(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜8のいずれか一項に記載のジオキサジン顔料組成物と、ニトロセルロース樹脂と、グリコールエーテル系溶剤と、を少なくとも含むことを特徴とするインキ組成物。
前記グリコールエーテル系溶剤が、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのモノエーテルまたはジエーテルであることを特徴とする請求項9に記載のインキ組成物。
前記グリコールエーテル系溶剤として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルの中から選択される少なくとも一つ以上の溶剤を含むことを特徴とする請求項9に記載のインキ組成物。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、流動性改善が十分とはいえない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ジオキサジン顔料に対し、特定のジオキサジン顔料誘導体を複数組合わせて用いることで、従来技術よりも流動性が改善された顔料組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち本発明は、
『項1.ジオキサジン顔料と、
式(I):
【0007】
【化1】
【0008】
[式中、
R
1、R
2、R
3及びR
4はそれぞれ独立に水素原子又はC
1〜C
20のアルキル基を示し、R
1、R
2、R
3及びR
4のうち少なくとも一つはC
6〜C
20のアルキル基である]で表される顔料誘導体と、
を含有することを特徴とするジオキサジン顔料組成物。
【0009】
項2.ジオキサジン顔料と、
前記式(I)で表される顔料誘導体と、
式(II):
【0010】
【化2】
【0011】
[式中、
R
5、R
6、R
7及びR
8はそれぞれ独立に水素原子又はC
1〜C
20のアルキル基を示し、R
5、R
6、R
7及びR
8のうち少なくとも一つはC
6〜C
20のアルキル基である]で表される顔料誘導体と、
を含有することを特徴とする項1に記載のジオキサジン顔料組成物。
【0012】
項3.前記式(I)中、R
1、R
2、R
3及びR
4のいずれか2つが、C
6〜C
20のアルキル基であることを特徴とする項1に記載のジオキサジン顔料組成物。
【0013】
項4.前記式(I)中、R
1、R
2、R
3及びR
4のいずれか2つが、C
6〜C
20のアルキル基であり、前記式(II):R
5、R
6、R
7及びR
8のいずれか2つが、C
6〜C
20のアルキル基であることを特徴とする項2に記載のジオキサジン顔料組成物。
【0014】
項5.前記式(I)中、R
1、R
2、R
3及びR
4のいずれか2つがC
6〜C
20のアルキル基であり、かついずれか2つがメチル基であることを特徴とする項1に記載のジオキサジン顔料組成物。
【0015】
項6.前記式(I)中、R
1、R
2、R
3及びR
4のいずれか2つがC
6〜C
20のアルキル基であり、かついずれか2つがメチル基であり、前記式(II):R
5、R
6、R
7及びR
8のいずれか2つがC
6〜C
20のアルキル基であり、かついずれか2つがメチル基であることを特徴とする項2に記載のジオキサジン顔料組成物。
【0016】
項7.ジオキサジン顔料100質量部に対して、
式(I)で表される顔料誘導体が0.1質量部以上10.0質量部以下で含有する
ことを特徴とする項1に記載のジオキサジン顔料組成物。
【0017】
項8.ジオキサジン顔料100質量部に対して、
式(I)で表される顔料誘導体が0.1質量部以上10.0質量部以下、
式(II)で表される顔料誘導体が0.1質量部以上10.0質量部以下
で含有し、但し、式(I)で表される顔料誘導体と式(II)で表される顔料誘導体との合計量は10.0質量部以下である、
ことを特徴とする項2に記載のジオキサジン顔料組成物。
【0018】
項9.項1〜8のいずれか一項に記載のジオキサジン顔料組成物と、ニトロセルロース樹脂と、グリコールエーテル系溶剤と、を少なくとも含むことを特徴とするインキ組成物。
【0019】
項10.前記グリコールエーテル系溶剤が、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのモノエーテルまたはジエーテルであることを特徴とする請求項9に記載のインキ組成物。
【0020】
項11.前記グリコールエーテル系溶剤として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルの中から選択される少なくとも一つ以上の溶剤を含むことを特徴とする請求項9に記載のインキ組成物。』に関する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、流動性(初期粘度、経時粘度)に優れるジオキサジン顔料組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ジオキサジン顔料と、
式(I):
【0024】
[式中、R
1、R
2、R
3及びR
4はそれぞれ独立に水素原子又はC
1〜C
20のアルキル基を示し、R
1、R
2、R
3及びR
4のうち少なくとも一つはC
6〜C
20のアルキル基である]で表される顔料誘導体と、を含有することを特徴とするジオキサジン顔料組成物である。
【0025】
また、ジオキサジン顔料と、
上記式(I)で表される顔料誘導体と、
式(II):
【0027】
[式中、R
5、R
6、R
7及びR
8はそれぞれ独立に水素原子又はC
1〜C
20のアルキル基を示し、R
5、R
6、R
7及びR
8のうち少なくとも一つはC
6〜C
20のアルキル基である]で表される顔料誘導体と、を含有することを特徴とするジオキサジン顔料組成物である。
【0028】
このような本発明の顔料組成物によれば、印刷インキや塗料として使用した際にも優れた流動性を示す。さらに、本発明の顔料組成物は、近年、市場からの要求が高まっているグリコールエーテル系インキにおいても優れた流動性を示す。
本発明において、流動性とは、インキ調製した際の初期粘度及び経時粘度を指す。
【0029】
<ジオキサジン顔料の説明>
本発明に用いるジオキサジン顔料は、
C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントブルー80などが挙げられる。特に、工業的にはC.I.ピグメントバイオレット23(下記化学構造式で表される)が重要である。このようなC.I.ピグメントバイオレット23は、市販品(たとえば、FASTOGEN SUPER VIOLET シリーズ(DIC株式会社製、BET法による比表面積:50〜120m
2/g)などが挙げられる)を用いても良いし、公知慣用の方法で製造して用いても良い。公知慣用の方法としては、例えば、Wiley−VCH Verlag−GmbH出版(2002年)High Performance Pigments,186ページ記載の方法などを用いることができる。もちろん製造後に適宜公知の処理を加えて用いても良い。C.I.ピグメントバイオレット23のBET法による比表面積は、透明性を保ちつつ過度に微細な粒子の凝集とそれに伴う増粘を防ぐ観点から、60〜80m
2/gの範囲にあるものが好ましい。
【0031】
<顔料誘導体の説明>
本発明に用いる顔料誘導体を以下に詳述する。
1.式(I)で表される顔料誘導体の説明
【0033】
・・・式(I)
式中、R
1、R
2、R
3及びR
4はそれぞれ独立に水素原子又はC
1〜C
20のアルキル基を示し、R
1、R
2、R
3及びR
4のうち少なくとも一つはC
6〜C
20のアルキル基である。
「C
1〜C
20のアルキル基」とは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基などが挙げられる。
R
1、R
2、R
3及びR
4のうち少なくとも一つがとり得る「C
6〜C
20のアルキル基」は、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基などが挙げられるが、流動性向上の観点から、C
8〜C
18のアルキル基が好ましく、C
10〜C
15のアルキル基であることがより好ましい。
さらに本発明の優れた効果を得るためには、R
1、R
2、R
3及びR
4は、これらのうち2つが「C
6〜C
20のアルキル基」であることが好ましく、当該「C
6〜C
20のアルキル基」は上述のものが挙げられる。
R
1、R
2、R
3及びR
4のうち1つ〜3つのRが「C
6〜C
20のアルキル基」である場合に、残りの1つ〜3つのRは水素原子又はC
1〜C
20のアルキル基であるが、流動性がより高められる観点から、C
1〜C
3のアルキル基であることが好ましい。特に、R
1、R
2、R
3及びR
4のいずれか2つがC
6〜C
20のアルキル基であり、かついずれか2つがメチル基のとき、格別優れた効果が得られる。
もちろん、本発明においてはR
1、R
2、R
3及びR
4のうちすべてが「C
6〜C
20のアルキル基」であっても本発明の効果を得ることができる。
【0034】
2.式(II)で表される顔料誘導体の説明
【0036】
・・・式(II)
式中、R
5、R
6、R
7及びR
8はそれぞれ独立に水素原子又はC
1〜C
20のアルキル基を示し、R
5、R
6、R
7及びR
8のうち少なくとも一つはC
6〜C
20のアルキル基である。式(II)中の2つの(SO
3NR
5R
6R
7R
8)で示す基は、同一であっても異なっていても良いが、工業的観点からは同一であるほうが好ましい。
「C
1〜C
20のアルキル基」とは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基などが挙げられる。
R
5、R
6、R
7及びR
8のうち少なくとも一つがとり得る「C
6〜C
20のアルキル基」は、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基などが挙げられるが、流動性向上の観点から、C
8〜C
18のアルキル基が好ましく、C
10〜C
15のアルキル基であることがより好ましい。
さらに本発明の優れた効果を得るためには、R
5、R
6、R
7及びR
8は、これらのうち2つが「C
6〜C
20のアルキル基」であることが好ましく、当該「C
6〜C
20のアルキル基」は上述のものが挙げられる。
R
5、R
6、R
7及びR
8のうち1つ〜3つのRが「C
6〜C
20のアルキル基」である場合に、残りの1つ〜3つのRは水素原子又はC
1〜C
20のアルキル基であるが、流動性がより高められる観点から、C
1〜C
3のアルキル基であることが好ましい。
もちろん、本発明においてはR
5、R
6、R
7及びR
8のうちすべてが「C
6〜C
20のアルキル基」であっても本発明の効果を得ることができる。
【0037】
本発明は、無数に考えられる誘導体の中から、試行錯誤により、ジオキサジン顔料残基に対して(SO
3H)で表される基と(SO
3NR
1R
2R
3R
4)で表される基(R
1、R
2、R
3及びR
4の説明は上述の通りであり、これらのうち少なくとも一つのRはC
6〜C
20のアルキル基である)とが1つずつ結合した式(I)で表される顔料誘導体をジオキサジン顔料に対して使用することで、上記本発明の効果を得られることを見出したことによる。さらに、前述の式(I)で表される顔料誘導体と、
ジオキサジン顔料残基に対して(SO
3NR
5R
6R
7R
8)で表される基(R
5、R
6、R
7及びR
8の説明は上述の通りであり、これらのうち少なくとも一つのRはC
6〜C
20のアルキル基である)が2つ結合した式(II)で表される顔料誘導体
の両者がジオキサジン顔料と共存すると、従来に比べて格別優れた流動性が達成された顔料組成物を得ることができる。
本発明は試行錯誤により見出されたものであるから作用機序は定かではないが、式(I)で表される顔料誘導体中の(SO
3H)で表される基が、濡れ性が向上する方向に作用し、また、式(II)で表される顔料誘導体が、顔料間の立体障害増加に寄与すると推測する。
特にニトロセルロースインキ(以下、NCインキと表記する場合がある)におけるインキ調製後の安定性が向上し、貯蔵安定性試験後も低い粘度が保たれる。
従来汎用されてきたインキを構成するエタノールなどよりも、NCインキを構成するエトキシプロパノールをはじめとするグリコールエーテル系溶剤の方が疎水性であるため、式(I)で表される顔料誘導体及び式(II)で表される顔料誘導体が有するアルキル鎖部分はグリコールエーテル系溶剤中でより広がっており、立体障害による反発効果が大きいと考えられる。よって、近年市場要求が高まっているグリコールエーテル系インキにおいて、より高い効果を発揮すると考えられる。
なお、本発明においては、式(I)で表される顔料誘導体が存在することが重要であり、上述の特許文献1に記載の技術のような、ジオキサジン顔料のスルホン酸誘導体(アルキルアンモニウム塩)のみを用いた場合には、本発明が奏するほどの顕著な効果は奏さない。本発明は、スルホ基を一部に有する顔料誘導体も併用する点で前記特許文献1等従来技術とは相違する発明である。
【0038】
3.式(III)で表される顔料誘導体の説明
【0040】
本発明の顔料組成物は、上記2つの顔料誘導体に加え、さらに式(III)の誘導体を有することにより、本発明の効果をより良く得ることができる。ここまでに述べた3つの顔料誘導体の併用効果により、特にニトロセルロース樹脂(本明細書でNC樹脂と表記する場合がある)を用いたインキ組成物において、インキ粘度のさらなる低減効果が期待できると考えられる。
【0041】
<配合量の説明>
ジオキサジン顔料100質量部に対して、式(I)で表される顔料誘導体が0.1質量部以上10.0質量部以下で含有することができる。また、式(I)で表される顔料誘導体と、式(II)で表される顔料誘導体を併用するときは、ジオキサジン顔料100質量部に対して、式(I)で表される顔料誘導体が0.1質量部以上10.0質量部以下、式(II)で表される顔料誘導体が0.1質量部以上10.0質量部以下で含有することができる(但し、式(I)で表される顔料誘導体と式(II)で表される顔料誘導体との合計量は10.0質量部以下である)。このような配合量とすることにより、インキ粘度低減効果がより高まると考えられる。
【0042】
<製造方法>
ここで、各顔料誘導体の製法を示す。いずれの方法を採用しても良い。原料となるジオキサジン顔料スルホン酸誘導体は、市販もしくは公知慣用の方法で製造したジオキサジン顔料スルホン酸誘導体(C.I.ダイレクトブルー108)を使用することができ、公知慣用の方法としては、例えば、ジオキサジン顔料を濃硫酸または発煙硫酸によりスルホン化することによって、または上記出発物質をクロロスルホン酸でスルホクロロ化し、次いで水で加水分解することによってジオキサジン顔料スルホン酸誘導体を製造できる。このジオキサジン顔料スルホン酸誘導体の水または有機溶剤の均一または不均一な相において、アミンを混合することで所望の誘導体が得られる。スルホ基の置換基数が2のみのジオキサジン顔料スルホン酸誘導体を原料とするときは、ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体のスルホ基2モルに対し、1モル以下のアミンを使用することで、式(I)で表される顔料誘導体を製造することができる。また、1〜2モルのアミンを使用することで、式(I)および式(II)で表される顔料誘導体を同時に製造することができる。さらに、ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体のスルホ基2モルに対し、2モル以上のアミンを使用することで、式(II)の顔料誘導体を製造することができる。
原料として、スルホ基の置換基数が1〜5の分布を持つジオキサジン顔料スルホン酸誘導体を、各顔料誘導体の製造に使用することもできる。例えば、スルホ基の置換基数が1〜3の分布を持つジオキサジン顔料スルホン酸誘導体にアミンを加えたとき、まず、置換基数が1の誘導体のスルホ基と、置換基数が2の誘導体の1つのスルホ基と、置換基数が3の誘導体の1つのスルホ基が、アンモニウム塩となる(すなわち、式(I)で表される顔料誘導体が合成される)。次いで、置換基数が2の誘導体の2つ目のスルホ基と、置換基数が3の誘導体の2つ目のスルホ基が、アンモニウム塩となり(すなわち、式(II)で表される顔料誘導体が合成される)、最後に置換基数が3の誘導体の3つ目のスルホ基が、アンモニウム塩となる。ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体に対し添加するアミンの量を調節することで、式(I)で表される顔料誘導体と式(II)で表される顔料誘導体の比を、所望の値とすることができる。ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体スルホ基の置換基分布は、例えば、液体クロマトグラフィー質量分析法や電界脱離質量分析法により、分析することができる。
【0043】
本発明の顔料組成物を簡便に得る方法の一例を以下に述べるが、本発明はこれらに限定して解釈されるべきものではない。
ジオキサジン顔料の乾燥粉体またはウェットケーキを、水または有機溶剤に添加、撹拌してジオキサジン顔料スラリーを作製する。このジオキサジン顔料スラリーに、ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体の乾燥粉体またはウェットケーキ、または水/有機溶剤に溶解させたジオキサジン顔料スルホン酸誘導体スラリーを添加する。続いて、ジオキサジン顔料スルホン酸誘導体の乾燥粉体またはウェットケーキ、または水/有機溶剤に溶解させたアミン溶液を添加する。これを適宜、濾過、乾燥、粉砕し、本発明の顔料組成物が得られる。
また、顔料誘導体の乾燥粉体と、ジオキサジン顔料の乾燥粉体を混合することで、本発明の顔料組成物を作製することもできる。すなわち、ジオキサジン顔料の乾燥粉体に対し、前記顔料誘導体の製法で作製した顔料誘導体を所望の式(I)〜(II)で表される顔料誘導体の比となるよう適当な比で混合することで、本発明の顔料組成物を簡便に作製することができる。
【0044】
なお、本発明の顔料組成物は、本発明の効果に好ましくない影響を与えない限りにおいて、さらに添加剤や分散剤などを含有させ、各用途に適するように調整可能である。
また、本発明の顔料組成物は、着色成分としてジオキサジン顔料以外の有機顔料を併用して用いることもできる。
併用可能な有機顔料は各種用途にあわせて公知の有機顔料の中から適宜選抜して用いることができる。
【0045】
こうして得られた本発明の顔料組成物は、着色機能を必要とするような用途であれば何れにも好適に使用できる。例えば、塗料、印刷インキ、着色成形品、静電荷像現像用トナー、液晶表示装置のカラーフィルタ、インクジェット記録用水性インク等の公知慣用の各種用途に使用することができる。
【0046】
本発明の顔料組成物は、初期粘度、貯蔵安定性にも優れた印刷インキを提供できる。印刷インキは、本発明の顔料組成物に対して、公知慣用の各種バインダー樹脂、各種溶媒、各種添加剤等を、従来の調製方法に従って混合することにより調製することができる。具体的には、顔料濃度の高いリキッドインキ用ベースインキを調整し、各種バインダー、各種溶媒、各種添加剤等を使用することにより、リキッドインキを調整することができる。
【0047】
本発明の顔料組成物は、初期粘度、貯蔵安定性に優れたPUインキやNCインキの製造が可能であり、グラビア印刷インキやフレキソ印刷インキ用の有機顔料組成物として好適である。PUインキはPU樹脂、顔料、溶剤、各種添加剤よりなり、NCインキはNC樹脂、顔料、溶剤、各種添加剤よりなる。PU樹脂は、ウレタン構造を骨格内に有していれば、特に、限定されず、ポリウレタン、ポリウレタンポリウレア等も含む。それぞれ溶剤としては、
トルエン、キシレンなどの芳香族有機溶剤、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノンなどのケトン系溶剤、
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールなどのアルコール系溶剤、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−i−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジ−i−ブチルエーテル、エチレングリコールジ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジ−i−プロピルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジ−i−ブチルエーテル、プロピレングリコールジ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−i−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−i−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−t−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。
【0048】
本発明の顔料組成物は、いずれの溶剤で構成されたインキに対しても優れた流動性を示すが、近年市場要求が高まるグリコールエーテル系インキへの適用性を厚く述べるために、以下詳述する。
【0049】
近年、汎用印刷分野においても環境負荷が小さく、且つ、印刷物表面のレベリング性向上が可能なインキが求められるようになってきた。これを達成するため、グリコールエーテル系溶剤を主成分とした低乾燥速度インキ(以下、グリコールエーテル系インキ、と表記する)が注目されている。グリコールエーテル系インキは従来のアルコール系インキよりも揮発性が低く、低乾燥速度化に伴う印刷物表面のレベリング性向上(高精細化)が期待される。しかしながら、グリコールエーテル系インキのインキ特性や印刷適性に関する知見は未だ少ない。このような中、グリコールエーテル系インキのインキ特性としては、粘度(初期粘度、経時粘度)が重要な特性であることはわかっているものの、従来のアルコール系インキと同様のジオキサジン顔料の流動性改善技術を用いたとしても、十分な流動性が確保できているとはいえない現状が明らかになってきた。
【0050】
このような近年求められるインキを構成する溶剤である観点から言及すれば、本発明のインキ組成物は、本発明の顔料組成物と、グリコールエーテル系溶剤とを少なくとも含むことが好ましい。
【0051】
このようなグリコールエーテル系溶剤の中でも、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルが好ましく、プロピレングリコールモノエチルエーテルがより好ましい。
【0052】
なお、溶剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。各種添加剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤、ガムロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン、硬化ロジン、フタル酸アルキッド樹脂などロジン類、顔料誘導体、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、ワックス成分などを使用することができる。
【0053】
本発明の顔料組成物は、いずれの樹脂で構成されたインキに対しても優れた流動性を示すが、ニトロセルロースにおいて有用である。ニトロセルロースは硝化綿とも呼ばれ、 セルロースの水酸基が硫酸と硝酸の混酸により硝化された樹脂である。硝化度によってニトロセルロースの溶剤に対する溶解性は変化し、硝化度の高いものは炭化水素系溶剤やエステル系溶剤に、硝化度の低いものはアルコール系溶剤に使用される。ニトロセルロースは、そのガラス転移点が高く、印刷物の巻き取り時のブロッキングもほとんどない。さらに、ニトロセルロース系のグラビアインキは印刷適性も良いため、ニトロセルロースは印刷インキのバインダー樹脂として広く使用されている。
【0054】
本発明の顔料組成物を印刷インキとして用いる場合、上記のようにして調製された本発明の顔料組成物を使用した印刷インキを酢酸エチルやポリウレタン系ワニス、ポリアミド系ワニスに希釈して用いることができる。印刷インキの調製は公知慣用の方法を採用することができる。
【0055】
本発明の顔料組成物を着色剤としての塗料とする場合、塗料として使用される樹脂としては、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂など様々である。
【0056】
塗料に使用される溶媒としては、芳香族系溶剤、酢酸エステル系溶剤、プロピオネート系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、窒素化合物系溶剤、ラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル、水等がある。溶媒としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系、水等の極性溶媒で水可溶のものが適している。
【0057】
また、顔料添加剤及び/又は顔料組成物を、液状樹脂中で分散し又は混合し、塗料用樹脂組成物とする場合に、通常の添加剤類、例えば、分散剤類、充填剤類、塗料補助剤類、乾燥剤類、可塑剤類及び/又は補助顔料を用いることができる。これは、それぞれの成分を、単独又は幾つかを一緒にして、全ての成分を集め、又はそれらの全部を一度に加えることによって、分散又は混合して達成される。
【0058】
上記のように用途にあわせて調製された顔料組成物を含む組成物を分散する分散機としては、ディスパー、ホモミキサー、ペイントコンディショナー、スキャンデックス、ビーズミル、アトライター、ボールミル、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー等の公知の分散機が挙げられるが、これらに限定されるものではない。顔料組成物の分散は、これらの分散機にて分散が可能な粘度になるよう、樹脂、溶剤が添加され分散される。分散後の高濃度塗料ベースは固形分5〜20%であり、これにさらに樹脂、溶剤を混合し塗料として使用に供される。
【0059】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例及び比較例において特に断りの無い限り、「%」は「質量%」を表すものとする。
【0060】
[実施例1]
1) C.I.ピグメントバイオレット23(DIC株式会社製)のウェットケーキ171.9部(顔料分60部)とイオン交換水828.1部を2Lステンレス製カップに入れ、回転数500rpmのホモディスパー2.5型(プライミクス株式会社製)で30分間撹拌し、C.I.ピグメントバイオレット23のスラリーを調製した。
2) これとは別に、スルホ基平均置換基数が2.4(主要な成分は置換基数2)のC.I.ピグメントバイオレット23スルホン酸誘導体(DIC株式会社製)のウェットケーキ(染料分3.0部)にイオン交換水を加え、全量で50部とし、100mLガラス製ビーカー中、マグネチックスターラーを用いて60℃、1時間、加熱撹拌し、C.I.ピグメントバイオレット23のスルホン酸誘導体スラリーを調製した。
3) また、酢酸(和光純薬工業株式会社製)6.0部、水100部、アーカード2HT−75(ライオンアクゾ株式会社製、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、アルキル鎖=C14〜C18、アンモニウム塩成分75%)4.5部を200mLガラス製ビーカー中、マグネチックスターラーを用いて60℃、1時間、加熱撹拌し、ジアルキルジメチルアンモニウム溶液を調製した。
4) 1)で得られたC.I.ピグメントバイオレット23のスラリーを錨型撹拌羽で撹拌しながら、2)で得られたC.I.ピグメントバイオレット23のスルホン酸誘導体スラリーを全量投入し、1時間撹拌した。続いて、3)で得られたジアルキルジメチルアンモニウム溶液を全量投入し、さらに1時間撹拌した。次に、反応液をヌッチェろ過し、ろ物を水3000部で洗浄した。ろ物を送風乾燥(98℃、18時間)、粉砕し、ジオキサジン顔料組成物(1)を63.1部得た。ジオキサジン顔料組成物(1)における式(I)で表される顔料誘導体と、式(II)で表される顔料誘導体の比は、式(I):式(II)=66:34と推定される。
[実施例2]
1) C.I.ピグメントバイオレット23(DIC株式会社製)のウェットケーキ171.9部(顔料分60部)とイオン交換水828.1部を2Lステンレス製カップに入れ、回転数500rpmのホモディスパー2.5型(プライミクス株式会社製)で30分間撹拌し、C.I.ピグメントバイオレット23のスラリーを調製した。
2) これとは別に、スルホ基平均置換基数が2.4(主要な成分は置換基数2)のC.I.ピグメントバイオレット23スルホン酸誘導体(DIC株式会社製)のウェットケーキ(染料分3.0部)にイオン交換水を加え、全量で50部とし、100mLガラス製ビーカー中、マグネチックスターラーを用いて60℃、1時間、加熱撹拌し、C.I.ピグメントバイオレット23のスルホン酸誘導体スラリーを調製した。
3) また、酢酸(和光純薬工業株式会社製)6.0部、水100部、アーカード2HT−75(ライオンアクゾ株式会社製、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、アルキル鎖=C14〜C18、アンモニウム塩成分75%)2.1部を200mLガラス製ビーカー中、マグネチックスターラーを用いて60℃、1時間、加熱撹拌し、ジアルキルジメチルアンモニウム溶液を調製した。
4) 1)で得られたC.I.ピグメントバイオレット23のスラリーを錨型撹拌羽で撹拌しながら、2)で得られたC.I.ピグメントバイオレット23のスルホン酸誘導体スラリーを全量投入し、1時間撹拌した。続いて、3)で得られたジアルキルジメチルアンモニウム溶液を全量投入し、さらに1時間撹拌した。次に、反応液をヌッチェろ過し、ろ物を水3000部で洗浄した。ろ物を送風乾燥(98℃、18時間)、粉砕し、ジオキサジン顔料組成物(2)を60.9部得た。ジオキサジン顔料組成物(2)における式(I)で表される顔料誘導体と、式(II)で表される顔料誘導体の比は、式(I):式(II)=100:0と推定される。
[比較例1]
1) C.I.ピグメントバイオレット23(DIC株式会社製)のウェットケーキ171.9部(顔料分60部)とイオン交換水828.1部を2Lステンレス製カップに入れ、回転数500rpmのホモディスパー2.5型(プライミクス株式会社製)で30分間撹拌し、C.I.ピグメントバイオレット23のスラリーを調製した。
2) これとは別に、スルホ基平均置換基数が2.4のC.I.ピグメントバイオレット23スルホン酸誘導体(DIC株式会社製)のウェットケーキ(染料分3.0部)にイオン交換水を加え、全量で50部とし、100mLガラス製ビーカー中、マグネチックスターラーを用いて60℃、1時間、加熱撹拌し、C.I.ピグメントバイオレット23のスルホン酸誘導体スラリーを調製した。
3) また、酢酸(和光純薬工業株式会社製)10.0部、水100部、アーカード2HT−75(ライオンアクゾ株式会社製塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、アルキル鎖=C14〜C18、アンモニウム塩成分75%)7.8部を200mLガラス製ビーカー中、マグネチックスターラーを用いて60℃、1時間、加熱撹拌し、ジアルキルジメチルアンモニウム溶液を調製した。
4) 1)で得られたC.I.ピグメントバイオレット23のスラリーを錨型撹拌羽で撹拌しながら、2)で得られたC.I.ピグメントバイオレット23のスルホン酸誘導体スラリーを全量投入し、1時間撹拌した。続いて、3)で得られたジアルキルジメチルアンモニウム溶液を全量投入し、さらに1時間撹拌した。次に、反応液をヌッチェろ過し、ろ物を水3000部で洗浄した。ろ物を送風乾燥(98℃、18時間)、粉砕し、比較ジオキサジン顔料組成物(3’)を65.2部得た。比較ジオキサジン顔料組成物(3’)における式(I)で表される顔料誘導体と、式(II)で表される顔料誘導体の比は、式(I):式(II)=0:100と推定される。
[調製例1]
(NCグリコールエーテルワニスの作製)
ニトロセルロース樹脂(窒素分:10.7〜12.2、不揮発分70%、揮発分イソプロパノール)164.5部、プロピレングリコールモノエチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)335.5部を1Lポリ瓶に入れペイントシェーカー(株式会社東洋精機製作所製)で2時間分散し、NCグリコールエーテルワニスを得た。
[調製例2]
(NCエタノールワニスの作製)
ニトロセルロース樹脂(窒素分:10.7〜12.2、不揮発分70%、揮発分エタノール)164.5部、エタノール(和光純薬工業株式会社製)436.5部、酢酸エチル(和光純薬工業株式会社製)13.5部を1Lポリ瓶に入れペイントシェーカー(株式会社東洋精機製作所製)で2時間分散し、NCエタノールワニスを得た。
[実施例2]
ジオキサジン顔料組成物(1)18.2部、NCグリコールエーテルワニス32.5部、プロピレングリコールモノエチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)40.3部、n−プロパノール(和光純薬工業株式会社製)9.0部、SAZビーズ(ジルコニアYTZボール1.25φ、東京硝子器械株式会社製)150部を200mLガラス瓶に入れ、Shaker Skandex SK550(Fast & Fluid Management B.V.Company製)にて2時間分散し、インキ組成物(1)を得た。
[実施例2]
ジオキサジン顔料組成物(2)18.2部、NCグリコールエーテルワニス32.5部、プロピレングリコールモノエチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)40.3部、n−プロパノール(和光純薬工業株式会社製)9.0部、SAZビーズ(ジルコニアYTZボール1.25φ、東京硝子器械株式会社製)150部を200mLガラス瓶に入れ、Shaker Skandex SK550(Fast & Fluid Management B.V.Company製)にて2時間分散し、インキ組成物(2)を得た。
[実施例4]
ジオキサジン顔料組成物(1)22.0部、NCエタノールワニス36.9部、エタノール(和光純薬工業株式会社製)36.9部、酢酸エチル(和光純薬工業株式会社製)1.1部、SAZビーズ(ジルコニアYTZボール1.25φ、東京硝子器械株式会社製)150部を200mLガラス瓶に入れ、Shaker Skandex SK550(Fast & Fluid Management B.V.Company製)にて2時間分散し、インキ組成物(3)を得た。
[比較例2]
無処理のC.I.ピグメントバイオレット23(DIC株式会社製)18.2部、NCエトキシプロパノールワニス32.5部、プロピレングリコールモノエチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)40.3部、n−プロパノール(和光純薬工業株式会社製)9.0部、SAZビーズ(ジルコニアYTZボール1.25φ、東京硝子器械株式会社製)150部を200mLガラス瓶に入れ、Shaker Skandex SK550(Fast & Fluid Management B.V.Company製)にて2時間分散し、比較インキ組成物(1’)を得た。
[比較例3]
比較ジオキサジン顔料組成物(3’)22.0部、NCエタノールワニス36.9部、エタノール(和光純薬工業株式会社製)36.9部、酢酸エチル(和光純薬工業株式会社製)1.1部、SAZビーズ(ジルコニアYTZボール1.25φ、東京硝子器械株式会社製)150部を200mLガラス瓶に入れ、Shaker Skandex SK550(Fast & Fluid Management B.V.Company製)にて2時間分散し、比較インキ組成物(2’)を得た。
[比較例4]
無処理のC.I.ピグメントバイオレット23(DIC株式会社製)22.0部、NCエタノールワニス36.9部、エタノール(和光純薬工業株式会社製)36.9部、酢酸エチル(和光純薬工業株式会社製)1.1部、SAZビーズ(ジルコニアYTZボール1.25φ、東京硝子器械株式会社製)150部を200mLガラス瓶に入れ、Shaker Skandex SK550(Fast & Fluid Management B.V.Company製)にて2時間分散し、比較インキ組成物(3’)を得た。
[紫色インキ組成物の初期粘度測定結果]
得られたインキ組成物を20℃恒温槽で1時間以上静置してR85形粘度計 RB85L(東機産業株式会社製)で粘度を測定した。評価結果を表1に示す。粘度は低いほど優れる。
【0061】
[紫色インキ組成物の貯蔵安定性試験後粘度測定結果]
得られたインキ組成物を室温で24時間静置した後、20℃恒温槽で1時間以上静置してR85形粘度計 RB85L(東機産業株式会社製)で粘度を測定した。評価結果は表2に示す。粘度は低いほど優れる。