特許第6579682号(P6579682)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6579682
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】画像測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/03 20060101AFI20190912BHJP
【FI】
   G01B11/03 H
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-148285(P2014-148285)
(22)【出願日】2014年7月18日
(65)【公開番号】特開2016-24045(P2016-24045A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2017年6月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭
(74)【代理人】
【識別番号】100076129
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 圭佑
(74)【代理人】
【識別番号】100089015
【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 剛博
(72)【発明者】
【氏名】張 玉武
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 彰
(72)【発明者】
【氏名】花村 尚史
(72)【発明者】
【氏名】前田 拓甫
【審査官】 小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−098153(JP,A)
【文献】 特開2000−161932(JP,A)
【文献】 特開2002−350123(JP,A)
【文献】 特開2013−117953(JP,A)
【文献】 特開2001−319219(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0113234(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0213156(US,A1)
【文献】 特開2005−030780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 − G01B 11/30
G01N 21/84 − G01N 21/958
G06T 1/00 − G06T 1/40
G06T 3/00 − G06T 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステージ上に載置した測定対象物をカメラで撮影した画像を表示した撮影画像表示画面を用いて測定した結果に基づく判定結果を、測定対象物の撮影画像とは別にリストで一覧表示するようにした画像測定装置において、
前記リスト上の判定結果を含む測定結果を指定する手段と、
指定された測定結果に対応する撮影画像表示画面上の測定位置を強調表示する手段と、
前記指定された測定結果に対応する測定位置が表示中の撮影画像表示画面内に存在しない時は、該測定位置を撮影画像表示画面内に表示させるためのナビゲート情報を表示する手段と、
を備え、
前記ナビゲート情報を、前記測定位置までの残り距離の数値で表示することを特徴とする画像測定装置。
【請求項2】
前記強調表示された測定位置に、測定結果の詳細を表示するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像測定装置。
【請求項3】
前記測定結果の詳細が表示されている間は、該表示されている測定結果の詳細を指定することにより再測定が行われるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の画像測定装置。
【請求項4】
前記指定された測定結果に対応する測定位置が表示中の撮影画像表示画面内に存在しない時は、該測定位置が撮影画像表示画面内に表示されるよう、ステージとカメラを相対移動させることを特徴とする請求項1に記載の画像測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像測定装置に係り、特に、画像測定機や、画像ユニットを搭載した測定顕微鏡等に用いるのに好適な、ステージ上に載置した測定対象物をカメラで撮影した画像を表示した撮影画像表示画面を用いて測定した結果に基づく判定結果を、測定対象物の撮影画像とは別にリストで一覧表示するようにした画像測定装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1や2に記載されているような一般的な画像測定機は、一度実行した測定手順を記録しておき、同一形状の測定対象物(ワークとも称する)を測定する際には、記録した測定手順を自動で再現することができるパートプログラム機能を有する。又、特許文献3に記載されているように、測定対象物の測定を行なった後に、測定値が設計値に対して所定の公差以内であるか否かを照合する公差照合機能を有する。通常、画像測定機でパートプログラム機能を使用して複数の同一形状ワークの連続測定を行なう場合、オペレータは、それぞれのワークに対してパートプログラムを実行し、出力される公差判定結果を確認してワークの良否を判定する。
【0003】
公差照合の判定結果(「OK」又は「NG」)の表示は、例えば図1に示す如く、測定結果の表示領域に測定値や設計値と表記して表示している。しかし、これでは公差判定結果が分かり難いので、特許文献4に記載されているように、測定対象物の画像とは別に判定結果をリストで一覧表示することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平3−57403号公報
【特許文献2】特開2003−139520号公報
【特許文献3】特開2001−319219号公報
【特許文献4】特開2001−59708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
公差照合の判定結果は、通常、図1に示したように、測定結果と共に表示されるため、ステージ位置を移動させながら測定する場合、測定を行なった直後や1画面内の測定の際には、判定結果が公差外でNGであったり、エッジ検出不可、ワーク無し、ごみ付着、照明光量不足等の理由で測定に失敗していたとしても、原因を確認したり再測定することが可能である。
【0006】
しかしながら、ステージを移動させなければならない画面外の測定の場合や、測定位置が複数存在する場合には、NGや測定の失敗が発生した測定位置を測定終了後に特定することは困難であり、場合によっては、測定位置の特定のため、最初から測定をやり直して再測定する必要があった。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、測定終了後の判定結果でNGが発生していた場合や、測定に失敗していた場合でも、必要な時に表示されるナビゲート情報により測定位置を特定して容易に探し出せるようにして、判定結果がNGの場合の原因調査や再測定の際の操作性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ステージ上に載置した測定対象物をカメラで撮影した画像を表示した撮影画像表示画面を用いて測定した結果に基づく判定結果を、測定対象物の撮影画像とは別にリストで一覧表示するようにした画像測定装置において、前記リスト上の判定結果を含む測定結果を指定する手段と、指定された測定結果に対応する撮影画像表示画面上の測定位置を強調表示する手段と、前記指定された測定結果に対応する測定位置が表示中の撮影画像表示画面内に存在しない時は、該測定位置を撮影画像表示画面内に表示させるためのナビゲート情報を表示する手段と、を備え、前記ナビゲート情報を、前記測定位置までの残り距離の数値で表示することにより、前記課題を解決したものである。
【0009】
ここで、前記強調表示された測定位置に、測定結果の詳細を表示することができる。
【0010】
又、前記測定結果の詳細が表示されている間は、該表示されている測定結果の詳細を指定することにより再測定が行われるようにすることができる。
【0012】
、前記指定された測定結果に対応する測定位置が表示中の撮影画像表示画面内に存在しない時は、該測定位置が撮影画像表示画面内に表示されるよう、ステージとカメラを相対移動させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、測定終了後の判定結果でNGが発生していた場合や、測定に失敗していた場合でも、必要な時に表示されるナビゲート情報により測定位置を特定して容易に探し出すことができる。従って、判定結果がNGであった場合の原因調査や再測定の際の操作性を向上することができ、画像測定装置の操作性を向上すると共に、オペレータの管理コストを削減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】画像測定機における従来の公差判定結果表示例を示す図
図2】本発明が適用される画像測定機の一例の全体構成を示す斜視図
図3】同じくコンピュータシステムの構成を示すブロック図
図4】同じく参考形態の処理手順を示す流れ図
図5】同じくディスプレイ上の表示例を示す図
図6】同じく総合判定結果の表示の第1の変形例を示す図
図7】本発明の第実施形態の処理手順を示す流れ図
図8】同じくディスプレイ上の表示例を示す図
図9】本発明の第実施形態の処理手順を示す流れ図
図10】同じくディスプレイ上の表示例を示す図
図11】総合判定結果の表示の第2の変形例を示す図
図12】同じく第3の変形例を示す図
図13】同じく第4の変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態及び実施例に記載した内容により限定されるものではない。又、以下に記載した実施形態及び実施例における構成要件には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
【0016】
図2は、本発明が適用されるマニュアル操作型の画像測定機の全体構成を示す。この画像測定機は、非接触画像計測型の測定機本体1と、この測定機本体1のステージ移動操作をアシストする処理を実行すると共に、必要な測定データ処理を実行するコンピュータシステム2と、測定機本体1に対して必要な測定指令や測定パラメータを与えるための指令入力部3、キーボード32及びマウス33と、各部に安定した電力を供給する電源ユニット4とから構成されている。
【0017】
測定機本体1は、架台11と、この上に装着された、測定対象物であるワーク12を載置するためのステージ13を有する。このステージ13は、X軸駆動軸14及びY軸駆動軸15によりX軸方向及びY軸方向に駆動される。架台11の後端部には上方に延びるフレーム17が固定されている。このフレーム17にカメラユニット18が支持されている。このカメラユニット18は、Z軸駆動軸19により、フレーム17に形成されたガイドレールに沿ってZ軸方向に移動可能になっている。カメラユニット18の内部には、ステージ13を上部から撮影するように、カメラ(例えばCCDカメラ等)20が取り付けられている。カメラ20の下端近傍には、ワーク12を照明するリング状の照明装置21が備えられている。
【0018】
コンピュータシステム2は、コンピュータ本体31、キーボード32、マウス33及びディスプレイ(例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等)34を備えて構成されている。コンピュータ本体31を中心とするこのシステムは例えば、図3のように構成されている。カメラ20で捉えられたワーク12の画像信号は、AD変換部35でデジタル画像データに変換され、画像メモリ36に格納される。画像メモリ36に格納されたデジタル画像データは、表示制御部37の動作によりディスプレイ34に表示される。キーボード32及びマウス33からのオペレータの指令は、インターフェイス(I/F)38を介してCPU39に伝えられる。CPU39は、オペレータの指令又は、プログラムメモリ40に格納されたパートプログラムに従って測定処理を実行する。ワークメモリ41は、CPU39の各種処理のための作業領域を提供する。
【0019】
また、ステージ13に対するカメラ20のX軸、Y軸、Z軸方向の位置をそれぞれ検出するために、X軸エンコーダ42、Y軸エンコーダ43及びZ軸エンコーダ44が設けられている。これらのエンコーダ42〜44の出力は、CPU39に取り込まれる。照明制御部45は、CPU39で生成された指令値に基づいてアナログ量の指令電圧を生成し、照明装置21を駆動する。
【0020】
以下、参考形態及び本発明に係る各実施形態を詳細に説明する。
【0021】
リスト中の判定結果を指定したときに、対応する撮影画像表示画面上の測定位置を強調表示するようにした参考形態の処理手順を図4に、そのディスプレイ34上の表示例を図5に示す。
【0022】
この参考形態においては、まずステップ100で測定機本体1のステージ13上に測定対象物(ワーク12)を載置する。
【0023】
次いでステップ110で、測定機本体1に取り付けられたカメラ20でワーク12を撮像する。
【0024】
次いでステップ120で、図5の左上に示すカメラ20からの撮影画像(ワーク12の拡大画像)を表示した撮影画像表示画面34Aに対して、任意の要素及びエッジ検出ツールを選択して測定を行なう。
【0025】
その際、測定を行なう毎に、公差判定結果を含む測定結果の情報を記録していき(ステップ130)、オペレータが随時、把握可能な公差判定結果のリスト34Bを作成する(ステップ140)。
【0026】
ステップ150で測定終了と判定されるまで、ステップ160で次の測定位置へ移って、ステップ120乃至140を繰り返す。
【0027】
公差判定結果は、例えばOKは緑、NGは赤と、色を変えて表示することができる。
【0028】
ステップ150で測定終了と判定された後、ステップ170で、作成した公差判定結果のリスト34Bに表示された任意の判定結果を含む測定結果(図5では一番上のID1)をオペレータが指定すると、ステップ180で対応する撮影画像表示画面34A上に表示された測定結果(図5ではLine−1)を例えばハイライトで強調表示する。
【0029】
これにより、1画面内の複数の測定結果(図5ではID1の他、ID2:Circle1、ID3:Line−2、ID4:Distance−1、ID5:Circle−2の5つ)が表示され、指定した測定結果(ここではID1)の撮影画像表示画面34A中での選択が困難な場合でも、リスト化された公差判定結果を含む測定結果を選択することで、リスト34B中の測定結果に対応する撮影画像表示画面34A中の測定位置を容易に知ることができ、オペレータによる測定結果の選択ミスを未然に防ぐことができる。
【0030】
参考形態においては、リスト34Bを、測定位置毎の公差判定結果の詳細を示す個別判定結果表示領域34B1と、ワーク12単位の総合判定結果を示す総合判定結果表示領域34B2で構成し、個別判定結果だけでなく総合判定結果(図ではNG)も表示するようにしているので、総合判定結果を極めて容易に知ることができる。
【0031】
参考形態においては、更に、総合判定結果表示領域34B2中でNGの個数もカッコ内に表示しているので、NGの程度も知ることができる。
【0032】
なお、図6に示す第1の変形例の如く、測定結果の全体数(ここでは5)を分母とし、NG個数(ここでは2)を分子で示すことによって、測定結果全体に対するNG数の割合も分かるようにすることができる。
【0033】
又、本参考形態においては、カメラ20からの撮影画像34Aとリスト34Bに加えて、測定対象物の全体を示す測定対象全体図34Cも表示しているので、測定対象物全体に対する撮影画像(34A)の位置を容易に知ることができる。なお、測定対象全体図34Cは省略することもできる。
【0034】
次に、測定結果選択時の再測定を容易とした本発明の第実施形態を詳細に説明する。図7は第実施形態の処理手順、図8はそのディスプレイ34上の表示例を示したものである。
【0035】
図4と同じステップ100乃至150を行なって測定を終了した後、ステップ270で撮影画像表示画面34A中に表示された測定結果(図8では、Line−1)をクリックすると、ステップ280で、図8に示す如く、測定結果の詳細(ここではX、Y座標、投影角度、真直度)を表示する。測定結果が表示されている間は、詳細表示をクリックすることにより再測定を行う(ステップ290)。再測定を実施するに際しては、測定時に使用した検出ツールの検出位置の編集(測定開始時に手動入力した設計値の入れ直し)や、公差判定結果に係わる設計値、上限値/下限値の編集を可能とし、測定結果の更新が行なえる状態とする。
【0036】
本実施形態によれば、撮影画像表示画面34A中に表示される測定結果をクリックするだけで、再測定を行って作業効率を向上することができる。
【0037】
なお、撮影画像表示画面34A中に表示される測定結果の代わりに、リスト34Bの個別判定結果表示領域34B1中に表示される測定結果や判定結果を指定して、再測定を行うこともできる。
【0038】
次に、測定結果とステージ位置とをリンクさせて、表示されている撮影画像表示画面34A中に測定位置が無い場合にステージ移動のナビゲートを可能とした本発明の第実施形態を詳細に説明する。図9は、第実施形態の処理手順を、図10はそのディスプレイ34上の表示例を示したものである。
【0039】
参考形態と同様のステップ170終了後、ステップ372に進み、指定(選択)した測定結果(ここではID5)が、撮影画像34Aの現在の表示画面内にあるか否かを判定する。判定結果が否である場合にはステップ374に進み、ステージ移動のナビゲート画面(ここではID5へのX軸方向及びY軸方向の移動距離)を画面上に表示してステージ移動(ステップ376)を促す。なお、残り距離の情報は、ステージ移動に合わせて更新することができる。
【0040】
ナビゲートは図10のように残り距離を数値で表示するだけでなく、例えばクロスヘアラインの交点が撮影画像表示画面34Aの中心となるよう移動するように提示したり、あるいは矢印等で移動方向を直接表示することも可能である。又、CNC等自動制御型画像測定機の場合には、ステップ376のステージ移動を自動的に行うことができる。
【0041】
ステージ移動により、指定(選択)した測定結果が表示中の画面内に入るか、又は指定(選択)した測定結果が表示中の画面内にあるとステップ372で判定されたときには、ステップ380に進み、画面上に表示された測定結果を例えばハイライトで強調表示する。
【0042】
本実施形態によれば、リスト上の判定結果を含む測定結果を指定(選択)することで、対応する測定位置への移動がナビゲートされるため、作業効率を向上させることができる。
【0043】
なお前記実施形態においては、いずれも、総合判定結果表示領域34B2で総合判定結果が、色分け、及び、OK又はNGの文字とNG数により表示されていたが、図11(A)(OKの場合)、(B)(NGの場合)に示す第2の変形例の如く、総合判定結果表示領域34B2内に、公差範囲MIN〜MAXに対する測定値の位置を、例えば図中で左右に動く縦線でなるメーター指針34Dを用いてメーター状に表示することもできる。これにより、オペレータは公差判定結果の詳細、即ち、測定結果が設計値に近いのかそれとも公差範囲ぎりぎりなのか、測定結果が設計値に対して大きいのか小さいのか、などを直感的に理解することができる。
【0044】
更に、前回の測定結果に対する今回の測定結果の値の増減方向を示す矢印マーク34Eを合わせて表示することもできる。これにより、オペレータは測定結果の推移をリアルタイムに確認することができる。これに対して、従来の画像測定システムで同一形状ワークの連続測定を行なった場合、その測定結果の推移を確認するには、その画像測定システムに搭載された統計・分析のための機能や、統計・分析機能を有する外部プログラムを使用して、測定結果の解析を別個行なう必要があり、オペレータが測定結果の推移をリアルタイムに確認することが難しかった。従って、オペレータがワーク形状の偏りや変遷を確認することは困難であり、例えば、ワークを加工する工具が摩耗するなどして、ワークの加工精度が時間とともに劣化していったとしても、測定を行なうオペレータがその劣化に気付くのは困難で、公差判定結果で「NG」が発生するまで気付くことができなかった。
【0045】
あるいは、図12(A)(OKの場合)、(B)(NGの場合)に示す第3の変形例のように、総合判定結果表示領域34B2内に、測定結果の推移を示すトレンドグラフ34Fを背景として表示することもできる。この際、図中に示したように最大値MAXと最小値MINの限界34G、34Hを合わせて表示すれば、トレンドだけでなく上限値、下限値に対する関係も容易に把握することができる。なお、トレンドグラフ34Fのみとしても良い。
【0046】
又、図13(A)(OKの場合)、(B)(NGの場合)に示す第4の変形例のように、総合判定結果表示領域34B2内にOKの数、NGの数、測定エラーの数を合わせて表示することもできる。なお、総合判定結果がOKとなるのが、個別判定結果が全てOKである場合のみである時には、図13(A)に示すOKの場合は右側の表示を省略して見易くすることもできる。又、エラー表示は省略することもできる。なお、エラーを無視しても良い場合には、エラー個数の表示も不要である。
【0047】
前記実施形態においては、リスト34Bに公差判定結果が表示されていたが、リストに表示する判定結果は、これに限定されない。又、リスト34Bの表示位置も前記実施形態に限定されず、例えば撮影画像表示画面34Aの隅に表示することもできる。
【0048】
本発明の適用対象は画像測定機に限定されず、例えば画像ユニットを搭載した測定顕微鏡等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1…測定機本体
2…コンピュータシステム
3…指令入力部
12…ワーク(測定対象物)
13…ステージ
20…カメラ
31…コンピュータ本体
32…キーボード
33…マウス
34…ディスプレイ
34A…撮影画像(表示画面)
34B…リスト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13