(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1実施形態によるホールセンサデバイスを用いた位置検出装置の概略構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態によるホールセンサデバイスの平面を模式的に示す図である。
【
図3】本発明の第1実施形態によるホールセンサデバイスを
図2に示す直線A−Aで切断した断面を模式的に示す図である。
【
図4】本発明の第1実施形態によるホールセンサデバイスに備えられたホールセンサの断面を模式的に示す図である。
【
図5】本発明の第1実施形態によるホールセンサデバイスに備えられたホールセンサの平面を模式的に示す図である。
【
図6】本発明の第1実施形態によるホールセンサデバイスの半田32近傍を拡大して示す模式図である。
【
図7】本発明の第2実施形態によるホールセンサデバイスの平面を模式的に示す図である。
【
図8】本発明の第2実施形態によるホールセンサデバイスを
図7に示す直線B−Bで切断した断面を模式的に示す図である。
【
図9】本発明の第2実施形態によるホールセンサデバイスの貫通孔に備えられたホールセンサの平面を模式的に示す図である。
【
図10】本発明の第2実施形態の変形例によるホールセンサデバイスの断面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態によるホールセンサデバイスについて
図1から
図6を用いて説明する。まず、本実施形態によるホールセンサデバイス1の適用例の1つである位置検出装置100について
図1を用いて説明する。
【0009】
(ホールセンサデバイスを用いた位置検出装置の構成)
図1に示すように、位置検出装置100は、N極S極をそれぞれ1極ずつ着磁した複数(本例では4つ)の直方体磁石15と、直方体磁石15の下方に設けられたホールセンサデバイス1とを有している。ホールセンサデバイス1は、可撓性を有するフレキシブル基板2と、フレキシブル基板2上に実装されたコイル基板5とを有している。ホールセンサデバイス1は、コイル基板5の中央領域にコイル基板5を貫通して形成された中央孔53を有している。コイル基板5には、中央孔53を囲んで設けられた複数(本例では4つ)のコイル(不図示)が形成された領域のコイルパターン部52が設けられている。コイルパターン部52の内側には不図示のホールセンサ(詳細は後述)が配置されている。直方体磁石15は、ホール素子及びコイルパターン部52上に配置されている。位置検出装置100は、ホールセンサデバイス1に対する直方体磁石15の相対的な移動量をホールセンサデバイス1に設けられたホールセンサがホール電圧として検出し、このホール電圧に基づいて位置検出や位置調整を行うようになっている。例えば、レンズに取り付けた磁石の移動に伴って変化する磁場をホール素子で検出し、検出結果に基づいてコイルに駆動電流を流し、磁石を移動させる手振れ補正装置等が挙げられる。手振れ補正装置は、ホールセンサデバイス、ホール素子の出力信号に基づいてコイルに駆動電流を供給する信号処理回路がフレキシブル基板の内部配線と接続される形態でもよい。なお、中央孔は、カメラモジュールとして構成したときに、撮像素子へ光を透過するためのものである。
【0010】
(ホールセンサデバイスの構成)
次に、ホールセンサデバイス1の概略構成について
図2から
図6を用いて説明する。
図2及び
図3に示すように、ホールセンサデバイス1は、平面視でコイルパターン部52にパターン形成されたコイル521,522と、コイル521,522の内周側に形成された貫通孔51とを備えたコイル基板5を有している。また、ホールセンサデバイス1は、コイル基板5が実装されてコイル521と導通する第1内部配線22を有するフレキシブル基板2を有している。さらに、ホールセンサデバイス1は、コイル基板5が実装された側のフレキシブル基板2上で貫通孔51の内側に実装されたホールセンサ3を有している。ホールセンサ3は、貫通孔51の内側面511との間に間隙を設けて配置される外表面3aを備えている。ホールセンサデバイス1は、磁気を検出するホールセンサ3と磁場を発生するコイル基板5とがフレキシブル基板2の同一面上に実装されている。なお、ホールセンサ3は、4個実装されてもよく、例えば、X軸方向とY軸方向にそれぞれ1個ずつ実装される形態でもよい。2個の場合、少なくとも貫通孔が2つ形成されていればよい。
【0011】
フレキシブル基板2は、樹脂(例えばポリイミド樹脂等)で形成され、平面視で長方形状を有している。フレキシブル基板2の短辺の一方には、複数の外部接続端子21が形成されている。外部接続端子21は、フレキシブル基板2の一部を露出させて形成されている。フレキシブル基板2には、第1内部配線22の他に、第2内部配線23が形成されている。第2内部配線23は外部接続端子21と連続して形成されている。詳細は後述するが、第2内部配線23は、少なくとも4本形成されており、この4本の第2内部配線23は、それぞれ異なる外部接続端子21と一体に形成されている。フレキシブル基板2は、外部接続端子21が形成される領域において、内側に括れた、くびれ形状を有していてもよい。また、フレキシブル基板2の形状は、長方形状以外にも、多角形上、丸型形状等どのような形状であってもよい。
【0012】
コイル基板5は、平面視で正方形状を有している。コイル基板5の一辺は、フレキシブル基板2の短辺の長さとほぼ同じ長さを有している。コイル基板5の一辺は、フレキシブル基板2の短辺の他方に一致させてフレキシブル基板2上に実装されている。このため、フレキシブル基板2の短辺の一方の近傍に複数の外部接続端子21が露出する。なお、コイル基板5は、長方形状でも、多角形状でも、丸型形状等、いずれの形状であってもよい。また、第1コイル基板と第2コイル基板と分割して略長方形状や正方形状となる形態であってもよい。その場合、第1コイル基板と第2コイル基板とをフレキシブル基板に実装したときに、中央領域に中央孔が形成される形態でもよい。
【0013】
コイル基板5は、絶縁層とコイルパターンが形成される導体層とが交互に積層された積層構造を有している。コイル基板5は、絶縁膜523と、絶縁膜523に埋め込まれて形成されたコイル521及びコイル522とを有している。コイル基板5は、コイル521及びコイル522を絶縁層の層間に積層して形成することにより、最終的にコイル521,522を絶縁膜523に埋め込んだ構造を備える。絶縁膜523は、樹脂(例えばエポキシ樹脂、アクリル系エポキシ樹脂等)で形成されている。コイル521及びコイル522は、絶縁膜523を介して対向配置された構成を有している。コイル521及びコイル522は、スパイラル形状を有している。コイル521は、フレキシブル基板2側に配置されている。絶縁膜523には、コイル521の一端部が露出する開口が形成され、この開口に対向するフレキシブル基板2の位置に、第1内部配線22の一端部が露出する開口が形成されている。コイル521の一端部と第1内部配線22の一端部とは、絶縁膜523及びフレキシブル基板2のそれぞれの開口に形成された半田接続部13で接続されている。
【0014】
また、絶縁膜523には、図示しないが、コイル522が露出する開口も形成されている。例えば、1層目のコイル521から2層目のコイル522へは、スルーホールで接続され、コイル522の一端が開口からフレキシブル基板の内部配線へ接続される。コイル521の第1内部配線と接続される一端から内側へ渦巻く、スパイラル状にパターン形成され、中央付近で2層目のコイル522に接続される。コイル522は、中央付近から外側へ渦巻くスパイラル形状にパターン形成され、コイル522の一端が絶縁膜523の下面側へ開口し、フレキシブル基板の内部配線へと接続される。その他の形態であってもよい。なお、
図3では、コイル基板5のコイル521及び522とフレキシブル基板の内部配線との接続は、コイル基板5の下面から半田で導通しているが、他の接続方法であってもよい。例えば、コイル基板5が、端部に段差構造を有し、段差の上面部にコイルの一端が配置され、その露出されたコイルの一端から、フレキシブル基板の上面に露出した内部配線側へはんだ付けする形態であっても、ワイヤー配線する形態でもよい。つまり、コイル基板のコイルとフレキシブル基板の内部配線との接続は、どのような形態であってもよい。
コイル521,522及びこの導体は、同一の材料(例えば銅)で形成されている。これにより、第1内部配線22、コイル521及びコイル522は電気的に接続される。コイル521及びコイル522は、銅めっきで形成されてもよい。
【0015】
(ホールセンサの構成)
図4及び
図5に示すように、ホールセンサ3は、電極313a,313b,313c,313d(
図5参照)を備えるホール素子31と、電極313a,313b,313c,313dと、外部端子35a,35b,35c,35d(
図5参照)と、電極313a,313b,313c,313dと外部端子35a,35b,35c,35dとをそれぞれ接続するワイヤー配線33a,33b,33c,33d(
図5参照)とを有している。以下、電極313a,313b,313c,313dを総称して「電極313」と称する場合があり、外部端子35a,35b,35c,35dを総称して「外部端子35」と称する場合があり、ワイヤー配線33a,33b,33c,33dを総称して「ワイヤー配線33」と称する場合がある。ホール素子31は、絶縁層34と、絶縁層34上に配置されて例えば半絶縁性のガリウムヒ素(GaAs)で形成された基板312と、基板312上に形成された半導体薄膜からなる感磁部311とを有している。
【0016】
図5に示すように、感磁部311は、例えば平面視で十字(クロス)型を有している。電極313は、感磁部311の十字型の4つの先端部上に設けられている。一直線上に配置された感磁部311の先端部に設けられた一対の電極313a,313bは、例えばホール素子31に電流を流すための入力端子となる。また、電極313a及び電極313bを結ぶ線と直交する方向で一直線上に配置された感磁部311の先端部に設けられた一対の電極313c,313dは、例えばホール素子31から電圧を出力するための出力端子となる。ホール素子31の厚さは、例えば0.10mm以下である。
【0017】
また、ホールセンサ3は、ホール素子31、ワイヤー配線33及び外部端子35を覆うモールド部材37を有している。モールド部材37は、ホール素子31と、ワイヤー配線33と外部端子35の一部とをモールドしている。換言すると、モールド部材37は、ホール素子31と、外部端子35の少なくとも表面側(すなわち、ワイヤー配線33と接続する側の面)と、ワイヤー配線33とを覆って保護(すなわち、樹脂封止)している。モールド部材37は、例えばエポキシ系の熱硬化型樹脂で形成され、リフロー時の高熱に耐えられるようになっている。
【0018】
外部端子35は、ホールセンサ3の外表面3aの長辺側に2つずつ所定の間隔で露出している。外部端子35a及び外部端子35dは同一の長辺側に露出し、外部端子35b及び外部端子35cは同一の長辺側に露出している。外部端子35の露出面上には、半田32がそれぞれ形成される。外部端子35は、例えば銅(Cu)等の金属で形成されている。4つの半田32は、それぞれ異なる第2内部配線23に接続されている。これにより、複数の外部接続端子21のうちの2つは、第2内部配線23、半田32、外部端子35a、ワイヤー配線33a、電極313a、対向する一対の感磁部311、電極313b、ワイヤー配線33b、外部端子35b及び第2内部配線23を介して接続される。入力端子となる一対の電極313に接続される外部接続端子21は、ホールセンサデバイス1に接続される外部装置からホール素子31に供給する電流を入力するための入力端子となる。また、複数の外部接続端子21のうちの他の2つは、第2内部配線23、半田32、外部端子35c、ワイヤー配線33c、電極313c、対向する一対の感磁部311、電極313d、ワイヤー配線33d、外部端子35d及び第2内部配線23を介して接続される。出力端子となる一対の電極313に接続される外部接続端子21は、ホールセンサデバイス1に接続される外部装置に電圧をホール素子31から出力するための出力端子となる。
【0019】
図2及び
図3に戻って、ホールセンサ3は、コイル基板5に形成された貫通孔51の内側面511と間隙を設けて配置されている。すなわち、ホールセンサ3は、貫通孔51の内側面511とホールセンサ3の外表面3aの少なくとも一部との間に空間、隙間あるいは空隙を設けて配置されている。このため、ホールセンサ3の外表面3aの少なくとも一部は、内側面511に直接接触していない。これにより、ホールセンサデバイス1は、コイル基板5やフレキシブル基板2に外力が加わって歪んだりしても、ホールセンサ3に応力が生じ難くなる。このため、ホールセンサ3は、コイル基板5やフレキシブル基板2の歪みなどの発生の前後でほぼ同じ形状を維持できる。その結果、ホールセンサデバイス1は、オフセット電圧等の磁気検出に関する性能が外力に影響して変動することを抑制できる。
【0020】
図6に示すように、ホールセンサが実装されたフレキシブル基板2の実装面2aからコイル基板5の上面512までの高さh1は、実装面2aからホールセンサ3の上面3bまでの高さh2よりも高くなっている。直方体磁石15(
図1参照)は、コイル基板5の上面512上を移動するため、直方体磁石15とホールセンサ3の上面3bとの間に所定の間隙が形成される。これにより、直方体磁石15の移動量と、ホール素子31が出力する出力電圧との線形性が向上し、ホールセンサデバイス1は、薄型化しつつ、位置検出の精度の向上を図ることができる。
【0021】
ホールセンサ3の高さh2とコイル基板5h1とが上記の関係を有するため、直方体磁石13の位置合わせがし易い。直方体磁石13の位置合わせは、コイル基板5とホールセンサ3が実装されたホールセンサデバイス1の最上面から位置を合わせる。ホールセンサ3の高さではなく、コイル基板5の高さから、直方体磁石13の位置合わせができるため、作業性がよい。
【0022】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態によるホールセンサデバイスについて
図7から
図10を用いて説明する。本実施形態によるホールセンサデバイス10は、
図1に示したのと同様の構造の位置検出装置やその他のホールセンサデバイス1を用いることができるのと同じ装置に適用可能である。以下、上記第1実施形態によるホールセンサデバイス1と同一の作用・機能を奏する構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0023】
(ホールセンサデバイスの構成)
図7及び
図8に示すように、本実施形態によるホールセンサデバイス10は、ホールセンサ3に設けられて感磁部311及び電極313を備えるホール素子31を有している。また、ホールセンサデバイス10は、フレキシブル基板2に設けられて電極313と導通する第2内部配線23と、コイル基板5に形成された貫通孔51内に設けられて電極313と第2内部配線23とを接続するワイヤー配線36とを有している。また、ホールセンサデバイス10は、貫通孔51内でフレキシブル基板2にホール素子31を接着する接着層91を有している。本実施形態では、ホールセンサ3及びワイヤー配線36が貫通孔51内に露出して配置されている。なお、接着層91は、コイル基板とフレキシブル基板とを接着する接着層9と同じ材料であってもよく、接着層91を別の材料としてもよい。
【0024】
図8に示すように、本実施形態における感磁部311は、上記第1実施形態における感磁部311と同様に、平面視で十字(クロス)型を有している。電極313は、感磁部311の十字型の4つの先端部上に設けられている。一直線上に配置された感磁部311の先端部に設けられた一対の電極313a,313bは、例えばホール素子31に電流を流すための入力端子となる。また、電極313a及び電極313bを結ぶ線と直交する方向で一直線上に配置された感磁部311の先端部に設けられた一対の電極313c,313dは、例えばホール素子31から電圧を出力するための出力端子となる。ホール素子31の厚さは、例えば0.10mm以下である。
【0025】
第2内部配線23は、貫通孔51内に位置するフレキシブル基板2の一部を開口した開口に露出している。電極313aが配置されたホール素子31の角部近傍には、第2内部配線23aが露出し、電極313bが配置されたホール素子31の角部近傍には、第2内部配線23bが露出している。電極313cが配置されたホール素子31の角部近傍には、第2内部配線23cが露出し、電極313dが配置されたホール素子31の角部近傍には、第2内部配線23dが露出している。
【0026】
ワイヤー配線36aの一端は電極313aに接続され、ワイヤー配線36aの他端は第2内部配線23aに接続されている。これにより、ワイヤー配線36aは電極313a及び第2内部配線23aを電気的に接続する。ワイヤー配線36bの一端は電極313bに接続され、ワイヤー配線36bの他端は第2内部配線23bに接続されている。これにより、ワイヤー配線36bは電極313b及び第2内部配線23bを電気的に接続する。ワイヤー配線36cの一端は電極313cに接続され、ワイヤー配線36cの他端は第2内部配線23cに接続されている。これにより、ワイヤー配線36cは電極313c及び第2内部配線23cを電気的に接続する。ワイヤー配線36dの一端は電極313dに接続され、ワイヤー配線36dの他端は第2内部配線23dに接続されている。これにより、ワイヤー配線36dは電極313d及び第2内部配線23dを電気的に接続する。
【0027】
複数の外部接続端子21のうちの2つは、第2内部配線23a、ワイヤー配線36a、電極313a、対向する一対の感磁部311、電極313b、ワイヤー配線36b及び第2内部配線23bを介して接続される。入力端子となる一対の電極313a,313bに接続される外部接続端子21は、ホールセンサデバイス10に接続される外部装置からホール素子31に供給する電流を入力するための入力端子となる。また、複数の外部接続端子21のうちの他の2つは、第2内部配線23c、ワイヤー配線36c、電極313c、対向する一対の感磁部311、電極313d、ワイヤー配線36d及び第2内部配線23dを介して接続される。出力端子となる一対の電極313c,313dに接続される外部接続端子21は、ホール素子31からホールセンサデバイス1に接続される外部装置に電圧を出力するための出力端子となる。
【0028】
図8に戻って、ホールセンサ3は、貫通孔51内でホール素子31を露出させているものの、上記第1実施形態と同様に、コイル基板5に形成された貫通孔51の内側面511と間隙を設けて配置されている。すなわち、ホールセンサ3は、貫通孔51の内側面511とホールセンサ3の外表面3aの少なくとも一部との間に空間、隙間あるいは空隙を設けて配置されている。本実施形態では、ホールセンサ3の外表面3aは、ホール素子31の外表面に相当する。このため、ホールセンサ3の外表面3aの少なくとも一部は、内側面511に直接接触していない。これにより、ホールセンサデバイス10は、コイル基板5やフレキシブル基板2に外力が加わって歪んだりしても、ホールセンサ3に応力が生じ難くなる。このため、ホールセンサ3は、コイル基板5やフレキシブル基板2の歪みなどの発生の前後でほぼ同じ形状を維持できる。その結果、ホールセンサデバイス1は、オフセット電圧等の磁気検出に関する性能が外力に影響して変動することを抑制できる。
【0029】
また、ホールセンサ3が実装されたフレキシブル基板2の実装面からコイル基板5の上面までの高さは、実装面からホールセンサ3の電極313が形成された形成面までの高さよりも高くなっている。このため、ホールセンサデバイス10は、上記第1実施形態によるホールセンサデバイス1と同様の効果が得られる。
【0030】
(変形例)
図10に示すように、本実施形態の変形例によるホールセンサデバイス10は、ホールセンサ3が貫通孔51内で露出せずにモールド部材314で覆われている点に特徴を有している。モールド部材314は、例えばエポキシ系の熱硬化型樹脂で形成されている。ホールセンサ3は、貫通孔51内でホール素子31がモールド部材314で覆われているものの、上記第1及び第2実施形態と同様に、貫通孔51の内側面511と間隙を設けて配置されている。すなわち、ホールセンサ3は、貫通孔51の内側面511とホールセンサ3の外表面3aの少なくとも一部との間に空間、隙間あるいは空隙を設けて配置されている。本実施形態では、ホールセンサ3の外表面3aは、モールド部材314の外表面に相当する。このため、ホールセンサ3の外表面3aの少なくとも一部は、内側面511に直接接触していない。これにより、本変形例によるホールセンサデバイス10は、コイル基板5やフレキシブル基板2に外力が加わって歪んだりしても、ホールセンサ3に応力が生じ難くなる。このため、ホールセンサ3は、コイル基板5やフレキシブル基板2の歪みなどの発生の前後でほぼ同じ形状を維持できる。その結果、ホールセンサデバイス1は、オフセット電圧等の磁気検出に関する性能が外力に影響して変動することを抑制できる。また、ホール素子31やワイヤー配線36がモールド部材314で覆われているため、ホールセンサ3がより破損し難くなる。
【0031】
また、ホールセンサ3が実装されたフレキシブル基板2の実装面からコイル基板5の上面までの高さは、実装面からホールセンサ3の電極313が形成された形成面までの高さよりも高くなっている。このため、本変形例によるホールセンサデバイス10は、上記第1実施形態によるホールセンサデバイス1と同様の効果が得られる。
なお、貫通孔は、コイルの内周側に形成してもよく、また、コイルの外周側に形成してもよく、さらに、コイルに隣接して形成してもよい。
また、コイルとしてはファインパターンコイル等が挙げられる。
また、ホールセンサデバイスと、コイルと対向して配置され、レンズの移動に伴って移動する磁石と、を備え、ホールセンサが磁石の磁場を検知する位置検出装置として構成してもよい。
また、光軸方向に垂直な第1方向と、光軸方向及び第1方向と垂直な第2方向に、第1コイル及び第2コイルが形成され、第1コイルの内周側に第1貫通孔、第2コイルの内周側に第2貫通孔が形成されたコイル基板と、第1貫通孔の内側でフレキシブル基板に第1ホールセンサと、第2貫通孔の内側でフレキシブル基板に実装される第2ホールセンサと、を備えるカメラモジュールとして構成してもよい。また、第1コイル及び第2コイルに光軸方向に沿って対向して配置された、第1磁石及び第2磁石を備える形態であってもよい。