【実施例】
【0069】
[中間体合成1(比較例2で使用する中間体M01の合成)]
【0070】
【化10】
【0071】
中間体M01は、特開2009-7486号公報に記載の手法で合成した。
[中間体合成2(比較例5で使用する中間体M04の合成)]
【0072】
【化11】
【0073】
中間体M04は、特開2009-7485号公報に記載の手法で合成した。
[中間体合成3(比較例5で使用する中間体M05の合成)]
【0074】
【化12】
【0075】
中間体M05は、特開2009-7485号公報に記載の手法で合成した。
[中間体合成4(実施例2及び実施例4にて使用する中間体M20と、M20に至る中間体M16〜19の合成)]
【0076】
【化13】
【0077】
<中間体M16の合成>
中間体M07(関東科学、7.5g 30.6mmol)及び1,4-ジブロモブタン(19.8g, 91.8mmol, 3MR)をアセトン(60ml, 30.6mmol)に希釈し、炭酸カリウム(8.5g, 61.2mmol, 2MR)を
添加し、18時間加熱還流した。反応液を室温に冷却後、ろ過して得られたろ液を濃縮し、メタノール(150ml)を添加して氷冷下激しく攪拌した。析出した固体をろ過し、白色固体
として中間体M16(9.62g,収率82%)を取得した。
【0078】
中間体M16が得られていることを、
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)により以下のピークが得ら
れたことにより確認できた。:7.12-7.16(m, 2H), 6.82-6.86(m, 2H), 4.00(t, J=6.0Hz, 2H), 3.51(t, J=6.8Hz, 2H), 2.39-2.47(m, 1H), 2.05-2.12(m, 2H), 1.87-1.98(m, 6
H), 1.21-1.48(m, 13H), 1.00-1.11(m, 2H), 0.92(t, J=7.0Hz, 3H)
【0079】
<中間体M17の合成>
中間体M09(東京化成、15.0g, 70.0mmol)をエタノール(300ml, 20VR)に希釈し、98%硫酸(0.5ml)を添加して還流下で16時間反応した。反応液を室温に冷却し、エタノールを留
去し、析出した固体をヘキサン(50ml)、酢酸エチル(10ml)にて懸洗し、白色固体として中間体M10(14.3g, 収率85%)を取得した。
【0080】
中間体M10が得られていることを、
1H-NMR(400MHz,CDCl
3)により、以下のピークが得
られたことから確認できた。:8.10-8.11(m, 2H), 7.62-7.64(m, 2H), 7.54-7.56(m, 2H), 6.95-6.97(m, 2H), 4.40-4.45(m, 2H), 1.44(t, J=7.2Hz, 3H)。
この中間体M10(3.49g, 14.4mmol)及び中間体M16(5.50g, 14.4mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(50ml,14VR)に希釈し、炭酸カリウム(3.98g, 28.8mmol, 2MR)を添加して60
℃に加温して1時間反応した。室温に冷却後、水(50ml)を添加し、析出した固体をろ過し
、メタノール(50ml)にて洗浄して白色固体として中間体M17(8.01g, LCarea97%)を取得し
た。
【0081】
<中間体M18の合成>
LiAlH
4(1.09g, 28.8mmol, 2MR)を脱水THF(関東化学品、405VR)ml)にて懸濁させ、氷
冷下、中間体M17(7.82g, 14.4mmol)の脱水THF(40ml,5VR)懸濁溶液を少しずつ滴下した
。反応を室温に昇温し、さらに1時間反応させた後、氷冷していた1N塩酸水溶液(160ml)にゆっくり滴下した。この溶液を室温にもどし、クロロホルム(200ml)にて抽出し、有機
層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。白色固体として中間体M18(5.74g, 収率80%)を取得した。
【0082】
<中間体M19の合成>
中間体M18(5.7g, 11.4mmol)をクロロホルム(60ml, 10VR)に希釈し、トリフェニルホ
スフィン(4.49g,17.1mmol)、四臭化炭素(5.31g, 6.0mmol)を添加して12時間反応した。反応液にメタノール(120ml)を滴下し、析出した固体をろ過し、淡黄白色固体として中
間体M19(5.78g、収率90%)を取得した。
【0083】
<中間体M20の合成>
中間体M19(5.7g,10.3mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(57ml, 10VR)に希釈し、炭酸カリウム(1.71g, 12.4mmol, 1.2MR)を添加して60℃にて1時間反応させた。反応液を
室温に冷却し、水(100ml)をゆっくり滴下し、析出した固体をろ過し、メタノール(20ml)
にて結晶を洗浄した。白色結晶として中間体M20(5.60g, LCaraea92%, 収率87%)を取得した。
【0084】
[中間体合成5(実施例1及び3で使用する中間体M14とM14に至る中間体M08、11〜13
の合成)]
【0085】
【化14】
【0086】
<中間体M08の合成>
1,4-ジブロモブタンのかわりに、1,6-ジブロモヘキサンを用いた以外は中間体M16の合成と同様に行い、中間体M08を取得した。
<中間体M11の合成>
中間体 M16のかわりに、中間体M08をN,N-ジメチルホルムアミドに希釈した以外は、中
間体M17の合成と同様に行い、中間体M11を得た。
【0087】
<中間体M12の合成>
中間体 M17のかわりに、中間体M11の脱水THF懸濁溶液を少しずつ滴下した以外は中間体M18の合成同様に行い、中間体M12を得た。
<中間体M13の合成>
中間体 M18のかわりに、中間体M12を用いた以外は中間体M19の合成と同様に行い、中
間体M13を得た。
【0088】
<中間体M14の合成>
中間体 M19のかわりに、中間体M13を用いた以外は中間体M20の合成と同様に行い、中
間体M14を得た。
[中間体合成6(実施例3で使用する中間体M22の合成)]
【0089】
【化15】
【0090】
中間体M22は、特開2010-155924号公報に記載の手法で合成した。
[中間体合成7(実施例4で使用する中間体M23の合成)]
【0091】
【化16】
【0092】
中間体M23は、特開2010-155924号公報に記載の手法で合成した。
[中間体合成8(実施例5で使用する中間体M25とM25に至る中間体M24の合成)]
【0093】
【化17】
【0094】
中間体M24は、特開2009-007485号公報に記載の方法で合成した。また、中間体M25は中
間体M24より、特開2009-007486号公報に記載の方法で合成した。
[中間体合成9(実施例6で使用される中間体M26と実施例5で使用される中間体M27の
合成)]
【0095】
【化18】
【0096】
<中間体M27の合成>
中間体M07のかわりに、中間体M33(Synthon Chamical社製)を用いた以外は中間体M16の合成と同様に行い、中間体M34を取得した。
中間体 M16のかわりに中間体M34をN,N-ジメチルホルムアミドに希釈した以外は、中間
体M17の合成と同様に行い、中間体M35を得た。
【0097】
中間体 M17のかわりに、中間体M35の脱水THF懸濁溶液を少しずつ滴下した以外は中間体M18の合成同様に行い、中間体M36を得た。
中間体 M18のかわりに、中間体M36を用いた以外は中間体M19の合成と同様に行い、中
間体M26を得た。
中間体 M19のかわりに、中間体M26を用いた以外は中間体M20の合成と同様に行い、中
間体M27を得た。
【0098】
[中間体合成10(実施例6で使用する中間体M28の合成)]
【0099】
【化19】
【0100】
<中間体M28の合成>
中間体M28 は、中間体M24より、特開2009-007486号公報に記載の手法で合成した。
<実施化合物の合成>
[実施例1]
【0101】
【化20】
【0102】
中間体M31(Pyram社製)及び中間体M14を用いて、特開2009-007486号公報に記載
の手法で実施例化合物1を合成した。
実施例化合物1は、R
1がペンチル基、n
1=2でA
1が1,4−フェニレン基と(E
)−シクロヘキサンー1,4−ジイル基が一つづつ、m
1=1でB
1が-OCH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2O-基、m
2=2でA
2が1,4−フェニレン基、L
1が主鎖上の原子数が奇数である1であるメチレン基で、m
3=1でX
1が−NH―、n
2=1でAr
1が1,4−ナフチレン基、n
3=3でAr
2が、1,4−フェニレン基と1,4−ナフチレン基、X
2が−NH―、L
2が主鎖上の原子数が奇数である1であるメチレン基で、n
4=2でA
3が1,4−フェニレン基、B2が-OCH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2O-基、n
5=2でA
4が1,4−フェニレン基と(E)−シクロヘキサンー1,4−ジイル基が一つづつ、R
2がペンチル基であり、式(I)に含まれる構造である。
[実施例2]
【0103】
【化21】
【0104】
中間体M31及び中間体M20を用いて、特開2009-007486号公報に記載の手法で実施
例化合物2を合成した。
実施例化合物2は、R
1がペンチル基、n
1=2でA
1が1,4−フェニレン基と(E
)−シクロヘキサンー1,4−ジイル基が一つづつ、m
1=1でB
1が-OCH
2CH
2CH
2CH
2O-基、m
2=2でA
2が1,4−フェニレン基、L
1が主鎖上の原子数が奇数である1であるメチレン基で、m
3=1でX
1が−NH―、n
2=1でAr
1が1,4−ナフチレン基、n
3=3でAr
2が、1,4−フェニレン基と1,4−ナフチレン基、X
2が−NH―、L
2が主鎖上の原子数が奇数である1であるメチレン基で、n
4=2でA
3が1,4−フェニレン基、B2が-OCH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2O-基、n
5=2でA
4が1,4−フェニレン基と(E)−シクロヘキサンー1,4−ジイル基が一つづつ、R
2がペンチル基であり、式(I)に含まれる構造である。
実施例1及び2の化合物は、式(I)に相当する二色性色素である。
[実施例3]
【0105】
【化22】
【0106】
中間体M22(630mg, 1mmol)をジメチルホルムアミド:N-メチルー2-ピロリドン=17:8(63ml, 100VR)にて希釈し、氷浴にて冷却後、35%塩酸水溶液(0.28ml, 3MR)、亜硝酸ナト
リウム(70mg, 1.05mmol, 1.05MR)の飽和水溶液を5℃以下を保って順次ゆっくり滴下し、
ジアゾ二ウム塩溶液とした。別の容器に中間体M14(653mg, 1mmol)、THF(63ml, 100VR)
を仕込み、氷浴にて冷却し、ここに前述のジアゾ二ウム塩溶液を5℃以下を保ってゆっく
りと滴下した。30分反応後、室温に昇温し、酢酸ナトリウム(3.0g)、水(50ml)を滴下して析出した固体をろ過した。得られた残渣をシリカゲルカラム(吸着法、関東科学N60中
性、200ml、クロロホルム100%)にて精製し、留出部を濃縮し、クロロホルム(100ml)、酢酸エチル(200ml)を添加して懸洗、ろ過し、黒色固体として実施例化合物3(370mg, 収
率30%)を取得した。実施例化合物3は、R
1がペンチル基、n
1=2でA
1が1,4−フェニレン基と(E)−シクロヘキサンー1,4−ジイル基が一つづつ、m
1=0、m
2=0、L
1が直接結合で、m
3=0で、n
2=1でAr
1が1,4−フェニレン基、n
3=3でAr
2が1,4−ナフチレン基、X
2が−NH―、L
2が主鎖上の原子数が奇数であ
る1であるメチレン基で、n
4=2でA
3が1,4−フェニレン基、B2が-OCH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2O-基、n
5=2でA
4が1,4−フェニレン基と(E)−シクロヘキサンー1,4−ジイル基が一つづつ、R
2がペンチル基であり、式(I)に含まれる構造である。
[実施例4]
【0107】
【化23】
【0108】
中間体M22のかわりに中間体M23、中間体M14のかわりに中間体M20を用いた以外は実施例3と同様の手法にて実施例化合物4を合成した。実施例化合物4は、R
1がペンチル基、
n
1=2でA
1が1,4−フェニレン基と(E)−シクロヘキサンー1,4−ジイル基が一つづつ、m
1=0、m
2=0、L
1が直接結合で、m
3=0で、n
2=1でAr
1が1,4−フェニレン基、n
3=2でAr
2が1,4−ナフチレン基、X
2が−NH―、L
2
が主鎖上の原子数が奇数である1であるメチレン基で、n
4=2でA
3が1,4−フェニレン基、B2が-OCH
2CH
2CH
2CH
2O-基、n
5=2でA
4が1,4−フェニレン基と(E)−シクロヘキサンー1,4−ジイル基が一つづつ、R
2がペンチル基であり、式(I)に含まれる構造である。
[実施例5]
【0109】
【化24】
【0110】
中間体M22のかわりに中間体M25、中間体M14のかわりに中間体M27を用いた以外は実施例3と同様の手法にて実施例化合物5を合成した。実施例化合物5は、R
1がペンチル基、n
1=2でA
1が1,4−フェニレン基と(E)−シクロヘキサンー1,4−ジイル基が一つづつ、m
1=0、m
2=0、L
1が直接結合で、m
3=0で、n
2=1でAr
1が1,4−フェニレン基、n
3=2でAr
2が1,4−ナフチレン基、X
2が−NH―、L
2が
主鎖上の原子数が奇数である1であるメチレン基で、n
4=2でA
3が1,4−フェニレン基、B2が-OCH
2CH
2CH
2CH
2O-基、n
5=2でA
4が1,4−フェニレン基と(E)−シクロヘキサンー1,4−ジイル基が一つづつ、R
2がヘプチル基であり、式(I)に含まれる構造である。
[実施例6]
【0111】
【化25】
【0112】
中間体M28 (0.150g, 0.258 mmol) と中間体M26(0.152 g, 0.258 mmol) をN,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) に溶解させ、炭酸カリウム (0.071 g, 0.516 mmol) を添加し、60 ℃で2 時間攪拌した。反応液を室温にもどし、水 (10 mL) を加え、水層をクロロホルム
にて抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、ろ過後のろ液を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー (関東科学社製N60シリカゲル 中性、クロロホルム: 200mL) にて精製し、留出部をエバポレーターにより徐々に溶媒留去した。析出した固体をろ取し、実施例化合物6(25 mg, 収率
9%) を得た。実施例化合物6は、R
1がペンチル基、n
1=2でA
1が1,4−フェニレン基と(E)−シクロヘキサンー1,4−ジイル基が一つづつ、m
1=0、m
2=0、L
1が直接結合で、m
3=0で、n
2=1でAr
1が1,4−フェニレン基、n
3=2でA
r
2が1,4−ナフチレン基と1,4−フェニレン基、X
2が酸素原子で、L
2が主鎖上の原子数が奇数である1であるメチレン基で、n
4=2でA
3が1,4−フェニレン基、B2が-OCH
2CH
2CH
2CH
2O-基、n
5=2でA
4が1,4−フェニレン基と(E)−シクロヘキサンー1,4−ジイル基が一つづつ、R
2がヘプチル基であり、式(I)に含まれる構造である。
[比較例1]
【0113】
【化26】
【0114】
比較例化合物1は特開2009-007486号公報に記載の手法で合成した。
[比較例2]
【0115】
【化27】
【0116】
比較例化合物2は中間体M01と中間体M31から特開2009-007486号公報に記載の手法で
合成した。
[比較例3]
【0117】
【化28】
【0118】
比較例化合物3は特開2010-155924号公報に記載の手法で合成した。
[比較例4]
【0119】
【化29】
【0120】
比較例化合物4は、特開2009-007485号公報に記載の手法で合成した。
[比較例5]
【0121】
【化30】
【0122】
比較例化合物5は、中間体M04と中間体M05から特開2009-007486号公報に記載の手法で
合成した。
【0123】
〔二色性色素のλmaxおよびオーダーパラメーター(S値)の評価〕
<実施例化合物1、2、6及び比較例化合物1、2、5の評価>
得られた二色性色素「実施例化合物1、2、6」および「比較例化合物1、2、5」を、フッ素系化合物を主成分とするNn型液晶混合物で、NI点が90℃でΔεが−4.2のものにそれぞれ0.1重量%の濃度で溶解させ、ゲストホスト液晶組成物を調整した。これを、ポリイミド系樹脂を塗布、硬化、ラビング処理した透明電極付きガラス基板を対向させ、液晶が平行配向となるように構成したギャップ50μmのセルに封入した。この着色したセルの配向方向に平行な直線偏光に対する吸光度(A//)及び配向方向に垂直な偏光に対する吸光度(A⊥)を測定し、その吸収ピーク(λmax)におけるオーダーパラ
メーター(S値)を下記の式から求めた。
S=(A//−A⊥)/(2A⊥+A//)
【0124】
<実施例化合物3、4、5及び比較例化合物3、4の評価>
得られた二色性色素「実施例化合物3、4、5」および「比較例化合物3、4」をフッ素系化合物を主成分とするNn型液晶混合物で、NI点が90℃でΔεが−4.2のものにそれぞれ0.5重量%の濃度で溶解させ、ゲストホスト液晶組成物を調整した。これを、ポリイミド系樹脂を塗布、硬化、ラビング処理した透明電極付きガラス基板を対向させ、
液晶が垂直配向となるように構成したギャップ12μmのセルに封入した。セルにファンクションジェネレーター33120A(アジレント社製)で矩形波1Kz5Vをバイポーラ
電源(菊水電子社製)で増幅し振幅20Vを印加したときの吸光度(A20V)及び電圧無印加時の吸光度(A0V)を測定し、その吸収ピーク(λmax)におけるオーダーパラメータ
ー(S値)を下記の式から求めた。
S=(A20V−A0V)/(2A0V+A20V)
この結果を表1に示した。
【0125】
【表1】
【0126】
表1から、アゾ系二色性色素の側鎖部の両末端もしくは片側末端の6員環構造と6員環構造の間に可動性のある直鎖構造を導入した実施例化合物は、6員環構造を直接連結させた比較例化合物よりも、S値の値を向上させられることが分かる。
本分野の一般則として、側鎖部の直列している6員環構造を増やすとS値は向上するが
、溶解度は低下する。ただし、6員環構造の直列でS値が向上するのは、比較例1、2の比較からも明らかな様に3基までであり、比較例2では比較例1よりもS値、溶解度ともに低下している。しかし、実施例1、2では、B1、B2部分を導入したことにより、S値を比較例2の0.86から、それぞれ0.89、0.88に向上させることができ、実施例2では溶解度も向上させられている。
また、比較例3と実施例3の比較、比較例4と実施例5の比較それぞれでは(実施例3は新しいモノの方が使いやすいと思います)、色味を決定する主骨格が共通しているが、それぞれ6員環構造が2基、2基増えており、溶解度が低下するはずだが溶解度はむしろ向上しており、さらにS値が向上していることがわかる。また、比較例5と実施例6の比較では、側鎖部の合計の6員環構造の数は同じであるが、B1,B2部分の導入にとって、S値も溶解度も向上していることがわかる。
このように、本発明は従来の手法では頭打ちであったS値の向上に寄与する画期的なものであることがわかる。