(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンテンツサーバからセグメントごとにコンテンツデータを取得する複数の通信端末と、前記複数の通信端末と通信する情報サーバと、を備えるデータ配信システムであって、
前記情報サーバは、
前記通信端末間のアドホック接続の確立に必要なアドホック接続情報を生成するアドホック接続情報生成部と、
アドホックネットワークごとに、前記コンテンツデータの取得所要時間が最も短い通信端末が先頭のコンテンツデータを取得するように、前記各通信端末が前記コンテンツサーバから取得するコンテンツデータを指示する取得データ情報を生成する取得データ判定部と、
前記アドホック接続情報及び前記取得データ情報を前記各通信端末に通知する端末通知部と、
を備え、
前記通信端末は、
前記アドホック接続情報に基づいて通信端末間のアドホックネットワークを構築するアドホック接続部と、
前記取得データ情報に基づいて、前記コンテンツサーバからコンテンツデータを取得するデータ取得部と、を備える
ことを特徴とするデータ配信システム。
前記取得データ判定部は、アドホックネットワーク内の各通信端末が前記コンテンツサーバから異なるコンテンツデータを取得し、全コンテンツデータの取得完了時間が最も短くなるように、前記通信端末が前記コンテンツサーバから取得するコンテンツデータを決定することを特徴とする、請求項2に記載のデータ配信システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術はアドホックネットワークのグループ単位でコンテンツデータを共有するもので、分割されたコンテンツデータを各通信端末で取得処理し、その後コンテンツデータを通信端末間で共有するものであるが、各通信端末で独自にコンテンツデータを取得するため、他の通信端末がコンテンツデータの取得を完了できたか否かを確認することができず、アドホックネットワークグループ内で部分的にコンテンツデータが欠損してしまうおそれがある。
【0006】
また、特許文献1に記載の技術は各通信端末の回線状況に応じて分割割合に冗長性を持たせるものであるが、割当割合を変えるだけであり、MPEG−DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)やHLS(HTTP Live Streaming)のようなシーケンス番号に沿ってコンテンツデータが再生される配信形式の場合には、各通信端末へのコンテンツデータの割り当て方によっては、コンテンツデータの取得が遅れ、コンテンツデータの再生に間に合わなくなってしまう場合がある。
【0007】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、アドホックネットワークにおいて各通信端末で外部通信回線費用を低減させつつ、コンテンツデータの実行開始を早めることが可能なデータ配信システム、情報サーバ、及び通信端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係るデータ配信システムは、コンテンツサーバからセグメントごとにコンテンツデータを取得する複数の通信端末と、前記複数の通信端末と通信する情報サーバと、を備えるデータ配信システムであって、前記情報サーバは、前記通信端末間のアドホック接続の確立に必要なアドホック接続情報を生成するアドホック接続情報生成部と、アドホックネットワークごとに、
前記コンテンツデータの取得所要時間が最も短い通信端末が先頭のコンテンツデータを取得するように、前記
各通信端末が前記コンテンツサーバから取得するコンテンツデータを
指示する取得データ情報を生成する取得データ判定部と、
前記アドホック接続情報及び前記取得データ情報を前記各通信端末に通知する端末通知部と、を備え、前記通信端末は、前記アドホック接続情報に基づいて通信端末間のアドホックネットワークを構築するアドホック接続部と、前記取得データ
情報に基づいて、前記コンテンツサーバからコンテンツデータを取得するデータ取得部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明に係るデータ配信システムにおいて、前記取得データ判定部は、アドホックネットワークごとに、
前記コンテンツデータの取得所要時間が短い通信端末ほど多くのコンテンツデータを取得するように、前記
取得データ情報を生成することを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明に係るデータ配信システムにおいて、前記取得データ判定部は、アドホックネットワーク内の各通信端末が前記コンテンツサーバから異なるコンテンツデータを取得し、全コンテンツデータの取得完了時間が最も短くなるように、前記通信端末が前記コンテンツサーバから取得するコンテンツデータを決定することを特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る情報サーバは、コンテンツサーバからセグメントごとにコンテンツデータを取得する複数の通信端末と通信する情報サーバであって、前記通信端末間のアドホック接続の確立に必要なアドホック接続情報を生成するアドホック接続情報生成部と、前記アドホック接続情報に基づいて構築されたアドホックネットワークごとに、
前記コンテンツデータの取得所要時間が最も短い通信端末が先頭のコンテンツデータを取得するように、前記
各通信端末が前記コンテンツサーバから取得するコンテンツデータを
指示する取得データ情報を生成する取得データ判定部と、
前記アドホック接続情報及び前記取得データ情報を前記各通信端末に通知する端末通知部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る通信端末は、
上記情報サーバと通信を行うとともに、コンテンツサーバからセグメントごとにコンテンツデータを取得する通信端末であって、
前記情報サーバから前記アドホック接続情報及び前記取得データ情報を受信する無線通信部と、前記
アドホック接続情報に基づいて、通信端末間のアドホックネットワークを構築するアドホック接続部と、前記
取得データ情報に基づいて
、前記コンテンツサーバからコンテンツデータを取得するデータ取得部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、アドホックネットワークにおいて各通信端末で外部通信回線費用を低減させつつ、コンテンツデータの実行開始を早めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
<データ配信システム>
図1は、本発明の一実施形態に係るデータ配信システムの概略を示す図である。
図1に示す例では、データ配信システム1は、複数の通信端末10と、情報サーバ20と、コンテンツサーバ30とを備える。
【0017】
データ配信システム1は、同一のコンテンツデータを携帯電話やPCのような通信端末10に配信する場合において、近い通信端末10間でアドホックネットワークを構築し、アドホックネットワークのグループ内の各通信端末10が外部通信回線により、分割されたコンテンツデータ(映像や音声のストリームデータなど)を取得し、その後アドホックネットワーク内で取得したコンテンツデータを転送しあうことにより、各通信端末10の外部通信回線費用を低減(通常、外部通信は有料、アドホック通信は無料)する。
【0018】
コンテンツサーバ30は、パケット単位に分割(セグメント化)された連続的なコンテンツデータを配信するサーバであり、コンテンツデータの取得先及びコンテンツデータ名を示すファイル(プレイリスト)を有する。なお、本実施形態ではコンテンツサーバ30がコンテンツデータ及びプレイリストを有するが、それぞれ異なるサーバが有していてもよい。
【0019】
通信端末10は、コンテンツサーバ30からプレイリストを取得する。そして、プレイリストに従って、コンテンツサーバ30からセグメントごとにコンテンツデータを取得し、シーケンス番号に沿って順次コンテンツデータを実行する。また、通信端末10は、自身の端末情報(外部通信回線速度、位置情報、端末種別、アドホックパス情報など)を定期的に情報サーバ20へ送信する。
【0020】
情報サーバ20は、複数の通信端末10から端末情報を受信し、すべての通信端末10の端末情報を把握する。
【0021】
各通信端末10は情報サーバ20からの指示によって、通信端末10間のアドホック接続を確立し、アドホックネットワークを構築する。
図1に示す例では、通信端末10−1,10−2及び10−3の間でアドホックネットワークを構築してアドホック通信を行い、通信端末10−4,10−5及び10−6の間でアドホックネットワークを構築してアドホック通信を行う。
【0022】
アドホックネットワークが構築されたら、情報サーバ20は各通信端末10に対し、コンテンツサーバ30から取得したプレイリストの中から、その通信端末10が取得するコンテンツデータの指示を行う。
【0023】
図1に示す例では、情報サーバ20からの指示に従って、通信端末10−1はコンテンツサーバ30からシーケンス番号が1番のコンテンツデータ1を取得し、通信端末10−2はコンテンツサーバ30からシーケンス番号が2番のコンテンツデータ2を取得し、通信端末10−3はコンテンツサーバ30からシーケンス番号が3番のコンテンツデータ3を取得する。そして、通信端末10−1は取得したコンテンツデータ1を通信端末10−2及び10−3に送信するともに、通信端末10−2からコンテンツデータ2を取得し、通信端末10−3からコンテンツデータ3を取得する。通信端末10−2は取得したコンテンツデータ2を通信端末10−1及び10−3に送信するともに、通信端末10−1からコンテンツデータ1を取得し、通信端末10−3からコンテンツデータ3を取得する。通信端末10−3は取得したコンテンツデータ3を通信端末10−1及び10−2に送信するともに、通信端末10−1からコンテンツデータ1を取得し、通信端末10−2からコンテンツデータ2を取得する。
【0024】
同様に、情報サーバ20からの指示に従って、通信端末10−4はコンテンツサーバ30からシーケンス番号が1番のコンテンツデータ1を取得し、通信端末10−5はコンテンツサーバ30からシーケンス番号が2番のコンテンツデータ2を取得し、通信端末10−6はコンテンツサーバ30からシーケンス番号が3番のコンテンツデータ3を取得する。そして、通信端末10−4は取得したコンテンツデータ1を通信端末10−5及び10−6に送信するともに、通信端末10−5からコンテンツデータ2を取得し、通信端末10−6からコンテンツデータ3を取得する。通信端末10−5は取得したコンテンツデータ2を通信端末10−4及び10−6に送信するともに、通信端末10−4からコンテンツデータ1を取得し、通信端末10−6からコンテンツデータ3を取得する。通信端末10−6は取得したコンテンツデータ3を通信端末10−4及び10−5に送信するともに、通信端末10−4からコンテンツデータ1を取得し、通信端末10−5からコンテンツデータ2を取得する。
【0025】
図2は、コンテンツサーバ30から通信端末10へ配信されるプレイリストと、各通信端末10がコンテンツサーバ30から直接取得するコンテンツデータの割り当ての一例を示す図である。プレイリストには、各通信端末10が取得すべき全コンテンツデータの取得先及びコンテンツデータ名が記載されている。この例では、コンテンツデータ名を「1」〜「10」としている。ストリームのようなコンテンツデータ配信時には、リアルタイムに配信ファイルが生成されるためにプレイリストは時間とともに更新される。
【0026】
各通信端末10は情報サーバ20の指示により、このプレイリストの中からコンテンツサーバ30から取得すべきコンテンツデータを取得し、アドホックネットワーク内の通信端末10で取得したコンテンツデータを転送しあうことで、全てのコンテンツデータを取得する。
図2では、通信端末10−1,10−2及び10−3が情報サーバ20からの指示に基づきコンテンツサーバ30から取得するコンテンツデータに下線を付して示した。すなわち、10個のコンテンツデータ「1」〜「10」のうち、通信端末10−1がコンテンツデータ「1」、「2」、「4」、「6」、「8」、「10」を取得し、通信端末10−2がコンテンツデータ「3」、「5」、「9」を取得し、通信端末10−3がコンテンツデータ「7」を取得する。なお、本実施形態では、プレイリストに記載された各コンテンツデータのサイズは同等のものと仮定する。
【0027】
<通信端末>
つぎに、通信端末10の詳細について説明する。
図3は、
図1に示す通信端末10の構成例を示すブロック図である。この例では、通信端末10は、制御部11と、入力部12と、無線通信部13と、記憶部14と、表示部15とを備える。
【0028】
入力部12は、ユーザ操作を制御部11へ通知する。ユーザ操作は、コンテンツデータの取得開始、コンテンツデータの取得終了などに区分される。
【0029】
無線通信部13は、情報サーバ20、コンテンツサーバ30、及び他の通信端末10と通信を行う。具体的には、無線通信部13は、端末情報の情報サーバ20への送信、情報サーバ20からアドホック接続の確立に必要な情報を有するアドホック接続情報の受信、情報サーバ20から各通信端末10が取得するコンテンツデータを指示する取得データ情報の受信、コンテンツサーバ30からコンテンツデータの取得、コンテンツデータの他の通信端末10への転送などを行う。なお、通信端末10から情報サーバ20への端末情報の送信は基本的には一定時間周期で行うが、任意のタイミングで行ってもよい。
【0030】
制御部11は、通信端末10の動作や信号フローを制御する。具体的には、制御部11は、アドホック接続部111と、データ取得部112とを備える。
【0031】
アドホック接続部111は、端末情報を無線通信部13を介して情報サーバ20へ送信する。そして、情報サーバ20から無線通信部13を介してアドホック接続情報を受信すると、該アドホック接続情報に基づいて、他の通信端末10とアドホック接続処理を行う。
【0032】
データ取得部112は、情報サーバ20から無線通信部13を介して取得データ情報を受信すると、取得データ情報により指示されたコンテンツデータをコンテンツサーバ30から無線通信部13を介して取得し、取得したコンテンツデータを記憶部14に記憶する。また、データ取得部112は、プレイリスト内で足りないコンテンツデータを他の通信端末10からアドホック通信にて取得し、取得したコンテンツデータを記憶部14に記憶する。
【0033】
また、制御部11は、ユーザ操作に対応する処理、記憶部14からコンテンツデータの読み出し、コンテンツデータの表示部15への出力などを行う。
【0034】
記憶部14は、コンテンツサーバ30及び他の通信端末10から取得したコンテンツデータを記憶する。
【0035】
表示部15は、記憶部14に記憶されているコンテンツデータを表示する。
【0036】
<情報サーバ>
つぎに、情報サーバ20の詳細について説明する。
図4は、情報サーバ20の構成例を示すブロック図である。この例では、情報サーバ20は、アドホック接続情報生成部21と、取得データ判定部22と、端末通知部23と、通信I/F部24と、記憶部25とを備える。
【0037】
アドホック接続情報生成部21は、地理的に近い通信端末10間のアドホック接続の確立に必要なアドホック接続情報を生成し、記憶部25に記憶する。アドホック接続情報とは、ペアリングID、パスワードなどのペアリング情報である。通信端末10間のアドホック接続がIEEE802.11に従う場合には、ペアリングIDはSSIDを表すこととなる。なお、通信端末10間の接続はIEEE802.11に限らずBluetooth(登録商標)などでもよい。
【0038】
取得データ判定部22は、各通信端末10の回線速度などにより、各通信端末10がコンテンツサーバ30から取得するコンテンツデータを決定する。その際には、アドホックネットワークごとに、コンテンツデータの取得所要時間が最も短い通信端末10が先頭(シーケンス番号が1番)のコンテンツデータを取得するように決定する。これにより、各通信端末10は先頭のコンテンツデータを早期に取得することができるため、シーケンス番号に沿ってコンテンツデータを再生する際に、実行開始時間を早くすることができる。
【0039】
本実施形態では、取得データ判定部22は各通信端末10が取得するコンテンツデータを指示する取得データ情報を生成し、各通信端末10へ送信することにより、通信端末10がコンテンツサーバ30から取得するコンテンツデータを通知する。その代わりに、取得データ判定部22は各通信端末10が取得するコンテンツデータをコンテンツサーバ30へ通知し、プレイリストを書き換えることにより、通信端末10がコンテンツサーバ30から取得するコンテンツデータを通知するようにしてもよい。
【0040】
取得データ判定部22は、アドホックネットワークごとに、コンテンツデータの取得所要時間が短い通信端末10ほど多くのコンテンツデータを取得するように、通信端末10がコンテンツサーバ30から取得するコンテンツデータを決定するようにしてもよい。
【0041】
更に、取得データ判定部22は、アドホックネットワーク内の各通信端末10がコンテンツサーバ30から異なるコンテンツデータを取得し、全コンテンツデータの取得完了時間が最も短くなるように、通信端末10がコンテンツサーバ30から取得するコンテンツデータを決定するようにしてもよい。このときの取得データ判定部22の動作を
図5に示す。
【0042】
ここで、プレイリストに記載されているコンテンツデータ数をX、プレイリストに記載されているコンテンツデータのシーケンス番号をS(1≦S≦X)、アドホックネットワーク内の通信端末数をn、k番目の通信端末10が1つのコンテンツデータを取得するのに要する所要時間をt
k、k番目の通信端末10に割り当てられるコンテンツデータ数をa
k(1≦a
k≦X)、判定に使用するための、k番目の通信端末10の判定変数をT
kとする。
【0043】
初期値としてS=1とし(ステップS11)、a
1=1、a
2=1、・・・a
n=1とする(ステップS12)。そして、T
1=t
1×a
1、T
2=t
2×a
2、・・・T
n=t
n×a
nを算出する(ステップS13)。この中で最小値がT
mであった場合、k=mの通信端末10をシーケンス番号Sのコンテンツデータを取得する端末に決定する(ステップS14)。
【0044】
X>Sであれば(ステップS15−Yes)、S=S+1とし(ステップS16)、a
m=a
m+1として(ステップS17)、ステップS13のフローに戻る。一方、X>Sでなければ(ステップS15−No)、処理を終了する。なお、リアルタイムなコンテンツデータ配信の場合には、プレイリストが随時更新されるため、Xを予め定数として定義し、X個の取得ファイルを1つの単位として、この単位ごとに取得するコンテンツデータの割り当てを行う。
【0045】
図6は、コンテンツデータ数X=9、アドホックネットワーク内の通信端末数n=3である場合の取得データ判定部22の動作を、
図5に基づいて説明する図である。ここでは、k=1,2及び3の通信端末10の判定変数T
1,T
2及びT
3の値をそれぞれ長方形の長さで示している。
【0046】
S=1のとき、T
1=t
1、T
2=t
2、T
3=t
3を比較すると、
図6(a)に示すようにT
1が最小であるため、k=1の通信端末10がS=1のコンテンツデータを取得するように決定する。そして、S=2、a
1=2に更新する。
【0047】
次に、S=2のとき、T
1=2t
1、T
2=t
2、T
3=t
3を比較すると、
図6(b)に示すようにT
2が最小であるため、k=2の通信端末10がS=2のコンテンツデータを取得するように決定する。そして、S=3、a
2=2に更新する。
【0048】
次に、S=3のとき、T
1=2t
1、T
2=2t
2、T
3=t
3を比較すると、
図6(c)に示すようにT
1が最小であるため、k=1の通信端末10がS=3のコンテンツデータを取得するように決定する。そして、S=4、a
1=3に更新する。
【0049】
次に、S=4のとき、T
1=3t
1、T
2=2t
2、T
3=t
3を比較すると、
図6(d)に示すようにT
3が最小であるため、k=3の通信端末10がS=4のコンテンツデータを取得するように決定する。そして、S=5、a
3=2に更新する。
【0050】
次に、S=5のとき、T
1=3t
1、T
2=2t
2、T
3=2t
3を比較すると、
図6(e)に示すようにT
1が最小であるため、k=1の通信端末10がS=5のコンテンツデータを取得するように決定する。そして、S=6、a
1=4に更新する。
【0051】
次に、S=6のとき、T
1=4t
1、T
2=2t
2、T
3=2t
3を比較すると、
図6(f)に示すようにT
2が最小であるため、k=2の通信端末10がS=6のコンテンツデータを取得するように決定する。そして、S=7、a
2=3に更新する。
【0052】
次に、S=7のとき、T
1=4t
1、T
2=3t
2、T
3=2t
3を比較すると、
図6(g)に示すようにT
1が最小であるため、k=1の通信端末10がS=7のコンテンツデータを取得するように決定する。そして、S=8、a
1=5に更新する。
【0053】
次に、S=8のとき、T
1=5t
1、T
2=3t
2、T
3=2t
3を比較すると、
図6(h)に示すようにT
2が最小であるため、k=2の通信端末10がS=8のコンテンツデータを取得するように決定する。そして、S=9、a
2=4に更新する。
【0054】
次に、S=9のとき、T
1=5t
1、T
2=4t
2、T
3=2t
3を比較すると、
図6(i)に示すようにT
1が最小であるため、k=1の通信端末10がS=9のコンテンツデータを取得するように決定する。そして、このときX>Sではなくなるため、処理を終了する。
【0055】
端末通知部23は、アドホック接続情報及び取得データ情報を、通信I/F部24を介し各通信端末10へ通知する。
【0056】
通信I/F部24は、各通信端末10から端末情報を受信するとともに、アドホック接続情報及び取得データ情報を各通信端末10へ送信する。
【0057】
記憶部25は、通信端末10から受信した端末情報、アドホック接続情報生成部21により生成されたアドホック接続情報、及び取得データ判定部22により生成された取得データ情報を含む端末情報テーブル251を記憶する。
【0058】
図7は、記憶部25が記憶する端末情報テーブル251の一例を示す図である。この例では、端末情報テーブル251は、各通信端末10の位置情報及び外部通信回線速度と、アドホック接続情報と、取得データ情報とを関連付けて記憶しており、取得データ情報はデータ番号としている。なお、通信端末10のステータス状況は時間とともに変化するため、一定周期で通信端末10から受信する端末情報により更新される。
【0059】
<通信端末の処理>
図8は、通信端末10のコンテンツデータの取得処理の一例を示すフローチャートである。通信端末10はアプリケーションを実行すると(ステップS101)、コンテンツサーバ30及び情報サーバ20とセッションを確立する(ステップS102)。これ以降、確立したセッションにより、定期的に端末情報を情報サーバ20へ送信する。
【0060】
続いて、通信端末10は確立したセッションによりコンテンツサーバ30からプレイリスト及びコンテンツデータを取得し、記憶部14に記憶する(ステップS103)。ここで、通信端末10は情報サーバ20からアドホック接続情報を受信していない場合には(ステップS104−No)、ステップS103の処理に戻る。情報サーバ20からアドホック接続情報を受信している場合には(ステップS104−Yes)、受信したアドホック接続情報に基づいて他の通信端末10とアドホック接続処理を行う(ステップS105)。
【0061】
通信端末10はアドホック接続処理が完了したら(ステップS106−Yes)、アドホック接続完了通知を情報サーバ20へ送信する(ステップS107)。アドホック接続が完了していなければ(ステップS106−No)、ステップS103に戻り、コンテンツサーバ30からコンテンツデータを取得する。
【0062】
その後、通信端末10は情報サーバ20から取得データ情報を受信すると(ステップS108)、指示されたコンテンツデータをコンテンツサーバ30から取得し、取得したコンテンツデータを記憶部14に記憶する(ステップS109)。また、プレイリストが更新される形式である場合には、合わせてプレイリストもコンテンツサーバ30から取得する。次に、プレイリスト内で足りないコンテンツデータをアドホック通信にて他の通信端末10から取得し、取得したコンテンツデータを記憶部14に記憶する(ステップS110)。
【0063】
ここで、プレイリストに記載されたコンテンツデータのうち、記憶部14に記憶されていないコンテンツデータが存在する場合には(ステップS111−No)、通信端末10はコンテンツサーバ30から未取得のコンテンツデータを取得し、記憶部14に記憶する(ステップS112)。そして、ステップS108の処理に戻る。
【0064】
一方、プレイリストに記載されたコンテンツデータが全て記憶部14に記憶されている場合には(ステップS111−Yes)、通信端末10がアドホックネットワークから離脱しているか否かの判定を行う(ステップS113)。アドホックネットワークから離脱している場合には(ステップS113−Yes)、ステップS104の処理に戻る。アドホックネットワークから離脱していない場合には(ステップS113−No)、アプリケーション終了の判定を行う(ステップS114)。アプリケーションが終了していない場合には(ステップS114−No)、ステップS108の処理に戻り、アプリケーションが終了している場合には(ステップS114−Yes)、コンテンツデータの取得処理を終了する。
【0065】
<情報サーバの処理>
図9は、情報サーバ20のアドホック通信制御処理の一例を示すフローチャートである。まず、情報サーバ20は通信端末10からセッション確立要求待ちをする(ステップS201)。次に、通信端末10とセッションを確立し、通信端末10から端末情報を受信したら(ステップS202−Yes)、アドホック接続情報生成部21でアドホック接続情報を生成し、記憶部25に記憶する(ステップ203)。続いて、情報サーバ20はアドホック接続情報を通信端末10へ送信する(ステップS204)。
【0066】
その後、情報サーバ20は通信端末10からアドホック接続完了通知を受信したら(ステップS205)、取得データ判定部22で各通信端末10が取得するコンテンツデータを判定し、取得データ情報を記憶部25に記憶する(ステップS206)。続いて、情報サーバ20は取得データ情報を通信端末10へ送信する(ステップS207)。
【0067】
そして、情報サーバ20はコンテンツサーバ30によるコンテンツの配信が終了しているか否かを判定する(ステップS208)。配信が終了していない場合には(ステップS208−No)、ステップS202の処理に戻り、配信が終了している場合には(ステップS208−Yes)、アドホック通信制御処理を終了する。
【0068】
このように、本発明はアドホックネットワーク内で、各通信端末10がコンテンツサーバ30から取得したコンテンツデータを転送しあうため、外部通信回線費用を低減させつつ、配信サーバの負荷軽減を実現することができる。
【0069】
図10は、本発明の更なる効果を説明する図である。
図10(a)は各通信端末10が均等にコンテンツサーバ30からコンテンツデータを取得する方法を示している。コンテンツデータ数が9であり、アドホックネットワーク内の通信端末数が3である場合、各通信端末10は3つずつコンテンツデータを取得する。
図10(b)は、上述した本発明によるコンテンツデータを取得する方法を示している。
【0070】
図10(a)に示すように、外部通信回線速度が遅い通信端末10−3が、実行開始時刻が最も早いシーケンス番号1のコンテンツデータをコンテンツサーバ30から取得した場合、アドホックネットワークグループ内の全ての通信端末10−1,10−2,10−3は、時刻t
A以降でないとコンテンツデータを実行することができない。それに対し、本発明では
図10(b)に示すように、外部通信回線速度が速い通信端末10−1がシーケンス番号1のコンテンツデータをコンテンツサーバ30から取得するため、アドホックネットワークグループ内の全ての通信端末10−1,10−2,10−3は、時刻t
B以降にコンテンツデータを実行することができる。したがって、本発明によれば、アドホックネットワークグループ内のコンテンツデータの実行開始を早くすることができる。
【0071】
また、アドホックネットワークのグループ単位で見た場合に、従来では
図10(a)に示すように全てのコンテンツデータの取得を完了するのが時刻t
Cとなるが、本発明では
図10(b)に示すように全てのコンテンツデータの取得を完了するのが時刻t
Dとなる。コンテンツデータの実行はシーケンス番号順に行われるため、本発明によれば、アドホックネットワークグループ内のデータ実行時に時間的余裕を作り出すことが可能となり、安定してコンテンツデータを実行することができる。
【0072】
なお、上述した通信端末10の制御部11として機能させるためにコンピュータを好適に用いることができ、そのようなコンピュータは、該機能を実現する処理内容を記述したプログラムを該コンピュータの記憶部に格納しておき、該コンピュータのCPUによってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。なお、このプログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録可能である。
【0073】
また、上述した情報サーバ20のアドホック接続情報生成部21、取得データ判定部22、端末通知部23として機能させるためにコンピュータを好適に用いることができ、そのようなコンピュータは、該機能を実現する処理内容を記述したプログラムを該コンピュータの記憶部に格納しておき、該コンピュータのCPUによってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。なお、このプログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録可能である。
【0074】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、実施形態に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。