特許第6584104号(P6584104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6584104搬送ライン及びこれを有する複合容器製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584104
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】搬送ライン及びこれを有する複合容器製造装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/52 20060101AFI20190919BHJP
   B65B 43/44 20060101ALI20190919BHJP
   B65B 57/08 20060101ALI20190919BHJP
   B29C 53/16 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   B65B43/52 Z
   B65B43/44 A
   B65B57/08
   B29C53/16
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-56483(P2015-56483)
(22)【出願日】2015年3月19日
(65)【公開番号】特開2016-175666(P2016-175666A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2017年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】早川 光治
(72)【発明者】
【氏名】佐古 亜貴
(72)【発明者】
【氏名】苗村 速也
(72)【発明者】
【氏名】宮本 英樹
(72)【発明者】
【氏名】山添 翔吾
(72)【発明者】
【氏名】西迫 慎弥
(72)【発明者】
【氏名】安田 茂
(72)【発明者】
【氏名】田中 充
【審査官】 蓮井 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−68544(JP,A)
【文献】 特表2004−510652(JP,A)
【文献】 特公昭54−24879(JP,B1)
【文献】 特開2012−101930(JP,A)
【文献】 特開2001−48342(JP,A)
【文献】 米国特許第05058726(US,A)
【文献】 実開昭64−47621(JP,U)
【文献】 特開2012−62113(JP,A)
【文献】 特許第6157378(JP,B2)
【文献】 実公平1−28005(JP,Y2)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0043555(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/52
B29C 53/16
B65B 43/44
B65B 57/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ラインを有する複合容器製造装置において、
前記搬送ライン上には紙製の外装材とポリプロピレン製の内容器とからなる複合容器を保持することが可能な受け具が設けられ、
前記受け具は複合容器製造時における前記外装材の撓みを矯正し、外装材と内容器とを嵌合させる際の嵌合型として機能し、
前記搬送ラインは前記受け具に複合容器を保持した状態で周回可能である複合容器製造装置。
【請求項2】
複合容器を搬送する搬送ラインであって、
前記搬送ライン上には紙製の外装材とポリプロピレン製の内容器とからなる複合容器を保持することが可能な受け具が設けられ、
前記受け具は複合容器製造時における前記外装材の撓みを矯正し、外装材と内容器とを嵌合させる際の嵌合型として機能し、
前記受け具に複合容器を保持した状態で周回可能な搬送ライン。
【請求項3】
搬送ラインの下部及び折り返し部に、ガイド部材をさらに備えた請求項2に記載の搬送ライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送ラインに関する。また、搬送ラインを有する複合容器製造装置に関する。より詳しくは、複合容器のアキューム機能を有する搬送ライン及びこれを有する複合容器製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コーヒーやインスタント食品の容器として、発泡スチロール成形容器、ポリスチロール或いはポリオレフィン系プラスチックの二重構造壁のプラスチック系容器、プラスチック容器と紙容器の二重構造壁を有する複合容器、及び紙カップの外側にコルゲート加工紙層を有する紙カップなどが実用されている。
【0003】
近年では、電子レンジで調理可能なインスタントご飯などが発売されており、好調な売れ行きを示している。この商品は水を加えて電子レンジで加熱調理するため、プラスチック容器が用いられる。しかし、プラスチック容器単体では加熱された内容物の熱がプラスチック容器を通して消費者の手に伝わってしまい、火傷をする恐れがある。そこで、プラスチック容器と紙容器の二重構造壁を有する複合容器が通常用いられている。
【0004】
複合容器の製造方法としては、いくつか報告がされている。例えば、特許文献1には、紙製のブランク板を折り畳んで形成された外カートンに、プラスチックからなる内容器を嵌めこませ、接着剤で接着させる製造方法が開示されている。また、特許文献2には、熱可塑性樹脂からなる樹脂容器に商品の中身を入れた後、蓋をシールし、それから糊打ちされた外装材と組み合わせる方法が開示されている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭64−47621号
【特許文献2】特開2012−62113号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、複合容器を作った後に内容物を充填する製造方法は次の通りである。まず、パーツを順次コンベアなどによって各作業工程機まで運び、運ばれてきたパーツに対して、各作業工程機がそれぞれ決められた動作を行うことで、容器が完成する。そして、完成した容器に内容物を充填し、蓋をシールすることで、製品が完成する。これらは通常、同一生産ライン上で行われることが多い。
【0007】
しかし、複数の工程を同一生産ライン上に設けた場合、どこかの工程に予期せぬ問題が発生すると、生産ライン全体を止めなければならなくなる。そして、生産ラインを再稼動するためには、製造途中の容器を廃棄しなければならず、生産コストがかかるといった問題がある。
【0008】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、生産ライン上の工程において予期せぬ問題が発生した場合であっても、生産ライン全体を止めることなく、対処できる搬送ライン及びこれを有する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、生産ライン上の工程において、予期せぬ問題が起こったときであっても、生産ライン全体を止めることなく対処できないかについて鋭意検討を行った。そして、生産ライン全体を止めるのではなく、問題が発生した工程よりも上流の工程については、作業を完結させた上で一時的に搬送ライン上にアキュームさせることで、不良品の発生を抑えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
上記課題解決のため、本発明は、搬送ラインを有する複合容器製造装置において、前記搬送ライン上には複合容器を保持することが可能な受け具が設けられ、前記受け具に複合容器を保持した状態で周回可能である複合容器製造装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、受け具が、複合容器製造時における嵌合型として機能することが好ましい。
【0012】
本発明は、複合容器を搬送する搬送ラインであって、前記搬送ライン上には複合容器を保持することが可能な受け具が設けられ、前記受け具に複合容器を保持した状態で周回可能な搬送ラインを提供する。
【0013】
また、搬送ラインの下部及び折り返し部に、ガイド部材をさらに備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、生産ライン上の工程において、予期せぬ問題が起こった場合であっても、問題の起こった工程よりも上流の工程については、作業を完結させることができるため、不良品の発生を抑制することができる。また、作業が完結した容器などを搬送ライン上に一時的にアキュームすることで、生産ラインのすべてを止める必要がなく、再稼動の時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明にかかる複合容器製造装置の概略説明図である。
図2】本発明にかかる受け具の構造を示す説明図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるA−A断面矢視図である。
図3】本発明にかかる他の実施形態を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための好適な形態について図を用いつつ、説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0017】
<複合容器製造装置1>
まず、本発明のアキューム機能を備えた複合容器製造装置1について説明する。
複合製造装置1は、紙からできている外装材Sと、ポリプロピレンからできている内容器Vを組み合わせて複合容器Cを製造するための装置である。そして、この製造装置1には、複合容器Cをアキュームすることができる搬送ライン40が設置されている。
【0018】
図1に示すように、本実施例にかかる複合容器製造装置1は、主に、外装材Sを搬送ライン40上に供給する外装材供給装置10と、供給された外装材Sに糊打ちする糊打ち装置20と、糊打ちされた外装材Sに内容器Vを供給する内容器供給装置30と、パーツを順次各ステップに搬送する搬送ライン40と、を備えて構成されている。
【0019】
本実施例にかかる複合製造装置1において、外装材供給装置10、糊打ち装置20、内容器供給装置30は、搬送ライン40の進行方向に対して上流から下流にこの順に配置されている。また、搬送ライン40は、各装置の下を走行するように配置されており、周回している。
【0020】
<外装材供給装置10>
外装材供給装置10は、生産ラインの上流に配置される装置であって、複合容器Cの外装材Sを後述する搬送ライン40に供給する装置である。
【0021】
外装容器供給装置10は、積層された外装材Sを備えており、積層された外装材Sから一つずつ取り出して、搬送ライン40上に供給する。本実施例においては、外装材Sは開口部を下に向けた状態で積層され、外装材供給装置10にセットされている。積層体から外装材Sを取り出す方法としては、特に限定されないが、例えば、開口部から外装材S内にノズルを挿入し、真空吸引して取り出す方法などが挙げられる。そして、取り出された外装材Sは、ノズルが上下180度反転することで、搬送ライン40上に供給される。
【0022】
また、本実施例において、搬送ライン40上に供給される外装材Sの数は特に限定されない。例えば、搬送ライン40上に複数列のラインを設け、それらに対して数行分ずつ外装材Sを供給しても良い。
【0023】
<糊打ち装置20>
糊打ち装置20は、外装材供給装置10の下流に配置された装置であって、外装材供給装置10から供給され、搬送された外装材Sに対して、外装材内面の開口部付近に糊打ちするための装置である。
【0024】
糊の塗布方法は特に制限されないが、スプレー方式、滴下方式、塗出方式などを用いることができる。また、塗布装置も、市販のものを用いることができる。なお、塗布方法、塗布量、塗布装置については、糊の粘度や、容器の材質などによって適宜選択可能である。
【0025】
糊は特に限定されないが、外装材Sと内容器Vの材質に合わせて選択可能である。糊の種類としては、水溶接着剤、ゴム系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリル系接着剤、ビニル系接着剤、シリコーンゴム系接着剤、プラスチック系接着剤、ホットメルト系接着剤、などが挙げられる。このうち、耐熱性、接着性、外装材Sに接着剤が吸収されにくい点などから、ポリオレフィン系接着剤が好ましい。
本実施例においては、糊貯蔵タンク(図示せず)から供給されるポリオレフィン系接着剤を、外装材内面の四面に塗出する方式で行っている。
【0026】
<内容器供給装置30>
内容器供給装置30は、糊打ち装置20の下流に位置する装置であって、糊打ち装置20によって糊打ちされた外装材Sに対して、内容器Vを供給するための装置である。
【0027】
内容器供給装置30は、積層された内容器Vを備えており、積層された内容器Vから一つずつ取り出して、搬送ライン40上の外装材Sに供給する。本実施例においては、内容器Vは開口部を上に向けた状態で積層されて、内容器供給装置30にセットされている、積層体から内容器Vを取り出す方法としては、特に限定されないが、例えば、内容器Vのフランジに装置の爪を引っ掛けることで一つずつ取り出す方法が挙げられる。
【0028】
<搬送ライン40>
搬送ライン40は、上記各装置によって供給/処理されたパーツを次工程に搬送するための装置であるとともに、複合容器Cをアキュームする機能も有している。
【0029】
図1に示すように、搬送ライン40は、複合容器のパーツを各工程に搬送するコンベア41と、外装材供給装置10から供給された外装材Sを整列して搬送するための受け具42と、複合容器Cが受け具42に載置された状態で周回する際に、受け具42から落下するのを防止するガイド部材43と、を備えて構成される。
【0030】
コンベア41は、図1に示すように、上記各装置の下部に位置している。また、コンベア41は無端であり、水平方向に回動軸を有している。
【0031】
コンベア41としては、ゴムベルトコンベア、スチールベルトコンベア、金網ベルトコンベア、ケーブルベルトコンベア、マグネットベルトコンベアなどのベルトコンベア、スライドコンベア、フラットコンベア、金網チェーンコンベア、クロスバーコンベア、エプロンコンベア、パンコンベア、カーブドコンベア、ピボッテドバケットコンベア、ドラグチェーンコンベア、スクレーパコンベア、エンマッセコンベア、パレットコンベア、プッシャコンベア、台車コンベア、トウコンベア、トロリコンベアなどのチェーンコンベア、フリーローラーコンベア、駆動ローラコンベア、ホイールコンベアなどのローラコンベアなどが挙げられる。本発明においては、ベルトコンベアまたはチェーンコンベアが好ましい。
【0032】
コンベア41の搬送速度は特に限定されないが、各工程での動作に支障をきたさない速度であることが好ましい。また、各工程で一時的に停止する間欠運動であることが好ましい。
【0033】
受け具42は、外装材供給装置から供給された外装材を整列して搬送するための手段である。本実施例においては、受け具42は嵌合型として機能し、外装材の撓みを矯正するとともに、外装材と内容器の嵌合を確実に行うためのものである。そのため、受け具42の外装材が載置される空間は、外装材と略同じ寸法となっている。また、受け具42は、図1に示すように、コンベア41の進行方向に対して、等間隔に配置されている。
【0034】
ここで、図2(a)に示すように、受け具42は、互いに対向して配置される金属製の一対の平面421と、この一対の平面の間に介在する複数の金属製区切り部材423と、平面の下部に設けられた支持片422と、を備えている。
【0035】
平面421は、後述する区切り部材423と組み合わせることで、外装材を収容するための空間を形成するための部材である。
図2(b)に示すように、平面421は、その下部に支持片422を有している。より詳しくは、平面421は、互いに対向して配置されるとともに、上部から下部に向かうにしたがって内側(すなわち、互いに近づく方向)に傾斜している。なお、平面421の傾斜角は、外装材Sの壁面の傾斜角とほぼ同じである。
【0036】
平面421は、外力がかかっても変形しない程度の剛性を持つ材料であればよく、例えば、ステンレス、鉄、銅、アルミなどで構成されている。本実施例では、平滑面を有するステンレスの金属板を切り出し、折り曲げ加工して、所定の形状に形成している。
【0037】
支持片422は外装材Sを受け具に設置した際に、嵌り込み過ぎないようにするための部材である。
図2(a)に示すように、支持片422は後述する区切り部材によって区切られた各空間において、平面下部のほぼ中央に設けられている。また、支持片同士は内側(すなわち、互いに近づく方向)に向かって折り曲げられている。なお、本実施例においては、支持片同士は接触しない程度に、支持片間に間隙が設けられているが、これに限られるものではなく、支持片同士が連結している構造であっても良い。
【0038】
区切り部材423は、一対の平面421と組み合わされることで、外装材Sを収容するための空間を形成するためのものである。
図2(a)に示すように、区切り部材423は互いに対向して配置されるとともに、同じ高さで平面421に溶接され、固定されている。また、平面421と区切り部材423は、平面視矩形状となるように、平面421と区切り部材423が直角をなすように設置されている(図示せず)。なお、本実施例において区切り部材423として金属棒を用いているが、これに限られるものではなく、柱状の部材や板状の部材を用いても良い。また、区切り部材423は、外装材Sの一部または全面と触れるようにしても良い。
【0039】
ガイド部材43は、複合容器Cが受け具42に載置された状態で周回する際に、複合容器Cが受け具42から落下するのを防止するための部材である。
図1に示すように、ガイド部材43は、コンベア41の下部及び折り返し部に設けられている。ガイド部材43の構造としては、受け具42から容器が落ちるのを防ぐことができれば特に限定されず、平面板や生産ラインに対応したレール形状であっても良い。また、平面板である場合には、メッシュ形状としてもよい。ガイドレールの部材としては、ステンレス、鉄、銅、アルミなどが挙げられる。
【0040】
また、ガイド部材43は、コンベア41との間に複合容器Cが通過できる程度の間隔を設けていることが好ましい。コンベア41との間隔が広すぎると、複合容器Cが落下した際に容器がコンベア41とガイド部材42との間に引っかかる恐れがある。一方、コンベア41との間隔が狭すぎると、コンベア41の周回が円滑進まない恐れがある。
【0041】
次に、複合容器製造装置1の動作及び複合容器Cの製造方法について、図面を適宜参照しながら説明する。
【0042】
まず、外装材供給装置10は、開口部を下に向けた状態で積層されている外装材Sにノズルを挿入する。ノズルの先端には外装材を吸引するための吸引部が設けられており(図示せず)、吸引して外装材Sを吸着させることができる。そして、外装材Sを吸着した状態でノズルを下降させたのち、水平軸を基軸として、上下180度反転させ、コンベア41上の受け具42に載置する。
【0043】
次に、受け具42に載置された外装材Sは、位置矯正具(図示せず)によって、上からプレスされ、受け具42に押し込まれる。なお、このとき、支持片422によって外装材Sが受け具42に押し込まれすぎるのを防ぐことができる。そして、コンベア41によって糊打ち装置20の下部まで運ばれる。糊打ち装置20は、運ばれてきた外装材Sの内面に対して、糊を塗出する。なお、動作を確実に行うために、コンベア41は間欠的な動きをしている。
【0044】
次に、糊打ちされた外装材Sは、コンベア41によって、内容器供給装置30の下部に運ばれる。内容器供給装置30は、開口部を上に向けた状態で積層されている内容器Vから一つずつ内容器を切り出す。一方、搬送されてきた外装材Sは、外装材押し上げ装置(図示せず)によって受け具42の下から押し上げられ、切り出された内容器Vと組み合わされる。組み合わされた複合容器Cは、外装材押し上げ装置が下降するのに合わせて、再度受け具42に載置される。
【0045】
受け具42に載置された複合容器Cは、位置矯正具によって、上からプレスされ、受け具42に押し込まれる。このとき、受け具42は外装材Sの寸法と略同じであるため嵌合型として機能する。これにより、外装材Sのフラップなどによる撓みを矯正することができ、外装材Sと内容器Vとの嵌合を確実に行うことができる。
【0046】
完成した複合容器Cは、その後、受渡シリンダ(図示せず)によって内容物充填工程へと送られる。内容物が充填された複合容器Cは、開口部をアルミキャップなどでシールした後、シュリンクフィルムなどによって包装される。
【0047】
一方、複合容器Cの完成以降の工程にトラブルが発生した場合、本発明においては、搬送ラインの受け具42に完成した複合容器Cを保持した状態で周回させることができる。例えば、完成した複合容器Cを次工程に受け渡す受渡シリンダに異常が見つかった場合、従来では生産ラインの全てを止めていたが、本発明ではコンベア41を周回させ続けることができる。また、搬送ライン40にはガイド部材43が設けられているため、複合容器Cが搬送ライン上を周回する際に受け具42から脱落することを防止することができる。
【0048】
さらに、本発明によれば、糊打ちされた段階で生産ラインが止まってしまった場合、従来では糊打ちされた容器を破棄せざるをえなかった。しかし、搬送ライン40にアキューム機能を設けることで、複合容器製造の最終工程まで行うことができ、生産ロスを減らすことが可能である。また、完成した複合容器Cを受け具42に保持した状態で周回させておくことで、問題が解決した際に、すぐに生産を再開することができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施例に限定されない。例えば、図3に示すように、複合容器製造装置と次工程との間に別のコンベアを設けても良い。これにより、新たに設けたコンベアにも複合容器をアキュームできる。また、新たに設けたコンベアを、階をわたって設けることにより、限られたスペースであっても効率よく生産することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 複合容器製造装置
10 外装容器供給装置
20 糊打ち装置
30 内容器供給装置
40 搬送ライン
42 受け具
43 ガイド部材
図1
図2
図3