【文献】
Wolfram Uhlig,Funktionalisierung und Vernetzung von Poly(silylenmethylenen),Zeitschrift fur Naturforschung B,1997年,52b,PP.577-586
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
式Aを有する化合物を含み、該化合物は、1−ジメチルアミノ−1,3−ジシラプロパン、1−ジイソプロピルアミノ−1,3−ジシラプロパン、1−ジ−sec−ブチルアミノ−1,3−ジシラプロパン、1−ジイソブチルアミノ−1,3−ジシラプロパン、1−ジ−tert−ペンチルアミノ−1,3−ジシラプロパン、1−ジエチルアミノ−1,3−ジシラプロパン、1−ジメチルアミノ−1,4−ジシラブタン、1−ジエチルアミノ−1,4−ジシラブタン、1−ジイソプロピルアミノ−1,4−ジシラブタン、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−1,3−ジシラプロパン、1,3−ビス(ジイソプロピルアミノ
)−1,3−ジシラプロパン、1,3−ビス(ジ−sec−ブチルアミノ)−1,3−ジシラプロパン、1,3−ビス(ジイソブチルアミノ)−1,3−ジシラプロパン、1,3−ビス(ジ−tert−ペンチルアミノ)−1,3−ジシラプロパン、1,3−ビス(ジエチルアミノ)−1,3−ジシラプロパン、1,4−ビス(ジメチルアミノ)−1,4−ジシラブタン、1,4−ビス(ジエチルアミノ)−1,4−ジシラブタン、1,4−ビス(ジイソプロピルアミノ)−1,4−ジシラブタン、1,4−ビス(ジ−sec−ブチルアミノ)−1,4−ジシラブタン、1,4−ビス(ジイソブチルアミノ)−1,4−ジシラブタン、1,4−ビス(イソプロピル−n−プロピルアミノ)−1,4−ジシラブタン、1,3−ビス(エチルメチルアミノ)−1,3−ジシラプロパン、1,4−ビス(エチルメチルアミノ)−1,4−ジシラブタン、1−エチルメチルアミノ−1,4−ジシラブタン、1−ジ−sec−ブチルアミノ−1,4−ジシラブタン、1−フェニルメチルアミノ−1,4−ジシラブタン、2,6−ジメチルピペリジノ−1,4−ジシラブタン、1−フェニルエチルアミノ−1,4−ジシラブタン、1−エチルメチルアミノ−1、3−ジシラプロパン、1−フェニルメチルアミノ−1,3−ジシラプロパン、2,6−ジメチルピペリジノ−1,3−ジシラプロパン、およびフェニルエチルアミノ−1,3−ジシラプロパンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の有機アミノシラン。
該堆積プロセスが、化学気相堆積、低圧蒸着、プラズマ増強化学気相堆積、サイクリック化学気相堆積、プラズマ増強サイクリック化学気相堆積、原子層堆積、およびプラズマ増強原子層堆積からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の方法。
該反応チャンバー中に窒素含有源を導入する工程であって、該少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体および該窒素含有源が反応して該少なくとも1つの表面上に膜を形成する、工程を含み、該膜が窒化ケイ素および炭窒化ケイ素からなる群から任意選択的に選択される、請求項6または請求項7に記載の方法。
該窒素含有源が、アンモニア、ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン、ジアルキルヒドラジン、窒素、窒素/水素、アンモニアプラズマ、窒素プラズマ、窒素/アルゴンプラズマ、窒素/ヘリウムプラズマ、窒素/水素プラズマ、有機アミン、有機アミンプラズマ、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
基材上に酸化ケイ素または炭素ドープされた酸化ケイ素膜を形成するための請求項6または請求項7に記載の方法であって、酸素含有源と、少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体と、を堆積プロセスにおいて反応させて、該基材上に該膜を形成させる、方法。
ケイ素含有膜の堆積のための前駆体を送達するために使用される容器であって、該容器が:請求項1〜4のいずれか一項で規定された少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を含み、
該前駆体の純度が98%以上である、容器。
【背景技術】
【0002】
ケイ素含有膜、例えば、特に限定されないが、アモルファスケイ素膜、結晶性ケイ素膜、窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜、炭素ドープ酸化ケイ素膜、炭窒化ケイ素膜、およびオキシ窒化ケイ素膜の堆積のために使用することができる前駆体、特に有機アミノシランおよびその組成物が、本明細書に記載される。さらに別の形態において、集積回路素子の製造においてケイ素含有膜を堆積するための前駆体の使用が、本明細書に記載される。これらの形態または他の形態において、有機アミノシラン前駆体は、種々の堆積プロセス、例えば特に限定されないが、原子層堆積(「ALD」)、化学気相堆積(「CVD」)、ブラズマ増強化学気相堆積(「PECVD」)、低圧化学気相堆積(「LPCVD」)、および大気圧化学気相堆積のために使用することができる。
【0003】
ケイ素含有膜、例えば特に限定されないが、酸化ケイ素膜、炭素ドープ酸化ケイ素膜、または窒化ケイ素膜用の前駆体として、いくつかのクラスの化合物を使用することができる。前駆体として使用するのに適したこれらの化合物の例は、シラン、クロロシラン、ポリシラザン、アミノシラン、およびアジドシランを含む。不活性キャリアーガスまたは希釈剤、例えば特に限定されないが、ヘリウム、水素、窒素などもまた、前駆体を反応チャンバーに送達するために使用される。
【0004】
低圧化学気相堆積(LPCVD)プロセスは、ケイ素含有膜の堆積用に半導体産業で使用される最も広く認められている方法の1つである。アンモニアを使用する低圧化学気相堆積(LPCVD)は、良好な成長速度と均一性を得るために、750℃超の堆積温度を必要とすることがある。改善された膜特性を提供するために、典型的には高い堆積温度が使用される。窒化ケイ素膜または他のケイ素含有膜を成長させるためのより一般的な業界の方法の1つは、750℃を超える温度のホットウォール反応器中の、前駆体シラン、ジクロロシラン、および/またはアンモニアを使用する低圧化学気相堆積を介する。しかし、この方法の使用にはいくつかの欠点がある。例えば、シランなどのいくつかの前駆体は自然発火性である。これは、取り扱いと使用の問題を引き起こす。また、シランおよびジクロロシランから堆積される膜は、いくつかの不純物を含むことがある。例えば、ジクロロシランを使用して堆積される膜は、塩素および塩化アンモニウムなどの不純物(これらは、堆積プロセス中に副生成物として形成される)を含むことがある。シランを使用して堆積される膜は、水素を含むことがある。
【0005】
BTBASおよびクロロシランなどの窒化ケイ素膜を堆積させるのに使用される前駆体は、一般に550℃より高い温度で膜を堆積させる。半導体機器の小型化と少ない熱量への傾向は、低いプロセス温度と速い堆積速度とを必要とする。特に、金属化層を含む基材およびIII〜V族機器およびII〜VI族機器について、格子中のイオン拡散を防ぐために、ケイ素膜が堆積される温度は低下させなければならない。従って、当該分野には、ケイ素含有膜、例えば酸化ケイ素膜、炭素ドープ酸化ケイ素膜、オキシ窒化ケイ素膜、または窒化ケイ素膜の堆積用の前駆体であって、550℃以下の温度またはさらには室温でCVD、ALDまたは他のプロセスを介する堆積を可能にするのに充分な化学反応性がある前駆体を提供する必要性が存在する。
【0006】
米国特許出願公開第2013/224964号明細書は、原子層堆積(ALD)により半導体基板上にSi−C結合を有する誘電体膜を形成するための方法であって、(i)基板の表面上に前駆体を吸着させる工程と、(ii)吸着された前駆体と反応物ガスとを表面で反応させる工程と、(iii)ステップ(i)と(ii)とを繰り返して基板上に少なくともSi−C結合を有する誘電体膜を形成させる工程と、を含む方法を記載する。この前駆体はその分子中にSi−C−Si結合を有し、反応物ガスは酸素を含まずかつハロゲンを含まず、少なくとも希ガスにより構成される。
【0007】
日本国特開第2002−158223号明細書は、式{R
3(R
4)N}
3Si−{C(R
1)R
2}
n−Si{N(R
5)R
6}
3[ここで、R
1、R
2=H、炭化水素基、またはX(ハロゲン原子)−置換炭化水素基(R
1とR
2は同じでもよい)であり、n=1〜5の整数であり、R
3、R
4、R
5およびR
6=H、炭化水素基またはX(ハロゲン原子)−置換炭化水素基(R
3、R
4、R
5およびR
6は同じでもよい)である]を有するSiタイプの材料を使用して形成される絶縁膜を記載する。この絶縁膜は、CVDにより基板上に形成されてもよい。
【0008】
米国特許第7,125,582号明細書は、Si源前駆体と窒素(N)源前駆体とを最大550℃の温度で組合せ、そして窒化ケイ素膜を形成させることを含む方法とシステムとを記載する。
【0009】
Mitzel, N. W.らの“Synthesis of Volatile Cyclic Silylamines and the Molecular Structures of Two 1−Aza−2,5−disilacyclopentane Derivatives”Inorg. Chem., Vol 36(20) (1997), pp. 4360−4368と題された文献、は、α,ω−ビス(ブロモシリル)アルカン、BrH
2Si(CH
2)nSiH
2Br(n=2および3)を製造するための合成を記載する。この文献では、1,2−ビス(ブロモシリル)エタンはアンモニアと反応して、1,4−ビス(1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン−1−イル)−1,4−ジシラブタン、微量の1,6−ジアザ−2,5,7,10,11,14−ヘキサシラビシクロ[4.4.4]テトラデカン、および非揮発性生成物を与える。
【0010】
“Differences in reactivity of 1,4−disilabutane and n−tetrasilane towards secondary amines”Z. Naturforsch., B: Chem. Sci. FIELD Full Journal Title:Zeitschrift fuer Naturforschung, B: Chemical Sciences 45(12): 1679−83と題された文献、は、1,4−ジシラブタンH
3SiCH
2CH
2SiH
3(I)およびn−テトラシランH
3SiSiH
2SiH
2SiH
3を使用してアミノシランを製造するための合成を記載した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
ケイ素、特に限定されないが、アモルファスケイ素、結晶性ケイ素、酸化ケイ素、炭素ドープ酸化ケイ素、窒化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭窒化ケイ素、およびそれらの組合せ、を含む膜を、基材の少なくとも一部の上に形成するための、有機アミノシラン前駆体、これを含む組成物、およびこれを使用する方法が、本明細書に記載される。ある具体的な態様において、有機アミノシラン前駆体は、酸化ケイ素膜または炭素ドープ酸化ケイ素膜の低温(例えば350℃以下)の原子層堆積(ALD)またはプラズマ増強原子層堆積(PEALD)に有効である。さらに、アミン、ハロゲン化物(例えば、Cl、F、I、Br)、高分子量分子種、および微量金属から選択される少なくとも1つを実質的に含まない有機アミノシランを含む組成物が、本明細書に記載される。これらの態様または他の態様において、組成物は溶媒をさらに含んでよい。また、ケイ素を含む膜またはコーティングを、例えば半導体ウェーハーなどの処理すべき対象の上に形成する方法が本明細書に記載される。本明細書に記載の方法のある態様において、ケイ素と酸素とを含む膜が、有機アミノシラン前駆体と酸素含有源とを使用して、堆積チャンバー中で、基材上に酸化ケイ素膜、炭素ドープ酸化ケイ素膜を製造するための条件下で、基材上に堆積される。本明細書に記載の方法の別の態様において、ケイ素と窒素とを含む膜が、有機アミノシラン前駆体と窒素含有前駆体とを使用して、堆積チャンバー中で、基材上に窒化ケイ素膜を製造するための条件下で、基材上に堆積される。さらなる態様において、本明細書に記載の有機アミノシラン前駆体は、特に限定されないが、金属酸化物膜または窒化金属膜などの金属含有膜用のドーパントとして使用することもできる。本明細書に記載の組成物および方法において、本明細書に記載の式を有する有機アミノシランは、少なくとも1つのケイ素含有前駆体として使用される。
【0012】
ある形態において、本明細書に記載の有機アミノシラン前駆体は、以下の式A〜E:
【化1】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、および任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成し、そして式E中のpおよびqは1または2に等しい。)の1つによって表される化合物を含む。
【0013】
別の形態において、(a)以下の式A〜E:
【化2】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む、少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体と、(b)溶媒と、を含む組成物が提供される。本明細書に記載の組成物のいくつかの態様において、溶媒の例は、特に限定されないが、エーテル、3級アミン、アルキル炭化水素、芳香族炭化水素、3級アミノエーテル、およびそれらの組合せを含むことができる。いくつかの態様において、有機アミノシランの沸点と溶媒の沸点との違いは40℃以下である。
【0014】
別の形態において、基材の少なくとも1つの表面上にケイ素含有膜を形成する方法であって、上記方法が:
反応チャンバー中に上記基材の上記少なくとも1つの表面を提供する工程と、
化学気相堆積プロセスおよび原子層堆積プロセスから選択される堆積プロセスによって、以下の式A〜E:
【化3】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を使用して、少なくとも1つの表面上にケイ素含有膜を形成する工程と、を含む、方法が提供される。いくつかの態様において、R
1とR
2は同じである。他の態様において、R
1とR
2は異なる。上記態様または他の態様において、R1とR2はともに結合して環を形成できる。さらなる態様において、R1とR2は環を形成するために結合しない。
【0015】
別の形態において、原子層堆積プロセスまたはALD様プロセスを介して、酸化ケイ素膜、炭素ドープ酸化ケイ素膜を形成する方法であって、上記方法が:
a.反応器中に基材を提供する工程と、
b.反応器中に、以下の式A〜E:
【化4】
(式中R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を導入する工程と、
c.パージガスを用いて反応器をパージする工程と、
d.反応器中に酸素含有源を導入する工程と、
e.パージガスを用いて反応器をパージする工程と、
の各ステップを含み、そして、膜の所望の厚さが得られるまでステップbからステップeが繰り返される、方法が提供される。
【0016】
さらなる形態において、CVDプロセスを使用して、基材の少なくとも1つの表面上に、酸化ケイ素膜および炭素ドープ酸化ケイ素膜から選択される膜を形成する方法であって、上記方法が:
a.反応器中に基材を提供する工程と、
b.反応器中に、以下の式A〜E:
【化5】
(式中R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を導入する工程と、
c.酸素含有源を提供して、少なくとも1つの表面上に膜を堆積する工程と、
を含む、方法が提供される。いくつかの態様において、R
1とR
2は同じである。他の態様において、R
1とR
2は異なる。上記態様または他の態様において、R
1とR
2はともに結合して環を形成できる。さらなる態様において、R
1とR
2は環を形成するために結合しない。
【0017】
別の形態において、原子層堆積プロセスを介して、窒化ケイ素膜または炭窒化ケイ素膜を形成する方法であって、上記方法が:
a.反応器中に基材を提供する工程と、
b.反応器中に、以下の式A〜E:
【化6】
(式中R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を導入する工程と、
c.パージガスを用いて反応器をパージする工程と、
d.反応器中に窒素含有源を導入する工程と、
e.パージガスを用いて反応器をパージする工程と、
の各ステップを含み、そして膜の所望の厚さが得られるまでステップbからステップeが繰り返される、方法が提供される。いくつかの態様において、式AからE中のR
1とR
2は同じである。他の態様において、R
1とR
2は異なる。上記態様または他の態様において、R
1とR
2はともに結合して環を形成できる。さらなる態様において、R
1とR
2は環を形成するために結合しない。
【0018】
さらなる形態において、CVDプロセスを使用して、基材の少なくとも表面上に、窒化ケイ素膜または炭窒化ケイ素膜を形成する方法であって、上記方法が:
a.反応器中に基材を提供する工程と、
b.反応器中に、以下の式A〜E:
【化7】
(式中R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を導入する工程と、
c.窒素含有源を提供する工程と、
を含み、ここで、少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体と窒素含有源とは反応して、少なくとも1つの表面上に膜を堆積する、方法が提供される。いくつかの態様において、R
1とR
2は同じである。他の態様において、R
1とR
2は異なる。上記態様または他の態様において、R
1とR
2はともに結合して環を形成できる。さらなる態様において、R
1とR
2は環を形成するために結合しない。
【0019】
本明細書に記載の方法のさらなる態様において、プロセスは、アモルファスケイ素膜または結晶性ケイ素膜を堆積する。この態様において、上記方法は:
周囲温度から約700℃の範囲の1種または2種以上の温度に加熱される反応器に、1つまたは2つ以上の基材を配置する工程と、
以下の式A〜E:
【化8】
(式中R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を導入する工程と、
反応器中に還元剤源を提供して、少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体と少なくとも部分的に反応させ、そしてケイ素含有膜を1つまたは2つ以上の基材上に堆積させる工程と、を含む。還元剤は、水素、水素プラズマ、および塩化水素からなる群から選択される。CVD法のいくつかの態様において、反応器は、導入工程の間、10mTorr〜760Torrの範囲の圧力で維持される。上記工程は、本明細書に記載の方法の1サイクルを規定し、工程のサイクルは、膜の所望の厚さが得られるまで繰り返すことができる。いくつかの態様において、R
1とR
2は同じである。他の態様において、R
1とR
2は異なる。上記態様または他の態様において、R
1とR
2はともに結合して環を形成できる。さらなる態様において、R
1とR
2は環を形成するために結合しない。
【0020】
別の形態において、原子層堆積またはサイクリック化学気相堆積プロセスを介してアモルファスケイ素膜または結晶性ケイ素膜を堆積させる方法であって、上記方法が:
a.反応器中に基材を提供する工程と、
b.以下の式A〜E:
【化9】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を上記反応器中に導入する工程と、
の各ステップを含み、
所望の膜厚が得られるまで上記ステップbが繰り返される、方法が提供される。いくつかの態様において、膜の厚さは、1Å以上、または1〜10,000Å、または1〜1000Å、または1〜100Åであることができる。
【0021】
別の形態において、式A、B、C、またはDまたはE、それらの組合せの任意の1つを有する1種または2種以上の有機アミノシラン前駆体を含むか、または式A、B、C、DまたはEで表される1種または2種以上の前駆体を含む、ケイ素含有膜を堆積するための容器が、本明細書に記載される。ある具体的態様において、容器は、CVDまたはALDプロセス用の反応器への1種または2種以上の前駆体の送達を可能にするための適切な弁および取付具を備えた、少なくとも1種の加圧可能容器(好ましくはステンレススチール製)を含む。
【0022】
さらに別の形態において、
以下の式A〜E:
【化10】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む有機アミノシランを調製する方法であって、
上記方法が:
R
1R
2NHおよびR
1NH
2(式中、上記アミン中のR
1が、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、上記アミン中のR
2が、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択される。)から選択される式を有するアミンと、
【化11】
(式中、上記ケイ素源中のR
3およびR
4は、独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択される。)から選択される少なくとも1種の化合物を含むケイ素源とを、
上記ケイ素源の少なくとも一部分と上記アミンの少なくとも一部分とが反応して上記有機アミノシランを提供するのに充分な反応条件において触媒の存在下で反応させる、各ステップを含む、方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書に記載の有機アミノシランは、特に限定されないが、アモルファスケイ素、ケイ素富化炭窒化物、結晶性ケイ素、酸化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、窒化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、およびオキシ炭窒化ケイ素などの、化学量論的および非化学量論的ケイ素含有膜を形成するための前駆体として使用される。これらの前駆体はまた、例えば金属含有膜のドーパントとしても使用することもできる。半導体プロセスで使用される有機アミノシラン前駆体は、典型的には高純度で揮発性の液体前駆体化学物質であり、これは蒸発され、堆積チャンバーまたは反応器にガスとして送達されて、半導体素子用のCVDまたはALDプロセスを介してケイ素含有膜を堆積させる。堆積用の前駆体材料の選択は、所望の生じるケイ素含有材料または膜に依存する。例えば、前駆体材料は、その化学元素の含量、化学元素の化学量論比、および/または、CVDで形成される生じるケイ素含有膜またはコーティングについて選択することができる。前駆体材料はまた、コスト、比較的低い毒性、取り扱い特性、室温で液相を維持する能力、揮発性、分子量、および/または他の考慮事項などの種々の他の特性について選択してもよい。いくつかの態様において、本明細書に記載の前駆体は、多くの手段により、好ましくは、堆積チャンバーまたは反応器への液相前駆体の送達を可能にするための適切な弁および取付具を備えた、加圧可能ステンレススチール容器を使用して、反応系に送達することができる。
【0025】
本明細書に記載の有機アミノシラン前駆体は、マイクロエレクトロニクス器具製造プロセスにおいて、これらをCVDまたはALD前駆体として理想的に適したものとする、反応性と安定性のバランスを示す。反応性については、いくつかの前駆体は、蒸発させて反応器に送達し基材上に膜として堆積するには、沸点が高すぎることがある。高い相対的沸点を有する前駆体では、容器、ライン、またはその両方で凝結や粒子形成を防ぐために、送達容器およびラインは、ある真空下で前駆体の沸点またはそれ以上に加熱する必要がある。安定性については、別の前駆体は、分解するにつれてシラン(SiH
4)またはジシラン(Si
2H
6)を生成することがある。シランは室温で自然発火性、すなわち、自然に燃焼し、これは安全性と取り扱いの問題を引き起こす。さらに、シランまたはジシランおよび他の副生成物の生成は、前駆体の純度レベルを低下させ、化学的純度の1〜2%という小さい変化でも、信頼できる半導体製造のためには許容されないと見なされることがある。いくつかの態様において、本明細書に記載の式A〜Eを有する有機アミノシラン前駆体は、6ヶ月以上または1年以上保存された後(これは保存可能期間を示す)、2wt%以下、または1wt%以下、または0.5wt%以下の副生成物を含む。上記利点に加えて、ALD、ALD状、PEALD、またはCCVD堆積法を使用して酸化ケイ素膜または窒化ケイ素膜またはケイ素膜堆積するためのようないくつかの態様において、本明細書に記載の有機アミノシラン前駆体は、比較的低い堆積温度、例えば500℃以下、または400℃以下、300℃以下、200℃以下、100℃以下、または50℃以下で、高密度材料を堆積させることができる。ある具体的態様において、有機アミノシラン前駆体は、50℃以下、または周囲温度または室温(例えば25℃)という低い温度で、ALDまたはPEALDを介してケイ素含有膜を堆積するのに使用することができる。
【0026】
ある態様において、本明細書に記載の式A〜Eのいずれか1つを有する有機アミノシランと溶媒とを含むケイ素含有膜を形成するための組成物が、本明細書に記載される。理論に拘束されるつもりはないが、本明細書に記載の組成物は、純粋な有機アミノシランと比較して、1つまたは2つ以上の利点を提供することができると考えられる。これらの利点は、半導体プロセスにおける有機アミノシランのより優れた利用、長期保存でのより優れた安定性、フラッシュ蒸発によるよりクリーンな蒸発、および/または全体的により安定した直接液体注入(DLI)化学気相堆積プロセス、を含む。組成物中の有機アミノシランの重量百分率は、1〜99%の範囲で、残りは溶媒であることができ、ここで、溶媒は有機アミノシランとは反応せず、有機アミノシランと同様の沸点を有する。後者に関しては、組成物中の有機アミノシランと溶媒の沸点の差が40℃以下、より好ましくは20℃以下、または10℃以下である。溶媒の例は、特に限定されないが、ヘキサン、オクタン、トルエン、エチルシクロヘキサン、デカン、ドデカン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルを含む。
【0027】
ある形態において、以下の式A〜E:
【化12】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体が提供される。
【0028】
式中および明細書中の記載全体を通して、用語「アルキル」は、1〜10個または1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝の官能基を示す。アルキル基の例は、特に限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr
n)、イソプロピル(Pr
i)、ブチル(Bu
n)、イソブチル(Bu
i)、sec−ブチル(Bu
s)、tert−ブチル(Bu
t)、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル(Am
t)、ヘキシル、イソヘキシル、およびネオヘキシルを含む。いくつかの態様において、アルキル基は、特に限定されないが、そこに結合したアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、またはそれらの組み合わせなどの1種または2種以上の官能基を有していてもよい。別の態様において、アルキル基は、そこに結合した1種または2種以上の官能基を有さない。式Aを有し、R
1およびR
2(存在する場合)としてアルキル基を、そしてR
3としてメチレン−CH
2−またはエチレン−CH
2CH
2−などのアルキレン基を有する有機アミノシランの例は、特に限定されないが、
【表1】
を含む。
【0029】
式中および明細書中の記載全体を通して、用語「環状アルキル」は、3〜10個または4〜10個の炭素原子または5〜10個の炭素原子を有する環状官能基を示す。環状アルキル基の例は、特に限定されないが、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロオクチル基を含む。式Aを有し、R
1およびR
2(存在する場合)として環状アルキル基を、そしてR
3としてメチレン−CH
2−またはエチレン−CH
2CH
2−などのアルキレン基を有する有機アミノシランの例は、特に限定されないが、
【表2】
を含む。
【0030】
式中および明細書中の記載全体を通して、用語「アリール」は、5〜12個の炭素原子または6〜10個の炭素原子を有する芳香族環状官能基を示す。アリールの例は、特に限定されないが、フェニル(Ph)、ベンジル、クロロベンジル、トリル、およびo−キシリルを含む。式Aを有し、R
1およびR
2(存在する場合)としてアリール基を、そしてR
3としてメチレン−CH
2−またはエチレン−CH
2CH
2−などのアルキレン基を有する有機アミノシランの例は、特に限定されないが、
【表3】
を含む。
【0031】
いくつかの態様において、式A〜E中のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、および/またはアリール基の1種または2種以上は、置換されることができるか、または例えば水素原子の代わりに、置換された1種または2種以上の原子または原子群を有することができる。置換基の例は、特に限定されないが、酸素、硫黄、ハロゲン原子(例えばF、Cl、I、またはBr)、窒素、およびリンを含む。他の態様において、式A〜E中のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、および/またはアリール基の1種または2種以上は、非置換でもよい。
【0032】
式中および明細書中の記載全体を通して、環状アルキルは、置換されているか、またはヘテロ環状アルキル基である。用語「ヘテロ環状アルキル」は、3〜10個または4〜10個の炭素原子または5〜10個の炭素原子、並びに少なくとも1種の酸素原子または窒素原子またはその両方を有する環状官能基を示す。式Aを有し、R
1およびR
2(存在する場合)としてヘテロ環状アルキル基を、そしてR
3としてメチレン−CH
2−などのアルキレン基を有する有機アミノシランの例は、特に限定されないが、
【表4】
を含む。
【0033】
式中および明細書中の記載全体を通して、アリールは、置換されているか、またはヘテロアリールである。用語「ヘテロアリール」は、3〜10個または4〜10個の炭素原子または5〜10個の炭素原子、並びに少なくとも1種の酸素原子または窒素原子またはその両方を有するアリール官能基を示す。式中および明細書中の記載全体を通して、用語「アルケニル基」は、1つまたは2つ以上の炭素−炭素2重結合を有し、3〜10個または3〜6個または3〜4個の炭素原子を有する基を示す。
【0034】
式中および明細書中の記載全体を通して、用語「アルキニル基」は、1つまたは2つ以上の炭素−炭素3重結合を有し、3〜10個または3〜6個または3〜4個の炭素原子を有する基を示す。
【0035】
式中および明細書中の記載全体を通して、用語「アルキレン」は、1〜10個または4〜10個の炭素原子または5〜10個の炭素原子を有し、2つのケイ素原子により連結されている炭化水素基を示す。アルキレン基の例は、特に限定されないが、メチレン(−CH
2−)、エチレン(−CH
2CH
2−)、プロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)、およびイソプロピレン(−CH(Me)CH
2−)を含む。
【0036】
式中および明細書中の記載全体を通して、用語「アリーレン」は、5〜12個の炭素原子または6〜10個の炭素原子を有する芳香族環状官能基を示し、好ましくは2つのSi原子は、アリーレン基の1,2−位または1,4−位に結合している。
【0037】
式中および明細書中の記載全体を通して、用語「ヘテロアリーレン」は、5〜12個の炭素原子または6〜10個の炭素原子を有する芳香族環状官能基を示し、好ましくは2つのSi原子は、ヘテロアリーレン基の1,2−位に結合している。
【0038】
いくつかの態様において、R
3は、式D中で結合して、環構造を形成することができる。有機アミノシランの例は、特に限定されないが、
【表5】
を含む。
【0039】
さらに別の態様において、R
3およびR
4は、式E中でそれぞれメチレン−CH
2−であるか、あるいはそれぞれエチレン−CH
2CH
2−である。有機アミノシランの例は、特に限定されないが
【表6】
を含む。
【0040】
ケイ素含有膜またはコーティングを形成するために使用される方法は、堆積プロセスである。本明細書に開示された方法に適した堆積プロセスの例は、特に限定されないが、サイクリックCVD(CCVD)、MOCVD(有機金属CVD)、熱化学気相堆積、ブラズマ増強化学気相堆積(「PECVD」)、高密度PECVD、光子支援CVD、プラズマ−光子支援(「PPECVD」)、低温化学気相堆積、化学支援気相堆積、熱フィラメント化学気相堆積、液体ポリマー前駆体のCVD、超臨界流体からの堆積、および低エネルギーCVD(LECVD)を含む。いくつかの態様において、金属含有膜は、原子層堆積(ALD)、プラズマ増強ALD(PEALD)またはプラズマ増強サイクリックCVD(PECCVD)プロセスによって堆積される。本明細書において、用語「化学気相堆積プロセス」は、基材が1種または2種以上の揮発性前駆体に曝露され、これが基材表面上で反応および/または分解して、所望の堆積を生成する任意のプロセスをいう。本明細書において用語「原子層堆積プロセス」は、組成の変動する基材上に材料の膜を堆積させる自己制限性(例えば、各反応サイクルで堆積される膜材料の量が一定である)の逐次的な表面化学を言う。本明細書で使用される前駆体、試薬および供給源は、しばしば「ガス状」として記載され得るが、その前駆体は、液体または固体でもよく、これは、気化、バブリングまたは昇華を介して、不活性ガス有りまたは無しで反応器内に輸送され得ることが理解される。ある場合には、気化された前駆体はプラズマ発生器を通過することができる。ある態様において、ケイ素含有膜はALDプロセスを用いて堆積される。別の態様において、ケイ素含有膜はCCVDプロセスを用いて堆積される。さらなる態様において、ケイ素含有膜は熱CVDプロセスを用いて堆積される。本明細書で使用される用語「反応器」は、特に限定されないが、反応チャンバーまたは堆積チャンバーを含む。
【0041】
いくつかの態様において、本明細書に開示される方法は、反応器への導入前および/または導入中に、前駆体を分離するALDまたはCCVD法を使用することにより、前駆体の予備反応を回避する。この関連で、ALDまたはCCVDプロセスなどの堆積技術が、ケイ素含有膜を堆積するために使用される。ある態様において、膜は基材表面をケイ素含有前駆体、酸素含有源、窒素含有源、または他の前駆体もしくは試薬に交互に曝露することによりALDプロセスを介して堆積される。膜の成長は、表面反応、各前駆体または試薬のパルス長、および堆積温度の自己制限的制御によって進行する。しかし、いったん基材の表面が飽和されると、膜の成長は停止する。
【0042】
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、上記式A〜Eを有する有機アミノシラン前駆体以外の1種または2種以上の追加のケイ素含有前駆体をさらに含む。追加のケイ素含有前駆体の例は、特に限定されないが、モノアミノシラン(例えば、ジ−イソ−プロピルアミノシラン、ジ−sec−ブチルアミノシラン、フェニルメチルアミノシラン)、有機ケイ素化合物,例えばトリシリルアミン(TSA)、シロキサン(例えば、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)およびジメチルシロキサン(DMSO))、有機シラン(例えば、メチルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ビニルトリメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、エチルシラン、ジシリルメタン、2,4−ジシラペンタン、1,4−ジシラブタン、2,5−ジシラヘキサン、2,2−ジシリルプロパン、1,3,5−トリシラシクロヘキサンおよびこれらの化合物のフッ素化誘導体)、フェニル含有有機ケイ素化合物(例えば、ジメチルフェニルシランおよびジフェニルメチルシラン)、酸素含有有機ケイ素化合物、例えば、ジメチルジメトキシシラン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラシラ−4−オキソ−ヘプタン、2,4,6,8−テトラシラ−3,7−ジオキソ−ノナン、2,2−ジメチル−2,4,6,8−テトラシラ−3,7−ジオキソ−ノナン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、[1,3,5,7,9]−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7−テトラシラ−2,6−ジオキソ−シクロオクタン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、1,3−ジメチルジシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメトキシジシロキサン、およびこれらの化合物のフッ素化誘導体を含む。
【0043】
いくつかの態様では堆積方法に依存して、1種または2種以上のケイ素含有前駆体は、所定のモル容積で、または約0.1〜約1000マイクロモルで、反応器に導入してもよい。この態様または他の態様において、ケイ素含有前駆体および/または有機アミノシラン前駆体は、所定の時間、反応器に導入されることができる。いくつかの態様において、この時間は、約0.001〜約500秒の範囲である。
【0044】
いくつかの態様において、本明細書に記載の方法を使用して堆積されるケイ素含有膜は、酸素の存在下で、酸素含有源、酸素を含有する試薬または前駆体を用いて形成される。酸素源ガスは、反応器中に少なくとも1種の酸素含有源の形で導入されるか、および/または堆積プロセスで使用される他の前駆体中に付随して存在してもよい。適切な酸素含有源ガスは、特に限定されないが、例えば、水(H
2O)(例えば、脱イオン水、精製水、および/または蒸留水)、酸素(O
2)、酸素プラズマ、オゾン(O
3)、NO、N
2O、NO
2、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO
2)、二酸化炭素プラズマ、およびこれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、酸素含有源は、約1〜約2000標準立方センチメートル(sccm)または約1〜約1000sccmの範囲の流速で、反応器に導入される酸素含有源ガスを含む。酸素含有源は、約0.1〜約100秒の範囲の時間で、導入することができる。ある具体的態様において、酸素含有源は、10℃以上の温度を有する水を含む。膜がALDまたはサイクリックCVDプロセスにより堆積される態様において、前駆体パルスは、0.01秒超のパルス持続時間を有することができ、酸素含有源は、0.01秒未満のパルス持続時間を有することができるが、一方水パルス持続時間は、0.01秒未満のパルス持続時間を有することができる。さらに別の態様において、0秒と小さくてもよいパルス間のパージ持続は、途中にパージ無しで連続的にパルスされる。酸素含有源または試薬は、ケイ素前駆体に対して1:1未満の比の分子の量で提供され、従って、少なくとも一部の炭素は、堆積されたままのケイ素含有膜中に保持される。
【0045】
いくつかの態様において、ケイ素含有膜はケイ素と窒素とを含む。これらの態様では、本明細書に記載の方法を使用して堆積されるケイ素含有膜は、窒素含有源の存在下で形成される。窒素含有源は、少なくとも1つの窒素含有源の形で反応器に導入され、および/または堆積プロセスで使用される他の前駆体中に付随して存在してもよい。適切な窒素含有源ガスは、例えば、アンモニア、ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン、ジアルキルヒドラジン、窒素、窒素/水素、アンモニアプラズマ、窒素プラズマ、窒素/アルゴンプラズマ、窒素/ヘリウムプラズマ、窒素/水素プラズマ、およびそれらの混合物を含んでもよい。いくつかの態様において、窒素含有源は、約1〜約2000標準立方センチメートル(sccm)または約1〜約1000sccmの範囲の流速で反応器に導入される、アンモニアプラズマまたは水素/窒素プラズマまたは窒素/アルゴンプラズマまたは窒素/ヘリウムプラズマ源ガスを含む。窒素含有源は、約0.01〜約100秒の範囲の時間で導入することができる。膜がALDまたはサイクリックCVDプロセスにより堆積される態様において、前駆体パルスは、0.01秒超のパルス持続時間を有することができ、窒素含有源は、0.01秒未満のパルス持続時間を有することができるが、一方水パルス持続時間は、0.01秒未満のパルス持続時間を有することができる。さらに別の態様において、0秒と小さくてもよいパルス間のパージ持続は、途中にパージ無しで連続的にパルスされる。
【0046】
本明細書に開示される堆積法は、1種または2種以上のパージガスを含んでもよい。未消費反応物および/または反応副生成物をパージするために使用されるパージガスは、前駆体と反応しない不活性ガスである。パージガスの例は、特に限定されないが、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、窒素(N
2)、ヘリウム(He)、ネオン、水素(H
2)、およびそれらの混合物を含む。いくつかの態様において、Arなどのパージガスは、約10〜約2000sccmの範囲の流速で、約0.1〜1000秒の時間で反応器に供給され、それによって反応器に残っている可能性のある未反応物質および任意の副生成物をパージする。
【0047】
前駆体、酸素含有源、窒素含有源、および/または他の前駆体、原料ガス、および/または試薬を供給する各工程は、生じるケイ素含有膜の化学量論組成を変更するために、それらを供給するための時間を変更することによって、実行することができる。
【0048】
反応を誘発し、基材上にケイ素含有膜またはコーティングを形成するために、前駆体、窒素含有源、還元剤、他の前駆体、および/またはそれらの組み合わせの少なくとも1つに、エネルギーが適用される。このようなエネルギーは、特に限定されないが、熱、プラズマ、パルスプラズマ、ヘリコンプラズマ、高密度プラズマ、誘導結合プラズマ、X線、電子線、光子、リモートプラズマ法、およびそれらの組み合わせにより提供することができる。いくつかの態様において、基材表面でプラズマ特性を変更するために、2次RF周波数源を使用することができる。堆積がプラズマを伴う態様では、プラズマ発生プロセスは、プラズマが反応器中で直接発生される直接プラズマ発生プロセスを含むか、または代替的に、プラズマがプラズマ反応器の外で生成され反応器に供給される、リモートプラズマ発生プロセスを含むことができる。
【0049】
有機アミノシラン前駆体および/または他のケイ素含有前駆体は、さまざまな方法でCVDまたはALD反応器などの反応チャンバーに送達することができる。ある態様において、液体供給システムを利用することができる。代替態様では、例えばMSP Corporation of Shoreview, MN製のターボ気化器などの、組み合わせた液体供給ユニットとフラッシュ気化プロセスユニットを用いることができ、正確な容積で低揮発性材料を送達することを可能にし、これは前駆体の熱分解無しで、再現性のある輸送および堆積につながる。液体送達調合物では、本明細書に記載の前駆体は、純粋な液体形態で送達され得るか、あるいは、それを含む溶媒調合物または組成物中で使用することができる。すなわち、いくつかの態様において、前駆体調合物は、基材上に膜を形成するための特定の最終使用用途で望ましく有利であるような適切な特徴の溶媒成分を含むことができる。
【0050】
式A〜Eを有する前駆体が、溶媒と本明細書に記載される式A〜Eとを含む組成物で使用される態様において、選択される溶媒またはその混合物は有機アミノシランと反応しない。組成物中の溶媒の量は、0.5wt%〜99.5wt%の範囲であるか、または10wt%〜75wt%の範囲である。この態様または他の態様において、溶媒は、式A〜Eの有機アミノシランの沸点(b.p.)と同様の沸点を有するか、または溶媒の沸点と式A〜Eの有機アミノシランの沸点との差は、40℃以下、30℃以下、または20℃以下、または10℃である。あるいは、沸点間の差は、以下の終点の任意の1つまたは2つ以上からの範囲である:0、10、20、30、または40℃。沸点の差の適切な範囲の例は、特に限定されないが、0℃〜40℃、20℃〜30℃、または10℃〜30℃を含む。組成物中の適切な溶媒の例は、特に限定されないが、エーテル(例えば、1,4−ジオキサン、ジブチルエーテル)、3級アミン(例えば、ピリジン、1−メチルピペリジン、1−エチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)、ニトリル(例えばベンゾニトリル)、アルキル炭化水素(例えば、オクタン、ノナン、ドデカン、エチルシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、メシチレン)、3級アミノエーテル(例えば、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル)、またはそれらの混合物を含む。
【0051】
別の態様において、式A〜Eを有する1種または2種以上の有機アミノシラン前駆体を含むケイ素含有膜を堆積するための容器が、本明細書に記載される。ある具体的態様において、容器は、CVDまたはALDプロセス用の反応器への、1種または2種以上の前駆体の送達を可能にするための、適切な弁および取付具を備えた少なくとも1種の加圧可能容器(好ましくはステンレススチール製)を含む。この態様または他の態様において、式A〜Eを有する有機アミノシラン前駆体は、ステンレススチール製の加圧可能容器中で提供され、前駆体の純度は、98wt%以上または99.5wt%以上であり、これは、大部分の半導体用途に適している。いくつかの態様において、このような容器はまた、所望であれば、前駆体を1種または2種以上の追加の前駆体と混合するための手段を有することもできる。これらの態様または他の態様において、容器の内容物は追加の前駆体と予備混合することができる。あるいは、有機アミノシラン前駆体および/または他の前駆体は、保存中に有機アミノシラン前駆体と他の前駆体とを別々に維持するための分離手段を有する別々の容器または単一の容器中に維持することができる。
【0052】
さらに別の態様において、本明細書に記載の式A〜Eを有するもの等の有機アミノシランを調製するための方法であって、上記方法が:
R
1R
2NHまたはR
1NH
2(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2が、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択される。)である式を有するアミンと、以下の構造:
【化13】
(式中、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択される。)を有する化合物から選択される少なくとも1種であるケイ素源とを、
上記ケイ素源と上記アミンとが有機溶媒有りまたは無しで反応して、以下の式A〜E:
【化14】
(式中、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む有機アミノシランを提供するのに充分な反応条件において触媒の存在下で反応させる、各ステップを含む、方法が提供される。触媒の例は、特に限定されないが、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、BR
3(Rは、直鎖、分岐、または環状のC
1〜C
10アルキル基、C
5〜C
10アリール基、またはC
1〜C
10アルコキシ基から選択される)、1,3−ジイソプロピル−4,5−ジメチルイミダゾール−2−イリデン、2,2’−ビピリジル、フェナントロリン、Mg[N(SiMe
3)
2]
2、[トリス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリニル)フェニルボレート]MgMe、[トリス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリニル)フェニルボレート]MgH、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、塩化アルミニウム、Ca[N(SiMe
3)
2]
2、ジベンジルカルシウム、{CH−[CMeNC
6H
3−2,6−
iPr
2]
2}CaH、トリルテニウムドデカカルボニル、{CH−[CMeNC
6H
3−2,6−
iPr
2]
2}Ca[N(SiMe
3)
2]、ビス(シクロペンタジエニル)ジアルキルチタニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム(IV)ジフルオライド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム(IV)ジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム(IV)ジヒドリド、TiMe
2(dmpe)
2[dmpe=1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン]、(C
5H
5)
2Ti(OAr)
2[Ar=(2,6−(iPr)
2C
6H
3)]、(C
5H
5)
2Ti(SiHRR’)PMe
3[式中、R、R’はそれぞれ独立して、水素原子(H)、メチル基(Me)、およびフェニル(Ph)から選択される]、ビス(ベンゼン)クロミウム(0)、ヘキサカルボニルクロミウム、デカカルボニル二マンガン、[Mn(CO)
4Br]
2、ペンタカルボニル鉄、(C
5H
5)Fe(CO)
2Me、オクタカルボニル二コバルト、酢酸ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、[(dippe)Ni(μ−H)]
2[dippe=1,2−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)エタン]、(R−インデニル)Ni(PR’
3)Me[式中、Rは、1−i−Pr、1−SiMe
3、および1,3−(SiMe
3)
2から選択され、R’は、メチル(Me)基およびフェニル(Ph)基から選択される]、[{Ni(η−CH
2:CHSiMe
2)
2O}
2{η−CH
2:CHSiMe
2)
2O}]、ニッケル(II)アセチルアセトナート、ni(シクロオクタジエン)
2、フッ化銅(II)、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)、酢酸銅(I)、Cu(PPh
3)
3Cl、塩化亜鉛、[トリス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリニル)フェニルボレート]ZnH、Sr[N(SiMe
3)
2]
2、ビス(シクロペンタジエニル)ジアルキルジルコニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジフルオリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジヒドリド、[(Et
3P)Ru(2,6−ジメシチルチオフェノレート)][B[3,5(CF
3)
2C
6H
3]
4]、(C
5Me
5)Ru(R
3P)
×(NCMe)
3−x]
+(式中、Rは、直鎖、分岐、または環状のC
1〜C
10アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、x=0、1、2、3)、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)カルボニルヒドリド、ジ−μ−クロロ−テトラカルボニルジロジウム(I)、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロリド(ウィルキンソン触媒)、ヘキサロジウムヘキサデカカルボニル、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)カルボニルヒドリド、ビス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)カルボニルクロリド、[RhCl(シクロオクタジエン)]
2、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、ヨウ化パラジウム(II)、炭酸セシウム、(C
5H
5)
2SmH、(C
5Me
5)
2SmH、(NHC)Yb(N(SiMe
3)
2)
2[NHC=1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン)]、ヘキサカルボニルタングステン、デカカルボニルジレニウム、ドデカカルボニルトリオスミウム、ドデカカルボニルテトライリジウム、(アセチルアセトナト)ジカルボニルイリジウム(I)、(POCOP)IrHCl[(POCOP)=2,6(R
2PO)
2C
6H
3(Rは、イソプロピル(
iPr)、ノルマルブチル(
nBu)、およびメチル(Me)から選択される]、Ir(Me)
2(C
5Me
5)L[式中、LはPMe
3およびPPh
3から選択される]、[Ir(シクロオクタジエン)OMe]
2、白金(0)−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(カールシュテット触媒)、H
2PtCl
6・nH
2O(塩化白金酸)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)白金(0)、PtO
2、およびPt(シクロオクタジエン)
2を含む。
【0053】
本明細書に記載の方法のある態様において、CCVD、ALD、またはPEALDなどのサイクリック堆積プロセスを使用することができ、ここで、本明細書に記載の式を有し、かつ、任意選択的に窒素含有源、例えばアンモニア、ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン、ジアルキルヒドラジン、窒素、窒素/水素、アンモニアプラズマ、窒素プラズマ、窒素/アルゴンプラズマ、窒素/ヘリウムプラズマ、窒素/水素プラズマ、有機アミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、tert−ブチルアミン)、および/または有機アミンから誘導されるプラズマを有する有機アミノシラン前駆体から選択される少なくとも1種のケイ素含有前駆体が使用される。
【0054】
いくつかの態様において、前駆体容器から反応チャンバーに接続されているガスラインは、プロセス要件に依存して1種または2種以上の温度に加熱され、本明細書に記載の式A〜Eを有する有機アミノシラン前駆体の容器は、バブリングのために1種または2種以上の温度で維持される。別の態様において、本明細書に記載の式を有する少なくとも1種のケイ素含有前駆体を含む溶液は、直接液体注入のために1種または2種以上の温度に維持された気化器に注入される。
【0055】
アルゴンおよび/または他のガスの流れは、前駆体をパルスしている間、少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体の蒸気を反応チャンバーに送達することを助けるキャリアーガスとして使用してもよい。いくつかの態様において、反応チャンバーのプロセス圧力は、約10torr以下、好ましくは約1torrである。
【0056】
典型的なALDまたはCCVDプロセスでは、特に限定されないが、酸化ケイ素、炭素ドープ酸化ケイ素、フレキシブル基材、または金属窒化物基材などの基材は、反応チャンバー内においてヒーターステージ上で加熱され、これは、まずケイ素含有前駆体に暴露されて有機アミノシランが基材の表面に化学的に吸着することを可能にする。窒素、アルゴン、または他の不活性ガスなどのパージガスは、吸収されなかった過剰の有機アミノシランを、プロセスチャンバーから追い出す。充分なパージ後、酸素含有源が反応チャンバー内に導入されて、吸収された表面と反応し、次に別のガスのパージにより反応副生成物をチャンバーから除去する。このプロセスサイクルは繰り返されて、所望の膜厚を達成することができる。別の態様において、真空下でポンピングを使用して、吸収されなかった過剰の有機アミノシランをプロセスチャンバーから除去することができ、ポンピングしながら充分に真空にした後、酸素含有源が反応チャンバーに導入されて、吸収された表面と反応し、次にさらなるポンピングによりチャンバーから反応副生成物が除去される。さらに別の態様において、有機アミノシランおよび酸素含有源は、反応チャンバー中に一緒に流されて、基材表面上で反応して、酸化ケイ素、炭素ドープ酸化ケイ素を堆積させる。サイクリックCVDのいくつかの態様において、パージ工程は使用されない。
【0057】
この態様または他の態様において、本明細書に記載の方法の工程は、様々な順序で実施でき、逐次的にまたは同時に(例えば、別の工程の少なくとも1部中に)、およびそれらの任意の組合せで実施することができる。前駆体および窒素含有源ガスを供給する各工程は、これらを供給する継続時間を変化させることにより実施して、生じるケイ素含有膜の化学量論組成を変化させることができる。
【0058】
本明細書に開示された方法の別の態様において、ケイ素と窒素との両方を含有する膜は、ALD、PEALD、CCVD、またはPECCVD堆積法を使用して形成され、上記方法は:
a.ALD反応器中に基材を提供する工程と、
b.上記ALD反応器中に、以下の式A〜E:
【化15】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に、式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を導入する工程と、
c.少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を基材に化学吸着させる工程と、
d.反応しなかった少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体をパージガスを使用してパージする工程と、
e.窒素含有源を、加熱された基材上の有機アミノシラン前駆体に提供して、上記化学吸着された少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体と反応させる工程と、
f.任意選択的に、未反応の窒素含有源をパージするかまたはポンピング除去する工程と、を含む。
【0059】
別の形態において、PEALDまたはPECCVD堆積プロセスを介して、酸化ケイ素膜および炭素ドープ酸化ケイ素膜から選択される膜を形成する方法であって、上記方法が:
a.反応器中に基材を提供する工程と、
b.上記反応器中に、以下の式A〜E:
【化16】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に、式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体とともに、酸素を導入する工程と、
c.酸素とともにパージガスを用いて反応器をパージする工程と、
d.RFプラズマを適用する工程と、
e.反応器をパージガスを用いてパージするか、または反応器をポンピングして未反応の有機アミノシランおよび任意の副生成物を除去する工程と、の各ステップを含み、ここで、所望の膜厚が得られるまで工程b〜eが繰り返される、方法が提供される。
【0060】
本明細書に開示された方法の別の態様において、ALD堆積法を使用してケイ素含有膜が形成され、上記ALD堆積法は、
a.反応器中に基材を提供する工程と、
b.上記反応器中に、以下の式A〜E:
【化17】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に、式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を導入する工程と、
c.少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を基材上に化学吸着させる工程と、
d.パージガスを使用して、未反応の少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体をパージする工程と、
e.酸素含有源を、加熱された基材上の有機アミノシラン前駆体に提供して、上記化学吸着された少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体と反応させる工程と、
f.任意選択的に、未反応の酸素含有源をパージするかまたはポンピング除去する工程と、の各ステップを含む。
【0061】
別の形態において、PEALDまたはPECCVDプロセスを介して、窒化ケイ素膜または炭窒化ケイ素膜を形成する方法であって、この方法は、
a.反応器中に基材を提供する工程と、
b.上記反応器中に、窒素含有源と、以下の式A〜E:
【化18】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に、式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体とを導入する工程と、
c.窒素含有源とともにパージガスを用いて反応器をパージする工程と、
d.RFプラズマを適用する工程と、
e.反応器をパージガスを用いてパージするか、または反応器をポンピングして未反応の有機アミノシランおよび任意の副生成物を除去する工程と、の各ステップを含み、ここで、所望の膜厚が得られるまで工程b〜eが繰り返される、方法が提供される。
【0062】
上記工程は、本明細書に記載の方法の1サイクルを規定し、このサイクルは、ケイ素含有膜の所望の厚さが得られるまで繰り返すことができる。この態様または他の態様において、本明細書に記載の方法の工程は、様々な順序で実施でき、逐次的にまたは同時に(例えば、別の工程の少なくとも1部中に)、およびそれらの任意の組合せで実施することができる。前駆体および酸素含有源を供給する各工程は、これらを供給する継続時間を変化させることにより実施して、生じるケイ素含有膜の化学量論組成を変化させることができるが、ただし、利用できるケイ素に対して、いつも化学量論量未満の酸素が使用される。
【0063】
多成分のケイ素含有膜について、他の前駆体、例えばケイ素含有前駆体、窒素含有前駆体、還元剤、または他の試薬を、反応チャンバーに交互に導入することができる。
【0064】
本明細書に記載の方法のさらなる態様において、ケイ素含有膜は熱CVDプロセスを使用して堆積される。この態様において、上記方法は:
a.周囲温度〜約700℃の範囲の1種または2種以上の温度に加熱された反応器中に1つまたは2つ以上の基材を置く工程と、
b.以下の式A〜E:
【化19】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を導入する工程と、
c.上記反応器に酸素含有源を提供して、少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体と少なくとも部分的に反応させて、1つまたは2つ以上の基材上にケイ素含有膜を堆積する工程と、を含む。CVD法のいくつかの態様において、導入工程中、反応器は10mTorr〜760Torrの範囲の圧力に維持される。上記工程は、本明細書に記載の方法の1サイクルを規定し、このサイクルは、ケイ素含有膜の所望の厚さが得られるまで繰り返すことができる。この態様または他の態様において、本明細書に記載の方法の工程は、様々な順序で実施でき、逐次的にまたは同時に(例えば、別の工程の少なくとも1部中に)、およびそれらの任意の組合せで実施することができると理解される。前駆体および酸素含有源を供給する各工程は、これらを供給する継続時間を変化させることにより実施して、生じるケイ素含有膜の化学量論組成を変化させることができるが、ただし、利用できるケイ素に対して、いつも化学量論量未満の酸素が使用される。
【0065】
本明細書に記載の方法のさらなる態様において、本明細書に記載の式A〜Eの前駆体を使用して、アモルファスケイ素膜または結晶性ケイ素膜が堆積される。この態様において、上記方法は:
a.周囲温度〜約700℃の範囲の1種または2種以上の温度に加熱された反応器中に1つまたは2つ以上の基材を置く工程と、
b.以下の式A〜E:
【化20】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を導入する工程と、
c.反応器に還元剤を提供して、少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体と少なくとも部分的に反応させて、1つまたは2つ以上の基材上にケイ素含有膜を堆積する工程と、を含む。還元剤は、水素、水素プラズマ、塩化水素からなる群から選択される。CVD法のいくつかの態様において、導入工程中、反応器は10mTorr〜760Torrの範囲の圧力に維持される。上記工程は、本明細書に記載の方法の1サイクルを規定し、このサイクルは、膜の所望の厚さが得られるまで繰り返すことができる。
【0066】
多成分のケイ素含有膜について、他の前駆体、例えばケイ素含有前駆体、窒素含有前駆体、酸素含有源、還元剤、および/または他の試薬を、反応チャンバーに交互に導入することができる。
【0067】
本明細書に記載の方法のさらなる態様において、ケイ素含有膜は熱CVDプロセスを使用して堆積される。この態様において、上記方法は:
a.周囲温度〜約700℃の範囲の1種または2種以上の温度に加熱された反応器中に1つまたは2つ以上の基材を置く工程と、
b.以下の式A〜E:
【化21】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を導入する工程と、
c.反応器に窒素含有源を提供して、少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体と少なくとも部分的に反応させて、1つまたは2つ以上の基材上にケイ素含有膜を堆積する工程と、を含む。CVD法のいくつかの態様において、導入工程中、反応器は10mTorr〜760Torrの範囲の圧力に維持される。
【0068】
本明細書に記載の方法のさらなる態様において、アモルファス膜、結晶性ケイ素膜、またはそれらの混合物であるケイ素含有膜を堆積するために、有機アミノシラン前駆体が使用される。これらの態様において、ケイ素含有膜は、ALDまたはサイクリックCVDから選択される堆積法を使用して形成され、この堆積法は:
周囲温度〜約700℃の範囲の温度に加熱され、1Torr以下の圧力に維持された反応器中に基材を置く工程と、
以下の式A〜E:
【化22】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を導入する工程と、
反応器に還元剤を提供して、少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体と少なくとも部分的に反応させて、1つまたは2つ以上の基材上にケイ素含有膜を堆積する工程と、を含み、ここで、還元剤は、水素、水素プラズマ、塩化水素、からなる群から選択される少なくとも1種である。上記工程は、本明細書に記載の方法の1サイクルを規定し、このサイクルは、ケイ素含有膜の所望の厚さが得られるまで繰り返すことができる。膜の所望の厚さは、1Å〜10,000Åである。
【0069】
別の形態において、プラズマ増強原子層堆積(PEALD)プロセスおよびプラズマ増強サイクリック化学気相堆積(PECCVD)プロセスから選択される堆積プロセスを使用して、基材の少なくとも1つの表面上にケイ素含有膜を形成する方法であって、上記方法が:
a.ALD反応器中に基材を提供する工程と、
b.上記ALD反応器中に、以下の式A〜E:
【化23】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に、式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を提供する工程と、
c.不活性ガスを用いて上記ALD反応器をパージする工程と、
d.上記ALD反応器中にプラズマ源を提供する工程と、
e.不活性ガスを用いて上記ALD反応器をパージする工程と、を含み、ここで、工程b〜eは、上記ケイ素含有膜の所望の厚さが得られるまで繰り返される、方法が提供される。プラズマ源は、水素プラズマ、アルゴンプラズマ、ヘリウムプラズマ、ネオンプラズマ、キセノンプラズマ、およびそれらの混合物からなる群から選択される。ケイ素含有膜は、炭窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、およびカルボキシ窒化ケイ素からなる群から選択される。
【0070】
さらに別の形態において、原子層堆積またはサイクリック化学気相堆積プロセスまたは化学気相堆積を介して、通常のケイ素前駆体より低い温度で、アモルファスケイ素膜または結晶性ケイ素膜を堆積する方法であって、上記方法が:
a.反応器中に基材を提供する工程と、
b.上記反応器中に、以下の式A〜E:
【化24】
(式中、R
1は、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
2は、水素、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルケニル基、直鎖または分枝のC
3〜C
10アルキニル基、C
3〜C
10環状アルキル基、およびC
5〜C
10アリール基から選択され、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、直鎖または分枝のC
1〜C
10アルキレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルケニレン基、直鎖または分枝のC
3〜C
6アルキニレン基、C
3〜C
10環状アルキレン基、C
3〜C
10ヘテロ環状アルキレン基、C
5〜C
10アリーレン基、およびC
5〜C
10ヘテロアリーレン基から選択され、式A中のnは1または2に等しく、式A中のmは0、1、2、または3に等しく、式E中のpおよびqは1または2に等しく、そして任意選択的に、式D中のR
3は、2つのケイ素原子および少なくとも1つの窒素原子とともに4員環、5員環または6員環から選択される環を形成する。)の1つによって表される化合物を含む少なくとも1種の有機アミノシラン前駆体を導入する工程と、
c.パージガスを用いて上記反応器をパージする工程と、を含み、ここで、工程b〜cは、上記ケイ素膜の所望の厚さが得られるまで繰り返される、方法が提供される。
【0071】
式A〜Eの前駆体は、加熱によりH2Si:ジラジカルまたはH3Si・ラジカルを生成することができ、これは、Si−Si結合を含むオリゴマー形成を促進するか、または基材の表面に固定することができる。これらのオリゴマーまたは固定されたSiH
2またはSiH
3は、さらにアモルファスケイ素膜を形成することができる。この態様または他の態様において、これらのオリゴマーは、ケイ素膜または酸化ケイ素膜の以後の堆積の種層として機能する。
【0072】
いくつかの態様において、本明細書に記載の式A〜Eを有する有機アミノシラン前駆体はまた、特に限定されないが、金属酸化物膜または金属窒化物膜などの金属含有膜のドーパントとして使用することもできる。これらの態様において、金属含有膜は、金属アルコキシド、金属アミド、または揮発性有機金属前駆体を使用して、本明細書に記載のプロセスのようなALDまたはCVDプロセスを使用して堆積される。本明細書に開示された方法で使用できる適切な金属アルコキシド前駆体の例は、特に限定されないが、3〜6族金属のアルコキシド、アルコキシとアルキル置換シクロペンタジエニルリガンドとの両方を有する3〜6族金属の錯体、アルコキシとアルキル置換ピロールリガンドとの両方を有する3〜6族金属の錯体、アルコキシとジケトネートリガンドとの両方を有する3〜6族金属の錯体、アルコキシとケトエステルリガンドとの両方を有する3〜6族金属の錯体を含む。本明細書に開示された方法で使用できる適切な金属アミド前駆体の例は、特に限定されないが、テトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム(TDMAZ)、テトラキス(ジエチルアミノ)ジルコニウム(TDEAZ)、テトラキス(エチルメチルアミノ)ジルコニウム(TEMAZ)、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム(TDMAH)、テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム(TDEAH)、およびテトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム(TEMAH)、テトラキス(ジメチルアミノ)チタニウム(TDMAT)、テトラキス(ジエチルアミノ)チタニウム(TDEAT)、テトラキス(エチルメチルアミノ)チタニウム(TEMAT)、tert−ブチルイミノトリ(ジエチルアミノ)タンタル(TBTDET)、tert−ブチルイミノトリ(ジメチルアミノ)タンタル(TBTDMT)、tert−ブチルイミノトリ(エチルメチルアミノ)タンタル(TBTEMT)、エチルイミノトリ(ジエチルアミノ)タンタル(EITDET)、エチルイミノトリ(ジメチルアミノ)タンタル(EITDMT)、エチルイミノトリ(エチルメチルアミノ)タンタル(EITEMT)、tert−アミルイミノトリ(ジメチルアミノ)タンタル(TAIMAT)、tert−アミルイミノトリ(ジエチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、tert−アミルイミノトリ(エチルメチルアミノ)タンタル、ビス(tert−ブチルイミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(BTBMW)、ビス(tert−ブチルイミノ)ビス(ジエチルアミノ)タングステン、ビス(tert−ブチルイミノ)ビス(エチルメチルアミノ)タングステン、およびそれらの組み合わせを含む。本明細書に開示された方法で使用することができる適切な有機金属前駆体の例は、特に限定されないが、3族の金属シクロペンタジエニルまたはアルキルシクロペンタジエニルを含む。ここで3〜6族の金属の例は、特に限定されないが、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Er、Yb、Lu、Ti、Hf、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、およびWを含む。
【0073】
いくつかの態様において、生じるケイ素含有膜またはコーティングは、特に限定されないが、プラズマ処理、化学処理、紫外線曝露、電子線曝露、および/または膜の1種または2種以上の特性に影響を与える他の処理などの堆積前処理に曝露されてもよい。
【0074】
いくつかの態様において、本明細書に記載のケイ素含有膜は、約6以下の誘電率を有する。これらの態様または他の態様において、膜は、約5以下、または約4以下、または約3.5以下の誘電率を有することができる。しかし、膜の所望の最終用途に依存して、他の誘電率(例えば、より高いかまたはより低い)を有する膜を形成することができることが企図される。ケイ素含有膜または本明細書に記載の有機アミノシラン前駆体およびプロセスを使用して形成されるケイ素含有膜の例は、式Si
xO
yC
zN
vH
w(式中、Siは約10%〜約40%の範囲、Oは約0%〜約65%の範囲、Cは約0%〜約75%の範囲、または約0%〜約50%の範囲、Nは約0%〜約75%の範囲または約0%〜50%の範囲、そしてHは約0%〜約50%の範囲の原子パーセント質量%であり、ここで、例えばXPSまたは他の手段により測定すると、x+y+z+v+w=100原子質量である)を有する。
【0075】
上記したように本明細書に記載の方法は、基材の少なくとも一部の上にケイ素含有膜を堆積するために使用することができる。適切な基材の例は、特に限定されないが、ケイ素、SiO
2、Si
3N
4、OSG、FSG、炭化ケイ素、水素化炭化ケイ素、窒化ケイ素、水素化窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、水素化炭窒化ケイ素、窒化ホウ素、反射防止コーティング、フォトレジスト、フレキシブル基材、有機ポリマー、多孔質有機および無機材料、金属、例えば銅およびアルミニウム、および、特に限定されないが、TiN、Ti(C)N、TaN、Ta(C)N、Ta、W、またはWNを含む。膜は、例えば、化学機械平坦化(CMP)および異方性エッチングプロセスなどの種々の後続の処理ステップと適合性がある。
【0076】
堆積された膜は、特に限定されないが、コンピュータチップ、光学機器、磁気情報記憶装置、支持材料または基材上のコーティング、マイクロ電気機械システム(MEMS)、ナノ電気機械システム、薄膜トランジスター(TFT)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、IGZO、および液晶ディスプレイ(LCD)を含む用途を有する。
【0077】
以下の実施例は、本明細書に記載の有機アミノシラン前駆体を調製するための、並びにケイ素含有膜を堆積するための方法を例示するが、決してこれを限定するものではない。
【実施例】
【0078】
以下の例において、特に別の指定がなければ、特性は、中抵抗(8−12Ωcm)の単結晶ケイ素ウエハー基板上に堆積されたサンプル膜から得られた。
【0079】
実施例1:1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタンの合成
メカニカルスターラー、冷却器、および滴下ロートを備えた三ツ首丸底フラスコで、ヘキサン中1当量の1,4−ジシラブタンの溶液を、冷浴を用いて−20℃に冷却した。攪拌しながら、テトラヒドロフラン(THF)中の0.5当量のジイソプロピルアミドリチウムの溶液を、滴下ロートを用いて滴下して加えた。添加が完了後、反応混合物を室温まで加温させた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、次に濾過した。副生成物として反応から形成された白色の沈殿物(水素化リチウム)を濾別した。濾液中の溶媒と過剰の1,4−ジシラブタンを、蒸留により除去した。生成物(1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタン)が、真空蒸留により得られた。ガスクロマトグラフィー(GC)は、これが、>98%の純度の1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタンであることを証明した。GC−MSは、以下のピークを示した:189 (M+), 188 (M−1), 174 (M−15), 159, 144, 130, 102。
【0080】
実施例2:1−t−ブチル−1−アザ−2−5−ジシラシクロペンタンの合成
メカニカルスターラー、冷却器、および滴下ロートを備えた三ツ首丸底フラスコで、ヘキサン中1当量の1,4−ジシラブタンの溶液を、冷浴を用いて−20℃に冷却した。攪拌しながら、THF中の0.5当量のt−ブチルアミドリチウムの溶液を、滴下ロートを用いて滴下して加えた。添加が完了後、反応混合物を室温まで加温させた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、次に濾過した。副生成物として反応から形成された白色の沈殿物(水素化リチウム)を濾別した。濾液中の溶媒と過剰の1,4−ジシラブタンを、蒸留により除去した。生成物(1−t−ブチル−1−アザ−2−5−ジシラシクロペンタン)が、真空蒸留により得られた。ガスクロマトグラフィー(GC)は、これが、>98%の純度であることを証明した。GC−MSは、以下のピークを示した:159 (M+), 158 (M−1), 144 (M−15), 128, 114, 100。
【0081】
実施例3:1,4−ビス(ジ−イソ−プロピルアミノ)−1,4−ジシラブタンの合成
メカニカルスターラー、冷却器、および滴下ロートを備えた三ツ首丸底フラスコで、ヘキサン中0.5当量の1,4−ジシラブタンの溶液を、冷浴を用いて−20℃に冷却した。攪拌しながら、THF中の1当量のジ−イソ−プロピルアミドリチウムの溶液を、滴下ロートを用いて滴下して加えた。添加が完了後、反応混合物を室温まで加温させた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、次に濾過した。副生成物として反応から形成された白色の沈殿物(水素化リチウム)を濾別した。濾液中の溶媒を、蒸留により除去した。生成物(1,4−ビス(ジ−イソ−プロピルアミノ)−1,4−ジシラブタン)が、真空蒸留により得られた。沸点124℃/1torr。GC−MSは、以下のピークを示した:288 (M+), 287 (M−1), 243, 229, 207, 188, 144, 130.
1H NMR: 4.59 (s, 4H), 3.03 (m, 4H), 1.08 (d, 24H), 0.73 (t, 4H).
13C NMR: 47.76, 24.42, 7.76。
【0082】
実施例4:1−ジエチルアミノ−1,4−ジシラブタンおよび1,4−ビス(ジエチルアミノ)−1,4−ジシラブタンの合成
シンチレーションバイアル中で、2当量の1,4−ジシラブタンと1当量のジエチルアミンを一緒にした。ここに、1mol%のドデカカルボニルトリルテニウム触媒をTHF中の溶液として加え、混合物を一晩攪拌した。溶液中で観察された2つの主要な生成物は、1−ジエチルアミノ−1,4−ジシラブタンと1,4−ビス(ジエチルアミノ)−1,4−ジシラブタンであった。GC−MSは、以下のピークを示した:(a)1−ジエチルアミノ−1,4−ジシラブタン:161 (M+), 146 (M−15), 130, 116, 102, 89, 72;(b)1,4−ビス(ジエチルアミノ)−1,4−ジシラブタン:232 (M+), 217 (M−15), 203, 187, 173, 160, 146, 130, 116。
【0083】
実施例1〜4と同様の方法で、式A〜Eの追加の有機アミノシラン前駆体を製造し、質量スペクトル法(MS)により性状解析を行った。各有機アミノシラン前駆体の分子量(MW)、構造、および対応する主要なMS断片化ピークが、その同定を確認するために表1に提供される。
表1、式A、B、C、D、およびEを有する有機アミノシラン
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【0084】
実施例5:1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1−4−ジシラブタンおよびオゾンを用いたケイ素含有膜の原子層堆積
以下の堆積は、2つの温度条件(55℃と100℃)で実験室規模のALD処理ツール上で行った。ケイ素前駆体は、蒸気吸引によりチャンバーに送達された。従って、全てのガス(例えば、パージガスおよび反応物ガスまたは前駆体および酸素源)を、堆積ゾーンに入る前に予熱した。ガスと前駆体の流速を、ALDダイヤフラム弁を用いて高速作動で制御した。堆積時に使用される基板は、12インチの長さのケイ素ストリップであった。堆積中の基板温度を確認するために、熱電対を試料ホルダーに取り付けた。堆積は、オゾン(6〜19wt%)を酸素源ガスとして用いて行った。
【0085】
典型的なALDサイクルは、以下のステップを含む。
a.ALD反応器に基板を提供する工程、
b.少なくとも一つの有機アミノシラン前駆体を、6秒間ALD反応器内に提供する工程、
c.ALD反応器を、不活性ガスで6秒間パージする工程、
d.ALD反応器に、オゾンを4秒間提供する工程;
e.ALD反応器を、不活性ガスで6秒間パージする工程、
膜の所望の厚さが得られるまで、ステップbからステップeが繰り返される。膜の厚さおよび屈折率は、FilmTek 2000SEエリプソメータを用いて、膜からの反射データを、予め設定された物理モデル(例えば、ローレンツオシレータモデル)に当てはめることによって測定した。湿潤エッチング速度は、脱イオン水中の49%フッ化水素酸(HF)酸の1%溶液を用いて行った。熱酸化物ウェーハーを、各バッチのための基準として使用して溶液濃度を確認した。1%HFのH
2O溶液の典型的な熱酸化物ウェーハー湿潤エッチング速度は、0.5Å/秒である。エッチング前後の膜厚を使用して、湿潤エッチング速度を計算した。厚さの不均一性は、以下の式を使用して6点の測定値から計算した:%不均一性=((最大−最小)/(2
*平均))。膜の元素組成および密度は、X線光電子分光法(XPS)によって解析される。成長速度(GPC)は、フィルムの厚さを総サイクル数で割ることにより決定される。
表2、1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタンおよびオゾンを用いたケイ素含有膜のプロセスパラメータ、成長/サイクル(GPC)と屈折率
【表16】
表3、1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタンおよびオゾンを用いたXPSにより測定したケイ素含有膜の膜組成
【表17】
【0086】
図1は、1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタン膜(100℃での膜 1、3、5からの平均値)および実施例 膜4、並びに以下の有機アミノシランを使用して熱ALDプロセスを介して堆積された膜の成長速度/サイクル対温度を提供する:ビス(ジエチルアミノ)シラン (BDEAS: I. Suzuki, K. Yanagita, and C. Dussarrat, ECS Trans.3 (15), 119 (2007) and M.W. O’Neill, H. R. Bowen, A. Derecskei−Kovacs, K.S. Cuthill, B. Han and M. Xiao, Electrochemistry Society Interface Winter 2011, 33 (2011))、ビス(tert−ブチルアミノ)シラン (BTBAS: M.W. O’Neill, H. R. Bowen, A. Derecskei−Kovacs, K.S. Cuthill, B. Han and M. Xiao, Electrochemistry Society Interface Winter 2011, 33 (2011)), ビス(エチルメチルアミノ)シラン (BEMAS: S.J.Won, H−S. Jung, S. Suh, Y. J. Choi, N.−I. Lee, C. S. Hwang, H. J. Kim, J. Vac. Sci. Technol. A 30(1), 01A126 (2012)), トリス(ジメチルアミノ)シラン (TRDMAS: L. Han, and Z. Chen, Z. ECS Journal of Solid State Science and Technology 2(11): N228−N236 (2013)), ジ−sec−ブチルアミノシラン (DSBAS: A. Mallikarjunan, A. Derecskei−kovacs, H. Chandra, B. Han, M. Xiao, X. Lei, M.L.O. Neill, H. Liang, H. Bo, Z. Qingfan, H. Cheng, 13th International Conference on Atomic Layer Deposition (2013))。
図1に示されるように、本明細書に記載の有機アミノシランを使用して堆積されたケイ素含有膜は、他の参照有機アミノシラン前駆体と比較して、より速い成長速度を示した。さらに、堆積温度は、例えば55℃の温度で堆積された実施例 膜4のように、100℃未満の1つまたは2つ以上の温度まで延長することができる。膜中の炭素濃度は、オゾン濃度に依存して0.3wt%〜9.6wt%までの範囲であり、これは、生じるケイ素含有膜の物性を調整することが可能であることを示唆している。
【0087】
実施例6:1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタンおよび窒素/アルゴンプラズマを用いたケイ素含有膜のプラズマ増強原子層堆積
1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタンおよび窒素/アルゴンプラズマを使用して、ケイ素含有膜の堆積を行った。シリコンウェーハーをそれぞれ100℃または300℃に加熱した。堆積プロセスは、300mmの生産ツール、ASM Stellar 3000を1000回繰り返して使用して、以下のプロセス条件を使用して行った:
a.ALD反応器に基板を提供する
b.有機アミノシラン前駆体を導入する:1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタン
送達条件:Arキャリアーガス 200sccm、前駆体容器は室温で維持された
チャンバー圧:2Torr
前駆体パルス:1秒
c.不活性ガスパージ
アルゴン流:300sccm
チャンバー圧:2Torr
パージ時間:5秒
d.窒素/アルゴンプラズマ
アルゴン流:500sccm
窒素流:200sccm
チャンバー圧:2Torr
プラズマ出力:500W
プラズマ時間:5秒
e.パージプラズマ
アルゴン流:300sccm
チャンバー圧:2Torr
パージ時間:0.5秒
【0088】
希HF中で得られた膜の堆積速度、屈折率、密度、並びに湿潤エッチング速度は、以下の表4に列記される。表4のデータを参照すると、XPS分析のためにサンプルを送っている場合、堆積後の空気暴露から酸素が来ると考えられる。
表4、1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタンおよび窒素/アルゴンプラズマを用いて堆積された膜の堆積速度、屈折率、および膜物性
【表18】
【0089】
実施例7:1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタンおよびアルゴンプラズマを用いたケイ素含有膜のプラズマ増強原子層堆積
1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタンおよびアルゴンプラズマを使用して、ケイ素含有膜の堆積を行った。シリコンウェーハーをそれぞれ100℃または300℃に加熱した。堆積プロセスは、300mmの生産ツール、ASM Stellar 3000を1000回繰り返して使用して、以下のプロセス条件を使用して行った:
a.ALD反応器に基板を提供する
b.有機アミノシラン前駆体を導入する:1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタン
送達条件:Arキャリアーガス 200sccm、前駆体容器は室温で維持された
チャンバー圧:2Torr
前駆体パルス:1秒
c.不活性ガスパージ
アルゴン流:300sccm
チャンバー圧:2Torr
パージ時間:2秒
d.アルゴンプラズマ
アルゴン流:500sccm
チャンバー圧:2Torr
プラズマ出力:500W
プラズマ時間:5秒
e.パージプラズマ
アルゴン流:300sccm
チャンバー圧:2Torr
パージ時間:2秒
【0090】
希HF中で得られた膜の堆積速度、屈折率、膜組成、密度、並びに湿潤エッチング速度は、以下の表5に列記される。表5のデータを参照すると、XPS分析のためにサンプルを送っている場合、堆積後の空気暴露から酸素が来ると考えられる。
表5、1−ジ−イソ−プロピルアミノ−1,4−ジシラブタンおよびアルゴンプラズマを用いて堆積された膜の堆積速度、屈折率、および膜物性
【表19】
【0091】
希HF中の湿潤エッチング速度0.05Å/sは、同じ条件下の典型的な熱酸化物膜の速度(0.5Å/s)よりはるかに小さく、本明細書に記載の有機アミノシランが、そこから堆積されるケイ素含有膜の得られる物性に影響を与えることを示している。