(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のレンズと前記一の方向で隣接した第2のレンズを構成する面が、前記第1のレンズの前記一の方向における前記レンズ端部よりも、前記第1のレンズの前記光軸から離間した領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
前記アレイレンズの各々のレンズの光軸が一定間隔で配置され、対応する前記光源の前記光軸と前記レンズの前記光軸とがオフセットするように、前記光源が配置されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光源装置。
前記光源の前記光軸が一定間隔で配置され、対応する前記光源の前記光軸と前記レンズの前記光軸とがオフセットするように、前記アレイレンズの各々の前記レンズが形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光源装置。
前記アレイレンズの各々の前記レンズから出射した光の集光点から離れるにつれて、対応する前記光源の前記光軸と前記レンズの光軸とのオフセット量が大きくなることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の光源装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施態様1に係る光源装置では、一の方向に配置された2以上の光源と、前記光源の各々に対応し、2以上のレンズを有するアレイレンズと、を備え、それぞれの前記レンズから出射した光が一点に集光するように、それぞれの前記レンズのうちの第1のレンズにおいて、対応する前記光源の光軸が前記第1のレンズの光軸に対して前記一の方向にオフセットして配置され、前記一の方向における前記第1のレンズの光軸からレンズ端部までの長さが、前記一の方向と逆の方向における前記第1のレンズの光軸からレンズ端部までの長さよりも長くなるように、前記第1のレンズが形成されている。
【0012】
実施態様では、光源の光軸がレンズの光軸からオフセットして配置されているので、集光レンズを用いることなく、2以上の光源からの光を集光させることができる。更に、光源の光軸がレンズの光軸からオフセットして配置された方向である一の方向において、第1のレンズの光軸からレンズ端部までの長さが、逆の方向における第1のレンズの光軸からレンズ端部までの長さよりも長くなるように、第1のレンズが形成されている。つまり、第1のレンズの受光面が光源のオフセット方向(一の方向)に延びて形成されている。よって、各光源の間隔及び各光源に対応するレンズの間隔を狭くしても、光源からの光
が隣接するレンズに入射して、想定外の方向に出射する虞がなく、光源からの光を確実に集光させることができる小型で高出力な光源装置を提供することができる。
なお、本実施態様では、極めて限られた領域に集光することを「一点に集光するように」と記載する。
【0013】
本発明の実施態様2に係る光源装置では、上記の実施態様1において、前記第1のレンズと前記一の方向で隣接した第2のレンズを構成する面が、前記第1のレンズの前記一の方向における前記レンズ端部よりも、前記第1のレンズの前記光軸から離間した領域に形成されている。
【0014】
本実施態様によって、第1のレンズに対応した光源から出射された光が、隣接する第2のレンズに入射することを確実に防いで、光源からの光を確実に集光点に集光させることができる。
【0015】
本発明の実施態様3に係る光源装置では、上記の実施態様2において、前記第1のレンズと前記第2のレンズとが滑らかな曲線で連続して形成されている。
【0016】
本実施態様により、第1のレンズと第2のレンズとが滑らかな曲線で連続して形成されているので、成型等によるアレイレンズの製造を容易に行うことができ、強度的にも有利なアレイレンズを提供できる。
【0017】
本発明の実施態様4に係る光源装置では、上記の実施態様1〜3の何れかにおいて、前記アレイレンズの各々のレンズの光軸が一定間隔で配置され、対応する前記光源の前記光軸と前記レンズの前記光軸とがオフセットするように、前記光源が配置されている。
【0018】
本実施態様では、アレイレンズの各々のレンズの光軸が一定間隔で配置されているので、精度の高いアレイレンズを容易に低い製造コストで形成できる。延いては、集光レンズを用いずに確実に光源からの光を集光できる光源装置を、容易に低い製造コストで提供することができる。
【0019】
本発明の実施態様5に係る光源装置では、上記の実施態様1〜3の何れかにおいて、前記光源の前記光軸が一定間隔で配置され、対応する前記光源の前記光軸と前記レンズの前記光軸とがオフセットするように、前記アレイレンズの各々の前記レンズが形成されている。
【0020】
本実施態様により、光源の光軸が一定間隔で配置されているので、光源装置の組み立てが容易になり、集光レンズを用いずに確実に光源からの光を集光できる精度の高い光源装置を、容易に低い製造コストで得ることができる。
【0021】
本発明の実施態様6に係る光源装置では、上記の実施態様1〜5の何れかにおいて、前記アレイレンズの各々の前記レンズが、曲面を表す同一の関数に基づいて形成されている。
【0022】
レンズの曲面として、球面及び非球面が考えられるが、それらの曲面を表す同一の関数に基づいてレンズが形成されている。同一の関数に基づくとは、球面であれば曲率(曲率半径)が同一であることを挙げることができ、非球面であれば、例えば、非球面を回転2次曲面の式及び3次以上の多次項(例えば、偶数次項または奇数次項)を含めた多項式で表す場合において、曲率、コーニック定数、非球面定数等が同一であることを挙げることができる。
【0023】
本実施態様では、曲面を表す同一の関数に基づいてレンズを形成するので、レンズの受光面が光源のオフセット方向(一の方向)に滑らかに延ばされ所望の曲面形状を有するアレイレンズを、確実に容易に形成することができる。よって、集光レンズを用いずに確実に光源からの光を集光できる精度の高い光源装置を提供できる。
【0024】
本発明の実施態様7に係る光源装置では、上記の実施態様1〜6の何れかにおいて、前記アレイレンズの各々の前記レンズから出射した光の集光点から離れるにつれて、対応する前記光源の前記光軸と前記レンズの光軸とのオフセット量が大きくなっている。
【0025】
本実施態様により、集光点から離れるにつれて、対応する光源の光軸とレンズの光軸とのオフセット量が大きくなっているので、集光レンズを用いずに、確実に各光源からの光を集光点に集光することができる。
【0026】
本発明の実施態様8に係る光源装置では、上記の実施態様1〜7の何れかにおいて、前記アレイレンズの各々の前記レンズから出射した光の集光点に蛍光部材が配置されている。
【0027】
本実施態様では、光の集光点に蛍光部材が配置されているので、光源からの光と、蛍光部材によって波長変換された光とを用いて、所望の波長帯域の光を出射することができる。
【0028】
本発明の実施態様9に係る光源装置では、上記の実施態様8において、前記蛍光部材の大きさが前記アレイレンズより小さくなっている。
【0029】
本実施態様では、蛍光部材の大きさがアレイレンズより小さくなっているので、所望の波長帯域の光を出射する小型で高出力な光源装置を提供することができる。
【0030】
本発明の実施態様10に係る光源装置では、上記の実施態様8または9において、前記蛍光部材が、入射した光に対して補色となる波長帯の光を発する。
【0031】
本実施態様では、蛍光部材が、入射した光に対して補色となる波長帯の光を発するので、本実施態様の光源装置を、広い用途に用いることができる白色光源として提供することができる。
【0032】
本発明の実施態様11に係る光源装置では、
前記光源から、前記レンズから出射した光の集光点までの光路が密閉されている。
【0033】
本実施態様により、光源から出射光の集光点までの光路が密閉されているので、光路にゴミやほこり等が付くことなく、長く使用しても高性能を維持可能な光源装置を提供できる。
【0034】
本発明の実施態様12に係る光源装置では、
一の方向に配置された2以上の光源と、
前記光源の各々に対応し、2以上のレンズを有するアレイレンズと、
を備え、
それぞれの前記レンズから出射した光が一点に集光するように、それぞれの前記レンズのうちの第1のレンズにおいて、対応する前記光源の光軸が前記第1のレンズの光軸に対して前記一の方向にオフセットして配置され、
前記一の方向における前記第1のレンズの光軸からレンズ端部までの長さが、前記一の方向と逆の方向における前記第1のレンズの光軸からレンズ端部までの長さよりも長くなるように、前記第1のレンズが形成され、
前記第1のレンズと前記一の方向で隣接した第2のレンズを有し、前記第1のレンズと第2のレンズとが、連続して形成されている。
【0035】
本実施態様では、上記の実施態様1と同様に、第1のレンズの受光面が光源のオフセット方向(一の方向)に延びて形成されているので、各光源の間隔及び各光源に対応するレンズの間隔を狭くしても、光源からの光が隣接するレンズに入射して、想定外の方向に出射する虞がなく、光源からの光を確実に集光させることができる。
更に、第1のレンズ及び第2のレンズを有し、第1のレンズと一の方向で隣接した第2のレンズとが連続して形成されているので、 小型なアレイレンズを実現でき、延いては小型で高出力な光源装置を提供することができる。
【0036】
本発明の実施態様13に係る光源装置では、上記の実施態様12において、
さらに前記一の方向と逆の方向における第1のレンズは、表面が切り欠かれた領域を有する。
【0037】
本実施態様では、一の方向と逆の方向における第1のレンズは、表面が切り欠かれた領域を有するので、小型なアレイレンズでありながら、第2のレンズに対応する光源からの光が隣接する第1のレンズに入射することを確実に防ぐことができる。
【0038】
本発明の実施態様14に係る光源装置では、上記の実施態様13において、
前記第1のレンズと前記第2のレンズとが滑らかな曲線で連続して形成されている。
【0039】
本実施態様により、第1のレンズと第2のレンズとが滑らかな曲線で連続して形成されているので、成型等によるアレイレンズの製造を容易に行うことができ、強度的にも有利なアレイレンズを提供できる。
【0040】
なお、上述の[発明の効果]や各実施態様の説明において、「発明の実施態様によれば、集光レンズを用いることなく2以上の光源からの光を集光させることができる」と記載されているが、集光レンズを備えた光源配置も本発明に含まれ、例えば、アレイレンズの直後に別の集光レンズを配置してもよく、集光レンズを配置することによって焦点距離を短くすることができ、またサイズの小さい集光レンズを採用することができる。
【0041】
(本発明の実施態様に係る光源装置の概要の説明)
はじめに、
図1Aに示す本発明の実施態様に係る光源装置及び
図1Bに示す比較例の光源装置を比較しながら、本発明の実施態様に係る光源装置の概要の説明を行う。
図1A
は、本発明の実施態様に係る光源装置の光源装置の基本構成を説明するための模式図(断面図または側面図に相当)であり、
図1Bは、比較例の光源装置の基本構成を説明するための模式図(断面図または側面図に相当)である。なお、
図1A及び
図1Bでは、光源から出射された光の進み方を模式的に表すもので、2つの直線が光の外郭をさしている。
【0042】
はじめに、本発明の実施態様に係る光源装置及び比較例の光源装置で共通する部分の説明を行う。なお以下の記載において、参照番号は、
図1Aに示す本発明の実施態様に係る光源装置のものを最初に示し、次に括弧の中に
図1Bに示す比較例の光源装置のものを示す。
【0043】
光源装置2(102)は、光軸と直交する方向(
図1Aの矢印C、
図1Bの矢印D参照)に配置された複数(
図1A、
図1Bともに4個)の光源4a〜4d(104a〜104d)で構成される光源群4(104)と、各々の光源4a〜4d(104a〜104d)に対応するレンズ6a〜6d(106a〜106d)が一体的に形成されたアレイレンズ6(106)とを備える。なお、光源4a〜4d(104a〜104d)の光軸、及び対応するレンズ6a〜6d(106a〜106d)の光軸は、それぞれ平行になるように配置されている。
【0044】
下記に詳述するように、各々の光源4a〜4d(104a〜104d)の光軸は、対応するレンズ6a〜6d(106a〜106d)の光軸に対してオフセットして配置されており、これにより、集光レンズを用いることなく、光源からの光を一点に集光するようにことができる。
なお、極めて限られた領域に集光することを「一点に集光するように」と記載した。
【0045】
このような構成により、例えば、光源群4(104)が青色光を出射する光源で構成され、蛍光部材8(108)が、青色光が入射したときに補色となる黄色光を発する場合には、青色光及び黄色光が混合されて、光源装置2(102)から白色光を出射することができる。これにより、光源装置2(102)を、白色光源として用いることができる。
【0046】
図1A、
図1Bに示す光源装置2(102)では、複数の光源4a〜4d(104a〜104d)からの光を、集光レンズを用いずに集光するため、光源4a〜4d(104a〜104d)の光軸が、対応するレンズ6a〜6d(106a〜106d)の光軸(つまりレンズの中心)に対して、直交方向にオフセットして配置されている。
例えば、光源4c(104c)及びそれに対応するレンズ6c(106c)の場合であれば、光源4c(104c)の光軸が、対応するレンズ6c(106c)の光軸から、光軸と直交した方向である矢印C(矢印D)で示す方向(このような光源のオフセット方向を「一の方向」と称する場合もある)に、オフセット量Δだけオフセットして配置されている。
【0047】
同様に、その他の光源4a(104a)、4b(104b)及び4d(104d)についても、対応するレンズ6a(106a)、6b(106b)及び6d(106d)から、光軸と直交する方向に所定のオフセット量だけオフセットして配置されている。
更に詳細に述べれば、4個並んだ各光源4a〜4d(104a〜104d)の中央、つまり光源4bと4cの間(104bと104dの間)の位置に集光するようになっており、集光点を通る光軸と平行な中央線CLに対して、光源4b、4a(104b、104a)及び光源4c、4d(104c、104d)は、それぞれ対称に配置されている。そして、各々の光源4a〜4d(104a〜104d)の光軸が、対応するレンズ6a〜6d(106a〜106d)の光軸よりも、中央線CLから離れた位置(外側)にくるように配置されている。
よって、光源4a、4b(104a、104b)では、矢印C(矢印D)で示す方向と逆の方向が、光源のオフセット方向(一の方向)となり、光源4d(104d)では、光源4c(104c)と同様に、矢印C(矢印D)で示す方向が光源のオフセット方向(一の方向)となる。
【0048】
図1A、
図1Bに示す実施形態では、中央線CLに対して対称に配置されているので、中心線CLに近く配置されている(つまり内側に配置されている)、光源4b(104b)の光軸及び中央線CLの間の距離Lb(Lb’)と、光源4c(104c)の光軸及び中央線CLの間の距離Lc(Lc’)とは等しくなっている。同様に、中心線CLから離れて配置されている(つまり外側に配置されている)、光源4a(104a)の光軸及び中央線CLの間の距離La(La’)と、光源4d(104d)の光軸及び中央線CLの間の距離Ld(Ld’)とは等しくなっている。
【0049】
図1に示す実施形態におけるオフセット量は、集光点(中央線CL)から離れるにつれて、大きく設定されており、光源4b(104b)のオフセット量よりも光源4a(104a)のオフセット量が大きく、光源4c(104c)のオフセット量よりも光源4d(104d)のオフセット量が大きくなっている。また、光源4b及び4c(104b及び4c)のオフセット量は等しく(=Δ)、光源4a及び4d(104a及び104d)のオフセット量は等しくなっている。光源4a及び4d(104a及び104d)のオフセット量は、本実施形態ではΔより大きい値になっているが、これに限られるものではなく、例えば、Δと同じ値であってもよい。
【0050】
<比較例の光源装置のアレイレンズの説明>
以上のような、光源装置102において、アレイレンズ6の光源104a〜104dに対応するレンズ106a〜106dの形状は、何れも、光軸と直交する光源のオフセット方向(一の方向)におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さと、逆の方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さとが同一になっている。
図1Bにおいて、光源104cに対応するレンズ106cを例に取れば、光源のオフセット方向(一の方向)におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さL102と、逆の方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さL101とが同一になっている。つまり、レンズが光軸に対して対称に形成されている。なお、他のレンズ106a、b及びdも同様に、光軸に対して対称に形成されている。
【0051】
一般的に、光源装置の高出力化及び小型化のためには、光源の数を増やすとともに、光源の間隔及び光源に対応するレンズの間隔を狭くする必要がある。この場合、
図1Bに示す比較例の光源装置102では、光源の光軸と対応するレンズの光軸とがオフセットして配置されているにも関わらず、レンズは光軸に対して対称に形成されている。このため、光源104cから出射された光を例に取れば、光源から出射された光の発散角によっては、
図1Bの矢印Bに示すように、光源104bからの光が、対応するレンズ106cではなく隣接するレンズ106dに入射して、集光方向とは逆の外側の方向(想定外の方向)へ出射される虞がある。また、これにより迷光の原因にもなる。
【0052】
<本発明の実施態様に係る光源装置のアレイレンズの説明>
上記のような構成の光源装置2において、アレイレンズ6の光源4a〜4dに対応するレンズ6a〜6dの形状は、何れも、光軸と直交する光源のオフセット方向(一の方向)におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さが、逆の方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さよりも長くなるように形成されている。
図1Aにおいて、光源4cに対応するレンズ6cを例に取れば、光源のオフセット方向(一の方向)におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さL2が、逆の方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さL1よりも長くなっている。つまり、レンズの受光面が光源のオフセット方向に延びた、光軸に対して非対称な形状を有している。
【0053】
このようなレンズ6cの形状により、光源4cから出射された光を例に取れば、
図1Aの矢印Aに示すように、光源4cからの光を隣接するレンズ6dに入射させることなく、確実に対応するレンズ6cに入射させることができる。
同様に、他のレンズ6a、b及びdも、光源のオフセット方向(一の方向)におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さが、逆の方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さよりも長くなっている。
このような構成により、
図1Aに示す本発明の実施態様に係る光源装置2では、光源のオフセット方向(一の方向)にレンズの受光面が延びているので、各光源4a〜dからの光を隣接するレンズに入射させることなく、確実に対応するレンズ6a〜6dに入射させることができる。
【0054】
よって、光源の光軸がレンズの光軸からオフセットして配置されているので、集光レンズを用いることなく、2以上の光源からの光を集光させることができ、各光源の間隔及び各光源に対応するレンズの間隔を狭くしても、光源からの光が隣接するレンズに入射して、想定外の方向に出射する虞がなく、光源からの光を確実に集光させることができる小型で高出力な光源装置2を提供することができる。
【0055】
なお、
図1Aでは、4個の光源及び対応する4個のレンズを有するアレイレンズの場合の実施形態を示しているが、これに限られるものではなく、例えば、6個の光源及び対応する6個のレンズを有するアレイレンズの場合の実施形態を、
図8及び9に示す。また、6個の光源及び対応する6個のレンズを有するアレイレンズの場合の比較例を、
図13A、
図13Bに示す。
【0056】
<本発明の実施態様に係る光源装置に用いる光源の説明>
本発明の実施態様に係る光源装置に用いる光源については、小型で高出力を得られるという観点から、半導体レーザ素子(LD)が好ましいが、これに限られるものではなく、例えば、発光ダイオード(LED)を用いることもできる。これら、半導体レーザ素子、発光ダイオードは、半導体チップであることが好ましい。
光源から出射する光の波長としては、任意の波長帯域の光を用いることができる。演色性を高めるため、可視光領域だけでなく、紫外線領域の光を出射する光源を用いることもできる。例えば、青色光を出射する場合を考えれば、波長として、370〜500nmの光を発することが考えられ、420〜500nmの光を発することが好ましく、440〜470nmの光を発することが更に好ましい。
【0057】
<本発明の実施態様に係るアレイレンズの説明>
アレイレンズは、一列にまたはマトリックス状に配置された複数のレンズが一体的に形成されたレンズであり、透光性に優れる材料であれば、任意の材料を用いて形成することができる。例えば、ガラス材料や、耐熱性が許容できれば樹脂材料を用いることもできる。製造方法も、型を用いた成型だけでなく、機械加工等により製造することもできる。なお、成型でアレイレンズを形成する場合には、一度型を作れば、繰り返しその型を用いて、アレイレンズを製造できるので、低い製造コストでアレイレンズを提供できる。
【0058】
<アレイレンズを構成するレンズの説明>
アレイレンズ6を構成する各レンズの曲面として、球面及び非球面が考えられるが、本実施形態においては、曲面を表す同一の関数に基づいて形成されている。つまり、曲面を表す同一の関数を用いて、レンズの受光面が光源のオフセット方向(一の方向)に延ばされて形成されている。
【0059】
同一の関数に基づくとは、球面であれば曲率(曲率半径)が同一であることを挙げることができ、非球面であれば、例えば、非球面を回転2次曲面の式及び3次以上の多次項(例えば、偶数次項または奇数次項)を含めた多項式で表す場合において、曲率、コーニック定数、非球面定数等が同一であることを挙げることができる。
下記に回転2次曲面の式及び偶数次項からなる多項式の一例を示す。
【0061】
Z(s): サグ量
s: 光軸からの距離
C: 曲率
k: コーニック定数
An: n次の非球面係数
ここで、同一の関数に基づくとは、曲率C、コーニック定数k、非球面係数Anが一致していることを意味する。
【0062】
このように、本実施形態では、曲面を表す同一の関数に基づいてレンズを形成するので、レンズの受光面がオフセット方向に滑らかに延ばされ所望の曲面形状を有するアレイレンズ6を、確実に容易に形成することができる。よって、集光レンズを用いずに確実に光源からの光を集光できる精度の高い光源装置2を提供できる。
【0063】
<本発明の実施態様に係る蛍光部材の説明>
本発明の実施態様に用いる蛍光部材については、任意の波長帯域の光を入射したときに、任意の波長帯域の光を発する蛍光体を含むものを用いることができる。例えば、上記のような青色光が光源から出射されて入射したときに、緑色光を発する蛍光体を含むものや、黄色光を発する蛍光体を含むものや、赤色光を発する蛍光体を含むものが考えられる。
【0064】
黄色光を発する蛍光体としては、Y
3Al
3O
12の化学式で表されるイットリウムアルミニウムガーネット化合物を例示することができる。青色光を出射する光源と、この青色光が入射すると黄色光を発する蛍光体を組み合わせることによって、簡易な構造で、小型で高出力な白色光を出射する光源装置を実現できる。
【0065】
つまり、蛍光部材8が、入射した光に対して補色となる波長帯の光を発する場合には、本実施形態の光源装置2を、広い用途に用いることができる白色光源として提供することができる。
【0066】
上述のように、アレイレンズ6の各々のレンズから出射した光の集光点に、蛍光部材8が配置されているので、光源からの光と、蛍光部材8によって波長変換された光とを用いて、所望の波長帯域の光を出射することができる。
【0067】
また、
図1Aから明らかなように、蛍光部材8の大きさがアレイレンズ6より小さくなっているので、所望の波長帯域の光を出射する小型で高出力な光源装置2を提供することができる。
なお、蛍光部材は固定した状態であってもよいし、モータと接続した回転板に設置されたもの(つまり蛍光体ホイール)であってもよい。
【0068】
(レンズの受光面をオフセット方向(一の方向)に延ばす長さを定める方法の説明)
上述のように、本発明の実施態様においては、光源からの光を、集光レンズを用いずに集光点に集光させるために、光源の光軸が対応するレンズの光軸に対してオフセットして配置されており、光源からの光が確実に対応するレンズの受光面に入射させるため、これに応じて、各レンズにおいて、対応する光源のオフセット方向(一の方向)にレンズの受光面が延ばされて形成されている。
【0069】
ここで、光源のオフセット量を大きくすれば、光軸方向において短い距離で集光させることができる。つまり、集光レンズで言えば焦点距離を短くできる。しかし、光源のオフセット量が大きくなれば、それに応じて、レンズの受光面をより大きくオフセット方向(一の方向)に延ばす必要が生じるので、光源装置の光軸と直交する方向の寸法が長くなる。
また、レンズの受光面をオフセット方向(一の方向)にどれだけ延ばすかについては、オフセット量だけでなく、光源から出射される光の発散角や、光源とレンズとの間の距離にも影響を受ける。発散角が大きければ、オフセット方向(一の方向)に延ばす長さを長くする必要があり、光源とレンズとの間の距離が長くなれば、オフセット方向(一の方向)に延ばす長さを長くする必要がある。よって、レンズの受光面をオフセット方向(一の方向)にどれだけ延ばすかについては、オフセット量、発散角及び光源とレンズとの間の距離に基づいて、光源からの光を確実に対応するレンズの受光面に入射させるように定める必要がある。更に、その範囲内において、極力延ばす長さが短くなるように定めることが好ましく、これにより光源装置の小型化に貢献できる。
【0070】
<レンズの受光面を延長する長さを定めるための実施形態1の説明>
次に、
図2を用いて、本発明の実施態様に係るアレイレンズにおいて、各レンズの受光面をオフセット方向(一の方向)に延ばす長さを定めるための実施形態1の説明を行う。
図2は、レンズの受光面を光源のオフセット方向(一の方向)へ延ばす長さを定めるための実施形態1を示す模式図(断面図または側面図に相当)である。
【0071】
図2には、アレイレンズ6の中心側(つまり集光点側)に配置されたレンズ6eと、端部に配置されたレンズ6fとが示されている。レンズ6eでは、対応する光源(図示せず、光源から出射された光のみを直線で示してある)の光軸が、レンズ6eの光軸に対して
Δ1だけオフセットして配置されている。このとき、光源のオフセット方向(一の方向)と反対方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さL3とすると、光源のオフセット方向(一の方向)におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さは、長さL3よりもオフセット量Δ1以内の長さだけ延長されている。
【0072】
この場合、オフセット量Δ1、発散角及び光源とレンズとの間の距離に応じて、最適な延長する長さを定めることができる。なお、光源からの光の発散角が比較的大きい場合や、光源とレンズとの間の距離が比較的大きい場合には、オフセット量Δ1と同程度の長さ分だけ延長することが好ましい。ただし、
図2に示す実施形態はあくまで一例であって、発散角や光源とレンズとの間の距離によっては、オフセット量Δ以内の長さ分だけ延長する場合に限られず、光源の小型化を考慮しながら任意の長さだけ延長することができる。
【0073】
端部に配置されたレンズ6fでも、対応する光源の光軸が、レンズ6fの光軸に対してオフセット量Δ2だけオフセットして配置されている。このとき、光源のオフセット方向(一の方向)と反対方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さを長さL4とすると、光源のオフセット方向(一の方向)におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さは、長さL4よりもオフセット量Δ2以内の長さだけ延長されている。
【0074】
そして、レンズ6fは端部に配置されているので、オフセット量Δ2以内の長さだけ延長した位置で、レンズ6fの端部、つまりアレイレンズ6の端部がカットされて形成されている。なお、場合によっては、オフセット量Δ2以内の長さ分だけ延長した地点でレンズ6f(アレイレンズ6)の端部をカットせず、レンズの受光面に沿ってさらに延長して形成することもできる。
【0075】
<レンズの延長距離を定めるための実施形態2の説明>
次に、
図3を用いて、本発明の実施態様のアレイレンズにおいて、各レンズの受光面をオフセット方向(一の方向)に延ばす長さを定めるための実施形態2の説明を行う。
図3は、レンズの受光面を光源のオフセット方向(一の方向)へ延ばす長さを定めるための実施形態2を示す模式図(平面図に相当)である。
【0076】
本実施形態では、
図3で上下方向に相当する、光源のオフセット方向(一の方向)と直交する方向のレンズの光軸からレンズ端部までの長さを基準に、光源のオフセット方向(一の方向)にレンズの受光面を延ばす長さを定めている。
図3から明らかなように、(模式的に示す)光源が、レンズの光軸よりもオフセット量Δだけオフセットして配置されている。
図3に示すレンズは、半径Rの円形の平面形状を有するレンズにおいて、光源のオフセット方向(一の方向)に受光面が延長された形状を有する。つまり、オフセット方向(一の方向)におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さが、オフセット方向(一の方向)に直交する方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さRよりも長くなるように、レンズが形成されている。
【0077】
本実施形態では、延長する長さとしては、オフセット方向(一の方向)に直交する方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さRよりも、オフセット量Δだけ延長した形状を有する。つまり、オフセット方向(一の方向)におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さが、R+Δになっている。
【0078】
このように、オフセット方向(一の方向)におけるレンズ光軸からレンズ端部までの長さが、これに直交する方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さRよりも、光源の光軸のレンズの光軸からのオフセット量に対応する長さΔだけ長くなっているので、光源からの光を確実の対応するレンズに入射させるとともに、無駄のないレンズ形状を有するアレイレンズが形成可能であり、光源装置の小型化に貢献できる。
【0079】
なお、
図3に示すように、オフセット方向(一の方向)と反対に方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さを、オフセット方向(一の方向)に直交する方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さRより、オフセット量Δだけ短くすることもできる。つまり、オフセット方向(一の方向)と反対の方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さを、R−Δとすることもできる。
【0080】
上述の実施形態では、長さRからオフセット量Δだけ延長または短縮しているが、これに限られるものではなく、長さRからオフセット量Δ以内の任意の長さだけ延長または短縮することもできる。更に、発散角や光源とレンズとの間の距離によっては、長さRからオフセット量Δを超える長さを延長または短縮することもできる。
【0081】
(本発明の実施態様に係るアレイレンズの実施形態1の説明)
次に、
図4を用いて、本発明の実施形態1に係るアレイレンズの説明を行う。
図4は、本発明の実施形態1のアレイレンズを示す模式図(断面図または側面図に相当)である。
図4には、アレイレンズ6の中心側(つまり集光点側)に配置されたレンズ6gと、端部に配置されたレンズ6hとが示されている。レンズ6gでは、対応する光源(光源から出射された光のみを模式的に示す)の光軸が、レンズ6gの光軸に対してΔだけオフセットして配置されている。このとき、光源のオフセット方向(一の方向)と反対方向におけるレンズの光軸からレンズ端部までの長さL5とすると、光源のオフセット方向(一の方向)では、レンズの受光面が、長さL5よりもΔ以内の長さだけ延長されて形成されている。
【0082】
このとき、レンズ6gでオフセット量Δ以内の長さだけ延長された領域について、隣接するレンズ6hのレンズ面が切り欠かれて形成されている。つまり、延長されたレンズ6gの受光面に影響を与えないように、切り欠き領域16が形成されている。なお、切り欠き領域16を形成しない場合のレンズ6hの仮想受光面を、
図4の点線で示す。これにより、レンズ6gに対応する光源からの光が隣接するレンズ6hに入射することを確実に防ぐことができる。なお、切り欠き領域16は、レンズ6hに対応する光源からの光が入射する領域を含まないように形成されている。
【0083】
別の表現をすれば、レンズ6g(第1のレンズ)と光源のオフセット方向(一の方向)で隣接したレンズ6h(第2のレンズ)の受光面が、レンズ6gの一の方向におけるレンズ端部よりも、レンズ6gの光軸から離間した領域に形成されていることを意味する。
このような構成により、レンズに対応した光源から出射された光が、隣接する第2のレンズに入射することを確実に防いで、光源からの光を確実に集光点に集光させることができる。
【0084】
(本発明の実施態様に係るアレイレンズの実施形態2の説明)
次に、
図5を用いて、本発明の実施形態2のアレイレンズの説明を行う。
図5は、本発明の実施形態2のアレイレンズを示す模式図(断面図または側面図に相当)である。
図5に示す実施形態2においても、
図4に示す実施形態1と同様に、アレイレンズ6の中心側(つまり集光点側)に配置されたレンズ6g’と、端部に配置されたレンズ6h’において、レンズ6g’で延長された領域について、隣接するレンズ6h’のレンズ面が切り欠かれて形成されている。
このとき、実施形態2では、レンズ6g’(第1のレンズ)とレンズ6h’(第2のレンズ)とが滑らかな曲線で連続して形成されている(半径r参照)。滑らかな曲線は、球面である場合もあるし、非球面であるその他の任意の曲面を用いることもできる。
【0085】
このような構成により、レンズ6g’(第1のレンズ)とレンズ6h’(第2のレンズ)とが滑らかな曲線で連続して形成されているので、成型等によるアレイレンズの製造を容易に行うことができ、強度的にも有利なアレイレンズ6を提供できる。
【0086】
(本発明の実施態様に係る光源及びアレイレンズの配置の実施形態1の説明)
次に、
図6を用いて、本発明の実施態様の光源及びアレイレンズの配置の実施形態1の説明を行う。
図6は、本発明の実施態様の光源及びアレイレンズの配置の実施形態1を示す模式図(断面図または側面図に相当)である。
図6に示す光源及びアレイレンズの配置の実施形態1では、アレイレンズ6を構成する各々のレンズ6i、6j及び6kの光軸が一定の間隔Dで配置され、対応する光源4i、4j及び4kの光軸が、レンズ6i、6j及び6kの光軸に対してオフセットするように配置されている。従って、同じオフセット方向(一の方向)において、各光源の光軸の間の距離は、オフセット量が同一であれば同じ値となり、オフセット量が異なっていれば、その分だけ異なる値になる。なお、各光源及びレンズのオフセット量については、同一に設定することもできるし、個々で異なる値に設定することもできる。
【0087】
以上のように、アレイレンズ6の各々のレンズ6i〜6kの光軸が一定間隔Dで配置されているので、精度の高いアレイレンズ6を容易に低い製造コストで形成できる。よって、延いては、集光レンズを用いずに確実に光源からの光を集光できる光源装置2を、容易に低い製造コストで提供することができる。
【0088】
(本発明の実施態様に係る光源及びアレイレンズの配置の実施形態2の説明)
次に、
図7を用いて、本発明の実施態様に係る光源及びアレイレンズの配置の実施形態
2の説明を行う。
図7は、本発明の実施態様に係る光源及びアレイレンズの配置の実施形態2を示す模式図(断面図または側面図に相当)である。
図7に示す光源及びアレイレンズの配置の実施形態2では、複数の光源4l〜4nの光軸が一定の間隔dで配置され、対応するレンズ6l、6m及び6nの光軸に対してオフセットするように配置されている。従って、同じオフセット方向(一の方向)において、各レンズの光軸の間の距離は、オフセット量が同一であれば同じ値となり、オフセット量が異なっていれば、その分だけ異なる値になる。なお、各光源及びレンズのオフセット量については、同一に設定することもできるし、個々で異なる値に設定することもできる。
【0089】
以上のように、光源4l〜4nの光軸が一定間隔dで配置されているので、光源装置の組み立てが容易になり、集光レンズを用いずに、確実に光源からの光を集光できる精度の高い光源装置を、容易に低い製造コストで提供できる。
【0090】
なお、本実施形態では、アレイレンズ6を構成する各レンズ6l〜6nの光軸の間隔が異なっているが、成型でアレイレンズ6を製造する場合には、一度型を作れば、繰り返しその型を用いてアレイレンズを製造できるので、アレイレンズの製造コストが上昇する虞はなく、低いい製造コストで光源装置を提供できる。
【0091】
(本発明の実施態様に係る光源及びアレイレンズの配置の実施形態3の説明)
次に、
図8A、
図8Bを用いて、本発明の実施態様に係る光源及びアレイレンズの配置の実施形態3の説明を行う。
図8Aは、本発明の実施態様に係る光源及びアレイレンズの配置の実施形態3を示す模式図(断面図または側面図に相当)であり、
図8Bは、本発明の実施態様に係る光源及びアレイレンズの配置の実施形態3を示す模式図(平面図に相当)である。
【0092】
図8A、
図8Bでは、6個の光源から構成される光源群4と、各光源に対応する6個のレンズから構成されるアレイレンズ6が示されている。
図8A、
図8Bに示す光源群4及びアレイレンズ6の配置は、対応する光源の光軸とレンズの光軸とがオフセット量S1、S2及びS3だけオフセットするようになっている。そして、各レンズは、光源のオフセット方向(一の方向)において、オフセット量に対応した長さだけ、レンズの受光面が延ばされた形状を有する。なお、本実施形態においては、各光源の光軸の間隔や各レンズの光軸の間隔は一定ではなく、オフセット量に合わせて最適な間隔を定めている。
【0093】
光源群4及びアレイレンズ6の配置について、更に詳細に述べれば、各光源及び各レンズは、集光点を通る中央線CLに対して対称に配置されている。一番中央線CLに近い光源及びレンズの光軸は、オフセット量S1だけオフセットして配置され、次に中央線CLに近い光源及びレンズの光軸は、オフセット量S2だけオフセットして配置され、中央線CLから最も離れた光源及びレンズの光軸は、オフセット量S3だけオフセットして配置されている。このとき、S1<S2<S3の関係が成り立つようになっている。
つまり、アレイレンズの各々のレンズが、光の集光点(中央線CL)から離れるにつれて、対応する光源の光軸とレンズの光軸とのオフセット量が大きくなっている。
【0094】
以上のように、集光点から離れるにつれて、対応する光源の光軸とレンズの光軸とのオフセット量が大きくなっているので、集光レンズを用いずに、確実に各光源からの光を集光点に集光することができる。
【0095】
(本発明の実施態様に係る光源及びアレイレンズの配置の実施形態4の説明)
次に、
図9A、
図9Bを用いて、本発明の実施態様に係る光源及びアレイレンズの配置の実施形態4の説明を行う。
図9Aは、本発明の実施態様に係る光源及びアレイレンズの配置の実施形態4を示す模式図(断面図または側面図に相当)であり、
図9Bは、本発明の実施態様に係る光源及びアレイレンズの配置の実施形態4を示す模式図(平面図に相当)である。
【0096】
図9A、
図9Bにも、6個の光源から構成される光源群4と、各光源に対応する6個のレンズから構成されるアレイレンズ6が示されている。
図9A、
図9Bに示す光源群4及びアレイレンズ6の配置は、複数の光源の光軸が一定の間隔d3で配置され、対応する光源の光軸とレンズの光軸とがオフセット量S4、S5及びS6だけオフセットするようになっている。そして、各レンズは、光源のオフセット方向(一の方向)において、オフセット量に対応した長さだけ、レンズの受光面が延ばされた形状を有する。
以上のように、本実施形態では、光源の光軸が一定間隔で配置されているので、光源装置の組み立てが容易になり、集光レンズを用いずに、確実に光源からの光を集光できる精度の高い光源装置を、容易に低い製造コストで提供できる。
【0097】
また光源群4及びアレイレンズ6の配置について、更に詳細に述べれば、本実施形態においても、
図8A、
図8Bに示す実施形態と同様に、各光源及び各レンズは、集光点を通る中央線CLに対して対称に配置されている。一番中央線CLに近い光源及びレンズの光軸は、オフセット量S4だけオフセットして配置され、次に中央線CLに近い光源及びレンズの光軸は、オフセット量S5だけオフセットして配置され、中央線CLから最も離れた光源及びレンズの光軸は、オフセット量S6だけオフセットして配置されている。このとき、S4<S5<S6の関係が成り立つようになっている。
【0098】
つまり、アレイレンズの各々のレンズが、光の集光点(中央線CL)から離れるにつれて、対応する光源の光軸とレンズの光軸とのオフセット量が大きくなっている。
以上のように、集光点から離れるにつれて、対応する光源の光軸とレンズの光軸とのオフセット量が大きくなっているので、集光レンズを用いずに、確実に各光源からの光を集光点に集光することができる。
【0099】
なお、
図13A、
図13Bには、オフセット量に関して、
図9に示す場合に対応する本発明の比較例となる光源及びアレイレンズの配置を示す。
図9の場合と同様に、アレイレンズの各々のレンズが、光の集光点(中央線CL)から離れるにつれて、対応する光源の光軸とレンズの光軸とのオフセット量が大きくなっている、しかし、各レンズが光軸に対して対称に形成されているので、光源からの光が、対応するレンズではなく隣接するレンズに入射して、集光方向とは異なる想定外の方向へ出射される虞がある。また、これにより迷光の原因にもなる。
次に、上述の本発明の実施態様による光源及びアレイレンズを備えた光源装置の説明を、
図10A〜Dから
図12A〜Dを用いて、詳細に行う。
【0100】
(本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態1の説明)
はじめに、
図10A〜Dを用いて、本発明の実施形態1の光源装置の説明を行う。ここで、
図10Aは、本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態1を模式的に示す斜視図(「カバーを取った状態)であり、
図10Bは、本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態1を模式的に示す斜視図(カバーで覆われた状態)であり、
図10Cは、本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態1を模式的に示す平面図(カバーを取った状態)であり、
図10Dは、本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態1を模式的に示す側面図(カバーを取った状態)である。
【0101】
図10Aに示すように、本実施形態の光源装置2では、水平方向に並んだ6個の光源から構成される光源群4と、各光源に対応して水平方向に並んだ6個のレンズから構成されるアレイレンズ6と、アレイレンズからの光が集光する集光点に位置する蛍光部材8とが、基板10の上に設置されている。本実施形態においては、
図10Dの側面図の矢印に示すように、光源群4の光源から光が水平の一方向(右から左方向)に出射され、アレイレンズ6の各レンズで集光されて、蛍光部材8へ入射し、光源群4から出射された波長の光と、蛍光部材8で波長変換された光との混合光が水平方向(右から左方向)に出射される。よって、小型で高出力な光源装置2を提供することができる。
【0102】
(本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態2の説明)
次に、
図11A〜Dを用いて、本発明の実施形態2の光源装置の説明を行う。ここで、
図11Aは、本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態2を模式的に示す斜視図(「カバーを取った状態)であり、
図11Bは、本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態2を模式的に示す斜視図(カバーで覆われた状態)であり、
図11Cは、本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態2を模式的に示す平面図(カバーを取った状態)であり、
図11Dは、本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態2を模式的に示す側面図(カバーを取った状態)である。
【0103】
図11Aに示すように、本実施形態の光源装置2では、水平方向に並んだ6個の光源から構成される光源群4と、各光源に対応して水平方向に並んだ6個のレンズから構成されるアレイレンズ6と、アレイレンズからの光を反射するプリズム14と、プリズム14の直上に配置され、且つアレイレンズからの光が集光する集光点に位置する蛍光部材8とが、基板10の上に設置されている。なお、蛍光部材8は、基板10上に設置された支持部材(図示せず)を介して、プリズム14の直上に位置付けられている。
【0104】
上述の光源装置の実施形態1と異なるのは、光源から水平方向に出射された光が、プリズム14によって、進む方向が90度変えられて、上方から出射される点にある。
つまり、
図11Dの側面図の矢印に示すように、光源群4の光源から光が水平の一方向(右から左方向)に出射され、アレイレンズ6の各レンズで集光されて、プリズム14で進行方向が90度変えられて、上方へ出射された光が蛍光部材8へ入射し、光源群4から出射された波長の光と、蛍光部材8で波長変換された光との混合光が垂直上方に出射される。よって、光の出力方向に対して、厚みの薄い光源装置2を提供できるので、効率的な配置が実現できる。
【0105】
(本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態3の説明)
次に、
図12A〜Dを用いて、本発明の実施形態3の光源装置の説明を行う。ここで、
図12Aは、本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態3を模式的に示す斜視図(「カバーを取った状態)であり、
図12Bは、本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態3を模式的に示す斜視図(カバーで覆われた状態)であり、
図12Cは、本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態3を模式的に示す平面図(カバーを取った状態)であり、
図12Dは、本発明の実施態様に係る光源装置の実施形態3を模式的に示す側面図(カバーを取った状態)である。
【0106】
図12Aに示すように、本実施形態の光源装置2では、本発明の実施形態2の光源装置と同様に、光源から水平方向に出射された光が、プリズム14によって、進む方向が90度変えられて、上方から出射される。
図11に示す光源装置の実施形態2と異なるのは、6個の光源から構成される光源群4及びそれに対応した6個のレンズから構成されるアレイレンズ6のペアが2対あり、プリズム14が水平方向の両側から光を入射できるように形成されている点である。
【0107】
更に詳細に述べれば、
図12Dに示すように、2対の光源群4及びアレイレンズ6のペアが、プリズム14を中心に対称に配置されている。
図12Dの側面図の矢印に示すように、右側の光源群4の光源から光が水平の一方向(右から左方向)に出射され、アレイレンズ6の各レンズで集光されて、プリズム14で進行方向が90度変えられて上方へ出射された光が、蛍光部材8へ入射し、光源群4から出射された波長の光と、蛍光部材8で波長変換された光との混合光が垂直上方に出射される。
【0108】
同様に、左側の光源群4の光源から光が水平の一方向(左から右方向)に出射され、アレイレンズ6の各レンズで集光されて、プリズム14で進行方向が90度変えられて上方へ出射された光が、蛍光部材8へ入射し、光源群4から出射された波長の光と、蛍光部材8で波長変換された光との混合光が垂直上方に出射される。つまり、左右の光源群4及びアレイレンズ6のペアからの2つの光が合わされて出射されることになる。よって、大きさに比べて高出力な効率的な配置の光源装置2を提供することができる。
【0109】
本発明の実施形態2及び3の光源装置では、プリズム14を用いて光の進行方向を変更しているが、これに限られるものではなく、ミラーをはじめとする光の進行方向を変更可能な任意の光学部品を用いることができる。また、光の進行方向を変更する角度は、90度に限られるものではなく、用途や配置に応じてその他の任意の角度に変更することもできる。
【0110】
以上のように、
図10A〜Dから
図12A〜Dに示す本発明の実施形態1〜3の光源装置の何れにおいても、カバー12がかかった状態で使用される。よって、光源から出射光の集光点までの光路が密閉されているので、光路にゴミやほこり等が付くことなく、長く使用しても高性能を維持可能な光源装置2を提供することができる。
【0111】
なお、上述の各実施形態の説明において、「集光レンズを用いることなく2以上の光源からの光を集光させることができる」と記載されているが、集光レンズを備えた光源配置も本発明に含まれ、例えば、アレイレンズの直後に別の集光レンズを配置してもよく、集光レンズを配置することによって焦点距離を短くすることができ、またサイズの小さい集光レンズを採用することができる。