特許第6584793号(P6584793)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6584793酢酸菌又はその粉砕物を含有する容器入り食品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584793
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】酢酸菌又はその粉砕物を含有する容器入り食品
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20190919BHJP
   A23L 33/17 20160101ALI20190919BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20190919BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20190919BHJP
【FI】
   A23L33/10
   A23L33/17
   A23L33/135
   A23L5/00 G
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-39615(P2015-39615)
(22)【出願日】2015年2月27日
(65)【公開番号】特開2016-47041(P2016-47041A)
(43)【公開日】2016年4月7日
【審査請求日】2017年8月24日
(31)【優先権主張番号】特願2014-170273(P2014-170273)
(32)【優先日】2014年8月25日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591112371
【氏名又は名称】キユーピー醸造株式会社
(72)【発明者】
【氏名】奥山 洋平
【審査官】 市島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−079739(JP,A)
【文献】 特開平05−163154(JP,A)
【文献】 特開昭61−274670(JP,A)
【文献】 特開2007−082502(JP,A)
【文献】 特開2013−059327(JP,A)
【文献】 特開2010−119321(JP,A)
【文献】 特開2008−214215(JP,A)
【文献】 YAKUGAKU ZASSHI,2013年,Vol.133, No.1,pp.107-115
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 31/00−33/29
CAplus/FSTA/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
肝臓エキスを含有する、容器入り食品において、
グルコンアセトバクター(Gluconacetobacter)属又はグルコノバクター(Gluconobacter)・コンドニイである酢酸菌又はその粉砕物を含有し、
酢酸濃度が0.3%以下であり、
肝臓エキス1部(固形分換算)に対する前記酢酸菌又はその粉砕物の含有量が0.067部以上8.9部以下であり、
前記容器が、酸素遮断性容器である、
容器入り食品。
【請求項2】
オルニチンを含有する、容器入り食品において、
グルコンアセトバクター(Gluconacetobacter)属又はグルコノバクター(Gluconobacter)・コンドニイである酢酸菌又はその粉砕物を含有し、
酢酸濃度が0.3%以下であり、
オルニチン1部に対する前記酢酸菌又はその粉砕物の含有量が0.063部以上4部以下であり、
前記容器が、酸素遮断性容器である、
容器入り食品。
【請求項3】
請求項1又は2記載の容器入り食品において、
さらに、アスコルビン酸又はその塩を含有する、
容器入り食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肝臓エキス及び/又はオルニチンを含有する容器入り食品にも拘らず、肝臓エキス及び/又はオルニチンそれぞれに特有の苦味が低減された容器入り食品に関する。
【背景技術】
【0002】
肝臓は、栄養素の合成・分解を行う代謝機能や飲食物に含まれる有害物質を無毒化する解毒作用といった重要な役割を果たす臓器であり、肝臓機能に支障が生じると体に大きな負担をかけることとなる。
一方で、肝臓はストレスやアルコールによるダメージを受けやすく、また、肝臓機能に異常が生じても痛みなどを感じないため、気付くと症状が悪化しているということが多い。
ストレス社会と言われる現代においては、ストレス発散のために飲酒量が増加し肝臓に大きな負荷がかかる場合が多いため、普段からケアすることが重要となっている。
そこで、近年では、オルチニンや肝臓エキスが肝臓機能を助ける効果がある成分として注目され、手軽にこれらを摂取できるようなサプリメント等の開発がすすめられている。
しかしながら、飲料やサプリメント又はタブレット等の錠剤に、肝臓エキスやオルニチンを配合すると、それぞれに特有の苦味が際立ってしまうことが課題となっている。
【0003】
これまでに、肝臓エキスやオルニチンの苦味を低減させる方法が検討されている。
例えば、オルニチンは、茶の風味成分を添加することにより苦味低減に効果的であることが示されている(特許文献1:特開平2−128669号公報)。肝臓エキスは、L−アスパラギン酸ナトリウムとプラム系フレーバー、又はL−アスパラギン酸ナトリウムとシトラス系フレーバーとを配合することで臓器製剤特有の不快な味を改善する方法が開示されている(特許文献2:特開平5−163154号公報)。
【0004】
しかしながら、上述の方法では、満足いく効果が得られず、新しい苦味の低減方法が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−128669号公報
【特許文献2】特開平5−163154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、肝臓エキス及び/又はオルニチンを含有する容器入り食品にも拘らず、肝臓エキス及び/又はオルニチンそれぞれに特有の苦味が低減され、しかも保存後もその効果が維持された容器入り食品を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記目的を達成すべく配合原料等、鋭意研究を重ねた結果、酢酸菌又はその粉砕物を用い、食品中の酢酸濃度をコントロールすると共に、使用する容器を工夫するならば意外にも、肝臓エキスとオルニチンそれぞれに特有の苦味が低減され、しかも保存後もその効果が維持された食品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
つまり、本願発明は、
(1)肝臓エキス及び/又はオルニチンを含有する、容器入り食品において、
酢酸菌又はその粉砕物を含有し、
酢酸濃度が0.3%以下であり、
前記容器が、酸素遮断性容器である、
容器入り食品、
(2)(1)の容器入り食品において、
前記酢酸菌が、
グルコンアセトバクター(Gluconacetobacter)属である、
容器入り食品、
(3)(1)又は(2)の容器入り食品において、
さらに、アスコルビン酸又はその塩を含有する、
容器入り食品、
である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、肝臓エキス及び/又はオルニチンを含有する容器入り食品にも拘らず、肝臓エキスとオルニチンそれぞれに特有の苦味が低減され、しかも保存後もその効果が維持された容器入り食品を提供できることから、肝臓エキスやオルニチンを利用した食品のさらなる拡大に貢献するものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
【0010】
<本発明の特徴>
本発明は、肝臓エキス及び/又はオルニチンを含有する容器入り食品において、酢酸菌又はその粉砕物を含有し、酢酸濃度が0.3%以下であり、前記容器を、酸素遮断性容器にすることにより、肝臓エキス及び/又はオルニチンそれぞれに特有の苦味が低減され、しかも保存後もその効果が維持された容器入り食品であることに特徴を有する。
【0011】
<食品>
本発明の食品の形態としては、一般的に食品と称されるものであれば、いずれの形態でもよい。
例えば、炭酸飲料、酸性飲料、又は清涼飲料等の飲料、ハードカプセル、ソフトカプセル、又は打錠物等の錠剤、顆粒が挙げられ、さらに、調味料、菓子、又は惣菜等の一般的な料理も含まれる。
特に、飲料、錠剤、及び顆粒の形態は、肝臓エキスやオルニチンの苦味が問題となるため、本発明が好適である。
【0012】
<肝臓エキス>
肝臓エキスとは、ウシ、ブタ等の哺乳動物の肝臓を、加水分解酵素や酸剤、アルカリ剤を用い加水分解することによって、消化吸収されやすい形にしたものである。
本発明に用いる肝臓エキスは、一般的に市販されているものであればいずれのものでもよい。肝臓エキスの含有量は、一般的に肝臓エキス入りの食品に含有される程度であれば特に限定されるものではないが、本発明の苦味低減効果を奏しやすいことから、固形分換算で0.005%以上30%以下であればよく、さらに0.01%以上10%以下であればよい。
【0013】
<オルニチン>
オルニチンとは、遊離アミノ酸の一種であり、魚介類、特にシジミ貝に多く含まれる成分である。生体内では、オルニチン回路の中間生成物として重要な役割を担っており、肝機能や免疫機能の改善作用等を有する。
本発明に用いるオルニチンとしては、L−、D−オルニチンどちらでもよいが、L−オルニチンであるとよい。また、公知の化学的合成方法や発酵方法により製造されたもの、もしくは一般的に市販されているものを用いればよい。
オルニチンの含有量は、一般的に健康食品又は医薬品に含有される程度であれば特に限定されるものではないが、本発明の苦味低減効果を奏しやすいことから、0.2%以上60%以下であればよく、さらに0.2%以上40%以下であればよい。
【0014】
<酸素遮断性容器>
後述する酢酸菌又はその粉砕物は、酸素によって褐変等の酸化劣化を生じると、肝臓エキス及び/又はオルニチンそれぞれに特有の苦味を低減する効果が得られなくなる。
そこで、本発明の食品を入れる容器は、保存後も肝臓エキス及び/又はオルニチンの苦味低減効果を維持するために、酸素遮断性容器を用いる。
本発明に用いる酸素遮断性容器は、実質的に酸素を透過させない容器であればいずれのものでもよく、具体的には、例えば、酸素を全く透過させないアルミやスチール等の金属容器、ガラス容器、又はアルミ箔若しくはアルミ蒸着されたアルミパウチ等だけでなく、温度30℃、容器外部の相対湿度80%及び容器内部の相対湿度100%の条件下における容器壁面全体の酸素透過度の平均値が、50cc/m・day・atm以下の容器であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)等の酸素バリア性を有する樹脂を層構成に有する容器等が挙げられる。
特に、製造や運搬が容易であるアルミやスチール等の金属製の容器、又はアルミパウチを用いると良い。
さらに、本発明の食品を酸素遮断性容器に充填する際に、窒素置換しながら充填すると、容器内の酸素濃度を低い状態で保存できることから、例えば、ヘッドスペース部の残存酸素濃度が10%O以下になるようにするとよい。
【0015】
<酢酸菌>
本発明の食品に用いる酢酸菌は、代表的な酢酸菌の種類として、グルコンアセトバクタ−(Gluconacetobacter)属、アセトバクタ−(Acetobacter)属、グルコノバクター(Gluconobacter)属等を挙げることができる。
特に、本発明の効果を発揮し易いことから、グルコンアセトバクター属の酢酸菌を用いると良い。
さらに、グルコンアセトバクター属の菌としては、
グルコンアセトバクター・コンブチャ(Gluconacetobacter kombuchae)、
グルコンアセトバクター・スウィングシ(Gluconacetobacter swingsii)、
グルコンアセトバクター・キシリヌス(Gluconacetobacter xylinus)、
グルコンアセトバクター・ユーロペウス(Gluconacetobacter europaeus)、
グルコンアセトバクター・マルタセティ(Gluconacetobacter maltaceti)、
グルコンアセトバクター・ハンゼニイ(Gluconacetobacter hansenii)、
及びグルコンアセトバクター・リックウェフェシエンス(Gluconacetobacter liquefaciens)等をあげることができる。
さらに、グルコンアセトバクター属の酢酸菌の中でも、
グルコンアセトバクター・コンブチャ、
グルコンアセトバクター・ハンゼニイ、
グルコンアセトバクター・スウィングシ、
グルコンアセトバクター・キシリヌス、
グルコンアセトバクター・ユーロペウス、
及びグルコンアセトバクター・マルタセティ等の1種又は2種以上を用いると良い。
【0016】
<酢酸菌の調製方法>
酢酸菌の調製方法は、特に限定されないが、醸造酢製造の常法に基づき発酵により調製すれば良い。常法に基づけば、酢酸菌体が0.001〜0.01%に増殖して、酢酸を4〜20%と高濃度に生成する。この他に、アミノ酸や多糖類等を生成する。
本発明の食品では、酢酸濃度を0.3%以下まで低減させた上で酢酸菌を回収する。
【0017】
<酢酸菌の粉砕物>
本発明の食品に用いる酢酸菌の粉砕物は、酢酸菌を粉砕したものであればいずれのものでもよく、フレンチプレスによる押圧、又は超音波処理等の方法等、常法に則り、粉砕すればよい。
【0018】
<酢酸菌又はその粉砕物の形態>
本発明の食品に酢酸菌又はその粉砕物を含有させる形態としては、例えば、酢酸菌をそのまま、あるいはその粉砕物を乾燥処理した形態、デキストリンや乳糖等を加えて造粒した形態、又は炭酸カルシウムやシリカ等といった多孔質素材のマクロ孔の中に吸着させた形態等が挙げられる。
特に、酢酸菌を粉砕せずに用いたものは、酸化劣化を生じ難いため、苦味低減効果を奏しやすい。
なお、酢酸菌の形態は、本発明の食品を電子顕微鏡で観察することにより、目視で確認することができる。
【0019】
<酢酸菌又はその粉砕物の含有量>
本発明の食品において、酢酸菌又はその粉砕物の含有量は、肝臓エキス及び/又はオルニチンとの含有比率によるため、本発明の効果を発揮すれば特に限定されないが、食品全体に対し酢酸菌換算量で0.03%以上35%以下含有されればよく、さらに0.1%以上25%以下含有するとよい。
【0020】
<肝臓エキス1部に対する酢酸菌の含有量>
本発明の食品は、肝臓エキス特有の苦味が低減された食品が得られ易いことから、肝臓エキス1部(固形分換算)に対する酢酸菌又はその粉砕物の含有量は、酢酸菌換算量で0.05部以上であると良く、さらに0.2部以上、0.8部以上であると良い。
なお、上限は規定するものではないが、30部より多く含有したとしても、含有量に応じた本発明の効果が得られ難く、経済的ではないので、上限は30部とすると良い。
【0021】
<オルニチン1部に対する酢酸菌の含有量>
本発明の食品は、オルニチン特有の苦味を低減できる食品が得られ易いことから、オルニチン1部に対する酢酸菌又はその粉砕物の含有量は、酢酸菌換算量で0.01部以上であると良く、さらに0.04部以上、0.25部以上であると良い。
なお、上限は規定するものではないが、4部より多く含有したとしても、含有量に応じた本発明の効果が得られ難く、経済的ではないので、上限は4部とすると良い。
【0022】
<酢酸>
本発明の食品は、肝臓エキス及び/又はオルニチンそれぞれに特有の苦味が低減された食品を得るために、酢酸濃度は0.3%以下であり、さらに0.1%以下であると良く、本発明は、酢酸濃度0%も含まれる。
酢酸濃度が0.3%より多いと、酢酸特有の鼻に残る酸味によって、素材が有する苦味が強調されてしまう。
なお、酢酸菌を培養すると培地中に酢酸が産生される。そこで、本発明の食品に酢酸菌又はその粉砕物を添加する際は、水溶性成分である酢酸等と不溶性成分である酢酸菌体とを遠心処理等で分離回収し、酢酸濃度を上記濃度まで低下させる。
【0023】
<アスコルビン酸又はその塩>
本発明に用いる酢酸菌又はその粉砕物は、酸素によって褐変等の酸化劣化を生じると、本発明の効果が得られ難くなることから、本発明の食品は、酸化防止剤としてアスコルビン酸又はその塩を含有するとよい。
また、アスコルビン酸又はその塩の含有量は、本発明の効果を維持できる量であれば特に限定されないが、例えば、0.01%以上5%以下であると良く、さらに0.05%以上2%以下であると良い。
【0024】
<遊離アミノ酸、又はそれらの塩>
遊離アミノ酸、又はそれらの塩のマスキング効果により、肝臓エキス及び/又はオルニチンそれぞれに特有の苦みをより低減できることから、本発明の食品は、さらに2種以上の特定の遊離アミノ酸、又はそれらの塩を配合するとよい。
ここで、2種以上の特定の遊離アミノ酸、又はそれらの塩としては、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、及びアルギニンの少なくともいずれか1種の遊離アミノ酸、又はそれらの塩であるとよく、
さらに、グルタミン酸及びアスパラギン酸の少なくともいずれか1種の酸性アミノ酸、又はそれらの塩と、
リジン及びアルギニンの少なくともいずれか1種の塩基性アミノ酸、又はそれらの塩とを組み合わせて配合するとよい。
【0025】
<遊離アミノ酸、又はそれらの塩の配合量>
本発明の食品において、遊離アミノ酸、又はそれらの塩の配合量は、本発明の効果を発揮すれば特に限定されないが、例えば、遊離アミノ酸換算量で0.001%以上25%以下配合すればよい。
【0026】
<酢酸菌と遊離アミノ酸、又はそれらの塩の配合比率>
本発明の食品に用いる酢酸菌と前述の遊離アミノ酸、又はそれらの塩との配合比率は、本発明の効果が得られ易いことから、
酢酸菌:酸性アミノ酸=20:1〜1:20とすることができ、さらに1:10〜10:1とすることができる。
同様に、酢酸菌:塩基性アミノ酸=20:1〜1:20とすることができ、さらに1:10〜10:1とすることができる。
なお、酢酸菌の粉砕物を配合する場合、上記配合比率は酢酸菌換算として算出し、
アミノ酸塩を配合する場合は、遊離アミノ酸換算として算出する。
【0027】
<その他の原料>
本発明の食品には、上述した肝臓エキス、オルニチン、酢酸菌又はその粉砕物、酢酸、アスコルビン酸又はその塩以外の食品素材を本発明の効果が損なわれない範囲で適宜添加することができる。
具体的には、砂糖、ショ糖、ブドウ糖、果糖ブドウ糖、水あめ、還元水あめ、オリゴ糖、還元オリゴ糖、乳糖、又ははちみつ等の糖類、
スクラロース、アスパルテーム、エリスリトール、L−フェニルアラニン化合物、アセスルファムK、又はステビア等の甘味料、
ビタミンB等の各種ビタミン類、
キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、グアガム、アラビアガム、又はサイリュームシードガム等の増粘多糖類、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉などの澱粉、湿熱処理澱粉、又は加工澱粉等の澱粉類、
カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンなどの安定剤、
菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油等の動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、あるいはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的、又は酵素的処理等を施して得られる油脂等の食用油脂、
ビタミンE等の酸化防止剤、
ウコンエキス、ビサクロン、タウリン、カルニチン、亜鉛酵母、色素、香料等が挙げられる。
【0028】
次に、本発明を実施例、比較例及び試験例に基づき、さらに説明する。
なお、本発明はこれに限定するものではない。
【0029】
[調製例1](酢酸菌又はその粉砕物の調製方法)
エタノール4%、酵母エキス0.2%、及び清水95.7%に酢酸菌(Gluconacetobacter Swingsii)0.1%を添加し、品温30℃、通気量4L/minの条件で、24時間培養を行った。
得られた酢酸菌溶液に遠心濃縮処理を施した後、培地を清水で数回洗浄して流し、10%酢酸菌溶液を調製した。
次に、10%酢酸菌溶液に、入口品温170℃、出口品温65℃の噴霧乾燥処理を施し、粒径0.5〜5μmの酢酸菌粉末(酢酸菌含量ほぼ100%)を調製した。
【0030】
[調製例2](酢酸菌又はその粉砕物の調製方法)
調製例1と同様の方法により、10%酢酸菌溶液を調製した。
次に、10%酢酸菌溶液を超音波処理し、10%酢酸菌粉砕物を得た。
得られた10%酢酸菌粉砕物を、凍結乾燥機(東京理化器械株式会社製)を用いて、真空度40Pa、棚温度65℃で凍結乾燥し、粉末状の酢酸菌粉砕物を調製した。
【0031】
[調製例3](酢酸菌又はその粉砕物の調製方法)
エタノール4%、酵母エキス0.2%、及び清水95.7%に酢酸菌(Gluconacetobacter kombuchae, NBRC14816)0.1%を添加し、品温30℃、通気量4L/minの条件で、24時間培養を行った。
得られた酢酸菌溶液に遠心濃縮処理を施した後、培地を清水洗浄で除去し、10%酢酸菌溶液を調製した。
次に、10%酢酸菌溶液10%、グルタミン酸ナトリウム0.5%、アスパラギン酸ナトリウム0.5%、L−アルギニン1%、デキストリン10%、清水78%を撹拌混合後、入口品温170℃、出口品温65℃の噴霧乾燥処理を施し、酢酸菌と遊離アミノ酸、又はそれらの塩の配合比率が、酢酸菌:酸性アミノ酸=1:1、酢酸菌:塩基性アミノ酸=1:1である、酢酸菌粉末を調製した。
【0032】
[調製例4](酢酸菌又はその粉砕物の調製方法)
調製例3と同様の方法で、10%酢酸菌溶液を調製した。
次に、10%酢酸菌溶液10%、グルタミン酸ナトリウム2.5%、アスパラギン酸ナトリウム2.5%、リジン塩酸塩5%、デキストリン15%、清水65%を撹拌混合後、入口品温170℃、出口品温65℃の噴霧乾燥処理を施し、酢酸菌と遊離アミノ、又はそれらの塩の配合比率が、酢酸菌:酸性アミノ酸=1:5、酢酸菌:塩基性アミノ酸=1:5である、酢酸菌粉末を調製した。
【0033】
[実施例1](容器入り食品の調製)
配合表1に基づいて、肝臓エキス(固形分含量15%)、調製例1で調製した酢酸菌粉末、酢酸、清水を混合し、実施例1の試験液を調製した。得られた試験液を残存酸素濃度が10%O以下になるように窒素置換しながら、スチール製容器に密封充填し、本発明の容器入り食品を調製した。
なお、肝臓エキス1部(固形分換算)に対する酢酸菌又はその粉砕物の含有量は、酢酸菌換算量で1.7部であった。
【0034】
[配合表1]
肝臓エキス(固形分含量15%) 0.8%
調製例1で調製した酢酸菌粉末 0.2%
酢酸 0.05%
清水で 100%
【0035】
[試験例1]
酢酸菌又はその粉砕物添加の有無、及び酢酸濃度による、肝臓エキス特有の苦味が低減される効果について調べるため、肝臓エキス及び酢酸菌粉末を表1に記載の含有量に変更した以外は、実施例1と同様の調製方法で、比較例1及び2の容器入り食品を調製した。
次に、実施例1、並びに比較例1及び2で調製したそれぞれの容器入り食品について、官能評価を行った。
具体的には、比較例1の苦味を基準に、容器入り食品を1mLずつ舌の上に滴下して相対評価を行った。
【0036】
評価は、下記の評価基準に従ったものである。
<肝臓エキス特有の苦味>
◎:比較例1よりも、肝臓エキス特有の苦味が非常に低減されていた。
〇:比較例1よりも、肝臓エキス特有の苦味が低減されていた。
△:比較例1よりも、肝臓エキス特有の苦味が若干低減されていた。
×:比較例1と同程度に肝臓エキス特有の苦味を感じた。
【0037】
[表1]
【0038】
表1に示す通り、実施例1のみ肝臓エキス特有の苦味は低減されていた。
さらに、実施例1、並びに比較例1及び2で調製したそれぞれの容器入り食品を常温(15〜25℃)で1ヶ月保存後に開封し、肝臓エキス特有の苦味について評価したところ、表1と同様の結果が得られた。
以上より、肝臓エキスを含有する、容器入り食品において、酢酸菌又はその粉砕物を含有し、酢酸濃度が0.3%以下であり、前記容器が、酸素遮断性容器であると、肝臓エキス特有の苦味が低減され、しかも保存後もその効果が維持されることが理解できる。
【0039】
[実施例2](容器入り食品の調製)
配合表2に基づいて、オルニチン、調製例1で調製した酢酸菌粉末、酢酸、清水を混合し、実施例2の試験液を調製した。得られた試験液を窒素置換しながらスチール製容器に密封充填し、本発明の容器入り食品を調製した。
なお、オルニチン1部に対する酢酸菌又はその粉砕物の含有量は、酢酸菌換算量で0.25部であった。
【0040】
[配合表2]
オルニチン 0.8%
調製例1で調製した酢酸菌粉末 0.2%
酢酸 0.05%
清水で 100%
【0041】
[試験例2]
酢酸菌又はその粉砕物添加の有無、及び酢酸濃度による、オルニチンの苦味が低減される効果について調べるため、オルニチン及び酢酸菌粉末を表2に記載の含有量に変更した以外は、実施例2と同様の調製方法で、比較例3及び4の容器入り食品を調製した。
次に、実施例2、並びに比較例3及び4で調製したそれぞれの容器入り食品について、官能評価を行った。
具体的には、比較例3の苦味を基準に、容器入り食品を1mLずつ舌の上に滴下して相対評価を行った。
【0042】
評価は、下記の評価基準に従ったものである。
<オルニチン特有の苦味>
◎:比較例3よりも、オルニチン特有の苦味が非常に低減されていた。
〇:比較例3よりも、オルニチン特有の苦味が低減されていた。
△:比較例3よりも、オルニチン特有の苦味が若干低減されていた。
×:比較例3と同程度にオルニチン特有の苦味を感じた。
【0043】
[表2]
【0044】
表2に示す通り、実施例2のみオルニチン特有の苦味は低減されていた。
さらに、実施例2、並びに比較例3及び4で調製したそれぞれの容器入り試験液を常温(15〜25℃)で1ヶ月保存後に開封し、オルニチン特有の苦味について評価したところ、表2と同様の結果が得られた。
以上より、オルニチンを含有する、容器入り食品において、酢酸菌又はその粉砕物を含有し、酢酸濃度が0.3%以下であり、前記容器が、酸素遮断性容器であると、オルニチン特有の苦味が低減され、しかも保存後もその効果が維持されることが理解できる。
【0045】
[実施例3](容器入り食品の調製)
配合表3に基づいて、肝臓エキス(固形分含量15%)、オルニチン、調製例1で調製した酢酸菌粉末、酢酸、清水を混合し、実施例3の試験液を調製した。得られた試験液を、窒素置換しながらスチール製容器に密封充填し、本発明の容器入り食品を調製した。
【0046】
[配合表3]
肝臓エキス(固形分含量15%) 0.8%
オルニチン 0.8%
調製例1で調製した酢酸菌粉末 0.4%
酢酸 0.05%
清水で 100%
【0047】
[試験例3]
酢酸菌又はその粉砕物添加の有無、及び酢酸濃度による、苦味低減効果について調べるため、肝臓エキス、オルニチン、酢酸及び酢酸菌粉末を表3に記載の含有量に変更した以外は、実施例3と同様の調製方法で、比較例5及び6の容器入り食品を調製した。
次に、実施例3、並びに比較例5及び6で調製したそれぞれの容器入り食品について、官能評価を行った。
具体的には、比較例5の苦味を基準に、容器入り食品を1mLずつ舌の上に滴下して相対評価を行った。
【0048】
評価は、下記の評価基準に従ったものである。
<容器入り食品の苦味>
◎:比較例5よりも、苦味が非常に低減されていた。
〇:比較例5よりも、苦味が低減されていた。
△:比較例5よりも、苦味が若干低減されていた。
×:比較例5と同程度に苦味を感じた。
【0049】
[表3]
【0050】
表3に示す通り、実施例3のみ容器入り食品の苦味は低減されていた。
さらに、実施例3、並びに比較例5及び6で調製したそれぞれの容器入り食品を常温で1ヶ月保存後に開封し、官能評価したところ、表3と同様の結果が得られた。
以上より、肝臓エキス及びオルニチンを含有する、容器入り食品において、酢酸菌又はその粉砕物を含有し、酢酸濃度が0.3%以下であり、前記容器が、酸素遮断性容器であると、苦味が低減され、しかも保存後もその効果が維持されることが理解できる。
【0051】
[試験例4]
酢酸菌又はその粉砕物と肝臓エキスの配合比率と、本発明の効果の関連について調べるため、表4に記載の含有量に変更する以外は実施例1と同様の調製方法で、実施例4乃至7の容器入り食品を調製し、試験例1の評価基準を用いて官能評価を行った。
その結果、肝臓エキス1部(固形分換算)に対する酢酸菌又はその粉砕物の含有量は、酢酸菌換算量で0.05部以上であると良く、さらに0.2部以上、0.8部以上であるとより顕著な効果を得られた(表4)。
【0052】
[表4]
【0053】
[試験例5]
酢酸菌又はその粉砕物とオルニチンの配合比率と、本発明の効果の関連について調べるため、表5に記載の含有量に変更する以外は実施例2と同様の調製方法で、実施例8乃至11の容器入り食品を調製し、試験例2の評価基準を用いて官能評価を行った。
その結果、オルニチン1部に対する酢酸菌又はその粉砕物の含有量は、酢酸菌換算量で0.01部以上であると良く、さらに0.04部以上、0.25部以上であるとより顕著な効果を得られた(表5)。
【0054】
[表5]
【0055】
[試験例6]
酢酸菌の種類による苦味低減効果について調べるため、酢酸菌の種類を表5に記載の酢酸菌に変更した以外は実施例3と同様の調製方法で、実施例12乃至14の容器入り食品を調製し、試験例3と評価基準を用いて官能評価を行った。
【0056】
[表6]
【0057】
表6より、全ての実施例において、容器入り食品の苦味が低減され、しかも保存後もその効果が維持されていた。
また、グルコンアセトバクター属の酢酸菌の方が、本発明の効果が得られ易いことが理解できる(実施例3、12及び13)。
特に、グルコンアセトバクター属の中でも、例えば、グルコンアセトバクター・キシリヌス、又はグルコンアセトバクター・スウィングシの方が、本発明の効果が顕著に現れた(実施例3及び12)。
【0058】
[実施例15〜17]
使用する酢酸菌粉末を調製例2〜4に変更した以外は、実施例3の調製方法に準じて実施例15〜17の容器入り食品を調製した。
ただし、酢酸菌含量を考慮して、調製例3の酢酸菌粉末は5.2%、調製例4の酢酸菌粉末は8.4%使用した。
得られた容器入り食品を試験例3と同様の方法で評価したところ、実施例16及び17の容器入り食品は実施例3と同等以上の効果が得られ、肝臓エキスとオルニチンそれぞれに特有の苦みが全く感じられなかった。
それに対して、実施例15の容器入り食品は苦味は低減されていたものの、実施例3の方がより低減されていた。
【0059】
[実施例18、19](容器入り食品 打錠物)
配合表4に基づいて、実施例18の錠剤を調製した。
つまり、調製例1で調製した酢酸菌粉末、デキストリン(松谷化学工業(株)製、「TK−16」、DE値16)、結晶セルロース(旭化成(株)製、「アビセル」)、乳糖、アスコルビン酸、ウコンエキス粉末を粉体混合し、肝臓エキス(固形分含量15%)、コーンスターチ、乳化剤を加えて、流動層造粒機にて水と共に噴霧して乾燥させた後、打錠機にて錠剤を製し、窒素置換しながらアルミパウチに包装した。
実施例18の錠剤における肝臓エキス1部(固形分換算)に対する酢酸菌又はその粉砕物の含有量は、酢酸菌換算量で2.7部であった。
また、配合表4の肝臓エキスをオルニチンに置き換える以外は、実施例18と同様の方法で調製することで、実施例19の錠剤を得た。実施例19の錠剤におけるオルニチン1部に対する酢酸菌又はその粉砕物の含有量は、酢酸菌換算量で0.4部であった。
【0060】
[配合表4]
肝臓エキス(固形分含量15%) 25%
調製例1で調製した酢酸菌粉末 10%
デキストリン 20%
結晶セルロース 19%
コーンスターチ 15%
乳糖 5%
乳化剤 4%
アスコルビン酸 1%
ウコンエキス粉末 1%
計 100%
【0061】
[実施例20、21]
使用する酢酸菌粉末を調製例3に変更した以外は、実施例18の調製方法に準じて実施例20の錠剤を調製した。
また、使用する酢酸菌粉末を調製例4に変更した以外は、実施例19の調製方法に準じて実施例21の錠剤を調製した。
【0062】
[比較例7、8]
実施例16、17と同様の調製方法により得られた錠剤を窒素置換せずにポリエチレン製のパウチに密封包装した。
【0063】
実施例18〜21と比較例7及び8で調製した錠剤を品温25℃で1ヶ月間保存後に開封し、舌の上にのせて錠剤が溶け始めるのを待ち、肝臓エキスとオルニチンそれぞれの苦味について調べた。
その結果、実施例18及び20の錠剤は、肝臓エキス特有の苦味が低減されていたが、比較例7の錠剤は、苦味を強く感じた。
また、実施例19及び21の錠剤は、オルニチン特有の苦味が低減されていたが、比較例8の錠剤は、苦味を強く感じた。
特に、実施例20及び21の錠剤は、肝臓エキスとオルニチンそれぞれに特有の苦みが全く感じられなかった。
【0064】
[実施例22、23](容器入り食品 清涼飲料水)
配合表5に基づいて、実施例22の清涼飲料水を調製した。
つまり、肝臓エキス(固形分含量15%)、調製例2で調製した酢酸菌粉砕物、果糖ブドウ糖液糖、アセスルファムK、ジェランガム、アスコルビン酸、グレープフルーツ香料、pH調製剤、ウコンエキス、タウリン、ナイアシン、イノシトールを常法に則り、添加・混合した。
得られた水溶液を93℃に加熱したものを、窒素置換しながら100mLのアルミ容器に密封充填し、清涼飲料水を調製した。
実施例22の清涼飲料水における肝臓エキス1部(固形分換算)に対する酢酸菌又はその粉砕物の含有量は、酢酸菌換算量で3.3部であった。
また、配合表5の肝臓エキスをオルニチンに置き換える以外は、実施例22と同じ方法で調製することで、実施例23の清涼飲料水を得た。実施例23の清涼飲料水におけるオルニチン1部に対する酢酸菌又はその粉砕物の含有量は、酢酸菌換算量で0.5部であった。
【0065】
[配合表5]
肝臓エキス(固形分含量15%) 2%
調製例2で調製した酢酸菌粉砕物 1%
果糖ブドウ糖液糖 4%
アセスルファムK 4%
ジェランガム 2%
アスコルビン酸 0.1%
グレープフルーツ香料 0.1%
pH調整剤 0.1%
ウコンエキス 0.08%
タウリン 0.05%
ナイアシン 0.05%
イノシトール 0.05%
清水で 100%
【0066】
[実施例24、25]
使用する酢酸菌粉末を調製例3に変更した以外は、実施例22の調製方法に準じて実施例24の清涼飲料水を調製した。
また、使用する酢酸菌粉末を調製例4に変更した以外は、実施例23の調製方法に準じて実施例25の清涼飲料水を調製した。
【0067】
[比較例9、10]
実施例22、23と同様の調製方法により調製した清涼飲料水を、窒素置換せずに100mLのPETボトルに充填した。
【0068】
実施例22乃至25と比較例9、10で調製した清涼飲料水を品温25℃で1か月間保存後に開封し、喫食して、肝臓エキスとオルニチンそれぞれの苦味について調べた。
その結果、実施例22及び24の清涼飲料水は、肝臓エキス特有の苦味が低減されていたが、比較例9の清涼飲料水は、苦味を強く感じた。
また、実施例23及び25の清涼飲料水は、オルニチン特有の苦味が低減されていたが、比較例10の清涼飲料水は、苦味を強く感じた。
特に、実施例24及び25の清涼飲料水は、肝臓エキスとオルニチンそれぞれに特有の苦みが全く感じられなかった。
【0069】
[実施例26、27](容器入り食品 炭酸飲料)
配合表6に基づいて、実施例26及び27の炭酸飲料を調製した。
つまり、肝臓エキス(固形分含量15%)、調製例1で調製した酢酸菌粉末、果糖ブドウ糖液糖、パイナップル果汁、クエン酸(無水)、L−アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、マルトオリゴ糖、パイナップル香料、清水を混合した。
得られた水溶液を65℃10分間加熱後40℃以下に冷却したものを、100mLのアルミ容器に充填後、1.5kg/cmの圧力で炭酸ガスを密封充填し、炭酸飲料を調製した。実施例26の炭酸飲料における肝臓エキス1部(固形分換算)に対する酢酸菌又はその粉砕物の含有量は、酢酸菌換算量で8.9部であった。
また、配合表6の肝臓エキスをオルニチンに置き換える以外は、実施例26と同様の方法で調製することで、実施例27の炭酸飲料を得た。実施例27の炭酸飲料におけるオルニチン1部に対する酢酸菌又はその粉砕物の含有量は、酢酸菌換算量で0.8部であった。
【0070】
[配合表6]
肝臓エキス(固形分含量15%) 1.5%
調製例1で調製した酢酸菌粉末 2%
果糖ブドウ糖液糖 13%
パイナップル果汁 5%
クエン酸(無水) 0.4%
L−アスコルビン酸ナトリウム 0.1%
クエン酸三ナトリウム 0.05%
マルトオリゴ糖 0.03%
パイナップル香料 0.01%
清水で 100%
【0071】
実施例26及び27で調製した炭酸飲料を調製直後及び品温25℃で1ヶ月間保存後に、喫食したところ、肝臓エキスとオルニチンそれぞれに特有の苦味が非常に低減されていた。