(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記不動態化を抑制するステップは、前記Cu含有層の前記第2の表面から不動態化材料を除去するため、前記Cu含有層の前記第2の表面を反応性イオンエッチング(RIE)すること、又はイオンアシストエッチングすることのうち少なくとも一方を含む、請求項1に記載の方法。
前記Cu化合物を除去するステップは、前記Cu含有層内のフィーチャを異方性エッチングするため、前記第2の表面から前記Cu化合物の、異方性自発エッチング(SAE)及び反応性イオンエッチング(RIE)のうち少なくとも一方を含む、請求項1に記載の方法。
前記不動態化ガス、反応性ガス、及び還元性ガスは、前記プラズマ処理チャンバ内に、単一ステッププロセスで同時に導入されるか、又は前記プラズマ処理チャンバ内に、マルチステッププロセスで順次に導入される、請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態は、添付図面を参照しながら説明する。ここで、類似の参照符号は、図面を通して対応する又は同一の要素を指定する。
【0012】
背景で述べたように、Cu層のパターンエッチングのための信頼できる技術を開発する必要がある。エッチングプロセスは、一般的に(純Cu層を包含する)Cu含有層の上方にパターニングされたハードマスク又はフォトレジストを提供し、且つ、マスクを介してCu含有層の露出部分をエッチングするステップを含む。
【0013】
フッ素−銅エッチングシステムを使用することができる。というのは、F−Cu化合物は安定であり、且つ、フッ化物膜厚は、非常に薄いレベルにおいて(例えば、〜1nm〜最大数nm)飽和する(saturates)ためである。さらに、後続のウエハ製造ステップの際、Cuバルク内へのF拡散がない。しかしながら、本発明者らは、F−Cu化合物がRIEベースのエッチングプロセスのためにあまりにも非揮発性であることを認識している。Clのような高ハロゲン化物(>F)が、昇温ウエハ温度においてRIEの場合揮発性であるが、本発明者らはまた、塩化物の非飽和性は、ClのCuバルクへの拡散を可能にし、CuのClベースのエッチングが製造のためには非現実的にすることを認識した。
【0014】
二段階のプラズマエッチングプロセスはまた、Cuのエッチングのために開発されてきた。例えば、第1のステップは、CuをCuCl
x化合物に変換するため、Clベースのプラズマを使用し、及び次いで、CuCl化合物を除去するための湿式化学溶液を使用するか[Y. Kuo and S. Lee, ECS Proc. 99−30, 328, 1999]、又は室温におけるH
2プラズマ処理により、先ずCuCl
2を形成し、次いでCu
2Cl
3として気化するためのCl
2プラズマ暴露を使用すること[Fangyu Wu, Gaiit Levitin, and Dennis W. Hess, J. Electrochem. Soc, Vol. 157, issue 4, pp H474−H478 (2010)]のいずれかを包含する。これらの文書の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、技術ノードが深いnmレジーム(regime)に進むにつれて、Cl系プラズマエッチングでの主な問題は、限界寸法(CD)制御性やいわゆるラインエッジ/幅ラフネス(LERもしくはLWR)の問題である。
【0015】
従来の塩素化学(chemistry)を使用してCu含有層をエッチングする際に遭遇する前述の制限は、塩素系反応剤を含まない化学的手法を用いた半導体製造における新しい低温ドライエッチング法が必要であることを示す。
【0016】
一般に、本発明の実施形態は、集積回路の製造において、(純Cu層を含む)Cu含有層をエッチングするための方法及び装置に関する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態によるCu含有層におけるフィーチャをエッチングする方法を示すフローチャートである。見られるように、ステップ102は、Cu含有層及び前記Cu含有層の上に形成されたエッチングマスクを包含する基板を提供するステップであって、且つ、前記Cu含有層の一部を露出させる、ステップを包含する。ステップ104において、露出したCu含有層の第1の表面を不動態化するのと同時に、ステップ106において、前記Cu含有層の第2の表面上の不動態化が抑制される。ステップ108において、Cu化合物は、Cu含有層の第2の表面上に形成される。銅化合物は、その後、ステップ110に見られるように、前記Cu含有う層を異方性エッチングするため、前記第2の表面から除去される。
【0018】
FIG.2A〜FIG.2Dは、本発明の実施形態によるCu含有層の異方性エッチングの概略的な断面表示を示す。FIG.2Aは、部分的に完成した集積回路を示す。セグメント200は、基板210、Cu含有層220、及びハードマスク又はフォトレジスト材料230を含み、構造体を完成する。Cu含有層の異方性エッチングを達成するために、Cu含有層を覆うレジスト又はハードマスク材料は、Cu含有層上で行われるエッチングプロセスに耐性であることが要求される。FIG.2A中のセグメント200は、FIG.2Bにおけるパターニングされたマスク層230’を製造するため、当技術分野で公知の従来のパターニング方法を用いて処理される。さらに、本発明に係るFIG.2Bにおける構造の異方性エッチングは、Cu含有層220をエッチングすると同時に、マスクパターン230’により定義された構造の垂直ジオメトリ維持しながら、FIG.2Cに示される構造250を形成する。当該技術分野において一般的であるように、継続した処理は、残りのフォトレジスト又はハードマスクパターン230’を除去することができ、FIG.2Dに示すようにフィーチャ260を有するパターン化Cu−含有層が得られる。
【0019】
図3は、本発明の実施形態によるCu含有層の異方性エッチングを可能にするエッチングプロセスの特性を図示する。
図1に示すように、プロセスは、ステップ102において、マスクされたCu含有層を有する基板を提供することにより、開始する。特に、基板は、異方性エッチング処理を行うプラズマ処理チャンバ内の基板ホルダー上に装填される。プラズマエッチャー(etcher)は、以下の
図4〜10で説明したもののような、基板ホルダーにバイアスを印加することができるいずれのタイプのものとすることができる。
図3中のセグメント300は、基板310を覆うCu含有層320と、前記Cu含有層320を覆うマスクパターン330とを包含する、部分的に完成した集積回路を示す。一般的に、いずれの好適なマスク材料、例えば単純なハードマスク、が考えられる。
【0020】
図3中の構造の異方性エッチングは、フォトレジストパターン330によって定義された構造の垂直ジオメトリを維持しながら、Cu含有層320を除去する。
【0021】
図1における不動態化ステップ104は、プラズマ処理チャンバ内に不活性ガスを導入することによって行われる。
図3に示すように、不動態化ガス分子345は、露出(マスクされていない)Cu含有層に提供され、且つ、不動態化表面340を形成する。
図3の実施形態において、不動態化された表面は、Cu含有層320におけるフィーチャの垂直側壁上にある。不動態化は、さらに後述するように、Cu含有層上に堆積すること、又はCu含有層上にCu化合物を成長させることのいずれかにより、発生し得る。
【0022】
不動態化ガス345は、また、Cu含有層320中のフィーチャの底面に提供されるが、この表面の不動態化は抑制される(
図1におけるステップ106)。より具体的には、プラズマは、処理チャンバ内で形成され、且つ、基板ホルダ上のバイアスは、基板に向かって矢印350に沿ったプラズマイオン355を向ける。指向性の(directional)イオン355は、その上のいずれの不動態化(passivation)材料を除去するのに十分なエネルギーでエッチングフィーチャの底部(水平)面を打つが、不動態化表面340に対してこの除去効果を持たない。指向性イオン355は、反応性ガスイオン又は不活性ガスイオンであってもよい。反応性イオンエッチングRJE、イオンアシストエッチング、又はRIEとイオンアシストエッチングとの両方は、本発明の実施形態による不動態化材料のフィーチャをきれいに保つために使用される。
【0023】
Cu化合物は、プラズマ処理チャンバ内に反応性ガスを導入することにより、非不動態化表面上に形成される(
図1のステップ108)。
図3に示すように、反応性ガス分子は、フィーチャの非不動態化(non-passivated)底面上にCu化合物層を形成するのに対して、ガス分子365は、不動態化側壁340上にCu化合物を形成することができない。反応性ガス分子は、中性又はイオン化され得る。一実施形態において、フィーチャ底部をきれいにたもつための高速(energetic)イオンを提供するため、且つまた、フィーチャ底部上にCu
xOを形成するための反応性酸素を提供するために、酸素プラズマが形成される。すなわち、一実施形態において、プラズマは、反応性ガス365のイオンである指向性イオン355を提供する。
【0024】
還元性ガスは、Cu化合物360を除去するためチャンバ内に導入され、それによりCu含有層を異方的にエッチングする(
図1のステップ110)。
図3で見られるように、Cu化合物層360は、Cu化合物層を除去するために還元反応370を起こす、還元性ガス分子375に暴露される。具体的には、還元性ガス分子375は、Cu含有化合物と反応して、揮発性Cu含有化合物385を形成し、次いで、前記揮発性Cu含有化合物385は、Cu含有層320におけるフィーチャをエッチングするため、プラズマ処理チャンバから除去される。Cu化合物360及びCu含有層320の各々は、自発的な異方性エッチング(SAE)又は反応性イオンエッチング(RIE)、又はその両方により発生し得る。還元(reduction)ガス分子375は、不動態化ガス分子345から作成された側壁不動態化剤(passivant、パッシバント)340に対して不活性である。
【0025】
一実施形態において、O
2は反応分子の役割を勤め、且つ、Cu含有層のSAEは、O
2ベースのプラズマ内で行われる。ハードマスク(例えば、TiN、SiO
2、Si
3N
4等)は、一般的にO
2プラズマのためのマスキング法として使用される。例えば、処理チャンバへのフィードガスは、不動態化ガス、プラスO
2ガス、プラス還元性ガスを包含することができる。Ar等の不活性ガスは、任意の添加剤である。RIE又はイオンアシストエッチングを通してO
2(Arあり又はなし)は、フィーチャ底部を不動態化ガス分子から作られた側壁不動態化剤のない(free of)、フィーチャ底部にCu
xOのみを残すように維持する。Cuの側壁は不動態化ガス分子から作られた不動態化剤によって保護されているが、Cu
XOは、揮発性Cu化合物エッチング生成物を形成する還元性ガス分子と自発的に反応し、後続の後Cu
xOの形成の準備ができているクリーンなCuフィーチャ底部を露出させ、還元性ガス分子によるその自発的な「エッチング」が続く。
【0026】
還元性ガスは、好ましくは、有機化合物ガスである。有機化合物としては、そのままで、又は真空状態に維持されたプラズマ処理システムを過熱することにより期待状態において供給することができるものを使用するのが好ましい。典型的には、有機酸が用いられる。有機酸としては、酢酸に代表されるカルボン酸(一般式: R−COOH
Rは、水素、又はC1〜C20の直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはアルケニル、好ましくはメチル、エーテル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシルである)
を使用するのが好ましい。酢酸以外のカルボン酸は、ギ酸(HCOOH)、プロピオン酸(CH
3CH
2COOH)、酪酸(CH
3(CH
2)
2COOH)、吉草酸(CH
3(CH
2)
3COOH)、その他を包含することができる。カルボン酸の中で、ギ酸、酢酸、プロピオン酸がより好ましく用いられる。
【0027】
有機化合物が酢酸である場合には、酸化銅と酢酸との反応が促進され、揮発性のCu(CH
3COO)及びH
2Oが生成される。その結果、酸化銅分子がCu膜から分離される。同じ反応は、酢酸以外の別の有機化合物(有機酸)、例えばギ酸又はプロピオン酸等、を用いた場合に起こる。その結果、Cu膜がエッチングされる。このように、Cuプラズマエッチングのための非塩素(同様に、非臭素)系のイオンアシストやRIE方法が提供される。
【0028】
別の実施形態において、CH
3COOHは、還元性ガス分子の役割を想定しており、且つ、チャンバ内へのフィードガスは、不動態化ガス+O
2+CH
3COOH(+Arオプショナル)となる。CH
3COOHとのCuO及びCu
2Oの自発的な反応が、2001年にDennis W. Hess and K. L. Chavezによって研究され公開されている。2011 Dry−Processing Symposiumにおいて、T. Suda (N. Toyoda), I. Yamada (Univ of Hyogo) and Keniichi Hara (Tokyo Electron Ltd.)は、1Ε(−5)torr程度の低圧でCu
XOとCH
3COOHとの間に強い反応を示した。以下の反応が発生する。
Cu+2CH
3COOH → Cu(CH
3COO)
2+H
2O (1)
Cu
2O+4CH
3COOH → 2Cu(CH
3COO)
2+H
2O+H
2 (2)
従って、反応の揮発性生成物はCu(CH
3COO)
2である。
【0029】
この化学系中のCu SAEを達成するための重要な要素は、側壁不動態化を提供する不動態化分子の付加である。側壁不動態化を達成するための多くの方法があり、Cu−含有化合物の堆積又は成長を包含する。一つの簡単な例は、C
2H
4などの炭化水素ポリマーの堆積を介する。Oベースのプラズマが側壁上のCベースの不動態化層を消費することが知られる。従って、イオンアシスト化学エッチング又はRIEを介して、フィーチャ底部をいずれの炭化水素デポジット(deposits)がない状態を保ちつつ、プロセスレシピは、等方性のOラジカル(及び同様にO
2等)による枯渇に耐える側壁炭化水素デポジットを生成できるようにする必要がある。例えば、ポリエチレンポリマーの堆積は、不動態化分子としてC
2H
4を使用することにより達成することができる。例示的ガス混合物は、上記の反応(1)及び(2)を起こすC
2H
4+O
2+CH
3COOH+Arであり得る。
【0030】
側壁堆積不動態化のもう一つの便利な例は、フルオロカーボンである。使用することができる多くそのような不動態化分子があり、例えば、CHF
3、C
4F
3、C
5F
8、C
2F
6等がある。炭化水素デポジットと同様に、フルオロカーボンデポジットもまた、Oラジカル及びO
2ニュートラル等による攻撃を受けやすい。従って、レシピは、イオンアシスト化学エッチング又はRIEを通じてCF
Xがないフィーチャ底部を有しながら、CF
X不動態化側壁を維持する必要がある。
【0031】
側壁不動態化剤は、デポジットである必要はなく、Cu化合物の成長層である可能性がある。一例は、Cu−O結合より強いだけでなく、安定でもある、Cu−F結合を提供するCuF
X側壁不動態化剤であるので、Cuバルク内へのF拡散の心配が少ない。また、CH
3COOHによるエッチングは、SAE、RIE又はイオンアシストエッチング又はこれらの機構の全ての組み合わせによって発生し得る。CF
X側壁不動態化剤を含む、イオンアシスト及び自発プロセスの両方による異方性Cuエッチングは、好ましい場合がある。
【0032】
例えば、NF
3はF原子の強力なソース(source)であるため、ガス混合物NF
3+O
2+CH
3COOH+Arを用いてよい。以下の反応が発生する。
SAE:
CuO+2CH
3COOH → Cu(CH
3COO)
2+H
2O (3)
RIE:
CuO+CuF
2+4CH
3COOH → 2Cu(CH
3COO)
2+H
2O+2HF (4)
【0033】
この実施形態において、フッ素化及び酸化が全ての表面上で行われるが、CH
3COOHによるCu
XOの自発的なエッチングは、側壁を、側壁不動態化剤となるCuF
Xのみにまで枯渇させる。フィーチャ底部Cu
XOは、自発的にCH
3COOHによってエッチングされ、強いCu−F結合は、CuF
XとCH
3COOHとの間の反応を弱め、且つ、その結果、フィーチャ底部上にCuF
Xによるマイクロマスキングが発生していた。しかしながら、フィーチャ底部のCu
xOとCuF
xに対する同時イオン衝撃は、Cu-F結合を弱める可能性があり、エッチング生成物としてHF及び追加のCu(CH
3COO)
2の形成をもたらす。所望のエッチング結果を達成するために、O
2/NF
3の比は、連続的にゼロ(RIEのみを提供する)からいくつかの非ゼロの数(SAE及びRIEを提供する)まで調整され得ることに留意されたい。
【0034】
NF
3が使用され、且つ、Cu
3Nがいくつかの潜在的な問題を導入し得る場合、XeF
2、F
2、等が考慮され得る。例えば、XeF
2+O
2+Ar+CH
3COOHのフィードガスは、上記の反応(3)及び(4)を起こすため、チャンバに導入され得る。Fのみのソース(Xeは不活性である)を使用すると、側壁反応上のCuF
Xのみのカバレッジを保証する。
【0035】
上記の例の全ては「ワンステップのプラズマ処理」であるが、「マルチステップ」処理を使用してよい。さらに、プラズマの生成は、RIE又はイオンアシストエッチングにより不動態化を阻害することに関して説明されている間、プラズマは、マルチステップ処理の他の部分のために維持することができる。マルチステップ法は、上述した炭化水素及びフルオロカーボンなどの不動態化剤の全てのタイプに適用可能である。ここで、CuF
x不動態化剤が、マルチステップ方法を説明するための一例として使用される。: 第1のステップにおいて、至る所にCuF
xを形成するため、XeFの弱いプラズマを生成する。第2のステップにおいて、Arプラズマが生成され、且つ、バイアス電力は、フィーチャ底部のArイオン衝撃を介してCuのみのフィーチャ底部を得るためである。第3のステップは、不動態化剤として側壁CuF
Xを残しつつ、フィーチャ底部上にCu
XOを形成するための、バイアスを有するO
2プラズマである。ステップ4において、CH
3COOHが導入され、それが、プラズマを点灯することなく自発的にフィーチャ底部Cu
XOをエッチングする。4つのステップは、より深いフィーチャのためCuエッチングを継続するため、繰り返す。
【0036】
別のマルチステップの例として:
ステップ1は、至る所にポリエチレンを堆積するC
2H
4プラズマがある。ステップ2は、フィーチャ底部ポリエチレンをエッチング除去し、フィーチャ底部上にCuO
Xを形成する、バイアスを含むAr+O
2プラズマである。ステップ3は、プラズマなしに、フィーチャ底部Cu
xOを自発的にエッチング除去するためのCH
3COOHである。再び、より深いエッチングのためにサイクルが繰り返される。
【0037】
一実施形態において、基板上に銅含有層をエッチングするための方法は、プラズマ源と基板ホルダとを有するプラズマ処理チャンバ内に基板をロードするステップであって、前記基板は、上述したように、含有層とその上に形成されたエッチングマスクとを有する、ステップを包含する。不動態化ガスは、プラズマ源に第1のRF又はマイクロ波電力を適用しつつ、プラズマ処理室に導入される。前記不動態化ガスは、銅含有層宙に形成されたフィーチャの露出表面上に、第1の銅含有化合物、又は不動態化層、又はそれらの組み合わせを形成する。不活性ガスが、第2のRF又はマイクロ波電力をプラズマ源に適用しつつ、プラズマ処理チャンバ内に導入され、且つ、反応性ガスが、第3のRF又はマイクロ波電力をプラズマ源に適用しつつ、プラズマ処理チャンバ内に導入される。反応性ガスは、上述のように、銅含有層内に形成されたフィーチャの露出面上に第2の銅含有化合物を形成する。還元性ガスは、プラズマ処理チャンバ内に導入される。前記還元性ガスは、揮発性の銅含有化合物を形成するために第2の銅含有化合物と反応し、且つ、前記揮発性の銅含有化合物は、プラズマ処理チャンバからポンピングされる。銅含有層内にパターンが形成されるまで、これらのステップが繰り返される。不活性ガスは、これらのステップのいずれか1つの間に導入され得る。
【0038】
具体的なエッチングプロセスを実行するための持続時間は、実験の設計(DOE)テクニック又は先の経験を使用して決定することができる。しかしながら、それはまた、終点検出を用いて決定することができる。終点検出の1つの可能な方法は、基板からの特定の材料層の除去の変化又は実質的な完成間近、及び下地の薄膜との接触に近位して、プラズマ化学の変化が生じるときを示す、プラズマ領域から放出される光のスペクトルの一部を監視することである。監視対象の波長に対応する放射レベルが指定されたしきい値をクロスした後(例えば、実質的にゼロに低下する、特定のレベル未満に低下する、又は特定のレベルを超えて増加する)、終点に到達していると考えることができる。使用されるエッチング化学とエッチングされる材料層に特有の様々な波長を使用することができる。さらに、オーバーエッチング時間の期間を含めるため、エッチング時間を拡張することができる。ここでオーバーエッチング時間は、エッチングプロセスの開始と終点検出に関連する時間との間の時間の一部(a fraction)(すなわち、1〜100%)を構成する。
【0039】
エッチングパフォーマンスはまた、エッチング装置(etcher)に用いられるプラズマの種類によって強く影響される。上述したように、あるレベルのバイアスパワーが、SAEのために必要とされる。プラズマ特性はプラズマ化学に影響を与えるため、プラズマ源の性質はまた、エッチングパフォーマンスに影響を与える。CH
3COOHは、反応のための重要な分子であり、その解離が制御されるべきである。さらに重要なことは、揮発性Cu化合物のエッチング生成物、Cu(CH
3COO)
2は、一旦それがプラズマボディ内に入ると、解離されるべきではない(最低条件において、その解離が可能な限り最小化される必要がある)。拡散プラズマは、これらの要件を満たす上で理想的である。
【0040】
マイクロ波表面波プラズマは、拡散プラズマを提供するために使用され得る。一般に、マイクロ波表面波プラズマは、現実的な物理的なサイズのウエハエッチング装置において、ウェハレベルでの真の拡散プラズマを生成することができる唯一のプラズマ源である。
図4は、本発明の実施形態による拡散プラズマを生成するために使用されるラジアルラインスロットアンテナ(RLSA(登録商標))プラズマ源の概略図である。
図4に示す実施形態において、還元性ガス入力440は、基材と不動態化ガスに近接し、且つ、反応性ガス入力450は、マイクロ波電力が結合される(coupled)RLSA460に近接する。
図4において、拡散プラズマにおける解離は(すなわち、ウエハレベルで)、本質的に排除される。その結果、エッチング生成物のCu(CH
3COO)
2は、再デポジットCuなしにポンピングされることができる。拡散プラズマに(すなわち、ウエハレベルに近い)CH
3COOHを供給することはまた、本質的にその解離を排除する。還元性ガス分子475と揮発性反応物485がまた、
図4に示される。
【0041】
図5は、実施形態に係るCu含有層をエッチングするためのプラズマ処理システムを示す。プラズマ処理システム1は、プラズマ処理チャンバー10と、プラズマ処理チャンバ10に結合された任意の診断システム12と、任意の診断系12及びプラズマ処理チャンバ10に結合されたコントローラ14と、包含する。コントローラ14は、本明細書に記載されるように、Cu含有層をエッチングするために構成された少なくとも1つのステップを含むプロセスレシピを実行するように構成される。加えて、コントローラ14は、場合によって、診断システム12からの少なくとも1つの終点信号を受信するように、且つ、プロセスのための終点を正確に決定するために少なくとも1つの終点信号を後処理するように構成される。あるいは、コントローラ14は、プロセスの終点を設定するための事前決定された時間を利用する。図示される実施形態において、
図5に示されるプラズマ処理システム1は、エッチング処理のためにプラズマを利用する。
【0042】
図6は、別の実施形態に係るプラズマ処理システムを図示する。プラズマ処理システム1aは、プラズマ処理チャンバ10、被処理基板25が固着される基板ホルダ20、及び真空ポンピングシステム30を含む。基板25は、半導体基板、ウェハ又は液晶ディスプレイであり得る。プラズマ処理チャンバ10は、基板25の表面に隣接する処理領域15におけるプラズマの生成を容易にするように構成することができる。イオン化可能なガス又はガスの混合物は、ガス注入システムを介して導入され(図示せず)、且つ、処理圧力が調整される。例えば、制御機構(図示せず)は、真空ポンプ系30を絞る(throttle)ために使用することがでる。プラズマは、予め決定された材料プロセスに特有の材料を作成する、及び/又は基板25の露出面から材料の除去を支援するために利用することができる。プラズマ処理システム1aは、いずれのサイズの基板、例えば200mm基板、300mm基板、450mm基板以上を処理するように構成することができる。
【0043】
基板25は、静電クランプシステムを介して基板ホルダ20に固定することができる。その上さらに、基板ホルダ20は、さらに、種々のエッチングプロセス中の基板25の温度を制御するための温度制御システムを包含することができる。
【0044】
その上さらに、基板ホルダ20は、基板25と基板ホルダ20との間のガスギャップ熱伝導を改善するために、裏面ガス供給システムを介して基板25の裏面への熱伝達ガスの送達を容易にすることができる。基板の温度制御が、上昇又は低下した温度で必要とされるとき、そのようなシステムを利用することができる。例えば、裏面ガスシステムは、背面ガス(例えば、ヘリウム)圧力は、独立して、基板25の中心部と縁部との間で変化させることができる2ゾーンガス分配システムを含むことができる。
【0045】
他の実施形態において、加熱/冷却素子(elements)、例えば、抵抗加熱素子、又は熱電ヒータ/クーラー等が、プラズマ処理チャンバ10のチャンバ壁、及びプラズマ処理システム1a以内のいずれの他の構成要素において含めることができる。
【0046】
図6における実施形態において、基板ホルダ20は、電極を含むことができ、電極を介して、RFパワーが処理空間15における処理プラズマに結合される。例えば、基板ホルダ20は、RF発生器40からのRFパワーの伝達を介して、基板ホルダ20に、任意のインピーダンス整合ネットワーク42を介して、RF電圧において電気的にバイアスすることができる。RFバイアスは、プラズマを形成及び維持するため、もしくはシース(sheath)内のイオンエネルギー分布関数に影響を与えるため、又はその両方のため、電子を加熱するのに役立つことができる。この構成において、システムは、反応性イオンエッチング(RIE)反応器として動作することができ、ここで、チャンバは、研削表面(ground surfaces)として機能することができる。RFバイアスのための典型的な周波数は、0.1MHzから100MHzの範囲とすることができる。プラズマ処理用のRFシステムは、当業者に周知である。
【0047】
その上さらに、インピーダンス整合ネットワーク42は、反射電力を減少させることによって、プラズマ処理チャンバ10内のプラズマへのRF電力の伝達を改善するのに役立つ。マッチネットワークトポロジ(例えば、L型、Π型、T型、等)及び自動制御方法は当業者に周知である。
【0048】
図6図をさらに参照すると、プラズマ処理システム1aは、必要に応じて、基板25に対向する上部電極52に接続された直流(DC)電源50を含む。上部電極52は、電極板を含んでもよい。電極板は、シリコン含有電極板を含むことができる。その上さらに、電極板は、ドープされたシリコン電極板を含むことができる。DC電源は、可変DC電源を含むことができる。加えて、DC電源は、バイポーラDC電源を含むことができる。DC電源50は、DC電源50の極性、電流、電圧、又はon/off状態を監視する、調整する、又は制御することの少なくとも1つを実行するように構成されたシステムをさらに包含することができる。プラズマが形成されると、DC電源50は、弾道電子ビームの形成を促進する。電気フィルタは、DC電源50からのRF電力結合解除する(de-couple)ために利用することがでる。
【0049】
例えば、DC電源50によって電極52に印加されるDC電圧は、約−2000ボルト(V)から約1000Vまでの範囲とすることができる。望ましくはDC電圧の絶対値は、約100V以上の値を持ち、且つ、より望ましくはDC電圧の絶対値は、約500V以上の値を持つ。さらに、DC電圧は負の極性を有することが望ましい。その上さらに、DC電圧は、上部電極52の表面に発生する自己バイアス電圧よりも大きな絶対値を有する負の電圧であることが望ましい。基板ホルダ20に対向する上部電極52の表面は、シリコン含有材料で構成することができる。
【0050】
真空ポンプシステム30は、毎秒5000リットル(以上)までのポンピング速度が可能なターボ分子真空ポンプ(TMP)、及びチャンバ圧力を絞るためのゲートバルブを包含することができる。ドライプラズマエッチングに用いられた従来のプラズマ処理装置においては、毎秒1000から3000リットルのTMPを利用することができる。TMPは、低圧処理、典型的には50mTorr未満のために使用することができる。高圧処理(すなわち、100mTorrより大きい)の場合、メカニカルブースターポンプ及びドライ粗引き(roughing)ポンプを使用することができる。その上さらに、チャンバ圧力を監視するための装置(図示せず)は、プラズマ処理チャンバ10に結合することができる。圧力測定装置は、例えば、MKSインスツルメンツ社(マサチューセッツ州アンドーバー)から市販されている628B型Baratron(登録商標)絶対キャパシタンスマノメータであり得る。
【0051】
図6図をさらに参照すると、プラズマ処理装置1aは、コントローラ90をさらに含む。前記コントローラ90は、プラズマ処理システム1aへの入力を通信し、及びアクティベートし、並びに、プラズマ処理システム1aからの出力をモニタリングするのに十分な、制御電圧を生成することができる、マイクロプロセッサ、メモリ及びデジタルI/Oポートを含む。その上さらに、コントローラ90は、RF発生器40、インピーダンス整合ネットワーク42、任意のDC電源50、ガス注入システム(図示せず)、真空ポンプシステム30と、並びに、裏面ガス送達システム(図示せず)、基板/基板ホルダ温度制御システム(図示せず)、及び/又は静電クランプシステム(図示せず)と、結合することができ、且つ、情報を交換することができる。メモリに格納されたプログラムは、薄膜のエッチング方法を実行するために、プロセスレシピに従ってプラズマ処理システム1aの前述の構成要素への入力をアクティベートするために利用することができる。コントローラ90の一例は、デル社、オースティン、テキサス州から入手可能なDELL PRECISION WORKSTATION 610(登録商標)である。
【0052】
コントローラ90は、プラズマ処理システム1aに対してローカルに配置されても、又は、プラズマ処理システム1aに対してインターネット又はイントラネットを介してリモートに配置されてもよい。従って、コントローラ90は、直接接続、イントラネット、又はインターネットの少なくとも1つを用いて、プラズマ処理システム1aとデータを交換することができる。コントローラ90は、カスタマーサイト(すなわち装置メーカ等)でイントラネットに結合され、あるいはベンダーサイト(すなわち装置製造者)でイントラネットに結合されてもよい。その上さらに、別のコンピュータ(すなわち、コントローラ、サーバ等)が、直接接続、イントラネット、又はインターネットの少なくとも1つを介してデータを交換するためにコントローラ90にアクセスすることができる。
【0053】
図7に示す実施形態において、プラズマ処理システム1bは、
図6の実施形態と同様とすることができ、且つ、潜在的にプラズマ密度を増加させ、及び/又はプラズマ処理の均一性を向上させるために、静止しているか、又は機械的又は電気的に回転するかである磁場システム60をさらに含む。さらに、コントローラ90は、回転速度及び磁場強度を制御するため、磁場システム60に結合することができる。回転磁場の設計及び実装は当業者に周知である。
【0054】
図8に示す実施形態において、プラズマ処理システム1cは、
図6又は
図7の実施形態と同様とすることができ、且つ、任意のインピーダンス整合ネットワーク72を介して上部電極52にRF電力を結合するように構成されたRF発生器70をさらに含むことができる。上部電極52へのRF電力の印加のための典型的な周波数は、約0.1MHzから約200MHzの範囲とすることができる。加えて、基板ホルダ20(又は下部電極)への電力の印加のための典型的な周波数は、約0.1MHzから約100MHzの範囲とすることができる。例えば、上部電極52に結合されたRF周波数は、基板ホルダ20に結合されたRF周波数よりも比較的高くすることができる。その上さらに、RF発生装置70から上部電極52へのRF電力は、振幅変調することができ、又はRF発生器40から基板ホルダ20へのRF電力は、振幅変調することができ、又は両方のRF電力が振幅変調であることができる。望ましくは、より高いRF周波数におけるRF電力が振幅変調される。さらに、コントローラ90は、上部電極70へのRF電力の印加を制御するため、RF発生装置70及びインピーダンス整合ネットワーク72に結合される。上部電極の設計及び実装は当業者に周知である。
【0055】
図8をさらに参照すると、任意のDC電源50は、上部電極52に直接接続されてもよいし、又は、インピーダンス整合ネットワーク72の出力端から上部電極52まで延びるRF伝送路に結合されてもよい。電気フィルタは、DC電源50からのRF電力を結合解除するために利用することができる。
【0056】
図9に示す実施形態において、プラズマ処理システム1dは、例えば、
図6、7及び8の実施形態と同様とすることができ、且つ、誘導コイル80をさらに含むことができる。誘導コイル80に、RF電力が、任意のインピーダンス整合ネットワーク84を通じてRF発生器82を介して結合される。RF電力は、誘導コイル80から、誘電体窓(図示せず)を介してプラズマ処理領域15に、誘導結合される。誘導コイル80へのRF電力の印加のための典型的な周波数は、約10MHzから約100MHzの範囲とすることができる。同様に、基板ホルダ20(又は下部電極)への電力の印加のための典型的な周波数は、約0.1MHzから約100MHzの範囲とすることができる。加えて、誘導コイル80とプラズマとの間の容量結合を減少させるために、スロット付き(slotted)ファラデーシールド(図示せず)を利用することができる。さらに、コントローラ90は、誘導コイル80への電力の印加を制御するために、RF発生器82とインピーダンス整合ネットワーク84に結合される。別の実施形態において、トランス結合型プラズマ(TCP)リアクタにおけるように上からのプラズマ処理領域15と連通した「らせん」コイル又は「パンケーキ」コイルであり得る。誘導結合プラズマ(ICP)源、又はトランス結合型プラズマ(TCP)源の設計及び実装は当業者に周知である。
【0057】
あるいは、プラズマは、電子サイクロトロン共鳴(ECR)を用いて形成することができる。さらに別の実施形態において、プラズマは、ヘリコン波の発射から形成される。さらに別の実施形態において、
図4に記載されているように、プラズマは、伝播する表面波から形成される。上述した各プラズマ源は当業者に周知である。
【0058】
図10に示す実施形態において、プラズマ処理システム1eは、例えば、
図8及び
図9の実施形態と同様とすることができ、且つ、別の任意のインピーダンス整合ネットワーク46を介して基板ホルダ20にRF電力を結合するように構成された第2のRF発生器44をさらに含むことができる。基板ホルダ20へのRF電力の印加のための典型的な周波数は、第1のRF発生器40又は第2のRF発生器44又はその両方の場合、約0.1MHzから約200MHzの範囲とすることができる。第2のRF発生器44のためのRF周波数は、第1のRF発生器44のためのRF周波数よりも相対的に大きくすることができる。その上さらに、RF発生装置40から基板ホルダ20へのRF電力は、振幅変調することができ、又はRF発生器44から基板ホルダ20へのRF電力は、振幅変調することができ、又は両方のRF電力が振幅変調することができる。望ましくは、より高いRF周波数でのRF電力が振幅変調される。さらにまた、コントローラ90は、基板ホルダ20へのRF電力の印加を制御するために、第2のRF発生器44及びインピーダンス整合ネットワーク46に結合される。基板ホルダ用のRFシステムの設計及び実装は当業者に周知である。
【0059】
背景で述べたように、Cuエッチングチャンバを洗浄する方法が必要とされる。一実施形態によれば、エッチング化学は、チャンバ部分からCuを落とす(clean off)ためであり、ウエハごとの又は多数のウエハごとのドライ洗浄頻度は、製造要件に依存する可能性がある。本明細書で説明したものに加えて、1つの有望な銅の異方性プラズマエッチングプロセスは、H
2ベースのプラズマRIEである。その正確なエッチング機構は、まだ科学的に結論付けられていない。しかしながら、1つのもっともらしいメカニズムは、「Cu表面の損傷後の、プラズマディープUVフォトン誘起された(及び/又は電子刺激された)Cu脱着」である。メカニズムにかかわらず、脱着したCuの大部分は、全てのチャンバ部品の表面に付着する。多数のウエハのエッチング後、チャンバ条件が著しく変化することになる。従って、チャンバ安定性が被ると予想され、且つ、エッチング結果がドリフトすることが予想される。本発明の実施形態は、チャンバ部品の表面上のCuデポジットをきれいに落とすため、各ウエハの後又は多数のウエハの後、ドライクリーニング方法を提供する。適切なシーズニング状態を復元する。
【0060】
図11は、本発明の実施形態に係るチャンバ内部をクリーニングするためのCu含有層をエッチングするための方法を説明するフローチャートを提供する。ステップ1102において見られるように、内部表面上にCu含有層を有する、プラズマ処理チャンバが提供される。プラズマ処理チャンバは、プラズマ源及び基板ホルダを有する。ステップ1104において、内部表面にCu含有層中のCu含有化合物を形成するために、反応性ガスがプラズマ処理チャンバ内に導入される。反応性ガスは、O
2ガスであり得る。ステップ1106において、還元性ガスはプラズマ処理チャンバに導入される。DC、RF、又はマイクロ波電力の少なくとも1つをプラズマ源に適用することによって、プラズマがプラズマ処理チャンバ内に提供される。上述のように、還元性ガスは、Cu化合物との還元反応を提供し、チャンバから除去される揮発性のCu含有化合物を生成する。還元性ガスは、上述のようなCH
3COOHなどの有機化合物であってもよい。一実施形態において、バイアスは、内部チャンバ壁上のCu含有デポジットの等方性エッチングを行うために、基板ホルダ上に提供されない。
【0061】
上述のエッチングプロセスの一つ又は複数は、プラズマ処理システム、例えば、
図50〜10に記載されたもの、を利用して行ってもよい。しかしながら、説明する方法は、この例示的な提示によって範囲を限定されるものではない。
【0062】
有機化合物ガスは、
図5〜10に示すように、有機化合物ガス供給ユニットからターゲットチャンバ内に供給される。ここで、有機酸として酢酸が、有機化合物の一例として使用される。
図12は、発明の実施形態に従って使用されうる、有機化合物供給ユニットの一例を説明する。見られるように、有機化合物ガス供給ユニット30は、中間容器36と有機化合物を貯蔵するためのタンク37とを補王眼脂、且つ、バルブ37aは、中間容器36とタンク37とを接続するライン36a上に配置される。有機化合物は、中間容器36からターゲットチャンバまで、ライン32を介して供給され、且つ、ライン32は、可変リークバルブ38を備える。中間容器36は、中間容器36内の有機化合物の量を測定するためのセンサ、例えば液面センサ39を有する。それにより、中間容器36内の有機化合物の量が測定される。液面センサ39により液面の低下が検出されると、中間容器36は、可変リークバルブ38により真空から切り離され、且つ、有機化合物は、バルブ37aを開放することにより、タンク37から中間容器に供給される。
【0063】
リザーバ37内の有機化合物(酢酸)を蒸発させ、そして蒸発させた有機化合物は、ターゲットチャンバに供給される。このとき、有機化合物(酢酸)の蒸発量は、流量制御バルブ38の開放度を制御することによって制御される。有機化合物ガスの供給量が、基板S上に形成されたCu膜の表面に、十分な有機化合物分子を吸着させるレベルに設定される。ターゲットチャンバ3内の圧力(酢酸の分圧)は、好ましくは約10−4Torr〜10−6Torrである。圧力計34は、例えば、あるイオンゲージ又はキャパシタンスマノメータ(monometer)であり得る。
【0064】
上述の実施形態と同様に、還元性ガスは、CH
3COOHなどの酸を含み、反応性ガスは、O
2を含む。不活性ガス、例えばHe、Ne、Ar、Kr、及びXeを用いてもよい。さらに、反応性ガス及び還元性ガスは、プラズマ処理チャンバ内に、単一ステッププロセスで、同時に導入されても、又はプラズマプロセスチャンバ内に複数のステップで順次導入されてもよい。