(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
例えばビール製造工場においては、アルコール発酵の際に発生する発酵ガスに含まれる二酸化炭素を液化回収し、ビールの充填等の用途に利用している。ビール発酵ガスに含まれる不純物ガスの大半は空気由来である。より具体的には、
不純物ガスは、ビール発酵に際し、発酵槽に原料を仕込み酵母を添加するときに、同時に吹き込む空気に由来する。空気を吹き込むのは、発酵過程初期に、酵母が空気中の酸素を餌として増殖する手助けにするためである。この時、酸素の大半は消費されるため、残余の殆どが窒素(N
2)である。
【0003】
酵母が増殖して発酵が開始されると、二酸化炭素とエタノールが発生する。二酸化炭素が増加すると発酵槽に存在する空気由来成分を押し出すことになる。よって
、残余の空気由来成分は
徐々に押し出され、二酸化炭素に置換されると共に、押し出される発酵ガス中の空気由来成分は低下する。発酵が進むと、最終的には発酵槽は高純度の二酸化炭素で置換され、発生するビール醗酵ガスについても高純度のものが供給される。一方、初期のビール発酵ガスは、不純物である空気由来成分(主に窒素)の含有比率が高く
、二酸化炭素の濃度が相対的に低い状態にある。そして、ビール発酵ガスにおける二酸化炭素濃度が低いと、精留塔などの液化回収装置において二酸化炭素を液化回収する際、オフガス
(液化されないガス成分)の量が増加し、液化二酸化炭素の回収率が低下する。
【0004】
二酸化炭素の回収率低下を解消するための方法としては、二酸化炭素濃度の低いガスを、吸収法もしくは吸着法などで直接濃縮する方法
がある。また、発酵ガスの二酸化炭素濃度は発酵が進むにつれて上昇し、濃縮が必要でない純度に達する。このようなことから、従来、ビール発酵ガス中の二酸化炭素を液化回収する場合には、ある程度ビール発酵ガス中の二酸化炭素濃度が上昇してから、ビール発酵ガスの液化回収装置への供給を開始することが一般に行われる。
【0005】
しかしながら、このような方法では、二酸化炭素濃度が上昇するまでのビール発酵ガスは有効利用されることなく無駄が生じる。さらに、ビール発酵においては、発酵過程の初期以外にもタンク移送等の目的でエアレーション操作が実行されることがある。エアレーション操作時には、空気が発酵槽を経て二酸化炭素の液化回収装置に流入するため、一時的に上記液化回収装置、即ち、精留塔内部の二酸化炭素濃度は低下する。このように、ビール発酵においてビール発酵ガス中の二酸化炭素濃度は、変動(上昇および低下)を繰り返すことになるが、ビール発酵ガス中の二酸化炭素濃度が低い場合に当該ビール発酵ガスを廃棄するのでは無駄が多くなる。液化回収装置(精留塔など)を経たオフガスに関し、二酸化炭素を濃縮する方法として圧力変動吸着法が知られている(例えば特許文献1を参照)。しかしながら、ビール発酵ガスのように原料ガスにおける二酸化炭素濃度が変動する場合において、オフガス中の二酸化炭素を効率的に回収する方法は提案されていなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情の下で考え出されたものであって、二酸化炭素および不純物を含む原料ガスから二酸化炭素を液化回収する際、原料ガスにおける二酸化炭素濃度が変動する場合においても高い回収率で効率よく回収するのに適した方法および装置を提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面によって提供される二酸化炭素の分離回収方法は、二酸化炭素および不純物を含む原料ガスについて、当該原料ガスにおける二酸化炭素濃度が変動する状況において二酸化炭素を分離回収するための方法であって、低温高圧下で上記原料ガスから二酸化炭素を液化回収し、オフガスを排出する液化工程と、上記オフガスに含まれる二酸化炭素をPSA法により濃縮分離するPSAガス分離工程と、を含み、上記原料ガスにおける二酸化炭素濃度に応じて、上記PSAガス分離工程でのガス分離の処理量を変動させる。
【0009】
一実施形態においては、上記原料ガスにおける二酸化炭素濃度
を検出し、上記原料ガスにおける二酸化炭素の度が所定値以上の場合、上記PSAガス分離工程でのガス分離の処理量を相対的に減少させ、あるいはガス分離の処理を停止し、上記原料ガスにおける二酸化炭素濃度が
上記所定値を下回る場合、上記PSAガス分離工程でのガス分離の処理量を増加させ、あるいはガス分離の処理を実行する。
【0010】
別の実施形態において、上記オフガスの圧力を検出し、
上記オフガスの圧力が所定値以下の場合、上記PSAガス分離工程でのガス分離の所定量を減少させ、あるいはガス分離の処理を停止し、上記オフガスの圧力が
上記所定値を超える場合、上記PSAガス分離工程
でのガス分離の処理量を増加させ、あるいはガス分離の処理を実行する。
【0011】
さらに別の実施形態において、上記原料ガスの流量を検出し、当該原料ガスの流量が
所定値以下の場合、上記PSAガス分離工程でのガス分離の処理量を相対的に減少させ、あるいはガス分離の処理を停止し、上記原料ガスの流量が
上記所定値を超える場合、上記PSAガス分離工程でのガス分離の処理量を増加させ、あるいはガス分離の処理を実行する。
【0012】
好ましくは、上記液化工程の前に、上記原料ガスに含まれる二酸化炭素をPSA法により濃縮分離する、追加のPSAガス分離工程を含む。
【0013】
好ましくは、上記PSAガス分離工程により二酸化炭素が濃縮された二酸化炭素濃縮ガスを、上記原料ガスに合流させる。
【0014】
本発明の第2の側面によって提供される二酸化炭素の分離回収
システムは、二酸化炭素および不純物を含む原料ガスについて、当該原料ガスにおける二酸化炭素濃度が変動する状況において二酸化炭素を分離回収するための
システムであって、低温高圧下で上記原料ガスから二酸化炭素を液化回収し、オフガスを排出する液化手段と、上記オフガスに含まれる二酸化炭素をPSA法により濃縮分離可能であり、上記原料ガスおよび上記オフガスの少なくとも一方の状態
変化に基づきガス分離の処理
状態を変
化させ
るように構成されたPSAガス分離
装置と、を備える。
【0015】
好ましくは、上記原料ガスにおける二酸化炭素濃度を検出する濃度検出手段、上記オフガスの圧力を検出する圧力検出手段、および上記原料ガスの流量を検出する流量検出手段、の少なくとも1つを備える。
【0016】
好ましくは、上記PSAガス分離
装置により濃縮分離された二酸化炭素濃縮ガスを、上記原料ガスに合流させるための戻りラインを備える。
【0017】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る二酸化炭素の分離回収方法を実行するのに使用することができる二酸化炭素分離回収
システムの概略構成を示している。二酸化炭素分離回収
システムX1は、昇圧ブロア1と、脱臭器2と、圧縮機3と、冷却器4と、液化回収装置5と、圧力変動吸着式ガス分離装置(PSAガス分離装置)6と、これらの要素を接続する配管と、を備え
る。二酸化炭素分離回収システムX1は、二酸化炭素を含む原料ガスを連続的に供給しつつ、当該原料ガス中の二酸化炭素を液化回収することができるように構成されている。
【0021】
二酸化炭素分離回収
システムX1に供給される原料ガスとしては、例えばビール発酵ガスが挙げられる。ビール発酵ガスは、ビール発酵の際に発酵槽から送り出されるガスであり、主に発酵槽の内部空間に存在する成分(主に空気由来成分である窒素)と、ビール発酵によって発生する成分(主に二酸化炭素)と、を含む。
【0022】
ビール発酵ガス(原料ガス)における二酸化炭素濃度については、例えば発酵開始後の初期段階では低
く、発酵が進むにつれて上昇して最終的に約99.9%以上となる。
また、発酵槽につい
てタンク移送等の目的でエアレーション操作が行われることがあ
り、このエアレーション操作によって不純物(主に空気由来成分)が増加し、ビール発酵ガス(原料ガス)における二酸化炭素濃度は、例えば80〜90%程度に低下する。このように
、原料ガスとしてのビール発酵ガスにおける二酸化炭素濃度は、時間経過とともに所定範囲(例えば約80〜99.9%)で上昇および低下を繰り返して変動する。
【0023】
なお、ビール製造工場においては、発酵設備として複数の発酵槽(例えば10〜20槽程度)を備えており、これら発酵槽から送出されるビール発酵ガス(原料ガス)が図示しない集合管を介して二酸化炭素分離回収
システムX1に供給される。二酸化炭素分離回収
システムX1へのビール発酵ガス(原料ガス)の供給量は、ビール製造設備の規模やビール製造量に応じて異なるが、例えば40〜180Nm
3/h程度である。
【0024】
昇圧ブロア1は、配管11を介して導入された原料ガスを所定圧力にて送り出
す。脱臭器2は、例えば原料ガスに含まれる、炭化水素などの不純物成分を除去す
る。圧縮機3は、脱臭器2を経た原料ガスを所定の高圧状態で送り出
す。冷却器4は、例えばシェルアンドチューブ式
(shell and tube type)熱交換器であり、伝熱管内を流れるブライン(冷媒)によって原料ガスが冷却される。冷却器4を通過した原料ガスは、配管12を介して液化回収装置5に送られる。
【0025】
配管12には、二酸化炭素センサ21が設けられている。二酸化炭素センサ21は、配管12内を通流する原料ガスの二酸化炭素濃度を常時的に検出するためのものである。配管12にはまた、当該配管12を通流する原料ガスの流量を検出するための流量計22が設けられている。
【0026】
なお、詳細な図示説明は省略するが、液化回収装置5に供給される原料ガスについて、その供給前において水分や泡を事前に除去するための工程を適宜行ってもよい。
【0027】
液化回収装置5は、原料ガスから二酸化炭素を液化回収するためものであり、例えば精留塔51および凝縮器52を備えて
いる。凝縮器52は、原料ガスを低温高圧状態に維持することで主に二酸化炭素を液化させるものである。凝縮器52においては、例えばブライン(冷媒)によ
る冷却がおこなわれ、内部圧力が2.1MPaG
(Gはゲージ圧であることを示す。以下も同じ。)程度以下に調節される。
【0028】
冷却器4を通過した原料ガスは、配管12を介して精留塔51に導入される。精留塔51内のガスはその上部に接続される配管13を介して凝縮器52に導入される。凝縮器52では低温高圧下で二酸化炭素が液化し、当該液化二酸化炭素が出口側下部に接続される配管14を通じて精留塔51に戻される。精留塔51内に滞留する液化二酸化炭素は、当該精留塔51の底部から製品として取り出される。
【0029】
凝縮器52の出口側上部には、当該凝縮器52を通過したガス(オフガス)を流すための配管15が接続されている。配管15には圧力計23が設けられている。この圧力計23により、配管15内のオフガスの圧力を検出することができる。また、配管15にはオフガスを排出するための配管16が分岐状に接続されている。配管16には、圧力制御弁24が設けられている。圧力制御弁24は、配管15,16内のオフガスの圧力が所定値(例えば2.1MPaG以上の設定値)を超えると開放し、オフガスを外部に放出す
る。
【0030】
配管15には、流量調整弁25が設けられており、配管15の下流側にはPSAガス分離装置6が
接続されている。詳細は後述するが、凝縮器52から排出されるオフガスは、所定条件を満たす場合、配管15および流量調整弁25を介して、PSAガス分離装置6に送出される。
【0031】
PSAガス分離装置6は、二酸化炭素を選択的に吸着するための吸着剤が充填された複数の吸着塔(図示略)を備えており、圧力変動吸着式ガス分離工程(PSAガス分離工程)を行
う。上記吸着塔に充填される吸着剤としては、例えば、椰子殻や竹などの植物質や、石炭質、石油質などのものを原料とする分子ふるい機能を有するCMS(Carbon Molecular Sieve)や、合成ZMS(Zeolite Molecular Sieve)を採用することができる。
【0032】
PSAガス分離工程では、単一の吸着塔について、例えば吸着工程、洗浄工程、および脱着工程を含む1サイクルが繰り返される。吸着工程は、塔内が所定の高圧状態にある吸着塔に上記オフガスを導入して当該オフガス中の二酸化炭素を吸着剤に吸着させ、当該吸着塔から非吸着ガスを導出するための工程である。洗浄工程は、吸着工程を終了した吸着塔を、脱着工程にある他の吸着塔から導出される脱着ガスの一部を利用して洗浄する工程である。脱着工程は、吸着塔内を減圧して吸着剤から二酸化炭素を脱着させ、塔内にある二酸化炭素が濃縮された二酸化炭素濃縮ガス(主に脱着ガス)を塔外に導出するための工程である。なお、吸着塔の
個数については、上記した3つの工程を1サイクルとして繰り返す場合、好ましくは3塔である。ただし、2塔または4塔以上の吸着塔を備える構成であってもよい。また、PSAガス分離工程においては、少なくとも吸着工程および脱着工程を含んだ複数の工程を1サイクルとして繰り返せばよい。
【0033】
PSAガス分離装置6には、配管17,18が接続されている。配管17は
、吸着塔から導出される非吸着ガスを外部に排出するためのものである。配管18は
、吸着塔から導出される二酸化炭素濃縮ガスを原料ガスに合流させて回収するためのものである。配管18の下流側端は、原料ガスが流れる配管11の上流側に接続されている。
【0034】
上記のような構成を有する二酸化炭素分離回収
システムX1を使用して、ビール発酵ガス(原料ガス)から二酸化炭素を液化回収する。本実施形態において、原料ガスにおける二酸化炭素濃度は、上述のように時間経過とともに所定範囲(例えば約80〜99.9%)で上昇および下降を繰り返して変動する。原料ガスに含まれる二酸化炭素が液化回収装置5によって液化回収される際、当該液化回収される液化二酸化炭素の純度はほぼ100%である。このため、液化せずに精留塔51等に残存するガス(オフガス)については、二酸化炭素濃度が原料ガスよりも低下する。
【0035】
例えば、原料ガスの供給量が165Nm
3/h、オフガス量が20Nm
3/hで操作した液化回収装置5(凝縮器52)での温度が−20℃のとき、凝縮圧力が1.87MPaGの条件のもとでは、原料ガスにおける二酸化炭素濃度が約99.9%の場合、オフガスにおける二酸化炭素濃度は約99%になる。また、上記の原料ガス供給態様および冷却加圧条件下において、原料ガスの二酸化炭素濃度が約99%の場合にはオフガスにおける二酸化炭素濃度は約92.7%であり、原料ガスの二酸化炭素濃度が約98%の場合にはオフガスにおける二酸化炭素濃度は約85.7%であり、原料ガスの二酸化炭素濃度が約97%の場合、オフガスにおける二酸化炭素濃度は約78.7%である。オフガスにおける二酸化炭素濃度が92.7%の時、塔圧力1.87MPaGを維持するには、二酸化炭素の分圧低下のため、液化回収装置5(凝縮器52)での温度を−22.8℃まで下げる必要がある。また、オフガスの二酸化炭素濃度が78.7%まで低下すると、温度を−28.3℃まで下げる必要があり、運転が困難となる。
【0036】
このように、オフガスにおける二酸化炭素濃度が低下すると、二酸化炭素の分圧低下で液化が困難になる。オフガス量を増加させれば二酸化炭素濃度は増加するが、液化回収される二酸化炭素の比率(以下、適宜「液化回収率」という)は反対に低下していく。例えば、温度が−20℃程度、圧力が1.87MPaG程度の冷却加圧条件とし、圧力制御弁24によるオフガスの外部放出の設定圧を2.1MPaG以上とする場合、原料ガスにおける二酸化炭素濃度が約99.9%の場合、液化回収率は95%以上となる。また、原料ガスの二酸化炭素濃度が約99%の場合には液化回収率が約80%となり、原料ガスの二酸化炭素濃度が約90%の場合には液化回収率が約40%となる。ここでの液化回収率は、PSAガス分離装置6を使用しない状態での液化回収率である。これに対し、PSAガス分離装置6を使用した場合、90%以上の高い二酸化炭素回収率で、元の原料ガスの二酸化炭素濃度よりも高い濃度に濃縮されたガス(二酸化炭素濃縮ガス)が、原料ガスライン(配管11)に戻される。したがって、PSAガス分離装置6を使用してガス分離の処理を行うことで、液化二酸化炭素の全体の回収率を効率よく高めることができる。
【0037】
本実施形態の二酸化炭素分離回収
システムX1は、液化回収装置5およびPSAガス分離装置6を備える。二酸化炭素分離回収
システムX1に供給される原料ガスについては、時間経過とともに当該原料ガス中の二酸化炭素濃度が変動する。液化回収装置5においては、定常的に原料ガスから二酸化炭素が液化回収される。一方、PSAガス分離装置6においては、原料ガス中の二酸化炭素濃度の変動に応じて、PSAガス分離工程によるガス分離の処理を変更する。
【0038】
PSAガス分離工程によるガス分離の処理の
第1の制御態様によれば、二酸化炭素センサ21によって原料ガスにおける二酸化炭素濃度を検出し、当該検出濃度が所定値以上である場合(原料ガスにおける二酸化炭素濃度が相対的に高い場合)、PSAガス分離装置6による処理を停止する。一方、二酸化炭素センサ21によって検出される二酸化炭素濃度が所定値を下回る場合(原料ガスにおける二酸化炭素濃度が相対的に低い場合)、PSAガス分離装置6による処理を実行する。即ち、PSAガス分離装置6においては、原料ガスにおける二酸化炭素濃度に応じて
PSAガス分離の処理をオン
・オフ制御し、間欠運転が実行される。このような構成によれば、液化回収装置5(液化工程)でのオフガスをPSAガス分離装置6によって処理す
ればよいので、原料ガス
の全量をPSA処理する場合よりもPSAガス分離装置6の規模を小さくすることができる。したがって、PSAガス分離装置6(二酸化炭素分離回収
システムX1)の設備コスト
を削減
することができる。
【0039】
上述のように原料ガスの二酸化炭素濃度が低下するときに液化回収率が低下することから、原料ガスの二酸化炭素濃度が低下するときにはオフガス量が相対的に多くなる。このオフガス量が多い時に、オフガスからPSAガス分離装置6によってガス分離の処理(二酸化炭素濃縮ガスの回収)を行うので、
全体として液化二酸化炭素の全体の回収率を
効果的に高めることができる。
【0040】
PSAガス分離工程によるガス分離の処理の
第2の制御態様によれば、二酸化炭素センサ21によって原料ガスにおける二酸化炭素濃度を検出し、当該検出濃度が所定値以上である場合(原料ガスにおける二酸化炭素濃度が相対的に高い場合)、PSAガス分離装置6によるガス分離の処理量を減少させる。一方、二酸化炭素センサ21によって検出される二酸化炭素濃度が所定値を下回る場合(原料ガスにおける二酸化炭素濃度が相対的に低い場合)、PSAガス分離装置6によるガス分離の処理量を増加させる。即ち、PSAガス分離装置6においては、原料ガスにおける二酸化炭素濃度に応じてガス分離の処理量を増減調整する
ようにしてもよい。当該処理量の調整は、二酸化炭素センサ21による二酸化炭素濃度の検出結果に基づき、流量調整弁25を制御することにより行うことができる。また、上記ガス分離の処理量の調整は、原料ガスの二酸化炭素濃度の検出値に応じて多段階に行ってもよい。
【0041】
上述のように原料ガスの二酸化炭素濃度が低下するときに液化回収率が低下することから、原料ガスの二酸化炭素濃度が低下するときにはオフガス量が相対的に多くなる。このオフガス量が多い時に、オフガスからPSAガス分離装置6によるガス分離の処理量(二酸化炭素濃縮ガスの回収量)を増加させるので、液化二酸化炭素の全体の回収率を
効果的に高めることができる。
【0042】
PSAガス分離工程によるガス分離の処理の
第3の制御態様によれば、圧力計23によってオフガスの圧力を検出し、当該検出圧力が所定値以下の場合、PSAガス分離装置6による処理を停止する。一方、圧力計23によって検出されるオフガスの圧力が所定値を越える場合、PSAガス分離装置6による処理を実行する。ここで、原料ガスにおける二酸化炭素濃度が低下すると、精留塔51の気相の不純物ガスの分圧が増加し、オフガスの検出圧力が上昇する。その一方、原料ガスにおける二酸化炭素濃度が上昇すると、精留塔51の気相の不純物ガスの分圧が低下し、二酸化炭素が液化されれば、塔圧力は低下しやすいためオフガスの検出圧力が低下する。このよ
うに、PSAガス分離装置6においては、
オフガス
の圧力に応じてPSAガス分離処理をオン
・オフ制御し、間欠運転が実行される。
第3の制御態様によれば、
上述した第1の制御態様と同様に、液化回収装置5(液化工程)でのオフガスをPSAガス分離装置6によって処理す
ればよいので、原料ガス
の全量をPSA処理する
場合よりもPSAガス分離装置
6の規模
を小さくすることができる。したがって、PSAガス分離装置6(二酸化炭素分離回収
システムX1)の設備コスト
を削減
することができる。
【0043】
上述のように原料ガスの二酸化炭素濃度が低下するときに液化回収率が低下することから、原料ガスの二酸化炭素濃度が低下するときにはオフガス量が相対的に多くなる。このオフガス量が多い時に、オフガスからPSAガス分離装置6によってガス分離の処理(二酸化炭素濃縮ガスの回収)を行うので、液化二酸化炭素の全体の回収率を
効果的に高めることができる。
【0044】
PSAガス分離工程によるガス分離の処理の
第4の制御態様によれば、圧力計23によってオフガスの圧力を検出し、当該検出圧力が所定値以下の場合、PSAガス分離装置6によるガス分離の処理量を減少させる。一方、圧力計23によって検出されるオフガスの圧力が所定値を越える場合、PSAガス分離装置6によるガス分離の処理量を増加させる。即ち、PSAガス分離装置6においては、オフガスの圧力の高低に応じてガス分離の処理量を増減調整する。当該処理量の調整は、圧力計23によるオフガスの検出圧力に基づき、流量調整弁25を制御することにより行うことができる。また、上記ガス分離の処理量の調整は、オフガスの圧力の検出値に応じて多段階に行ってもよい。
【0045】
上述のように原料ガスの二酸化炭素濃度が低下するときに液化回収率が低下することから、原料ガスの二酸化炭素濃度が低下するときにはオフガス量が相対的に多くなり、オフガスの圧力が上昇する。このオフガス量が多い時に、オフガスからPSAガス分離装置6によるガス分離の処理量(二酸化炭素濃縮ガスの回収量)を増加させるので、液化二酸化炭素の全体の回収率を
効果的に高めることができる。
【0046】
PSAガス分離工程によるガス分離の処理の
第5の制御態様によれば、流量計22によって原料ガスの流量を検出し、当該原料ガスの流量が所定値
以下の場合(原料ガスの流量が相対的に少ない場合)、PSAガス分離装置6による処理を停止する。一方、流量計22によって検出される原料ガスの流量が所定値
を超える場合(原料ガスの流量が相対的に多い場合)、PSAガス分離装置6による処理を実行する。ここで、原料ガスの流量が少ない場合、オフガス量が相対的に少なくなるので、PSAガス分離装置6による処理を停止させることも可能である。その一方、原料ガスの流量が多い場合、オフガス量が相対的に多くなるので、PSAガス分離装置6による処理の必要性も増加する。このよ
うに、PSAガス分離装置6においては、原料ガスの流量に応じてガス分離の処理をオン
・オフ制御し、間欠運転が実行される。
第5の制御態様によれば、
上述した第1の制御態様と同様に、液化回収装置5(液化工程)でのオフガスをPSAガス分離装置6によって処理す
ればよいので、原料ガス
をPSA処理する
場合よりもPSAガス分離装置
6の規模
を小さくすることができる。したがって、PSAガス分離装置6(二酸化炭素分離回収
システムX1)の設備コスト
を削減
することができる。
【0047】
上述のように原料ガスの二酸化炭素濃度が低下するときに液化回収率が低下することから、原料ガスの二酸化炭素濃度が低下するときにはオフガス量が相対的に多くなる。このオフガス量が多い時に、オフガスからPSAガス分離装置6によってガス分離の処理(二酸化炭素濃縮ガスの回収)を行うので、液化二酸化炭素の全体の回収率を効率よく高めることができる。
【0048】
PSAガス分離工程によるガス分離の処理の
第6の制御態様によれば、流量計22によって原料ガスの流量を検出し、当該原料ガスの流量が所定値
以下の場合(原料ガスの流量が相対的に少ない場合)、PSAガス分離装置6によるガス分離の処理量を減少させる。一方、流量計22によって検出される原料ガスの流量が所定値
を超える場合(原料ガスの流量が相対的に多い場合)、PSAガス分離装置6によるガス分離の処理量を増加させる。即ち、PSAガス分離装置6においては、原料ガスの流量に応じてガス分離の処理量を増減調整する。当該処理量の調整は、流量計22による原料ガスの検出流量に基づき、流量調整弁25を制御することにより行うことができる。また、上記ガス分離の処理量の調整は、原料ガスの流量の検出値に応じて多段階に行ってもよい。
【0049】
上述のように原料ガスの二酸化炭素濃度が低下するときに液化回収率が低下することから、原料ガスの二酸化炭素濃度が低下するときにはオフガス量が相対的に多くなる。このオフガス量が多い時に、オフガスからPSAガス分離装置6によるガス分離の処理量(二酸化炭素濃縮ガスの回収量)を増加させるので、液化二酸化炭素の全体の回収率を
効果的に高めることができる。
【0050】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。本発明に係る二酸化炭素の分離回収方法および二酸化炭素の分離回収
システムの構成も種々に変更可能である。
【0051】
原料外ガスにおける二酸化炭素濃度がかなり低くなる場合には、原料ガスが液化回収装置5(液化工程)に送られる前に、原料ガスの二酸化炭素を濃縮分離するためのPSAガス分離装置を追加的に設けてもよい。
図2は、PSAガス分離装置7を追加的に設けた場合の二酸化炭素分離回収
システムX2の概略構成を表す。同図に示した二酸化炭素分離回収
システムX2において、原料ガスは、必要に応じて適宜PSAガス分離装置7に送られ、二酸化炭素濃度が高められた上で液化回収装置5に送られる。PSAガス分離装置7の出口側に繋がる配管には、圧縮機8が設けられている。また、原料ガスのPSAガス分離装置7への通流を切り替えるための開閉弁9,10が配管の適所に設けられている。