特許第6591837号(P6591837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6591837
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】電子機器及びその赤外線センサ
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20191007BHJP
【FI】
   G01J1/02 C
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-178596(P2015-178596)
(22)【出願日】2015年9月10日
(65)【公開番号】特開2017-53759(P2017-53759A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2018年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】西田 聡佑
(72)【発明者】
【氏名】福中 敏昭
【審査官】 平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−519151(JP,A)
【文献】 特開2009−223218(JP,A)
【文献】 特開2011−107829(JP,A)
【文献】 特開2015−200843(JP,A)
【文献】 特開2015−091739(JP,A)
【文献】 特開2015−088836(JP,A)
【文献】 特開2013−258492(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2493156(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/02 − 1/06
G01J 1/42
G01J 5/02
G01J 5/08
G01V 8/10 − 8/26
G02F 1/133− 1/1334
G09F 9/00
H04M 1/00 − 1/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性保護部と、
前記光透過性保護部を介して情報を表示する表示部と、
前記光透過性保護部を介して視野内の映像を撮像する撮像部と、
波長3μm以上10μm以下の赤外線に対する透過率が50%以下であって、一部に開口部を有し、前記撮像部と電気的に接続される配線部と、
前記光透過性保護部及び前記開口部を介して入射された赤外線に応じた信号を端子部に出力する受光部と、前記配線部と電気的に接続される前記端子部と、を有する赤外線センサと、
を備え
前記赤外線センサは、該赤外線センサの視野内に使用者が存在することを検知した場合に、前記撮像部を起動させるための信号を前記配線部に出力する電子機器。
【請求項2】
前記表示部の平面に対して垂直方向かつ前記撮像部と前記赤外線センサを通過するように断面視したとき、
前記光透過性保護部と前記撮像部と前記配線部と前記赤外線センサの順でスタックされている請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記受光部は、前記開口部及び前記光透過性保護部のみを介して外界と光学的に接続される請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記受光部と外界とを光学的に接続する光路内に、波長1μm以上4μm以下の光に対する透過率が40%以下の領域が存在しない請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
波長5μm以上10μm以下の少なくともいずれか一つの波長の光に対する前記光透過性保護部の透過率が20%以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記赤外線センサは、前記使用者の状態に応じて、前記撮像部が撮像する画像の枚数を制御する信号を前記配線部に出力する請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記赤外線センサの前記受光部が、In及びSbを含み、
前記赤外線センサは、前記開口部と接する前記赤外線センサの受光面と同じ面及び/又は該受光面に垂直な面の少なくとも一方の面のみに露出するように配置された前記端子部を備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
光透過性保護部と、
前記光透過性保護部を介して情報を表示する表示部と、
前記光透過性保護部を介して視野内の映像を撮像する撮像部と、
波長3μm以上10μm以下の赤外線に対する透過率が50%以下であって、一部に開口部を有し、前記撮像部と電気的に接続される配線部と、を備える電子機器に実装される赤外線センサであって、
記光透過性保護部及び前記開口部を介して入射された赤外線に応じた信号を端子部に出力する受光部と、前記配線部と電気的に接続される前記端子部と、を有し、
使用者が前記赤外線センサの視野内に存在することを検知した場合に、前記撮像部を起動させるための信号を前記配線部に出力する赤外線センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びその赤外線センサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の需要はますます高まっている。特に、文字や画像等の情報を表示する表示部を備えた電子機器は生活のいたるところで用いられている。
また、そのような電子機器では、使用者に応じた制御を迅速かつ適切に行うために、使用者の顔を撮像して個人を特定する方法が適用することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−157596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用者の顔を撮像して個人を特定して、制御(例えば、ログイン等)を行うためには、撮像装置を起動させる必要がある。しかし、常に撮像装置を起動させたままの状態にすると、電力を多大に消費するという問題が生じる。
他方、キー入力等の入力操作をトリガーにして撮像装置を起動させる方法も考えられるが、電子機器は様々な形態があり、形態によってはこのような入力操作をトリガーにする方法は不適切となる。例えば、ディスプレイの背面側にキーボードが来るように変形可能なノートパソコンの場合、キー入力が困難であったり、そもそもキー入力が不可能な場合がある。
【0005】
他の例では、ディスプレイが備えたタッチパネルに対する圧力もしくは静電容量の変化をトリガーにする方法も考えられるが、カバン等に収納している間の誤動作を引き起こし、結果として消費電力の増大を引き起こすという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、様々な電子機器の形態においても、低消費電力かつ適切に撮像装置を起動するためのトリガーを生成可能な電子機器及びその赤外線センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような本発明を完成させた。
本発明の第1の態様は、光透過性保護部と、前記光透過性保護部を介して情報を表示する表示部と、前記光透過性保護部を介して視野内の映像を撮像する撮像部と、波長3μm以上10μm以下の赤外線に対する透過率が50%以下であって、一部に開口部を有し、前記撮像部と電気的に接続される配線部と、前記光透過性保護部及び前記開口部を介して入射された赤外線に応じた信号を端子部に出力する受光部と、前記配線部と電気的に接続される前記端子部と、を有する赤外線センサと、を備え、前記赤外線センサは、該赤外線センサの視野内に使用者が存在することを検知した場合に、前記撮像部を起動させるための信号を前記配線部に出力する電子機器である。
【0007】
本発明の第2の態様は、光透過性保護部と、前記光透過性保護部を介して情報を表示する表示部と、前記光透過性保護部を介して視野内の映像を撮像する撮像部と、波長3μm以上10μm以下の赤外線に対する透過率が50%以下であって、一部に開口部を有し、前記撮像部と電気的に接続される配線部と、を備える電子機器に実装される赤外線センサであって、記光透過性保護部及び前記開口部を介して入射された赤外線に応じた信号を端子部に出力する受光部と、前記配線部と電気的に接続される前記端子部と、を有し、使用者が前記赤外線センサの視野内に存在することを検知した場合に、前記撮像部を起動させるための信号を前記配線部に出力する赤外線センサである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電子機器及びその赤外線センサによれば、低消費電力かつ適切に撮像装置を起動するためのトリガーを生成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)乃至(c)は、本発明に係る電子機器の実施例を説明するための構成図である。
図2図1に示した電子機器における撮像部及び赤外線センサを含む構成の断面図である。
図3】(a)乃至(c)は、図2に示した電子機器における赤外線センサの具体的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)について説明する。
<電子機器>
本実施形態の電子機器は、光透過性保護部と、この光透過性保護部を介して情報を表示する表示部と、光透過性保護部を介して視野内の映像を撮像する撮像部と、一部に開口部を有する配線部と、光透過性保護部及び開口部を介して入射された赤外線に応じた信号を出力する受光部と、配線部と電気的に接続される端子部と、を有する赤外線センサと、を備えている。
この構成における赤外線センサによれば、適切に撮像装置を起動するためのトリガーを生成可能である。したがって、低消費電力かつ適切に撮像装置を起動することが可能な電子機器が実現される。
【0011】
電子機器の具体的な形態は、特に制限されないが、例えば、デスクトップパソコンやラップトップパソコン、タブレット型パソコン、スマートフォン等が挙げられる。キー入力をトリガーにすることに困難性が生じ得るラップトップパソコン(特に、図1(b)(c)に示すように、表示部の背面側にキーボードやタッチパネル等の入力部が配置するように変形可能なもの)や、そもそもキーボードやタッチパネル等の入力部を有さないタブレット型パソコンにおいて、特に好適である。
以下、本実施形態の電子機器における各構成要件について説明する。なお、各構成要件の具体例や特徴部は、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、各々単独又は組み合わせて適用可能である。
【0012】
<光透過性保護部>
本実施形態の電子機器における光透過性保護部は、それを介しても撮像部が視野内の映像を撮像可能であり、かつ、それを介しても赤外線センサの受光部に赤外線を入射可能なものであれば特に制限されない。その配置関係から、一般的に、撮像部や赤外線センサに対して、外部因子(圧力や液体や気体の混入等)が与える悪影響を低減する保護機能の役割もある。
一例としては、ケイ酸塩を主成分とするケイ酸(塩)ガラス、石英ガラス、アクリルガラス、カルコゲンガラス、金属ガラス、有機ガラス等が挙げられる。電子機器への適合性の観点から、コーニング社製の「ゴリラガラス」や旭硝子株式会社製の「ドラゴントレイルガラス」等が好適例として挙げられる。
また、太陽光等の外乱光の影響を低減する観点から、波長5μm以上10μm以下の少なくともいずれか一つの波長の光に対する前記光透過性保護部の透過率が20%以下であることが好ましい。
【0013】
<表示部>
本実施形態の電子機器における表示部は、文字や画像・映像等の情報を表示可能なものであれば特に制限されない。例えば、液晶ディスプレイや、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等が挙げられる。
【0014】
<撮像部>
本実施形態の電子機器における撮像部は、光透過性保護部を介して視野内の映像を撮像可能なものであれば特に制限されない。CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するデジタルカメラであることが好ましい。連続的に撮像することで動画データとしてもよい。
低消費電力化の観点からは、赤外線センサからの信号(トリガー)に応じて、少ない数の画像(最低1枚)を取得するものであることが好ましく、精度よく使用者を検知する観点からは、赤外線センサからの信号(トリガー)に応じて、多い数の画像を取得して使用者の検知に適した画像を選択可能なものであることが好ましい。
【0015】
後述する赤外線センサが、使用者の状態が、使用者の検知に適した状態であるか否かを分別可能な場合は、該使用者の状態に応じて、画像の取得枚数を制御可能なものにしてもよい。
部品点数の増大抑制の観点から、撮像部が配線部と電気的に接続されることも好ましい。この場合、応答速度向上の観点から、赤外線センサからの信号が直接撮像部に入力されるようになっていてもよい。断面視したときに撮像部は、塗工層で囲まれていてもよい。
【0016】
<配線部>
本実施形態の電子機器における配線部は、一部に開口部を有する者であり、赤外線センサの端子部と電気的に接続可能なものであれば特に制限されない。例えば、プリント基板や、FPC基板等が挙げられる。配線部と赤外線センサを電気的に接続する方法は特に制限されず、導電ペーストや金属バンプ、金属細線等の公知の接続部材を用いればよい。小型化の観点から導電ペーストを用いる方法が好ましい。
赤外線センサの視野を絞り、使用者検知の効率を向上させる観点から、配線部は、波長3μm以上10μm以下の赤外線に対する透過率が50%以下であることが好ましい。
【0017】
上述したように、赤外線センサのみではなく、撮像部も電気的に接続可能なものであってもよい。
特に制限されないが、開口部の大きさは、少なくとも赤外線センサの受光部よりも大きく開口していることが好ましい。
特に制限されないが、配線部の厚みは、赤外線センサの視野角を制限し、電子機器の主面(一般的には表示部の平面)に対向した位置に使用者の顔が到来したことを赤外線センサが検知可能にする観点から、配線部の厚みは、0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。一方、小型化の観点から、配線部の厚みは、1.0mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましい。
【0018】
<赤外線センサ>
本実施形態の電子機器における赤外線センサは、光透過性保護部及び開口部を介して入射された赤外線に応じた信号を出力する受光部と、配線部と電気的に接続される端子部と、を有する。受光部(検出素子)の形態としては、PN接合又はPIN接合構造を含んだフォトダイオードやフォトトランジスタに代表される量子型の赤外線検出素子や、サーモパイル等の熱電素子やPZT等の焦電素子、ボロメータ等に代表される熱型の赤外線検出素子であってもよい。
【0019】
限定はされないが、特に波長5μm以上10μm以下の少なくともいずれか一つの波長の光に対する光透過性保護部の透過率が20%以下である光透過性保護部の下で用いる場合は、波長5μm以下で高分解能を実現可能なIn(インジウム)及びSb(アンチモン)を含む受光部を有する赤外線センサであることが好ましく、InSb(インジウムアンチモン)、AlInSb(アルミインジウムアンチモン)、InAsSb(インジウムヒ素アンチモン)、又はAlInAsSb(アルミインジウムヒ素アンチモン)を含む受光部を有した量子型赤外線センサを用いることがより好ましい。量子型赤外線センサとしては、例えば旭化成エレクトロニクス製の赤外線センサ「IR1011」が挙げられる。
【0020】
赤外線の受光面の反対側の面に電極部を備えた赤外線を作製する場合、樹脂パッケージと同じ厚みの分厚いリードフレームを使用する必要があり、エッチングルール等の製法上の都合で赤外線センサのパッケージが大きくなることがよく知られている。
そこで、赤外線センサの小型化の観点から、配線部の開口部と接する赤外線センサの受光面と同じ面及び/又は該受光面に垂直な面の少なくとも一方の面のみに露出するように配置された端子部を備えた赤外線センサを用いることが好ましい。
検出素子は、単独素子であってもよいし、複数個をアレイ状に集積したものであってもよい。また、単独素子を直列又は並列接続して一つの検出素子としたものであってもよい。本実施形態の電子機器においては、赤外線センサは撮像部を起動するためのトリガーとして機能するため、単独素子、また、単独素子を直列又は並列接続して一つの検出素子としたものであることが好ましい。
【0021】
また、赤外線センサは、受光部からの信号を端子部に直接出力するものであってもよいし、受光部からの信号を演算部等で処理した後の信号を端子部に出力するものであってもよい。
使用者の検出精度の観点から、受光部は、開口部及び光透過性保護部のみを介して外界と光学的に接続されるものであることが好ましい。また、使用者の検出精度の観点から、受光部と外界とを光学的に接続する光路内に、波長1μm以上4μm以下の光に対する透過率が40%以下の領域が存在しないことが好ましい。
【0022】
次に、図面を参酌しながら本発明に係る電子機器の実施形態について説明する。
[実施形態]
図1(a)乃至(c)は、本発明に係る電子機器の実施形態を説明するための構成図で、図1(a)は第1の使用形態、図1(b)は第1の使用形態から入力部を表示部の背面側に回転変形させた第2の使用形態(タブレット的な使用形態)、図1(c)は第1の使用形態から入力部を一度取り外し、表示部を反転させて再度入力部に接続した第3の形態(スタンド的な使用形態)である。
【0023】
図中符号20は表示部、30は撮像部、50は赤外線センサ、100はキーボード及びタッチパッドを含む入力部を示している。
上述したいずれの使用形態においても、表示部の前に使用者の顔が存在する状態を赤外線センサ50が検知し、それに応じて撮像部30が起動して撮像し、撮像された使用者の顔に応じて電子機器の動作制御(ログイン等)が、使用者の意図的な入力動作なしで可能となる。
図2は、図1に示した電子機器における撮像部及び赤外線センサを含む構成の断面図である。図中符号10は光透過性保護部、31は塗工層、40は配線部、41は配線部の開口部、42は配線部の端子部、50は赤外線センサ、51は赤外線センサの受光部、52は赤外線センサの端子部、53は封止部材、60は接続部材を示している。
【0024】
本発明に係る電子機器は、光透過性保護部10と、この光透過性保護部10を介して情報を表示する表示部20と、光透過性保護部10を介して視野内の映像を撮像する撮像部30と、一部に開口部41を有する配線部40とを備えている。さらに、光透過性保護部10及び前記開口部41を介して入射された赤外線に応じた信号を出力する受光部51と、配線部40と電気的に接続される端子部42と、を有する赤外線センサ(50)を備えている。
また、表示部20の平面に対して垂直方向かつ撮像部30と赤外線センサ50を通過するように断面視したとき、光透過性保護部10と撮像部30と配線部40と赤外線センサ50の順でスタックされている。
【0025】
また、受光部51は、開口部41及び光透過性保護部10のみを介して外界と光学的に接続されている。
また、受光部51と外界とを光学的に接続する光路内に、波長1μm以上4μm以下の光に対する透過率が40%以下の領域が存在しない。また、波長5μm以上10μm以下の少なくともいずれか一つの波長の光に対する光透過性保護部10の透過率が20%以下である。
また、撮像部30が、配線部40と電気的に接続されている。
【0026】
また、赤外線センサ50の受光部51が、In及びSbを含み、赤外線センサ50は、開口部41と接する赤外線センサ50の受光面と同じ面及び/又はこの受光面に垂直な面の少なくとも一方の面のみに露出するように配置された端子部42を備えている。
図2からもわかるとおり、受光部51の視野は、配線部40によって絞られており、これにより赤外線センサ50は、使用者が電子機器の表示部20に対して正対しているか否かを区別して検知可能になる。そして、使用者の状態に応じた信号を配線部40が受信し、直接又は間接的に撮像部30を起動させることで、高精度な使用者の状態検知と、低消費電力化の両立が図れる。
【0027】
図3(a)乃至(c)は、図2に示した電子機器における赤外線センサの具体的な構成図で、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のb−b線断面図、図3(c)は図3(a)のc−c線断面図である。
図中符号54は回路部、HEはハーフエッチされた領域を示している。その他、図2と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
本発明に係る赤外線センサ50は、光透過性保護部10と、一部に開口部41を有する配線部40と、を備える電子機器に実装される赤外線センサ50である。赤外線センサ50の受光部51は、光透過性保護部10及び開口部41を介して外部から赤外線が入射可能な位置に配置され、かつ、赤外線センサ50の端子部42は、配線部40と電気的に接続可能な位置に配置された赤外線センサである。
【0028】
回路部54は、赤外線センサ50に駆動信号を出力したり、赤外線センサ50からの信号が入力され所定の演算等を行い、その結果を出力したりすることが出来る。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の技術的範囲には限定されない。上述した実施形態に、多様な変更又は改良を加えることも可能であり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0029】
10 光透過性保護部
20 表示部
30 撮像部
31 塗工層
40 配線部
41 開口部
42 端子部
50 赤外線センサ
51 受光部
52 端子部
53 封止部材
54 回路部
60 接続部材
100 入力部
図1
図2
図3