特許第6582273号(P6582273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6582273
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】MEMS素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B81C 1/00 20060101AFI20190919BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20190919BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20190919BHJP
   H04R 19/04 20060101ALI20190919BHJP
   H04R 31/00 20060101ALI20190919BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20190919BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   B81C1/00
   B81B3/00
   H01L21/78 Q
   H04R19/04
   H04R31/00 C
   H01L21/60 301A
   H04R1/02 106
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-167331(P2015-167331)
(22)【出願日】2015年8月27日
(65)【公開番号】特開2017-42871(P2017-42871A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2018年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】新日本無線株式会社
(72)【発明者】
【氏名】荒木 新一
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−039141(JP,A)
【文献】 特開2015−074034(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/114398(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0125003(US,A1)
【文献】 国際公開第2006/025210(WO,A1)
【文献】 特開平08−247878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B81B 3/00
H01L 21/301
H04R 1/02
H04R 19/04
H04R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックチャンバーを備えた基板と、該基板上に、スペーサーを挟んで配置された可動電極および固定電極と、前記可動電極に接続する可動電極引き出し電極と、前記固定電極に接続する固定電極引き出し電極とを備えたMEMS素子を集合基板上に複数個形成した後、スクライブラインに沿って前記集合基板を切断して個片化するMEMS素子の製造方法において、
可動電極引き出し電極形成予定領域および固定電極引き出し電極形成予定領域であって前記スクライブラインの切断領域に達する位置の前記集合基板の一部を除去して凹状部を形成する工程と、
該凹状部内に、前記可動電極に接続する可動電極引き出し電極と、前記固定電極に接続する固定電極引き出し電極とを、それぞれ形成する工程と、
前記スクライブラインに沿って前記集合基板を切断し、個々のMEMS素子に個片化するとともに、前記凹状部の側壁の一部を除去して段部を形成し、該段部の表面に形成されている前記可動電極引き出し電極および前記固定電極引き出し電極を露出させる工程と、を含むことを特徴とするMEMS素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMS素子、特にマイクロフォン、各種センサ、スイッチ等として用いられる容量型のMEMS素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体プロセスを用いたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子では、半導体基板上に可動電極、犠牲層及び固定電極を形成した後、犠牲層の一部を除去することで、スペーサーを介して可動電極と固定電極が固定された構造となっている。
【0003】
例えば、容量型MEMS素子である音響トランスデューサーは、音圧を通過させる複数の貫通孔を備えた固定電極と、音圧を受けて振動する可動電極とを対向して配置し、振動する可動電極の変位を電極間の容量変化として検出する構成となっている。このようなMEMS素子を用いてMEMSマイクロフォンを形成する場合、MEMS素子の出力信号を処理するため、信号処理機能を有する集積回路(IC)が必要となる。
【0004】
例えば図9は、一般的なMEMSマイクロフォンの概略図を示し、MEMS素子100およびICチップ101が実装基板102に実装され、金属缶103で覆われた構成となっている。MEMS素子100で検出された電気信号(検出信号)は、金属ワイヤ104を経由してICチップ101に入力し、所望の信号処理を行い、図示しない配線を経由し実装基板102の接続端子から外部へ出力される。
【0005】
金属缶103は、外部からのノイズや物理的接触などからMEMS素子100およびICチップ101を保護するために設けられており、外部からの音波をMEMS素子100に到達させるため、一部に開口が形成されている。この種のMEMSマイクロフォンは、特許文献1(図4)に開示されている。
【0006】
次に、金属ワイヤ104による接続構造を詳細に説明するため、図10にMEMS素子100の接続構造の説明図を示す。図10に示すようにMEMS素子100は、シリコン基板1上に熱酸化膜2を介して可動電極3が形成され、可動電極3上には、スペーサー4を介して固定電極5が形成されている。固定電極5には複数の貫通孔6が形成されている。一方、可動電極3にはスリット7が形成され、残留応力が調整されている。固定電極5上には、通常は窒化膜が形成されるが、図示は省略している。シリコン基板1の裏面側は、シリコン基板1の一部が除去され、バックチャンバー8を形成されている。
【0007】
このような構造のMEMS素子100に金属ワイヤ104を形成する場合、可動電極3に接続する可動電極引き出し電極9、固定電極5に接続する固定電極引き出し電極10それぞれに、ワイヤボンディングされる。その際、MEMS素子100へのボンディングの際の衝撃を緩和するため、金属ワイヤ104の先端を加熱、溶融してボールを形成するボールボンディング法により接続を形成するのが一般的である。図10では図示していないが、図9に示すシリコン基板に接続する接続構造も同様である。
【0008】
このようなボールボンディング法では、可動電極引き出し電極9と金属ワイヤ104との接合部、あるいは固定電極引き出し電極10と金属ワイヤ104との接合部の高さが、金属ワイヤの直径を超える程度の高さ(例えば、直径50μmの金属ワイヤを使用した場合、100μm程度の高さ)となってしまう。そのため接合部の高さが高いほど、図9で説明した金属缶103の高さを高くする必要があった。これは近年の電子部品の薄型化という市場要求に反してしまっていた。
【0009】
そこで、MEMS素子100のシリコン基板1の厚さを薄くすることも考えられるが、厚さを薄くすることはバックチャンバー8の容積が減少してしまい、MEMS素子100の感度低下を招き好ましくない。また金属缶103の高さだけを低くすることは、金属ワイヤ104との接触の問題があり限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2011−101304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来、実装基板上にMEMS素子とその信号処理用の集積回路を実装し、金属ワイヤで接続する際、MEMS素子上の電極上に形成される金属ワイヤの接続部の高さが高く、金属缶の高さを低くすることができず、実装構造の薄型化が難しかった。本発明は、金属ワイヤの接続部の高さが高いボールボンディング法により接合を形成した場合でも、実装構造として薄型化が可能となるMEMS素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本願請求項1に係る発明は、バックチャンバーを備えた基板と、該基板上に、スペーサーを挟んで配置された可動電極および固定電極と、前記可動電極に接続する可動電極引き出し電極と、前記固定電極に接続する固定電極引き出し電極とを備えたMEMS素子を集合基板上に複数個形成した後、スクライブラインに沿って前記集合基板を切断して個片化するMEMS素子の製造方法において、可動電極引き出し電極形成予定領域および固定電極引き出し電極形成予定領域であって前記スクライブラインの切断領域に達する位置の前記集合基板の一部を除去して凹状部を形成する工程と、該凹状部内に、前記可動電極に接続する可動電極引き出し電極と、前記固定電極に接続する固定電極引き出し電極とを、それぞれ形成する工程と、前記スクライブラインに沿って前記集合基板を切断し、個々のMEMS素子に個片化するとともに、前記凹状部の側壁の一部を除去して段部を形成し、該段部の表面に形成されている前記可動電極引き出し電極および前記固定電極引き出し電極を露出させる工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のMEMS素子の製造方法によるMEMS素子は、可動電極引き出し電極および固定電極引き出し電極を基板の一部を除去して形成した段部に形成することで、金属ワイヤとの接続部を従来に比べて低い位置に形成できる構造としている。本発明のMEMS素子を用いた接続構造は、段部の深さを接続部の突出高さに合わせて適宜調整することで、接続部の突出高さを低くすることが可能となり、実装基板に実装して金属缶を被せた場合に、低背化が可能となる利点がある。特に、ワイヤボンディング法としてボールボンディング法により接続する場合にその効果が大きい。
【0017】
また本発明のMEMS素子の製造方法によるMEMS素子は、可動電極引き出し電極および固定電極引き出し電極を除き、従来のMEMS素子の形状を変える必要がなく、特にバックチャンバーの容量を変える必要がないため、感度の低下を招くことがない点で利点が大きい。
【0018】
本発明のMEMS素子の製造方法は、通常のMEMS素子の製造工程において、可動電極引き出し電極および固定電極引き出し電極の形成予定領域であって、スクライブラインンに達する位置に凹状部を形成する工程を追加することと、スクライブラインに沿った切断を行う際に、凹状部に達する位置で切断することで、可動電極引き出し電極および固定電極引き出し電極が段部に露出するように形成することができ、簡便な製造方法である。また通常のMEMS素子の製造工程に使用される工程のみで構成できるため、歩留まりよく製造することが可能となる。
【0019】
本発明のMEMS素子の製造方法によるMEMS素子の接続構造は、可動電極引き出し電極および固定電極引き出し電極が段部に露出しているので、通常のワイヤボンディング装置を用いたボンディング方法、具体的にはキャピラリで金属ワイヤを押圧して接続を形成する方法を用いても、キャピラリが段部に残る側壁部に接触することなく接続を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明のMEMS素子の製造工程の説明図である。
図2】本発明のMEMS素子の製造工程の説明図である。
図3】本発明のMEMS素子の製造工程の説明図である。
図4】本発明のMEMS素子の製造工程の説明図である。
図5】本発明のMEMS素子の製造工程の説明図である。
図6】本発明のMEMS素子の製造工程の説明図である。
図7】本発明のMEMS素子の製造工程の説明図である。
図8】本発明のMEMS素子の製造工程による別のMEMS素子の説明図である。
図9】一般的なMEMSマイクロフォンの概略図である。
図10】従来のMEMS素子の接続構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のMEMS素子の製造方法によるMEMS素子は、金属ワイヤと接続する引き出し電極の高さを低く形成している。以下、本発明のMEMS素子の製造方法によるMEMS素子についてその製造工程に従い詳細に説明し、次に金属ワイヤと引き出し電極の接続構造について説明する。
【実施例1】
【0022】
第1の実施例としてMEMS素子とその製造方法について説明する。MEMS素子は、集合基板となるシリコン基板1上に複数個同時に形成する。以下説明に使用する図面は、集合基板の一部分を図示しており、1個のMEMS素子と隣接するMEMS素子との間に配置されているスクライブラインの一部を含めて記載している。まず、結晶方位(100)面の厚さ420μmのシリコン基板1上に厚さ1μm程度の熱酸化膜2を形成し、熱酸化膜2上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により厚さ0.2〜2.0μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成する。次に通常のフォトリソグラフ法により導電性ポリシリコン膜をパターニングし、可動電極3を形成する。可動電極3には、感度向上のためスリット8が形成されている。可動電極3上に、厚さ2.0〜5.0μm程度のUSG(Undoped Silicate Glass)膜からなる犠牲層11を積層形成する。犠牲層11上に、厚さ0.1〜1.0μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成し、通常のフォトリソグラフ法によりパターニングし、固定電極5を形成する。犠牲層11の一部をエッチング除去し、先に形成した可動電極3の一部を露出させる(図1)。
【0023】
次に、可動電極引き出し電極および固定電極引き出し電極形成予定領域を開口するようにフォトレジスト12をパターニングする。ここで開口13は、個々のMEMS素子に個片化する際に切断領域となるスクライブラインに達するように形成する。その後、可動電極引き出し電極および固定電極引き出し電極の形成予定領域を開口するフォトレジスト12をエッチングマスクとして使用し、犠牲層11、熱酸化膜2およびシリコン基板1の一部を除去し、凹状部14を形成する(図2)。本実施例では、表面の結晶方位が(100)のシリコン基板を用いており、凹状部14の側壁の結晶方位が(111)となるような異方性エッチングを行うことで、四角柱の形状にシリコン基板1の一部が除去された凹状部14を形成することができる。あるいは四角柱の形状に除去する代わりに、凹状部14の側壁部が底面に向かって開口寸法が狭くなるように傾斜する結晶面を出すように異方性エッチングすることも可能である。なお、図9で説明したようにシリコン基板との接続を形成するための引き出し電極が必要な場合は、可動電極引き出し電極および固定電極引き出し電極と同様に形成すれば良い。以下、シリコン基板との接続を形成するための引き出し電極の形成方法の説明は省略する。
【0024】
凹状部14の深さは、この底面に後述する可動電極引き出し電極あるいは固定電極引き出し電極を形成し、これら引き出し電極と金属ワイヤの接続を形成する際に、金属ワイヤの高さが高くならない深さに適宜調整すればよい。一例として、100μm程度の深さとなる凹状部14を形成することができる。また後述するように、凹状部14の側壁部の一部は、個片化の工程で除去するため、凹状部14の底面の広さは、可動電極引き出し電極あるいは固定電極引き出し電極の大きさより広く形成しておくのが好ましい。
【0025】
フォトレジスト12を除去し、表面を絶縁膜である窒化膜15で被覆し、通常のフォトリソグラフ法により可動電極3および固定電極5の一部を露出させる(図3)。
【0026】
その後、通常のフォトリソグラフ法により、可動電極3および固定電極5にそれぞれ接触する可動電極引き出し電極9および固定電極引き出し電極10を形成する。これらの引き出し電極は、図4に示すように先に形成した凹状部14の側壁に沿って底面まで引き出される形状とする(図4)。前述のように凹状部14は100μm程度の深さであるが、通常のフォトリソグラフ法によりパターニング可能である。ここで、通常のフォトリソグラフ法により窒化膜15と固定電極5の一部を除去し、音圧を可動電極3に伝えるための貫通孔6を形成し、貫通孔6内に犠牲層11を露出させる。
【0027】
その後、シリコン基板1の裏面側から熱酸化膜2が露出するまでシリコン基板1の一部を除去し、バックチャンバー8を形成する。その後、貫通孔6を通して犠牲層11の一部を除去してスペーサー4を形成する。その結果、スペーサー4に可動電極3と固定電極5が固定された中空構造が形成される。この犠牲層11のエッチングにより、熱酸化膜2の一部も除去される(図5)。
【0028】
次に個片化を行う。本発明ではこの個片化の際、先に形成した凹状部14の側壁部の一部をスクライブラインの切削除去と同時に除去する。その結果、凹状部の形状は角柱上に掘り込まれた形状から、MEMSチップの側壁側に開口(露出)する形状の段部16に可動電極引き出し電極9と固定電極引き出し電極10が形成される(図6)。
【0029】
この個片化工程についてさらに説明を加えると、凹状部14を直交するスクライブラインの両方に跨るように配置する場合、凹状部14の側壁部の2面が個片化工程で除去され、方形のMEMS素子の角部に、二方向に側壁部が残り、二方向が開口している段部16内に引き出し電極が形成されることになる。また、凹状部14が一つのスクライブラインにのみ接触するように配置する場合、凹状部14の側壁部の1面が個片化工程で除去され、方形のMEMS素子の一辺に、三方に側壁部が残り、1面が開口している段部16内に引き出し電極が形成されることになる。
【0030】
以上のように本実施例では、従来のMEMS素子と比較して、実装時に金属ワイヤと接続が形成される可動電極引き出し電極9と固定電極引き出し電極10がシリコン基板1の一部を除去して形成した段部16に延出した形状のMEMS素子を形成することができる。
【実施例2】
【0031】
次に、第1の実施例で説明したMEMS素子に対して金属ワイヤを接続する接続構造とその接続方法について説明する。第1の実施例で説明したように、可動電極引き出し電極9と固定電極引き出し電極10は、それぞれMEMS素子の側壁側に開口する段部16の表面に形成されている。一般的なワイヤボンディング法によりこの段部16内に形成された可動電極引き出し電極9および固定電極引き出し電極10にそれぞれ金属ワイヤ104を接続する。ここで特に、図7に示すようにボールボンディング法により接続を形成する場合、金属ワイヤ104の先端を加熱、溶融してボールを形成し、このボールを各引き出し電極にキャピラリにより押圧して接触させる。その結果、金属ワイヤ104のボールは、完全に押しつぶされず高い接続が形成されることになる。
【0032】
しかし本発明では図7に示すように、可動電極引き出し電極9および固定電極引き引き出し電極10は、シリコン基板1の一部が除去された段部16上に形成されているため、接続部に高いボールが形成されていたとしても、全体としては低い接続構造を形成することが可能となる。ワイヤボンディング法は、ボールボンディング法に限定されるものではないが、接合の高さが高いボールボンディング法で効果が大きいことがわかる。
【0033】
このように本実施例の接続構造は、引き出し電極と金属ワイヤとの接合部の高さが相対的に低く形成できるので、MEMS素子を実装基板上に実装し、金属缶で覆う構造のパッケージの低背化が可能となり効果が大きい。
【0034】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものでないことは言うまでもない。例えば、MEMS素子を形成するシリコン基板の表面の結晶方位を変更することで異方性エッチングにより形成される凹状部に形状を変更したり、凹状部の形成をドライエッチング法に変更し、そのエッチング条件を変更することで、凹状部の形状を変更することも可能である。例えば、可動電極引き出し電極9および固定電極引き出し電極10が延出する側壁部の形状を図8に示すように傾斜した形状とすることが可能である。
【符号の説明】
【0035】
1:シリコン基板、2:熱酸化膜、3:可動電極、4:スペーサー、5:固定電極膜、6:貫通孔、7:スリット、8:バックチャンバー、9:可動電極引き出し電極、10:固定電極引き出し電極、11:犠牲層、12:フォトレジスト、13:開口、14:凹状部、15:窒化膜、16:段部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10