(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各手動可動プラグのための、前記ハウジングを通る別々の開口部であって、各開口部が、別々の手動可動プラグの調節を可能にする、別々の開口部をさらに備えている、請求項6に記載の研磨ヘッド。
研磨ヘッドで基板を研磨する方法であって、前記研磨ヘッドが、ハウジングと、前記ハウジングに固定された可撓性の膜であって、前記可撓性の膜が、基板に接触するための外表面、及び前記ハウジングの内部に面している内表面を備えた、可撓性の膜と、2つ以上の単一圧力チャンバ及び1つ又は複数の二重圧力チャンバを備えた複数の加圧可能チャンバであって、前記複数の加圧可能チャンバが、前記ハウジングの中に配置され、且つ前記可撓性の膜の前記内表面に接触している、複数の加圧可能チャンバと、複数の圧力フィードラインであって、各圧力フィードラインが、1つの二重圧力チャンバを1つの単一圧力チャンバに連結している、複数の圧力フィードラインと、前記圧力フィードラインの各々に配置された手動可動プラグと、を備えており、前記方法は、
第1の基板を前記研磨ヘッドの前記可撓性の膜に固定することと、
前記研磨ヘッドに固定された前記第1の基板を研磨することと、
前記研磨ヘッド内の前記複数の加圧可能チャンバを加圧することによって、第1の圧力プロファイルを前記第1の基板上に加えることと、
前記第1の基板を前記研磨ヘッドから取り外すことと、
第2の圧力プロファイルが前記可撓性の膜上に付与されることを可能にするために、前記研磨ヘッドに配置された少なくとも2つのプラグの位置を変更することと、
第2の基板を前記研磨ヘッドの前記可撓性の膜に固定することと、
前記第2の圧力プロファイルを前記第2の基板に加える間に、前記研磨ヘッドに固定された前記第2の基板を研磨することと
を含み、
各手動可動プラグが、1つ又は複数の密封部材を有するねじ山付きファスナであり、
前記研磨ヘッドに配置された少なくとも2つのプラグの位置を変更することが、工具を前記ハウジングの上面の開口部を通して挿入することを含み、前記開口部が、第1のプラグと位置合わせされている、
方法。
前記第1のプラグを第1の位置から第2の位置に動かすために前記工具を回転させることをさらに含み、前記第1の位置が、第1の二重圧力チャンバを第1の単一圧力チャンバに流体連結するように動作可能であり、前記第2の位置が、前記第1の二重圧力チャンバを前記第1の単一圧力チャンバから流体分離するように動作可能である、請求項11に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0016]開示された実装形態は、概して、例えば、CMPを使用する、半導体基板などの基板を研磨するための研磨システムに関する。各種の基板は、研磨ヘッドで基板を最もよく研磨するために異なる圧力プロファイルを特定する場合が多い。開示された実装形態は、研磨中に研磨ヘッドから基板の表面の全体にわたって適用される圧力プロファイルを迅速に調節することを可能にし、これにより、機器のダウンタイムを減らすことができる。開示された実装形態は、各基板の研磨に最適な圧力プロファイルに対してより適合し得る追加の圧力プロファイルの使用を可能にすることにより、製品品質をさらに改善することができる。開示された実装形態から恩恵を得るように適合され得る研磨ヘッドの例としては、とりわけ、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials, Inc.から市販されているTITAN HEAD(商標)、TITAN CONTOUR(商標)、及びTITAN PROFILER(商標)研磨ヘッドが挙げられる。
【0011】
[0017]
図1は、一実装形態に係るCMPシステム100の側断面図である。研磨ヘッド110は、基板50(破線で図示)を研磨パッド175の研磨面180と接触するように保持する。研磨パッド175は、プラテン176上に配置されている。プラテン176は、プラテン軸182によってモータ184に連結されている。モータ184は、CMPシステム100が基板50を研磨しているときに、プラテン軸182の中心線186の周りで、プラテン176、ひいては研磨パッド175の研磨面180を回転させる。
【0012】
[0018]研磨ヘッド110は、モータ102に連結されている軸108に連結されている。モータ102は、アーム170に連結されている。モータ102は、研磨ヘッド110を、アーム170に対して、直線運動(X及び/又はY方向)で横方向に動かす。研磨ヘッド110は、アーム170及び/又は研磨パッド175に対して、研磨ヘッド110をZ方向に動かすアクチュエータ又はモータ104をさらに含んでいる。研磨ヘッド110は、アーム170に対して、研磨ヘッド110を回転軸117の周りで回転させる回転式アクチュエータ又はモータ106にさらに連結されている。モータ104、102、及び106は、研磨ヘッド110を研磨パッド175の研磨面180に対して配置し、且つ/又は動かす。モータ104及び106は、研磨ヘッド110を研磨面180に対して回転させ、処理中に基板50を研磨パッド175の研磨面180に対して付勢する下向きの力を与える。
【0013】
[0019]研磨ヘッド110は、保持リング109が外接しているハウジング112を含んでいる。可撓性の膜114がハウジング112に固定されている。可撓性の膜114は、基板50に接触するための外表面115と、ハウジング112の内部118に面している内表面116とを含んでいる。少なくとも、第1の加圧可能チャンバ121、第2の加圧可能チャンバ122、及び第3の加圧可能チャンバ123を含む複数の加圧可能チャンバが、ハウジング112の中に配置されている。各加圧可能チャンバ121、122、123は、可撓性の膜114の内表面116に接触し、圧力を内表面116に加えることが可能である。加圧可能チャンバ121〜123は、可撓性の膜114の中心の周りで同心円状に配置されている。最内側の加圧可能チャンバ(すなわち、加圧可能チャンバ121)は、可撓性の膜114の内表面116の円形領域と接触するが、その他の加圧可能チャンバ122、123は、可撓性の膜114の内表面116の環状領域と接触する。他の実装形態では、可撓性の膜114に対する加圧可能チャンバの異なる幾何学的配置が用いられてもよい。
【0014】
[0020]第1の圧力供給チャネル143が、ハウジング112の中に配置され、第1の加圧可能チャンバ121に連結されている。第2の圧力供給チャネル144が、ハウジング112の中に配置され、第3の加圧可能チャンバ123に連結されている。各圧力供給チャネル143、144は、別々の圧力源(圧縮ガス又はその他の加圧流体の別々の供給元など)に連結されてもよい。圧力供給チャネルを軸108を通して設けられた圧力フィードラインに接続することによって、圧力供給チャネル143、144を圧力源に連結することができる。圧力フィードラインは、軸108及びハウジング112が回転する際に圧力源への接続を維持するために回転ユニオンを経由してもよい。
【0015】
[0021]第1の圧力フィードライン145は、ハウジング112の中に配置され、第1の圧力供給チャネル143を第2の加圧可能チャンバ122に連結する。第2の圧力フィードライン146は、ハウジング112の中に配置され、第2の圧力供給チャネル144を第2の加圧可能チャンバ122に連結する。したがって、第2の加圧可能チャンバ122は、圧力供給チャネル143、144のいずれかを通して供給される流体によって加圧され得る。
【0016】
[0022]第1の手動可動プラグ147は、第1の圧力フィードライン145と連結し得る。第1の手動可動プラグ147は、第1の位置(
図2Bを参照)にあるとき、第1の圧力供給チャネル143を第2の加圧可能チャンバ122に流体連結し、第2の位置(
図2Cを参照)にあるとき、第1の圧力供給チャネル143を第2の加圧可能チャンバ122から流体分離するように動作可能である。第2の手動可動プラグ148は、第2の圧力フィードライン146と連結し得る。第2の手動可動プラグ148は、第1の位置(
図2Bを参照)にあるとき、第2の圧力供給チャネル144を第2の加圧可能チャンバ122に流体連結し、第2の位置(
図2Cを参照)にあるとき、第2の圧力供給チャネル144を第2の加圧可能チャンバ122から流体分離するように動作可能である。研磨ヘッド110は、各手動可動プラグ147、148の調節を可能にするため、ハウジング112の上面111を通る1つ又は複数の開口部151、及びハウジング112の側面113を通る1つ又は複数の開口部152を含み得る。幾つかの実装形態では、ハウジング112を通る個々の開口部(例えば、開口部151)が、各手動可動プラグ(例えば、プラグ147)に対して使用される。各開口部は、個々の手動可動プラグの調節を可能にする。他の実装形態では、1つの開口部により、複数のプラグを調節するようにアクセスすることが可能である。別の実装形態では、各プラグの一部が、プラグの位置調節を可能にするようにハウジング112を通って延在する。
【0017】
[0023]以下の説明では、下付き文字の「n」は、要素のグループの中の最後の要素を指し示す。「n」は、定義された整数(例えば、「n」=10)、或いは、整数の定義された範囲(例えば、「n」は、5から10の間である)である。下付き文字の「i」は、要素のグループの中の個別の要素であるが、非特定の要素を示す。「i」は、1から「n」の間の任意の値であってもよい。例えば、10個のチャンバのグループにおいて、すべてのチャンバが参照番号50を用いるが、チャンバ50
iは、チャンバ1からチャンバ50の間の任意のチャンバを指し示し、チャンバ50nは、10番目のチャンバを指し示す。下付き文字「i」を有する要素は、図面では示されていない。下付き文字「iA」及び下付き文字「iB」は、それぞれ、i番目の要素に接続したり、関連したりする第1のサブ要素及び第2のサブ要素を示す。例えば、モータ75
1A及びモータ75
1Bは、第1のチャンバ501に接続又は関連する第1及び第2のモータを示し得る。
【0018】
[0024]
図2Aは、一実装形態に係る研磨ヘッド210の部分的側断面図である。研磨ヘッド210は、CMPシステム100において、又はその他の研磨システムにおいて使用されてもよい。研磨ヘッド210は、基板50を研磨ヘッド210で保持するように使用される保持リング209が外接しているハウジング212を含む。可撓性の膜214がハウジング212に固定されている。可撓性の膜214は、基板50に接触するための外表面215と、ハウジング212の内部218に面している内表面216とを含んでいる。複数の加圧可能チャンバ220
1〜220
n及び230
1〜230
n−1が、ハウジング212の中に配置されている。各加圧可能チャンバ220
i及び230
iは、可撓性の膜214の内表面216に接触している。最内側の加圧可能チャンバ(すなわち、加圧可能チャンバ220
1)は、可撓性の膜214の内表面216の円形ディスク又は円形領域と接触し得るが、その他の加圧可能チャンバ220
2〜220
n、230
1〜230
n−1は、チャンバ220
1と同心円状であり得、可撓性の膜214の内表面216の環状領域と接触し得る。他の実装形態では、可撓性の膜214に対する加圧可能チャンバの異なる幾何学的配置が用いられてもよい。
【0019】
[0025]研磨ヘッド210は、研磨ヘッド110に比べて、より多くの加圧可能チャンバ(例えば、加圧可能チャンバ220
i及び230
i)を含み得る。研磨ヘッド210は、「n」個の単一圧力チャンバ220
iを含んでもよい。幾つかの実装形態では、nは、2から20の間の整数である。他の実装形態では、nは、異なる範囲の整数を含んでもよい。各単一圧力チャンバ220
iは、別々の圧力供給チャネル240
iに連結されている。各圧力供給チャネル240
iは、研磨ヘッド210を経由して、研磨ヘッド軸208に上り、別々の圧力源に至ることができる。この圧力源は、前述のように、圧縮空気又はその他の加圧流体の供給源であり得る。幾つかの実装形態では、圧力供給チャネルは、研磨ヘッド210又は軸208の中で別のライン又はチャネルと連結し、次いで、別のライン又はチャネルは、圧力源に連結される。各圧力供給チャネル240
iは、図面の中では明瞭性を保つために研磨ヘッド内で終端しているように示されているが、各圧力供給チャネル240
iは、軸208を通して供給される別のライン又はチャネルのための接続部を少なくとも有している。研磨ヘッド210は、「n−1」個の二重圧力チャンバ230
iをさらに含んでいる。「n」は、重ねて、2から20の間の整数である。各二重圧力チャンバ230
iは、2つの別々の圧力フィードライン250
i(A、B)を通して、2つの圧力供給チャネル240
i、240
i+1に別々に連結されている。
【0020】
[0026]手動可動プラグ260
i(A、B)は、各圧力フィードライン250
i(A、B)と連結し得る。各手動可動プラグ260
i(A)を開かれた第1の位置261(
図2Bを参照)に設定して、二重圧力チャンバ230
iを圧力供給チャネル240
iに流体連結してもよく、或いは、各手動可動プラグ260
i(A)を閉ざされた第2の位置262(
図2Cを参照)に設定して、二重圧力チャンバ230
iを圧力供給チャネル240
iから流体分離してもよい。各手動可動プラグ260
i(B)を開かれた第1の位置261(
図2Bを参照)に設定して、二重圧力チャンバ230
iを圧力供給チャネル240
i+1に流体連結してもよく、或いは、各手動可動プラグ260
i(B)を閉ざされた第2の位置262(
図2Cを参照)に設定して、二重圧力チャンバ230
iを圧力供給チャネル240
i+1から流体分離してもよい。研磨ヘッド210は、各手動可動プラグ260
i(A,B)の調節を可能にするため、ハウジングの上面211又は側面213を通る開口部280
i(A,B)を含み得る。明瞭性を保つため、図面では2つの開口部280
2A及び280
2Bのみが示されているが、各プラグ260
i(A,B)に対して、個別の開口部があってもよい。幾つかの実装形態では、1以上のプラグに対して1つの開口部、或いは、すべてのプラグに対して1つの開口部があり得る。幾つかの実装形態では、開口部は、プラグの位置が変更されていない際に、閉じられたり、密封されたりしてもよい。
【0021】
[0027]幾つかの実装形態では、二重圧力チャンバ230
iは、各単一圧力チャンバ220
iに隣接している。これらの実装形態の幾つかでは、二重圧力チャンバ230
iは、ハウジング212の中心及び外周にある単一圧力チャンバを除いて、各単一圧力チャンバ220
iのいずれかの側面で、各単一圧力チャンバ220
i(単一圧力チャンバ220
1及び220
nなど)に隣接している。他の実装形態では、互いに隣接する複数の単一圧力チャンバ220
iがあってもよい。他の実装形態では、互いに隣接する複数の二重圧力チャンバ230
iがあってもよい。
【0022】
[0028]
図2B及び
図2Cは、一実装形態に係る
図2Aのプラグ260
1Aの開位置及び閉位置それぞれの拡大断面図である。
図1の研磨ヘッド110におけるプラグ147、148、並びに研磨ヘッド210における残りのプラグ260
i(A,B)は、プラグ260
iAと同じ特徴又は似たような特徴を有し得る。プラグ260
1Aは、ねじ山接続部268と連結するねじ山266を有するファスナ264を含む。プラグ260
1Aは、圧力供給チャネル240
1及び圧力フィードライン250
1Aの間で密封を生成する密封部材265をさらに含んでいる。圧力フィードライン250
1Aは、二重圧力チャンバ230
1に供給する2つの圧力フィードライン250
1(A、B)のうちの1つである。1つ又は複数のその他の密封部材(図示せず)もさらにプラグ260
1Aと共に含まれてもよく、それにより、圧力供給チャネル240
1又は圧力フィードライン250
1Aの中の加圧流体がプラグ260
1Aの周りで漏れない。
【0023】
[0029]
図2Bは、開いている第1の位置261におけるプラグ260
1Aを示す。開いている第1の位置261では、密封部材265が圧力供給チャネル240
1から取り外され、圧力源からの流体が、圧力供給チャネル240
1の中に残るファスナ264の一部の周りで流れ、二重圧力チャンバ230
1を加圧することができる。
図2Cは、閉じている第2の位置262におけるプラグ260
1Aを示す。閉じている第2の位置262では、密封部材265が、圧力供給チャネル240
1の中に置かれ、圧力供給チャネル240
1の中の加圧流体が二重圧力チャンバ230
1に達しないように密封遮断する。
【0024】
[0030]ねじ山接続部268は、研磨ヘッドハウジング又は研磨ヘッドハウジング上の又はその中の別のコンポーネントの一部であり得る。プラグ260
1Aに係合するねじ山接続部268は、
図2B及び2Cでは、圧力供給チャネル240
1の下方にあるように示されているが、異なる実装形態では、ねじ山接続部268は他に位置に置かれてもよい。ねじ部材を有するプラグの一実装形態では、ねじ部材は、圧力供給チャネルの上方に位置するねじ接続部と連結してもよく、ファスナの端部に接続された密封プランジャは、圧力供給チャネルを通して下方に延在し、プラグが閉じているときに加圧流体を遮断することができる。ねじ山接続部が圧力供給チャネルの上方にあることにより、プラグを圧力供給チャネルから完全に取り外すことができ、それにより、プラグが開位置にあるときに流体の流れを妨げるものがない。幾つかの実装形態では、プラグ260
1全体が、研磨ヘッドハウジングの中に配置される。他の実装形態では、プラグの一部が、研磨ヘッドハウジングを通して延在してもよい。
【0025】
[0031]プラグ260
1Aなどのプラグを使用することは、数多くの利点をもたらす。プラグ260
1Aは、ファスナ264や密封部材265など、コンポーネントを少ししか含まないため、フットプリントが小さく、研磨ヘッドで占める空間量が少ない。フットプリントが小さいことにより、複数のプラグ及びその他の制御フィーチャを研磨ヘッドに置くことが可能となる。他方では、研磨ヘッド内部の限られた空間で、より大きな流れの制御又は電子デバイスのための空間が十分にない場合がある。さらに、プラグの位置の変更は、ドライバーや六角棒スパナなどのありふれた手動工具を使用することにより、迅速且つ比較的容易に行うことができる。手動操作でプラグの位置変更を行うことにより、研磨ヘッドにある各チャンバの内部の圧力の自動又は電気制御を利用した場合に必要となるような任意の追加のコンポーネント又は配線の必要性がなくなる。最後に、ねじ山付きファスナ及び密封部材などのコンポーネントは、比較的安価であり、したがって、研磨ヘッドの材料コスト全体に対して大きな追加とはならない。
【0026】
[0032]
図2A〜2C、及び
図3を参照すると、研磨ヘッドで基板を研磨するための方法300が説明されている。
図2A〜2Cのシステムと併せてこの方法が説明されているが、当業者であれば、任意の順序で、方法ステップを実行するように構成された、任意の適切に適合された研磨ヘッドが、開示された実装形態の範囲内にあることを理解するであろう。方法300は、研磨ヘッド210上で実行され得る。
【0027】
[0033]ブロック302では、基板50などの第1の基板は、研磨ヘッド210の可撓性の膜214に固定される。ブロック304では、研磨ヘッド210に固定された第1の基板が研磨される。ブロック306では、基板の研磨中、研磨ヘッド210の内部で複数の加圧可能チャンバ220
1〜220
n及び230
1〜230
n−1を加圧することによって、第1の圧力プロファイルが第1の基板上に加えられる。ブロック308では、第1の基板が研磨ヘッド210から取り外される。
【0028】
[0034]ブロック310では、研磨ヘッドに配置された少なくとも2つのプラグ260
i(A、B)の位置が変更され、第2の圧力プロファイルが可撓性の膜214上に付与されることが可能となる。例えば、第1の圧力プロファイルから第2の圧力プロファイルに変更するため、プラグ260
1Aを、開いている第1の位置261から、閉じている第2の位置262に変更してもよく、プラグ260
1Bを、閉じている第2の位置262から、開いている第1の位置261に変更してもよい。第1の圧力プロファイルでは、二重圧力チャンバ230
1の中の圧力は、単一圧力チャンバ220
1の中の圧力に適合し、第2の圧力プロファイルでは、二重圧力チャンバ230
1の中の圧力は、単一圧力チャンバ220
2の中の圧力に適合する。圧力プロファイルを切り替えるとき、2つの、3つ以上の、又はすべてのプラグ260
i(A,B)の位置を変更してもよい。圧力プロファイルは、処理されている基板の中央から端部にかけて圧力の増減を有し得る。幾つかの圧力プロファイルについては、圧力は、基板の中央から端部にかけて、圧力の増加と減少の間で交互し得る。
【0029】
[0035]プラグ260
i(A、B)の位置は、ハウジング212の上面211又は側面213の1つ又は複数の開口部280
i(A、B)を通して、ドライバーなどの工具を挿入することによって変更することができる。開口部280
i(A、B)のうちの少なくとも1つを第1のプラグ260
1Aと位置合わせしてもよい。第1のプラグ260
1Aの位置の変更は、工具を回転させて、第1のプラグ260
1Aを、開いている第1の位置261から閉じている第2の位置262に移動させることをさらに含んでもよい。開いている第1の位置261は、第1の二重圧力チャンバ230
1を第1の単一圧力チャンバ220
1に流体連結するように動作可能であり、閉じている第2の位置262は、第1の二重圧力チャンバ230
1を第1の単一圧力チャンバ220
1から流体分離するように動作可能である。残りのプラグ260
i(A、B)の位置を変更することは、プラグ260
1Aの位置の変更と同じように又は似たように機能し得る。
【0030】
[0036]ブロック312では、第2の基板が研磨ヘッド210の可撓性の膜214に固定される。ブロック314では、第2の圧力プロファイルを第2の基板上に加えている間に、研磨ヘッド210に固定された第2の基板が研磨される。
【0031】
[0037]
図4は、別の実装形態に係るCMPシステム400の側断面図である。CMPシステム400は、多くの同じ特徴及びコンポーネントを有しているという点において、CMPシステム100に似ている。CMPシステム400は、CMPシステム100の第2の加圧可能チャンバ122のような二重圧力チャンバを1つも含まない。CMPシステム400は、さらに、CMPシステム100のプラグ147、148のような内部プラグを1つも含まない。
【0032】
[0038]CMPシステム400は、研磨アセンブリ401を含んでいる。研磨アセンブリ401は、研磨ヘッド410と、研磨パッド475とを含み得る。研磨ヘッド410は、基板50(破線で図示)を研磨パッド475の研磨面480と接触するように保持する。研磨パッド475は、プラテン476上に配置されている。プラテン476は、プラテン軸482によってモータ484に連結されている。モータ484は、CMPシステム400が基板50を研磨しているときに、プラテン軸482の中心線の周りで、プラテン476、ひいては研磨パッド475の研磨面480を回転させる。
【0033】
[0039]研磨ヘッド410は、保持リング409が外接しているハウジング413を含んでいる。可撓性の膜414がハウジング413に固定されている。可撓性の膜414は、基板50に接触するための外表面415と、ハウジング413の内部418に面している内表面416とを含んでいる。複数の加圧可能チャンバ421、422、423が、ハウジング413の中に配置されている。各加圧可能チャンバ421、422、423は、可撓性の膜414の内表面416に接触している。複数の加圧可能チャンバは、少なくとも、第1の加圧可能チャンバ421、第2の加圧可能チャンバ422、及び第3の加圧可能チャンバ423を含んでいる。加圧可能チャンバ421〜423は、可撓性の膜414の中心の周りで同心円状に配置されている。最内側の加圧可能チャンバ(すなわち、加圧可能チャンバ421)は、可撓性の膜414の内表面416の円形領域と接触するが、その他の加圧可能チャンバ422、423は、可撓性の膜414の内表面416の環状領域と接触する。他の実装形態では、可撓性の膜414に対する加圧可能チャンバの異なる幾何学的配置が用いられてもよい。
【0034】
[0040]研磨アセンブリ401は、回転ユニオン405と、第1の端部411及び第2の端部412を有する回転可能な軸408とをさらに含んでいる。回転ユニオン405は、回転可能な軸408の第1の端部411に近接して回転可能な軸408に連結されている。回転ユニオン405は、軸408が回転する間、流体の流れが加圧可能チャンバ421〜423を加圧することを許容する。研磨ヘッド410は、回転可能な軸408の第2の端部412に連結されている。研磨ヘッド410は、軸408の回転によって回転可能である。回転式アクチュエータ又はモータ406は、第1の端部411に近接して回転可能な軸408に連結されている。モータ406は、研磨パッド475の研磨面480に対して、回転軸の周りで研磨ヘッド410を回転させる。複数の圧力供給チャネル451〜453が、第1の端部411から第2の端部412へと、且つ研磨ヘッド410の中へと、回転可能な軸408を通して供給されている。各圧力供給チャネル451〜453は、回転ユニオン405を加圧可能チャンバ421〜423のうちの1つに連結する。幾つかの実装形態では、研磨アセンブリ401は、3つから10個の間の加圧可能チャンバ、及び3つから10個の間の圧力供給チャネルを含んでもよいが、他の実装形態では、わずか2つの又は10個よりも多くの加圧可能チャンバ又は圧力供給チャネルを含んでもよい。
【0035】
[0041]回転可能な軸408の第1の端部411に近接して、軸408は、モータ402にさらに連結されている。モータ102は、アーム470に連結されている。モータ402は、研磨ヘッド410を、アーム470に対して、直線運動(X及び/又はY方向)で横方向に動かす。研磨ヘッド401は、アーム470及び/又は研磨パッド475に対して、研磨ヘッド410をZ方向に動かすアクチュエータ又はモータ404をさらに含んでいる。モータ404、402、及び406は、研磨ヘッド410を研磨パッド475の研磨面480に対して配置し、且つ/又は動かす。モータ404及び406は、研磨ヘッド410を研磨面480に対して回転させ、処理中に基板50を研磨パッド475の研磨面480に対して付勢する下向きの力を与える。
【0036】
[0042]CMPシステム400は、3つの圧力源441、442、及び443をさらに含んでいる。各圧力源441〜443は、研磨ヘッド410の加圧可能チャンバ421〜423に異なる圧力を供給することができる。CMPシステム400は、3つの圧力源441〜443を含んでいるが、他の実装形態では、2つの圧力源又は3つよりも多くの圧力源を含んでもよい。一実装形態では、圧力源441〜443は、圧縮空気を含むが、その他の加圧流体を使用してもよい。
【0037】
[0043]CMPシステム400は、圧力切替アセンブリ460をさらに含んでいる。圧力切替アセンブリ460は、研磨ヘッド410の中の加圧可能チャンバ421〜423に適用された圧力を切り替えるように動作可能である。圧力切替アセンブリは、複数の圧力源441〜443に連結された入力471、472、473、並びに回転ユニオン405を通して、圧力供給チャネル451、452、452のそれぞれに連結された出力461、462、463を含んでいる。幾つかの実装形態では、各加圧可能チャンバ421〜423のための、圧力切替アセンブリ460から回転ユニオン405への出力ライン(例えば、出力461)がある。圧力切替アセンブリ460は、9つのバルブ451
1〜451
3、452
1〜452
3、及び453
1〜453
3を含んでいる。バルブの各グループ(例えば、バルブ451
1〜451
3)は、圧力源441〜443のうちのいずれかを圧力供給チャネルのうちの1つ(例えば、圧力供給チャネル451)に連結するように使用されてもよく、最終的には、加圧可能チャンバのうちの1つ(例えば、加圧可能チャンバ421)に連結するように使用されてもよい。一実装形態では、バルブのセットは、加圧可能チャンバの数によって倍加された圧力源の数の製品に等しいバルブの数を含み、それにより、各圧力源が、各加圧可能チャンバに適用され、各加圧可能チャンバが異なる圧力源で加圧されることが可能となる。幾つかの実装形態では、圧力源よりも多くの加圧可能チャンバがあってもよく、或いは、加圧可能チャンバよりも多くの圧力源があってもよい。
【0038】
[0044]圧力切替アセンブリ460は、第1の状態にあるとき、複数の圧力源441〜443の第1の圧力源441を第1の圧力供給チャネル451に、且つ複数の圧力源441〜443の第2の圧力源442を第2の圧力供給チャネル452に連結するように動作可能である。第1の状態は、開状態のバルブ451
1及び452
2、並びに閉状態のバルブ451
2、451
3、及び452
1、452
3によって表されてもよい。圧力切替アセンブリ460は、第2の状態にあるとき、第2の圧力源442を第1の圧力供給チャネル451に、且つ第1の圧力源441を第2の圧力供給チャネル452に連結するようにさらに動作可能である。第2の状態は、開状態のバルブ451
2及び452
1、並びに閉状態のバルブ451
1、451
3、及び452
2、452
3によって表されてもよい。
【0039】
[0045]一実装形態では、圧力切替アセンブリは、バルブの電子制御を可能にするコントローラ490に連結された自動バルブのセットを含んでいる。コントローラ490は、研磨されている基板の種類に基づいて、バルブの位置を自動的に切り替えることができる。
【0040】
[0046]本明細書に記載されたCMPの実装形態は、研磨ヘッドの種々の領域にわたって適用された圧力プロファイルを如何に迅速に調節できるかを示した。この調節により、機器のダウンタイムが減少し、所与の研磨ヘッドで処理し得る基板の種類が増える。
図2Aを参照すると、研磨ヘッド210は、チャンバに連結されたチャネルの中のプラグ260
i(A、B)の位置を変更して、二重圧力チャンバ230
iに適用された圧力の迅速な切り替えを可能にすることによって、ダウンタイムを減少させる。
図4を参照すると、CMPシステム400は、圧力供給チャネル451〜453のうちの1つ又は複数に供給される圧力を、圧力切替アセンブリ460の使用を通して迅速に切り替える
ことを可能にすることにより、ダウンタイムを減少させる。
【0041】
[0047]研磨ヘッド110及び210は、追加の圧力プロファイルの利用を可能にすることによって、製品品質をさらに改善することができる。以上で説明されたように、研磨ヘッド及び回転可能な軸の中の空間に限りがあるため、研磨ヘッドに連結し得る圧力供給チャネルの数に制約が設けられる。この制約により、各加圧可能チャンバが1つの圧力供給チャネルのみに連結されている際に研磨ヘッドに含まれ得る加圧可能ゾーンの数が制限される。研磨ヘッド110及び210の中の二重圧力チャンバは、それぞれ、2つの圧力フィードラインを通して、2つの圧力供給チャネルに連結されており、それにより、任意の追加のチャネル又は供給ラインを回転可能な軸に追加せずに、各二重圧力チャンバに供給された圧力を2つの圧力源の間で迅速に切り替えることが可能になる。各二重圧力チャンバは、2つの隣接する単一圧力チャンバの間で追加の圧力プロファイルを利用することを可能にする。さらに、1つの研磨ヘッドに複数の二重圧力チャンバを追加することによって生じ得る組み合わせによって、基板の表面にわたってさらに多くの圧力プロファイルを利用することが可能になる。より多くの圧力プロファイルを利用できることにより、より目的に合ったプロファイルを各基板に適合することができ、これにより製品品質が改善される。
【0042】
[0048]圧力切替アセンブリ460は、さらに、任意の移動部品又は電子部品を研磨ヘッドに追加せずに、研磨ヘッドの中の圧力を迅速に切り替えることを可能にする。圧力切替アセンブリを研磨ヘッドの外部に配置することにより、圧力切替装置を研磨ヘッドに置いた際に空間が限られるという問題がないため、さらに、より簡単にメンテナンス且つ整備することが可能となる。圧力切替アセンブリは、研磨中でさえも、研磨ヘッドにある種々の加圧可能チャンバに供給される圧力の遠隔調節を可能にする。さらに、圧力切替アセンブリを研磨ヘッドから遠隔に置くことにより、研磨ヘッドに全く接触しない状態で圧力を調節することが可能となり、研磨ヘッドの破損又は研磨ヘッドの中への任意の汚染物質の混入のリスクが減る。
【0043】
[0049]以上の説明は典型的な実装形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱せずに、他の実装形態及びさらなる実装形態を考案することができ、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められる。