(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6592875
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】焦点調節装置、カメラおよび光学機器
(51)【国際特許分類】
G03B 17/02 20060101AFI20191010BHJP
G02B 7/34 20060101ALI20191010BHJP
G03B 13/36 20060101ALI20191010BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20191010BHJP
G03B 17/55 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
G03B17/02
G02B7/34
G03B13/36
H04N5/232 120
G03B17/55
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-100893(P2014-100893)
(22)【出願日】2014年5月14日
(65)【公開番号】特開2015-219288(P2015-219288A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2017年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】高崎 秀久
【審査官】
井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第00630175(EP,A1)
【文献】
特開2013−123628(JP,A)
【文献】
特開2013−255194(JP,A)
【文献】
特開2011−032430(JP,A)
【文献】
特開2004−122770(JP,A)
【文献】
特開平01−217998(JP,A)
【文献】
特開2005−124099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/02
G02B 7/34
G03B 13/36
G03B 17/55
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子を内蔵可能な機器の筐体と、
前記撮像素子及び回路が配置可能な第1面と前記第1面の反対側の第2面とを有し、前記第2面同士が対向し、前記撮像素子及び前記回路が互いに異なる側に配置されるように折り返される回路基板と、
対向する前記第2面の間に挟まれる第1部分と、前記第1部分に連続して前記第2面の間からはみ出した第2部分とを有し、前記第2部分の一端が前記筐体に接続されている放熱シートと、を備える光学機器。
【請求項2】
前記第2面と前記第1部分とを接着する接着部材を備え、
前記放熱シートは、熱伝導性を有する中間層と前記中間層を挟む保護層とを有し、
前記接着部材の厚みをt0とし、前記中間層の厚みをt1とし、前記フレキシブル回路基板の厚みをt2とし、t2>t0>t1の関係とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項3】
前記回路は、前記撮像素子を駆動する回路である請求項1または2に記載の光学機器。
【請求項4】
前記放熱シートは、T字形状を有し、前記第2面の間から3方向にはみ出した前記第2部分を有する請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学機器。
【請求項5】
前記フレキシブル回路基板の折り返し部には孔が形成してあり、
前記放熱シートは、前記孔を通して前記回路基板からはみ出した前記第2部分を有する請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学機器。
【請求項6】
前記撮像素子に光を導く、モールド樹脂で構成された導光用ケーシングを備え、
前記放熱シートの熱伝導率が、前記モールド樹脂の熱伝導率よりも高い請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学機器。
【請求項7】
前記撮像素子を有する請求項1から請求項6のいずれかに記載の光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焦点調節装置、カメラおよび光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
位相差検出法によって撮影レンズの焦点調節状態を検出する技術が知られている。また、位相差検出法を用いた場合において、使用環境温度の変動により移動する結像レンズの位置に対応して補正を行うことも知られている。(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−194590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、好適な焦点調節制御が可能な焦点調節装置、カメラおよび光学機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係るカメラ(光学機器)は、
フレキシブル回路基板と、
前記フレキシブル回路基板により挟み込まれる第1部分と、前記第1部分に連続して前記フレキシブル回路基板からはみ出している第2部分とを有する放熱シートと、
前記フレキシブル回路基板の実装面に取り付けられた撮像素子とを有し、
前記フレキシブル回路基板における前記実装面とは反対側の裏面が、前記放熱シートの第1部分の両面に折り返して接着してある。
【0006】
本発明に係る光学機器としては、たとえばオートフォーカス(AF)ユニット、携帯用カメラ、望遠鏡、顕微鏡などを含む。
【0007】
なお、本発明は、上述の説明に限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成に代替させてもよい。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係るカメラの概略図である。
【
図4】
図4は
図3に示すIII−III線に沿う断面図である。
【
図5】
図5は本発明の他の実施形態に係るフレキシブル回路基板と放熱シートとの関係を示す斜視図である。
【
図6】
図6は本発明のさらに他の実施形態に係るフレキシブル回路基板と放熱シートとの関係を示す斜視図である。
【
図7】
図7は本発明のさらに他の実施形態に係るフレキシブル回路基板と放熱シートとの関係を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0010】
第1実施形態
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るカメラ1は、いわゆる一眼レフデジタルカメラであり、カメラボディ1aとレンズ鏡筒(交換レンズ)2とが着脱可能に構成してある。なお、以下の実施形態では、一眼レフデジタルカメラを例に説明するが、本発明はこれに限定されない。たとえば、レンズ鏡筒2とカメラボディ1aとが一体に構成されるコンパクトデジタルカメラであっても良い。さらに、ミラー機構を省いたミラーレスタイプのカメラであっても良い。
【0011】
レンズ鏡筒2は、被写体側から順に、ズームレンズ群L1、フォーカスレンズ群L2、振れ補正レンズ群L3を配列して構成された撮像光学系を備えている。振れ補正レンズ群L3の背後(像面側)には、CCDやCMOSに代表される撮影用の撮像素子3がカメラボディ1aの内部に配置してある。
【0012】
レンズ鏡筒2におけるズームレンズ群L1は、撮像光学系のうち最も被写体側に設けられ、駆動機構6により光軸Lに沿った方向に移動自在に駆動され、ズーミングが可能になっている。フォーカスレンズ群L2は、駆動機構8により光軸Lに沿った方向に移動自在に駆動され、フォーカシングが可能になっている。
【0013】
振れ補正レンズ群L3は、像ブレ補正装置100の一部を構成する。振れ補正レンズ群L3は、ボディ側CPU14からの信号を受けた像ブレ補正装置100により、光軸Lに交差する面内で移動され、カメラの動きに起因する像ブレを低減する。
【0014】
なお、
図1では、ボディ側CPU14のみを図示してあるが、レンズ鏡筒2には、レンズ側CPUを具備させても良く、また、レンズ鏡筒2とカメラボディ1aとの接続部には、これらのCPUの送受信部を具備させても良い。そして、以下の説明では、ボディ側CPU14によりレンズ側の駆動部を直接に制御しているように説明するが、ボディ側CPU14から送受信部を介してレンズ側CPUに制御信号を送り、レンズ側の駆動部をレンズ側CPUにより制御しても良い。
【0015】
絞り機構4は、振れ補正レンズ群L3と撮像素子3との間に配置してあり、被写体光の光量を制御するように駆動機構10により駆動される。
【0016】
カメラボディ1aの内部に装着してあるクイックリターンミラー26は、構図決定の際にファインダー32に像を映し出すための構成であり、露光中は光路から退避する。クイックリターンミラー26は、不図示のミラー駆動部(例えばDCモータ)により駆動される。シャッター28は、露光時間を制御する構成であり、不図示のシャッター駆動部(例えばDCモータ)によって駆動される。
【0017】
撮像素子3は、撮像光学系が撮像面上に結像する被写体像の光に基づいて、電気的な画像出力信号を生成する。その画像出力信号は、信号処理回路16で、A/D変換やノイズ処理されて、カメラボディ1aのボディ側CPU14へ入力する。
【0018】
レンズ鏡筒2には、ジャイロセンサなどの角速度センサ12が内蔵してあり、角速度センサ12は、カメラ1に生じる手ブレなどによる角速度を検出する。角速度12で検出した角速度データはボディ側CPU14に出力する。CPU14には、AFセンサユニット40からの検出信号も入力され、その検出信号に基づき、駆動機構8を制御し、オートフォーカス(AF)機構を実現している。CPU14は、例えば、焦点検出部(図示せず)を有し、AFセンサユニット40からの検出信号を用いてデフォーカス量を演算する。CPU14は、例えば、駆動制御部(図示せず)を有し、焦点検出部が演算したデフォーカス量を用いて駆動機構8を制御する。なお、角速度センサ12は、カメラボディ1aに備えられても良い。
【0019】
CPU14には、記憶媒体20、不揮発性メモリ22および各種操作ボタン24などが接続されている。記憶媒体20は、CPU14からの出力信号を受けて、撮影画像を記憶したり、読み出されたりするメモリであり、たとえば着脱自在なカード式メモリである。着脱自在なメモリとしては、SDカード等のさまざまなタイプがあるが、特に限定されるものではない。
【0020】
不揮発性メモリ22は、ジャイロセンサのゲイン値などの調整値情報が記憶してあり、CPU14と共にカメラの内部に内蔵してある半導体メモリなどで構成される。各種操作ボタン24としては、たとえばレリーズスイッチが例示され、レリーズスイッチを半押しまたは全押しすることで、その信号がCPU14に入力される。
【0021】
本実施形態では、クイックリターンミラー26とシャッター28との間には、補助ミラー26aが具備してあり、光軸Z方向からの被写体光を、AFセンサユニット40へ導くようになっている。
図2Aに示すように、AFセンサユニット40は、モールド樹脂で構成してある導光用ケーシング42を有する。導光用ケーシング42の一端42aには、補助ミラー26aに向けて開口する開口部が形成してあり、そこから光を取り込むようになっている。ケーシング42の一端近くの外周部は、たとえばカメラボディ1aのシャーシの一部80に固定してある。
【0022】
導光用ケーシング42の他端42bには、撮像素子ユニット44が直接に取り付けてあるが、必ずしも直接では無くても良く、撮像素子ユニット44が取り付けられているフレキシブル回路基板50を介して撮像素子ユニット44が取り付けられていても良い。導光用ケーシング42の内部には、各種レンズや反射鏡などが取り付けてあり、導光用ケーシング42の一端42aに設けられた開口部から取り入れた光を撮像素子ユニット44に向けて入射させるようになっている。導光用ケーシング42は、筒状の部材であり、内部に熱が籠もりやすく熱膨張しやすい。
【0023】
撮像素子ユニット44は、撮像素子単独で構成されても良いが、
図2Bに示すように、撮像素子44aがユニットベース44bに固定してある構造を有していても良い。
図2Bに示す例では、ユニットベース44bには、その表面から突出している枠体44cが一体に形成してあり、その枠体44cの頂部に光透過部材44dが固定してあり、撮像素子44aの周囲にゴミなどが進入しないようになっている。ユニットベース44b、枠体44c、光透過部材44dは、撮像素子44aにゴミなどが進入しないようにシールドするシールド部材として機能する。光透過部材44dは、撮像素子44aへ向かう光を透過するようになっている。この実施形態では、導光用ケーシング42の他端42bは、たとえば接着剤45を用いて、枠体44cの外側に位置するユニットベース44bの表面に固定してあるが、その他の手段で固定してあっても良い。ユニットベース44b、枠体44cは、例えば、樹脂などで構成され、光透過部材44dは、例えば、ガラスなどで構成される。
【0024】
導光用ケーシング42の他端42b側について詳細に説明する。導光用ケーシング42は、第1側面と、第1側面に対向する第2側面と、第1側面に直交する第3側面と、第3側面に対向する第4側面とを有する。導光用ケーシング42を光軸に交差する面で切断した場合、第1側面〜第4側面の切断面をそれぞれ一辺とする略長方形の切断面を有する。
【0025】
撮像部の少なくとも一部は、第1側面、第2側面、第3側面及び第4側面に囲まれており、第1側面及び第2側面がユニットベース44bの表面に固定され、第3側面及び第4側面がユニットベース44bの表面に固定されていない。
【0026】
本実施形態では、AFセンサユニット40は、たとえば位相差検出方式でオートフォーカスのためのデフォーカス量をCPU14の焦点検出部が演算するために必要な検出信号を出力するものである。位相差検出方式では、レンズから入った光を2つに分けて撮像素子ユニット44へ導き、結像した2つの像の間隔からピントの方向と量を判断する。撮像素子ユニット44の撮像素子44aとしては、たとえばCCDあるいはCMOSなどが用いられる。
【0027】
撮像素子ユニット44は、フレキシブル回路基板(FPC)50を折り返し部52で折り返して形成してあるケーシング側実装面54の表面に装着してある。フレキシブル回路基板50のケーシング側実装面54とは反対側の反ケーシング側実装面56には、撮像素子ユニット44の撮像素子44aを駆動する回路やその他の回路などが装着してあっても良い。
【0028】
フレキシブル回路基板50が折り返し部52で折り返して折り曲げられて形成されたケーシング側実装面54および反ケーシング側実装面56のそれぞれの裏面55,57により放熱シート60の第1部分62が挟み込まれている。
【0029】
図3および
図4に示すように、フレキシブル回路基板50の裏面55,57と放熱シート60とは、これらの間に位置する粘着剤層70により接着してある。すなわち、フレキシブル回路基板50における実装面54,56とは反対側の裏面55,57が、放熱シート60の第1部分62の両面に折り返して接着してある。なお、粘着剤層70を構成する粘着剤は、折り返し部52の裏側にも充填してあっても良い。また、粘着剤層70は、たとえば両面粘着テープなどにより構成され、放熱シート60とフレキシブル回路基板50との接着に際しては、作業性を考慮し、放熱シート60の第1部分62の両面に、両面粘着テープを貼っておくことが好ましい。
【0030】
放熱シート60は、フレキシブル回路基板50により挟み込まれる第1部分62と、第1部分62に連続して形成されフレキシブル回路基板50からはみ出している第2部分64とを有する。本実施形態では、放熱シート60は、細長い長方形状を有し、その長手方向に垂直な幅は、フレキシブル回路基板50の幅と同等以下である。ただし、放熱シート60の幅は、フレキシブル回路基板50の幅よりも大きくても良い。
【0031】
放熱シート60の熱伝導率は、
図2Aおよび
図2Bに示すケーシング42を構成するモールド樹脂の熱伝導率よりも高いことが好ましい。本実施形態では、
図4に示すように、放熱シート60は、中間層60aと、当該中間層60aを挟み込むように積層してある保護層60b1,60b2とを有する。中間層60aは、たとえば熱伝達性に優れたグラファイトで構成してあり、保護層60b1,60b2は、たとえばPETなどの樹脂フィルムで構成してある。
【0032】
本実施形態では、粘着剤層70の厚みをt0とし、中間層の厚みをt1とし、フレキシブル回路基板の厚みをt2とした場合に、t2>t0>t1の関係にある。中間層の厚みt1は、たとえば0.04mm以上である。粘着剤層70の厚みt0は、好ましくは0.08mm以上である。粘着剤層の厚みt0が薄すぎると、フレキシブル回路基板50の裏面55,57と放熱シート60の第1部分62との間に空気が入り込みやすくなり、伝熱特性が悪化する傾向にある。
【0033】
放熱シート60のトータル厚みt3は、中間層60aの厚みに、保護層60b1,60b2の各厚みt4a,t4bを加えた厚みであり、特に限定されないが、たとえばフレキシブル回路基板50の厚みt2よりも小さくても良い。本実施形態では、放熱シートの第2部分64の端部64aが固定されておらず、自由端となっている。
【0034】
本実施形態に係るAFセンサユニット40と、そのユニット40を有するカメラボディと、そのユニット40を有するカメラ1によれば、たとえばAFの起動時初期時、またはAF継続中においても、撮像素子ユニット44の撮像素子44aからの発熱が、放熱シート60の第1部分62から第2部分64へと良好に逃がされる。また、折り返して折り曲げられたフレキシブル回路基板50の表面からの輻射による放熱効果も期待できる。そのため、撮像素子44aの発熱によるモールド樹脂から成るケーシング42の熱膨張を抑制し、ケーシング42の内部での光路変化による検出誤差を最小限にすることができる。
【0035】
また、本実施形態では、フレキシブル回路基板50を折り返し部52で折り返してあるため、フレキシブル回路基板50が占めるスペースを最小限にすることができ、狭いカメラの内部空間を有効利用することができる。さらに、放熱シートの第2部分64の端部64aが固定されておらず、自由端となっていることから、放熱シート60および撮像素子ユニット44を有するフレキシブル回路基板50をカメラボディ1a内に取り付ける作業が容易である。なお、撮像素子ユニット44およびフレキシブル回路基板50は、ケーシング42の他端42bに予め取り付けてあることが好ましいが、特に限定されない。
【0036】
なお上述した実施形態では、
図3に示すように、放熱シート60の第2部分64の端部64aと反対側の端部64bに、フレキシブル回路基板50の折り返し部52が位置するが、それに限らない。たとえば、放熱シート60の側端部64cに折り返し部52を位置させるように、フレキシブル回路基板50で放熱シート60を挟んでも良い。
【0037】
第2実施形態
図5に示すように、本実施形態では、放熱シート60の第2部分64の端部64bが、カメラボディのシャーシの一部80aに粘着剤やビスなどで固定してある。本実施形態では、カメラボディのシャーシの一部80aが、放熱用ヒートシンクと成るが、別にヒートシンクを設けても良い。
【0038】
本実施形態では、放熱シート60の第1部分62から第2部分64に伝達した熱が、カメラボディのシャーシの一部80aにも伝熱して、放熱性がさらに向上する。なお、カメラボディのシャーシの一部80aに固定してある放熱シート60の端部と、放熱シート60の第1部分との間の放熱シート60には、弛みがあることが好ましい。撮像素子ユニット44が固定される
図2Aおよび
図2Bに示すケーシング42などに無理な力が作用しないようにするためである。本実施形態のその他の構成と作用効果は、第1実施形態と同様であり、重複する説明は省略する。
【0039】
第3実施形態
図6に示すように、本実施形態では、放熱シート60aが全体としてT字形状を有し、フレキシブル回路基板50から3方向に飛び出している複数の第2部分64,66,67を有する。本実施形態では、フレキシブル回路基板50から3方向に飛び出している複数の第2部分64,66,67からの輻射による放熱効果が期待でき、放熱効果が向上する。本実施形態のその他の構成と作用効果は、第1実施形態または第2実施形態と同様であり、重複する説明は省略する。
【0040】
第4実施形態
図7に示すように、本実施形態では、フレキシブル回路基板50aの折り返し部52には通孔52aが形成してあり、通孔52aを通してフレキシブル回路基板50aから飛び出しているその他の第2部分68を放熱シート60bが有している。本実施形態では、放熱シート60bが全体として十字形状を有し、フレキシブル回路基板50bから4方向に飛び出している複数の第2部分64,66,67、68を有する。本実施形態では、フレキシブル回路基板50から4方向に飛び出している複数の第2部分64,66,67、68からの輻射による放熱効果が期待でき、放熱効果が向上する。また、本実施形態では、フレキシブル回路基板50aの折り返し部52に通孔52aが形成してあることから、フレキシブル回路基板50aの折り曲げが容易である。本実施形態のその他の構成と作用効果は、第1実施形態から第3実施形態と同様であり、重複する説明は省略する。
【0041】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、上述した実施形態では、本発明を一眼レフデジタルカメラやコンパクトデジタルカメラに適用したが、これに限らず、ビデオカメラ、双眼鏡、顕微鏡、望遠鏡、携帯電話などの光学機器にも適用できる。
【符号の説明】
【0042】
1… カメラ
1a… カメラボディ
2… レンズ鏡筒
40… AFセンサユニット
44… 撮像素子ユニット
50… フレキシブル回路基板
52… 折り返し部
54,56… 実装面
55,57… 裏面
60… 放熱シート
60a… 中間層
60b1,60b2… 保護層
62… 第1部分
64,66,67,68… 第2部分