特許第6586443号(P6586443)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6586443
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】被処理体を処理する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20190919BHJP
   C23C 16/52 20060101ALI20190919BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   H01L21/302 101H
   C23C16/52
   H01L21/31 C
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-197024(P2017-197024)
(22)【出願日】2017年10月10日
(65)【公開番号】特開2019-71359(P2019-71359A)
(43)【公開日】2019年5月9日
【審査請求日】2018年4月24日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100165526
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100208524
【弁理士】
【氏名又は名称】小曳 満昭
(72)【発明者】
【氏名】森澤 大輔
【審査官】 鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−127627(JP,A)
【文献】 特開平05−097579(JP,A)
【文献】 特開平10−199817(JP,A)
【文献】 特開2003−277935(JP,A)
【文献】 特開2010−171389(JP,A)
【文献】 特開2012−124315(JP,A)
【文献】 特開2016−001726(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/142031(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/302
C23C 16/52
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理体を処理する方法であって、
主プロセスと第1〜第Mの副プロセス(Mは正の整数)とを含む複数のプロセスをシリアルに実行する工程を備え、
前記主プロセスの1回の実行を示す指標値が、該主プロセスの実行ごとに積算され、
前記主プロセスは、前記工程において複数回実行され、
第iの前記副プロセス(iは1≦i≦Mを満たす正の整数)は、
前記工程において1回または複数回実行され、
前記主プロセスの1回または連続した複数回の実行に引き続いて実行され、
前記工程の開始から積算される前記指標値の累計が第iの適用条件を満たす場合に該工程に適用され、
前記工程の開始から積算される前記指標値の累計が第iの前記適用条件を満たしている場合において、該工程の開始から既に実行された副プロセスがある場合には最後に実行された当該副プロセスの実行時から積算された該指標値の合計、または、該工程の開始から既に実行された副プロセスが無い場合には該工程の開始時から積算された該指標値の合計が、第iの実行条件を満たした時点において実行され、
第iの前記適用条件、第iの前記実行条件は、何れも、変更可能であり、
第iの前記実行条件は、前記工程の開始から既に実行された副プロセスがある場合には最後に実行された当該副プロセスの実行時から積算された前記指標値の合計値β、または、該工程の開始から既に実行された副プロセスが無い場合には前記工程の開始時から積算された該指標値の合計値βが、β>K(i)を満たすことであり、
K(i)は、正の実数であり、
第kの前記適用条件(kは1≦k≦M−1を満たす正の整数)は、前記工程の開始から積算される前記指標値の累計値αがL(k−1)<α≦L(k)を満たすことであり、
L(k−1),L(k)は、何れも、0以上の実数であり、L(k−1)<L(k)を満たし、
第1〜第Mの前記副プロセスのうち前記工程において最後に適用される第Mの前記副プロセスの第Mの前記適用条件は、該工程の開始から積算される前記指標値の累計値αがL(M−1)<αを満たすことであり、
K(i)は、iの増加に伴って段階的に減少する、
方法。
【請求項2】
前記指標値は、前記主プロセスの1回の実行によって処理される前記被処理体の枚数、または、該主プロセスが成膜プロセスの場合に該主プロセスの1回の実行によって該被処理体に成膜される膜の膜厚、の何れかである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記主プロセスは、処理容器内に配置された前記被処理体に対し該処理容器内にガスを供給することによって行う処理であり、
前記副プロセスは、前記処理容器内をパージする処理である、
請求項1または請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、被処理体を処理する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程では、ウエハに対し、エッチング、成膜等の種々のプロセスが順次実行される。製造工程の前後には、処理室内のクリーニングが行われる。各プロセスの実行後には当該プロセスの実行に用いられたガスのパージが行われる。
【0003】
特許文献1には、1ロット毎に行うガスクリーニングを複数ロット毎に行うことによってガスクリーニング準備時間を短縮しスループットを向上させるための技術が開示されている。特許文献2には、処理の種別に応じたクリーニングを行うことによって,処理の種別ごとにクリーニングを行う技術が開示されている。特許文献3には、ロットの切り替わりにおいて適切なクリーニング条件および適切なタイミングでクリーニングを行うことを目的とした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−149990号公報
【特許文献2】特開2007−250791号公報
【特許文献3】特開2010−98053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体デバイスの製造工程において複数のプロセスがシリアル(serial)に実行される場合、プロセスを実行する順序、プロセスを実行するタイミング等のプロセスの実行態様は半導体デバイスの製造効率等に影響を与え得る。したがって、複数のプロセスがシリアルに実行される場合において、プロセスを実行する順序、プロセスを実行するタイミング等のプロセスの実行態様を柔軟に設定し得る技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様においては、被処理体を処理する方法が提供される。この方法は、主プロセスと第1〜第Mの副プロセス(Mは正の整数)とを含む複数のプロセスをシリアル(serial)に実行する工程(以下、工程Aという)を備え、主プロセスの1回の実行を示す指標値が、主プロセスの実行ごとに積算され、主プロセスは、工程Aにおいて複数回実行され、第iの副プロセス(iは1≦i≦Mを満たす正の整数)は、工程Aにおいて1回または複数回実行され、主プロセスの1回または連続した複数回の実行に引き続いて実行され、工程Aの開始から積算される指標値の累計が第iの適用条件を満たす場合に工程Aに適用され、工程Aの開始から積算される指標値の累計が第iの適用条件を満たしている場合において、工程Aの開始から既に実行された副プロセスがある場合には最後に実行された副プロセスの実行時から積算された指標値の合計、または、工程Aの開始から既に実行された副プロセスが無い場合には工程Aの開始時から積算された指標値の合計が、第iの実行条件を満たした時点において実行される。第iの適用条件、第iの実行条件は、何れも、変更可能である。なお、プロセスがシリアルに実行されるとは、複数のプロセスが、順次、逐次的(直列的)に実行されることを意味しており、より具体的には、一つのプロセスの実行が終了された時点で次の一つのプロセスの実行が開始される形態を意味している。
【0007】
一実施形態において、第kの適用条件(kは1≦k≦M−1を満たす正の整数)は、工程Aの開始から積算される指標値の累計値αが、L(k−1)<α≦L(k)を満たすことであり、L(k−1),L(k)は、何れも、0以上の実数であり、L(k−1)<L(k)を満たし、第1〜第Mの副プロセスのうち工程Aにおいて最後に適用される第Mの副プロセスの第Mの適用条件は、工程Aの開始から積算される指標値の累計値αがL(M−1)<αを満たすことである。
【0008】
一実施形態において、第iの実行条件は、工程Aの開始から既に実行された副プロセスがある場合には最後に実行された副プロセスの実行時から積算された指標値の合計値β、または、工程Aの開始から既に実行された副プロセスが無い場合には工程Aの開始時から積算された指標値の合計値βが、β>K(i)を満たすことであり、K(i)は、正の実数である。
【0009】
一実施形態において、指標値は、主プロセスの1回の実行によって処理される被処理体の枚数、または、主プロセスが成膜プロセスの場合に主プロセスの1回の実行によって被処理体に成膜される膜の膜厚、の何れかである。
【0010】
一実施形態において、主プロセスは、処理容器内に配置された被処理体に対し処理容器内にガスを供給することによって行う処理であり、副プロセスは、処理容器内をパージする処理である。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、複数のプロセスがシリアルに実行される場合において、プロセスを実行する順序、プロセスを実行するタイミング等のプロセスの実行態様を柔軟に設定し得る技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態に係る方法の一の部分を示す流図である。
図2図2は、図1に示す方法が実行される処理装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、図1に示す工程の実行状況の一例を説明するための図である。
図4図4は、図1に示す流図をより具体的に示す流図である。
図5図5は、図3に示す工程の実行状況をより具体的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。図1は、一実施形態に係る方法MTの一の部分を示す工程Aの流図である。図1に示す方法MTは、被処理体(以下、ウエハWという)を処理する方法である。一実施形態の方法MTに含まれる工程Aは、図2に示す処理装置1を用いて実行されることができる。図2は、図1に示す方法が実行される処理装置1の構成の一例を示す図である。
【0014】
処理装置1は、キャリア取り付けポート11、大気搬送室12、ロードロックモジュールLLM1、ロードロックモジュールLLM2、真空搬送室13、処理モジュールPM1、処理モジュールPM2、処理モジュールPM3、処理モジュールPM4を備える。大気搬送室12、ロードロックモジュールLLM1、ロードロックモジュールLLM2と、真空搬送室13と、処理モジュールPM1、処理モジュールPM2、処理モジュールPM3、処理モジュールPM4(処理モジュールPM1〜PM4)とは、ウエハWの搬入方向に対して、この順に並んで配置されており、ドアG1、ドアバルブG2、ゲートバルブG3、ゲートバルブG3を介して気密を維持しつつ相互に接続されている。
【0015】
キャリア取り付けポート11には、搬送容器Cが載置されている。キャリア取り付けポート11は、搬送容器Cの搬入ポートに相当している。搬送容器Cは、複数枚のウエハWを収容する。搬送容器Cは、ドアG1を介して大気搬送室12に接続されている。
【0016】
大気搬送室12は、搬送容器Cから取り出されたウエハWを大気雰囲気のもとで搬送する。大気搬送室12内には、搬送アーム121が設けられている。搬送アーム121は、回転、伸縮、昇降、および、左右への移動が自在に行える。搬送アーム121は、搬送容器CからウエハWを1枚ずつ取り出し、取り出したウエハWを搬送する。大気搬送室12の側面には、アライメント室14が設けられている。アライメント室14は、ウエハWの位置合わせを行うためのオリエンタを内蔵している。
【0017】
大気搬送室12には、ロードロックモジュールLLM1、ロードロックモジュールLLM2のそれぞれが、ドアバルブG2を介して接続されている。ロードロックモジュールLLM1、ロードロックモジュールLLM2は、何れも、それぞれの内部の状態を大気雰囲気と予備真空雰囲気とに切り替えてウエハWを待機させる。ロードロックモジュールLLM1、ロードロックモジュールLLM2は、何れも、大気搬送室12と真空搬送室13との間を繋ぐように配置されている。ロードロックモジュールLLM1、ロードロックモジュールLLM2のそれぞれには、ロードロックモジュールLLM1、ロードロックモジュールLLM2のそれぞれの内部を大気雰囲気と真空雰囲気とに切り替えるための図示しない真空ポンプ、リーク弁が接続されている。ロードロックモジュールLLM1、ロードロックモジュールLLM2のそれぞれには、載置台16が設けられている。載置台16は、搬入されたウエハWを載置する。
【0018】
ロードロックモジュールLLM1、ロードロックモジュールLLM2のそれぞれには、真空搬送室13が、ゲートバルブG3を介して接続されている。真空搬送室13は、真空雰囲気下でウエハWを搬送する。真空搬送室13には、処理モジュールPM1〜PM4が、ゲートバルブG4を介して接続されている。真空搬送室13には、真空搬送室13の内部を真空雰囲気に保つための図示しない真空ポンプが接続されている。
【0019】
真空搬送室13内には、搬送アーム131が設けられている。搬送アーム131は、回転および伸縮が自在に行える。搬送アーム131は、ロードロックモジュールLLM1、ロードロックモジュールLLM2と、処理モジュールPM1〜PM4との間において、ウエハWを搬送する。
【0020】
処理モジュールPM1〜PM4は、何れも、ウエハWに対してプロセス処理を実行する。処理モジュールPM1〜PM4は、何れも、ウエハWを収容する処理容器PSを備え、プロセス処理は、処理容器PS内に収容されたウエハWに対して行われる。
【0021】
処理モジュールPM1〜PM4のそれぞれは、ウエハWに対して、例えば互いに異なる種類のプロセス処理を実行し得る。処理モジュールPM1、処理モジュールPM2は、例えば一実施形態においては、処理容器PS内に配置されたウエハWの表面に薄膜を成膜する成膜モジュールであり得る。処理モジュールPM3、処理モジュールPM4は、例えば一実施形態においては、処理容器PS内にプラズマを発生させて、処理容器PS内に配置されたウエハWの表面の薄膜に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理モジュールであり得る。
【0022】
処理装置1は、更に制御部2を備える。制御部2は、処理装置1の各部(図1に示す搬送アーム121等)の動作を統括的に制御する。制御部2は、プロセッサ2a、メモリ2b、ストレージ2c、通信装置2d、入力装置2e、出力装置2f、バス2g等を含むコンピュータ装置として構成されてもよい。プロセッサ2a、メモリ2b、ストレージ2c、通信装置2d、入力装置2e、出力装置2f等は、バス2gを介して相互に接続されている。
【0023】
処理装置1の各部の動作は、プロセッサ2aが、ストレージ2c等に格納されているコンピュータプログラム(例えば、工程Aを実行するプログラム)、または、通信装置2dを介して外部機器からダウンロドしたコンピュータプログラムを、プロセッサ2a、メモリ2bに読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行することによって、実現される。プロセッサ2aは、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等を備えることができる。
【0024】
メモリ2bは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。メモリ2bは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つを備える構成であってもよい。
【0025】
ストレージ2cは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。ストレージ2cは、プロセッサ2aによってアクセス可能である。ストレージ2cは、例えば、光ディスク、ハードディスクドライブ等の少なくとも1つを備える構成であってもよい。
【0026】
通信装置2dは、有線および/または無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うための送受信デバイスである。通信装置2dは、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等である。
【0027】
入力装置2eは、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置2fは、外部への出力を行う出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカ、LEDランプ等)である。入力装置2eおよび出力装置2fは、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0028】
以上のように説明した処理装置1によるウエハWの処理動作について概要的に説明する。キャリア取り付けポート11上の搬送容器Cに収容されたウエハWは、搬送アーム121によって取り出され、大気搬送室12内を搬送される途中でアライメント室14において位置決めをされた後に、ロードロックモジュールLLM1、ロードロックモジュールLLM2の何れか一方に受け渡される。
【0029】
ウエハWがロードロックモジュールLLM1、ロードロックモジュールLLM2おn何れか一方に受け渡された後、ロードロックモジュールLLM1、ロードロックモジュールLLM2のそれぞれの内部が予備真空雰囲気となったら、ウエハWは搬送アーム131によって取り出され、真空搬送室13内に搬送される。この後、ウエハWは、真空搬送室13と処理モジュールPM1〜PM4との間を搬送され、処理モジュールPM1〜PM4内においてプロセス処理を受ける。プロセス処理後のウエハWは、搬入時とは反対の経路(アライメント室14を除く)を通って搬送容器Cに収容される。
【0030】
次に、一実施形態に係る方法MTについて説明する。方法MTは、複数のウエハWを処理する方法である。方法MTは、制御部2による制御のもとで実行される。方法MTは、工程Aを備える。工程Aは、処理容器PS内において、主プロセスと第1〜第Mの副プロセス(本明細書においてMは正の整数)とを含む複数のプロセスをシリアルに実行する。主プロセスの内容と第1〜第Mの副プロセスのそれぞれの内容とは、入力装置2eを介して予め制御部2に設定される。第1〜第Mの副プロセスのそれぞれの実行時間は、相互に異なることが可能である。なお、プロセスがシリアルに実行されるとは、複数のプロセスが、順次、逐次的(直列的)に実行されることを意味しており、より具体的には、一つのプロセスの実行が終了された時点で次の一つのプロセスの実行が開始される形態を意味している)。
【0031】
主プロセスは、一実施形態において、例えば一枚のウエハWを処理する。主プロセスは、工程Aにおいて、シリアルに複数回実行される。主プロセスは、例えば、処理容器PS内に配置されたウエハWに対し処理容器PS内にガスを供給することによって行う処理であり、成膜処理またはエッチング処理等であり得る。
【0032】
第iの副プロセス(本明細書においてiは1≦i≦Mを満たす正の整数)は、工程Aにおいて、1回または複数回実行される。第iの副プロセスは、工程Aにおいて、主プロセスの1回または連続した複数回の実行(第iの単位ロット(lot)に対応)に引き続いて実行される。工程Aにおいて、主プロセスがシリアルに順次実行される過程において、第1〜第Mの副プロセスの割り込みが生じる。換言すれば、主プロセスがシリアルに順次実行される過程において、第iの副プロセスの実行の直前には主プロセスが実行され、この第iの副プロセスの実行の直後にも主プロセスが実行される。第iの副プロセスは、例えば、処理容器PS内をパージする処理であり得る。
【0033】
工程Aにおいて、主プロセスの1回の実行を示す指標値N1が、主プロセスの実行ごとに積算される。工程Aの開始(Start)時から積算される指標値N1の累計の値を累計値αとする。工程Aの開始(Start)時における累計値αは、α=0を満たす。
【0034】
指標値N1は、主プロセスの1回の実行によって処理されるウエハWの枚数、または、主プロセスが成膜プロセスの場合に主プロセスの1回の実行によってウエハWに成膜される膜の膜厚、サイクル回数、プラズマを生成している時間の何れかまたは組合せであり得る。主プロセスの1回の実行によって処理されるウエハWの枚数が1の場合、N1=1[枚]である。主プロセスの1回の実行によってウエハWに成膜される膜の膜厚が例えば10[nm]の場合、N1=10[nm]である。なお、膜厚の単位にオングストローム(angstrom)等の他の単位を用いることもできる。指標値N1は、方法MTの実行前に予め入力装置2eを介して制御部2に設定される。
【0035】
基準値N2は、累計値αに基づいて工程Aの終了(End)を判定するための値であり、方法MTの実行前に予め入力装置2eを介して制御部2に設定される。基準値N2は、指標値N1が主プロセスの1回の実行によって処理されるウエハWの枚数の場合には、工程Aにおいて処理されるウエハWの枚数の総数(上限値)である。主プロセスが成膜プロセスの場合において指標値N1が主プロセスの1回の実行によってウエハWに成膜される膜の膜厚の場合には、基準値N2は、工程AにおいてウエハWに成膜される膜の膜厚の総数(上限値)である。
【0036】
工程Aにおける第iの副プロセスの適用については、累計値αが第iの適用条件を満たす場合に、第iの副プロセスは工程Aに適用される。第iの副プロセスの実行については、累計値αが第iの適用条件を満たしている場合において、主プロセスの1回または連続した複数回の実行(第iの単位ロットに対応)によって得られる指標値N1の合計が第iの実行条件を満たした時点において第iの副プロセスが実行される。
【0037】
i=kの場合(本明細書においてkは1≦k≦M−1を満たす正の整数)、第kの適用条件は、累計値αが、L(k−1)<α≦L(k)を満たすことである。L(k−1),L(k)は、第kの適用条件において、累計値αの範囲を規定するための値であり、0以上の実数である。L(0)=0,L(k−1)<L(k)のそれぞれが満たされる。L(k−1),L(k)は、例えば、累計値αがウエハWの枚数の累積値を表す場合には当該枚数を示す値[枚]であり、累計値αが膜厚の累積値を表す場合には膜厚を示す値[nm]である。i=Mの場合、第Mの適用条件は、第1〜第Mの副プロセスのうち工程Aにおいて最後に適用される第Mの副プロセスの適用条件であり、L(M−1)<αを満たすことである。
【0038】
第iの実行条件は、工程Aの開始から既に実行された副プロセスがある場合には最後に実行された副プロセスの実行時から積算された指標値N1の合計値β、または、工程Aの開始から既に実行された副プロセスが無い場合には工程Aの開始時から積算された指標値N1の合計値βが、β>K(i)を満たすことである。K(i)は、正の実数である。K(i)は、第iの副プロセスの実行周期を規定している。
【0039】
第iの適用条件の内容、および、第iの実行条件の内容は、何れも、方法MTの実行前に予め入力装置2eを介して制御部2に設定される。第iの適用条件の内容、および、第iの実行条件の内容は、何れも、変更可能である。より具体的に、L(i)、K(i)のそれぞれは、何れも、方法MTの実行前に予め入力装置2eを介して制御部2に設定される。特に、第1〜第Mの副プロセスのうち工程Aにおいて最後に適用される第Mの副プロセスの第Mの適用条件に含まれるL(M)については、L(M)=0が設定される。換言すれば、L(i)=0に設定された場合のiがi=Mとなる。L(i)、K(i)のそれぞれの内容は、何れも、変更可能である。
【0040】
図1および図3を参照して工程Aを詳細に説明する。図1は、一実施形態に係る方法MTの一の部分(工程A)を示す流図である。図3は、図1に示す工程Aの実行状況の一例を説明するための図である。図3の横軸は、工程Aの開始(Start)時から工程Aの終了(End)時までに亘る指標値N1の累計値αを表している。図1に示すように、工程Aは、工程ST1〜工程ST10を備える。工程ST1では、工程Aの開始(Start)時において、工程Aの実行に用いられる三つの変数(α,β,i)の初期値が設定される。すなわち、α=0,β=0,i=1に設定される。
【0041】
工程ST1に引き続く工程ST2、工程ST8(YES)に引き続く工程ST2、および、工程ST10に引き続く工程ST2の何れかにおいて、累計値αに指標値N1が加えられると共に(α+N1→α)、合計値βにも指標値N1が加えられる(β+N1→β)。工程ST2に引き続く工程ST3において、主プロセスが実行される。工程ST3によって主プロセスが1回実行され、工程ST2によって主プロセスのこの1回の実行を示す指標値N1が累計値αと合計値βとに加えられる。このように、工程Aにおいて、主プロセスが1回実行されるごとにαとβとがそれぞれN1ずつ増加する。
【0042】
工程ST3に引き続く工程ST4において、現在適用中の第iの副プロセスが工程Aの最後に適用される副プロセスであるか否かが判定される。より具体的に、工程ST4において、L(i)=0(i=M)が満たされているか否かが判定され、工程ST4(NO)に引き続く工程ST5において、現在適用中の第iの副プロセスを継続して適用するか否かが判定される。より具体的に、工程ST5において、L(i−1)<α≦L(i)(L(0)=0,i<M)が満たされているか否かが判定される。すなわち、工程ST4および工程ST5において、第1〜第Mの副プロセスのうち何れの副プロセスが工程Aに適用されるのかが判定される。
【0043】
工程ST4において、L(i)=0が満たされている場合(工程ST4:YES)には、この時点で、i=Mとなっており、第Mの副プロセスが工程Aに適用されると判定される。工程ST4(YES)に引き続く工程ST6において、工程Aを継続するか否かが判定される。より具体的に、工程ST6では、α≦N2が満たされているか否かが判定される。工程ST6においてα≦N2が満たされていないと判定される場合(工程ST6:NO)には、工程Aは終了され、工程ST6においてα≦N2が満たされていると判定される場合(工程ST6:YES)には、工程Aは終了されずに、工程ST8以降の処理が行われる。
【0044】
なお、工程ST6(NO)の場合に工程Aの終了後に、工程Aで用いられた第iの副プロセスとは異なる処理を実行し、この後に再び工程Aを繰り返し実行することもできる。
【0045】
工程ST4において、L(i)=0が満たされていない場合(工程ST4:NO)には、i<Mとなっている。工程ST4(NO)に引き続く工程ST5において、L(i−1)<α≦L(i)(L(0)=0,i<M)が満たされている場合(工程ST5:YES)には、この時点で第iの副プロセスが工程Aに適用されると判定される。
【0046】
工程ST5において、L(i−1)<α≦L(i)(L(0)=0,i<M)が満たされていない場合(工程ST5:NO)には、この時点で第iの副プロセスは工程Aには適用されず、従って、工程ST5(NO)に引き続く工程ST7において、第iの副プロセスに引き続く第i+1の副プロセスが工程Aに適用される。工程ST7が実行されると、iの値がインクリメント(1だけ増加)され(i+1→i)、工程ST4が再度実行される。
【0047】
図3に示す区間TR(i)は、第iの副プロセスが工程Aに適用される区間であり、図3に示す区間TR(i+1)は、第i+1の副プロセスが工程Aに適用される区間である。図3に示す区間TR(i)から区間TR(i+1)への移行は、工程ST7において実行されるiのインクリメントによって実現される。図3に示す区間TR(1)、区間TR(2)、区間TR(M−1)、区間TR(M)も、区間TR(i)、区間TR(i+1)の場合と同様である。
【0048】
工程ST5(YES)に引き続く工程ST8では、現在適用中の第iの副プロセスの実行タイミングに至っていないか否かが判定される。より具体的に、工程ST8では、合計値βがβ≦K(i)を満たすか否かが判定される。K(i)は、第iの副プロセスの実行周期を規定している。従って、工程ST8では、第iの副プロセスが実行されるか否かが判定される。
【0049】
β≦K(i)が満たされる場合(工程ST8:YES)、第iの副プロセスは実行されない(第iの副プロセスの実行周期には至っていない)と判定される。工程ST8(YES)の場合、工程ST2および工程ST3に移行し、主プロセスが更に実行される。β≦K(i)が満たされない場合(工程ST8:NO)、現在適用中の第iの副プロセスの実行タイミングに至ったと判定される。すなわち、工程ST8(NO)において、第iの副プロセスが実行されると判定される。工程ST8(NO)の場合、工程ST9に移行し、工程ST9において、第iの副プロセスが実行される。
【0050】
図3に示すタイミングSP(i)は、工程ST8においてβ≦K(i)が満たされないと判定される場合に対応しており、第iの副プロセスの実行タイミングに対応する。図3に示すタイミングSP(1)、タイミングSP(2)、タイミングSP(i+1)、タイミングSP(M−1)、タイミングSP(M)も、タイミングSP(i)の場合と同様である。
【0051】
工程ST9において第iの副プロセスが実行されたので、工程ST9に引き続く工程ST10では、合計値βがゼロの値にリセットされる(0→β)。合計値βがゼロにリセットされた状態から、工程ST2以降の各処理が繰り返され、工程ST8においてβ>K(i)が満たされているか否かの判定(第iの実行条件が満たされているか否かの判定)が再び行われる。
【0052】
(実施例)
図4および図5を参照して、工程Aの一実施例を説明する。図4図5とは同一の一実施例を説明するための図であり得る。図4は、図1に示す流図をより具体的に示す流図である。図4に示す工程Aは、工程ST1a〜工程ST7aを備える。図5は、図3に示す工程Aの実行状況をより具体的に示す図である。図5には、図4に示す流図に対応する工程Aの実行状況が示されている。
【0053】
図4に示す工程Aの実行開始時には図1に示す工程ST1が実行され、この後に、工程ST1aが実行される。工程ST1aは図1に示す工程ST2および工程ST3に対応し、工程ST2aは図1に示す工程ST4に対応する。工程ST3aは図1に示す工程ST5に対応し、工程ST4aは図1に示す工程ST6に対応し、工程ST5aは図1に示す工程ST7に対応する。工程ST6aは図1に示す工程ST8に対応し、工程ST7aは図1に示す工程ST9および工程ST10に対応する。
【0054】
図4および図5に示す一実施例において、主プロセスは、例えば成膜処理またはエッチング処理等、ガスを用いて(更にプラズマを用いて)ウエハWを処理するウエハ処理プロセスであり、第iの副プロセスは、ウエハ処理プロセスが行われた処理容器PS内をパージするパージ処理プロセスである。図4および図5に示す一実施例において、工程Aは、例えばClFガスを用いて処理容器PS内をクリーニングする処理に引き続いて実行され得る。
【0055】
図4および図5に示す一実施例において、指標値N1は1回のウエハ処理プロセス(主プロセス)によってウエハWに成膜される膜の膜厚[nm]である。従って、累計値α、合計値βは、何れも、膜厚の積算値[nm]に対応する。第iの適用条件(図1に示す工程ST5を参照)に用いられるL(i)も、累計値αの範囲を規定するための値であるので、累計値αと同様に、膜厚の値[nm]に対応する。第iの実行条件(図1に示す工程ST8を参照)に用いられるK(i)も、合計値βの範囲を規定するための値であるので、合計値βと同様に、膜厚の値[nm]に対応する。例えば、図5に示すように、L(1)=3000[nm]、K(1)=700[nm]、K(2)=500[nm]であり得る。
【0056】
図4に示す工程Aにおいて、主プロセスに対応するウエハ処理プロセスは、工程ST1aにおいて実行される。工程ST1aに引き続く工程ST2aにおいては、現在適用中の第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスが工程Aの最後に適用される第Mの副プロセスに対応するパージ処理プロセスであるか否かが判定される。
【0057】
工程ST2aにおいて、現在適用中のパージ処理プロセス(第iの副プロセス)が工程Aの最後に適用される第Mの副プロセスに対応するパージ処理プロセスではないと判定されると(工程ST2a:NO)、工程ST3aに移行し、工程ST3aにおいて、現在適用中の第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスを継続して適用するか否かが判定される。工程ST3aにおいて、現在適用中の第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスを継続して適用するか否かの判定には、i=k(kは1≦k≦M−1を満たす正の整数)の場合に第kの適用条件(L(k−1)<α≦L(k))が用いられる(図1に示す工程ST5を参照)。
【0058】
工程ST3aにおいて、現在適用中の第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスを継続して適用すると判定されると(工程ST3a:YES)、工程ST6aに移行する。工程ST3aにおいて、現在適用中の第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスを継続して適用しないと判定されると(工程ST3a:NO)、工程ST5aに移行し、工程ST5aにおいて、パージ処理プロセスが、現在適用中の第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスから、現在適用中の第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスに引き続く次に適用予定の第i+1の副プロセスに対応するパージ処理プロセスに変更され、この変更の後に工程ST2aに戻る。
【0059】
現在適用中の第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスが工程Aの最後に適用される第Mの副プロセスに対応するパージ処理プロセスであると判定されると(工程ST2a:YES)、工程ST4aに移行し、工程ST4aにおいて、工程Aを継続するか否かが判定される。すなわち、工程ST4aにおいては、累計値αが、工程ST4aにおいて処理されるウエハWの枚数の上限値である基準値N2を超えていなか否かが判定される(図1に示す工程ST6を参照)。工程ST4aにおいて、工程Aを継続しない(累計値αが基準値N2を超えた)と判定されると(工程ST4a:NO)、工程Aが終了される。工程ST4aにおいて、工程Aを継続する(累計値αが基準値N2を超えていない)と判定されると(工程ST4a:YES)、工程ST6aに移行する。
【0060】
なお、工程ST4a(NO)の場合に工程Aの終了後に、工程Aで用いられた第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスとは異なる処理(例えばドライクリーニング)を実行し、この後に再び工程Aを繰り返し実行することもできる。
【0061】
工程ST6aでは、現在が第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスの実行タイミング(SP(i))に至っていないか否かが判定される。工程ST6aにおいて、現在が第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスの実行タイミング(SP(i))に至っていないか否かの判定には、β≦K(i)が用いられる(図1に示す工程ST8を参照)。現在が第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスの実行タイミング(SP(i))に至っていないと判定されると(工程ST6a:YES)、ウエハ処理プロセスを実行する工程ST1aに移行して、工程ST1a以降の処理が繰り返される。
【0062】
現在が第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスの実行タイミング(SP(i))に至っていると判定されると(工程ST6a:NO)、工程ST7aに移行する。工程ST7aは、現在適用中の第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスを実行する。工程ST7工程Aの後、ウエハ処理プロセスを実行する工程ST1aに移行して、工程ST1a以降の処理が繰り返される。
【0063】
例えば、図5に示すように、工程Aの開始から積算された膜厚の累計値αがL(1)(=3000[nm])を超えて、第1の適用条件が満たされない状態となった場合に(工程ST3a:NO)、工程ST5aにおいて、現在適用中の第1の副プロセスに対応するパージ処理プロセスから次に適用予定の第2の副プロセスに対応するパージ処理プロセスにパージ処理プロセスが変更される。この場合、工程ST5aの後には、現在適用中のパージ処理プロセスが第2の副プロセスに対応するパージ処理プロセスとなるので、工程ST6aにおいてパージ処理プロセスの実行タイミングの判定に用いられるK(1)(=700[nm])もK(2)(=500[nm])に変更され、工程ST6a(図1に示す工程ST8)の当該判定では、K(2)が用いられる。
【0064】
このため、累計値αがL(1)を超えた後に第2の副プロセスに対応するパージ処理プロセスが最初に実行されるタイミングSP(2)は、累計値αがL(1)以下である場合において第1の副プロセスに対応するパージ処理プロセスが最後に実行されたタイミングSP(1)(累計値αが、5×K(1)=2800[nm]を最初に超えたタイミング)からの合計値βがK(2)を最初に超えたタイミング(累計値αが、2800+K(2)=3300[nm]を最初に超えたタイミング)となる。
【0065】
従って、工程Aの開始時に処理容器PSが既にクリーニング済みとなっている場合には、工程Aの開始から暫くの間において、処理容器PS内をパージするパージ処理プロセスの頻度および実行時間を抑制しつつ、工程Aの実行が進み工程Aの開始前のクリーニングによる効果が低下していくにつれてパージ処理プロセスの頻度および実行時間を増加することによって、工程Aの実行期間中に亘ってパーティクルの発生を十分に低減し得る。
【0066】
このように、工程Aの開始前のクリーニングによる効果が十分に維持されている工程Aの初期段階ではパーティクルの発生が比較的に少ないので、パージ処理プロセスの頻度および実行時間を抑制することによって、コンディショニングによるダウンタイムを低減し得る。
【0067】
工程Aの実行が進み累計値αが増加することに伴い、パーティクルの発生が段階的に増加し得る状況においては、K(i)、すなわち、第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスの実行周期を段階的に短縮させつつ、第iの副プロセスに対応するパージ処理プロセスの実行回数を段階的に増加させることによって、パーティクルの発生が増加傾向にある工程Aの末期において、短周期で強力なパージ処理プロセスの実行が可能となり、その結果、工程Aの前後に実行される処理容器PSに対するクリーニングの実行周期が十分に延長され得る。
【0068】
以上説明した方法MTによれば、複数の主プロセスがシリアルに実行される工程Aに第iの副プロセスを割り込ませる条件、すなわち、第iの副プロセスが工程Aにおいて適用されるための第iの適用条件と第iの副プロセスが工程Aにおいて実行されるための第iの実行条件とが、何れも変更可能に設定され得るので、工程Aにおいて複数のプロセスがシリアルに実行される場合において、プロセスを実行する順序、プロセスを実行するタイミング等のプロセスの実行態様が柔軟に設定され得る。
【0069】
更に、i=kの場合に第kの副プロセスが適用されるための第kの適用条件がL(k−1)<α≦L(k)であり、i=Mの場合に第Mの副プロセスが適用されるための第Mの適用条件がL(M−1)<αであるので、累計値αの増加(主プロセスによって処理されるウエハWの枚数の増加)に伴って第iの副プロセスが工程Aにおいて順次適用され得る。また、第iの適用条件の変更は、L(i)の変更によって実現され得る。
【0070】
更に、第iの副プロセスが実行されるための第iの実行条件は、工程Aの開始から既に実行された副プロセスがある場合には最後に実行された副プロセスの実行時から積算された指標値の合計値β、または、工程Aの開始から既に実行された副プロセスが無い場合には工程Aの開始時から積算された指標値の合計値βを用いたβ>K(i)であるので、主プロセスによって処理されるウエハWの枚数の増加に伴ってβが増加し、βがK(i)を上回った時点で第iの副プロセスが実行され得る。また、第iの実行条件の変更は、K(i)の変更によって実現され得る。
【0071】
更に、第iの副プロセスが工程Aにおいて適用されるための第iの適用条件と第iの副プロセスが工程Aにおいて実行されるための第iの実行条件とが、主プロセスの1回の実行によって処理されるウエハWの枚数、または、主プロセスが成膜プロセスの場合に主プロセスの1回の実行によってウエハWに成膜される膜の膜厚、の何れかに基づいて好適に設定され得る。
【0072】
更に、主プロセスを、処理容器PS内に配置されたウエハWに対し処理容器PS内にガスを供給することによって行う処理とすることができると共に、副プロセスを、処理容器PS内をパージする処理とすることができる。この場合、主プロセスがシリアルに実行される工程Aにおいて、副プロセスの実行タイミングが調整され得るので、主プロセスの内容と、工程Aの前後に実行され得るクリーニングの内容とに応じて、パージによる効果の向上とパージによる負荷の低減とが好適に実現され得る。例えば、処理容器PSがクリーニングされた後に工程Aが処理容器PSを用いて開始される場合、工程Aの開始直後は、処理容器PSがクリーニングされた直後なので、パージの実行周期(副プロセスの実行周期)を比較的に長くすると共に1回のパージ時間(副プロセスの実行時間)を比較的に短くすることができる。また、工程Aが終了に近づくにつれて、処理容器PS内には複数回の主プロセスの実行に伴って堆積物等が増加する場合があるので、パージの実行周期(副プロセスの実行周期)を比較的に短くすると共に1回のパージ時間(副プロセスの実行時間)を比較的に長くすることができる。
【0073】
以上、好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
【符号の説明】
【0074】
1…処理装置、11…キャリア取り付けポート、12…大気搬送室、121…搬送アーム、13…真空搬送室、131…搬送アーム、14…アライメント室、16…載置台、2…制御部、2a…プロセッサ、2b…メモリ、2c…ストレージ、2d…通信装置、2e…入力装置、2f…出力装置、2g…バス、A…工程、C…搬送容器、G1…ドア、G2…ドアバルブ、G3…ゲートバルブ、G4…ゲートバルブ、LLM1…ロードロックモジュール、LLM2…ロードロックモジュール、MT…方法、N1…指標値、PM1…処理モジュール、PM2…処理モジュール、PM3…処理モジュール、PM4…処理モジュール、PS…処理容器、W…ウエハ。
図1
図2
図3
図4
図5