に設定すればよい。
【0047】
前記プライマー組成物(b)を用いて形成するプライマー層(B)の膜厚は、本発明の積層体を用いる用途によって異なるが、前記支持体(A)と後述する金属ナノ粒子層(C)との密着性をより向上する範囲が好ましく、前記プライマー層(B)の膜厚は、10nm以上30μm以下が好ましく、10nm以上1μm以下がより好ましく、10nm以上500nm以下がさらに好ましい。
【0048】
前記プライマー層(B)の表面は、前記金属ナノ粒子層(C)との密着性をより向上できることから、必要に応じて、コロナ放電処理法等のプラズマ放電処理法、紫外線処理法等の乾式処理法、水や酸性又はアルカリ性薬液、有機溶剤等を用いた湿式処理法によって、表面処理してもよい。
【0049】
前記金属ナノ粒子層(C)は、前記プライマー層(B)上に形成されたものであり、前記金属ナノ粒子層(C)を構成する金属としては、遷移金属又はその化合物が挙げられ、中でもイオン性の遷移金属が好ましい。このイオン性の遷移金属としては、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト等が挙げられる。これらの中でも、前記金属めっき層(D)を形成しやすいことから銀が好ましい。
【0050】
また、前記金属めっき層(D)を構成する金属としては、銅、金、銀、ニッケル、クロム、コバルト、スズ等が挙げられる。これらの中でも、電気抵抗が低く、腐食に強いプリント配線板に用いることができる積層体が得られることから銅が好ましい。
【0051】
本発明の積層体の製造方法としては、まず、支持体(A)の上に、プライマー層(B)を形成し、その後、ナノサイズの金属ナノ粒子(c)を含有する流動体を塗工し、流動体中に含まれる有機溶剤等を乾燥により除去することによって、金属ナノ粒子層(C)を形成した後、電解めっきもしく無電解めっき、又はその両方により前記金属めっき層(D)を形成する方法が挙げられる。
【0052】
前記金属ナノ粒子層(C)の形成に用いる前記金属ナノ粒子(c)の形状は、粒子状又繊維状のものが好ましい。また、前記金属ナノ粒子(c)の大きさはナノサイズのものを用いるが、具体的には、前記金属ナノ粒子(c)の形状が粒子状の場合は、微細な導電性パターンを形成でき、抵抗値をより低減できることから、平均粒子径が1nm以上100nm以下が好ましく、1nm以上50nm以下がより好ましい。なお、前記「平均粒子径」は、前記導電性物質を分散良溶媒にて希釈し、動的光散乱法により測定した体積平均値である。この測定にはマイクロトラック社製「ナノトラックUPA−150」を用いることができる。
【0053】
一方、前記金属ナノ粒子(c)の形状が繊維状の場合も、微細な導電性パターンを形成でき、抵抗値をより低減できることから、繊維の直径が5nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上50nm以下がより好ましい。また、繊維の長さは、0.1μm以上100μm以下が好ましく、0.1μm以上30μm以下がより好ましい。
【0054】
前記流動体中の前記金属ナノ粒子(c)の含有率は、1質量%以上90質量%以下が好ましく、1質量%以上60質量%以下がより好ましく、さらに1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
【0055】
前記流動体に配合される成分としては、前記金属ナノ粒子(c)を溶媒中に分散させるための分散剤や溶媒、また必要に応じて、後述する界面活性剤、レベリング剤、粘度調整剤、成膜助剤、消泡剤、防腐剤等が挙げられる。
【0056】
前記金属ナノ粒子(c)を溶媒中に分散させるため、低分子量又は高分子量の分散剤を用いることが好ましい。前記分散剤としては、例えば、ドデカンチオール、1−オクタンチオール、トリフェニルホスフィン、ドデシルアミン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン;ミリスチン酸、オクタン酸、ステアリン酸等の脂肪酸;コール酸、グリシルジン酸、アビンチン酸等のカルボキシル基を有する多環式炭化水素化合物などが挙げられる。これらの中でも、前記金属ナノ粒子層(C)と前記金属めっき層(D)との密着性を向上できることから、高分子分散剤が好ましく、この高分子分散剤としては、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等のポリアルキレンイミン、前記ポリアルキレンイミンにポリオキシアルキレンが付加した化合物、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、前記ウレタン樹脂や前記アクリル樹脂にリン酸基を含有する化合物等が挙げられる。
【0057】
前記金属ナノ粒子(c)を分散させるために必要な前記分散剤の使用量は、前記金属ナノ粒子(c)100質量部に対し、0.01質量部以上50質量部以下が好ましく、0.01質量部以上10質量部以下がより好ましい。
【0058】
前記流動体に用いる溶媒としては、水性媒体や有機溶剤を用いることができる。前記水性媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等が挙げられる。また、前記有機溶剤としては、アルコール化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物等が挙げられる。
【0059】
前記アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ステアリルアルコール、アリルアルコール、シクロヘキサノール、テルピネオール、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
【0060】
また、前記流動体には、前記金属ナノ粒子(c)、溶媒の他に、必要に応じてエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、イソプレングリコール等を用いることができる。
【0061】
前記界面活性剤としては、一般的な界面活性剤を用いることができ、例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ヘキサメタリン酸塩等が挙げられる。
【0062】
前記レベリング剤としては、一般的なレベリング剤を用いることができ、例えば、シリコーン系化合物、アセチレンジオール系化合物、フッ素系化合物等が挙げられる。
【0063】
前記粘度調整剤としては、一般的な増粘剤を用いることができ、例えば、アルカリ性に調整することによって増粘可能なアクリル重合体や合成ゴムラテックス、分子が会合することによって増粘可能なウレタン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、水添加ヒマシ油、アマイドワックス、酸化ポリエチレン、金属石鹸、ジベンジリデンソルビトールなどが挙げられる。
【0064】
前記成膜助剤としては、一般的な成膜助剤を用いることができ、例えば、アニオン系界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸エステルソーダ塩など)、疎水性ノニオン系界面活性剤(ソルビタンモノオレエートなど)、ポリエーテル変性シロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
【0065】
前記消泡剤としては、一般的な消泡剤を用いることができ、例えば、シリコーン系消泡剤、ノニオン系界面活性剤、ポリエーテル,高級アルコール、ポリマー系界面活性剤等が挙げられる。
【0066】
前記防腐剤としては、一般的な防腐剤を用いることができ、例えば、イソチアゾリン系防腐剤、トリアジン系防腐剤、イミダゾール系防腐剤、ピリジン系防腐剤、アゾール系防腐剤、ヨード系防腐剤、ピリチオン系防腐剤等が挙げられる。
【0067】
前記流動体の粘度(25℃でB型粘度計を用いて測定した値)は、0.1mPa・s以上500,000mPa・s以下が好ましく、0.2mPa・s以上10,000mPa・s以下がより好ましい。また、前記流動体を、後述するインクジェット印刷法、凸版反転印刷等の方法によって塗工(印刷)する場合には、その粘度は5mPa・s以上20mPa・s以下が好ましい。
【0068】
前記プライマー層(B)の上に前記流動体を塗工や印刷する方法としては、例えば、インクジェット印刷法、反転印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ダイコート法、スリットコート法、ロールコート法、ディップコート法、パッド印刷、フレキソ印刷法等が挙げられる。
【0069】
これらの塗工方法の中でも、電子回路等の高密度化を実現する際に求められる0.01〜100μm程度の細線状でパターン化された前記金属ナノ粒子層(C)を形成する場合には、インクジェット印刷法、反転印刷法を用いることが好ましい。
【0070】
前記インクジェット印刷法としては、一般にインクジェットプリンターといわれるものを用いることができる。具体的には、コニカミノルタEB100、XY100(コニカミノルタIJ株式会社製)、ダイマティックス・マテリアルプリンターDMP−3000、ダイマティックス・マテリアルプリンターDMP−2831(富士フィルム株式会社製)等が挙げられる。
【0071】
また、反転印刷法としては、凸版反転印刷法、凹版反転印刷法が知られており、例えば、各種ブランケットの表面に前記流動体を塗工し、非画線部が突出した版と接触させ、前記非画線部に対応する流動体を前記版の表面に選択的に転写させることによって、前記ブランケット等の表面に前記パターンを形成し、次いで、前記パターンを、前記支持体(A)の上(表面)に転写させる方法が挙げられる。
【0072】
また、立体成形品へのパターンの印刷については、パッド印刷法が知られている。これは、凹版の上にインクを載せ、スキージで書き取ることでインクを均質に凹部に充填し、インクを載せた版上に、シリコンゴムやウレタンゴム製のパッドを押し当て、パターンをパッド上に転写し、立体成形品へ転写させる方法である。
【0073】
前記金属ナノ粒子層(C)の単位面積当たりの質量は、1mg/m
2以上30,000mg/m
2以下が好ましく、1mg/m
2以上5,000mg/m
2以下が好ましい。前記金属ナノ粒子層(C)の厚さは、前記金属めっき層(D)の形成する際のめっき処理工程における処理時間、電流密度、めっき用添加剤の使用量等を制御することによって調整することができる。
【0074】
本発明の積層体を構成する金属めっき層(D)は、例えば、前記積層体をプリント配線板等に用いる場合に、長期間にわたり断線等を生じることなく、良好な通電性を維持可能な信頼性の高い配線パターンを形成することを目的として設けられる層である。
【0075】
前記金属めっき層(D)は、前記金属ナノ粒子層(C)の上に形成される層であるが、その形成方法としては、めっき処理によって形成する方法が好ましい。このめっき処理としては、簡便に前記金属めっき層(D)を形成できる電解めっき法、無電解めっき法等の湿式めっき法が挙げられる。また、これらのめっき法を2つ以上組み合わせてもよい。例えば、無電解めっきを施した後、電解めっきを施して、前記金属めっき層(D)を形成してもよい。
【0076】
上記の無電解めっき法は、例えば、前記金属ナノ粒子層(C)を構成する金属に、無電解めっき液を接触させることで、無電解めっき液中に含まれる銅等の金属を析出させ金属皮膜からなる無電解めっき層(皮膜)を形成する方法である。
【0077】
前記無電解めっき液としては、例えば、銅、銀、金、ニッケル、クロム、コバルト、スズ等の金属と、還元剤と、水性媒体、有機溶剤等の溶媒とを含有するものが挙げられる。
【0078】
前記還元剤としては、例えば、ジメチルアミノボラン、次亜燐酸、次亜燐酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、水素化ホウ素ナトリウム、フェノール等が挙げられる。
【0079】
また、前記無電解めっき液としては、必要に応じて、酢酸、蟻酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマール酸等のジカルボン酸化合物;リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸化合物;グリシン、アラニン、イミノジ酢酸、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸化合物;イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、エチレンジアミンジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸等のアミノポリカルボン酸化合物などの有機酸、又はこれらの有機酸の可溶性塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン化合物等の錯化剤を含有するものを用いることができる。
【0080】
前記無電解めっき液は、20℃以上98℃以下で用いることが好ましい。
【0081】
前記電解めっき法は、例えば、前記金属ナノ粒子層(C)を構成する金属、又は、前記無電解処理によって形成された無電解めっき層(皮膜)の表面に、電解めっき液を接触した状態で通電することにより、前記電解めっき液中に含まれる銅等の金属を、カソードに設置した前記金属ナノ粒子層(C)を構成する導電性物質又は前記無電解処理によって形成された無電解めっき層(皮膜)の表面に析出させ、電解めっき層(金属皮膜)を形成する方法である。
【0082】
前記電解めっき液としては、例えば、銅、ニッケル、クロム、コバルト、スズ等の金属の硫化物と、硫酸と、水性媒体とを含有するもの等が挙げられる。具体的には、硫酸銅と硫酸と水性媒体とを含有するものが挙げられる。
【0083】
前記電解めっき液は、20℃以上98℃以下で用いることが好ましい。
【0084】
前記金属めっき層(D)の形成方法としては、前記金属めっき層(D)の膜厚を、薄膜から厚膜まで所望とする膜厚に制御しやすいことから、無電解めっきを施した後、電解めっきを施す方法が好ましい。
【0085】
前記金属めっき層(D)の膜厚は、1μm以上50μm以下が好ましい。前記金属めっき層(D)の膜厚は、前記金属めっき層(D)の形成する際のめっき処理工程における処理時間、電流密度、めっき用添加剤の使用量等を制御することによって調整することができる。
【実施例】
【0086】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0087】
(製造例1:アミノトリアジン変性ノボラック樹脂の製造)
温度計、冷却管、分留管、攪拌器を取り付けたフラスコに、フェノール750質量部、メラミン75質量部、41.5質量%ホルマリン346質量部、及びトリエチルアミン1.5質量部を加え、発熱に注意しながら100℃まで昇温した。還流下100℃にて2時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら180℃まで2時間かけて昇温した。次いで、減圧下で未反応のフェノールを除去し、アミノトリアジン変性ノボラック樹脂を得た。水酸基当量は120g/当量であった。
【0088】
(調製例1:プライマー組成物(1)の調製)
ノボラック樹脂(DIC株式会社製「PHENOLITE TD−2131」、水酸基当量104g/当量)35質量部、エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850−S」;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ基当量188g/当量)64質量部、及び、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン(四国化成株式会社製「VT」)1質量部を混合後、メチルエチルケトンで不揮発分が2質量%となるように希釈し、均一に混合することで、プライマー組成物(1)を得た。
【0089】
(調製例2:プライマー組成物(2)の調製)
ノボラック樹脂(DIC株式会社製「PHENOLITE TD−2131」、水酸基当量104g/当量)35質量部、エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850−S」;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ基当量188g/当量)64質量部、及び、トリアジン環を有するシランカップリング剤(四国化成株式会社製「VD−5」)1質量部を混合後、メチルエチルケトンで不揮発分が2質量%となるように希釈し、均一に混合することで、プライマー組成物(2)を得た。
【0090】
(調製例3:プライマー組成物(3)の調製)
製造例1で得られたアミノトリアジンノボラック樹脂65質量部、及びエポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850−S」;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ基当量188g/当量)35質量部を混合後、メチルエチルケトンで不揮発分が2質量%となるように希釈し、均一に混合することで、プライマー組成物(3)を得た。
【0091】
(調製例4:プライマー組成物(4)の調製)
製造例1で得られたアミノトリアジンノボラック樹脂48質量部、及びエポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850−S」;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ基当量188g/当量)52質量部を混合後、メチルエチルケトンで不揮発分が2質量%となるように希釈し、均一に混合することで、プライマー組成物(4)を得た。
【0092】
(調製例5:プライマー組成物(5)の調製)
製造例1で得られたアミノトリアジンノボラック樹脂39質量部、及びエポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850−S」;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ基当量188g/当量)61質量部を混合後、メチルエチルケトンで不揮発分が2質量%となるように希釈し、均一に混合することでプライマー組成物(5)を得た。
【0093】
(調製例6:プライマー組成物(6)の調製)
製造例1で得られたアミノトリアジンノボラック樹脂31質量部、及びエポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850−S」;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ基当量188g/当量)69質量部を混合後、メチルエチルケトンで不揮発分が2質量%となるように希釈し、均一に混合することで、プライマー組成物(6)を得た。
【0094】
(調製例7:プライマー組成物(7)の調製)
製造例1で得られたアミノトリアジンノボラック樹脂47質量部、及びエポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850−S」;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ基当量188g/当量)52質量部、無水トリメリット酸1質量部を混合後、メチルエチルケトンで不揮発分が2質量%となるように希釈し、均一に混合することで、プライマー組成物(7)を得た。
【0095】
(調製例8:プライマー組成物(R1)の調製)
ブロックイソシアネート樹脂(樹脂分25質量%水溶液)をメチルエチルケトンで不揮発分が2質量%となるように希釈して、プライマー組成物(R1)を得た。
【0096】
(調製例9:プライマー組成物(R2)の調製)
エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850−S」;ビスフェノールA型エポキシ樹脂)100質量部を、メチルエチルケトンで不揮発分が2質量%となるように希釈し、均一に混合することで、プライマー組成物(R2)を得た。
【0097】
[流動体(1)の調製]
特許第4573138号公報記載の実施例1にしたがって、銀ナノ粒子とカチオン性基(アミノ基)を有する有機化合物の複合体である灰緑色の金属光沢があるフレーク状の塊からなるカチオン性銀ナノ粒子を得た。その後、この銀ナノ粒子の粉末を、エチレングリコール45質量部と、イオン交換水55質量部との混合溶媒に分散させて、カチオン性銀ナノ粒子が5質量%の流動体(1)を調製した。
【0098】
(実施例1)
ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製「カプトン 150EN−C」;厚さ38μm)の表面に、調製例1で得られたプライマー組成物(1)を、卓上型小型コーター(RKプリントコートインストルメント社製「Kプリンティングプローファー」)を用いて、その乾燥後の厚さが100nmとなるように塗工した。次いで、熱風乾燥機を用いて150℃で5分間乾燥することによって、ポリイミドフィルムの表面にプライマー層を形成した。
【0099】
上記で形成したプライマー層の表面に、上記で得られた流動体(1)を、バーコーターを用いて塗工した。次いで、150℃で5分間乾燥することによって、前記金属ナノ粒子層(C)に相当する銀層(膜厚20nm)を形成した。
【0100】
上記で形成した銀層を無電解銅めっき液(奥野製薬工業株式会社製「OICカッパー」、pH12.5)中に45℃で12分間浸漬し、無電解銅めっきを行い、無電解めっきによる銅めっき層(膜厚0.2μm)を形成した。
【0101】
上記で得られた無電解銅めっきによる銅めっき層をカソード側に設定し、含リン銅をアノード側に設定し、硫酸銅を含有する電解めっき液を用いて電流密度2.5A/dm
2で30分間電解めっきを行うことによって、無電解銅めっきによる銅めっき層の表面に、電解銅めっきによる銅めっき層(膜厚15μm)を形成した。前記電解めっき液としては、硫酸銅70g/L、硫酸200g/L、塩素イオン50mg/L、添加剤(奥野製薬工業(株)製「トップルチナSF−M」)5ml/Lを用いた。なお、無電解銅めっきによる銅めっき層及びその上に形成した電解銅めっきによる銅めっき層を合わせたものが、前記金属めっき層(D)に相当する。
【0102】
以上の方法によって、支持体(A)、プライマー層(B)、金属ナノ粒子層(C)、及び金属めっき層(D)が順次積層された積層体(1)を得た。
【0103】
(実施例2〜7及び比較例1〜2)
実施例1で用いたプライマー組成物(1)の代わりにプライマー組成物(2)〜(7)、(R−1)又は(R−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によって、積層体(2)〜(7)、(R−1)又は(R−2)を得た。
【0104】
上記の実施例1〜7及び比較例1〜2で得られた積層体(1)〜(7)、(R1)及び(R2)について、下記の測定及び評価を行った。
【0105】
[加熱前の剥離強度の測定]
上記で得られた各積層体について、株式会社島津製作所製「オートグラフAGS−X 500N」を用いて剥離強度を測定した。なお、測定に用いるリード幅は5mm、そのピールの角度は90°とした。また、ピール強度は、金属めっき層の厚さが厚くなるほど高い値を示す傾向にあるが、本発明でのピール強度の測定は、金属めっき層の厚さ15μmにおける測定値を基準として実施した。
【0106】
[密着性の評価]
上記で測定した加熱前の剥離強度の値から、下記の基準にしたがって密着性を評価した。
A:剥離強度の値が650N/m以上である。
B:剥離強度の値が450N/m以上、650N/m未満である。
C:剥離強度の値が250N/m以上、450N/m未満である。
D:剥離強度の値が250N/m未満である。
【0107】
[加熱後の剥離強度の測定]
上記で得られた各積層体について、それぞれ150℃に設定した乾燥機内に168時間保管して加熱した。加熱後、上記と同様の方法でピール強度を測定した。
【0108】
[耐熱性の評価]
上記で測定した加熱前後のピール強度値を用いて、加熱前後での保持率を算出し、下記の基準にしたがって耐熱性を評価した。
A:保持率が85%以上である。
B:保持率が70%以上85%未満である。
C:保持率が55%以上70%未満である。
D:保持率が55%未満である。
【0109】
実施例1〜4、比較例1及び2で用いたプライマー組成物の組成、加熱前後の剥離強度の測定結果、密着性及び耐熱性の評価結果を表1に示す。なお、プライマー組成物の組成は、不揮発分のみを示す。
【0110】
【表1】
【0111】
本発明の積層体である実施例1〜7で得られた積層体(1)〜(7)は、初期(加熱前)の密着性が充分に高く、また、加熱後の剥離強度の低下もわずかで耐熱性にも優れていることを確認できた。
【0112】
一方、比較例1及び2で得られた積層体(R1)及び(R2)は、初期(加熱前)の密着性は充分であるが、加熱後の剥離強度の低下が大きく、耐熱性に問題があることが確認できた。